JP2000322052A - 鍵盤楽器の消音装置 - Google Patents
鍵盤楽器の消音装置Info
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Abstract
着脱および調整作業が簡易となる。 【解決手段】 アップライトピアノの親板304には、
取付部材306が取り付けられており、この取付部材3
06にスライドブロック303がピアノ前面側と裏面側
との間で移動可能に支持されている。スライドブロック
303には、受板ホルダ302を介して連結棒307が
取り付けられており、レバー部材308が回転軸309
を軸として回動することにより、連結棒307によって
スライドブロック303が図の左右方向に移動させられ
るようなっている。このようなスライドブロック303
の移動に伴ってスライドブロック303に受板ホルダ3
02を介して取り付けられたリンク受板300がリンク
202を押して回動させる。これにより、リンク202
に連結されたシャンクストッパレール200がハンマー
シャンクの移動範囲に侵入する。
Description
置に関する。
盤楽器においては、通常の演奏モードと消音演奏モード
とを切換可能にしている。通常の演奏モードでは、押鍵
に伴ってハンマが打弦するのに対し、消音演奏モードで
は、ハンマによる打弦を停止させる一方で、押鍵動作を
検知手段で検知して、これに応じた楽音をヘッドフォン
で演奏者が聴取できるようにしたり楽音に対応する信号
を記録したりすることができる。
る消音装置として、シャンクストッパが使用されてい
る。このシャンクストッパは、長尺のレール状の部材で
あって、並列されたハンマシャンクを横断する方向に延
在させられている。そして、演奏モードを切り換える際
に、このシャンクストッパを変位させることにより、消
音演奏モードでは、押鍵してもハンマシャンクがシャン
クストッパに当接して停止することによって、ハンマが
打弦せず、通常の演奏モードでは、ハンマシャンクがシ
ャンクストッパに当接することなく、ハンマが打弦する
ようになっている。
る機構としては、シャンクストッパ、またはシャンクス
トッパと連結された駆動部材等をワイヤーの一端に接続
し、このワイヤーの他端をペダルやボタン等に接続した
構造のものが知られている。このような駆動機構を有す
る装置では、使用者がペダルを踏み下げると、これに接
続されたワイヤーの変位に伴ってワイヤーに連結された
シャンクストッパが移動させられるようになっている。
ヤーを用いてシャンクストッパを駆動する機構では、使
用者に操作されるペダル、これに接続されるワイヤ−、
ワイヤーに接続される駆動部材、およびシャンクストッ
パ等が全て連結されているので、メンテナンス、または
シャンクストッパ駆動機構を後から取り付ける後付け作
業を行う際の各部品の着脱作業が煩雑となる。また、い
ずれかの部品、例えば駆動部材を着脱した後には、駆動
部材に連結されるシャンクストッパ等の各部品について
の調整が必要となり、調整作業も複雑となる。
ものであり、メンテナンス等の際の、各部品の着脱およ
び調整作業が簡易な鍵盤楽器の消音装置を提供すること
を目的とする。
め、本発明の請求項1に記載の鍵盤楽器の消音装置は、
押鍵時に打弦可能な打弦部材の移動範囲に対して進退自
在に設けられ、前記打弦部材の移動範囲に侵入した時
に、前記打弦部材の打弦を阻止するストッパ部材を備え
る鍵盤楽器の消音装置において、前記ストッパ部材を支
持する固定された固定部材と、前記ストッパ部材に接し
た状態で移動することにより、前記ストッパ部材を移動
させる駆動手段とを具備することを特徴としている。
置は、請求項1に記載の鍵盤楽器の消音装置において、
前記固定部材に設けられ、前記打弦部材の移動範囲から
待避した位置に前記ストッパ部材が配置されるように前
記ストッパ部材に常時力を付与する力付与手段をさらに
具備し、前記駆動手段は、前記力付与手段の力に抗して
前記ストッパ部材を前記打弦部材の移動範囲に移動させ
ることを特徴としている。
置は、請求項1に記載の鍵盤楽器の消音装置において、
前記固定部材に設けられ、前記打弦部材の移動範囲の位
置に前記ストッパ部材が配置されるように前記ストッパ
部材に常時力を付与する力付与手段をさらに具備し、前
記駆動手段は、前記力付与手段の力に抗して前記ストッ
パ部材を前記打弦部材の移動範囲から待避した位置に移
動させることを特徴としている。
置は、請求項1に記載の鍵盤楽器の消音装置において、
前記駆動手段は、ペダル機構から伝達される力によって
前記ストッパ部材を移動させることを特徴としている。
の鍵盤楽器の消音装置において、前記ストッパ部材を前
記固定部材に連結する2つの連結部材をさらに具備し、
前記連結部材は、前記固定部材に垂直方向を軸方向とし
て回転自在に結合される固定結合部と、前記ストッパ部
材に垂直方向を軸方向として回転自在に結合されるスト
ッパ結合部とを有しており、2つの前記連結部材と前記
ストッパ部材とで平行リンク機構を構成し、前記固定結
合部を軸として前記連結部材を回動自在にすることによ
り、前記ストッパ部材を水平方向に移動可能に連結した
ことを特徴としている。
施形態について説明する。 A.実施形態の構成 A−1.全体構成 まず、図1は本発明の一実施形態に係る消音装置を備え
たアップライトピアノの1つの鍵の動作に応じて駆動さ
れるアクション機構を示す側断面図である。同図に示す
アクション機構は、鍵10と、この鍵10の動作により
駆動されるウイペン23と、ウイペン23の動作により
駆動されるジャック26により駆動されて弦Sを打撃す
るハンマアセンブリ40と、ウイペン23の動作により
駆動される弦Sを押さえるダンパアセンブリ50とを備
えている。そして、押鍵により鍵10の後端部(図1に
おいて左端部)が上昇し、そこに固定されたキャプスタ
ン12がウイペン23を押し上げるようになっている。
の骨組みとなる固定されたセンタレールを示す。センタ
ーレール16の下端部には、各鍵10について1個ずつ
ウイペンフレンジ22が固定されている。ウイペンフレ
ンジ22の下端部には、板状のウイペン23の一端部が
ピン22aによって回動自在に支持されている。ウイペ
ン23は長手方向をアップライトピアノの前後方向に向
けて延在させられており、その他端部の下面にはウイペ
ンヒール24が固定されている。ウイペンヒール24の
下面は、キャプスタン12に支持されている。
出するジャックフレンジ25が固定され、ジャックフレ
ンジ25の上端部には、ほぼL字状をなすジャック26
の屈曲部が回動自在に支持されている。ジャック26
は、斜め上方に向けて延在するジャック大26aと、こ
のジャック大26aにほぼ直交するジャック小26bと
から構成されている。ジャック26は、ウイペン23に
取り付けたジャックスプリング27によりジャック小2
6bが押し上げられることにより、図中反時計方向に付
勢されている。ウイペン23には、ジャック26の他、
バックチェック38、ブライドルワイヤ39a、ブライ
ドルテープ39bが取り付けられて、これらによりウイ
ペンアセンブリが構成されている。
ト31を介して鍵10が並設された鍵盤の全長にわたっ
て延在するレギュレーティングレール32が固定されい
てる。レギュレーティングレール32には、スクリュー
33により上下方向の位置が調整可能とされたレギュレ
ーティングボタン34が取り付けられている。
を構成するバットを示す。バット41は、センターレー
ル16に固定されたバットフレンジ42にセンターピン
42aを介して回転自在に取り付けられている。バット
41には、斜め上方へ向けて延在するハンマシャンク4
3が固定され、ハンマシャンク43の上端部にはハンマ
44が固定されている。また、バット41には、ハンマ
シャンク43とほぼ直交する方向にキャッチャシャンク
45が固定され、キャッチャシャンク45の先端部には
キャッチャ46が固定されている。また、バット41の
左上端部には、これを時計方向へ付勢するバットスプリ
ング47が取り付けられている。さらに、バット41の
下面には、バットアンダーフェルト41aとこれを覆う
バットアンダースキン41bとが取り付けられ、バット
アンダースキン41bにはジャック大26aの上端面が
当接している。
す。ハンマレール36は、鍵盤の全長にわたって延在
し、その側面には、ハンマパッド37が取り付けられて
いる。そして、ハンマアセンブリ40は、バットスプリ
ング47の付勢力により、ハンマシャンク43をハンマ
パッド37に当接させた初期位置に保持されている。ま
た、ウイペン23の自由端には、初期位置へ回動復帰す
るハンマアセンブリ40のキャッチャ46を弾性的に受
け止めるバックチェック38が固定されている。さら
に、バックチェック38の隣には、ブライドルワイヤ3
9aが取り付けられ、ブライドルワイヤ39aの上端部
とキャッチャ46とはブライドルテープ39bによって
連結されている。ブライドルテープ39bは、ハンマア
センブリ40の回動復帰をウイペン23の回動復帰に追
従させることにより、ハンマアセンブリ40の跳ね返り
に起因する弦Sの二度打ちを防止するためのものであ
る。
レンジ51が取り付けられ、ダンパフレンジ51には長
手方向を上下方向へ向けたダンパレバー52が回動自在
に支持され、ダンパレバー52の上端部には、ダンパワ
イヤ53を介してダンパ54が取り付けられている。ダ
ンパ54は、ダンパワイヤ53にネジ54aによって固
定されたホルダ54bと、ホルダ54bに固定された制
振部54cとを有している。ダンパレバー52は、ダン
パフレンジ51に固定されたダンパレバースプリング5
5によって反時計方向に付勢され、これにより、通常は
ダンパ54の制振部54cが弦Sを押さえて他の弦Sが
打弦されたときの共振を防止している。一方、押鍵によ
りウイペン23が反時計方向へ回動すると、ウイペン2
3に取り付けたダンパスプーン56がダンパレバー52
をダンパレバースプリング55の付勢力に抗して時計方
向へ回転させ、ダンパ54を弦Sから離間させる。その
後、ハンマ44が弦Sを打撃して打弦音が発生する。
号200は、鍵盤の全長にわたって延在するシャンクス
トッパレール(ストッパ部材)を示す。シャンクストッ
パレール200は、後述する駆動機構によって水平方向
(図の左右方向)に移動可能になされている。シャンク
ストッパレール200は、ハンマシャンク43の移動範
囲に対して進退自在に設けられ、ハンマシャンク43の
移動範囲に侵入した時に、ハンマシャンク43による打
弦を阻止するようになされている。
200全体を示す斜視図である。シャンクストッパレー
ル200は、左右の取付部材62に両端が連結されたレ
ールベース66と、レールベース66の上にネジ止めさ
れた3つのストッパレールセグメント67a,67b,
67cと、ストッパレールセグメント67a,67b,
67cにそれぞれ固定された緩衝部68とから構成され
ている。緩衝部68は、ハンマシャンク43が当接し、
ハンマシャンク43による打撃を阻止する部分である。
緩衝部68は、発砲ウレタンで形成してもよいし、フェ
ルトのような緩衝材を主体に形成してハンマシャンク4
3で打撃される表面を合成皮革で覆うようにしてもよ
い。
b,67cは、それぞれ低音域用、中音域用、高音域用
である。各ストッパレールセグメント67a,67b,
67cは、断面L字形の部材であって、その大きい方の
片がネジ69によりレールベース66上に締結されてい
る。図3に示すように、各ストッパレールセグメント6
7a,67b,67cのネジ止めされる部分には、後部
から前方へ延びる切り込み部70が形成されており、こ
の切り込み部70にネジ69を挿通してレールベース6
6にこれを締結するようになっている。
とにより、それぞれのストッパレールセグメント67
a,67b,67cは、他のストッパレールセグメント
67a,67b,67cから独立して前後方向、すなわ
ちハンマシャンク43の揺動方向(図1参照)に沿って
調節することができるようになっている。このようにス
トッパレールセグメント67a,67b,67cを3つ
設けたのは、消音演奏時におけるハンマシャンク43の
停止位置をより細かく調整できるようにするためであ
る。すなわち、低音弦用、中音弦用、高音弦用のストッ
パレールセグメント67a,67b,67c毎に前後の
位置を調節することにより、各音域毎に最適な位置でハ
ンマシャンク43の揺動を阻止することができる。これ
により、ストッパ機構を有しない生ピアノに対して、低
速で鍵を押下した時の弦とハンマとの最小距離を示す
「接近」の変化を最小に抑えることが可能となるので、
緩衝部68を各音域毎に違う厚さにするような手間をか
けることなく、各音域毎に適切なタッチ感を演奏者が感
ずることが可能とされている。
6は、ほぼ真っ直ぐであって、水平に配置されている
が、低音域用のストッパレールセグメント67aと中音
域用のストッパレールセグメント67bの間の部分66
aにおいては、ストッパレールセグメント67bの低音
側が上方になるように傾斜させられている。また、中音
用のストッパレールセグメント67bの中でも低音に近
い部分67dは、低音から中音にかけて、低くなるよう
に傾斜させられており、部分67dに対応するレールベ
ース66および緩衝部68の部分も同様に傾斜させられ
ている。
通常、低音域用の弦と中音以上の弦とが交差するように
配置されており、中音域の低音に近い数弦用のハンマ4
4およびダンパ54が、他の弦のハンマ44およびダン
パ54よりも高い位置にあるため、緩衝部68とハンマ
シャンク43の当接位置を適切にするとともに、その高
い位置にあるダンパ54がレールベース66等に干渉し
ないようにするためである。
両端部に設けられた図示せぬアクションブラケットに固
定された取付部材(固定部材)62とレールベース66
との連結部について説明する。まず、図3および図4に
示すように、レールベース66の端部66bは、ピン
(ストッパ結合部)201によってリンク(連結部材)
202と結合されている。リンク202は、ピン(固定
結合部)203によって取付部材62と結合されてい
る。
は、ピン(ストッパ結合部)211によってリンク(連
結部材)212と結合されている。リンク212は、ピ
ン(固定結合部)213によって取付部材62と結合さ
れている。これらのピン201,203,211,21
3は、垂直方向(図4の紙面垂直方向)を軸方向とした
リンク202,212の回転を許容するようになされて
おり、リンク受板300の移動により、固定配置された
取付部材62と結合されたピン203を中心軸としてリ
ンク202は図4中矢印で示す方向に回動するようにな
っている。また、これに伴ってリンク212も固定配置
された取付部材62と結合されたピン213を中心軸と
して回動するようになっている。ここで、ピン201と
ピン203とを結ぶ距離および位置関係は、ピン211
とピン213とを結ぶ距離および位置関係と同様になさ
れており、リンク202,212が回動させられると、
これらとピン201,211によって結合されたレール
ベース66が図の下方であるハンマシャンク43側に平
行状態を維持したまま移動するようになっている。従っ
て、この消音装置において、各ピンとリンク202,2
12とシャンクストッパレール200とで平行リンク機
構を構成している。
の固定軸側(リンク202におけるピン203の周囲の
部分)には、トーションバネ(力付与手段)201aが
巻き付けられており、このトーションバネ201aの一
端部がリンク202の側面に当接した状態となってい
る。これによりリンク202は、ピン203を軸として
図4の時計方向に常時付勢されている。一方、リンク2
02は、平面形状が鈎型になされており、このリンク2
02の屈曲端部202aが後述する駆動機構のリンク受
板300と接触させられている。これにより、この位置
以上の時計方向へのリンク202の回動が規制され、後
述する通常演奏時におけるリンク202が位置決めされ
るようになっている。
場合、後述する駆動機構によってリンク受板300が図
の下方側であるハンマシャンク43側(図1参照)に移
動させられ、リンク受板300の移動に伴って、これと
接触するリンク202がトーションバネ201aの付勢
力に抗して反時計方向に回動させられる。これにより、
レールベース66がハンマシャンク43側に移動させら
れる。従って、リンク202、およびこれに連動するレ
ールベース66は、リンク202の屈曲端部202aに
接触した状態で移動するリンク受板300によって位置
決めされるようになっている。なお、図5中二点鎖線
は、通常演奏時(図4参照)のレールベース66やリン
ク202,212等の位置を示す。
ベース66をハンマシャンク43の移動範囲内に移動さ
せることにより、レールベース66や緩衝部68の姿勢
が変更することが防止される。また、レールベース66
を移動させるリンク202やリンク212は、垂直方向
には移動せずにレールベース66と同様に水平方向に移
動するため、鍵盤の全長にわたって延在する細長いレー
ルベース66等にねじれが生じることを低減できる。従
って、本実施形態のようにレールベース66の一端側に
結合されたリンク202をリンク受板300の移動に伴
って移動させても、つまり1箇所でシャンクストッパレ
ール200を駆動するようにしても、ねじれの発生等が
問題とならず、簡易な駆動機構でシャンクストッパレー
ル200を駆動することが可能となる。
マシャンク43側(図の下方側)から、つまり緩衝部6
8を打撃する方向側から視ると、消音演奏時(図5参
照)には、ピン201が固定軸であるピン203よりも
高音側(図の右側)に位置し、通常演奏時(図4参照)
には、ピン201がピン203よりも低音側(図の左
側)に位置するようになっている。また、ピン211も
消音演奏時ではピン213の低音側、通常演奏時ではピ
ン213の高音側に位置するようになっている。このよ
うにピン201およびピン211が位置するように構成
することによって、ハンマシャンク43が緩衝部68を
打撃した際の衝撃によってシャンクストッパレール20
0が通常演奏時時の位置、つまり待避位置に戻ってしま
うことを防止することができる。このようにシャンクス
トッパレール200の戻りを防止できる理由について説
明する。消音演奏時にはリンク202,212とレール
ベース66が結合されるピン201,211の位置が固
定軸であるピン203,213よりも高音側に位置する
ようになっている。この状態でハンマーシャンク43が
緩衝部68を打撃すると、その衝撃によってリンク20
2,212は図中反時計方向に回動しようとする。つま
り、リンク202,212は通常演奏時の状態(図4参
照)に戻ろうとする方向と反対側の方向に回動しようと
する。従って、ハンマシャンク43が緩衝部68を打撃
した場合にも、レールベース66および緩衝部68が通
常演奏時の位置に戻ってしまうことを防止できる。
ンマシャンク43の打撃によってリンク202,212
が反時計方向に回動しようとするが、取付部材62をリ
ンク202,212の側面に当接するような形状とすれ
ば、リンク202,212が取付部材62との当接位置
よりも反時計方向へ回動することを防止できる。また、
このようにすれば、ハンマシャンク43の打撃による衝
撃がリンク202,212から取付部材62に伝達さ
れ、リンク202,212の振動を抑制することもでき
る。
を駆動する駆動機構(駆動手段)350を示す斜視図で
あり、図7はこの駆動機構350を示す平面図である。
図6および図7に示すように、この駆動機構350は、
このアップライトピアノの親板304にねじ301によ
って固定される板状の取付部材306を備えている。取
付部材306は、アップライトピアノの前面側(図7の
左側)と裏面側(図7の右側)の2箇所に突設された軸
支持部306aを有しており、軸支持部306aはスラ
イド軸305の両端をそれぞれ支持している。
303がスライド軸305に沿って移動可能に支持され
ている。このスライドブロック303には、受板ホルダ
302が取り付けられており、これにより受板ホルダ3
02はスライドブロック303の移動に伴って移動する
ようになっている。
03にねじ301によってねじ止めされる取付部302
bと、垂直方向に延在し、その上部に上述したリンク受
板300が取り付けられる受板保持部302aとを有し
ている。すなわち、リンク受板300は、受板ホルダ3
02を介してスライドブロック303に取り付けられて
おり、これによりスライドブロック303の移動に伴っ
てリンク受板300も移動するようになっている。ここ
で、リンク受板300には、上述したシャンクストッパ
レール200の長手方向に伸びる長孔300aが形成さ
れており、この長孔300aを挿通させられるねじ30
1によって受板ホルダ302の取り付けられている。従
って、長孔300aの範囲内でねじ301のねじ止め位
置を調整することにより、リンク受板300の取付位置
をシャンクストッパレール200の長手方向に調整する
ことができるようになっている。
bの下方に連なる連結棒支持部302cを有している。
連結棒支持部302cには、連結棒307の屈曲端30
7aが回転自在に軸支されており、連結棒307の他方
の屈曲端307bは、レバー部材308の下部に回転自
在に軸支されている。レバー部材308の上部は、取付
部材306に支持された回転軸309に回転自在に支持
されている。ここで、連結棒307の屈曲端307aに
は、コイルばね310の一端が係合されている。コイル
ばね310の他端は、親板304に取り付けられたヒー
トン311に係合されており、これにより連結棒307
と連結される受板ホルダ302およびレバー部材308
はアップライトピアノの裏面側に付勢されている。つま
り、コイルばね310によって、レバー部材308を図
6中反時計方向に回動させるような力が加えられてい
る。一方、レバー部材308の上端部における回転軸3
09よりもアップライトピアノの裏面側(図7の右側)
には、切り欠き部308aが形成されている。この切り
欠き部308aに後述するペダル機構と連結されたマフ
ラー吊金具400の先端部が引っかけられており、これ
によりレバー部材308の反時計方向への回動が規制さ
れてレバー部材308および受板ホルダ302等が位置
決めされる。
き下げられると、図8に示すように、コイルばね310
の付勢力に抗してレバー部材308が回転軸309を軸
として図8中時計方向に回動させられる。これに伴って
連結棒307および受板ホルダ302を介してレバー部
材308と連結されたスライドブロック303がアップ
ライトピアノの前面側に移動させられる。すなわち、リ
ンク受板300がアップライトピアノの前面側に移動さ
せられる。
400が上方に押し上げられると、コイルばね310に
よってレバー部材308が反時計方向に回動させられ、
図6に示す状態に戻る。すなわち、リンク受板300が
アップライトピアノの裏面側に移動させられる。このよ
うに、本実施形態に係る消音装置の駆動機構350は、
ペダル機構に連結されたマフラー吊金具400によって
伝達される力によってリンク受板300を移動させ、こ
れと接触させられているリンク202を介してシャンク
ストッパレール200を駆動している。
ペダル機構について図9を用いて説明する。同図に示す
ように、本実施形態に係る消音装置を備えたアップライ
トピアノのペダル機構は、ソフトペダル401、マフラ
ーペダル402およびラウドペダル403を備えてお
り、各ペダルは、それぞれソフトペダル機構404、マ
フラーペダル機構405、ラウドペダル機構406に連
結され、こららの各機構を駆動する。このうち、ソフト
ペダル機構404およびラウドペダル機構406につい
ては、従来の基本的なアコースティックピアノと同様で
あるため、その説明を省略し、以下、マフラーペダル機
構405についてのみ説明する。
れた第1のペダル吊金具410、小レバー411、第2
のペダル吊金具412、小レバー413およびマフラー
吊金具400を備えている。第1のペダル吊金具410
の下端は、マフラーペダル402の後端部に連結されて
いる。そして、使用者がマフラーペダル402を踏み下
げ操作すると、これに連結された第1のペダル吊金具4
10、小レバー411、第2のペダル吊金具412、小
レバー413およびマフラー吊金具400がそれぞれ矢
印方向に移動もしくは回動する。マフラー吊金具400
の上端は、上述したように駆動機構350のレバー部材
308(図6等参照)に引っかけられている。従って、
マフラーペダル402が踏み下げ操作されると、マフラ
ー吊金具400が下方に移動し、上述したように駆動機
構350によってシャンクストッパレール200がアッ
プライトピアノの前面側であるハンマシャンク43の移
動範囲に移動させられる。
備えたアップライトピアノでは、通常マフラーペダル4
02の操作によって駆動されるマフラーフレームに代え
て、駆動機構350を介してシャンクストッパレール2
00を駆動するようになっている。
ピアノのマフラーペダル402等の各ペダルには、ラチ
ェット機構が設けられ、一度踏み込むとラチェット機構
の働きによりペダルが戻らないように保持されるように
なっている。また、ラチェット機構により保持されペダ
ルを再度踏み込むとラチェット機構が解除され、ペダル
が元の位置に戻るようになっている。
の動作について、通常演奏時と消音演奏時とに分けて説
明する。まず、通常演奏を行う場合には、マフラーペダ
ル402は踏み下げられた状態ではなく、図10に示す
ように、シャンクストッパレール200がハンマシャン
ク43の移動範囲から待避した位置に配置される。
ン23はキャプスタン12によって突き上げられ、ピン
22aを中心として反時計方向に回動する。これにより
ジャック大26aがバット41を突き上げてハンマアセ
ンブリ40を反時計方向へ回動させ、ハンマ44が押鍵
された鍵10に対応する弦Sを打撃する。この打撃操作
時において、ジャック26は、その回動途中にジャック
小26bがレギュレーティングボタン34に当接するこ
とによりそれ以上の反時計方向への回動が阻まれる。一
方、ウイペン23は回動を継続しているため、ジャック
26はレギュレーティングボタン34を支点としてウイ
ペン23に対して時計方向へ相対的に回動し、これによ
りジャック大26aの上端面がバット41の下面から図
中右方向へ逃げ、バット41との非当接位置に移動す
る。そして、ハンマ44による打弦後のハンマアセンブ
リ40の回動復帰の動作は、キャッチャ46がバックチ
ェック38に当接することにより一時的に停止され、そ
の間にジャック26は、鍵10の復帰動作に伴うウイペ
ン23の回動復帰に連動し、ジャック大26aの上端部
は再びバット41の下部に入り込み、次の打弦動作を可
能にする。
向へ回動すると、ウイペン23に取り付けたダンパスプ
ーン56がダンパレバー52をダンパ54の付勢力に抗
して時計方向に回転させ、鍵10に対応するダンパ54
を弦Sから離間させる。その後、ハンマ44が弦Sを打
撃して打弦音が発生する。
行う場合には、マフラーペダル402を踏み込んでマフ
ラー吊金具400を引き下げる(図9参照)。マフラー
吊金具400を引き下げると、駆動機構350によって
レールベース66に取り付けられた緩衝部68が初期の
向きを維持したまま図11の右方向、つまりアップライ
トピアノの前面側に移動させられる。すなわち、ハンマ
シャンク43の移動範囲にシャンクストッパレール20
0が移動させられる。
3はキャプスタン12によって突き上げられ、ピン22
aを中心として時計回りに回動する。これにより、ジャ
ック大26aがバット41を突き上げてハンマアセンブ
リ40を反時計方向へ回転させる。次に、ジャック小2
6bがレギュレーティングボタン34に当接することに
より、ジャック大26aの上端面がバット41の下面か
ら図1中右方向へ逃げる。その間、ハンマアセンブリ4
0は慣性力で回動を続けるが、ハンマ44が弦Sに当た
る手前でハンマシャンク43が緩衝部68に当接し(図
11仮想線参照)、時計回りの方向へ跳ね返される。そ
の後のハンマアセンブリ40等の復帰動作は通常演奏の
場合と同じである。また、ダンパ54の動作についても
通常演奏時の場合と同様である。
よってマフラーペダル402が操作されると、駆動機構
350のリンク受板300によってリンク202が押さ
れて回動させられる。このリンク202の回動に伴って
シャンクストッパレール200が移動するようになって
いる。すなわち、駆動機構350と、移動させられるシ
ャンクストッパレール200とが連結されているわけで
はなく単に接触しているだけであるため、消音装置自体
もしくはアクション機構のメンテナンス等の作業を行う
際における消音装置の各部品の着脱作業が容易となる。
具体的には、左右方向に延在するシャンクストッパレー
ル200と駆動機構350との連結等を解除する必要が
なく、これらを個別に着脱することができる。さらに、
シャンクストッパレール200の部分と駆動機構350
の部分とを個別に調整することが可能であり、調整作業
も容易となる。また、この消音装置をアコースティック
ピアノ等に後付けする場合の取り付け作業および調整作
業も容易である。
ックピアノと同様のマフラーペダル機構405を用いて
駆動機構350に動力を伝達し、シャンクストッパレー
ル200を駆動するようにしているため、通常のアコー
スティックピアノに対する変更部品や追加部品が少な
い。従って、通常のアコースティックピアノに後付けす
る消音装置として好適であるとともに、より安価に提供
することが可能となる。
はなく、以下のような種々の変形が可能である。
ラーペダル機構405のマフラー吊金具400の上下動
を利用して駆動機構350を介してシャンクストッパレ
ール200を駆動するようにしていたが、これに限ら
ず、上述したソフトペダル401、マフラーペダル40
2およびラウドペダル403に加えて消音ペダルを設
け、この消音ペダルを操作することにより、駆動機構3
50に駆動力を伝達するようにしてもよい。この場合、
マフラーペダル機構405には、通常のアコースティッ
クピアノと同様にマフラーフレームを連結するようにす
ればよい。
は、使用者によるマフラーペダル402の操作力をマフ
ラーペダル機構405を介して駆動機構350に伝達す
るようにしていたが、これに限らず、駆動機構350に
他の駆動源から駆動力を付与するようにしてもよい。例
えば、ソレノイドユニットのプランジャにリンク受板3
00を取り付けてリンク受板300を移動させるように
してもよいし、上述した実施形態のようにレバー部材3
08やコイルばね310を用いてスライドブロック30
3を駆動せずに、スライドブロック303をボールねじ
を用いて駆動するようにしてもよい。
は、トーションバネ201aの弾性力によって、シャン
クストッパレール200をハンマシャンク43の移動範
囲から待避させるようにしていたが、トーションバネ2
01aに代えてシャンクストッパレール200をハンマ
シャンク43の移動範囲から待避させるようにリンク2
02を押圧して回動させるリンク受板を設けるようにし
てもよい。
イトピアノに限定されるわけではなく、グランドピアノ
などの他の鍵盤楽器に適用することも可能である。
メンテナンス等の際の、各部品の着脱および調整作業が
簡易となる。
アップライトピアノの1つの鍵の動作に応じて駆動され
るアクション機構を示す側断面図である。
ッパレールを示す斜視図である。
置の構成要素であるリンクの結合部付近の詳細を示す斜
視図である。
ールを示す平面図である。
ールを示す平面図である。
ールを駆動する駆動機構を示す斜視図である。
図である。
図である。
ペダル機構を示す斜視図である。
ノのアクション機構を示す側断面図である。
ノのアクション機構を示す側断面図である。
43……ハンマシャンク、62……取付部材(固定部
材)、200……シャンクストッパレール(ストッパ部
材)、201……ピン(ストッパ結合部)、201a…
…トーションバネ(力付与手段)、202……リンク
(連結部材)、203……ピン(固定結合部)、211
……ピン(ストッパ結合部)、212……リンク(連結
部材)、213……ピン(固定結合部)、300……リ
ンク受板、350……駆動機構(駆動手段)、400…
…マフラー吊金具、402……マフラーペダル、405
……マフラーペダル機構
Claims (5)
- 【請求項1】 押鍵時に打弦可能な打弦部材の移動範囲
に対して進退自在に設けられ、前記打弦部材の移動範囲
に侵入した時に、前記打弦部材の打弦を阻止するストッ
パ部材を備える鍵盤楽器の消音装置において、 前記ストッパ部材を支持する固定された固定部材と、 前記ストッパ部材に接した状態で移動することにより、
前記ストッパ部材を移動させる駆動手段とを具備するこ
とを特徴とする鍵盤楽器の消音装置。 - 【請求項2】 前記固定部材に設けられ、前記打弦部材
の移動範囲から待避した位置に前記ストッパ部材が配置
されるように前記ストッパ部材に常時力を付与する力付
与手段をさらに具備し、 前記駆動手段は、前記力付与手段の力に抗して前記スト
ッパ部材を前記打弦部材の移動範囲に移動させることを
特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の消音装置。 - 【請求項3】 前記固定部材に設けられ、前記打弦部材
の移動範囲の位置に前記ストッパ部材が配置されるよう
に前記ストッパ部材に常時力を付与する力付与手段をさ
らに具備し、 前記駆動手段は、前記力付与手段の力に抗して前記スト
ッパ部材を前記打弦部材の移動範囲から待避した位置に
移動させることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器
の消音装置。 - 【請求項4】 前記駆動手段は、ペダル機構から伝達さ
れる力によって前記ストッパ部材を移動させることを特
徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の消音装置。 - 【請求項5】 前記ストッパ部材を前記固定部材に連結
する2つの連結部材をさらに具備し、 前記連結部材は、前記固定部材に垂直方向を軸方向とし
て回転自在に結合される固定結合部と、前記ストッパ部
材に垂直方向を軸方向として回転自在に結合されるスト
ッパ結合部とを有しており、 2つの前記連結部材と前記ストッパ部材とで平行リンク
機構を構成し、前記固定結合部を軸として前記連結部材
を回動自在にすることにより、前記ストッパ部材を水平
方向に移動可能に連結したことを特徴とする請求項1な
いし4のいずれかに記載の鍵盤楽器の消音装置。
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