JP2000319441A - 樹脂微多孔膜の製造方法 - Google Patents

樹脂微多孔膜の製造方法

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JP2000319441A
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研二 綱島
Jun Sakamoto
純 坂本
Tetsuya Machida
哲也 町田
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂微多孔膜を、生産性良く製造する方法を提
供すること。 【解決手段】溶融樹脂内に水を含有させておき、架橋構
造のシートから水を蒸発除去することにより微多孔膜を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂からなる微多
孔膜の新規な製造方法に関するものである。
【0002】さらに詳しくは、樹脂に孔を形成させる物
質として水を用いることにより、抽出・回収などの工程
をなくした安価な樹脂微多孔膜を製造することのできる
方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】樹脂微多孔膜の製造方法としては、該樹
脂に相溶性のある有機化合物を多量に混合させてシート
化した後に、該有機化合物を抽出することにより製造さ
れていた(特開平6−336535号公報など)。ま
た、水を発泡材として利用しようという提案もある(特
開平6−73222号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように有機化合物
利用して発泡させる従来法の微多孔膜では、最終的には
何ら寄与しない有機化合物を添加したり、これを樹脂に
微分散させたり、樹脂から抽出したり、さらに抽出物を
蒸留精製するなどの複雑な工程が必要であったために、
製造コストの高いものとならざるを得なかった。また、
水を発泡材として利用しようとする試みは低コストには
違いないが、発泡が均一に起こらないために実用的な価
値はほとんどなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、これらの煩雑な
工程を経ることなく微多孔膜を製造する方法について鋭
意検討した結果、樹脂に水を分散させ、架橋した樹脂か
ら該分散水を除去することにより微多孔膜を製造する樹
脂微多孔膜を製造する方法であり、さらに詳しくは樹脂
が溶融している押出機の途中で高圧水や超臨界水を供給
して溶融混練後、シート状に押出し、冷却させた後、加
熱により該水を架橋樹脂シートから沸騰除去することに
より微多孔膜を製造する方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、樹脂とは、ポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、
ビニルポリマー、およびそれらの混合体・変性体から選
ばれた熱可塑性樹脂などが代表的なものであるが、特に
本発明の場合、ポリオレフィン樹脂が好ましく、さらに
ポリエチレン、ポリプロピレン、およびエチレン、ブテ
ン、メチルペンテン、ヘキセンなどの共重合体や他の高
分子化合物とのブレンド体などが特に好ましい。ポリエ
チレンの中でも平均分子量が50万以上の成分を3%以
上含有した高分子量混合ポリエチレンやポリプロピレン
5〜50重量%との複合体からなる高分子量ポリエチレ
ン組成物などが特に好ましい。特に、ポリオレフィン樹
脂の主たる融点は100℃近傍にあるのが好ましく、ま
た、溶融粘度は比較的高く、しかも伸張粘度の高い樹脂
が本発明の場合には特に好ましい。さらに部分的な破泡
を起こすことなく均一に脱水して微細発泡させるには、
樹脂が架橋していることが非常に好ましい。
【0007】しかし、溶融押出ができない熱硬化性のよ
うな樹脂だと製膜工程が煩雑となるので、押出すときに
は溶融しうる樹脂であるが、その後発泡させる工程まで
に架橋した樹脂となるような樹脂であることが好まし
い。このような樹脂としては、水とを反応して架橋構造
となるような水架橋樹脂や、溶融押出可能な特殊なオレ
フィン架橋樹脂が特に好ましい。
【0008】水架橋樹脂とは、例えば、ポリオレフィン
の一部または全部をシラノール基などで変成した樹脂で
あり、このような樹脂を用いることにより、押出機内の
水や、製膜後の吸水処理工程などの水により、該変成ポ
リオレフィンが架橋し、その結果、微多孔膜の平均孔径
が小さくなり、孔径分布もシャープになるので好まし
い。具体的な変成ポリマーとしては、モルデックス(住
友ベークライト)やリンクロン(三菱樹脂)などが挙げ
られる。
【0009】樹脂に含有させる水の添加量としては、
0.5〜10重量%程度が好ましく、水の量が少ないと
発泡する気泡数が少なく、水の量が多すぎると腰のない
不均一な発泡体となる。さらに水に親和性のある界面活
性剤、アルコール、洗浄剤などを添加することにより、
樹脂中の吸水量が多くなったり、吸水速度が早くなった
りするので好ましい。
【0010】さらに該ポリオレフィン樹脂に吸水材・親
水材を0.1〜45重量%ほど微分散させておくと、微
多孔膜の平均孔径が小さくなるばかりか、孔径分布もシ
ャープになるのでさらに好ましい。吸水材としては、親
水性高分子、たとえば、ポリヒドロキシポリオレフィン
(三菱化成など)、ポリエチレンオキサイド、ポリビニ
ルアルコール変性体、アクリル酸ポリマー、イソブチレ
ン無水マレイン酸共重合体、セルロース誘導体、イオン
性高分子アイオノマーなどや、低分子化合物として、塩
化カルシウム、塩化アルミニウム、硝酸アンモニア、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等がある。
【0011】また、ポリアミド樹脂とは、主鎖中にアミ
ド結合を有する高分子化合物であり、代表的なものとし
ては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナ
イロン12、ナイロン11、ナイロン7、ポリメタ/パ
ラキシリレンアジパミド、ポリヘキサメチレンテレフタ
ラミド/イソフタラミド、ビスアミノメチルシクロヘキ
シルメタンなどで代表される脂環族化合物とジカルボン
酸との透明ポリアミド、およびそれらの共重合体、混合
体などから選ばれたポリアミド化合物である。
【0012】本発明の場合、特に樹脂の主たる融点は1
00℃近傍にあるのが好ましく、また、溶融粘度は比較
的高く、しかも伸張粘度の高い樹脂が本発明の場合には
特に好ましい。また結晶化しにくい多元共重合体や、側
鎖に多くのまたは大きな置換基を有する非晶ポリアミド
樹脂なども特に優れた微多孔膜としての効果を示す。
【0013】ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、
直鎖状のものよりも架橋構造を10〜30%程度の分岐
成分も含有している共重合樹脂で、その主たる融点・軟
化点は150℃近傍にあるのが好ましく、さらに溶融粘
度は比較的高く、しかも伸張粘度の高い樹脂が本発明の
場合には特に好ましい。
【0014】もちろん、これらの高分子化合物に各種の
添加剤、例えばすべり材、安定剤、酸化防止剤、粘度調
整剤、帯電防止剤、着色剤、顔料などを併用することが
できる。
【0015】本発明の樹脂微多孔膜の製造方法は、従来
法のように有機化合物を微分散させるのではなく、樹脂
に水を均一に微分散させ、シート状に成型後、該樹脂が
架橋構造であることを確認した後に、その分散水を蒸発
などにより急激に除去することにより微多孔膜を製造す
るものである。このとき、樹脂に水を供給する方法とし
ては、樹脂が溶融している押出機の任意の途中段階で水
を供給して溶融混練させるので多量の水を短時間のうち
に樹脂に微分散させることができ、生産性に優れた方法
であり、本発明の場合は特に好ましいものである。具体
的にはタンデム押出機の一段目に直接高圧水を供給する
方法が工業的に優れている。
【0016】すなわち、樹脂の融点以上で溶融している
樹脂に加圧水、好ましくは超臨界水を定量供給ポンプで
供給し、スクリューで混合した後、好ましくは、この過
飽和状態、あるいはそれに近い状態にある溶融体を2段
目の押出機に供給してスクリューで撹拌しながら冷却さ
せ充分に均一に水を分散させるのである。このような注
水工程後に、口金からシート状に溶融押出し、室温近傍
まで冷却させた後、加熱により樹脂シート中の水を沸騰
・拡散などにより除去することにより微多孔膜を製造す
る方法である。このときに用いる水が、高圧水、中でも
超臨界水であれば該樹脂中に均一に多量に微分散するこ
とができるので本発明の場合、特に好ましいものであ
る。
【0017】なお、超臨界水とは、水を加熱、加圧して
いくと液体状態と気体状体とが混在して液体と気体とが
混在している状態をいい、水の場合370℃以上、20
0気圧以上と非常に高温高圧であるので、押出機内で実
施するには装置上の制限があるので、通常は高圧水を用
いる。もちろん水を樹脂に含有させる別な方法として
は、樹脂、特に水架橋し得るポリオレフィン樹脂に添加
剤として吸水材を添加配合させたシートを加圧温水槽や
飽和蒸気室などの吸水工程で吸水させる方法である。こ
の方法は、前記方法よりも簡易で安全な装置で実施で
き、さらに好ましくは、吸水工程で用いる水に界面活性
剤を添加しておくことにより微細な孔径のものが密にし
て均一に得られる。
【0018】このように水を均一に含有した溶融状態の
樹脂を、通常のTダイ口金などからシート状に吐出さ
せ、冷却ドラムなどに密着させて直ちに該樹脂のガラス
転移温度Tg以下に急激に冷却させる。このとき、口金
リップ先端のランド部のスリット間隙は先端を急激に絞
っておくことが好ましい。また、該シートの冷却は急冷
することが大切であり、決して徐冷してはならない。こ
のためにも密着の促進には、静電印加法や、加圧空気や
ニップロールなどによるプレス法、さらには真空吸引
(バキュームチャンバー)などの補助的手段を併用して
も良い。急冷とはおおよそシート表面の冷却速度にして
1000℃/分以上であることを言う。
【0019】次に、該樹脂シートの加熱方法であるが、
この工程で樹脂シートに含まれている水を拡散や沸騰な
どによりシートから急激に除去することにより微多孔膜
をする重要な工程である。加熱温度は水の沸点100℃
よりも高い150〜200℃近傍で行うのが良い。これ
は単に脱水するのであれば、100℃近傍で良いのであ
るが、本発明の場合は脱水と共に該樹脂シートを多孔化
する必要があるために、用いる樹脂シートの融点または
軟化温度は、水の沸点に近いことが必要であるが、さら
にその樹脂シートの溶融粘度は比較的高く、しかも伸張
粘度が高くて伸びの少ない状態で脱水しないと、微細な
多孔膜が生成しないためである。このために用いる樹脂
の融点は100℃近傍にあるが、溶融粘度の高い、伸張
粘度の高い架橋樹脂を選ぶ必要がある。
【0020】次に、本発明における樹脂微多孔膜の製法
例について述べる。
【0021】溶融押出に使用する樹脂としては、ポリオ
レフィン、特にシラノール基等を有した水架橋ポリオレ
フィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィドなどの
原料と、必要に応じて、他の化合物の添加ブレンドした
原料、例えば、吸水材、酸化珪素、酸化マグネシウム、
炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、架橋
ポリエステル、架橋ポリスチレン、マイカ、タルク、カ
オリンなどの無機化合物、吸水材、親水性高分子化合
物、エチレンビスステアリルアミド、イオン性高分子化
合物アイオノマー等の有機化合物等を添加した原料、い
ったん溶融させた原料、さらには、本発明のフィルムの
回収原料などを混合した原料などを準備し、これを必要
なら乾燥・脱水した後、タンデム押出機に供給し、その
一段目で熱可塑性樹脂の融点以上で完全溶融させ、この
状態で高圧水を注入するが、好ましくは供給する水の超
臨界状態になるように加圧された水を定量供給ポンプで
供給し、スクリューで混合し、水が過飽和状態、あるい
はそれに近い状態にある溶融体を2段目の押出機に導入
供給して2段目のスクリューで撹拌しながら冷却させ、
例えば該溶融体の融点Tm以下で、該樹脂の結晶化する
温度よりも高い温度Tmcにある過冷却状態で水を均一
分散溶解させて分子分散させ、使用する樹脂が水架橋樹
脂の場合は、この段階で樹脂の一部が架橋構造となるの
である。
【0022】水を含有した溶融状態の樹脂の異物を除去
するために、適宜のフィルター、例えば、焼結金属、多
孔性セラミック、サンド、金網等通常使用されているフ
ィルターを用いても良い。その後、該溶融体を先端スリ
ット間隙0.5mmと先端に行くほど絞られたテーパー
状ランドのTダイ口金などからシート状に吐出させ、冷
却ドラムなどに密着させて直ちに室温まで急激に冷却さ
せる。また、樹脂シートの冷却は急冷することが大切で
あり、決して徐冷してはならない。このためにも密着の
促進には、静電印加法や、加圧空気やニップロールなど
によるプレス法、さらには真空吸引(バキュームチャン
バー)などの補助的手段を併用しても良い。
【0023】かくして得られた樹脂シートを吸水工程で
樹脂シートに水を含浸させる。該樹脂が水架橋樹脂の場
合、この工程で架橋がさらに進行したり、吸水材が吸水
をするのである。吸水工程とは、温水、沸騰水、飽和蒸
気室などに該シートを曝す工程である。
【0024】かくして得られた水含有樹脂シートの加熱
方法であるが、この工程で樹脂シートに含まれている水
を拡散や沸騰などによりシートから除去することにより
微多孔膜をする重要な工程である。加熱温度は、水の沸
点100℃よりも高い150〜200℃近傍で行うのが
よい。これは単に脱水するのであれば、100℃近傍で
良いのであるが、本発明の場合は、脱水と共に該樹脂シ
ートを多孔化する必要があるために、用いる樹脂シート
の融点または軟化温度は、水の沸点に近いことが必要で
あるが、さらにその樹脂シートの溶融粘度は比較的高
く、しかも伸張粘度が高くて伸びの少ない状態で脱水し
ないと、微細な多孔膜が生成しないためである。このた
めに用いる樹脂の融点は100℃近傍にあるが、溶融粘
度の高い、伸張粘度の高い樹脂や、架橋樹脂を選ぶ必要
がある。加熱方法としては熱風による方法が一般的であ
る。このときに支持体として高融点の不織布や金属金網
などを用いても良い。
【0025】さらに、縦一軸延伸、横一軸延伸、逐次二
軸延伸、同時二軸延伸などの任意の延伸方法に従って延
伸を行なっても良い。延伸温度は、特に限定されない
が、該シートのガラス転移温度Tg以上であればよく、
必要に応じて任意の温度を選択することができる。一方
向の延伸倍率は、2〜8倍、好ましくは3〜6倍程度が
よい。延伸後、必要に応じて熱固定をしてもよい。
【0026】かくして得られた本発明にかかる樹脂微多
孔膜は、空孔率は50%以上と高く、孔径もサブミクロ
ン近傍と小さくてしかも孔径分布も小さく、厚み均質性
に優れているために、従来からフィルム用途として利用
されている二次電池用のセパレータや、包装用途等はも
ちろんのこと、強靭性に優れているために薄膜微多孔膜
が可能であり、新規なセパレーター用途にも有効なもの
である。
【0027】
【物性の測定法】次に、本発明で使用した物性値の測定
法について以下に述べる。 1.透過率(秒/100cc) JIS P8117に準拠して東洋精機製B型ガーレー
式デンソメーターを用い標線目盛り0から100までに
要する時間を測定した。 2.平均孔径(μm) ASTM F316−70に準拠し、ハーフドライ法で
評価した。測定の上限圧力は、10kg/cm2 とし
た。 3.気孔率(%) 次式により求めた。
【0028】気孔率=空孔容積/膜全容積×100 空孔容積=含水重量−乾燥重量 4.メルトインデックスMI(g/10分) ASTM D1238に準拠して測定する。 5.ポリオレフィンの平均分子量Mv デカリンなどの溶媒を用い、測定温度135℃における
極限粘度〔η〕から、Chiangの式により計算し
た。
【0029】〔η〕=6.2×10-4Mv0.7 6.熱的特性(Tm、Tg、Tmc) パーキンエルマー社製DSC−II型測定装置を用い、サ
ンプル重量10mg、窒素気流下で、昇温速度20℃/
分で昇温してゆき、ベースラインの偏起の開始する温度
をTg、さらに昇温したところの発熱ピークをTccと
し、結晶融解に伴う吸熱ピーク温度を融点Tmとした。
Tm+20℃で1分間保持した後、冷却速度20℃/分
で溶融体を冷却し、結晶化に基づく発熱ピーク温度をT
mcとした。 7.架橋構造 ゲル分率として少なくとも1%以上あるものを架橋構造
をとるというが、好ましくはゲル分率として25%以
上、さらに好ましくは55%以上のものを架橋構造を取
るという。ゲル分率としては、サンプルを沸騰キシレン
中で24時間抽出したときの溶けない成分の重量割合を
言う。
【0030】
【実施例】以下に、本発明をより理解しやすくするため
に実施例・比較例を示す。 実施例1 樹脂として、平均分子量50万の高分子量ポリエチレン
20重量%と平均分子量2万の低分子量ポリエチレン
(添加剤として平均粒径0.2μmの多孔質シリカを2
0wt%含有)30重量%と、水架橋ポリエチレン樹脂
(三菱樹脂製リンクロンX CH−750T)50重量
%を用い、常法に従い、220mm径、L/D=32の
一段目タンデム型溶融押出機に均一混合後に供給して2
85℃で完全溶融後、この溶融体内に水の圧力250k
g/cm2 で押出機に直接定量供給し、続いて、これを
250mm径、L/D=28の2段目の冷却用押出機に
供給し220℃まで均一冷却した。該水を均一分散した
溶融体の異物を除去するために、5μm以上の異物を除
去するフィルターを通過させた後、2200mm幅のT
ダイ口金(テーパ状スリットで先端間隙0.4mm)か
らLD間として20mm下にあるカレンダリングキャス
ト装置でシート状に成形した。
【0031】かくして得られたキャストフィルムは、厚
み50μmであり、厚みむらとしては長手方向、幅方向
とも2%以下と小さいものであり、また平面性にも優れ
たシートであった。該シートを120℃に加熱された温
水槽に15秒間つけ、シートに充分な吸水を行った。こ
のシートを金網の上に載せて200℃に加熱された熱風
オーブン内で樹脂シートに含まれている水を沸騰蒸発さ
せると共に、該シートを微多孔化させた。さらに該多孔
化したシートを同時二軸延伸機で長手方向に3倍、幅方
向に4倍延伸し、続いて、120℃で定長熱固定し、エ
ッジ端部をカットして、厚さ5μmの二軸配向ポリオレ
フィンからなる微多孔膜を安定な状態で製膜した。
【0032】かくして得られた微多孔膜の特性として
は、次のとおりであった。
【0033】透過率=250(秒/100cc) 気孔率=55(%) 平均孔径=0.3(μm) 長手方向/幅方向の弾性率=0.6/0.6(MPa) 比較例1 実施例1で用いた水架橋ポリエチレン樹脂を用いること
なく、平均分子量50万の高分子量ポリエチレン40重
量%と平均分子量2万の低分子量ポリエチレン(添加剤
として平均粒径0.2μmの多孔質シリカを20wt%
含有)60重量%とを用いて実施例1と全く同じように
押出機の途中で水を注水し、シート化後に吸水させ、加
熱により均一な発泡をさせようとしたが、部分的に大き
な穴があいただけで均一な微多孔性膜とはならなかっ
た。
【0034】
【発明の効果】従来の熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法
としては、該樹脂に相溶性のある有機化合物を多量に混
合させてシート化した後に、該有機化合物を抽出するこ
とにより製造されていた。
【0035】本発明は、熱可塑性樹脂に有機物ではなく
水を分散させ、樹脂が架橋構造を取っていることを確認
した後、その水を急激に除去することにより微多孔膜を
製造する方法であり、さらに詳しくは水架橋性樹脂が溶
融している押出機の途中で高圧水や超臨界水を供給して
溶融混練後、シート状に押出し、冷却させた後、架橋構
造となっていること確認して、加熱により該水を沸騰除
去することにより生産性良く、しかも品質の良い微多孔
膜を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/00 C08L 23/00 77/00 77/00 81/02 81/02 101/12 101/12 Fターム(参考) 4F074 AA16N AA71N AA87N AC17 AG17 AG20 BB01 BC01 CB45 CC03X CC04X CC04Y CC05X CC06X CC22X CC29Y DA02 DA03 DA33 DA43 DA49 4J002 AB012 BB031 BB041 BB121 BB182 BB201 BB222 BB232 BE022 BG012 BH022 BN041 CH022 CL011 CL031 CL051 CN011 DD068 DD078 DE026 DE238 DF008 EC017 FD317 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂に水を分散させ、架橋した樹脂から該
    分散水を除去することにより微多孔膜を製造することを
    特徴とする樹脂微多孔膜の製造方法。
  2. 【請求項2】該樹脂が、水と反応して架橋構造となるよ
    うな水架橋樹脂であることを特徴とする請求項1記載の
    樹脂微多孔膜の製造方法。
  3. 【請求項3】該樹脂が、溶融押出可能な架橋樹脂である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の樹脂微多孔膜
    の製造方法。
  4. 【請求項4】樹脂を溶融させる押出機の途中で水を供給
    し、溶融混練後シート状に押出し、冷却後、加熱により
    水を除去することにより微多孔膜を製造することを特徴
    とする請求項1、2または3記載の樹脂微多孔膜の製造
    方法。
  5. 【請求項5】該水に、界面活性剤を含有させることを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の樹脂微多孔膜
    の製造方法。
  6. 【請求項6】樹脂に、吸水材を含有分散させることを特
    徴とする請求項1、2、3、4または5記載の樹脂微多
    孔膜の製造方法。
  7. 【請求項7】分散水の除去が、加熱により水を沸騰除去
    することによりなされ、かつ、該加熱前に吸水工程を設
    けてなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5ま
    たは6記載の熱可塑性樹脂微多孔膜の製造方法。
  8. 【請求項8】該樹脂が、ポリオレフィン、ポリアミド、
    ポリフェニレンスルフィドから選ばれた樹脂であること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記
    載の樹脂微多孔膜の製造方法。
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