JP2000319315A - α−オレフィン重合用触媒成分 - Google Patents

α−オレフィン重合用触媒成分

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JP2000319315A JP15991199A JP15991199A JP2000319315A JP 2000319315 A JP2000319315 A JP 2000319315A JP 15991199 A JP15991199 A JP 15991199A JP 15991199 A JP15991199 A JP 15991199A JP 2000319315 A JP2000319315 A JP 2000319315A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に実用的な重合温度において、立体規
則性が高く、しかも異種結合が少ないα−オレフィン重
合体が得られるメタロセン錯体を提供することを課題と
する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される遷移金属錯
体と、イオン交換性層状化合物、無機珪酸塩等の助触媒
成分と、任意成分である有機アルミニウム化合物とを含
む重合用触媒を用いてα−オレフィンを重合する。 【化1】 (Rは水素、ハロゲン又は炭化水素基、Qは結合性
基、Mは周期律表第3〜6族の遷移金属原子、Xは水
素、ハロゲン又は炭化水素基、nはMの価数、R及び
はC3−30の飽和又は不飽和炭化水素基を表す。
及びRの少なくとも一方は七員環以上の環を形成
する。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なα−オレフ
ィン重合用の触媒成分に関する。詳しくは、本発明は、
高融点のα−オレフィン重合体の製造を可能にするα−
オレフィン重合用触媒成分、及び該触媒成分を含むα−
オレフィン重合用触媒、並びに該重合用触媒を用いるα
−オレフィン重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】α−オレフィン重合用触媒として用いら
れる物質として、メタロセン錯体と、助触媒としてアル
ミノキサンやホウ素化合物などを組み合わせて用いる、
いわゆるメタロセン系触媒が知られている。この触媒
は、一般に、非常に重合活性が高く、分子量分布が狭い
重合体が得られるという特徴がある。かかるメタロセン
錯体のうち、特に工業的に価値の高いアイソタクチック
ポリプロピレンを製造するためのメタロセン錯体として
は、主としてC対称性を有する錯体が用いられてき
た。
【0003】このようなC対称性を有するメタロセン
錯体の代表例の一つとして、例えば、Journal
of Polymer Science: Part
A33巻,1305頁に記載されたもの(具体的な錯体
は以下の構造式で表されるものである)を挙げることが
できる。
【0004】
【化4】
【0005】この文献によれば、触媒成分として[ジメ
チルシランジイルビス(3,3’−(2−メチルベンズ
[e]インデニル)))]ジルコニウムジクロリドを用
い、60℃における重合で得られるアイソタクチックポ
リプロピレンは、立体規則性の指標である[mmmm]
が92.8%と比較的高い値を示す。
【0006】しかしながら、これらC対称性を有する
錯体を用いて得られるポリプロピレンのほとんどは、ポ
リマーの主鎖内に異種結合と呼ばれる構造欠陥があるこ
とが知られており、この欠陥の存在により、ポリマーの
融点は低下してしまう。例えば、上述の例では、2,1
−インバージョンと呼ばれる欠陥が0.2%存在するた
めに、ポリプロピレンの融点は150.1℃と、あまり
高い値ではない。
【0007】一方、このような異種結合の発生を抑制し
うる錯体として、C対称、すなわち対称性を有さない
錯体の研究が行われてきた。オレフィン重合触媒成分と
してC対称メタロセン錯体を用いた最初期の例として
は、1988年のEwenらの例が挙げられる(Jou
rnal of American Chemical
Society,110巻,6255頁)。ここで用
いられている錯体は、2,2−プロピリデン(シクロペ
ンタジエニル(9−フルオレニル)ハフニウムジクロリ
ドであるが、この錯体を用いた場合、シンジオタクチッ
クポリプロピレンが得られることが明らかにされてい
る。
【0008】その後も種々のオレフィン重合用C対称
メタロセン錯体が報告されているが、それらの多くはシ
ンジオタクチックポリプロピレン向け(例えば、特開平
2−274703、特開平2−274704、特開平3
−179006、ヘミアイソタクチックポリプロピレン
向け(特開平3−193796)、あるいはシンジオ−
アイソブロックポリプロピレン向け(特開平3−991
3)である。
【0009】一方、より用途が広く、工業的にも価値の
高いアイソタクチックポリプロピレンの合成にC対称
メタロセン錯体を用いた例としては、まず、フルオレン
骨格を配位子に有する錯体に関する報告が、いくつかの
グループからなされている。その初期の例として、2,
2−プロピリデン(3−t−ブチルシクロペンタジエニ
ル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、及
びジメチルシリレン(3−t−ブチルシクロペンタジエ
ニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを
用いた例が挙げられる(特開平6−122718)。
【0010】しかしながら、これらの錯体を用いて工業
的に実用的な温度でプロペンの重合を行うと、得られる
ポリプロピレンの融点は高いものではなく、ポリマーの
立体規則性あるいは位置選択性がよくないことがわか
る。また、別のグループからも、ジメチルシリレン(3
−t−ブチルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリドを用いたプロピレンの重合
例が報告されているが、重合温度が3℃と極めて低い場
合に得られたポリプロピレンの融点は159.1℃であ
り、工業的に実用的なより高温での重合で得られるポリ
プロピレンの融点は、これより大きく低下するものと考
えられる。
【0011】上述したようなフルオレン骨格を有する錯
体とは別に、インデン骨格を有するC錯体によるアイ
ソタクチックポリプロピレンの製造例も報告されてい
る。例えば、特開平7−118316では、2,2−プ
ロピリデン(3−t−ブチル−1−インデニル)(2−
メチル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリドを用いた例が記載されている。しか
し、ここでは得られたポリマーの融点や立体規則性が報
告されておらず、また重合温度は3℃と、非実用的な温
度である。その後、特開平8−127612では、1,
2−エタンジイル(1−インデニル)(2−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド及びジメチルシリレン(1
−インデニル(2−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドを用いた例が報告されているが、得られるアイソタク
チックポリプロピレンは融点80℃程度の、立体規則性
が非常に低いものである。
【0012】以上の例も含め、これまで報告されてきた
対称のアイソタクチックα−オレフィン向けメタロ
セン錯体は、いずれも副環を有さない、すなわち共役五
員環に縮合した環を有さないか、あるいはインデニル基
やフルオレニル基のように副環が六員環のみであるもの
に限られていた。そして、それらを用いて工業的に実用
的な温度で重合して得られるα−オレフィン重合体は、
立体規則性が十分に高いとは言いがたい、実用には不満
足なものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的に実
用的な重合温度において、高性能のC対称メタロセン
錯体を用いた場合のように立体規則性が高く、しかも従
来型C対称錯体を用いた場合のように異種結合が少な
いα−オレフィン重合体を得ることを可能にするα−オ
レフィ重合触媒成分、及びα−オレフィン重合触媒、並
びにα−オレフィン重合体の製造方法を提供することを
課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果なされたものであ
る。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表され
る、少なくとも2つの共役五員環配位子を含む遷移金属
錯体からなるα−オレフィン重合用触媒成分を提供す
る。
【0015】
【化5】
【0016】(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、
又はハロゲン、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及び
ホウ素からなる群から選ばれる原子を含有していてもよ
い炭化水素基を表し、隣接する2つのRが相互に結合
して環を形成してもよい。また、4個のRは相互に同
じでも異なっていてもよい。Qは、2つの共役五員環配
位子を任意の位置で架橋する結合性基を表す。Mは、周
期律表第3〜6族から選ばれる遷移金属原子を表す。X
は、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲ
ン、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びホウ素から
なる群から選ばれる原子を含有していてもよい炭化水素
基を表す。nは遷移金属原子Mの価数を表し、n−2個
のXは同一でも異なっていてもよい。R及びRはそ
れぞれ独立に、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ケイ素、
及びホウ素からなる群から選ばれる原子を含有していて
もよい炭素数3〜30の2価の飽和又は不飽和炭化水素
基を表し、且つ該R及びRの少なくとも一方は、結
合する共役五員環上の2つの原子とともに七員環以上の
環を形成する。さらに、前記R〜Rは、前記遷移金
属錯体がいかなるQ及びXの場合でもC対称性あるい
はCs対称性を有し得ないように選ばれる。)
【0017】また、本発明は、Rと該Rが結合する
共役五員環上の2つの原子とによって形成される環、及
び、Rと該Rが結合する共役五員環上の2つの原子
とによって形成される環のうちの、少なくとも一方が七
〜十員環であることを特徴とする、前記α−オレフィン
重合用触媒成分を提供する。
【0018】また、本発明は、前記遷移金属錯体が、下
記式(2)又は(3)で表される構造を有することを特
徴とする前記α−オレフィン重合用触媒成分を提供す
る。
【0019】
【化6】
【0020】(式(2)中、Cは共役五員環に直接結
合する炭素原子を示す。Rは、それが結合する共役五
員環以上の2つの原子と共に六員環を形成するように選
ばれる。Rはハロゲン、窒素、硫黄、リン、ケイ素、
及びホウ素からなる群から選ばれる原子を含有していて
もよい炭素数3〜30の2価の飽和又は不飽和炭化水素
基を表し、該Rと炭素原子Cは、それらが結合する
共役五員環上の2つの炭素原子と共に七員環を形成す
る。R及びRのうちの少なくとも一つは水素原子で
ない置換基を表す。)
【0021】
【化7】
【0022】(式(3)中、Cは共役五員環に直接結
合する炭素原子を示す。Rは、それが結合する共役五
員環以上の2つの原子と共に六員環を形成するように選
ばれる。Rはハロゲン、窒素、硫黄、リン、ケイ素、
及びホウ素からなる群から選ばれる原子を含有していて
もよい炭素数3〜30の2価の飽和又は不飽和炭化水素
基を表し、該Rと炭素原子Cは、それらが結合する
共役五員環上の2つの炭素原子と共に七員環を形成す
る。R及びRのうちの少なくとも一つは水素原子で
ない置換基を表す。)
【0023】また、本発明は、前記いずれかのα−オレ
フィン重合用触媒成分と、アルミニウムオキシ化合物、
前記α−オレフィン重合用触媒成分を構成する遷移金属
錯体と反応して該遷移金属錯体をカチオンに変換するこ
とが可能なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイ
オン交換性層状化合物、及び無機珪酸塩からなる群より
選ばれる1種以上の物質からなる助触媒成分と、必要に
応じて使用される任意成分である有機アルミニウム化合
物とを含む、α−オレフィン重合用触媒を提供する。
【0024】また、本発明は、前記助触媒成分が、珪酸
塩を除くイオン交換性層状化合物及び無機珪酸塩からな
る郡より選ばれる1種以上の物質からなる前記α−オレ
フィン重合用触媒を提供する。また、本発明は、前記α
−オレフィン重合用触媒の存在下にα−オレフィンを重
合することを特徴とする、α−オレフィン重合体の製造
方法を提供する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 1.α−オレフィン重合用触媒成分 本発明のα−オレフィン重合用触媒成分は、上記一般式
(1)で表される、少なくとも2つの共役五員環配位子
を含む遷移金属錯体(以下、「メタロセン錯体」又は
「メタロセン化合物」という場合がある)である。
【0026】R 式(1)中、共役五員環に結合する4個のRは、それ
ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素及び
水素以外の原子を含んでいてもよい炭化水素基を表す。
該炭素及び水素以外の原子としては、ハロゲン、酸素、
窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びホウ素からなる群から
選ばれる。前記炭化水素基が炭素及び水素以外の原子を
含むものである場合、シクロペンタジエニル環に結合す
る原子は炭素原子であっても、炭素及び水素以外の原子
であってもよい。例えば、酸素含有炭化水素基ならば、
シクロペンタジエニル環に結合する原子が炭素原子と酸
素原子のいずれの場合も含まれる。
【0027】前記炭化水素基の炭素原子数は特に限定さ
れないが、好ましくは炭素原子数1〜20、特に好まし
くは1〜15である。すなわち、これらのRのうち、
好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、又は炭化水
素基もしくは炭素及び水素以外の原子を含む炭化水素基
であって炭素数1〜20のものである。なお、隣接する
2つのRは相互に結合して環を形成してもよい。ま
た、4個のRは相互に同じでも異なっていてもよい。
【0028】Rが炭化水素基の場合の具体例として
は、メチル基、t−ブチル基、フェニル基、1−フェニ
ル−1,3−ブタジエニレン基等が挙げられる。R
炭素及び水素以外の原子を含む炭化水素基の場合の具体
例としては、ハロゲン含有炭化水素基についてはトリフ
ルオロメチル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,
5,6,7,8−ヘプタフルオロ−1−ナフチル基等が
挙げられ、酸素含有炭化水素基についてはメトキシ基、
t−ブトキシ基、2−フリル基等が挙げられ、窒素含有
炭化水素基についてはジメチルアミノ基、ジメチルアミ
ノメチル基、2−ピリジル基等が挙げられ、硫黄含有炭
化水素基についてはメチルチオ基、エチルチオ基、フェ
ニルチオ基等が挙げられ、リン含有炭化水素基について
はジメチルホスフィノ基、ジエチルホスフィノ基、ジフ
ェニルホスフィノ基等が挙げられ、ケイ素含有炭化水素
基についてはトリメチルシリル基、トリメチルシリルオ
キシ基等が挙げられ、ホウ素含有炭化水素基については
ジメチルボリル基、ジエチルボリル基、ジフェニルボリ
ル基等が挙げられる。
【0029】Q Qは、2つの共役五員環配位子を任意の位置で架橋する
結合性基を表し、a)炭素数1〜20、好ましくは1〜
15の2価の炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素
基、又は、b)炭素数1〜20、好ましくは1〜15の
炭化水素基もしくはハロゲン化炭化水素基を置換基とし
て有するシリレン基、オリゴシリレン基、又はゲルミレ
ン基、等が挙げられる。
【0030】a)のうちの好ましいものとしては、アル
キレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基等の不飽
和炭化水素基、又は、ハロアルキレン基、ハロアリーレ
ン基等のハロゲン化不飽和炭化水素基が挙げられ、より
具体的には、2,2−プロピリデン基、ジフェニルメチ
リデン基、1,2−エタンジイル基等が挙げられる。
【0031】b)のうちの好ましいものとしては、炭化
水素基を置換基として有するシリレン基あるいはオリゴ
シリレン基等が挙げられる。置換基となる炭化水素基と
しては、メチル基、フェニル基等が挙げられる。かかる
置換基を有するシリレン基あるいはオリゴシリレン基の
具体例としては、ジメチルシランジイル基、ジフェニル
シランジイル基、テトラメチルジシラン−1,2−ジイ
ル基等が挙げられる。
【0032】M Mは、周期律表第3〜6族から選ばれる遷移金属原子を
表し、好ましくはチタン、ジルコニウム、及びハフニウ
ムからなる群から選ばれる4族遷移金属である。なお、
本発明における周期律表の族番号は、IUPACが19
85年に推奨した新しい方法に基づいて付したものであ
る。
【0033】X Mに結合するn−2個のXは、水素原子、ハロゲン原
子、又は炭素及び水素以外の原子を含有していてもよい
炭化水素基を表す。該炭素及び水素以外の原子として
は、ハロゲン、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及び
ホウ素からなる群から選ばれる。これらのうち好ましい
ものは、炭化水素基もしくは炭素及び水素以外の原子を
含む炭化水素基であって炭素数1〜20、好ましくは1
〜12のものである。さらに好ましいものは、ハロゲン
原子、炭素数1〜8の炭化水素基、又は炭素数1〜12
の窒素含有炭化水素基である。
【0034】Xが炭化水素基の場合の具体例としては、
メチル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。X
が炭素及び水素以外の原子を含む炭化水素基の場合の具
体例としては、ハロゲン含有炭化水素基についてはトリ
フルオロメチル基、4−クロロフェニル基、2,3,
4,5,6−ペンタフルオロフェニル基等が挙げられ、
酸素含有炭化水素基についてはメトキシ基、エトキシ
基、フェノキシ基等が挙げられ、窒素含有炭化水素基に
ついてはジメチルアミノ基、1−インドリル基、2−ピ
リジル基等が挙げられ、硫黄含有炭化水素基については
メチルチオ基、2−チオフェニル基、フェニルチオ基等
が挙げられ、リン含有炭化水素基についてはジメチルホ
スフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、トリメトキシホ
スフィノ基等が挙げられ、ケイ素含有炭化水素基につい
てはトリメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メ
チル基、トリメトキシシリル基等が挙げられ、ホウ素含
有炭化水素基についてはジメチルボリル基、ジフェニル
ボリル基、ジメトキシボリルオキシ基等が挙げられる。
【0035】なお、nは遷移金属原子Mの価数を表し、
好ましくは3〜6である。n−2個のXは同一でも異な
っていてもよい。
【0036】R及びR及びRは、それぞれ共役五員環に結合し、該共役
五員環上の二つの原子とともに環を形成する基であっ
て、それぞれ独立に、炭素数3〜30、好ましくは5〜
20の2価の飽和又は不飽和炭化水素基を表す。該炭化
水素基は、炭素及び水素以外の原子として、ハロゲン、
窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びホウ素からなる群から
選ばれる原子を含んでいてもよい。また、R及びR
の少なくとも一方は、結合する共役五員環上の2つの原
子とともに形成する環が七員環以上の環である。
【0037】R、Rの具体例としては、プロピレ
ン、1−メチルプロペニレン、1−フェニルプロペニレ
ン、3−メトキシプロペニレン、2−トリメチルシリル
プロペニレン、テトラメチレン、1−ブテニレン、1−
フェニル−1,3−ブタジエニレン、1−メトキシ−1
−ブテニレン、1,4−シクロヘキシレン、o−キシリ
レン、ペンタメチレン、1−(2−ナフチル)−1,4
−ペンタジエニレン、1−ジメチルホスフィノ−2,4
−ペンタジエニレン、1−フェニル−2−ペンテニレ
ン、ヘキサメチレン、2−ジフェニルボリルヘキサニレ
ン、1−メチル−1−ヘキセニレン、2−ジフェニルホ
スフィノ−2,4−ヘキサジエニレン、1,2,3,
4,5,6−ヘキサメチル−1,3,5−ヘキサトリエ
ニレン、ヘプタメチレン、2−フェニルヘプタニレン、
2−メチル−3,5,7−ヘプタトリエニレン、4−ク
ロロヘプタニレン、オクタメチレン、3,8−ジフェニ
ルオクタニレン、2−(4−メトキシフェニル)−3,
5,7−オクタトリエニレン、ノナメチレン、2−トリ
メトキシシリルノナニレン、2−フェニル−4−ノネニ
レン、1−イソプロピル−2,7−ノナジエニレン、
1,3,5,7−ノナテトラエニル、デカメチレン、3
−ジエチルアミノデカメチレン、5,6−エポキシ−
2,8−デカジエニレン、2−シクロヘキシル−3,
5,7−デカトリエニレン、2,4,6,8−デカテト
ラエニレン、5−デシニレン、などが挙げられる。
【0038】これらのうち好ましいのは、R又はR
とそれらが結合する共役五員環上のそれぞれ2つの原子
とによって形成される環が七〜十員環をなすものであ
る。具体的には、ペンタメチレン、1−(2−ナフチ
ル)−1,4−ペンタジエニレン、1−ジメチルホスフ
ィノ−2,4−ペンタジエニレン、1−フェニル−2−
ペンテニレン、ヘキサメチレン、2−ジフェニルボリル
ヘキサニレン、1−メチル−1−ヘキセニレン、2−ジ
フェニルホスフィノ−2,4−ヘキサジエニレン、1,
2,3,4,5,6−ヘキサメチル−1,3,5−ヘキ
サトリエニレン、ヘプタメチレン、2−フェニルヘプタ
ニレン、2−メチル−3,5,7−ヘプタトリエニレ
ン、4−クロロヘプタニレン、オクタメチレン、3,8
−ジフェニルオクタニレン、2−(4−メトキシフェニ
ル)−3,5,7−オクタトリエニレン、などである。
【0039】なお、前記R〜R、Q、Xの構造に関
しては、前記一般式(1)で表される遷移金属錯体を形
成する上で妨げとならない限り、各々の幾何異性体、光
学異性体等の構造異性体をも含むものとする。さらに、
前記R〜Rは、前記遷移金属錯体がいかなるQ及び
Xの場合でもC対称性を有するように選ばれる。
【0040】前記一般式(1)で表される遷移金属錯体
が、下記式(2)又は(3)で表される構造を有する場
合、本発明において特に優れた効果を発揮する。
【0041】
【化8】
【0042】式(2)中、Cは共役五員環に直接結合
する炭素原子を示す。Rは、上述した2価の飽和又は
不飽和炭化水素基のなかから、それが結合する共役五員
環以上の2つの原子と共に六員環を形成するように選ば
れる。RはRとして挙げられるものの中から選択さ
れ、すなわちハロゲン、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及
びホウ素からなる群から選ばれる原子を含有していても
よい炭素数3〜30の2価の飽和又は不飽和炭化水素基
を表し、そのうち該Rと炭素原子Cが結合する共役
五員環上の2つの炭素原子と共に七員環を形成するよう
に選ばれる。R及びRは、それぞれ独立に、水素原
子又は水素原子でない置換基を表し、その少なくとも一
つは水素原子でない置換基を表す。
【0043】
【化9】
【0044】式(3)中、Cは共役五員環に直接結合
する炭素原子を示す。Rは、上述した2価の飽和又は
不飽和炭化水素基のなかから、それが結合する共役五員
環以上の2つの原子と共に六員環を形成するように選ば
れる。RはRとして挙げられるものの中から選択さ
れ、すなわちハロゲン、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及
びホウ素からなる群から選ばれる原子を含有していても
よい炭素数3〜30の2価の飽和又は不飽和炭化水素基
を表し、そのうち該Rと炭素原子Cが結合する共役
五員環上の2つの炭素原子と共に七員環を形成するよう
に選ばれる。R及びRは、それぞれ独立に、水素原
子又は水素原子でない置換基を表し、その少なくとも一
つは水素原子でない置換基を表す。
【0045】ここで、R、R、R及びRが水素
原子以外の置換基である場合、それぞれR及びR
要件と矛盾しない限り特に制限はないが、好ましくはハ
ロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、又は炭素及
び水素以外の原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基で
あって、当該炭素及び水素以外の原子がハロゲン、酸
素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びホウ素からなる群
から選ばれるものである。これらのうち特に好ましいも
のは、炭素数1〜14の炭化水素基、又は炭素数1〜1
4の炭素及び水素以外の原子を含む炭化水素基であって
該炭素及び水素以外の原子がハロゲン、酸素、窒素、及
びケイ素からなる群から選ばれるものである。
【0046】また、上記のような化合物の、前記一般式
(2)又は(3)におけるX部分をなす塩素原子の一部
又は全部が水素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原
子、メチル基、フェニル基、4−フルオロフェニル基、
ベンジル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチル
アミノ基、ジフェニルホスフィノ基、ビス(トリメチル
シリル)メチル基などに代わった化合物も明示すること
ができる。また、先に例示した化合物の中心金属(M)
がジルコニウムの代わりに、スカンジウム、イットリウ
ム、ランタノイド系列原子、チタン、ハフニウム、バナ
ジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タン
グステンに代わった化合物も例示することができる。
【0047】以上述べたような本発明のα−オレフィン
重合用触媒成分の具体例のいくつかについて、その構造
式を以下に化合物1〜188として例示する。
【0048】
【化10】
【0049】
【化11】
【0050】
【化12】
【0051】
【化13】
【0052】
【化14】
【0053】
【化15】
【0054】
【化16】
【0055】
【化17】
【0056】
【化18】
【0057】
【化19】
【0058】
【化20】
【0059】
【化21】
【0060】
【化22】
【0061】
【化23】
【0062】
【化24】
【0063】
【化25】
【0064】
【化26】
【0065】
【化27】
【0066】
【化28】
【0067】
【化29】
【0068】
【化30】
【0069】
【化31】
【0070】
【化32】
【0071】
【化33】
【0072】
【化34】
【0073】
【化35】
【0074】
【化36】
【0075】
【化37】
【0076】
【化38】
【0077】
【化39】
【0078】
【化40】
【0079】
【化41】
【0080】
【化42】
【0081】
【化43】
【0082】かかるα−オレフィン重合用触媒成分の合
成方法は特に限定されず、一般的な有機合成の技術を組
み合わせて合成することができる。
【0083】2.オレフィン重合用触媒 本発明のオレフィン重合用触媒は、上述した一般式
(1)で表される遷移金属錯体(以下、「成分A」とす
る)と、助触媒成分(以下、「成分B」とする)と、必
要に応じて使用される任意成分(以下、「成分C」とす
る)とを含むものである。
【0084】[助触媒成分B]本発明において助触媒成
分として用いられる成分Bは、アルミニウムオキシ化合
物、本発明のα−オレフィン重合用触媒成分を構成する
前記一般式(1)で表される遷移金属錯体と反応して該
遷移金属錯体をカチオンに変換することが可能なイオン
性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイオン交換性層状化
合物、及び無機珪酸塩からなる群より選ばれる一種以上
の物質からなる。なお、ルイス酸のある種のものは、前
記遷移金属錯体と反応して該遷移金属錯体をカチオンに
変換することが可能なイオン性化合物として把握するこ
ともできるため、本発明においては、このような上記ル
イス酸及びイオン性化合物の両者に属する化合物は、い
ずれか一方に属するものとして取り扱う場合がある。
【0085】アルミニウムオキシ化合物 上記アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には次
の一般式(4)、(5)又は(6)で表される化合物が
挙げられる。
【0086】
【化44】
【0087】
【化45】
【0088】
【化46】
【0089】上記各一般式中、R10は、水素原子、又
は炭化水素基、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素
基、特に好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基を示す。
また、複数のR10はそれぞれ同一でも異なっていても
よい。また、pは0〜40、好ましくは2〜30の整数
を示す。R11は炭素数1〜10の炭化水素基、好まし
くは炭素数1〜6の炭化水素基である。
【0090】一般式(4)及び(5)で表される化合物
は、それぞれアルミノキサンとも呼ばれる化合物であっ
て、一種類のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上
のトリアルキルアルミニウムと水との反応により得られ
る線状又は環状の有機アルミニウムの重合体である。具
体的には、(a)一種類のトリアルキルアルミニウムと
水から得られる、メチルアルミノキサン、エチルアルミ
ノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキ
サン、イソブチルアルミノキサン等、(b)二種類のト
リアルキルアルミニウムと水から得られる、メチルエチ
ルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサン、メチ
ルイソブチルアルミノキサン等が例示される。これらの
中では、メチルアルミノキサン及びメチルイソブチルア
ルミノキサンが好ましい。上記アルミノキサンは、複数
種併用することも可能である。そして、上記アルミノキ
サンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
【0091】一般式(6)で表される化合物は、一種類
のトリアルキルアルミニウム又は二種類以上のトリアル
キルアルミニウムと次の一般式(7)で表されるアルキ
ルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応によ
り得ることができる。一般式(7)中、R12は炭素数
1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基又はハ
ロゲン化炭化水素基を示す。
【0092】
【化47】R12−B−(OH) ・・・ (7)
【0093】具体的には、以下のような反応生成物が例
示できる。 ・トリメチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1の
反応物 ・トリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:
1の反応物 ・トリメチルアルミニウムと取りイソブチルアルミニウ
ムとメチルボロン酸の1:1:1の反応物 ・トリメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:1の
反応物 ・トリエチルアルミニウムとブチルボロン酸の2:1の
反応物
【0094】イオン性化合物 前記一般式(1)で表される遷移金属錯体と反応して該
遷移金属錯体をカチオンに変換することが可能なイオン
性化合物としては、一般式(8)で表される化合物が挙
げられる。
【0095】
【化48】[K]e+[Z]e− ・・・ (8)
【0096】一般式(8)中、Kはカチオン成分であっ
て、例えばカルベニウムカチオン、トロピリウムカチオ
ン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、ス
ルホニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン等が挙げ
られる。また、それ自身が還元されやすい金属の陽イオ
ンや有機金属の陽イオン等も挙げられる。
【0097】上記カチオンの具体例としては、トリフェ
ニルカルベニウム、ジフェニルカルベニウム、シクロヘ
プタトリエニウム、インデニウム、トリエチルアンモニ
ウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニ
ウム、N,N−ジメチルアニリニウム、ジプロピルアン
モニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニ
ルホスホニウム、トリメチルホスホニウム、トリス(ジ
メチルフェニル)ホスホニウム、トリス(メチルフェニ
ル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、トリフ
ェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピリリ
ウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パ
ラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオン等
が挙げられる。
【0098】上記一般式(8)のうち、Zはアニオン成
分であり、一般式(1)で表される遷移金属錯体が変換
されたカチオン種に対して対アニオンとなる成分(一般
には非配位の成分)である。Zとしては、例えば、有機
ホウ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオ
ン、有機ガリウム化合物アニオン、有機リン化合物アニ
オン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アンチモン化合物
アニオン等が挙げられ、具体的には次の化合物が挙げら
れる。
【0099】(a)テトラフェニルボレート、テトラキ
ス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テ
トラキス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル}ボレート、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)
フェニル}ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート等 (b)テトラフェニルアルミニウム、テトラキス(3,
4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム、テトラ
キス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}
アルミニウム、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)
フェニル}アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)アルミニウム等 (c)テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,
5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス
{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}ガリ
ウム、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)フェニ
ル}ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ガリウム等 (d)テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)リン等 (e)テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ヒ素等 (f)テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)アンチモン等 (g)デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカ
ボレート、デカクロロデカボレート等
【0100】ルイス酸 本発明で用いられるルイス酸、特に一般式(1)で表さ
れる遷移金属錯体をカチオンに変換可能なルイス酸とし
ては、種々の有機ホウ素化合物、金属ハロゲン化合物、
固体酸などが例示され、その具体例としては次の化合物
が挙げられる。
【0101】(a)トリフェニルホウ素、トリス(3,
5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、等の有機ホウ素化合物 (b)塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化ア
ルミニウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨ
ウ化マグネシウム、塩化臭化マグネシウム、塩化ヨウ化
マグネシウム、臭化ヨウ化マグネシウム、塩化マグネシ
ウムハイドライド、塩化マグネシウムハイドロオキシ
ド、臭化マグネシウムハイドロオキシド、塩化マグネシ
ウムアルコキシド、臭化マグネシウムアルコキシド等の
金属ハロゲン化合物 (c)アルミナ、シリカ−アルミナ等の固体酸
【0102】イオン交換性層状化合物 珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、イオン結合等
によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み
重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオン
が交換可能なものをいう。なお、このような化合物は、
後述する担体として機能する場合もある。
【0103】珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、
六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl型、
CdI型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化
合物等を例示することができる。このような結晶構造を
有するイオン交換性層状化合物の具体例としては、α−
Zr(HAsO・HO、α−Zr(HPO
、α−Zr(KPO・3HO、α−Ti(H
PO、α−Ti(HAsO・HO、α−
Sn(HPO・HO、γ−Zr(HP
、γ−Ti(HPO、γ−Ti(NH
PO・HO等の多価金属の結晶性酸性塩が挙げ
られる。
【0104】無機珪酸塩 無機珪酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪
藻土等が挙げられる。これらは合成品を用いてもよい
し、天然に産出する鉱物を用いてもよい。
【0105】粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフ
ェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カ
オリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロ
イサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタ
イル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モ
ンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ノント
ロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイ
ト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イラ
イト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャ
イト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイ
ト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフ
ィライト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混
合層を形成していてもよい。
【0106】人工合成物としては、合成雲母、合成ヘク
トライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げ
られる。これらのうち好ましくは、ディッカイト、ナク
ライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン
族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト
族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の
蛇紋石族、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等の
スメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト
鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、合
成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニ
オライト等が挙げられ、特に好ましくはモンモリロナイ
ト、ソーコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュ
ライト等のバーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘク
トライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げら
れる。これらは、特に処理を行うことなくそのまま使用
してもよいし、ボールミル、篩い分け等の処理を行った
後に使用してもよい。また、単独で使用しても、2種以
上を混合して使用してもよい。
【0107】なお、前記粘土及び粘土鉱物は、吸着水及
び層間水を除去してから使用することが好ましい。粘土
及び粘土鉱物は、通常、吸着水及び層間水を含んでい
る。ここで吸着水とは、イオン交換性層状化合物又は無
機珪酸塩の表面あるいは結晶破面に吸着された水であ
り、層間水とは、結晶の層間に存在する水である。
【0108】かかる吸着水及び層間水の脱水方法は、特
に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、
減圧下の加熱脱水及び有機溶媒との共沸脱水などの方法
が使用される。加熱温度は、吸着水及び層間水が残存し
ないような温度範囲とされ、通常100℃以上、好まし
くは150℃以上とされるが、構造破壊を生じるような
高温条件は好ましくない。加熱時間は0.5時間以上、
好ましくは1時間以上である。その際、脱水乾燥した後
の成分Bの重量減少は、温度200℃、圧力1mmHg
の条件下で2時間吸引した場合の値として3重量%以下
であることが好ましい。本発明においては、成分Bの重
量減少を3重量%以下に調整して使用する場合、前記遷
移金属錯体(成分A)及び任意成分(成分C)と接触す
る際にも、同様の重量減少が示されるような状態で取り
扱うことが好ましい。
【0109】なお、上記イオン交換性層状化合物及び無
機珪酸塩は、それぞれ触媒の担体として用いてもよい。
【0110】本発明では、前記助触媒成分として、珪酸
塩を除くイオン交換性層状化合物及び無機珪酸塩からな
る郡より選ばれる1種以上の物質を用いるのが特に好ま
しい。上記イオン交換性層状化合物及び無機珪酸塩は、
塩類処理及び/又は酸処理により、固体の酸性質を変え
ることができる。また、塩類処理においては、イオン複
合体、分子複合体、有機誘導体などを形成することによ
り、表面積や層間距離を変えることができる。すなわ
ち、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の
大きな嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大
した状態の層状物質を得ることができる。
【0111】上述した前処理を行っていない化合物にお
いては、含有される交換可能な金属陽イオンを次に示す
塩類及び/又は酸より解離した陽イオンとイオン交換す
ることが好ましい。
【0112】上記イオン交換に使用する塩類は、1〜1
4族原子からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子
を含む陽イオンを含有する化合物であり、好ましくは1
〜14族原子からなる群より選ばれた少なくとも一種の
原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸及び有機
酸からなる群より選ばれた少なくとも一種の原子又は原
子団より誘導される陰イオンとかなる化合物である。さ
らに好ましくは、2〜14族原子からなる群より選ばれ
た少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、B
r、I、F、PO、SO、NO、CO、C
、ClO、OOCCH、CHCOCHCOCH
、OCl、O(NO、O(ClO、O
(SO)、OH、OCl、OCl、OOCH、
及びOOCCHCHからなる群より選ばれた少なく
とも一種の陰イオンとからなる化合物である。また、こ
れら塩類は2種以上を同時に使用してもよい。
【0113】上記イオン交換に使用する酸は、好ましく
は塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択され、こ
れらは2種以上を同時に使用してもよい。塩類処理と酸
処理とを組み合わせる方法としては、塩類処理を行った
後に酸処理を行う方法、酸処理を行った後に塩類処理を
行う方法、塩類処理と酸処理を同時に行う方法、塩類処
理を行った後に塩類処理と酸処理を同時に行う方法など
がある。なお、酸処理は、イオン交換や表面の不純物を
取り除く効果の他、結晶構造のAl、Fe、Mg、L
i、等の陽イオンの一部を溶出させる効果がある。
【0114】塩類及び酸による処理条件は特に制限され
ない。しかしながら、通常、塩類及び酸濃度は0.1〜
30重量%、処理温度は室温から使用溶媒の沸点までの
範囲の温度、処理時間は5分から24時間の条件を選択
し、被処理化合物の少なくとも一部を溶出する条件で行
うことが好ましい。また、塩類及び酸は一般的には水溶
液で使用される。上記の塩類処理及び/又は酸処理を行
う場合、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒などで形
状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理や有機物処
理などの他の化学処理を併用してもよい。
【0115】このようにして得られる成分Bとしては、
水銀圧入法で測定した半径20Å(オングストローム)
以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特には0.3〜
5cc/gであることが好ましい。
【0116】前記助触媒成分Bにおいて、アルミニウム
オキシ化合物、一般式(1)で表される前記遷移金属錯
体と反応して該遷移金属錯体をカチオンに変換すること
が可能なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除くイオ
ン交換性層状化合物及び無機珪酸塩からなる群より選ば
れる一種以上の物質は、それぞれ単独で使用される他、
これらの成分を適宜組み合わせて使用することができ
る。
【0117】[任意成分C]本発明の重合用触媒におい
て、成分Cは必要に応じて添加される任意成分であり、
該重合用触媒に用いても用いなくてもよい。かかる成分
Cは、有機アルミニウム化合物からなり、好ましくは一
般式(9)で表される有機アルミニウム化合物が好適に
使用される。
【0118】
【化49】AlR3−a ・・・ (9)
【0119】一般式(9)中、Rは炭素数1〜20の炭
化水素基、Pは水素、ハロゲン、アルコキシ基、又はシ
ロキシ基を示し、aは0より大きく3以下の数を示す。
一般式(9)で表される有機アルミニウム化合物の具体
例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチル
アルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモ
ノメトキシド、ジメチルアルミニウムモノフェノキシド
等のハロゲン又はアルコキシ含有アルキルアルミニウ
ム、アリールオキシ含有アルキルアルミニウム等が挙げ
られる。これらのなかでは、トリアルキルアルミニウム
が好ましい。また、メチルアルミノキサン等のアルミノ
キサン類なども、成分Cとして使用できる。なお、成分
Bがアルミノキサンの場合は、成分Cの例示としてアル
ミノキサンは除く。
【0120】[重合用触媒の調製]本発明のオレフィン
重合用触媒は、前記一般式(1)で表される遷移金属錯
体(成分A)と、上記助触媒成分(成分B)及び任意成
分(成分C)とを接触させることにより調製される。接
触方法は、特に限定されないが、次のような方法を例示
することができる。なお、この接触は、触媒調製時だけ
でなく、オレフィンによる予備重合時又はオレフィンの
重合(本重合)時に行ってもよい。 (1)成分Aと成分Bとを接触させる。 (2)成分Aと成分Bとを接触させた後に成分Cを添加
する。 (3)成分Aと成分Cとを接触させた後に成分Bを添加
する。 (4)成分Bと成分Cとを接触させた後に成分Aを添加
する。 (5)成分Aと成分Bと成分Cとを同時に接触させる。
【0121】上述した各成分の接触の際もしくは接触の
後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリ
カ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させるか、又
は、接触させてもよい。
【0122】また、上記各成分の接触は、窒素などの不
活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエ
ン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよ
い。接触は、−20℃から溶媒の沸点の間までの温度で
行い、特に室温から溶媒の沸点の間までの温度で行うの
が好ましい。
【0123】成分A及び成分Bの使用量は任意である。
例えば溶媒重合の場合、成分Aの使用量は、遷移金属原
子として通常10−〜10mmol/L、好ましく
は10−4〜1mmol/Lの範囲とされる。成分Bが
アルミニウムオキシ化合物の場合、Al/遷移金属原子
のモル比は、通常10〜10、好ましくは100〜2
×10、さらに好ましくは100〜10の範囲とさ
れる。成分Bとしてイオン性化合物又はルイス酸を使用
した場合、遷移金属原子に対するこれらのモル比は、通
常0.1〜1000、好ましくは0.5〜100、さら
に好ましくは1〜50の範囲とされる。
【0124】また、成分Bとして珪酸塩を除くイオン交
換性層状化合物、無機珪酸塩を使用した場合、該成分B
1g当たり、前記成分Aは、通常10−4〜10mmo
l/L、好ましくは10−〜5mmol/Lであり、
任意成分Cは通常0.01〜10mmol/L、好ま
しくは0.1〜100mmol/Lである。また、前記
成分A中の遷移金属原子と任意成分C中のアルミニウム
の原子比は、通常1:0.01〜10、好ましくは
1:0.1〜10である。このようにして調製された
触媒は、調製後に洗浄せずに使用してもよく、また、洗
浄した後に使用してもよい。
【0125】なお、本発明における前記任意成分Cは、
このようにして調製される本発明の重合用触媒に、さら
に必要に応じて新たに組み合わせる成分として使用して
もよい。すなわち、前記遷移金属錯体成分A及び/又は
助触媒成分Bと任意成分Cとを使用して重合用触媒を調
製したのち、得られた重合用触媒とは別にさらに任意成
分Cを重合反応系に添加してもよい。この際、使用され
る任意成分Cの量は、前記成分A中の遷移金属原子に対
する任意成分C中のアルミニウムの原子比で1:0〜1
となるように選ばれる。
【0126】また、さらに前記重合用触媒に、別の任意
成分Dとして微粒子担体を加え、上記成分A〜Cと共存
させてもよい。前記微粒子担体は、無機又は有機の化合
物からなり、通常5μm〜5mm、好ましくは10μm
〜2mmの粒径を有する微粒子状の担体である。なお、
前記助触媒成分Bには、上述したように担体としての機
能を有するものもあるので、該助触媒成分Bとして担体
の機能を有するものを選択した場合は、この成分Dは、
必ずしも使用する必要はない。
【0127】上記微粒子担体として用いられる無機化合
物としては、例えば、SiO、Al、MgO、
ZrO、TiO、B、ZnO等の酸化物、Si
−MgO、SiO−Al、SiO−Ti
、SiO−Cr、SiO−Al
MgO等の複合酸化物などが挙げられる。
【0128】上記微粒子担体として用いられる有機化合
物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜14のα
−オレフィンの(共)重合体、スチレン、ジビニルベン
ゼン等の芳香族不飽和炭化水素の(共)重合体などから
なる多孔質ポリマーが挙げられる。これらの比表面積
は、通常20〜1000m/g、好ましくは50〜7
00m/gであり、細孔容積は通常0.1cm/g
以上、好ましくは0.3cm/g以上、さらに好まし
くは0.8cm/g以上である。
【0129】さらに、本発明のオレフィン重合用触媒に
は、上記微粒子担体以外のさらなる任意成分として、例
えば、HO、メタノール、エタノール、ブタノール等
の活性水素含有化合物、エーテル、エステル、アミン等
の電子供与性化合物、ホウ酸フェニル、ジメチルメトキ
シアルミニウム、亜リン酸フェニル、テトラエトキシシ
ラン、ジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシ含有
化合物等を含むことができる。
【0130】本発明のオレフィン重合用触媒の各成分の
好ましい組み合わせとしては、成分Aとして上記構造式
で示した化合物のうちの化合物15又は化合物18を用
い、成分Bとしてメチルアルミノキサン、N,N−ジメ
チルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラート、又はモンモリロナイトを用い、任意成分
Cとしてトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、又はトリイソブチルアルミニウムを用いた場合で
ある。また、任意成分Cを使用する場合に該成分Cとし
て低級アルキルアルミニウム、ハロゲン含有アルキルア
ルミニウム、アルキルアルミニウムヒドリド、アルコキ
シ含有アルキルアルミニウム又はアリールオキシ含有ア
ルキルアルミニウムの1種又は2種以上を用いる場合
は、成分Bのうちアルミニウムオキシ化合物、イオン性
化合物又はルイス酸と併用するのが好ましい。
【0131】前記遷移金属錯体成分A、助触媒成分B及
び任意成分Cを予め接触させる際、重合させるモノマー
を存在させてα−オレフィンの一部を重合させる、いわ
ゆる予備重合を行うこともできる。すなわち、本格的な
重合(本重合)の前にエチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカ
ン、スチレン等のオレフィンを添加して予備重合を行
い、必要に応じて洗浄して予備重合生成物を得た後、か
かる予備重合生成物を触媒として使用し本重合を行うこ
ともできる。この予備重合は、不活性溶媒中で穏和な条
件で行うことが好ましく、固体触媒1g当たり、通常
0.01〜1000g、好ましくは0.1〜100gの
重合体が生成するように行うのが好ましい。
【0132】3.α−オレフィンの重合 本発明のα−オレフィンの重合方法においては、上述し
た本発明のα−オレフィン重合用触媒の存在下にα−オ
レフィンを重合する。
【0133】前記重合用触媒は、溶媒を用いる溶媒重合
に適用されるのは勿論であるが、実質的に溶媒を用いな
い液相無溶媒重合、気相重合にも適用される。また、連
続重合及び回分式重合のいずれにも適用される。
【0134】溶媒重合の場合の溶媒としては、ヘキサ
ン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独ある
いは混合物が用いられる。
【0135】重合温度は−78〜200℃程度、好まし
くは−20〜100℃、さらに好ましくは20〜100
℃である。反応系のオレフィン圧には特に制限はない
が、好ましくは常圧〜50kG/cm・Gの範囲であ
る。また、重合に際しては公知の手段、例えば温度、圧
力の選定あるいは水素の導入、により分子量調節を行う
ことができる。
【0136】本発明の重合用触媒により重合しうるα−
オレフィン、すなわち本発明の方法において重合反応に
用いられるα−オレフィンは、炭素数3〜20、好まし
くは3〜10のα−オレフィンである。具体的には、例
えばプロペン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、1−エイコセン等がある。好ましくはプロペ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、
特に好ましくはプロペン、1−ヘキセンである。これら
のオレフィン類は、2種以上混合して重合もしくは共重
合に供することができる。
【0137】また、本発明の重合用触媒は、上記α−オ
レフィンと共重合可能な他の単量体、例えばブタジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オク
タジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン等
のような共役及び非共役ジエン類や、エチレンとの共重
合にも有効である。
【0138】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの
実施例によって制約を受けるものではない。なお、本実
施例で用いた溶媒は全て窒素下で脱水処理されており、
助触媒として用いたメチルアルモキサン(MAO)は東
ソー・アクゾ社製MMAO−3A(ロットMM5X0
1、トルエン溶液、Al含量5.9重量%)である。ま
た、本実施例における各種物性等の測定方法は以下の通
りである。
【0139】(1)ポリプロピレンの融点測定:DSC
(デュポン社製「TA2000型」)を使用し、10℃
/分で20〜200℃までの昇降温を1回行った後の2
回目の昇温時の測定により求めた。
【0140】(2)ポリプロピレンの一次構造決定:核
磁気共鳴装置(日本電子製「EX−270」)を使用
し、試料300mgをオルトジクロロベンゼン2.5m
lと重ベンゼン0.5mlに溶解し、130℃で照射時
間0.744秒、パルスディレイ2.256秒で積算を
20000回行うことにより測定した。
【0141】アイソタクチックポリプロピレンの構造欠
陥である2,1−インバージョン及び1,3−インサー
ションの量は、次の式で計算した。
【0142】
【数1】2,1−インバージョンの割合(%)=(Y/
X)×1000×1/5 1,3−インサーションの割合(%)=(Z/X)×1
000×1/5 X=27〜48ppmの積分値の和 Y=(A+A+A+A+A+A)/6 Z=(A+A+A)/6
【0143】上記A、A、A、A、A、A
、A、A、Aは、それぞれ42.3ppm(以
下、同じ)、35.9、38.6、30.6、36.
0、31.5、31.0、37.2、27.4の面積で
あり、次の部分構造I、II中で示した炭素の存在量比
を示す。
【0144】
【化50】
【0145】(3)ベンズ[a]アズレンは、文献(H
elvetica ChimicaActa,78巻,
765項)に従って合成した。 (4)rac−ジメチルシリレンビス{1,1’−(2
−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジ
ルコニウムジクロリドは、文献(特開平10−2267
12)に従って合成した。
【0146】
【実施例1】2,2−プロピリデン(3−t−ブチルシ
クロペンタジエニル){(10−(5−フェニル−5−
ヒドロベンズ[a]アズレニル)}ジルコニウムジクロ
リド(化合物18)の合成: (1)2−t−ブチル−6,6−ジメチルフルベンの合
成 窒素雰囲気下、t−ブチルシクロペンタジエン(二重結
合の位置異性体の混合物)7.33g(60.0mmo
l)の乾燥メタノール(60ml)溶液に、室温下、ア
セトン4.4mlを加え、さらにピロリジン7.51m
l(90mmol)を8分かけて滴下した。室温で27
時間撹拌後、酢酸10.8mlを加えた。この反応混合
物に水300mlとエーテル300mlを加えて有機相
と水相とに分けた。水相をエーテルで抽出し、抽出溶媒
と有機相を合わせて水及び飽和食塩水で洗った。 硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、残渣を蒸
留して橙色の液体を得た。このものの沸点は116℃
(38mmHg)、収量は3.24g、収率は33%で
あった。このもののH−NMR測定結果を以下に示
す。 H−NMR(CdCl):δ1.21(s,9
H)、2.16(s,3H)、2.17(s,3H)、
6.15(m,1H)、6.54(m,2H)。
【0147】(2)2,2−プロピリデン(3−t−ブ
チルシクロペンタジエニル){(10−(5−フェニル
−5−ヒドロベンズ[a]アズレニル)}ジルコニウム
ジクロリド(化合物18)の合成 窒素雰囲気下、0.63g(3.53mmol)のベン
ズ[a]アズレンの乾燥テトラヒドロフラン(10m
l)溶液に、−23℃でフェニルリチウムのシクロヘキ
サン−エーテル溶液(0.94mol/l)3.8ml
を5分かけて滴下した。滴下終了後30分この温度で撹
拌し、その後反応溶液を−78℃にて2−t−ブチル−
6,6−ジメチルフルベン0.57g(3.51mmo
l)の乾燥テトラヒドロフラン(5ml)溶液を10分
かけて滴下した。滴下終了後、温度を徐々に室温まで上
げながら、15時間撹拌し、その後飽和塩化アンモニウ
ム水溶液40mlを加えて反応を停止した。
【0148】有機相を分液後、水相をエーテルで抽出
し、抽出溶媒と有機相を合わせて水及び飽和食塩水で洗
った。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下室温で
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(n−ヘキサン)で精製してアモルファス状の(2−t
−ブチル−4−メチルシクロペンタジエン−1−イル)
ジメチル(5−フェニル−5,10−ジヒドロベンズ
[a]アズレン−10−イル)シラン及びその二重結合
の位置異性体の混合物0.37gを得た。
【0149】これを乾燥エーテル(10ml)に溶かし
て−78℃に冷却し、これにn−ブチルリチウムのn−
ヘキサン溶液(1.54mol/l)1.45mlを5
分かけて滴下した。反応液を徐々に室温まで昇温しなが
ら15時間撹拌した後、溶媒を減圧下室温で留去した。
残渣を乾燥トルエン(14.5ml)及び乾燥エーテル
(0.5ml)の混合溶媒に懸濁し、−78℃で四塩化
ジルコニウム0.25g(1.1mmol)を1分かけ
て加えた。
【0150】反応混合物を室温まで徐々に昇温しながら
9時間撹拌した後、溶媒を減圧下室温で留去した。残渣
を乾燥塩化メチレンに懸濁して窒素雰囲気下濾過し、濾
液を減圧下室温で5mlに濃縮した。これに乾燥n−ヘ
キサン30mlを加え、析出した沈殿を窒素下濾別し、
さらに沈殿を乾燥n−ヘキサンで洗った。濾液と洗液の
溶媒を減圧下室温で留去し、残渣を最小量の乾燥塩化メ
チレンに溶かしてこれに乾燥n−ヘキサンを加えて沈殿
を析出させた。窒素雰囲気下沈殿を濾別し、これを乾燥
n−ヘキサンで洗った。得られた濾液と洗液を合わせて
溶媒を減圧下室温で留去し、黄色の固体を得た。質量分
析測定により、目的物(2,2−プロピリデン(3−t
−ブチルシクロペンタジエニル){(10−(5−フェ
ニル−5−ヒドロベンズ[a]アズレニル)}ジルコニ
ウムジクロリド;化合物18)のピーク(m/e 57
6)を検出した。
【0151】
【実施例2】ジメチルシリレン(4−t−ブチル−2−
メチルシクロペンタジエニル){(10−(5−フェニ
ル−5−ヒドロベンズ[a]アズレニル)}ジルコニウ
ムジクロリド(化合物15)の合成: (1)2,6,6−トリメチルフルベンの合成 窒素雰囲気下、室温でメチルシクロペンタジエン(二重
結合の位置異性体の混合物)55.5g(0.693m
ol)の乾燥メタノール(700ml)溶液にアセトン
51mlを加え、さらにピロリジン87ml(1.0m
ol)を30分かけて滴下した。16時間撹拌後、反応
溶液をエーテル1000mlと水1000mlの混合物
に注いだ。有機相を分液後、水相をエーテルで抽出し、
抽出液と有機相を水洗し、さらに飽和食塩水で洗い、硫
酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残っ
た液体を減圧蒸留して橙色の液体を得た。このものの沸
点は91℃(38mmHg)、収量は45.3g、収率
は54%であった。このもののH−NMR測定結果を
以下に示す。 H−NMR(CdCl):δ2.08(s,3
H)、2.15(s,3H)、2.16(s,3H)、
6.19(brs,1H)、6.33(brd,1H,
J=4.9Hz)、6.50(dd,1H,J=21H
z,J=4.9Hz)。
【0152】(2)(2−t−ブチル−4−メチル−
1,3−シクロペンタジエン−5−イル)クロロジメチ
ルシラン及びその異性体混合物の合成 操作は全て窒素雰囲気下で行った。2,6,6−トリメ
チルフルベン10.0g(83.2mmol)の乾燥エ
ーテル(80ml)溶液に、室温でメチルリチウムのエ
ーテル溶液(1.14mol/l)73mlを60分か
けて滴下した。4時間撹拌後、この溶液をジクロロジメ
チルシラン400mlと乾燥エーテル200mlの混合
溶液に、0℃で60分かけて滴下した。室温まで徐々に
昇温しながら12時間撹拌後、溶媒とジクロロジメチル
シランを減圧下留去した。残渣を簡そうジクロロメタン
に懸濁させ、濾過して得られた濾液から減圧下溶媒を留
去し、残渣を減圧蒸留して無色透明の液体を得た。この
ものの沸点は74℃(0.42mmHg)、収量は8.
25g、収率は43%であった。
【0153】(3)ジメチルシリレン(4−t−ブチル
−2−メチルシクロペンタジエニル){(10−(5−
フェニル−5−ヒドロベンズ[a]アズレニル)}ジル
コニウムジクロリド(化合物15)の合成 窒素雰囲気下、ベンズ[a]アズレン1.41g(7.
91mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(40ml)
溶液に、−23℃でフェニルリチウムのシクロヘキサン
−エーテル溶液(0.94mol/l)8.4mlを3
0分かけて滴下した。30分撹拌後、反応混合物を−7
8℃に冷却し、2−メチルイミダゾール15μlを加
え、さらに(2−t−ブチル−4−メチル−1,3−シ
クロペンタジエン−5−イル)クロロジメチルシラン
(及びその異性体混合物)2.12g(9.26mmo
l)の乾燥テトラヒドロフラン(10ml)溶液を20
分かけて滴下した。2時間かけて室温まで昇温しながら
撹拌後、1N塩酸を加えて反応を停止した。分液後、水
相をエーテルで抽出し、抽出溶媒と有機相を合わせて飽
和食塩水で洗った。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を
減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(n−ヘキサン:ジクロロメタン=19:1)で精
製し、緑色の油状物質1.45gを得た。
【0154】窒素雰囲気下、この油状物質1.45gの
乾燥エーテル(20ml)溶液を−78℃に冷却後、n
−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.54mol
/l)4.2mlを3分かけて滴下した。滴下終了後、
室温まで徐々に昇温しながら15時間撹拌し、その後減
圧下溶媒を留去し、残渣を乾燥トルエン14.5mlと
乾燥エーテル0.5mlの混合溶媒に懸濁させた。懸濁
液を−78℃に冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.
76g(3.3mmol)を加えた。その後、150分
かけて室温まで徐々に昇温し、溶媒を減圧下留去して得
られた残渣を乾燥ジクロロメタンに懸濁させた。窒素雰
囲気下で濾過し、濾液の溶媒を減圧下留去し、残渣を少
量のジクロロメタンに溶かした。これに乾燥n−ヘキサ
ンを加えて析出した沈殿を乾燥n−ヘキサンで洗い、真
空乾燥して黄色の固体を得た。質量分析測定により、目
的物(ジメチルシリレン(4−t−ブチル−2−メチル
シクロペンタジエニル){(10−(5−フェニル−5
−ヒドロベンズ[a]アズレニル)}ジルコニウムジク
ロリド;化合物15)のピーク(m/e 606)を検
出した。
【0155】
【実施例3】窒素下、室温で内容積1リットルのオート
クレーブにMMAO(15mmol)のトルエン溶液
(7.9ml)、化合物18(5.2μmol)のトル
エン溶液(3.0ml)、をこの順に加えた後、液体プ
ロピレン700mlを加え、70℃に昇温して1時間重
合を行った。得られたポリマーを熱風下で乾燥した。ポ
リマーの収量は9.8gであった。結果を表1に示す。 重合活性:1700g(PP)/mmol(Zr) Tm:153.8℃ [mm]:98% 2,1−インバージョン:0.2% 1,3−インサーション:0.1%
【0156】
【比較例1】窒素下、室温で内容積1リットルのオート
クレーブにMMAO(3.0mmol)のトルエン溶液
(1.6ml)、rac−ジメチルシリレンビス{1,
1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレ
ニル)}ジルコニウムジクロリド(0.30μmol)
のトルエン溶液(0.40ml)、をこの順に加えた
後、液体プロピレン700mlを加え、70℃に昇温し
て1時間重合を行った。
【0157】得られたポリマーを熱風下で乾燥した。ポ
リマーの収量は32.7gであった。結果を表1に示
す。 重合活性:110000g(PP)/mmol(Zr) Tm:150.9℃ [mm]:98% 2,1−インバージョン:0.9% 1,3−インサーション:0.1%
【0158】
【実施例4】窒素下、室温で内容積1リットルのオート
クレーブにトリイソブチルアルミニウム(1.5mmo
l)のトルエン溶液(3.0ml)、ジメチルアニリニ
ウムテトラキスペンタフェニルフルオロボラート(10
μmol)のトルエン溶液(10ml)、化合物18
(5.2μmol)のトルエン溶液(3.0ml)、を
この順に加えた後、液体プロピレン700mlを加え、
70℃に昇温して1時間重合を行った。
【0159】得られたポリマーを熱風下で乾燥した。ポ
リマーの収量は8.1gであった。結果を表1に示す。 重合活性:1600g(PP)/mmol(Zr) Tm:154.1℃ [mm]:98% 2,1−インバージョン:0.3% 1,3−インサーション:0.1%
【0160】
【実施例5】重合温度を50℃にする以外は全て実施例
4と同一条件でプロピレンの重合を行った。ポリマーの
収量は10.5gであった。結果を表1に示す。 重合活性:2000g(PP)/mmol(Zr) Tm:156.1℃ [mm]:99% 2,1−インバージョン:0.3% 1,3−インサーション:検出されず
【0161】
【実施例6】重合温度を80℃にする以外は全て実施例
4と同一条件でプロピレンの重合を行った。ポリマーの
収量は7.9gであった。結果を表1に示す。 重合活性:1500g(PP)/mmol(Zr) Tm:148.2℃ [mm]:99% 2,1−インバージョン:0.3% 1,3−インサーション:0.1%
【0162】
【実施例7】窒素下、室温で内容積1リットルのオート
クレーブにトリイソブチルアルミニウム(1.5mmo
l)のトルエン溶液(3.0ml)、ジメチルアニリニ
ウムテトラキスペンタフェニルフルオロボラート(10
μmol)のトルエン溶液(10ml)、化合物15
(4.9μmol)のトルエン溶液(6.0ml)、を
この順に加えた後、液体プロピレン700mlを加え、
70℃に昇温して1時間重合を行った。
【0163】得られたポリマーを熱風下で乾燥した。ポ
リマーの収量は1.5gであった。結果を表1に示す。 重合活性:280g(PP)/mmol(Zr) Tm:159.3℃ [mm]:>99% 2,1−インバージョン:検出されず 1,3−インサーション:検出されず
【0164】
【表1】
【0165】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に実用な重合温
度において、立体規則性が高く、且つ異種結合が少ない
α−オレフィン重合体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の触媒の製造工程を示すフロ
ーチャート図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC08A AC09A AC10A AC26A AC27A AC28A BA00A BA00B BA01A BA01B BA02A BA02B BA03A BB00A BB00B BB01A BB01B BB02A BB02B BC12A BC12B BC13A BC13B BC14A BC14B BC15A BC15B BC16A BC16B BC24A BC24B BC25A BC25B CA14A CA14B CA14C CA15A CA15B CA15C CA16A CA16B CA16C CA18A CA18B CA18C CA19A CA19B CA19C CA25A CA25B CA25C CA27A CA27B CA27C CA28A CA28B CA28C CA29A CA29B CA29C CA30A CA30B CA30C CB09A CB09B CB09C CB23C CB27C CB36A CB36B CB36C CB62C CB87A CB87B CB87C CB92C CB94A CB94B CB94C CB95C CB97A CB97B CB97C CB98A CB98B CB98C DA01 DA02 DA03 DA04 DA05 DA06 EA01 EB04 EB05 EB07 EB09 EB10 EB13 EB16 EC01 EC02 FA01 FA02 FA04 FA07 GA19 GB01 4J100 AA02Q AA03P AA04P AA15P AA16P AA17P AA18P AA21P AS01Q AS02Q CA01 CA04 FA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される、少なくと
    も2つの共役五員環配位子を含む遷移金属錯体からなる
    α−オレフィン重合用触媒成分。 【化1】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲ
    ン、酸素、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びホウ素から
    なる群から選ばれる原子を含有していてもよい炭化水素
    基を表し、隣接する2つのRが相互に結合して環を形
    成してもよい。また、4個のRは相互に同じでも異な
    っていてもよい。Qは、2つの共役五員環配位子を任意
    の位置で架橋する結合性基を表す。Mは、周期律表第3
    〜6族から選ばれる遷移金属原子を表す。Xは、Mと結
    合した水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン、酸素、
    窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びホウ素からなる群から
    選ばれる原子を含有していてもよい炭化水素基を表す。
    nは遷移金属原子Mの価数を表し、n−2個のXは同一
    でも異なっていてもよい。R及びRはそれぞれ独立
    に、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びホウ素
    からなる群から選ばれる原子を含有していてもよい炭素
    数3〜30の2価の飽和又は不飽和炭化水素基を表し、
    且つ該R及びRの少なくとも一方は、結合する共役
    五員環上の2つの原子とともに七員環以上の環を形成す
    る。さらに、前記R〜Rは、前記遷移金属錯体がい
    かなるQ及びXの場合でもC1対称性を有するように選
    ばれる。)
  2. 【請求項2】 Rと該Rが結合する共役五員環上の
    2つの原子とによって形成される環、及び、Rと該R
    が結合する共役五員環上の2つの原子とによって形成
    される環のうちの、少なくとも一方が七〜十員環である
    ことを特徴とする、請求項1記載のα−オレフィン重合
    用触媒成分。
  3. 【請求項3】 前記遷移金属錯体が、下記式(2)又は
    (3)で表される構造を有することを特徴とする、請求
    項1又は2記載のα−オレフィン重合用触媒成分。 【化2】 (式(2)中、Cは共役五員環に直接結合する炭素原
    子を示す。Rは、それが結合する共役五員環以上の2
    つの原子と共に六員環を形成するように選ばれる。R
    はハロゲン、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びホウ素か
    らなる群から選ばれる原子を含有していてもよい炭素数
    3〜30の2価の飽和又は不飽和炭化水素基を表し、該
    と炭素原子Cは、それらが結合する共役五員環上
    の2つの炭素原子と共に七員環を形成する。R及びR
    のうちの少なくとも一つは水素原子でない置換基を表
    す。) 【化3】 (式(3)中、Cは共役五員環に直接結合する炭素原
    子を示す。Rは、それが結合する共役五員環以上の2
    つの原子と共に六員環を形成するように選ばれる。R
    はハロゲン、窒素、硫黄、リン、ケイ素、及びホウ素か
    らなる群から選ばれる原子を含有していてもよい炭素数
    3〜30の2価の飽和又は不飽和炭化水素基を表し、該
    と炭素原子Cは、それらが結合する共役五員環上
    の2つの炭素原子と共に七員環を形成する。R及びR
    のうちの少なくとも一つは水素原子でない置換基を表
    す。)
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のα−オ
    レフィン重合用触媒成分と、アルミニウムオキシ化合
    物、前記α−オレフィン重合用触媒成分を構成する遷移
    金属錯体と反応して該遷移金属錯体をカチオンに変換す
    ることが可能なイオン性化合物、ルイス酸、珪酸塩を除
    くイオン交換性層状化合物、及び無機珪酸塩からなる群
    より選ばれる1種以上の物質からなる助触媒成分と、必
    要に応じて使用される任意成分である有機アルミニウム
    化合物とを含む、α−オレフィン重合用触媒。
  5. 【請求項5】 前記助触媒成分が、珪酸塩を除くイオン
    交換性層状化合物及び無機珪酸塩からなる郡より選ばれ
    る1種以上の物質からなる、請求項4記載のα−オレフ
    ィン重合用触媒。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載のα−オレフィン重
    合用触媒の存在下にα−オレフィンを重合することを特
    徴とする、α−オレフィン重合体の製造方法。
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JP2004067729A (ja) * 2002-08-01 2004-03-04 Mitsubishi Chemicals Corp プロピレン系共重合体、それを含む組成物及び接着剤

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