JP4069147B2 - 高分子固体電解質 - Google Patents
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Description
また特開平5−25353号公報には、ポリオキシアルキレンのジエステル化合物と、ポリメトキシオキシアルキレンのエステル化合物と、二重結合を持ったオキシ化合物との共重合体の架橋樹脂と無機塩とを主たる構成成分とする高分子固体電解質が記載されている。さらに特開平6−223842号公報には、カーボネート基を官能基として有する有機高分子と金属塩とからなる高分子固体電解質が記載されている。
このような状況のもと、イオン電導度に優れ、しかも電気化学的安定性に優れるなどの要求を満たす高分子固体電解質の出現が望まれており、このような高分子固体電解質の高分子マトリックスとなりうるような新規な高分子重合体の出現が望まれている。さらに、このような高分子重合体を形成するモノマー原料となりうるような新規の化合物の出現が望まれている。
本発明に係る高分子固体電解質は、
下記一般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導さ
れる構成単位と、
下記一般式(IX)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位とを含有するアリルカーボネート共重合体と、周期律表第Ia族の金属の塩とからなることを特徴とする。
0〜100の整数である。)
また、本発明に係るゲル状高分子固体電解質は、上記一般式(VII)で表される化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位と、
上記一般式(IX)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位とを含有するアリルカーボネート共重合体と、周期律表第Ia族の金属の塩と、非水溶媒とからなることを特徴とする。
上記一般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導さ
れる構成単位と、
下記一般式(X)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導され
る構成単位とを含有するアリルカーボネート共重合体と、周期律表第Ia族の金属の塩とからなることを特徴とする。
さらに、本発明に係るゲル状高分子固体電解質は、
上記一般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導さ
れる構成単位と、
上記一般式(X)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導され
る構成単位とを含有するアリルカーボネート共重合体と、周期律表第Ia族の金属の塩と、非水溶媒とからなることを特徴とする。
まず、本発明に係る新規なアクリル酸エステルについて説明する。
第1のアクリル酸エステル
本発明に係る新規な第1のアクリル酸エステルは、下記一般式(I)で表されるアクリル酸エステルである。
素原子数が1〜4のアルキル基を示し、好ましくはメチル基、エチル基およびt-ブチル基である。
上記の合成工程において、一般式(ii)で表される化合物は、一般式(i)で表される化合物1モルに対し0.5〜5モルの量で用いられる。また、上記反応においては触媒として、たとえばK2CO3、Na2CO3、Li2CO3、NaOCH3などを用いることがで
きる。このような触媒は、一般式(i)で表される化合物1モルに対し1×10-5〜1×10-2モルの量で用いられる。一般式(i)で表される化合物と、一般式(ii)で表される化合物との反応は、通常攪拌、還流下で生成するアルコールを除去しながら行われる。反応温度は、通常40〜140℃、反応時間は通常2〜60時間である。
第2のアクリル酸エステル
本発明に係る第2のアクリル酸エステルは、下記一般式(II)で表されるアクリル酸エステルである。
よびrは、互いに同一でも異なっていてもよく、1〜100の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。
ルエチル)カーボネート、ジエチレングリコールジ(2-メタクリロキシエチル)カーボネートなどが挙げられる。
と、下記一般式(iv)で表される化合物とから下記のようにして合成することができる。
上記の合成工程において、一般式(iv)で表される化合物は、一般式(iii)で表され
る化合物1モルに対し0.3〜2.0モルの量で用いられる。また、上記反応においては触媒として、たとえばK2CO3、Na2CO3、Li2CO3、NaOCH3などを用いるこ
とができる。このような触媒は、一般式(iii)で表される化合物1モルに対し10-5〜
10-2モルの量で用いられる。
攪拌、還流下で生成するアルコールを除去しながら行われる。反応温度は、通常40〜140℃、好ましくは40〜100℃、反応時間は通常2〜60時間である。本発明に係る第1および第2のアクリル酸エステルは、たとえばアクリル酸エステル重合体を製造する
際のモノマー原料として用いられる。本発明の第1および第2のアクリル酸エステルから誘導される構成単位を含むアクリル酸エステル重合体を高分子マトリックスとする高分子固体電解質は、イオン導電率が高く、化学的に安定である。
本発明に係る新規なアリルエーテルは、下記一般式(III)で表されるアリルエーテル
である。
〜100の整数、eは1〜100の整数であり、好ましくはdは0〜10の整数、eは1〜10の整数である。
ーボネート、2-(2-アリロキシエトキシ)エチル-2-アリロキシエチルカーボネートなど
が挙げられる。前記一般式(III)で表されるアリルエーテルは、たとえば下記一般式(v)〜(vii)で表される化合物から下記のようにして合成することができる。
上記の(v)と(vi)と(vii)から合成する場合、一般式(v)および(vi)で表され
る化合物は、ジメチルカーボネート(vii)1モルに対し、各々0.2〜1.0モルの量
で用いられる。また、上記反応においては触媒として、たとえばLiOCH3、Li2CO3、K2CO3、Na2CO3などを用いることができる。このような触媒は、一般式(v)で表される化合物1モルに対し1×10-5〜1×10-2モルの量で用いられる。
また前記一般式(III)で表されるアリルエーテルは、前記一般式(vi)と下記一般式
(viii)で表される化合物とから下記のようにして合成することができる。
このように上記の(viii)と(vi)から合成する場合、一般式(vi)で表される化合物は、一般式(viii)で表される化合物1モルに対し、0.5〜2.0モルの量で用いられる。この反応においては触媒として、たとえばLiOCH3、Li2CO3、K2CO3、N
a2CO3などを用いることができる。このような触媒は、一般式(viii)で表される化合物1モルに対し1×10-5〜1×10-2モルの量で用いられる。反応は、通常攪拌、還流下で行われ、反応温度は、通常40〜140℃、反応時間は通常2〜60時間である。
上記の(v)と(ix)から合成する場合、一般式(ix)で表される化合物は、一般式(v)で表される化合物1モルに対し、0.5〜2.0モルの量で用いられる。また、上記反応においては触媒として、たとえばLiOCH3、Li2CO3、K2CO3、Na2CO3な
どを用いることができる。このような触媒は、一般式(v)で表される化合物1モルに対
し1×10-5〜1×10-2モルの量で用いられる。反応は、通常攪拌、還流下で行われ、反応温度は、通常40〜140℃、反応時間は通常2〜60時間である。
本発明に係る新規なアリルカーボネートは、下記一般式(IV)で
表されるアリルカーボネートである。
れる化合物と、下記一般式(xi)で表される化合物とから下記のようにして合成することができる。
上記の合成工程において、一般式(xi)で表される化合物は、一般式(x)で表される
化合物1モルに対し、0.3〜2.0モルの量で用いられる。また、上記反応においては触媒として、たとえばK2CO3、Na2CO3、Li2CO3、NaOCH3などを用いるこ
とができる。このような触媒は、一般式(x)で表される化合物1モルに対し1×10-5
〜1×10-2モルの量で用いられる。
拌、還流下で生成するアルコールを除去しながら行われる。反応温度は、通常40〜140℃、反応時間は通常2〜60時間である。
第1のアクリル酸エステル重合体
本発明に係る第1のアクリル酸エステル重合体は、前記一般式(I)で表されるアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種のアクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有している。このような高分子重合体としては、前記一般式(I)で表されるアクリル酸エステルの単独重合体、前記一般式(I)で表されるアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも2種のアクリル酸エステルの共重合体、前記一般式(I)で表されるアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種のアクリル酸エステルと、前記一般式(II)および下記一般式(V)〜(VIII)から選ばれる少なくとも1種の化合物との共重合体などが挙げられる。
R18は、炭素原子数が1〜4のアルキル基を示し、好ましくは水素原子またはメチル基である。
このような一般式(V)で表される化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピルなどが挙げられる。
iは1〜100の整数であり、好ましくは1〜10の整数である。
a,bおよびcは、互いに同一でも異なっていてもよく、0〜100の整数であり、好
ましくは0〜10の整数である。
リレート、グリセリントリアクリレート、トリ(2-メタクリロキシエチル)グリセリン、トリ(2-アクリロキシエ
チル)グリセリンなど。
HO−(CH2CH2O)k−H …(VIII)
式中、kは1〜100の整数であり、好ましくは1〜20の整数である。
本発明における好ましい態様の一つである前記一般式(I)で表されるアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種のアクリル酸エステルの重合体は、分子量が通常2×103〜1×108、好ましくは1×104〜1×107の範囲にある。
よび(V)〜(VIII)から誘導される構成単位以外の構成単位を、例えば20モル%以下の割合で含有していてもよい。
第2のアクリル酸エステル重合体
本発明に係る第2のアクリル酸エステル重合体は、前記一般式(II)で表されるアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種のアクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有している。
このような高分子重合体としては、前記一般式(II)で表されるアクリル酸エステルの単独重合体、前記一般式(II)で表されるアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも2種のアクリル酸エステルの共重合体、前記一般式(II)で表されるアクリル酸エステルか
ら選ばれる少なくとも1種のアクリル酸エステルと、前記一般式(V)〜(VIII)から選ばれる少なくとも1種の化合物との共重合体などが挙げられる。
本発明に係るアリルエーテル重合体は、上記のような一般式(III)で表されるアリル
エーテルから選ばれる少なくとも1種のアリルエーテルから誘導される構成単位を含有している。このようなアリルエーテル重合体としては、前記一般式(III)で表されるアリ
ルエーテルの単独重合体、前記一般式(III)で表されるアリルエーテルから選ばれる少
なくとも2種のアリルエーテルの共重合体、前記一般式(III)で表されるアリルエーテ
ルから選ばれる少なくとも1種のアリルエーテルと、前記一般式(IV),(VII)および下記一般式(IX),(X)から選ばれる少なくとも1種の化合物との共重合体などが挙げられる。
ルから選ばれる少なくとも1種のアリルエーテルの重合体は、分子量が通常1×103〜
1×107、好ましくは1×104〜1×106の範囲にある。
のアリルエーテルの共重合体である場合には、前記一般式(III)で表されるアリルエー
テルから導かれる2種以上の構成単位の比率は、特に限定されないが、1種の構成単位の比率が30〜95モル%の範囲内にあることが望ましい。
と、前記一般式(IV),(VII) ,(IX)および(X)から選ばれる少なくとも1種の化合
物との共重合体は、分子量が通常1×103〜1×107、好ましくは1×104〜1×1
06の範囲にある。また、前記一般式(III)で表されるアリルエーテルから導かれる構成単位と、前記一般式(IV),(VII),(IX)および(X)から選ばれる化合物から導かれる構成単位とのモル比は、通常5:95〜95:5、好ましくは10:90〜90:10の範囲にある。前記一般式(III)で表されるアリルエーテルから導かれる構成単位と、前
記一般式(IV),(VII) ,(IX)および(X)から選ばれる化合物から導かれる構成単位
とのモル比は、所望の物理的および
化学的性質に応じて上記範囲内で調整される。前記一般式(III)で表されるアリルエー
テルから導かれる構成単位と、前記一般式(IV),(VII) ,(IX)および(X)から選ば
れる化合物から導かれる構成単位とのモル比が上記範囲外であると、イオン導電率が低下する、重合物の粘性・弾性が低下する、引張り強度が低下するなどの問題が発生する場合がある。
一般式(III)で表されるアリルエーテルから選ばれる少なくとも1種と、前記一般式(IV),(VII),(IX)および(X)から選ばれる少なくとも1種の化合物とを、ラジカル重
合法、光重合法などで重合させることにより容易に製造することができる。
第1のアリルカーボネート重合体
本発明に係る第1のアリルカーボネート重合体は、上記のような一般式(IV)で表され
るアリルカーボネートから選ばれる少なくとも1種のアリルカーボネートから誘導される構成単位を含有している。
くとも1種の化合物との共重合体などが挙げられる。
通常1×103〜1×107、好ましくは1×104〜1×106の範囲にある。また、前記一般式(IV)で表されるアリルカーボネートから導かれる構成単位と、前記一般式(VII
)で表される化合物から導かれる構成単位とのモル比は、通常5:95〜100:0、好ましくは10:90〜90:10の範囲にある。
的性質に応じて上記範囲内で調整される。
ン導電率が低下する、重合物の粘性・弾性が低下する、引張り強度が低下するなどの問題が発生する場合がある。
で重合させることにより容易に製造することができる。
いてもよい。
第2のアリルカーボネート重合体
本発明に係る第2のアリルカーボネート重合体は、前記一般式(IX)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位と、
前記一般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導さ
れる構成単位とを含有している。
しくは1×104〜1×107の範囲にある。また、前記一般式(IX)で表される化合物から導かれる構成単位と、前記一般式(VII)で表される化合物から導かれる構成単位との
モル比は、通常10:90〜99:1、好ましくは30:70〜97:3、より好ましくは50:50〜95:5の範囲にある。
される化合物から導かれる構成単位とのモル比は、所望の物理的および化学的性質に応じて上記範囲内で調整される。
される化合物から導かれる構成単位とのモル比が上記範囲外であると、イオン導電率が低下する、重合物の粘性・弾性が低下する、引張り強度が低下するなどの問題が発生する場合がある。
法、光重合法などで重合させることにより容易に製造することができる。
る構成単位以外の構成単位を、本発明の共重合体の特性を損なわない範囲で例えば20モル%以下の割合で含有していてもよい。
第3のアリルカーボネート重合体
本発明に係る第3のアリルカーボネート重合体は、前記一般式(X)で表される化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位と、
前記一般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導さ
れる構成単位とを含有している。
本発明に係る第3のアリルカーボネート共重合体は、分子量が通常2×103〜1×108、好ましくは1×104〜1×107の範囲にある。また、前記一般式(X)で表される化
合物から導かれる構成単位と、前記一般式(VII)で表される化合物から導かれる構成単
位とのモル比は、通常10:90〜99:1、好ましくは30:70〜97:3、より好ましくは50:50〜95:5の範囲にある。
般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを、ラジカル重合
法、光重合法などで重合させることにより容易に製造することができる。
る化合物から誘導される構成単位および前記一般式(VII)で表される化合物から誘導さ
れる構成単位以外の構成単位を、本発明の共重合体の特性を損なわない範囲で例えば20モル%以下の割合で含有していてもよい。
本発明に係る高分子固体電解質は、上記のようなアクリル酸エステル重合体とアリルエーテル重合体とアリルカーボネート重合体とから選ばれる少なくとも1種の重合体と、周期律表第Ia族の金属の塩、さらに場合により非水溶媒とから形成されている。
F3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3が好ましく用いられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
(ア)前記のような方法で重合したアクリル酸エステル重合体とアリルエーテル重合体
とアリルカーボネート重合体とから選ばれる少なくとも1種の重合体と、第Ia族の金属の塩とを溶媒に溶解または含浸し、得られた溶液を平坦な基板上に流すかあるいは塗布する方法、または塗布後、溶媒を蒸発させる方法。ここで用いられる溶媒としては、該重合体を溶解し得る溶媒であれば特に限定されないが、たとえば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクロン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、スルホランなどを用いることができる。
媒に溶解し、得られた溶液を平坦な基板上に流すかあるいは塗布し、紫外線、放射線の照射、または熱により重合、硬化させる方法。
(1)前記一般式(I)〜(IV)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(2)前記一般式(I)で表されるアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種と、前
記一般式(II)および(V)〜(VIII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(3)前記一般式(II)で表されるアクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種と、前
記一般式(V)〜(VIII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(4)前記一般式(III)で表されるアリルエーテルから選ばれる少なくとも1種と、前記一般式(IV),(VII),(IX)および(X)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(5)前記一般式(IV)で表されるアリルカーボネートから選ばれる少なくとも1種と、前
記一般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(6)前記一般式(IX)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種と、前記一般式(VII
)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
(7)前記一般式(X)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種と、前記一般式(VII
)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物。
どを例示できる。
(ウ)上記(1)〜(7)に示す1種または2種以上の化合物を、第Ia族の金属塩と重合開始
剤の共存下に溶媒に溶解し、得られた溶液を平坦な基板上に流すかあるいは塗布し、溶液を加熱して重合、硬化させる方法。この場合、溶液を平坦な基板上に広げた後、溶媒を蒸発させてもよい。ここで用いられる溶媒としては、(イ)の方法で例示した溶媒と同様の
ものが挙げられる。
前記(イ)および(ウ)の方法において、溶媒を蒸発させずに重合させると、ゲル状の高分子固体電解質を製造することができる。
本発明に係るゲル状高分子固体電解質は、上記のようなアクリル酸エステル重合体、アリルエーテル重合体、またはアリルカーボネート重合体と、周期律表第Ia族の金属の塩と、非水溶媒から形成されている。
非水溶媒としては、メチルエチルケトン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、γ−ブチロラクロン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、炭酸プロピレン、炭酸エチレンが好ましく使用される。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1
炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルの合成
100mlの四つ口フラスコにメタクリル酸ヒドロキシエチル13.01g(0.1モル)、炭酸ジメチル27.00g(0.3モル)および触媒として炭酸カリウム0.042g(
0.3ミリモル)とを仕込み、撹拌、還流下、生成するメタノールを除去しながら90℃
で8時間反応させた。反応後シリカゲルカラムで炭酸カリウムを除去した後、蒸留して炭
酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルを得た。
NMR(CDCl3溶液、δppm):1.95(t,3H,J=1.0Hz,CH3)、3.80(s,3H,CH3)、4.38(m,4H,CH2)、5.59(t,1H,J=1.
5Hz,CH)、6.14(s,1H,CH)
IR(neat、cm-1):2960(C−H)、1755(C=O)、1720(C=O)、1640(C=C)、1450、1272、1170、1048、1015、935、790
参考例2
炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチルの合成
撹拌機、水分離器、温度計を備えた1リットルの四つ口のフラスコにメタクリル酸86.1g、ジエチレングリコール106.1g、ハイドロキノン0.3g、濃硫酸1.5ml、トルエン500mlを仕込み、撹拌下、水を分離しながら110℃でエステル化反応した。3時間反応後、室温まで冷却した。生成した水は18gであった。
モル)、炭酸ジメチル270g(3モル)および触媒として炭酸カリウム0.13g(0.9ミリモル)を仕込み、撹拌、還流下、生成するメタノールを除去しながら90℃で8時間反応させた。反応後シリカゲルカラムで炭酸カリウムを除去した後、蒸留して炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチルを得た。
NMR(CDCl3溶液、δppm):1.95(t,3H,J=1.3Hz,CH3)、3.75(m,4H,CH2)、3.78(s,3H,CH3)、4.30(m,4H,CH2)
、5.58(t,1H,J=1.5Hz,CH)、6.70(s,1H,CH)
IR(neat、cm-1):2980(C−H)、1750(C=O)、1710(C=O)、1640(C=C)、1450、1265、1175、1135、1032、952、785
参考例3
アクリル酸エステル重合体の作製
参考例1で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチル1.88g(0.01モル)、パーロイルIPP50(日本油脂製)41.6μlを混合して均一にした液を、テ
フロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例4
アクリル酸エステル重合体の作製
参考例2で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチルについて、参考例3と同様に硬化し、IRスペクトルにより重合の確認を行った。
参考例5
アクリル酸エステル共重合体の作製
参考例1で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチル0.94g(0.005
モル)、参考例2で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチル1.1
6g(0.005モル)、パーロイルIPP5041.6μlを混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例6
炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチル共重合体の作製
参考例1で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチル0.94g(0.005モル)、メタクリル酸メトキシエトキシエチル0.94g(0.005モル)、パーロイルIPP5041.6μlを混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス
板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例7
参考例6においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えてジエチレングリコールジメタクリレートを用いたこと以外は参考例6と同様にして共重合体を作製し、IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例8
参考例6においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えてジ2-メタクリロキシエチルカーボネートを用いたこと以外は参考例6と同様にして共重合体を作製した。
参考例9
炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチル共重合体の作製
参考例2で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチル1.16g(
0.005モル)、メタクリル酸メトキシエトキシエチル0.94g(0.005モル)、
パーロイルIPP5041.6μlを混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コ
ートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例10
参考例9においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えてジエチレングリコールジメタクリレートを用いたこと以外は参考例9と同様にして共重合体を作製した。
参考例11
参考例9においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えてジ2-メタクリロキシエチルカーボネートを用いたこと以外は参考例9と同様にして共重合体を作製した。
参考例12
高分子電解質の製造及びイオン電導度の測定
参考例1で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチル50重量%、プロピレンカーボネート50重量%、第Ia族の金属塩(LiN(CF3SO2)2)をカーボネー
トユニットに対して2モル%、パーロイルIPP50をモノマーに対して1モル%を添加して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩からなる約1mm厚みの薄膜状高分子固体電解質を製造した。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
を表1に示す。
参考例13
参考例12において炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルに代えて参考例2で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチルを用いたこと以外は参考例12と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例14
参考例12において炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルに代えて炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルと参考例2で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチルを5:5(モル:モル)で混合したモノマーを用いたこと以外は参考例12と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例15
参考例1で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルと、メタクリル酸メトキシエトキシエチルを5:5(モル:モル)で混合したモノマー70重量%、プロピレンカーボネート30重量%、第Ia族の金属塩(LiN(CF3SO2)2)をカーボネート
ユニットに対して2モル%、パーロイルIPP50をモノマーに対して1モル%を添加して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子固体電解質を製造した。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例16
参考例15においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えてジエチレングリコールジメタクリレートを用い、かつ各モノマーを9:1(モル:モル)で混合したこと以外は参考例15と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例17
参考例15においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えてジ2-メタクリロキシエチルカーボネートを用い、かつ各モノマーを9:1(モル:モル)で混合したこと以外は参考例15と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例18
参考例2で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチルと、メタクリル酸メトキシエトキシエチルを5:5(モル:モル)で混合したモノマー70重量%、プロピレンカーボネート30重量%、第Ia族の金属塩(LiN(CF3SO2)2)をカー
ボネートユニットに対して2モル%、パーロイルIPP50をモノマーに対して1モル%を添加して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子固体電解質を製造した。IRスペクトルによる1640cm-1のC=
C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例19
参考例18においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えてジエチレングリコールジメタクリレートを用い、かつ各モノマーを9:1(モル:モル)で混合したこと以外は参考例18と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例20
参考例18においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えてジ2-メタクリロキシエチルカーボネートを用い、かつ各モノマーを9:1(モル:モル)で混合したこと以外は参考例18と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例1で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチル5.0g、LiClO4 0.5g、メチルエチルケトン5.0gおよびベンゾフェノン0.025gを混合して均一にした溶液を、乾燥不活性ガス雰囲気中でガラス板上にキャストしてメチルエチルケトンを蒸発させた。その後、乾燥不活性ガス雰囲気中で紫外線を照射して炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルを重合、硬化させて、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩(LiClO4)とからなる高分子固体電解質を製造した。
参考例22
参考例21において、メチルエチルケトンに代えてプロピレンカーボネートを用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は参考例21と同様にして高分子固体電解質を製造した。
参考例23
参考例1で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチル5.0g、LiBF4
0.5g、メチルエチルケトン5.0gおよび過酸化ベンゾイル0.025gを混合して均一にした溶液を乾燥不活性ガス雰囲気中でテフロン(登録商標)板上にキャストしてメチルエチルケトンを蒸発させた。その後、80℃に加熱して炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルを重合、硬化させて、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩(LiBF4)とからなる高分子固体電解質を製造した。
参考例24
参考例1で製造した炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチル5.0g、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)2.5g、LiN(CF3SO2)20
.5gおよびメチルエチルケトン5.0gを混合して均一にした溶液を、乾燥不活性ガス雰囲気中でガラス板上にキャストしてメチルエチルケトンを蒸発させた。その後、乾燥不活性ガス雰囲気中で電子線を照射して炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルとジエチレングリコールジメタクリレートとを重合、硬化させて、アクリル酸エステル共重合体と第Ia族の金属塩〔LiN(CF3SO2)2〕とからなる高分子固体電解質を製造した。
参考例25
参考例24において、メチルエチルケトンに代えてプロピレンカーボネートを用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は参考例24と同様にして高分子固体電解質を製造した。
参考例26
ジ2-メタクリロキシエチルカーボネートの合成
100mlの四つ口フラスコにメタクリル酸ヒドロキシエチル13.01g(0.1モル)、炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチル28.60g(0.1モル)および触媒として炭酸カリウム0.042g(0.3ミリモル)を仕込み、撹拌、還流下、生成するメタノールを除去しながら90℃で8時間反応させた。反応後シリカゲルカラムで炭酸カリウムを除去した後、蒸留してジ2-メタクリロキシエチルカーボネートを得た。
NMR(CDCl3溶液、δppm):1.95(t,6H,J=0.8Hz,CH3)、4.40(m,8H,CH2)、5.60(t,2H,J=1.1Hz,CH)、6.14(t,2H,J=1.1Hz,CH)
IR(neat、cm-1):2980(C−H)、1760(C=O)、1738(C=O)、1640(C=C)、1460、1265、1163、1038、950、818、795
参考例27
アクリル酸エステル重合体の作製
参考例26で製造したジ2-メタクリロキシエチルカーボネート2.86g(0.01モル)、パーロイルIPP50(日本油脂製)41.6μlを混合して均一にした液を、テフ
ロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例28
ジ2-メタクリロキシエチルカーボネート共重合体の作製
参考例26で製造したジ2-メタクリロキシエチルカーボネート1.43g(0.005モル)、メタクリル酸メトキシエトキシエチル0.94g(0.005モル)、パーロイルIPP5041.6μlを混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板
上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例29
参考例28においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えてジエチレングリコールジメタクリレートを用いたこと以外は参考例28と同様にして共重合体を作製した。参考例28と同様に、IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例30
参考例28においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えて炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルを用いたこと以外は参考例28と同様にして共重合体を作製した。
参考例31
参考例28においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えて炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチルを用いたこと以外は参考例28と同様にして共重合体を作製した。
参考例32
高分子電解質の製造及びイオン電導度の測定
参考例26で製造したジ2-メタクリロキシエチルカーボネート50重量%、プロピレンカーボネート50重量%、第Ia族の金属塩(LiN(CF3SO2)2)をカーボネート
ユニットに対して2モル%、パーロイルIPP50をモノマーに対して1モル%を混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子固体電解質を製造した。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例33
参考例32においてジ2-メタクリロキシエチルカーボネートとプロピレンカーボネートを30重量%と70重量%で混合したこと以外は参考例32と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例34
参考例26で製造したジ2-メタクリロキシエチルカーボネートと、メタクリル酸メトキシエトキシエチルを1:9(モル:モル)で混合したモノマー70重量%、プロピレンカーボネート30重量%、第Ia族の金属塩(LiN(CF3SO2)2)をカーボネートユ
ニットに対して2モル%、パーロイルIPP50をモノマーに対して1モル%を混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子固体電解質を製造した。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例35
参考例34においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えて炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエチルを用いたこと以外は参考例34と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例36
参考例34においてメタクリル酸メトキシエトキシエチルに代えて炭酸メチルメタクリル酸2-ヒドロキシエトキシエチルを用いたこと以外は参考例34と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例37
参考例26で製造したジ2-メタクリロキシエチルカーボネートと、ジエチレングリコールモノメタクリレートを5:5(モル:モル)で混合したモノマー50重量%、プロピレンカーボネート50重量%、第Ia族の金属塩(LiN(CF3SO2)2)をカーボネー
トユニットに対して2モル%、パーロイルIPP50をモノマーに対して1モル%を混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子固体電解質を製造した。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例38
参考例37においてモノマーとプロピレンカーボネートを30重量%と70重量%で混合したこと以外は参考例37と同様にして高分子電解質を製造した。
高分子固体電解質の製造
参考例26で製造したジ2-メタクリロキシエチルカーボネート5.0g、LiClO4
0.5g、メチルエチルケトン5.0gおよびベンゾフェノン0.005gを混合して均一にした溶液を、乾燥不活性ガス雰囲気中でガラス板上にキャストしてメチルエチルケトンを蒸発させた。その後、乾燥不活性ガス雰囲気中で紫外線を照射してジ2-メタクリロキシエチルカーボネートを重合、硬化させて、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩(LiClO4 )と
からなる高分子固体電解質を製造した。
参考例40
参考例39において、メチルエチルケトンに代えてプロピレンカーボネートを用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は参考例39と同様にして高分子固体電解質を製造した。
参考例41
参考例26で製造したジ2-メタクリロキシエチルカーボネート5.0g、LiOSO2
CF3 0.5g、メチルエチルケトン5.0gおよび過酸化ベンゾイル0.025gを混合して均一にした溶液を乾燥不活性ガス雰囲気中でテフロン(登録商標)板上にキャストしてメチルエチルケトンを蒸発させた。その後、80℃に加熱してジ2-メタクリロキシエチルカーボネートを重合、硬化させて、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩(LiOSO2 CF3 )とからなる高分子固体電解質を製造した。
参考例42
参考例26で製造したジ2-メタクリロキシエチルカーボネート5.0g、ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)2.5g、LiBF4 0.5gおよびメチルエチルケトン5.0gを混合して均一にした溶液を、乾燥不活性ガス雰囲気中でガラス板上にキャストしてメチルエチルケトンを蒸発させた。その後、乾燥不活性ガス雰囲気中で電子線を照射してジ2-メタクリロキシエチルカーボネートとジエチレングリコールジメタクリレートとを重合、硬化させて、アクリル酸エステル共重合体と第Ia族の金属塩(LiBF4 )とからなる高分子固体電解質を製造した。
参考例43
参考例42において、メチルエチルケトンに代えてプロピレンカーボネートを用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は参考例39と同様にして高分子固体電解質を製造した。
参考例44
2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネートの合成
100mlの四つ口フラスコにジアリルカーボネート14.2g(0.1モル)、トリエチレングリコールモノメチルエステル49.2g(0.3モル)および触媒として炭酸カリウム0.042g(0.3ミリモル)を仕込み、撹拌、還流下、生成したアリルアルコールを除去しながら130℃で8時間反応させた。反応後、シリカゲルカラムで炭酸カリウムを除去した後、蒸留して2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネートを得た。
H,3.2Hz,CH2)、5.28(d,1H,J=4.0Hz,CH)、5.38(d,
1H,J=6.0Hz,CH)、5.93(m,1H,CH)
IR(neat、cm-1):2880(C−H)、1748(C=O)
、1649(C=C)、1451、1383、1260、1108、872、787
参考例45
メトキシエチルアリロキシエチルカーボネートの合成
ジ2-アリロキシエチルカーボネート23.0g(0.1モル)、メトキシエタノール22.8g(0.3モル)および触媒として炭酸カリウム0.042g(0.3ミリモル)を仕込み、撹拌、還流下生成したアリロキシエタノールを除去しながら130℃で8時間反応させた。反応後、シリカゲルカラムで炭酸カリウムを除去した後、蒸留してメトキシエチルアリロキシエチルカーボネートを得た。
NMR(CDCl3溶液、δppm):3.22(s,3H,CH3)、3.60〜3.68(m,4H,CH2)、4.01(m,2H,CH2)、4.26〜4.31(m,4H,CH2)、5.20(d,1H,J=4Hz,CH)、5.30(d,1H,J=6Hz,CH)、5.89(m,1H,CH)
IR(neat、cm-1):2890(C−H)、1749(C=O)、1646(C=O)
、1451、1263、1127、1029、786
参考例46
アリルカーボネート重合体の作製
参考例44で合成した2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネート2.48
g(0.01モル)、パーロイルIPP50(日本油脂製)41.6μlを混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、70℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例47
アリルカーボネート共重合体の作製
参考例44で合成した2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネート1.24
g(0.005モル)、メチルアリルカーボネート0.58g(0.005モル)、パーロ
イルIPP5041.6μlを混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガ
ラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、80℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例48
参考例47においてメチルアリルカーボネートに代えてジアリルカーボネートを用いたこと以外は参考例4と同様にして共重合体を作製した。参考例47と同様にIRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例49
高分子電解質の製造及びイオン電導度の測定
参考例44で合成した2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネートと、ジアリルカーボネートを5:5(モル:モル)で混合したモノマー50重量%、第Ia族の金属塩(LiN(CF3SO2)2)をカーボネートユニットに対して1モル%、パーロイル
IPP50をモノマーに対して1モル%を混合して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、80℃で24時間硬化させ、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子固体電解質を製造した。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
高分子電解質の製造
参考例44で製造した2-メトキシエチルアリルカーボネート5.0g、LiBF40.
5g、ジメチルカーボネート5.0gおよび重合触媒のジイソプロピルパーオキシジカーボネート0.2gを均一に混合した溶液を、乾燥不活性ガス雰囲気中でガラス板上にキャストしてジメチルカーボネートを蒸発させた。その後80℃に加熱して2-メトキシエチル
アリルカーボネート重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子電解質を製造した。
参考例51
参考例50において、ジメチルカーボネートの代わりにプロピレンカーボネートを用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は参考例50と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例52
参考例50において、LiBF4の代わりにLiClO4を用いたこと以外は、参考例50と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例53
ジエチレングリコールジアリルジカーボネートの合成
100mlの四つ口フラスコにジアリルカーボネート28.4g(0.2モル)、ジエチレングリコール10.6g(0.1モル)および触媒として炭酸カリウム0.042g(0.3ミリモル)を仕込み、撹拌、還流下、生成したアリルアルコールを除去しながら130℃で8時間反応させた。反応後シリカゲルカラムで炭酸カリウムを除去した後、蒸留してジエチレングリコールジアリルジカーボネートを得た。
NMR(CDCl3溶液、δppm):3.73(m,4H,CH2)、4.30(m,4H
,CH2)、4.62(m,4H,CH2)、5.26(q,2H,J=8.1Hz,CH)
、5.33(q,2H,J=13.5Hz,CH)、5.94(m,2H,CH2)
IR(neat、cm-1):2958(C−H)、1750(C=O)、1649(C=C)、1451、1387、1280、1143、876、786
参考例54
アリルカーボネート重合体の作製
参考例53で製造したジエチレングリコールジアリルジカーボネート2.88g(0.01モル)、パーロイルIPP50(日本油脂製)41.6μlを混合して均一にした液を
、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、80℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例55
アリルカーボネート共重合体の作製
参考例53で製造したジエチレングリコールジアリルジカーボネート1.44g(0.005モル)、2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネート1.24g(0.005モル)、パーロイルIPP5041.6μlを混合して均一にした液を、テフロン(登
録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、80℃で24時間硬化させ、透明な固体を得た。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例56
参考例55において2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネートに代えてメチルアリルカーボネートを用いたこと以外は参考例55と同様にして共重合体を作製した。
参考例57
参考例55において2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネートに代えてジアリルカーボネートを用いたこと以外は参考例55と同様にして共重合体を作製した。参考例55と同様にIRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例58
高分子電解質の製造及びイオン電導度の測定
参考例1で製造したジエチレングリコールジアリルジカーボネート、第Ia族の金属塩(LiN(CF3SO2)2)をカーボネートユニットに対して2モル%、パーロイルIP
P50をモノマーに対して1モル%を添加して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、80℃で24時間硬化させ、アリルカーボネート重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子固体電解質を製造した。IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例59
参考例58においてジエチレングリコールジアリルジカーボネート70重量%、プロピレンカーボネート30重量%を混合したこと以外は参考例58と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例60
参考例53で製造したジエチレングリコールジアリルジカーボネートと、2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネートを5:5(モル:モル)で混合したモノマー、第Ia族の金属塩(LiN(CF3SO2)2)をカーボネートユニットに対して2モル%
、パーロイルIPP50をモノマーに対して1モル%を添加して均一にした液を、テフロン(登録商標)コートガラス板上にキャストして、不活性ガス雰囲気中、80℃で24時間硬化させ、アクリル酸エステル重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子固体電解質を製造した。
IRスペクトルによる1640cm-1のC=C振動に基づく吸収の消失から重合の確認を行った。
参考例61
参考例60において2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネートに代えてメチルアリルカーボネートを用いたこと以外は参考例60と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例62
参考例60において2-メトキシエトキシエトキシエチルアリルカーボネートに代えてジアリルカーボネートを用いたこと以外は参考例60と同様にして高分子電解質を製造した。
ジエチレングリコールジアリルジカーボネートの合成
参考例53において、ジアリルカーボネートを14.2g(0.1モル)にした以外は参考例53と同様にして、ジエチレングリコールジアリルジカーボネートを合成した。
参考例64
高分子電解質の製造
参考例53で製造したジエチレングリコールジアリルジカーボネート5.0g、LiBF40.5g、ジメチルカーボネート5.0gおよび重合触媒のジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート0.2gを均一に混合した溶液を、乾燥不活性ガス雰囲気中でガラス板上にキャストしてジメチルカーボネートを蒸発させた。その後80℃に加熱してジエチレングリコールジアリルジカーボネートを重合、硬化させて、ジエチレングリコールジアリルジカーボネート重合体と第Ia族の金属塩からなる高分子電解質を製造した。
参考例64において、ジメチルカーボネートの代わりにプロピレンカーボネートを用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は参考例64と同様にして高分子電解質を製造した。
参考例66
参考例64において、LiBF4の代わりにLiClO4を用いたこと以外は、参考例64と同様にして高分子電解質を製造した。
実施例67
アリルメチルカーボネートの合成
5リットルの4つ口フラスコにアリルアルコール422g(7.27モル)、ジメチルカーボネート2120g(23.6モル)および触媒として炭酸カリウム1.0g(7.3ミリモル)を仕込み
、攪拌・還流下、生成したメタノールを除去しながら90℃で10時間反応させた。反応後、シリカゲルの短カラムで炭酸カリウムを除去した後、蒸留してアリルメチルカーボネートを得た。
オートクレーブにグリセリン23g、水酸化カリウム2.5g、エチレンオキシド1200gを入れ、130℃で7時間反応した。中和後、脱塩処理を行って、末端が水酸基の三官能性ポリエチレンオキシド(分子量;約6000)を得た。この三官能性ポリエチレンオキシド200gとメタクリル酸15gに、トルエンおよび濃硫酸2gを加え、還流下共沸で水を留去しながら、脱水縮合を行って三官能性化合物(前記一般式(VII)におい
てR22、R23およびR24が水素原子、R25、R26およびR27がメチル基)を合成した。
上記のようにして合成したアリルメチルカーボネート5.0g、三官能性化合物2.0
g、LiBF4 5.0g、ジメチルカーボネート5.0gおよびジイソプロピルパーオキシジカーボネート0.2gを均一に混合した溶液を、乾燥不活性ガス雰囲気中でガラス板上にキャストしてジメチルカーボメートを蒸発させた。その後、80℃に加熱してアリルメチルカーボネートと三官能性化合物を共重合、硬化させて、アリルカーボネート共重合体と第Ia族の金属塩(LiBF4)とからなる高分子固体電解質を製造した。
実施例67において、ジメチルカーボネートに代えてプロピレンカーボネートを用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は実施例67と同様にして高分子固体電解質を製造した。
実施例69
実施例70において、ジメチルカーボネートに代えてプロピレンカーボネートを用い、LiBF4に代えてLiClO4を用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は実施例67と同様にして高分子固体電解質を製造した。
実施例70
ジアリルカーボネートの合成
3リットルの4つ口フラスコにアリルアルコール842g(14.5モル)、ジメチルカーボネート1306g(14.5モル)および触媒として炭酸カリウム1.0g(7.3ミリモル)を仕込み、攪拌・還流下、生成したメタノールを除去しながら90℃で10時間反応させた。反応後、シリカゲルの短カラムで炭酸カリウムを除去した後、蒸留してジアリルカーボネートを得た。
上記のようにして合成したジアリルカーボネート5.0g、実施例67で合成した三官能性化合物2.0g、LiBF45.0g、ジメチルカーボネート5.0gおよびジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート0.2gを均一に混合した溶液を、乾燥不活性ガス雰囲気中でガラス板上にキャストしてジメチルカーボメートを蒸発させた。その後、80℃に加熱してアリルメチルカーボネートと三官能性化合物を共重合、硬化させて、アリルカーボネート共重合体と第Ia族の金属塩(LiBF4)とからなる高分子固体電解質を製
造した。
実施例70において、ジメチルカーボネートに代えてプロピレンカーボネートを用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は実施例70と同様にして高分子固体電解質を製造した。
実施例72
実施例70において、ジメチルカーボネートに代えてプロピレンカーボネートを用い、LiBF4に代えてLiClO4を用い、かつプロピレンカーボネートを蒸発させなかったこと以外は実施例70と同様にして高分子固体電解質を製造した。
Claims (4)
- 下記一般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導され
る構成単位と、
下記一般式(IX)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位とを含有するアリルカーボネート共重合体と、周期律表第Ia族の金属の塩とからなることを特徴とする高分子固体電解質;
0〜100の整数である。)
- 上記一般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導され
る構成単位と、
上記一般式(IX)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導される構成単位とを含有するアリルカーボネート共重合体と、周期律表第Ia族の金属の塩と、非水溶媒とからなることを特徴とするゲル状高分子固体電解質。 - 上記一般式(VII)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導され
る構成単位と、
上記一般式(X)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導され
る構成単位とを含有するアリルカーボネート共重合体と、周期律表第Ia族の金属の塩と、非水溶媒とからなることを特徴とするゲル状高分子固体電解質。
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