JP2000317832A - バルブステム用研削加工砥石のドレッシング方法およびその装置 - Google Patents

バルブステム用研削加工砥石のドレッシング方法およびその装置

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JP2000317832A
JP2000317832A JP11130534A JP13053499A JP2000317832A JP 2000317832 A JP2000317832 A JP 2000317832A JP 11130534 A JP11130534 A JP 11130534A JP 13053499 A JP13053499 A JP 13053499A JP 2000317832 A JP2000317832 A JP 2000317832A
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dresser
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勤 平加
Minoru Takanezawa
実 高根沢
Takashi Ono
隆 尾野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バルブステムの生産効率を向上させるととも
に、加工精度を向上させることが可能で、バルブステム
や調整車の表面が損傷する懸念のないバルブステム用研
削加工砥石のドレッシング方法およびその装置を提供す
る。 【解決手段】先ず、ドレッサ20が回転しながら研削加
工砥石12の一端側に切り込み、さらに、ドレッサ20
が研削加工砥石12の他端側に向かって変位してドレッ
シングが開始される。次に、バルブステム14が研削加
工砥石12と調整車18との間に供給され、軸部16が
研削加工砥石12によって研削加工される。以上のよう
な工程中に、所定の数のバルブステム14が研削加工さ
れたか否かを判断し、所定の数に達していなければ複数
のバルブステム14に順次研削加工を施す。この間、ド
レッサ20は研削加工砥石12のドレッシングを続け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のエンジ
ンに使用されるバルブステムの軸部を研削加工するため
の研削加工砥石のドレッシング方法およびその装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】エンジンに使用されるバルブステムは、
例えば、耐熱合金を用いて鍛造成形された傘部と、普通
鋼材からなる軸部とを摩擦圧接法により接合して形成さ
れる。このバルブステムはバリ等を除去した後に熱処理
が施され、軸部に粗研、中研、精研からなる3工程研
削、あるいは粗研、精研からなる2工程研削が施され
る。
【0003】このような研削加工に使用される研削加工
砥石は、研削加工を繰り返し行うと表面に目づまり、す
り減りが生じるため、ドレッサによりドレッシングを施
して目直しや形直しを施す必要がある。
【0004】この場合、従来、研削加工砥石によって所
定の数(例えば、30〜40本)のバルブステムの軸部
に対して研削加工を施した後、研削加工を一旦停止し
て、研削加工砥石をドレッシング時間xだけかけて切込
量yだけドレッシングし、再び軸部の研削加工が行われ
る。このドレッシング時間xと切込量yは条件によって
変化するが、例えば、xは30秒、yは20μmであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方法で
は、研削加工を停止してドレッシングしているため、バ
ルブステムの生産効率が低下してしまうという欠点があ
る。
【0006】そこで、研削加工砥石によって研削加工を
しながらドレッシングを行う方法が提案されるに至って
いる(例えば、特開平8−108364号公報に開示さ
れた「研削加工方法」参照)。
【0007】しかしながら、この方法では、研削加工砥
石と同一、あるいはそれ以上の幅を有するドレッサによ
ってドレッシングする場合、バルブステムの傘部と軸部
とで材料の違いにより硬度が異なるため、両者の接合部
近傍で研削加工砥石の表面に凹凸が生じ、この研削加工
砥石をドレッシングするドレッサに前記凹凸が転写され
てしまう懸念がある。そして、凹凸が生じたドレッサで
は研削加工砥石の凹凸を除去することができず、該凹凸
の生じたままの研削加工砥石を用いると、バルブステム
の加工精度が低下してしまうという不具合がある。
【0008】一方、研削加工砥石に対して幅の狭いドレ
ッサを使用し、研削加工砥石の幅方向に変位させながら
ドレッシングを行うと、ドレッシングの最中に研削加工
砥石に段差が形成され、この段差がバルブステムに転写
されてしまい、バルブステムの加工精度が低下する懸念
がある。
【0009】また、ドレッシングによって発生した硬質
の砥石粒が研削加工砥石の回転に巻き込まれてバルブス
テムの表面が損傷したり、バルブステムを研削加工砥石
に押しつけている硬質ゴムからなる調整車が損傷してし
まい、該調整車の寿命が短くなるという欠点がある。
【0010】本発明は前記の課題を解決すべくなされた
ものであって、バルブステムの生産効率を向上させると
ともに、加工精度を向上させることが可能で、バルブス
テムや調整車の表面が損傷する懸念のないバルブステム
用研削加工砥石のドレッシング方法およびその装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、バルブステムの軸部に研削加工を施す
ための研削加工砥石にドレッサを当接させてドレッシン
グする方法であって、前記ドレッサの切込量を、研削加
工された前記バルブステムの軸部が所定の加工精度とな
るように設定し、前記研削加工砥石を1回ドレッシング
する間に研削加工する前記バルブステムの軸部の数を、
1回のドレッシングに要する時間から1つの前記バルブ
ステムの軸部を研削加工するのに要する時間を割った値
より大きく、且つ、前記研削加工砥石の摩耗量が前記切
込量より小さくなるように設定し、前記ドレッサの送り
速度を、ドレッシングされた研削加工砥石の仕上げ面の
面粗度が前記バルブステムの軸部を所定の数だけ研削可
能なまでに仕上げられる速度に設定することを特徴とす
る。
【0012】本発明によれば、バルブステムの軸部に研
削加工を施しながら研削加工砥石をドレッシングするた
め、ドレッシングの際に研削加工を停止する必要がな
く、生産効率が向上する。
【0013】この場合、前記切込量を1〜7μm、前記
研削加工砥石を1回ドレッシングする間に研削加工する
バルブステムの数を5〜10本、前記ドレッサの送り速
度を0.1〜0.5mm/revに設定すると、加工精
度のよいバルブステムを得ることができ、好適である。
【0014】また、前記ドレッシングの際に生じる砥石
粒を吸引しながらドレッシングを行うと、砥石粒によっ
てバルブステムや調整車が損傷することが防止され、好
ましい。
【0015】さらに、前記ドレッシングの工程で、前記
研削加工砥石よりも幅狭に形成された前記ドレッサを前
記研削加工砥石に切り込ませた状態で軸線方向に変位さ
せてドレッシングを行うと、ドレッサに凹凸が生じるこ
とを阻止することができ、この凹凸が研削加工砥石に転
写されてしまうことがなく、好ましい。
【0016】また、本発明は、略円柱状に形成され、回
転しながらバルブステムの軸部に当接して研削加工を施
す研削加工砥石と、略円盤状に形成され、回転しながら
前記研削加工砥石に切り込むとともにその軸線方向に変
位して該研削加工砥石にドレッシングするドレッサと、
前記研削加工砥石をドレッシングする際に生じる砥石粒
を吸引する吸引機構と、を備えることを特徴とする。
【0017】本発明によれば、バルブステムの軸部を研
削加工砥石で研削加工しながらドレッサにより研削加工
砥石をドレッシングするようにしたため、研削加工を停
止する必要がない。また、ドレッシングにより生じる砥
石粒を吸引機構で吸引するため、砥石粒によりバルブス
テムや調整車の表面が損傷する懸念を払拭することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係るバルブステム用研削
加工砥石のドレッシング方法について、それを実施する
装置との関係において、好適な実施の形態を挙げ、添付
の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0019】図1において、参照符号10は、本実施の
形態に係るドレッシング装置を示す。
【0020】このドレッシング装置10は略円柱状に形
成された研削加工砥石12を備え、該研削加工砥石12
はその軸線を中心に回転する。ドレッシング装置10に
は研削加工砥石12と平行に硬質ゴム製の調整車18が
設けられ、調整車18はワークであるバルブステム14
の軸部16に回転力を付与する作用を営む。
【0021】研削加工砥石12の上部には幅狭な円盤状
に形成され、該研削加工砥石12に当接可能なドレッサ
20が設けられる。該ドレッサ20は図示しないアクチ
ュエータの作用下に、矢印に示すように、その軸線方向
に変位可能である。
【0022】ドレッサ20の近傍には研削加工砥石12
の幅方向に沿って長尺に形成された吸引用ノズル(吸引
機構)22が配設され、吸引用ノズル22は管路24を
介して図示しない真空吸引源に接続される。吸引用ノズ
ル22は研削加工砥石12およびドレッサ20に面して
開口する開口部(図示せず)を有する。
【0023】吸引用ノズル22の近傍には該吸引用ノズ
ル22と平行に研削冷却液吐出用ノズル26が配設さ
れ、該研削冷却液吐出用ノズル26は管路28を介して
図示しない研削冷却液供給源に接続される。研削冷却液
吐出用ノズル26は研削加工砥石12に面して開口する
開口部(図示せず)を有する。
【0024】吸引用ノズル22の近傍には研削加工砥石
12に接近離間可能に支持部材30a、30bが設けら
れ、これらの支持部材30a、30bは図示しないリニ
アアクチュエータによって研削加工砥石12に対して進
退自在である。支持部材30a、30bはバルブステム
14の軸部16を支持する。
【0025】ドレッシング装置10は略L字状に形成さ
れた一対の板状部材36a、36bを有し、板状部材3
6aと36bとの間にはシリンダ38が設けられる。該
シリンダ38のシリンダロッド40には板状部材36a
と36bとの間を変位可能な押圧部材42が設けられ
る。押圧部材42には断面長円形状の孔部43a、43
bが互いに平行に画成され、孔部43a、43bには板
状部材36aと36bとの間に橋架された棒部材45
a、45bが挿通し、従って、板状部材36a、36b
に対する押圧部材42の変位範囲が規制される。板状部
材36a、36b、シリンダ38および押圧部材42は
一体的に研削加工砥石12の周方向に変位可能である。
板状部材36a、36bの屈曲する端部間に形成された
離間部位にはバルブステム14の傘部48が嵌合し、押
圧部材42の一端部46が該傘部48を押圧することに
よって傘部48が板状部材36a、36bと該押圧部材
42とによって挟持される。
【0026】ドレッシング装置10はシリンダ50を有
し、シリンダ50のシリンダロッド52は研削加工砥石
12と調整車18との間に配置されたバルブステム14
をその軸線方向に変位させる作用を営む。ドレッシング
装置10には通路54が設けられ、通路54にはバルブ
ステム14が搬送される。通路54の上方には通過確認
検出板56が矢印方向に回動可能に設けられ、通過確認
検出板56の回動運動は回動検出センサ58によって検
出される(図1参照)。
【0027】本実施の形態に係るドレッシング装置10
は、基本的には以上のように構成されるものであり、次
に、前記ドレッシング装置10の使用方法について、本
実施の形態に係るバルブステム14の研削加工砥石12
のドレッシング方法との関連で、図2に示すフローチャ
ートを参照して説明する。
【0028】研削加工砥石12は、例えば、1400r
pmで、一方、調整車18は、例えば、20rpmで互
いに同一方向に回転している。また、吸引用ノズル22
に接続された真空吸引源(図示せず)が駆動され、吸引
用ノズル22から研削中に前記研削加工砥石12から発
生する砥石粒等が吸引される。さらに、研削冷却液供給
源(図示せず)の駆動作用下に研削冷却液吐出用ノズル
26から研削冷却液が吐出される。
【0029】さらにまた、バルブステム14がドレッシ
ング装置10に搬送され、軸部16が支持部材30a、
30bによって支持されるとともに、傘部48がシリン
ダ38の駆動作用下に板状部材36a、36bと押圧部
材42とによって挟持される。
【0030】以上のような準備段階を経て、ドレッサ2
0を回転させながら研削加工砥石12の一端側に所定の
切込量(この場合、3μm)で切り込み、さらに、該ド
レッサ20を研削加工砥石12の他端側に向かって所定
の送り速度(この場合、0.3mm/rev)で変位さ
せてドレッシングを開始する(ステップS1)。従っ
て、研削加工砥石12の表面が目直し、形直しされる。
このとき、研削加工砥石12からドレッシングにより砥
石粒が発生するが、この砥石粒は吸引用ノズル22によ
って吸引される(図3参照)。このため、砥石粒によっ
てバルブステム14や調整車18の表面が損傷してしま
うことが防止される。
【0031】次いで、支持部材30a、30bを研削加
工砥石12から離間する方向に変位させ、一方、板状部
材36a、36bおよび押圧部材42を研削加工砥石1
2の周方向に変位させてバルブステム14を研削加工砥
石12と調整車18との間に供給し(ステップS2)、
さらに、シリンダ38を駆動して押圧部材42を傘部4
8から離間する方向に変位させて該傘部48の挟持状態
を解除する。このため、バルブステム14が調整車18
から回転力を受けて回転するとともに、軸部16が研削
加工砥石12によって研削加工される(ステップS
3)。このとき、研削冷却液吐出用ノズル26から吐出
される研削冷却液によってバルブステム14が冷却さ
れ、該バルブステム14が加熱されることが防止され
る。
【0032】バルブステム14の軸部16が所定時間研
削加工されると、シリンダ50が駆動されてバルブステ
ム14はシリンダロッド52によって通路54に押し出
されて搬送される(ステップS4)。通路54に押し出
されたバルブステム14は通路54に向かって突き出さ
れた通過確認検出板56を回動させる。このため、回動
検出センサ58はバルブステム14が通路54の通過確
認検出板56を通過したことを検出する。そして、バル
ブステム14は通路54から次の工程に移動する。
【0033】以上のような工程中に、所定の数、この場
合、7つのバルブステム14が研削加工されたか否かを
判断し(ステップS5)、所定の数に達していなけれ
ば、ステップS2〜S4を繰り返し、次のバルブステム
14に研削加工を施す。
【0034】ステップS5で、所定の数のバルブステム
14が研削加工されたら、ステップS1に戻り、再びド
レッサ20によって研削加工砥石12のドレッシングが
開始される。
【0035】以上のように、バルブステム14の軸部1
6に研削加工を施しながらドレッシングを行うため、ド
レッシングのために研削加工を停止する必要がなく、製
造時間を短縮することができ、生産効率が向上する。
【0036】ドレッシングの際、研削加工砥石12のド
レッシングされた箇所は該研削加工砥石12の直径が僅
かに小さくなり、ドレッシングの最中は研削加工砥石1
2に段差が生じることになる(図4参照)。このため、
この段差がバルブステム14の軸部16に転写されてし
まい、寸法誤差が発生して研削加工精度が低下してしま
う懸念がある。そこで、切込量Aを小さく設定して研削
加工精度を向上させる必要がある。
【0037】図5に、ドレッサ20による切込量Aを変
化させたときの、バルブステム14の軸部16の研削加
工精度を表すうねりの大きさBと円筒度(軸部16の一
端側と他端側との直径の差)Cのグラフを示す。これら
のグラフから、切込量Aが1〜10μmの範囲内であれ
ば、従来技術におけるうねりの大きさ(0.003m
m)および円筒度(0.010mm)と同等以上の加工
精度が得られることがわかる。
【0038】また、研削加工砥石12をドレッシングす
るのに要する時間T1と一つのバルブステム14の軸部
16を研削加工するのに要する時間T2は、ドレッシン
グ装置10の加工精度および設備能力から決定される
が、本実施の形態では、T1、T2をそれぞれ28秒、
5.8秒に設定すると、 T1/T2=28/5.8=4.82 より、研削加工砥石12をドレッシングする間に4本の
バルブステム14の軸部16に対して研削加工を施すこ
とができ、5本目のバルブステム14の軸部16に研削
加工を施している間にドレッシングが終了することがわ
かる。ドレッシングしている間に研削加工を施していな
い時間があると生産効率が低下してしまうので、1回の
ドレッシングによって研削するバルブステム14の軸部
16の数nは、 n>T1/T2 とする。すなわち、本実施の形態では、 n>T1/T2=4.82 …(1) から5本以上に設定する。
【0039】また、研削加工砥石12の摩耗量が前記切
込量Aよりも大きいと、研削加工砥石12の表面のうね
り等をドレッシングにより十分に除去することができ
ず、この研削加工砥石12により研削加工されたバルブ
ステム14の軸部16にもうねり等が生じてしまう。そ
こで、1回のドレッシングの間の研削加工砥石12の摩
耗量が切込量Aよりも小さくなるように、研削加工する
バルブステム14の数nを少なく設定する。
【0040】ここで、研削加工砥石12が摩耗するとバ
ルブステム14の直径が変化するので、この直径を測定
することにより研削加工砥石12の摩耗量を求めること
ができる。そこで、1回のドレッシングによって研削す
るバルブステム14の軸部16の数nに対するバルブス
テム14の直径Dの変化を示すグラフを図6に示す。
【0041】このグラフより、1回のドレッシングによ
って研削するバルブステム14の軸部16の数nが10
のとき、バルブステム14の軸部16の直径Dの変化は
前述のようにして設定された切込量Aの最大値(10μ
m)よりも小さくなるので、研削加工砥石12を1回ド
レッシングする間に研削加工するバルブステム14の軸
部16の数nは10本以下である必要がある。
【0042】すなわち、前記(1)式を考慮して、研削
加工砥石12が1回ドレッシングされる間に研削加工す
るバルブステム14の軸部16の数nを、5〜10本と
すると好適である。
【0043】ドレッサ20の送り速度Eを変化させたと
きの、ドレッシング可能なバルブステム14の軸部16
の数のグラフを図7に示す。ドレッサ20の送り速度E
が遅いと、研削加工砥石12の仕上げ面の面粗度がよ
く、この研削加工砥石12によりドレッシング可能なバ
ルブステム14の軸部16の数が多いが、ドレッサ20
の送り速度Eが速くなると、研削加工砥石12の仕上げ
面の面粗度が粗くなり、この研削加工砥石12によりバ
ルブステム14の軸部16を数多くドレッシングする
と、バルブステム14の軸部16の加工精度が低下して
しまう。このため、ドレッシング可能なバルブステム1
4の軸部16の数が低下する。図7に示すように、ドレ
ッサ20の送り速度Eを0.1〜0.5mm/revの
範囲内に設定すると、ドレッシング可能なバルブステム
14の軸部16の数が43本と多い、すなわち、研削加
工砥石12の仕上げ面の面粗度がよく、この研削加工砥
石12の研削能力が向上する。
【0044】本実施の形態によれば、バルブステム14
の軸部16に対して研削加工砥石12により研削加工を
施しながら該研削加工砥石12をドレッシングするた
め、ドレッシングの際に研削加工を停止する必要がな
く、製造時間を短縮することができ、生産効率が向上す
る。
【0045】また、研削加工砥石12に対するドレッサ
20の切込量を適切な値に設定することにより、研削加
工されたバルブステム14の軸部16のうねりの大きさ
Bおよび円筒度Cを従来技術と同等以上の加工精度とす
ることができる。
【0046】さらに、ドレッサ20の送り速度Eを適切
な値に設定することにより、ドレッシングされる研削加
工砥石12の仕上げ面の面粗度が向上し、この研削加工
砥石12により研削加工されたバルブステム14の軸部
16の加工精度が一層向上する。
【0047】さらにまた、研削加工砥石12をドレッシ
ングする際、砥石粒が発生するが、この砥石粒は吸引用
ノズル22によって吸引される。このため、砥石粒が研
削加工砥石12の回転に巻き込まれることがなく、バル
ブステム14の軸部16や調整車18の表面が損傷して
しまうことが防止される。
【0048】
【発明の効果】本発明に係るバルブステム用研削加工砥
石のドレッシング方法およびその装置によれば、以下の
ような効果ならびに利点が得られる。
【0049】バルブステムの軸部に研削加工を施しなが
らドレッシングを行うため、ドレッシングの際に研削加
工を停止する必要がなく、製造時間を短縮することがで
き、生産効率が向上する。
【0050】また、研削加工砥石に対するドレッサの切
込量を適切な値に設定することにより、研削加工された
バルブステムの軸部の加工精度を向上させることができ
る。
【0051】さらに、ドレッサの送り速度を適切な値に
設定することにより、ドレッシングされた研削加工砥石
の仕上げ面の面粗度がバルブステムの軸部を所定の数だ
け研削可能なまでに仕上げることが可能となり、この研
削加工砥石により研削加工されるバルブステムの軸部の
加工精度が一層向上する。
【0052】さらにまた、研削加工砥石からドレッシン
グにより砥石粒が発生するが、この砥石粒は吸引機構に
よって吸引される。このため、砥石粒が研削加工砥石の
回転に巻き込まれることがなく、バルブステムや調整車
の表面が損傷してしまうことが防止され、調整車の寿命
が長くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るバルブステム用研削
加工砥石のドレッシング装置を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るバルブステム用研削
加工砥石のドレッシング方法を説明するためのフローチ
ャートである。
【図3】図1のドレッシング装置の動作を示す概略一部
断面側面図である。
【図4】図1のドレッシング装置によってバルブステム
が研削されている状態を示す一部断面拡大図である。
【図5】本実施の形態に係るバルブステム用研削加工砥
石のドレッシング方法において、切込量を変化させたと
きのうねりの大きさと円筒度を示すグラフである。
【図6】本実施の形態に係るバルブステム用研削加工砥
石のドレッシング方法において、研削加工砥石のドレッ
シング後に研削する際にバルブステムの軸部の数を変化
させたときの該軸部の直径の変化を示すグラフである。
【図7】本実施の形態に係るバルブステム用研削加工砥
石のドレッシング方法において、ドレッサの送り速度を
変化させたときに研削可能なバルブステムの軸部の数を
示すグラフである。
【符号の説明】
10…ドレッシング装置 12…研削加工砥石 14…バルブステム 16…軸部 18…調整車 20…ドレッサ 22…吸引用ノズル 38、50…シリンダ 48…傘部 54…通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾野 隆 栃木県真岡市松山町19 本田技研工業株式 会社栃木製作所内 (72)発明者 栗川 和幸 栃木県真岡市松山町19 本田技研工業株式 会社栃木製作所内 Fターム(参考) 3C043 AA08 CC03 DD06 3C047 AA05 AA15 BB10 BB14 HH12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルブステムの軸部に研削加工を施すため
    の研削加工砥石にドレッサを当接させてドレッシングす
    る方法であって、 前記ドレッサの切込量を、研削加工された前記バルブス
    テムの軸部が所定の加工精度となるように設定し、 前記研削加工砥石を1回ドレッシングする間に研削加工
    する前記バルブステムの軸部の数を、1回のドレッシン
    グに要する時間から1つの前記バルブステムの軸部を研
    削加工するのに要する時間を割った値より大きく、且
    つ、前記研削加工砥石の摩耗量が前記切込量より小さく
    なるように設定し、 前記ドレッサの送り速度を、ドレッシングされた研削加
    工砥石の仕上げ面の面粗度が前記バルブステムの軸部を
    所定の数だけ研削可能なまでに仕上げられる速度に設定
    することを特徴とするバルブステム用研削加工砥石のド
    レッシング方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、 前記切込量を1〜7μm、前記研削加工砥石を1回ドレ
    ッシングする間に研削加工するバルブステムの数を5〜
    10本、前記ドレッサの送り速度を0.1〜0.5mm
    /revに設定することを特徴とするバルブステム用研
    削加工砥石のドレッシング方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の方法において、 前記ドレッシングの際に生じる砥石粒を吸引しながらド
    レッシングを行うことを特徴とするバルブステム用研削
    加工砥石のドレッシング方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方
    法において、 前記ドレッシングの工程では、前記研削加工砥石よりも
    幅狭に形成された前記ドレッサを前記研削加工砥石に切
    り込ませた状態で軸線方向に変位させてドレッシングを
    行うことを特徴とするバルブステム用研削加工砥石のド
    レッシング方法。
  5. 【請求項5】略円柱状に形成され、回転しながらバルブ
    ステムの軸部に当接して研削加工を施す研削加工砥石
    と、 略円盤状に形成され、回転しながら前記研削加工砥石に
    切り込むとともにその軸線方向に変位して該研削加工砥
    石をドレッシングするドレッサと、 前記研削加工砥石をドレッシングする際に生じる砥石粒
    を吸引する吸引機構と、 を備えることを特徴とするバルブステム用研削加工砥石
    のドレッシング装置。
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