JPH07256559A - スライシング加工用環状ブレード及びその砥石刃部の整形方法 - Google Patents

スライシング加工用環状ブレード及びその砥石刃部の整形方法

Info

Publication number
JPH07256559A
JPH07256559A JP5156494A JP5156494A JPH07256559A JP H07256559 A JPH07256559 A JP H07256559A JP 5156494 A JP5156494 A JP 5156494A JP 5156494 A JP5156494 A JP 5156494A JP H07256559 A JPH07256559 A JP H07256559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grindstone
blade
blade portion
shaping
annular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5156494A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Kinoshita
秀機 木下
Hisao Ouchi
久生 大内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Advanced Technologies Co Ltd
Original Assignee
Toyo Advanced Technologies Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Advanced Technologies Co Ltd filed Critical Toyo Advanced Technologies Co Ltd
Priority to JP5156494A priority Critical patent/JPH07256559A/ja
Publication of JPH07256559A publication Critical patent/JPH07256559A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークをスライシング加工するための環状ブ
レードにおいて、クーラント供給や切り屑排出の円滑性
の向上等を図り、これによって切れ味を高める。 【構成】 環状ブレード10の内周部に、砥粒とこれを
担持する導電性ボンドからなる砥石刃部11を設ける。
この砥石刃部11の両側面に電極46を対向させ、両者
間に導電性クーラントを供給しながら電圧の印加により
電流を流し、かつ、上記環状ブレード10を回転させな
がら上記電流を増減させて、砥石刃部11両側面にブレ
ード半径方向と略等しい方向に延びる複数の凹部を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体インゴット等の
ワークを切断して半導体ウエハ等の薄片を切り出すため
のスライシング加工に用いられる環状ブレード及びその
砥石刃部の整形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなスライシング加工を
行う手段として、特開平5−104437号公報に示さ
れる装置が知られている。この装置は、主軸と一体に回
転するディスクの周縁部に、ドーナツ状の薄板からなる
環状ブレードを装着し、この環状ブレードの内周縁に砥
石刃部を固着したものであり、この砥石刃部の内側にワ
ークの一端部を臨ませ、上記ディスク及び環状ブレード
を主軸と一体に高速回転しながら上記ワークをブレード
半径方向に移動させることにより、このワークを切断し
てウェハ(薄片)を切り出すように構成されている。
【0003】図9に示すように、環状ブレード10の内
周部に固着される砥石刃部11は、ダイヤモンド等から
なる多数の砥粒111と、これらの砥粒111を担持す
るボンド112とからなり、このボンド112は上記公
報のものではニッケル等の金属で構成されている。そし
て、この砥石刃部11の切れ味が鈍くなった場合には、
この砥石刃部11の内周面及び側面に電極を対向させ、
両者の間に導電性のクーラント液を供給しながら上記電
極と砥石刃部11との間に電圧を印加して、上記金属製
ボンド112をイオン化して切り屑とともにクーラント
液で流し出すことにより、上記砥石刃部11表面を活性
化する(すなわち砥石刃部11をドレスする)ことが可
能となっている。
【0004】なお、このようないわゆる電解ドレス以外
では、上記砥石刃部11をドレス用ストーンに切り込ま
せて目立てドレスする方法が一般に知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記砥石刃部11の切
れ味を向上させるには、クーラントの侵入性及び切り屑
の排出性を高め、ワークへの各砥粒111の食い込みを
良くすることが重要である。しかし、上記のような従来
の電解ドレスやドレス用ストーンによるドレスでは、ク
ーラントの侵入性や切り屑の排出性、ワークへの砥粒の
食い込み性を高めるのには限界があり、砥石刃部11の
切れ味の飛躍的な向上は期待し難い。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、クーラ
ントの侵入性、切り屑の排出性、及びワークへの砥粒の
食い込み性の向上により、切れ味を効果的に高めること
ができるスライシング加工用環状ブレード及びその砥石
刃部の整形方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、内周部に砥粒
及びこれを担持する砥粒担持体からなる砥石刃部を有す
るスライシング加工用環状ブレードにおいて、上記砥石
刃部の両側面に環状ブレードの半径方向と略等しい方向
に延びる複数の凹部を周方向に並べて形成したものであ
る(請求項1)。
【0008】また本発明は、上記砥粒担持体が導電性を
もつスライシング加工用環状ブレードの砥石刃部を整形
する方法であって、上記砥石刃部の側面に電極を対向さ
せ、この電極と上記砥石刃部側面との間に導電性液を供
給しながらこれら電極と砥石刃部との間に電圧を印加し
た状態で、上記環状ブレードを回転させながら上記砥石
刃部と電極との間を流れる電流を周期的に増減すること
により、上記砥石刃部の両側面に環状ブレードの半径方
向と略等しい方向に延びる複数の凹部を周方向に並べて
形成するものである(請求項2)。
【0009】この方法では、上記砥石刃部の両側面にそ
れぞれ電極を対向させ、これら電極と上記砥石刃部との
間に導電性液を供給しながら両電極と上記砥石刃部両側
面との間に電圧を印加した状態で、上記環状ブレードを
回転させながら上記砥石刃部と両電極との間を流れる電
流を周期的に増減することが、より好ましい(請求項
3)。
【0010】上記電流を変動させる具体的な方法として
は。上記環状ブレードを回転させながら、上記電極を環
状ブレード厚み方向に振動させるものや(請求項4)、
上記砥石刃部側面と上記電極との間に電圧を印加する状
態と印加しない状態との切換を反復するもの(請求項
5)が好適である。
【0011】また本発明は、上記スライシング加工用環
状ブレードの砥石刃部を整形する方法であって、上記砥
石刃部の両側面に整形用砥石を接触させ、これら整形用
砥石を回転させかつ上記環状ブレードを回転させながら
上記整形用砥石を砥石刃部厚み方向に振動させることに
より、上記砥石刃部の両側面に環状ブレードの半径方向
と略等しい方向に延びる複数の凹部を周方向に並べて形
成するものである(請求項6)。
【0012】
【作用】請求項1記載の環状ブレードでは、上記砥石刃
部の両側面にブレード半径方向と略等しい方向に延びる
複数の凹部が形成されているため、この凹部を通じてワ
ーク切断部にクーラントが円滑に供給され、また切り屑
が円滑に排出される。さらに、砥石刃部両側面とワーク
との接触面積が少ないため、その分各砥粒のワークへの
食い込みが顕著となる。
【0013】請求項2記載の方法では、上記砥石刃部の
側面(請求項3では両側面)に電極を対向させ、電極と
砥石刃部側面との間に導電性液を供給しながらこれら電
極と砥石刃部との間に電圧を印加することにより、上記
砥石刃部において砥粒を担持する導電性砥石担持体がイ
オン化し、上記導電性液によって流されることにより除
去されるが、ここで、上記環状ブレードの回転中に上記
砥石刃部と電極との間を流れる電流が増減されることに
より、上記砥石担持体の除去量も周期的に変化して砥石
刃部側面上に(請求項3記載の方法では砥石刃部両側面
上に同時に)周方向の凹凸が形成される。すなわち、上
記のような略ブレード半径方向に延びる複数の凹部が形
成される。
【0014】ここで、請求項4記載の方法では、上記環
状ブレードの回転中に上記電極が環状ブレード厚み方向
に振動することにより、この電極と砥石刃部側面との距
離が周期的に増減され、これにより、両者間を流れる電
流が周期的に増減される。
【0015】また、請求項5記載の方法では、上記環状
ブレードの回転中に上記電圧が間欠的に印加される、す
なわち上記電圧を印加する状態と印加しない状態との切
換が反復して行われることにより、上記電流が周期的に
増減される。
【0016】一方、請求項6記載の方法では、砥石刃部
の両側面に接触した整形用砥石の回転によって、砥石刃
部が研削加工されるとともに、上記環状ブレードの回転
中に上記整形用砥石を砥石刃部厚み方向に振動させるこ
とによって上記研削加工量が周期的に増減し、砥石刃部
両側面上に周方向の凹凸が形成される。すなわち、請求
項2記載の方法と同様に複数の凹部が形成される。ま
た、砥石刃部の両側面に整形用砥石を当てているので、
両側面の同時加工が可能であるとともに、砥石刃部整形
中での両側からの荷重をうまくバランスさせることによ
り、偏荷重に起因するブレードの厚み方向の反りが防が
れる。
【0017】
【実施例】本発明の第1実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0018】図2,3に示すスライシング加工装置は、
基台1を備え、この基台1上にガイドレール2が設置さ
れており、このガイドレール2に沿ってスライド可能に
スライドテーブル3が支持されている。
【0019】上記基台1上において、スライドテーブル
3に対向する位置には主軸台4が設置されている。この
主軸台4の上部には主軸受4aが設けられ、この主軸受
4aによって主軸6が回転可能に支持されるとともに、
この主軸6にベルト伝動機構を介して主軸駆動モータ8
の出力軸が連結されている。主軸6の先端部にはテンシ
ョンディスク9が固着され、このテンションディスク9
が、上記主軸6、ベルト伝動機構7、及び主軸駆動モー
タ8からなる回転駆動手段5により回転駆動されるよう
になっている。
【0020】テンションディスク9の周縁部には、ドー
ナツ状の薄板からなる環状ブレード10が装着され、こ
の環状ブレード10の内周縁に砥石刃部11が固着され
ている。この砥石刃部11は、前記図9に示したよう
に、ダイヤモンド等からなる多数の砥粒111と、これ
ら砥粒111を担持した状態で上記環状ブレード10内
周部に固着されるボンド(砥粒担持体)112とからな
り、このボンド112は、本実施例では、鋳鉄や黄銅と
いった金属(すなわち導電性材料)で形成されている。
【0021】上記スライドテーブル3上には、保持部材
15及び割出し送り手段18が設けられ、保持部材15
にはシリコン製半導体インゴット等からなるワーク30
が保持されている。割出し送り手段18は、ボールねじ
16と、このボールねじ16を回転駆動する保持部材駆
動モータ17とを有し、この割出し送り手段18によっ
て上記保持部材15が上記主軸6の軸方向にスライド駆
動されることにより、上記ワーク30の一端部が環状ブ
レード10の表面10a側(ワーク保持側)から環状ブ
レード10の中央孔を通じて裏面10b側へ微小量突出
することが可能となっている。
【0022】上記基台1上には切断送り手段14が設置
されている。この切断送り手段14は、ボールねじ12
と、このボールねじ12を回転駆動する切断送りモータ
13とを備え、この切断送り手段14によって、上記ス
ライドテーブル3全体がガイドレール2に沿って主軸6
と直交する方向にスライド駆動される。すなわち、スラ
イドテーブル3を図2の手前から奥へスライドさせるこ
とにより、図3に示すようにワーク30が環状ブレード
10に対してその半径方向(図の矢印方向)に相対移動
する(すなわち切断送りされる)ようになっている。従
って、上記環状ブレード10を回転させかつ環状ブレー
ド10の内側にワーク30の一端部を臨ませた状態か
ら、上記砥石刃部11とワーク30との接触部分にクー
ラントを供給しながら上記切断送りを行う(図3二点鎖
線の位置まで移動させる)ことにより、ワーク30の一
端部を砥石刃部11によってスライスし、ウエハを切り
出すことが可能となっている。
【0023】ワーク30の切断送り方向下流側の外周部
分、すなわち、ワーク30において砥石刃部11で最終
的に切断される部分には、カーボン等からなるスライス
ベース31が固着されている。このスライスベース31
の固着により、ワーク30の切断終了時に環状ブレード
10に作用する切断抵抗が急に開放されて上記ワーク3
0の最終切断部分が欠けることが防がれる。
【0024】上記テンションディスク9の裏面には被検
出片34が突設される一方、上記主軸台4の側面におい
て上記被検出片34と対向可能な位置には基準位置検出
センサ36が設けられている。この基準位置検出センサ
36は、上記被検出片34の存在を検出するもので、光
センサ、磁気センサ、近接スイッチ等が適用可能であ
り、この基準位置検出センサ36が上記被検出片34を
検出する時のテンションディスク9及び環状ブレード1
0の角度位置が、後述の基準位置に設定されている。
【0025】上記スライドテーブル3の前端部には、上
記ワーク30の軸方向と同方向に伸縮可能な搬送シリン
ダ19が設けられ、この搬送シリンダ19のロッド38
前端に、上記環状ブレード10の砥石刃部11両側面を
整形するための砥石刃部整形装置40が取付けられてい
る。
【0026】この砥石刃部整形装置40は、図1に示す
ようなハウジング42を備えている。このハウジング4
2は、上記砥石刃部11を表裏両側から囲むようなコ字
状の平面形状を有し、その左右内側面に振動アクチュエ
ータ44を介して電極46が取付けられており、上記ハ
ウジング42が上記ロッド38前端に連結されている。
そして、上記搬送シリンダ19の伸縮により、上記両電
極46がブレード10の表側及び裏側にそれぞれ位置す
る整形位置と、この整形位置から大きく後退する退避位
置との間で砥石刃部整形装置40全体が進退するように
なっており、この砥石刃部整形装置40が上記整形位置
にある状態で、スライドテーブル3が適当な量だけスラ
イド移動することにより(すなわち切断送りされること
により)、図1に示すように両電極46が砥石刃部11
の表裏両側面に対向できるようになっている。
【0027】この図1の状態において上記砥石刃部11
両側面と電極46との間に砥石整形用クーラントを供給
する位置に、クーラントノズル20が設けられている。
これらクーラントノズル20から供給されるクーラント
は、導電性を有することが肝要であり、ノリタケクール
AFG−M(商品名:ノリタケカンパニー製)等が好適
である。
【0028】上記両電極46及び環状ブレード10には
電解放電電源47が接続され、上記両振動アクチュエー
タ44には振動発生電源48が接続されている。電解放
電電源47は、金属製ブレード10を通じて上記砥石刃
部11と両電極46との間に所定の電圧を印加するもの
である。振動アクチュエータ44は、加振器、ソレノイ
ド弁、あるいはカム装置等で構成され、上記振動発生電
源48からの電源供給を受けて各電極46を上記ブレー
ド10の厚み方向に振動させるものである。
【0029】上記電解放電電源47及び振動発生電源4
8は、前記基準位置検出センサ36とともに整形制御装
置50に接続されている。この整形制御装置50は、マ
イクロコンピュータ等からなり、上記環状ブレード10
によるスライシング加工の前に、上記砥石刃部11両側
面の整形動作を行うべく、上記電解放電電源47及び振
動発生電源48のオンオフ制御を行うものである。
【0030】次に、この整形制御装置50による制御下
での砥石刃部整形方法を説明する。
【0031】まず、図1に示すように両電極46が砥石
刃部11両側面に対向する整形位置に砥石刃部整形装置
40をセットする。
【0032】この状態で、クーラントノズル20より導
電性クーラントを供給しながら、ブレード10を低速で
回転駆動する。そして、環状ブレード10が前記基準位
置、すなわち基準位置検出センサ36が被検出部34を
検出する角度位置に到達した時点から両電源47,48
をオンにし、砥石刃部11と両電極46との間に電圧を
印加しながら両電極46をブレード厚み方向に振動させ
る。この振動周期は、上記環状ブレード10の回転周期
の1/N(Nは予め設定された自然数)に設定してお
く。
【0033】上記電圧の印加により、両電極46と砥石
刃部11との間に上記クーラントを媒介として電流が流
れ、上記砥石刃部11において砥粒111を担持する金
属製ボンド112がイオン化し、上記クーラントによっ
て流されることにより除去されるが、上記環状ブレード
10の回転中に両電極46が振動することにより、これ
ら電極46と砥石刃部11側面との距離が周期的に増減
され、これにより、両者間を流れる電流が周期的に増減
される。このため、上記ボンド4の除去量も周期的に変
化することとなり、その結果、砥石刃部11側面上に周
方向の凹凸が形成される。すなわち、砥石刃部11は図
4に示すような略ブレード半径方向に延びる複数の凸部
11aと凹部11bとを交互に有する形状に形成され
る。
【0034】このような環状ブレード10を用いて、前
記と同様の要領でワーク30のスライシング加工を行え
ば、上記各凹部11bを通じてワーク30と砥石刃部1
1との接触部分に円滑にクーラントが供給され、逆に上
記接触部分で発生した切り屑は上記各凹部11bを通じ
て円滑に排出されることとなり、しかも、上記凹凸によ
って砥石刃部11両側面とワーク30との接触面積が減
少する分だけ各砥粒111のワーク30に対する食い込
みがより顕著となる。その結果、上記砥石刃部11によ
る切れ味は著しく向上する。
【0035】実際に、上記電流を3A前後に設定し、電
極46と砥石刃部11両側面との距離間隔d(図1)を
0.05mmに設定し、かつ振動周期と回転周期とを適当に設
定して上記整形動作を行うことにより、最大厚さt(図
4)が0.5mm、切り込み深さ(凸部11aと凹部11b
との高さの差)aが0.03mm、凹凸間隔(波長)λが約5
mmの正弦曲線状の凹凸を砥石刃部11両側面に形成する
ことができ、この環状ブレード10を用いてスライシン
グ加工を行ったところ、極めて良好な切れ味が得られる
のを確認することができた。
【0036】なお、上記整形を行うための環状ブレード
10の回転回数は1回に限らず、その後、加工を何度か
行って切れ味が鈍った場合等、必要に応じて修正のため
にブレード回転及び電圧の印加を再実行してもよい。こ
の場合、上記実施例に示すように、基準位置検出センサ
36で検出される基準位置から必ず整形動作を開始する
ようにすれば、実際の砥石刃部11両側面の凹凸状態を
調べなくても、1回目と同じ振動設定で整形を開始する
ことにより、上記凹凸状態に対応した両電極46の振動
制御を行うことが可能となる。
【0037】次に、第2実施例を図5に基づいて説明す
る。
【0038】この実施例では、前記第1実施例における
電極46を直接ハウジング42に固着して振動アクチュ
エータ44及び振動発生電源48を省略し、これに代
え、環状ブレード10の回転中、前記第1実施例におけ
る振動アクチュエータ44による電極46の振動周期と
同様の周期で電解放電電源47をオンオフする。すなわ
ち、両電極46と砥石刃部11との間に電圧を印加する
状態と印加しない状態との切換を反復するようにする。
【0039】この場合、電圧のオンオフに対応し、所定
の応答遅れを伴いながら両電極46と砥石刃部11との
間を流れる電流が連続的に増減するため、前記第1実施
例と同様にほぼ正弦曲線を描く凹凸を砥石刃部11両側
面に形成することができる。
【0040】次に、第3実施例を図6に基づいて説明す
る。
【0041】この実施例では、前記第1実施例に示す砥
石刃部整形装置40において、前記電極46に代えて前
記振動アクチュエータ44に支持板52が取付けられ、
この支持板52にダイヤホイール(整形用砥石)54及
びホイール駆動モータ56が取付けられている。ダイヤ
ホイール54は、上記砥石刃部11両側面を整形すべく
周面に多数の研削用ダイヤが配設されたものであり、そ
の形状は、通常の円板状であっても良いし、外周部を円
弧状に丸めた形状であってもよい。ホイール駆動モータ
56は上記ダイヤホイール54を高速回転させるもので
ある。
【0042】このような装置において、上記ダイヤホイ
ール54を回転駆動しながら砥石刃部11両側面に当
て、前記第1実施例と同様にブレード10を回転させな
がら第1実施例における両電極46の振動周期と同様の
周期で振動アクチュエータ44によりダイヤホイール5
4を振動させることにより、前記第1実施例と同様に砥
石刃部11両側面に凹凸を形成することができる。
【0043】この第3実施例及び前記第2実施例におい
ても、第1実施例と同様に必ず所定の基準位置から砥石
刃部11の整形を開始するようにすることにより、2回
目以降の整形動作を容易に開始することができる。
【0044】なお、この実施例では電解ドレスを行わな
いので、砥石刃部11におけるボンド112の材質は、
特に導電性を有するものでなくてもよい。また同様の理
由で、整形動作中に用いるクーラントも導電性を有しな
くても良く、通常の冷却油や冷却水、あるいはエア等で
あってもよい。
【0045】次に、第4実施例を図7に基づいて説明す
る。
【0046】この実施例では、前記第1実施例における
両電極46がハウジング42に直接固着され、このハウ
ジング42自体が振動アクチュエータ44を介して包括
ハウジング43にブレード厚み方向にスライド可能に装
着されており、この包括ハウジング43が前記第1実施
例で示した搬送シリンダ19のロッド38に連結されて
いる。そして、上記振動アクチュエータ44の駆動によ
り、上記ハウジング42及び両電極46が一体にブレー
ド厚み方向に振動するようになっている。
【0047】このような実施例によれば、単一の振動ア
クチュエータ44により両電極46を同時に振動させる
ことができ、前記各実施例と同様に砥石刃部11の両側
面に同時に凹凸を形成することができる。この場合に
は、図8に示すように、一方の側面に凸部11aが形成
される個所には必ず他方の側面に凹部11bが形成され
ることになり、砥石刃部11の厚みは全周にわたりほぼ
一定となる。
【0048】また、この実施例において両電極46を一
体に振動させるのと同様に、前記第3実施例における両
ダイヤホイール54等を一体に振動させることによって
も、同様の整形を行うことが可能である。
【0049】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0050】(1) 本発明では、まず砥石刃部11の一方
の側面を整形し、その後他方の側面を整形するようにし
てもよい。ただし、前記各実施例に示したように砥石刃
部11の両側面に対して一対の電極46を対向させたり
一対のダイヤホイール54を当てたりすれば、環状ブレ
ード10の1回転で砥石刃部11両側面を整形すること
ができ、必要工程を大幅に減らすことができる。特に、
第3実施例では、砥石刃部11に対して両側からダイヤ
ホイール54を当てて荷重バランスをとることにより、
偏荷重に起因して環状ブレード10が一方に反るといっ
た不都合を防ぐことが可能になる。
【0051】(2) 本発明の環状ブレード10は、この環
状ブレード10を回転させずに固定した状態で、その周
方向の複数個所に順次整形装置を移動させて各個所で電
解ドレスを施すことによっても整形することが可能であ
る。ただし、上記各実施例に示すように環状ブレード1
0を回転させながら電解ドレス用の電流を増減させたり
ダイヤホイール54等を振動させたりすれば、簡単な装
置で迅速に、砥石刃部11側面にその全周にわたって凹
部を適当なピッチで形成することができる利点がある。
【0052】(3) 本発明において砥石刃部両側面に形成
される凹部の方向は、ブレード半径方向に正確に合致し
ていなくても良く、クーラント供給及び切り屑排出を円
滑に行うことができる範囲内で上記ブレード半径方向か
ら適当に傾斜していてもよい。
【0053】(4) 上記各実施例では、スライシング装置
に砥石刃部整形装置40を据え付けてスライシング装置
内で砥石刃部整形を行うものを示したが、本発明方法は
これに限らず、予めスライシング装置とは別の設備で砥
石刃部の整形を行っておき、この整形が終わった後の環
状ブレードをスライシング装置に装着するようにしても
よい。
【0054】(5) 上記実施例では、電極46を用いた電
解ドレスまたはダイヤホイール54による整形ドレスに
よって、環状ブレード10の砥石刃部側面に凹部を形成
するものを示したが、その電極46またはダイヤホイー
ル54を上記砥石刃部内周面にも配置し、上記側面に加
えて砥石刃部11内周面に略軸方向の凹部を形成するよ
うにしてもよい。
【0055】(6) 上記実施例では、環状ブレード10の
使用前にその砥石刃部11の側面に凹部を形成するもの
を示したが、本発明の整形方法は、上記環状ブレード1
0の使用後、適当なタイミングで砥石刃部11の目立て
を行う場合に用いても有効である。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明は、内周部に砥石刃
部をもつスライシング加工用環状ブレードにおいて、上
記砥石刃部の両側面にブレード半径方向と略等しい方向
に延びる複数の凹部を形成したものであるため、これら
の凹部を通じて、ワーク切断部(ワークと砥石刃部との
接触部分)へのクーラントの円滑な供給、及び切り屑の
円滑な排出を行うことができ、さらに、砥石刃部両側面
とワークとの接触面積の減少によって各砥粒のワークへ
の食い込みを向上することができる。これにより、上記
環状ブレードによるワークの切れ味を大幅に向上させる
ことができる効果がある。
【0057】この環状ブレードの製造方法として、請求
項2記載のものでは、上記砥石刃部の側面と電極との間
に導電性液を供給しながらこれら電極と砥石刃部との間
に電流を流し、環状ブレードを回転させながら上記電流
を増減するようにしているので、環状ブレードの周方向
一部において電極を対向させるだけの簡単な設備で、環
状ブレードの全周にわたり砥石刃部側面に上記複数の凹
部を迅速かつ容易に形成することができる効果がある。
【0058】特に、請求項3記載の方法では、砥石刃部
の両側面に電極を対向させて電流を流すことにより、1
回のブレード回転で両側面を同時に整形することがで
き、工程を大幅に削減することができる。
【0059】より具体的に、請求項4,5記載の方法で
は、上記環状ブレードの回転中に上記電極を環状ブレー
ド厚み方向に振動させたり、電極と砥石刃部との間に間
欠的に電圧を印加したりする(すなわち電圧印加状態と
非印加状態との切換を行う)だけの簡単な操作で、上記
電流を周期的に増減することができる。
【0060】また、請求項6記載の方法では、砥石刃部
の両側面に整形用砥石を当てて回転させ、上記環状ブレ
ードを回転させながら上記整形用砥石を砥石刃部厚み方
向に振動させるだけの簡単な構成で、ブレード全周にわ
たり砥石刃部両側面上に複数の凹部を迅速かつ容易に形
成することができる。また、砥石刃部に対して両側から
整形用砥石を当てることにより、請求項3記載の方法と
同様に両側面の同時加工を可能にするとともに、砥石刃
部整形中での荷重の偏りによるブレードの反りを防ぎ、
良好な整形精度を確保できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における砥石刃部整形装置
の断面平面図であり図3のC−C線断面図である。
【図2】上記砥石刃部整形装置が装備されたスライシン
グ装置の一部断面正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図3のB矢視拡大図である。
【図5】本発明の第2実施例における砥石刃部整形装置
の断面平面図である。
【図6】本発明の第3実施例における砥石刃部整形装置
の断面平面図である。
【図7】本発明の第4実施例における砥石刃部整形装置
の断面平面図である。
【図8】上記実施例において整形される砥石刃部形状を
示す拡大図である。
【図9】一般の砥石刃部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 環状ブレード 11 砥石刃部 111 砥粒 112 ボンド(砥粒担持体) 11b 凹部 20 クーラントノズル 30 ワーク 40 砥石刃部整形装置 44 振動アクチュエータ 46 電極 47 電解放電電源 48 振動発生電源 49 砥石駆動電源 50 整形制御装置 54 ダイヤホイール(整形用砥石)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B24B 53/00 K B28D 5/02 C H01L 21/304 311 S

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周部に砥粒及びこれを担持する砥粒担
    持体からなる砥石刃部を有するスライシング加工用環状
    ブレードにおいて、上記砥石刃部の両側面に環状ブレー
    ドの半径方向と略等しい方向に延びる複数の凹部を周方
    向に並べて形成したことを特徴とするスライシング加工
    用環状ブレード。
  2. 【請求項2】 内周部に砥粒及びこれを担持する導電性
    砥粒担持体からなる砥石刃部を有するスライシング加工
    用環状ブレードの上記砥石刃部を整形する方法におい
    て、上記砥石刃部の側面に電極を対向させ、この電極と
    上記砥石刃部側面との間に導電性液を供給しながらこれ
    ら電極と砥石刃部との間に電圧を印加した状態で、上記
    環状ブレードを回転させながら上記砥石刃部と電極との
    間を流れる電流を周期的に増減することにより、上記砥
    石刃部の両側面に環状ブレードの半径方向と略等しい方
    向に延びる複数の凹部を周方向に並べて形成することを
    特徴とするスライシング加工用環状ブレードの砥石刃部
    の整形方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のスライシング加工用環状
    ブレードの砥石刃部の整形方法において、上記砥石刃部
    の両側面にそれぞれ電極を対向させ、これら電極と上記
    砥石刃部との間に導電性液を供給しながら両電極と上記
    砥石刃部両側面との間に電圧を印加した状態で、上記環
    状ブレードを回転させながら上記砥石刃部と両電極との
    間を流れる電流を周期的に増減することを特徴とするス
    ライシング加工用環状ブレードの砥石刃部の整形方法。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載のスライシング加
    工用環状ブレードの砥石刃部の整形方法において、上記
    環状ブレードを回転させながら上記電極を環状ブレード
    厚み方向に振動させることを特徴とするスライシング加
    工用環状ブレードの砥石刃部の整形方法。
  5. 【請求項5】 請求項2または3記載のスライシング加
    工用環状ブレードの砥石刃部の整形方法において、上記
    環状ブレードを回転させながら、上記砥石刃部側面と上
    記電極との間に間欠的に電圧を印加することを特徴とす
    るスライシング加工用環状ブレードの砥石刃部の整形方
    法。
  6. 【請求項6】 内周部に砥粒及びこれを担持する砥石刃
    部を有するスライシング加工用環状ブレードの上記砥石
    刃部を整形する方法において、上記砥石刃部の両側面に
    整形用砥石を接触させ、これら整形用砥石を回転させか
    つ上記環状ブレードを回転させながら上記整形用砥石を
    砥石刃部厚み方向に振動させることにより、上記砥石刃
    部の両側面に環状ブレードの半径方向と略等しい方向に
    延びる複数の凹部を周方向に並べて形成することを特徴
    とするスライシング加工用環状ブレードの砥石刃部の整
    形方法。
JP5156494A 1994-03-23 1994-03-23 スライシング加工用環状ブレード及びその砥石刃部の整形方法 Pending JPH07256559A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5156494A JPH07256559A (ja) 1994-03-23 1994-03-23 スライシング加工用環状ブレード及びその砥石刃部の整形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5156494A JPH07256559A (ja) 1994-03-23 1994-03-23 スライシング加工用環状ブレード及びその砥石刃部の整形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07256559A true JPH07256559A (ja) 1995-10-09

Family

ID=12890471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5156494A Pending JPH07256559A (ja) 1994-03-23 1994-03-23 スライシング加工用環状ブレード及びその砥石刃部の整形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07256559A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019056266A1 (zh) * 2017-09-21 2019-03-28 深圳大学 一种超硬磨料镀层电极放电磨削复合加工装置及方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019056266A1 (zh) * 2017-09-21 2019-03-28 深圳大学 一种超硬磨料镀层电极放电磨削复合加工装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09103954A (ja) ポリシング装置
JPH0516070A (ja) ダイヤモンド研削砥石と、これのツルーイング法と、ツルーイング装置と、研削仕上げされた磁気ヘツド
JP5179158B2 (ja) ドレッサボード
JPS60207751A (ja) 面型整流子を研削するための装置および方法
WO2007077964A1 (ja) 砥石車のツルーイング装置及びツルーイング方法
JP2007054896A (ja) 研削方法及び研削装置
JP4104199B2 (ja) 成形鏡面研削装置
JP2001353648A (ja) 大口径工作物のelid鏡面研削装置及び方法
JPH07256559A (ja) スライシング加工用環状ブレード及びその砥石刃部の整形方法
JP2008272914A (ja) 溝加工装置および溝加工方法
WO2018003429A1 (ja) ブレードのドレッシング機構及び該機構を備えた切削装置及び該機構を用いたブレードのドレッシング方法
JP2008023690A (ja) ウェーハ面取り砥石のツルーイング方法及びウェーハ面取り装置
JP2008110420A (ja) 内面研削装置用砥石および内面研削方法
JP3112408B2 (ja) 立軸両頭平面研削盤
JP4006170B2 (ja) 平面研削装置のツルーイング方法および研削装置
JP2003291069A (ja) 研削盤用の砥石及びこの砥石を使用する研削方法
JP2007237377A (ja) 溝加工装置および溝加工法
JPH08323618A (ja) 複合研削砥石によるダイヤモンド砥石の高精度・高能率ツルーイング及びドレッシング法
JPH06114732A (ja) 機上放電ツルーイング法による砥石側面整形法
JP2000317832A (ja) バルブステム用研削加工砥石のドレッシング方法およびその装置
JP2515389Y2 (ja) 研削切断装置
JPH08108364A (ja) 研削加工方法
JP4215499B2 (ja) 内面研削装置用の電極固定冶具
JP2009142927A (ja) ウェーハ面取り装置及びウェーハ面取り方法
JP2003145396A (ja) 平面研削方法およびその装置