JP4006170B2 - 平面研削装置のツルーイング方法および研削装置 - Google Patents

平面研削装置のツルーイング方法および研削装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は平面研削装置のツルーイング方法および研削装置に関し、さらに詳細には、メタルボンド・ダイヤモンド砥石等の導電性砥石を用いた平面研削装置に対して放電作用を利用したツルーイングを行なう放電ツルーイング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、先端精密加工技術の一つとして、超砥粒砥石を用いた研削技術が注目され、特にレジン系やメタル系結合材料によりダイヤモンド砥粒を結合してなるダイヤモンド砥石は、セラミック等の硬脆材料を研削加工する場合に最適な砥石として好適に使用されている。
【0003】
ところで、このような超砥粒砥石を研削砥石として用いた平面研削装置では、砥石車のツルーイング(truing)は、従来より以下のような手法により行なわれている。
【0004】
ここで研削砥石としてメタルボンド・ダイヤモンド砥石を用いた縦軸両頭平面研削盤を例にとれば、そのツルーイングは、図9(a) に示すように、回転駆動中の砥石車a,aの間にツルーイング用の目立砥石bを挿入し、該目立砥石bの遊離砥粒をもって研削砥石表面のボンド(結合材)Bを削り取り、研削砥石の砥粒Aを突出させながら(ドレッシングしながら)、研削面の成形(ツルーイング)を行なっている。
【0005】
つまり、平面研削装置における超砥粒砥石のツルーイングは、目立砥石bの遊離砥粒を工具とした圧力加工(ラップ技術)によって行なわれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなラップ技術を用いた従来のツルーイングでは、以下に述べるような問題があり、その改善が望まれていた。
【0007】
すなわち、ラップ技術を用いた研削砥石のツルーイングでは、研削砥石の成形が遊離砥粒の研削作用によって行なわれるため、研削砥石の砥粒刃先が磨耗し、砥粒の切れ味が鈍るという問題があった。しかも、このようなラップ技術による場合、研削砥石の成形に長時間を要するといった問題もあった。
【0008】
また、特に両頭平面研削盤のツルーイングにおいては、図9(b) に示すように、ツルーイング中に砥石車a,aによって目立砥石bに加えられる圧力のバランスが崩れると、目立砥石bを支持するアームcが撓んでしまうため、正確な成形が困難になり、高精度のツルーイングを行なえないといった問題もあった。
【0009】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、平面研削装置において、短時間で高精度なツルーイングを行い得るツルーイング方法および研削装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の導電性砥石のツルーング方法は、回転駆動される砥石車の環状研削面で工作物の研削を行なう平面研削装置であって、上記環状研削面が導電性結合材料により砥粒が結合されてなる導電性砥石によって形成されたものにおいて、放電ツルーイング電極を前記環状研削面に臨んで配置させるとともに、該放電ツルーイング電極の位置を上記環状研削面に対して相対的にトラバース移動させながら環状研削面に放電ツルーイングを施すように構成し、上記放電ツルーイング電極の上記環状研削面に対する相対的なトラバース移動速度を、放電ツルーイング電極に対面する環状研削面の周速度が一定となるように基本制御するとともに、上記放電ツルーイング時の放電電圧に基づいて上記基本制御に修正を加えて上記トラバース移動速度を修正することを特徴とする。
【0011】
すなわち、本発明は、平面研削装置のツルーイングにあたり、放電ツルーイング電極を砥石車の環状研削面に臨んで配置し、この放電ツルーイング電極を環状研削面に沿って面方向に相対的にトラバース移動させながら放電ツルーイングを施すことによって平面研削装置の研削面と非接触でのツルーイングを実現する。つまり、この方法では、対面して配置される環状研削面と放電ツルーイング電極のうちのいずれか一方または双方を、両者が接触しないように面方向にスライドさせながら放電ツルーイングが行なわれる。なお、本発明にいう環状研削面には、いわゆるカップ型砥石の研削面の他、中央部に凹部が設けられたディスク状の砥石の研削面が含まれる。
【0012】
したがって、この方法によれば、研削砥石の砥粒刃先を損なうことなく短時間で砥石車のツルーイングが行なえる。しかも、放電ツルーイング電極は研削面と非接触で放電ツルーイングを行なうので、両頭平面研削装置においても精度の高いツルーイングを行なうことが可能となる。
【0013】
そして、このツルーイング方法は、その好適な実施態様として、上記放電ツルーイング電極を環状研削面に対して相対的にトラバース移動させるにあたり、該放電ツルーイング電極が上記環状研削面の最外周端縁と最内周端縁を含む範囲でトラバース移動される。また、トラバース移動中、上記放電ツルーイング電極に対面する環状研削面の単位面積当たりの除去量が一定となるように、上記放電ツルーイング電極のトラバース移動速度または砥石車の回転数が調節される。
【0014】
つまり、放電ツルーイング電極を環状研削面の最外周端縁と最内周端縁を含む範囲でトラバース移動させることにより、環状研削面の全面のツルーイングを可能にし、また、上記放電ツルーイング電極に対面する環状研削面の単位面積あたりの除去量を一定に保つようにすることで、環状研削面の全面にわたって均一なツルーイングを可能とする。
【0015】
そして、本発明の平面研削装置は、上述したツルーイング方法を実現するために、導電性結合材料により砥粒が結合されてなる導電性砥石を用いた砥石車を備える平面研削装置において、上記砥石車の環状研削面に対向して配される放電ツルーイング電極と、この放電ツルーイング電極を、上記環状研削面の最外周端縁と最内周端縁を含む範囲でトラバース移動させるツルーイング電極駆動手段と、上記ツルーイング電極駆動手段による放電ツルーイング電極のトラバース移動速度を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、上記放電ツルーイング電極の上記環状研削面に対する相対的なトラバース移動速度を、上記放電ツルーイング電極に対面する上記環状研削面の周速度が一定となるように基本制御するとともに、上記放電ツルーイング時の放電電圧に基づいて上記基本制御に修正を加えて上記トラバース移動速度を修正するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1乃至図8に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る平面研削装置の一例を示している。この平面研削装置1は縦軸の両頭平面研削装置であって、砥石車2,2、放電ツルーイング電極3、ツルーイング電極駆動手段4および制御手段5を主要部として構成される。そして、図示の実施形態においては、上記砥石車2,2は、図示しないが、砥石車駆動手段によって砥石軸の軸線xを中心として回転駆動可能に設けられるとともに、図示しない砥石車切込駆動手段によって上記軸方向への切り込み動作が可能とされている。
【0018】
上記砥石車2は、導電性結合材料により砥粒が結合されてなる導電性砥石21を備えてなり、この導電性砥石21の端面には環状の研削面(環状研削面)21aが形成されている。具体的には、この導電性砥石21は、たとえば、その砥粒Aとして微小なダイヤモンド砥粒やCBN(キュービックボロンナイトライド)砥粒等のいわゆる超砥粒が用いられる。また、これら砥粒Aの結合材料Bとしてメタルボンドや導電物質を含有した導電性レジンボンドが好適に使用される(砥粒Aと結合材料Bの状態は図5(a) 参照)。
【0019】
また、この砥石車2は、給電線6aを介して直流電源装置7の(+)極に電気的に接続されている。具体的には、図1に示すように、給電線6aの先端にブラシ状の給電体61aが設けられ、この給電体61aに上記砥石軸が回転可能な状態で接触せしめられ、これにより該砥石軸を介して砥石車2(具体的には、導電性砥石21)に直流電源が供給可能とされている。
【0020】
放電ツルーイング電極3は、上記環状研削面21aに対して放電ツルーイングを施すための電極であって、給電線6bを介して上記直流電源装置7の(−)極に電気的に接続されている。この放電ツルーイング電極3は、後述するツルーイング電極駆動手段4の先端に回転可能に取り付けられた幅狭の小円盤状の形態からなる電極(ロータリ電極)とされ、その外周面が、砥石車2の環状研削面21aに対向する円筒状電極面31とされている。
【0021】
ツルーイング電極駆動手段4は、図2(a) に示すように、上記放電ツルーイング電極3を環状研削面21aの最外周端縁21bと最内周端縁21cとを含む範囲でトラバース移動させるための装置であって、本実施形態では図3および図4に示す構造を備えている。
【0022】
このツルーイング電極駆動手段4は、図3に示すように、基台41と、この基台41上に図示しない旋回駆動手段を介して回転運動可能に設けられた旋回台42と、この旋回台42上に固定的に取り付けられたアーム部材43とを主要部として構成される。
【0023】
そして、上記放電ツルーイング電極3の回転軸32が、このアーム部材43の先端に軸受431を介して回転可能に保持されており(図4参照)、この回転軸32が後述する動力伝達機構を介して電極回転駆動手段44と連係されることによって放電ツルーイング電極3が回転駆動可能とされている。
【0024】
具体的には、本実施形態では、上記電極回転駆動手段44は上記旋回台42上に固定的に設けられた電動モータ441で構成され、このモータ441の出力軸442が上記アーム部材43の基端側に軸受432を介して保持されている。そして、上記回転軸32と出力軸442にそれぞれ動力伝達機構としてプーリ321、443が設けられ、これらがベルト444によって連係されている。
【0025】
なお、上記回転軸32の先端には、上述した直流電源装置7の(−)極と接続するための給電体61bが設けられており、これにより放電ツルーイング電極3に(−)の電圧が印加可能とされている。また、これに伴って、上記回転軸32の軸受431としては、漏電防止の観点からセラミック製の軸受が好適に採用される。
【0026】
また、このツルーイング電極駆動手段4には、後述する放電ツルーイング時において放電ツルーイング電極3を冷却するためのクーラント(冷却液)を供給するクーラント供給手段45と、上記放電ツルーイング電極3に付着したクーラントを除去するためのクーラント除去手段46とが設けられている。
【0027】
上記クーラント供給手段45は、図示しないクーラント供給源と、上記アーム部材43の先端に放電ツルーイング電極3の内側面に臨んで設けられるクーラント噴出口451と、これらを接続するクーラント供給用の配管452とで構成される。そして、上記クーラント供給源から加圧供給されたクーラントが、上記配管452を経てクーラント噴出口451から放電ツルーイング電極3の内側面に吹きつけられるように構成されている。
【0028】
一方、クーラント除去手段46は、上記クーラント供給手段45によって放電ツルーイング電極3に吹きつけられたクーラントを除去して放電ツルーイング電極3の円筒状電極面31と導電性砥石21の環状研削面21aとの電気的な絶縁を確保するための手段であって、本実施形態では、エア噴射によって上記クーラントの除去が行なわれる。
【0029】
具体的には、このクーラント除去手段46は、図示しないエア供給源と、上記アーム部材43の先端に放電ツルーイング電極3の円筒状電極面31に臨んで設けられるエア噴射ノズル461と、これらを配管接続するエア供給用の配管462とで構成される。そして、上記エア供給源から加圧供給されたエアが、上記配管462を経てエア噴射ノズル461の先端から放電ツルーイング電極3の円筒状電極面31に吹きつけられ、これによって上記円筒状電極面31に付着したクーラントが除去されるように構成されている。
【0030】
なお、本実施形態では、研削装置1が縦軸の両頭平面研削装置であることから、上記エア噴射ノズル461は、砥石車2の数に対応して、図3に示すように、アーム部材43の側面に上下一対設けられている。また、このエア噴射ノズル461は、上述したように放電ツルーイング電極3と導電性砥石21の電気的な絶縁を確保するために設けられているため、これらの間隙にエアを噴射可能なように、その取り付けにあたってはノズル先端のエア噴射方向の調節が可能に取り付けられている(図3の二点鎖線参照)。さらに、このエア噴射ノズル461の先端部は、上記クーラント噴出口451から供給されるクーラントが放電ツルーイング電極3の内側面に吹きつけられるのを阻害しないように、図4に示すように、円筒状電極面31の中央よりやや外側に偏心して設けられる。
【0031】
制御手段5は、平面研削装置1の各部の動作を制御する制御中枢であって、具体的には、所定の制御プログラムを記憶してなるマイクロコンピュータで構成される。つまり、この制御手段5によって、上記砥石車駆動手段、砥石車切込駆動手段、旋回駆動手段および電極回転駆動手段44等の動作が制御され、これにより、砥石車2の回転数や切り込み量の他、放電ツルーイング電極3のトラバース移動(移動方向や移動速度)や電極への電圧の印加、さらには上記クーラント供給源やエア供給源の加圧動作などが相互に関連付けられて制御可能とされている。
【0032】
しかして、このように構成された平面研削装置1においては、砥石車2のツルーイングに際して、上記制御手段5が砥石車2および放電ツルーイング電極3等を以下のように制御することによって、砥石車2の機上放電ツルーイングが行なわれる。
【0033】
A:ツルーイングの基本原理および基本動作
まず、ツルーイングの開始にあたり、上記制御手段5は、上記砥石車2,2の間隔ならびに砥石車2,2の回転数を予め定められた所定の状態に設定するとともに、上記放電ツルーイング電極3を所定の回転数で回転駆動させる。
【0034】
また、これらの処理と並行して、上記制御手段5は、直流電源装置7の電源を投入し、砥石車2,2および放電ツルーイング電極3に所定の電圧を印加する。
【0035】
そして、これらの処理が完了すると、次に上記制御手段5は、上記旋回台42の旋回駆動手段を動作させ、放電ツルーイング電極3を環状研削面21aの最外周端縁21b側から最内周端縁21c側に向かってトラバース移動させる(図2(a) 参照)。
【0036】
この時、上記環状研削面21aには(+)の電圧が印加され、放電ツルーイング電極3には(−)の電圧が印加されているので、放電ツルーイング電極3の進行にともなって両電極間で放電作用が生じ、これにより図5(a) に示すように、導電性砥石21のメタルボンドB部分が溶解除去され、環状研削面21aが新たに成形される。なお、本実施形態においては、上記クーラント噴出口451から噴射されたクーラントが、エア噴射ノズル461から噴射されるエアによってミスト状態となって上記環状研削面21aと放電ツルーイング電極3との間に介在するため、これによって放電効果の増大が図られている。
【0037】
この放電作用による環状研削面21aの成形過程をより詳細に説明すると、まず、図6に示すように、放電ツルーイング電極3を環状研削面21aの最外周端部21bから最内周端部21bに向けてトラバース移動させて環状研削面21aの表面部分のメタルボンドBが溶解除去する(図6(a) 参照) 。
【0038】
そして、上記トラバース移動により、放電ツルーイング電極3が環状研削面21aの最内周端部21cまで到達すると(図6(b) 参照)、今度は、砥石車2,2に所定の切り込み動作を与えて、再び放電ツルーイング電極3を最外周端部21bに向けてトラバース移動させる(図6(c) 参照)。
【0039】
そして、上記環状研削面21aが所望の形に成形されるまで、放電ツルーイング電極3のトラバース移動と砥石車2,2の切り込み動作が繰り返し行なわれる。
【0040】
このように、本実施形態に示す平面研削装置1によれば、砥石車2,2のツルーイングが、放電ツルーイング技術を用いることによって環状研削面21aのツルーイングが非接触で行なわれるので、両頭平面研削装置のツルーイングにおいても、図5(b) に示すようにアーム部材43が撓むことなく高精度のツルーイングを行なうことが可能となる。
【0041】
B:トラバース移動の速度制御
上述したように本発明の平面研削装置1では、放電ツルーイング電極3を環状研削面21aに沿ってトラバース移動させながら砥石車2,2のツルーイングが行なわれるが、砥石車2,2の回転数が一定回転数に維持されている場合、放電ツルーイング電極3を一定速度でトラバース移動させたのでは、環状研削面21aの内外周部位における周速度の相違から均一なツルーイングを施すことができない。
【0042】
そのため、本実施形態の平面研削装置1では、上記制御手段5において、トラバース移動中に、放電ツルーイング電極3に対面する環状研削面21aの周速度が常にほぼ一定となるように、以下のようなトラバース移動速度の基本制御が行なわれる。
【0043】
すなわち、本実施形態では、放電ツルーイング電極3のトラバース移動が上記旋回駆動手段の回転駆動によって実現されているので、上記制御手段5は、放電ツルーイング電極3のトラバース移動に同期して、上記放電ツルーイング電極3が環状研削面21aの外周付近に位置する場合にはトラバース速度を遅くなるように、また、環状研削面21aの内周付近に位置する場合には早くなるように、上記旋回駆動手段の回転速度を調節する基本制御を行い、放電ツルーイング電極3に対面する環状研削面21aの単位面積あたりの除去量を一定に保つ。
【0044】
なお、このトラバース移動速度の制御に際しては、上記旋回駆動手段の回転速度は一定に保持し、放電ツルーイング電極3のトラバース移動に同期させて砥石車2の回転数を調節するように構成することも可能である。
【0045】
このように、本実施形態では、トラバース移動中の放電ツルーイング電極3に対面する環状研削面21aの単位面積当たりの除去量が一定となるように、放電ツルーイング電極3のトラバース移動速度または砥石車2の回転数が制御されるので、環状研削面21aの全面にわたって均一なツルーイングが実現される。
【0046】
ところで、このトラバース移動速度の制御に関して、ツルーイングの対象となる砥石車2が型崩れするなどして環状研削面21aに凹凸(ギャップ)が生じている場合には、上述したトラバース移動速度の基本制御のみではこれらギャップを完全に取り除くのに上述したトラバース移動を繰り返し行なう必要が生じる。そのため、本実施形態では、上述したトラバース移動速度の基本制御は、制御手段5によって以下のように修正されている。
【0047】
すなわち、この場合、上記直流電源装置7に放電ツルーイング時の放電電圧を検出する放電電圧検出手段(図示せず)を設けて放電電圧を検出し、この放電電圧に基づいて上記トラバース移動速度の修正が行なわれる。
【0048】
具体的には、砥石表面が突出していると放電電圧は低くなる一方、砥石表面が陥没していると放電電圧は高くなることから、これらを上記制御手段5で検出して、砥石表面が突出している場合にはトラバース移動速度を遅らせて突出した部分のメタルボンドBを集中的に除去する一方、砥石表面が陥没している場合にはトラバース移動速度を速めてメタルボンドBの除去量を少なくする。つまり、砥石表面の凹凸に応じてトラバース移動速度を修正することにより、放電ツルーイング電極3のトラバース移動の繰り返しを少なくすることができ、これにより、短時間でのツルーイングが実現され得る。
【0049】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々設計変更可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態では、本発明を縦軸の両頭平面研削装置に適用した場合を示したが、本発明は縦軸の両頭平面研削装置に限らず、図7(a) に示すような横軸の両頭平面研削装置にも適用可能であり、さらには両頭平面研削装置に限らず図7(b) に示すようないわゆる単頭の平面研削装置にも適用可能である。つまり、本発明は、放電ツルーイング電極3を平面研削装置1の環状研削面21aに沿って相対的にトラバース移動させながら放電ツルーイングを施すものであれば、どのうようなタイプの平面研削装置においても適用可能である。
【0051】
また、上記実施形態では、放電ツルーイング電極3として回転駆動されるロータリ電極の形態を示したが、この放電ツルーイング電極としては回転駆動されない固定電極を採用することも可能である。
【0052】
また、上記実施形態では、放電ツルーイング電極3をトラバース移動させるにあたり、アーム部材43を旋回させて行なう場合を示したが、たとえば図2(b) に示すように、アーム部材43を進退入させることによって放電ツルーイング電極3をトラバース移動させることも可能である。
【0053】
また、上記実施形態では、放電ツルーイング電極3のトラバース移動に際し、放電ツルーイング電極3をスライドさせる場合を示したが、砥石車2をスライドさせて放電ツルーイングを施すことも可能である。
【0054】
さらに、上記実施形態では、環状研削面21aがフラットな場合を示したが、放電ツルーイング電極3のトラバース移動に同期させて砥石車2の切り込み量を変化させることにより、たとえば図8に示すような形状にツルーイングすることも可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、導電性砥石を用いた平面研削装置のツルーイングにあたり、放電ツルーイング電極の位置を平面研削装置の環状研削面に対して相対的にトラバース移動させながら放電ツルーイングが行なわれるので、ツルーイングにかかる所要時間を従来のラップ技術を用いたツルーイングより大幅に短縮できる。
【0056】
また、放電ツルーイング電極と環状研削面とが非接触でツルーイングが行なわれるので、研削砥石の砥粒刃先が磨耗せず、砥粒の切れ味が鈍ることがないので、高精度のツルーイングを行なうことができる。特に、両頭平面研削装置のツルーイングにおいては、従来のようなアームの撓みによる歪みが解消でき、より高精度なツルーイングを実現できる他、一回のツルーイング作業で二枚の研削砥石を同時にツルーイングできるので作業時間を大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る導電性砥石のツルーイング方法を適用した縦軸両頭平面研削装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】同平面研削装置における放電ツルーイング電極のトラバース移動の状態を示す説明図である。
【図3】同平面研削装置において放電ツルーイング電極をトラバース移動させるツルーイング電極駆動手段の概略構成を示す側面図である。
【図4】同ツルーイング電極駆動手段の概略構成を示す平面図である。
【図5】本発明に係る導電性砥石のツルーイング方法を説明する説明図であり、図5(a) は縦軸両頭平面研削装置における放電ツルーイングの原理を、図5(b) は同平面研削装置のツルーイング時におけるアーム部材の状態をそれぞれ示している。
【図6】同上平面研削装置における放電ツルーイングの過程の一例を作業手順に従って示した説明図である。
【図7】本発明に係る導電性砥石のツルーイング方法の適用例を示す説明図であり、図7(a) は横軸の両頭平面研削装置への適用例を、図7(b) は単頭の平面研削装置への適用例を示している。
【図8】同ツルーイング方法を用いた研削面の成形例を示す説明図である。
【図9】従来の平面研削装置における砥石車のツルーイング方法を説明する説明図であり、図9(a) はツルーイング時の研削砥石の状態を拡大して示し、図9(b) はツルーイング時における目立て砥石を支持するアーム部材の状態を強調的に示している。
【符号の説明】
1 平面研削装置
2 砥石車
21 導電性砥石
21a 環状研削面
3 放電ツルーイング電極
31 円筒状電極面
4 ツルーイング電極駆動手段
41 基台
42 旋回台
43 アーム部材
45 クーラント供給手段
451 クーラント噴出口
46 クーラント除去手段
461 エア噴射ノズル
5 制御手段
6a,6b 給電線
61a,61b 給電体
7 直流電源装置
A 砥粒
B 結合材料

Claims (8)

  1. 回転駆動される砥石車の環状研削面で工作物の研削を行なう平面研削装置であって、前記環状研削面が導電性結合材料により砥粒が結合されてなる導電性砥石によって形成されたものにおいて、
    放電ツルーイング電極を前記環状研削面に臨んで配置させるとともに、該放電ツルーイング電極の位置を前記環状研削面に対して相対的にトラバース移動させながら環状研削面に放電ツルーイングを施すように構成し、
    前記放電ツルーイング電極の前記環状研削面に対する相対的なトラバース移動速度を、前記放電ツルーイング電極に対面する前記環状研削面の周速度が一定となるように基本制御するとともに、前記放電ツルーイング時の放電電圧に基づいて前記基本制御に修正を加えて前記トラバース移動速度を修正する
    ことを特徴とする平面研削装置のツルーイング方法。
  2. 前記放電ツルーイング電極を、前記環状研削面の最外周端縁と最内周端縁を含む範囲でトラバース移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の平面研削装置のツルーイング方法。
  3. 前記放電ツルーイング電極の前記環状研削面に対する相対的なトラバース移動速度の制御は、前記放電ツルーイング電極のトラバース移動速度または砥石車の回転数を調節して、トラバース移動中の放電ツルーイング電極に対面する環状研削面の周速度が一定となるようにする
    ことを特徴とする請求項2に記載の平面研削装置のツルーイング方法。
  4. 導電性結合材料により砥粒が結合されてなる導電性砥石を用いた砥石車を備える平面研削装置において、
    前記砥石車の環状研削面に対向して配される放電ツルーイング電極と、
    この放電ツルーイング電極を、前記環状研削面の最外周端縁と最内周端縁を含む範囲でトラバース移動させるツルーイング電極駆動手段と、
    前記ツルーイング電極駆動手段による放電ツルーイング電極のトラバース移動速度を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記放電ツルーイング電極の前記環状研削面に対する相対的なトラバース移動速度を、前記放電ツルーイング電極に対面する前記環状研削面の周速度が一定となるように基本制御するとともに、前記放電ツルーイング時の放電電圧に基づいて前記基本制御に修正を加えて前記トラバース移動速度を修正するように構成されている
    ことを特徴とする平面研削装置。
  5. 前記ツルーイング電極駆動手段が、前記放電ツルーイング電極を前記環状研削面に沿って旋回運動させる構造を備えたことを特徴とする請求項4に記載の平面研削装置。
  6. 前記ツルーイング電極駆動手段が、前記放電ツルーイング電極を前記環状研削面に沿って進退運動させる構造を備えた
    ことを特徴とする請求項4に記載の平面研削装置。
  7. 前記放電ツルーイング電極が、ロータリ電極の形態とされている
    ことを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の平面研削装置。
  8. 前記ロータリ電極を冷却するためのクーラントを供給するクーラント供給手段と、前記ロータリ電極に付着したクーラントを除去するためのクーラント除去手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項7に記載の平面研削装置。
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