JP2000319381A - ジ(メタ)アクリル酸エステルおよびジ(メタ)アクリレート重合体 - Google Patents
ジ(メタ)アクリル酸エステルおよびジ(メタ)アクリレート重合体Info
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Abstract
に優れた高分子固体電解質を提供可能なジ(メタ)アクリ
レート重合体、および該ジ(メタ)アクリレート重合体を
重合可能なジ(メタ)アクリル酸エステルを提供する。 【解決手段】下記一般式(1)で表わされるジ(メタ)ア
クリル酸エステル。 【化1】 前記ジ(メタ)アクリル酸エステルを重合させてなるジ
(メタ)アクリレート重合体および該ジ(メタ)アクリレー
ト重合体を含有する高分子固体電解質組成物。
Description
酸エステルに関するとともに、一次電池、二次電池、コ
ンデンサーなどに用いられる高分子固体電解質マトリッ
クスなどとして有用なジ(メタ)アクリレート重合体に関
する。
コンデンサーなどの電気化学素子には液体の電解質、す
なわち電解液が用いられてきた。しかしながら液体の電
解質は漏液が発生したりして、長期間の信頼性に欠ける
という問題点があった。
体の電解質を用いる方法が知られており、固体の電解質
を用いると、漏液が発生したりすることがなく、信頼性
の高い素子を提供できるとともに、素子自体の小型・軽
量化を図ることができる。
の高分子固体電解質が研究されている。また、高分子固
体電解質は、固体電解質の特徴を有するとともに、可撓
性を有しているため電極−高分子固体電解質間のイオン
電子交換反応過程で生じる体積変化にも柔軟に適用する
ことができ、電気化学素子用の電解質として期待されて
いる。
リエーテル構造を有するポリエチレンオキサイドとリチ
ウム塩などのアルカリ金属塩との複合体が知られてい
る。また、特開平5−25353号公報には、ポリオキ
シアルキレンのジエステル化合物とポリメトキシオキシ
アルキレンのエステル化合物および二重結合を持ったオ
キシ化合物との共重合体からなる架橋樹脂と無機塩とを
主たる構成成分とする高分子固体電解質が記載されてい
る。さらに、特開平6−223842号公報には、カー
ボネート基を官能基として有する有機高分子と金属塩か
らなる高分子固体電解質が記載されている。
高分子固体電解質は、液体の電解質に比べ一般的にイオ
ン伝導度が低いため、放電特性に優れた一次、二次電池
を得ることは困難であった。
れ、しかも電気化学的安定性に優れた高分子固体電解質
の出現が望まれていた。
て優れた特性を有するジ(メタ)アクリレート重合体、お
よび該ジ(メタ)アクリレート重合体の原料モノマーであ
るジ(メタ)アクリル酸エステルを提供することを目的と
している。
を解決するため、鋭意、研究を進めた結果、ポリ(1,3-
プロピレンカーボネート)のジアクリル酸エステルまた
はジメタクリル酸エステルを重合させることにより得ら
れるアクリレート重合体またはメタクリレート重合体が
高分子電解質材料として優れた特性を有することを見い
だし、本発明を完成するに至った。
酸エステルは、下記一般式(1)で表わされることを特
徴としている。
ても異なっていてもよく、HまたはCH3を示し、nは
1〜1000の整数である)。本発明に係るジ(メタ)ア
クリレート重合体は、上記ジ(メタ)アクリル酸エステル
を重合させてなることを特徴としている。
物は、上記ジ(メタ)アクリレート重合体を含有すること
を特徴としている。
リル酸エステルおよび(メタ)アクレート樹脂について具
体的に説明する。なお、本明細書における、「(メタ)ア
クリル酸」は、アクリル酸および/またはメタクリル酸
を意味し、「(メタ)アクリレート」はアクリレートおよ
び/またはメタクリレートを意味するものである。
発明に係るジ(メタ)アクリル酸エステルについて説明す
る。本発明に係るジ(メタ)アクリル酸エステルは、一般
式(1)で表される。
も異なっていてもよく、H(水素原子)またはCH
3(メチル基)を示す。nは1〜1000、好ましくは
5〜500の整数である。
は、ポリ(1,3-プロピレンカーボネート)と(メタ)アクリ
ル酸とのエステルである。ポリ(1,3-プロピレンカーボ
ネート)は、下式(2)で表される。
プロピレンカーボネート)は、1,3-プロパンジオール
と、炭酸ジエステル、ホスゲン、またはクロロギ酸エス
テルなどのカルボニル成分とを、周知の方法で反応する
ことにより合成される。
ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジイソプロピル、炭酸ジ
フェニル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ートなどの炭酸ジエステル、クロロギ酸メチル、クロロ
ギ酸エチル、クロロギ酸フェニルなどのクロロギ酸エス
テルあるいはホスゲンなどが挙げられる。
ンジオール1モルに対して、0.5〜2倍モルの量で使
用されることが好ましい。なお、ポリ(1,3-プロピレン
カーボネート)の数平均分子量は200〜100000
で、好ましくは1000〜50000である。
の製造方法としては、以下〜の方法が挙げられる。 ポリ(1,3-プロピレンカーボネート)と(メタ)アクリル
酸ハライドとを塩基存在下に縮合させる方法。
を、ポリ(1,3-プロピレンカーボネート)の水酸基に対し
て0.5〜10当量となるように仕込むことが望ましい。
また、反応に用いる塩基としては、トリエチルアミン、
ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウ
ンデセン(DBU)などの有機塩基、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
の無機塩基を挙げることができる。このような塩基は、
通常、(メタ)アクリル酸ハライド1モルに対して、1〜
5当量の量で使用される。このときの反応は、無溶媒で
行うことも可能であるが、反応に不活性な溶媒、たとえ
ば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンな
どのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、デカ
ン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル
類の存在下に反応を行ってもよい。反応温度は、通常、
−20〜100℃、好ましくは−5〜50℃の範囲にあ
ることが望ましい。
(メタ)アクリル酸無水物とを触媒存在下に縮合させる方
法。この方法では、(メタ)アクリル酸無水物を、ポリ
(1,3-プロピレンカーボネート)の水酸基に対して0.2
〜5当量、好ましくは0.5〜2当量となるように仕込
むことが望ましい。また、反応に用いる触媒としては、
硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ある
いはピリジン、ジメチルアミノピリジンなどを挙げるこ
とができる。このような触媒は、通常、(メタ)アクリル
酸無水物に対して、0.01〜0.5当量の量で使用され
る。この反応は、上記と同様に、溶媒の存在下で行う
ことができる。
しくは25〜100℃の範囲にあることが望ましい。 ポリ(1,3-プロピレンカーボネート)と(メタ)アクリル
酸とを酸触媒存在下に縮合させる方法。
(1,3-プロピレンカーボネート)の水酸基に対して0.2
〜10当量、好ましくは1〜5当量となるように仕込む
ことが望ましい。また、反応に用いる酸触媒としては、
硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などを
挙げることができる。このような酸触媒は、通常、(メ
タ)アクリル酸に対して、0.01〜0.5当量の量で使
用される。この反応は、平衡で水が生成するため、共沸
脱水できる溶媒の存在下で行うことが好ましい。
しくは50〜150℃の範囲にあることが望ましい。上
記〜のようにしてジ(メタ)アクリル酸エステルを製
造する際には、重合禁止剤を使用してもよい。
係るジ(メタ)アクリレート重合体は、上記ジ(メタ)アク
リル酸エステルを、紫外線または放射線の照射、あるい
は熱により重合させることによって得られる。なお、こ
の重合体は、高分子固体電解質用途に使用することがで
きる。なお、「ジ(メタ)アクリレート重合体」は、上記
したジ(メタ)アクリル酸エステルの(メタ)アクリル酸構
成単位が重合した重合体である。
感剤を用いることができ、このような光増感剤として
は、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2,2-ジメトキシ
-2-フェニルアセトフェノンなどを例示できる。
合開始剤を用いることができ、このような熱重合開始剤
としては、重合様式の違いにより、過酸化ベンゾイル、
パーオキシジカーボネートなどの過酸化物、2,2'-アゾ
ビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、アルカリ金
属などの求核試薬、ルイス酸などの求電子試薬を単独で
または併用して使用することができる。
は、前記ジ(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体で
あって、また前記ジ(メタ)アクリル酸エステルの2種
以上の共重合体であってもよく、さらには前記ジ(メ
タ)アクリル酸エステルと、該ジ(メタ)アクリル酸エ
ステルと共重合可能な他のモノマーとの共重合体であっ
てもよい。
能な他のモノマーとしては、ビニルモノマー、ビニリデ
ンモノマー、ビニレンモノマーなどが挙げられる。この
ような他のモノマーとしては、ビニルエステル、ビニル
エーテル、(メタ)アクリル酸エステル、アリルエーテ
ル、アリルエステルが好ましく、具体的には(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、
(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル、ポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、アリルアルコー
ル、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリ
デン、アクリロニトリル、シアノ酢酸ビニル、アリルア
ミン、イソプロピルアクリルアミド、ビニレンカーボネ
ート、無水マレイン酸などが挙げられる。
クリル酸エステル重合体中に、通常0.1〜90重量
%、好ましくは1〜50重量%含まれていることが望ま
しい。なお、上記のようにジ(メタ)アクリレート重合体
を重合する際に、炭酸エステルなどの非水溶媒と、Li
Br、LiI、LiBF4、LiPF6、LiN(CF3S
O2) 2、NaBr、NaSCN、NaClO4、KBr、KSC
N、KClO4などの周期律表第Ia族の金属塩を含んで
いてもよい。このように周期律表第Ia族の金属塩を含
有させてジ(メタ)アクリル酸エステルの重合を行うと、
ジ(メタ)アクリレート重合体をマトリックスとして、周
期律表第Ia族の金属塩が均一に含まれた高分子電解質
を得ることができる。
ジ(メタ)アクリレート重合体と周期律表第Ia族の金
属塩との他に、炭酸エステルなどの非水溶媒を、ジ(メ
タ)アクリレート重合体100重量部に対し、好ましく
は0〜1000重量部、特に好ましくは100〜700
重量部含有していてもよい。非水溶媒を含有させる方法
としては、たとえば、高分子固体電解質を製造する際、
非水溶媒を共存させた状態で重合してもよく、また重合
後に非水溶媒を含浸させてもよい。非水溶媒として炭酸
エステルまたはラクトンが好適に使用される。炭酸エス
テルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネー
トなどが例示できる。ラクトンとしては、γ-ブチルラ
クトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンなどが
例示できる。
伝導性が高く、電気化学的に安定である。このような高
分子固体電解質は、たとえば一次電池、二次電池、コン
デンサー、エレクトロクロミック表示素子などの電気化
学素子、医療用アクチュエーターなどに用いることがで
きる。
リチウムイオン二次電池の有機電解液の代替として使用
することができる。さらに、粉末状電極材を集電体状に
分散・固定するために用いる結着材としても利用するこ
とができる。
する場合、高分子固体電解質をあらかじめフィルム状に
成形し、正極と負極との間に挟み込むことによって、電
池を製造することができる。
造を形成した後、電解液を含浸する工程を有する電池製
造プロセスでは、電解液の代わりに、ポリ(ジエチレン
グリコールカーボネート)ジアクリル酸エステルと周期
律表第Ia族の金属塩と非水溶媒とからなる溶液を含浸
し、その後重合させることも可能であり、プロセスの改
造を最小限に抑えることができる。
ルおよびジ(メタ)アクリレート重合体は、高分子固体電
解質の材料として好適に使用することができる。たとえ
ば、このようなポリカーボネート(メタ)アクリレート重
合体を、リチウムイオン二次電池の高分子固体電解質の
マトリックスに使用すると、電池性能の優れたリチウム
イオン二次電池を得ることができる。
するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるも
のではない。
ガラス反応容器に、1,3-プロパンジオール1066g、
炭酸ジメチル1514g、および触媒として28%ナト
リウムメトキシドメタノール溶液5.41gを混合し、
常圧下95℃で2時間保持し、その後5時間で150℃
まで昇温し、さらに150℃で4時間加熱した。このと
き、反応で生成するメタノールを留去した。
155℃に保ち、重合反応に伴って生成する1,3-プロパ
ンジオール 210gを留去して、ポリ(1,3-プロピレン
カーボネート) 1127gを粘稠オイルとして得た。得
られたポリ(1,3-プロピレンカーボネート)のGPCの数
平均分子量は2400であった。
を装備したガラス反応容器に、ポリ(1,3-プロピレンカ
ーボネート) 90g、トリエチルアミン11.3gおよ
び1,2-ジクロロエタン100mlを混合し、5℃に冷却
した。滴下ロートよりアクリル酸クロリド9.3gを1
0分かけて滴下し、さらに5℃で1時間撹拌した。その
後、徐々に室温まで昇温し、室温でさらに2時間撹拌し
た。
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することによ
って、目的とするジアクリル酸エステル84gを淡黄色
粘稠オイルとして得た。得られたジアクリル酸エステル
の1H-NMRチャートを図1に示した。
したガラス反応容器に、実施例1で合成したポリ(1,3-
プロピレンカーボネート) 90g、トリエチルアミン1
1.3gおよび1,2-ジクロロエタン100mlを混合
し、5℃に冷却した。滴下ロートよりメタクリル酸クロ
リド10.7gを10分かけて滴下し、さらに5℃で1
時間撹拌した。徐々に室温まで昇温し、室温でさらに2
時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮することに
よって、目的とするジメタクリル酸エステル 87gを
淡黄色粘稠オイルとして得た。得られたジメタクリル酸
エステルの1H-NMRチャートを図2に示した。
ル:20.0重量部と、エチレンカーボネートとプロピ
レンカーボネートとを等量(重量比)混合した混合物に
LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解した電解液:
80.0重量部とを混合した溶液を不活性ガス雰囲気
中、ガラス板上にキャストし、紫外線照射装置(ウシオ
電気(株)製:UIS-25102、光ファイバーユニット:SF-
101Q)を用い、基板上7cmの位置から、紫外線を30分
照射して、重合、硬化させ、厚さ約0.5mmの高分子固
体電解質を製造した。
に打ち抜き、伝導度測定ホルダーに設けられた電極を挟
み、この電極をペルチェ素子により25℃にコントロー
ルしてインピーダンスアナライザー(HP4285A)
で複素インピーダンス測定(測定電圧10mV)を行
い、解析的にイオン伝導度を求めた。
cmであった。
アクリル酸エステルの代わりに、実施例2で製造したジ
メタクリル酸エステルを用いた以外は、応用例1と同様
にして、高分子固体電解質を製造し、イオン伝導度を求
めた。
cmであった。
ルの1H-NMRチャートである。
テルの1H-NMRチャートである。
Claims (3)
- 【請求項1】下記一般式(1)で表わされるジ(メタ)ア
クリル酸エステル; 【化1】 (式中、R1およびR2は互いに同一であっても異なって
いてもよく、HまたはCH3を示し、nは1〜1000
の整数である)。 - 【請求項2】請求項1に記載のジ(メタ)アクリル酸エス
テルを重合させてなるジ(メタ)アクリレート重合体。 - 【請求項3】請求項2に記載のジ(メタ)アクリレート重
合体を含有することを特徴とする高分子固体電解質組成
物。
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