JP2000327485A - シリコン単結晶インゴット及びこれから作られたシリコンウェーハ - Google Patents
シリコン単結晶インゴット及びこれから作られたシリコンウェーハInfo
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Abstract
うな金属元素の汚染度が小さく電気的特性に優れる。 【解決手段】 CZ法により育成された空孔型点欠陥の
凝集体及び格子間シリコン点欠陥の凝集体が存在しない
シリコン単結晶インゴットであって、鉄汚染濃度が2×
109atoms/cm3以下であることを特徴とするシ
リコン単結晶インゴットである。
Description
法(以下、CZ法という。)により育成されたシリコン
単結晶インゴット及びこれから作られたシリコンウェー
ハに関する。更に詳しくは、LSI等の半導体装置を製
造するために用いられるシリコンウェーハに関するもの
である。
いてリーク電流が少なく、またMOSトランジスタのゲ
ート酸化膜に対する信頼性が高い等の優れた電気的特性
を示すことが要求される。これらの特性を劣化させる原
因として、基板となるシリコンウェーハの結晶欠陥、及
びウェーハの金属元素による汚染が挙げられる。金属の
中でも特に鉄元素がシリコン単結晶中で強く悪影響を及
ぼすとされており、この鉄元素は周囲の環境或いは装置
からの汚染により取込まれる。
素のような金属元素を捕獲する技術として、従来からウ
ェーハ自体に金属元素を捕獲するゲッタリング能力を持
たせるイントリンシックゲッタリング(IG)法や、エ
クストリンシックゲッタリング(EG)法が知られてい
る。また動作領域となるウェーハ表面から金属を除去す
る技術として、シリコンウェーハを過酸化水素と水酸化
アンモニウムからなるSC−1溶液により洗浄した後、
過酸化水素と希塩酸からなるSC−2溶液により洗浄す
るRCA洗浄法が知られている。
したシリコン単結晶インゴットに金属元素が多く混入し
ていると、シリコンウェーハの状態での金属元素を除去
又は捕獲する技術をますます複雑化又は高度化しなけれ
ばならない。本発明の目的は、結晶に起因した欠陥がな
く、かつ鉄元素のような金属元素の汚染度が小さく電気
的特性に優れたシリコン単結晶インゴット及びこれから
作られたシリコンウェーハを提供することにある。
チョクラルスキー法により育成された空孔型点欠陥の凝
集体及び格子間シリコン点欠陥の凝集体が存在しないシ
リコン単結晶インゴットであって、鉄汚染濃度が2×1
09atoms/cm3以下であることを特徴とするシリ
コン単結晶インゴットである。請求項2に係る発明は、
請求項1記載のシリコン単結晶インゴットから作られた
シリコンウェーハである。請求項1に係るインゴット又
は請求項2に係るシリコンウェーハは、結晶に起因した
欠陥がなく、かつ鉄汚染濃度が2×109atoms/
cm3以下と低いため、LSI等の半導体装置にしたと
きに、pn接合においてリーク電流が少なく、またMO
Sトランジスタのゲート酸化膜に対する信頼性が高い等
の優れた電気的特性を示す。
トを金属元素の含有量を少なくして、かつ無欠陥で製造
する方法について述べる。 (1) 金属元素の含有量の少ないシリコン単結晶の製造方
法 本発明の金属元素、特に鉄元素の含有量の少ないシリコ
ン単結晶インゴットは、原料となる塊状又は粒状の多結
晶シリコンを洗浄する工程と、洗浄した原料シリコンを
融解してこのシリコン融液からCZ法により固化率0.
9以下でシリコン単結晶インゴットを育成するシリコン
単結晶の引上げ工程と、この引上げたシリコン単結晶を
塊状又は粒状にする工程と、この塊状又は粒状の単結晶
シリコンを洗浄する工程と、洗浄したシリコン単結晶を
再度融解(リメルト)して固化率0.9以下で育成する
シリコン単結晶の再引上げ工程とを含む。ここで固化率
とは重量換算で原料シリコン100%に対して、育成し
たシリコン単結晶の割合をいう。
結晶シリコンを洗浄するには、先ず塊状又は粒状の原料
シリコンを溶存オゾン水溶液で洗浄した後、フッ酸又は
フッ硝酸(フッ酸と硝酸の混酸)で洗浄し、更に超純水
で洗浄する方法である。このフッ酸又はフッ硝酸による
洗浄工程を1回以上繰返すか、或いは溶存オゾン水溶液
による洗浄工程と、フッ酸又はフッ硝酸による洗浄工程
を1回以上繰返すことが好ましい。多結晶シリコン又は
単結晶シリコンなどの原料シリコンは活性な性質を有す
るため、石英るつぼに投入するまで、プラスチック製の
袋に入れられ密封される。しかし密封の前後において、
空気中の酸素と反応して原料シリコンの表面には酸化膜
が形成され易い。この酸化膜は原料シリコンの表面に付
着している金属不純物等を含んで形成されたり、或いは
酸化膜の形成後に酸化膜の表面に金属不純物等が付着し
たりする。上記方法において、溶存オゾン水溶液の洗浄
によりシリコン表面が強制的に酸化されてシリコン全面
に酸化膜が形成され、次いでフッ酸又はフッ硝酸の洗浄
によりこの酸化膜が除去される。この結果、酸化膜に含
まれる金属不純物等が酸化膜とともに除去される。フッ
酸又はフッ硝酸による洗浄工程を1回以上繰返すことに
より、その除去効果が高まる。
法に基づく炉で融解されシリコン融液となる。ここで最
初の引上げ時の固化率は0.9以上に、またリメルト後
の引上げ時の固化率は0.9以下、好ましくは0.8以
下に設定する。固化率を上記値以下にするのは次の理由
による。固化率が小さく、石英るつぼ内のシリコン融液
が多量に残留しているときの育成された部分、即ちイン
ゴットのトップ部に近い部分は、シリコン融液中の鉄な
どの金属元素の混入量は少ない。その反面、石英るつぼ
内のシリコン融液の残液が少なくなって固化率が大きく
なるに従って、残液中の金属元素の濃度は高くなり、金
属元素のインゴットへの混入量が多くなるためである。
原料シリコンの洗浄と所定の固化率以下のリメルトによ
り、シリコン単結晶中の鉄汚染濃度は2×109ato
ms/cm3以下となる。
の凝集体が存在しない無欠陥シリコン単結晶の製造方法
について述べる。本発明のシリコン単結晶インゴット
は、CZ法によりホットゾーン炉内のシリコン融液から
インゴットをボロンコフ(Voronkov)の理論に基づいた
所定の引上げ速度プロファイルで引上げられる。また本
発明のシリコンウェーハはこのインゴットをスライスし
て作製される。一般的に、CZ法によりホットゾーン炉
内のシリコン融液からシリコン単結晶のインゴットを引
上げたときには、シリコン単結晶における欠陥として、
点欠陥(point defect)と点欠陥の凝集体(agglomerat
es:三次元欠陥)が発生する。点欠陥は空孔型点欠陥と
格子間シリコン型点欠陥という二つの一般的な形態があ
る。空孔型点欠陥は一つのシリコン原子がシリコン結晶
格子で正常的な位置の一つから離脱したものである。こ
のような空孔が空孔型点欠陥になる。一方、原子がシリ
コン結晶の格子点以外の位置(インタースチシャルサイ
ト)で発見されるとこれが格子間シリコン点欠陥にな
る。
コン)とインゴット(固状シリコン)の間の接触面で形
成される。しかし、インゴットを継続的に引上げること
によって接触面であった部分は引上げとともに冷却し始
める。冷却の間、空孔型点欠陥又は格子間シリコン型点
欠陥は拡散により互いに合併して、空孔型点欠陥の凝集
体(vacancy agglomerates)又は格子間シリコン型点欠
陥の凝集体(interstitial agglomerates)が形成され
る。言い換えれば、凝集体は点欠陥の合併に起因して発
生する三次元構造である。空孔型点欠陥の凝集体はCO
P(Crystal Originated Particle)、LSTD(Laser
Scattering Tomograph Defects)又はFPD(Flow Pa
ttern Defects)と呼ばれる欠陥を含み、格子間シリコ
ン型点欠陥の凝集体はL/D(Interstitial-type Larg
e Dislocation)と呼ばれる欠陥を含む。ここでCOP
は鏡面研磨後のシリコンウェーハをアンモニアと過酸化
水素の混合液で洗浄すると、ウェーハ表面にピットが形
成され、このウェーハをパーティクルカウンタで測定す
ると、ピットも本来のパーティクルとともにパーティク
ルとして検出される結晶に起因した欠陥である。FPD
とは、インゴットをスライスして作製されたシリコンウ
ェーハを30分間セコ(Secco)エッチング液で化学エ
ッチングしたときに現れる特異なフローパターンを呈す
る痕跡の源であり、LSTDとは、シリコン単結晶内に
赤外線を照射したときにシリコンとは異なる屈折率を有
し散乱光を発生する源である。L/Dは、転位クラスタ
とも呼ばれたり、或いはこの欠陥を生じたシリコンウェ
ーハをフッ酸を主成分とする選択エッチング液に浸漬す
るとピットを生じることから転位ピットとも呼ばれる。
純度インゴットを成長させるために、インゴットの引上
げ速度をV(mm/分)、ホットゾーン構造でインゴッ
ト−シリコン融液の接触面の温度勾配をG(℃/mm)
とするときに、V/G(mm2/分・℃)を制御するこ
とである。この理論では、図1に示すように、V/Gは
関数として空孔濃度及び格子間シリコン濃度を図式的に
表現し、ウェーハで空孔/格子間シリコン領域の境界が
V/Gによって決定されることを説明している。より詳
しくは、V/G比が臨界点以上では空孔型点欠陥が支配
的に存在するインゴットが形成される反面、V/G比が
臨界点以下では格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在
するインゴットが形成される。
は、インゴットがホットゾーン炉内のシリコン溶融物か
ら引上げられる時、温度勾配に対する引上げ速度の比
(V/G)が格子間シリコン型点欠陥の凝集体の発生を
防止する第1臨界比((V/G)1)以上であって、空孔
型点欠陥の凝集体をインゴットの中央にある空孔型点欠
陥が支配的に存在する領域内に制限する第2臨界比
((V/G)2)以下に維持されるように決められる。こ
の引上げ速度のプロファイルは、実験的に基準インゴッ
トを軸方向にスライスすることで、実験的に基準インゴ
ットをウェーハにスライスすることで、またはこれらの
技術を組合わせることで、シミュレーションによって上
記ボロンコフの理論に基づき決定される。即ち、この決
定は、シミュレーションの後、インゴットの軸方向スラ
イス及びスライスされたウェーハの確認を行い、更にシ
ミュレーションを繰り返すことによりなされる。シミュ
レーションのために複数種類の引上げ速度が所定の範囲
で決められ、複数個の基準インゴットが成長される。図
2に示すように、シミュレーションのための引上げ速度
プロファイルは1.2mm/分のような高い引上げ速度
(a)から0.5mm/分の低い引上げ速度(c)及び再
び高い引上げ速度(d)に調整される。上記低い引上げ
速度は0.4mm/分又はそれ以下であることもあって
もよく、引上げ速度(b)及び(d)での変化は線形的な
ものが望ましい。
ンゴットは各別に軸方向にスライスされる。最適のV/
Gが軸方向のスライス、ウェーハの確認及びシミュレー
ションの結果の相関関係から決定され、続いて最適な引
上げ速度プロファイルが決定され、そのプロファイルで
インゴットが製造される。実際の引上げ速度プロファイ
ルは所望のインゴットの直径、使用される特定のホット
ゾーン炉及びシリコン融液の品質等を含めてこれに限定
されない多くの変数に依存する。
結合を利用して決定された100cmの長さと200m
mの直径を有するインゴットを成長させるための引上げ
速度のプロファイルを示す。ここでは三菱マテリアルシ
リコン(株)生野工場で製作されたモデル名Q41のC
Z法に基づいたホットゾーン炉が使用された。
続的に低下させ、再び引上げ速度を徐々に高めてV/G
を連続的に高めたときのインゴットの断面図を描いてみ
ると、図4に示される事実が分かる。図4には、インゴ
ット内での空孔型点欠陥が支配的に存在する領域が
[V]、格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領
域が[I]、及び空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリ
コン型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域が
[P]としてそれぞれ示される。図4に示すように、イ
ンゴットの軸方向位置P1及びP6は、中央に空孔型点欠
陥が支配的に存在する領域を含む。位置P3及びP4は格
子間シリコン型点欠陥が支配的に存在するリング及び中
央のパーフェクト領域を含む。また位置P2及びP5は中
央に空孔型点欠陥がないし縁部分に格子間シリコン型点
欠陥もないので全てパーフェクト領域である。
1及びP6にそれぞれ対応したウェーハW1及びW6は、中
央に空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。ウェ
ーハW3及びW4は格子間シリコン型点欠陥が支配的に存
在するリング及び中央のパーフェクト領域を含む。また
ウェーハW2及びW5は中央に空孔型点欠陥がないし縁部
分に格子間シリコン型点欠陥もないので全てパーフェク
ト領域である。ウェーハW2及びW5は、図5に示すよう
に全てパーフェクト領域を作るように選定して決められ
た引上げ速度プロファイルで成長したインゴットをスラ
イスして作製される。図6はその平面図である。参考ま
でに、別の引上げ速度プロファイルで成長したインゴッ
トをスライスして作製されたウェーハW1及びW6が図7
に示される。図8はその平面図である。本発明のシリコ
ンウェーハは、上記ウェーハW2又はW5であって、この
ウェーハをラッピングし、面取り加工を施した後、鏡面
研磨して得られる。
多結晶シリコンの鉄元素濃度をICP質量分析計(indu
ctively coupled plasma mass spectrometer)で測定し
たところ、平均値が2ppb−wtであった。鉄元素の
濃度が2ppb−wtであるということは、シリコン1
gに対して鉄が2ppbの割合で含まれていることを意
味する。一般に、シリコン単結晶中の不純物濃度は、偏
析のため極端に小さく、直接分析するのは困難な元素が
多い。そこで、CZ法で単結晶を育成した後、るつぼ内
に残ったシリコン融液(以下、残湯という。)を分析
し、各不純物元素の偏析係数から、結晶中の不純物濃度
を算出する方法が採られる。この分析は通常残湯の一部
をサンプリングして固化させた後にこのサンプル全量を
高純度なフッ酸と硝酸の混酸により溶解し、ICP質量
分析計で分析する。
ンを融解したシリコン融液の残湯分析とシリコン単結晶
のリメルト試験を行って、金属不純物のうち、鉄とクロ
ムとニッケルの濃度について考察した。即ち、上記多結
晶シリコンを融解したシリコン融液から単結晶を220
mmの長さまで引上げた。固化率0.626のときの残
湯をサンプリングして固化し、鉄、クロム及びニッケル
の各元素の濃度を測定した。また単結晶のトップ部の
鉄、クロム及びニッケルの各元素の濃度も測定した。次
いで育成したシリコン単結晶を再度融解(リメルト)し
て、このシリコン融液から単結晶をやはり220mmの
長さまで引上げた。固化率0.681のときの残湯をサ
ンプリングして固化し、鉄、クロム及びニッケルの各元
素の濃度を測定した。また単結晶のトップ部の鉄、クロ
ム及びニッケルの各元素の濃度も測定した。
シリコン融液から引上げたそれぞれの単結晶のトップ部
の不純物濃度は、結晶育成前に全ての不純物がシリコン
融液中に混入していると仮定し、次の式(1)を用いて
計算した。
偏析係数、CZは残湯中の不純物濃度、Lは残湯分析時
の固化率である。鉄元素の偏析係数は8×10-6、クロ
ム元素の偏析係数は2.8×10-5、ニッケル元素の偏
析係数は3×10-5である。残湯中の不純物濃度、トッ
プ部の不純物濃度等の結果を表1に示す。
ム及びニッケルの各元素の濃度がリメルトにより減少す
ることが判った。予察に用いた塊状の多結晶シリコンを
ポリエチレン製のかご内に入れ、このかごを第1槽内に
置いて噴射ノズルからオゾン濃度が20ppmの溶存オ
ゾン水溶液を5000cc/分の割合で多結晶シリコン
に3分間噴射した。次いで第2槽に貯えられたオゾン濃
度が20ppmの溶存オゾン水溶液中に上記噴射処理さ
れた多結晶シリコンの入ったかごを5分間浸漬した。次
いでこのかごを第2槽から引上げて、第3槽に貯えられ
た濃度が0.5重量%のフッ酸中に5分間浸漬した。次
いでこのかごを第3槽から引上げて、第4槽内に置き、
噴射ノズルからオゾン濃度が20ppmの溶存オゾン水
溶液を5000cc/分の割合で多結晶シリコンに3分
間噴射した。次いでこのかごを第4槽から引上げて、第
5槽に貯えられた濃度が0.5重量%のフッ酸中に5分
間浸漬した。次いでこのかごを第5槽から引上げて、第
6槽に貯えられた超純水中に15分間浸漬した。次いで
このかごを第6槽から引上げて、温風乾燥機内に導入
し、多結晶シリコンを乾燥した後、乾燥した多結晶シリ
コンをかごから取出した。この洗浄後の多結晶シリコン
の鉄元素濃度をICP質量分析計で測定したところ、平
均値が1ppb−wtであった。
るつぼに入れ、カーボンヒータにより融解してシリコン
融液にした。種結晶をシリコン融液に接触し、シリコン
単結晶インゴットを育成した。引上げたインゴットを測
定したところ、重量は80kg(固化率0.73)、引
上げ長は1100mmであった。引上げたインゴットを
破砕機で塊状に破砕した。この塊状の単結晶シリコンを
ポリエチレン製のかご内に入れ、このかごを第7槽に貯
えられたアセトン中に30分間浸漬した。次いでこのか
ごを第7槽から引上げて、第8槽に貯えられた濃度が5
0重量%のフッ酸と70重量%の硝酸の混合溶液中に5
分間浸漬した。次いでこのかごを第8槽から引上げて、
第9槽に貯えられた超純水中に15分間浸漬した。次い
でこのかごを第9槽から引上げて、第8槽(混酸、5
分)−第9槽(超純水、15分)−第8槽(混酸、5
分)−第9槽(超純水、15分)への浸漬を行った。か
ごを第9槽から引上げ、温風乾燥機内に導入し、単結晶
シリコンを乾燥した後、乾燥した単結晶シリコンをかご
から取出した。この洗浄後の単結晶シリコンの鉄元素濃
度をICP質量分析計で測定したところ、0.05pp
b−wt以下であった。
るつぼに入れ、カーボンヒータにより再度融解(リメル
ト)してシリコン融液にした。種結晶をシリコン融液に
接触し、シリコン単結晶インゴットを育成した。ここで
は図4に示した位置P2に対応する領域をインゴット全
長にわたって育成するようにV/Gを定めて引上げた。
引上げたインゴットを測定したところ、重量は80kg
(固化率0.73)、引上げ長は1100mmであっ
た。こうして引上げられたインゴットからスライスされ
たシリコンウェーハをラッピングし、面取り加工を施し
た後、鏡面研磨することにより、シリコンウェーハを得
た。得られたシリコンウェーハをSPV(surface phot
o voltage)法により鉄元素濃度を測定したところ、平
均値が約1×109atoms/cm3であった。
るCOP、OSF及びL/Dについて測定した。COP
は、シリコンウェーハをアンモニアと過酸化水素の混合
液で洗浄した後、レーザパーティクルカウンタ(KLA
-Tencor社製、SFS6200)を用いて、この
ウェーハの表面における0.12μm以上のサイズのC
OPを調べた。またOSFは、シリコンウェーハを10
00℃の温度で4時間熱処理し、引続き1130℃の温
度で3時間熱処理(パイロジェニック酸化処理)して、
目視によりOSFが顕在化しているか否か調べた。更に
L/Dは、上記シリコンウェーハ表面を30分間セコ
(Secco)エッチング液で化学エッチングした。次いで
これにより現れる特異な痕跡を光学顕微鏡で観察し、基
板であるシリコンウェーハのL/Dの転写痕の有無を調
べた。その結果、ウェーハ全面において0.12μm以
上のサイズのCOPは0個であった。またウェーハ面内
でOSFもL/Dも全く出現しなかった。
結晶インゴット及びこれから作られたシリコンウェーハ
は、結晶に起因した欠陥がなく、かつ鉄をはじめとして
クロム、ニッケルのような金属元素の汚染度が小さく電
気的特性に優れている。この結果、LSI等の半導体装
置にしたときに、pn接合においてリーク電流が少な
く、またMOSトランジスタのゲート酸化膜に対する信
頼性が高い。
点以上では空孔豊富インゴットが形成され、V/G比が
臨界点以下では格子間シリコン豊富インゴットが形成さ
れることを示す図。
の引上げ速度の変化を示す特性図。
トウェーハをそれぞれ成長させるための引上げ速度プロ
ファイルを図式的に示した特性図。
格子間シリコン豊富領域及びパーフェクト領域を示すX
線トモグラフィの概略図。
コン型点欠陥の凝集体が存在しないインゴット及びウェ
ーハの説明図。
ェーハの縁部分の間の無欠陥領域を有するインゴット及
びウェーハの説明図。
Claims (2)
- 【請求項1】 空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコ
ン型点欠陥の凝集体が存在しないチョクラルスキー法に
より育成されたシリコン単結晶インゴットであって、 鉄汚染濃度が2×109atoms/cm3以下であるこ
とを特徴とするシリコン単結晶インゴット。 - 【請求項2】 請求項1記載のシリコン単結晶インゴッ
トから作られたシリコンウェーハ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14605599A JP3752890B2 (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | シリコン単結晶インゴットの製造方法 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000327485A true JP2000327485A (ja) | 2000-11-28 |
JP3752890B2 JP3752890B2 (ja) | 2006-03-08 |
Family
ID=15399079
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14605599A Expired - Lifetime JP3752890B2 (ja) | 1999-05-26 | 1999-05-26 | シリコン単結晶インゴットの製造方法 |
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---|---|
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