JP2000317177A - ミシンの下糸手繰装置 - Google Patents

ミシンの下糸手繰装置

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JP2000317177A JP11126310A JP12631099A JP2000317177A JP 2000317177 A JP2000317177 A JP 2000317177A JP 11126310 A JP11126310 A JP 11126310A JP 12631099 A JP12631099 A JP 12631099A JP 2000317177 A JP2000317177 A JP 2000317177A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鳩目穴かがり縫いを行なうミシンにおいて、
ルーパー土台に配置されて下糸を手繰る下糸手繰装置の
駆動源を一元化して、コストダウンを図る 【解決手段】 回転するルーパー土台21の支持枠31
bの正面側に下糸の糸調子を解除するとともに下糸を手
繰る下糸手繰手段50を設ける。また、支持枠31bの
背面側に下糸手繰手段50を駆動させる駆動手段60を
設ける。これにより、ルーパー土台21の回転角度に関
係なくいつでも、下糸手繰手段50により下糸を手繰っ
て繰出すことができる。従って、従来のように下糸手繰
が必要なタイミングのルーパー土台21の回転角度に対
応して、ルーパー土台21の外側に複数の駆動手段を設
ける必要がない。すなわち、下糸手繰装置の駆動源が一
元化されて、部品点数の減少や、組付け作業の省力化に
よりコストダウンを図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸心周りに回転す
る針棒と、該針棒と同期して回転するとともに、ルーパ
ーを有するルーパー土台とを備えて、かがり縫いを行な
うミシンの下糸手繰装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、図6に示すように、被縫製物で
ある布1に滴状の穴である穴部2とこれに連続する直線
状の切込み部3とからなるボタン穴(以下鳩目穴4とい
う)を形成すると共に、布1の鳩目穴4の周囲に対し、
一連のかがり縫いを自動的に実行して縫い目5を形成す
る鳩目穴かがりミシンが供されている。該ミシンは、図
示しないが、アーム部側に設けられ、駆動機構により上
下動及び左右への振れ移動させられる針棒と、ベッド部
の針棒の下側の位置に備えられてこの針棒と同期駆動さ
せられるルーパーと、ベッド部上に備えられ、かつ、被
縫製物がセットされるとともに、送り機構により移動さ
せられる送り台と、布を送り台に押え付ける押えとを有
するものである。
【0003】また、ベッド部には、鳩目穴4の形状に対
応したメスと、該メスに対向して配置されたメス受部と
を備えるとともに、メスとメス受部との間に布1を配置
した状態で、メスとメス受部とのうちの一方を他方に向
かって移動させることにより、布に鳩目穴4を形成する
メス機構が備えられている。そして、上記ミシンにおい
ては、マイコンからなる制御装置により上記各機構が制
御され、送り台上に固定的にセットされた布に対しメス
機構により鳩目穴4を形成するとともに、針棒が布の鳩
目穴4の周囲に沿って移動するように送り台(布)を移
動させつつ、駆動機構により針棒及びルーパーを駆動さ
せてかがり縫いを実行するようになっている。
【0004】この際には、鳩目穴4の切込み部3の一方
の端部(穴部2の反対側の端部)の例えば、右側のa点
から切込み部3に沿うとともに矢印A方向に向かってか
がり縫いを開始する。そして、かがり縫いが穴部2に至
った際には、穴部2に沿って縫い目を右側に移動させつ
つb点までかがり縫いを行なう。次に、穴部2の切込み
部3の反対側の半円状の部分(以下鳩目部6と称する)
の周囲に沿って、矢印Bに示すようにかがり縫いを行な
うときには、縫い目5を放射状とするように、ルーパー
を備えたルーパー土台と針棒とを垂直な回転軸回りに回
転させるようになっている。そして、縫い目5がc点ま
で至り、鳩目部6のかがり縫いが終わった段階では、針
棒及びルーパー土台が180度だけ、反時計回りに回転
した状態となる。そして、この状態のまま、c点からd
点まで、ほぼ矢印Cに沿ってかがり縫いが行なわれるよ
うになっている。
【0005】このような鳩目穴かがり縫いミシンにおい
ては、ルーパー土台を通って繰出される下糸に張力を与
える糸調子がルーパー土台に設けられているので、縫製
が終わった段階で、下糸を切る前に、布1を移動させる
際や、下糸を切る際や、次の縫製時に下糸を十分な長さ
だけ繰出す際などに、糸調子側から下糸を手繰寄せて弛
ませる下糸手繰装置がルーパー土台に設けられていた。
【0006】従来、このような下糸手繰装置は、ミシン
の他の装置の動作に対応して以下のように動作してい
た。まず、縫製が終了した段階で、ミシンにおいては、
上糸切断装置による上糸切断動作が行なわれ、上糸が切
断される。この際には、上糸切断装置の動きが下糸手繰
装置に伝動されて下糸手繰装置が作動し、下糸が繰出さ
れる。
【0007】次に、上糸の切断が終了したミシンにおい
ては、送り台を原点位置(例えば、メス機構による鳩目
穴形成時の送り台の位置)に移動させる。この際には、
下糸は、まだ切断されておらず、ルーパー土台と被縫製
物との間で繋がった状態であり、送り台の移動に伴って
被縫製物が移動することにより下糸が引っ張れることに
なるが、上述のように下糸手繰装置により下糸が手繰ら
れて緩められているので、下糸が引っ張れることにより
被縫製物が引きつるの防止することができる。
【0008】次に、再び、上糸切断装置により上糸切断
動作が行なわれるが、この際には、上述のように既に上
糸が切断されているので、上糸切断装置の動きを下糸手
繰装置に伝動して、上述のように下糸を繰出して弛ませ
るために、上糸切断装置を作動させている。そして、再
び、下糸が繰出されて緩められた状態とされる。続い
て、下糸切断装置により下糸が切断される。この際に下
糸切断装置が下糸を引張ることになるが、ここでも、既
に下糸が緩められているので、下糸が引っ張れることに
より被縫製物が引きつるの防止することができる。
【0009】そして、下糸切断時に下糸が繰出されて切
断されることにより、被縫製物のかがり縫いの縫い目の
終端から所定長さだけ下糸が出た状態で、被縫製物側の
下糸がルーパーから切り離される。次いで、上述のよう
に鳩目部のかがり縫いを行なうことによりほぼ180度
回転した状態の針棒及びルーパー土台が反対方向にほぼ
180度回転させられ(反転させられ)、かがり縫いを
開始する角度に戻される。
【0010】この反転動作の際に、ルーパー土台に設け
られるとともに、下糸手繰装置に連結された受働片に、
ルーパー土台を回動可能に支持しているベッド部の支持
部側に設けられた駆動爪が接触して受働片を動かすこと
により、下糸手繰装置が動作して下糸が繰出される。そ
して、ルーパー土台及び針棒の反転動作が終了すること
で、送り台、ルーパー、針棒などが、次の縫製作業を開
始できる状態に戻るが、この際に、上述のように下糸が
繰出されることにより、次の縫製開始時に下糸がルーパ
ー土台から適切な長さだけ引き出された状態となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の下糸
手繰装置においては、上述のような三回の下糸手繰動作
において、最初の二回は、上糸切断装置の動作に連動し
て作動するようになっており、最後の一回は、ルーパー
土台の反転動作に連動して作動するようになっている。
これは、上糸切断装置がルーパー土台の外側に配置され
た駆動手段から伝動された駆動力により作動させられる
とともに、ルーパー土台が上述のようにほぼ180度回
転した状態で、外部の駆動手段の駆動力が上糸切断装置
に伝動可能な構成となっていることと、最後の三回目の
下糸手繰装置の動作のタイミングが、ミシンの他の動作
との関係で、ルーパー土台の反転動作の開始後となるこ
とによる。
【0012】すなわち、ルーパー土台がほぼ180度回
転した状態でないと、上糸切断装置を用いて下糸手繰装
置を作動させることができないのに、最後に下糸手繰装
置を作動させる際には、ルーパー土台が反転を開始して
おり、上糸切断装置が作動しない状態となっているの
で、ルーパー土台の反転動作を利用して下糸手繰装置を
作動させる必要がある。
【0013】すなわち、従来の下糸手繰装置において
は、少なくとも二系統の駆動手段を必要とすることにな
り、これにより部品点数の増加、ミシン製造時の組付け
作業の煩雑化、コストアップ等を招いていた。また、下
糸の繰出し長さは、鳩目穴の長さ、布や糸等の素材の種
類等により、調整する必要がある。従来の下糸手繰装置
において、下糸の繰出し長さを調整するには、下糸繰出
装置と上糸切断装置とが関係する部分において調整を行
なう必要があるとともに、下糸繰出装置と、上記受働片
と、上記駆動爪とが関係する部分において調整を行なう
必要がある。すなわち、上記下糸手繰装置においては、
メンテナンス箇所が多く、メンテナンスに手間がかかっ
ていた。
【0014】また、下糸手繰りを必要としない上糸切り
のみの仕様のミシンにおいては、下糸手繰りを必要とす
る上述のような仕様のミシンとの部品の統一化を行なっ
てコストダウンを図るために、上糸切りのみの仕様のミ
シンの部材に、該ミシンでは、必要のない加工を行う場
合があった。例えば、上糸切りのみの仕様のミシンにお
いて、上糸切断装置の部品として、下糸手繰装置への駆
動力の伝動に必要な形状を有するものを用いたり、ベッ
ト部の上記支持手段に、ルーパー土台の旋回の駆動力を
下糸手繰機構に伝達するための部品を取り付けるための
加工が施されたものを用いたりしていた。しかし、これ
らの加工(部品形状)は、下糸手繰りを必要としないミ
シンには必要がないものであり、これらの加工を行なう
のにコストがかかることから、部品の統一化によるメリ
ットが低減していた。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、下糸手繰りを行なう装置の駆動源を一元化して、
製造時の組付け作業及びメンテナンスの省力化と、コス
トダウンとを図るとともに、下糸手繰りを必要とする仕
様のミシンの部品を、下糸手繰りを必要としないミシン
の部品に合わせて、これらミシンのコストダウンを図る
ことができるミシンの下糸手繰装置を提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
ミシンの下糸手繰装置は、針棒(17)と、ルーパー
(18)を備えたルーパー土台(21)とをそれぞれ上
記針棒の軸線周りに回転させてかがり縫いを行なうこと
が可能なミシン(10)の下糸手繰装置(40)であっ
て、上記ルーパー土台に設けられ、かつ、張力をかけら
れた状態の下糸(41)をたぐって弛ませる下糸手繰手
段(50)と、上記ルーパー土台に設けられ、かつ、上
記下糸手繰手段を駆動する駆動手段(60)とを備えて
いることを特徴とする。
【0017】上記構成によれば、回転するルーパー土台
に、ミシンの下糸手繰手段を駆動する駆動手段が設けら
れているので、ルーパー土台の回転によりルーパー土台
の角度が変化しても、ルーパー土台上の下糸手繰手段
と、該下糸手繰手段を駆動する駆動手段との接続が切れ
てしまうようなことがなく、一つの駆動手段により、必
要な全てのタイミングで下糸手繰手段を駆動することが
できる。すなわち、ルーパー土台の角度が異なる二回以
上のタイミングで下糸手繰手段を動作させるものとして
も、下糸手繰手段を一つの駆動手段により駆動すること
ができる。
【0018】従って、ルーパー土台が回転するものとし
ても、従来のように、下糸手繰手段に、複数の駆動手段
を接続する必要がないので、部品点数を減らして、ミシ
ンの製造における部品の組付け作業の省力化と、コスト
ダウンを図ることができる。また、二回以上のタイミン
グで下糸手繰手段を動作させるものとしても、下糸手繰
手段を一つの駆動手段により駆動することができるの
で、例えば、下糸手繰手段による下糸の繰出し長さを調
整するようなメンテナンスを行なう場合に、一つの下糸
手繰手段と一つの駆動手段とで調整を行なえば良いの
で、従来のように少なくとも二箇所の駆動手段で調整を
行なう場合に比較して、メンテナンスを省力化できる。
また、従来二箇所あった下糸手繰手段の駆動手段が一箇
所となるので、基本的にメンテナンスを省力化すること
ができる。なお、下糸手繰手段における下糸繰出し長さ
の設定は、ミシンの最初の使用時に行なわれるととも
に、その後に再設定も行なわれるが、両方において省力
化できる。
【0019】また、ルーパー土台に下糸手繰手段用の駆
動手段を設けたので、上糸切断装置に上糸切断動作を下
糸手繰装置に伝動する機構を設けたり、ルーパー土台の
周囲の部材に、ルーパー土台の旋回を下糸手繰手段に伝
動する機構を設けたりする必要がない。これにより、下
糸手繰りを必要とする仕様のミシンと、下糸手繰りを必
要としない仕様のミシンとにおいて、部品の統一化を図
った場合に、上糸切断装置の部品やルーパー土台の周囲
の部品の形状を、従来より形状が簡略で加工数の少ない
下糸手繰りを必要としないミシンの部品に合わせること
ができる。従って、異なる仕様のミシンの部品を統一化
した際に確実にコストダウンを図ることができる。
【0020】また、下糸手繰手段が、ミシンの他の装置
の動作を伝動されて駆動されることなく、ルーパー土台
に設けられ、かつ、下糸手繰手段が専用して使用可能な
駆動手段により駆動されるので、ミシンの他の装置の動
作に関係なくいつでも任意に下糸手繰手段を駆動させる
ことができる。従って、例えば、下糸を手繰る一回のタ
イミングにおいて、下糸手繰手段を複数回作動させても
良いものとし、上述のタイミングで下糸を繰出す際に、
下糸手繰手段の作動回数を調整することで、糸の繰出し
長さを調整することも可能である。
【0021】なお、上記駆動手段とは、例えば、エアシ
リンダ等のシリンダ装置、電磁ソレノイド、モータなど
であり、下糸手繰手段が張られた状態の糸を手繰る動作
を駆動できるものならば良い。また、下糸手繰手段は、
糸を係止した状態で、張られた状態の糸をその供給側
(糸巻き側)から引張る方向成分を有する移動を行なう
ようになっていれば良く、例えば、張られた糸とほぼ直
交する方向に移動するものでも良い。また、下糸手繰手
段により下糸を手繰る際には、下糸を布側から引張って
布を引きつらせないように、下糸を手繰るタイミング
で、下糸に張力を与えている糸調子を解除して、下糸の
供給側から大きな抵抗なく下糸を引き出せる状態として
おく必要があり、ミシンに上記タイミングで糸調子を解
除する機構が設けられている必要がある。
【0022】本発明の請求項2記載のミシンの下糸手繰
装置は、上記請求項1記載のミシンの下糸手繰装置にお
いて、上記ルーパー土台の上記ルーパーより下方に設け
られ、該ルーパーを駆動するルーパー駆動機構等を支持
する支持枠(31b)の正面側に上記下糸手繰手段が設
けられ、上記支持枠の背面側に上記駆動手段が設けられ
ていることを特徴とする。
【0023】上記構成によれば、請求項1記載の構成と
同様の効果を奏することができるとともに、ルーパー土
台のルーパー駆動機構等を支持する支持枠の正面側に下
糸手繰手段を配置し、支持枠の背面側に下糸手繰手段を
駆動する駆動手段を配置しているので、支持枠に対する
部材の取付位置を均等化して、容易に上記駆動手段をル
ーパー土台に取り付けることができる。すなわち、従来
の回転可能なルーパー土台においては、回転中に外部か
ら駆動力を伝達するルーパー駆動機構は、回転の影響を
受けにくいルーパー土台の支持枠の回転中心部に配置さ
れ、下糸手繰装置や下糸の糸調子皿やその他の装置は、
基本的に支持枠の正面側(一方の側面側)に配置されて
いたので、支持枠の背面側(他方の側面側)には、まだ
他の装置を取り付けるだけの空間的な余裕があり、この
支持枠の背面側に、上記駆動手段を取り付けるものとす
れば、ルーパー土台に上記駆動手段を容易に取り付ける
ことができる。
【0024】言い換えれば、ルーパー土台に下糸手繰手
段と、該下糸手繰手段を駆動する駆動手段とをともに配
置するものとした場合に、ルーパー土台の支持枠の正面
側に下糸手繰手段を配置し、支持枠の背面側に上記駆動
手段を配置するものとすれば、その設計を容易なものと
することができるとともに、製造時に上記駆動手段の取
り付け作業を容易なものとすることができる。
【0025】本発明の請求項3記載のミシンの下糸手繰
装置は、請求項2記載のシンの下糸手繰装置において、
上記支持枠の背面側に設けられ、かつ、上記駆動手段と
なるエアシリンダ(例えば、下糸手繰シリンダ61)も
しくはソレノイドと、上記駆動手段の直線運動を回転運
動に変換して支持枠の正面側の下糸手繰手段に伝動する
伝動手段(例えば、下糸手繰駆動腕64)とが備えら、
かつ、上記下糸手繰手段として、上記支持枠の正面側に
設けられるとともに、上記伝動手段に連結されて回転す
る連結部材(例えば、下糸手繰板ベース)と、上記連結
部材に設けられるとともに、上記下糸に張力をかける糸
調子(44c)により張力がかけられた下糸に係合し、
上記連結部材が回転することにより円弧移動した際に上
記下糸を手繰る下糸手繰部材と、上記連結部材の上記糸
調子に対応する位置に設けられ、上記連結部材が回転す
ることにより円弧移動した際に、上記下糸手繰部材が上
記下糸を手繰るタイミングで、上記糸調子に接触して、
上記糸調子による下糸の張力を解除する張力解除部材と
が備えられていることを特徴とする。
【0026】上記構成によれば、請求項1記載の構成と
同様の作用効果を奏することができるとともに、連結部
材に取り付けられた下糸手繰部材が下糸を手繰るタイミ
ングで、連結部材に取り付けられた張力解除部材が下糸
の張力を解除するので、下糸を手繰った際に、糸調子の
先側の糸を供給する糸巻き側から糸を繰出すことができ
る。すなわち、下糸手繰手段は、下糸を手繰る際に糸調
子を解除する機能を有し、下糸を手繰る際に被縫製物側
から下糸を引張らないようになっている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例のミシンの下糸手繰装置を図面を参照して説明する。
ここで、この例のミシンの下糸手繰装置を説明する前
に、この下糸手繰装置を備えた鳩目穴かがり縫いミシン
の概略構成を図1を参照して説明する。
【0028】図1に示すように、この例のミシン10
は、鳩目穴かがり縫いを行なうミシン10としての基本
構成を備えているものである。そして、ミシン10は、
略矩形箱状をなすベッド部12と、該ベッド部12の後
部に設けられた縦胴部13と、該縦胴部13から前方に
延出して設けられたアーム部14とを備えたミシン本体
15と、該ミシン本体15が載置されるミシンテーブル
(図示略)とを備えたものである。
【0029】そして、前記アーム部14の先端部には、
下方に延出するように、下端部に縫い針16を備えた針
棒17が上下動及び左右への振れ移動が可能に設けられ
ている。また、前記ベッド部12には、この針棒17に
対向して、ルーパー18,18(図2に図示)と該ルー
パー18、18を補助するスプレッダ19,19(図2
に図示)と、上糸を切断する上糸切りメス20等を有す
るルーパー部21aを上部に備えたルーパー土台21が
設けられている。なお、ルーパー土台21については、
後に詳述する。
【0030】そして、ミシン本体15内には、針棒17
を上下動及び左右への振れ移動させると共に、それと同
期してルーパー18,18及びスプレッダ19,19を
駆動させるための各駆動機構が次のようにして設けられ
ている。すなわち、ベッド部12内において、ルーパー
18、18及びスプレッダ19、19を駆動するための
下軸(図示略)に、主軸サーボモータ(図示略)が接続
され、下軸が回転駆動されるようになっている。なお、
ルーパー18,18及びスプレッダ19,19は、ルー
パー駆動機構及びスプレッダ駆動機構を介して下軸に接
続されている。また、下軸はアーム部14内の上軸(図
示略)にタイミングベルトを備えた伝動機構(図示略)
を介して接続され、下軸から伝動して上軸を駆動するよ
うになっている。
【0031】そして、上軸は、図示しない針棒上下駆動
機構及び針棒振り機構を介して針棒17に接続され、針
棒17を上下に駆動するとともに左右に振るようになっ
ている。また、針棒17及びルーパー土台21は、Z軸
パルスモータ(図示略)とタイミングベルト30aや伝
動シャフト30b等を備えた伝動手段(一部図示略)と
を有する回動機構に接続されており、針棒17とルーパ
ー土台21が同期して垂直な回転軸回りを回転するよう
になっている。これは、従来技術で述べたように鳩目穴
の鳩目部の周囲をかがり縫いする際に縫い目を放射状と
するための機構である。
【0032】そして、ベッド部12の上面部には被縫製
物である布がセットされる送り台22(図1に断面で図
示)が設けられていると共に、この送り台22の上面部
分には布を押えるための一対の布押え23(上げた状態
で図示)が設けられている。この送り台22は、全体と
して下面が開放した薄形の矩形箱状をなし、その上面に
は、前記一対の布押え23間に位置して前後方向に長い
開口部が設けられている。そして、この送り台22は、
ベッド部12内に設けられたX軸パルスモータ(図示
略)及びY軸パルスモータ(図示略)などからなる送り
機構により、X方向(左右方向)及びY方向(前後方
向)に水平移動されるようになっている。
【0033】また、ミシン10には、布に鳩目穴をあけ
るメス機構が設けられている。メス機構は、ベッド部1
2側に設けられたメス受台(図示略)と、該メス受台の
上方側に上下動自在に設けられた可動メス24と、該可
動メス24を上下動させるための布切りシリンダ(図示
略)を備えたメス駆動機構とを備えたものである。な
お、この例のメス機構においては、可動メス24が円弧
に沿って上下動するのではなく、直線状に上下動するよ
うになっている。そして、メス機構は、メス受台と可動
メス24との間に布をセットした状態で、可動メス24
をメス受台に向かって降ろすことで、布を押し切りする
ようになっている。
【0034】また、ミシン10には、鳩目穴を開けた部
分を開く図示しない布開き機構や、下糸や芯糸を切断す
る図示しない下糸切り機構等が備えられている。また、
ミシン10には、上記ルーパー土台21に、本発明に係
る下糸手繰装置40が設けられている。また、ミシン1
0には、上述の各機構等の動作を制御する図示しない制
御装置を有し、予め設定されたパラメータに基づいて、
制御装置が各機構の動作を制御して、鳩目穴を開けると
ともにかがり縫いを自動的に行い、かつ、これらの動作
に付帯する動作を自動的に行なうようになっている。
【0035】次に、この一例の下糸手繰装置40が設け
られたルーパー土台21を説明する。ルーパー土台21
は、図2〜図4に示すように、その基体31に種々の部
材を取付けて構成されている。すなわち、基体31は、
ベット部12側に設けられてルーパー土台21を回動自
在に支持する図示しない支持部に設けられた円形孔に摺
動自在に嵌合する円環部31aと、この円環部31aの
上部に設けられた図示しない支持板と、円環部31aの
下部に設けられた矩形枠状の支持枠31bと、支持枠3
1bから下方に配置され、ルーパー土台21を回転させ
るタイミングベルト(図示略)がかけられるプーリ等が
配置される下部31c(図1に図示)とを備えている。
【0036】なお、図2及び図3においては、ルーパー
土台21の支持枠31bより下の部分の図示を省略し、
図4及び図5においては、ルーパー土台21の円環部3
1aより上の部分と、支持枠31bより下の部分との図
示をそれぞれ省略している。そして、円環部31aの上
部の支持板上には、上記ルーパー部21aが配置されて
いる。そして、ルーパー部21a、すなわち支持板上に
は、ルーパー18、18、スプレッダ19,19、針穴
を有する舌片部35、上糸切りメス20等が駆動可能に
備えられている。
【0037】また、上糸切りメス20は、図示しない上
糸切断装置の一部として配置されているが、該上糸切断
装置は、従来のように下糸手繰装置に連結されて下糸手
繰装置を作動させるような機構を有しておらず、下糸切
断装置がなく上糸切断装置のみを有して、下糸手繰りを
必要としない仕様のミシンと同様の構成のものとなって
いる。なお、従来、下糸手繰装置を有する仕様のミシン
と、下糸手繰装置が無い仕様のミシンとでルーパー土台
21関係の部品の統一化を図った場合に、前者のミシン
には、下糸手繰装置を作動させるために上糸切断装置に
後者にはない構成があるので、前者のミシンで用いられ
る部品を後者のミシンで用いることになり、後者のミシ
ンには、本来必要でない余分な構成が存在することにな
った。
【0038】しかし、この例においては、前者のミシン
においても上糸切断装置に下糸手繰装置を作動させるた
めの構成を設ける必要がなく、元々、下糸手繰装置を作
動させるための構成がない後者のミシンの部品を、前者
のミシンに流用することで、両者のミシンにおいて、部
品の統一化を図ることができる。そして、この場合に
は、両者のミシンにおいて、本来必要でない構成が含ま
れないので、部品の統一化により、さらなるコストダウ
ンを図ることができる。また、図2に示すように、上糸
切りメス20は、支持板側に回動自在に取り付けられた
上糸切り作動腕20aに、上糸切り調節台組20bを介
して取り付けられている。また、上糸切り作動腕20a
には、一端部を支持枠31bに接続された上糸切り戻し
バネ20cの他端部が接続され、該上糸切り戻しバネ2
0cに付勢された状態となっている。また、ベッド部1
2のルーパー土台21を回動自在に支持する側には、上
記上糸切り作動腕20aを駆動させるための駆動機構が
配置されており、該駆動機構も基本的に上述の後者のミ
シンで用いられるものが用いられている。
【0039】上記支持枠31bは、基本的に上下に長い
矩形枠状に形成される。そして、支持枠31bの中央部
には、上下に延在する中心線(回転中心)に沿って、管
状のルーパー駆動軸42が配置されるとともに、該ルー
パー駆動軸42内に管状のスプレッダ駆動軸43が配置
されている。なお、スプレッダ駆動軸43は、ルーパー
駆動軸42より上方に延出するようになっており、ルー
パー駆動軸42の上端からスプレッダ駆動軸43が延出
した状態となっている。また、スプレッダ駆動軸43内
には、図示しない糸巻きから舌片部35の針穴に向かう
下糸41が、スプレッダ駆動軸43の下端から上端に向
かって、スプレッダ駆動軸43内を通っている。また、
ルーパー駆動軸42及びスプレッダ駆動軸43の下部
は、ルーパー土台21の下部31c内を通ってルーパー
土台21の下方に延出し、図示しない下軸に、図示しな
い伝動機構を介して連結されている。
【0040】また、ルーパー駆動軸42の上端部には、
ルーパー駆動軸ガイド42aを介して、ルーパー駆動ロ
ッド42bの下端部が接続され、該ルーパー駆動ロッド
42bの上端部がルーパー取付台42c等を介して、ル
ーパー18,18に連結されている。また、スプレッダ
駆動軸43の上端部には、スプレッダ駆動軸ガイド43
aを介して、スプレッド駆動ロッド43bの下端部が接
続され、該スプレッダ駆動ロッド43bの上端部がスプ
レッダ作動カム43c等を介してスプレッダ19,19
に接続されている。
【0041】なお、上糸切り戻しバネ20c、ルーパー
駆動ロッド42b、スプレッダ駆動ロッド43b等は、
支持枠31bの正面側に配置されている。また、支持枠
31bの正面側には、スプレッダ駆動軸43を通ってそ
の上端部から出た下糸41を取出すとともに張力を掛け
て舌片部35の針穴側に導く、下糸取出し部44が配置
されている。下糸取出し部44は、ルーパー土台21の
基体31の支持枠31bの正面側に取り付けられたフレ
ーム部44aと、該フレーム部44aに取り付けられた
以下の部材、すなわち、ねじりバネである下糸取りバネ
44b、調子皿方式の糸調子44c、第一の糸掛け部4
4d、第二の糸掛け部44e等とを備えている。
【0042】そして、下糸取りバネ44bは、コイル部
分が回転可能にフレーム部44aに支持されるととも
に、その一端部がフレーム部44aに固定され、他端部
側に規制部材44gに付勢方向(図中右方向)への移動
が規制された状態で上方に延出する延出部が形成される
とともに、該延出部の先端部がリング状とされている。
【0043】また、上記糸調子44cは、フレーム部4
4aの下端部に取り付けられ、該フレーム部44aの糸
調子44cの上側に第二の糸掛け部44eが設けられ、
この第二の糸掛け部44eの上側に上記第一の糸掛け部
44dがもうけられている。そして、第一の糸掛け部4
4d及び第二の糸掛け部44eにおいては、スプレッダ
駆動軸43の上端部側から糸調子44c側に向かう下糸
41がルーパー土台21の外より側を通り、糸調子44
cに掛けられて舌片部35の針穴側に向かう糸がルーパ
ー土台21の内より側を通るように下糸41が掛けられ
ている。
【0044】従って、下糸41は、ルーパー土台21の
中心部にあるスプレッダ駆動軸43の上端部からルーパ
ー土台21の外側に向かって延出して第一の糸掛け部4
4dの外より側の部分に至り、第一の糸掛け部44dに
掛けられて方向を下側に向けられる。そして、下糸41
は、第一の糸掛け部44dの外より側の部分から、第二
の糸掛け部44eの外より側の部分に掛け渡された後
に、糸調子44cに掛け渡される。そして、糸調子44
cに掛けられた下糸41は、第二の糸掛け部44eの内
より側の部分に掛け渡され、さらに第一の糸掛け部44
dの内より側の部分に掛け渡される。そして、第一の糸
掛け部44dの内より側の部分に掛けられた下糸41
が、下糸取りバネ44bのリング部分を通って、円環部
31aの内周側に取り付けられた糸通し管44fを通っ
てルーパー土台21の上部に向かい、ルーパーを経由し
舌片部35の針穴を通って被縫製物側に向かうようにな
っている。
【0045】次に、ルーパー土台21の基体31の支持
枠31bに取り付けられた下糸手繰装置40について説
明する。下糸手繰装置40は、図1〜図4に示すよう
に、ルーパー土台21の支持枠31bの正面側に設けら
れた下糸手繰手段50と、ルーパー土台21の支持枠3
1bの背面側に設けられ、上記下糸手繰手段50を駆動
する駆動手段60とを備えたものである。
【0046】上記下糸手繰手段50は、支持枠31bの
下端部に支点Sを中心として回動自在に取り付けられた
下糸手繰板ベース51と、該下糸手繰板ベース51の回
動の支点Sの部分に設けられた下糸皿浮かし板52と、
下糸手繰板ベース51の回動の支点Sより上の上方に延
出した部分に設けられた下糸手繰板53とを備えるもの
である。上記下糸手繰板ベース51は、支点Sの部分か
ら上方に向かうベース片51aと、該ベース片51aの
下端部の支点Sの位置で支持枠31bの下部に直交する
ように貫通する回転伝達軸51b(図5に破線で図示)
とを備えたものである。
【0047】また、回転伝達軸51bは、支持枠31b
の下端部の軸受け部分に回動自在の受けられた状態とさ
れるとともに、先端部が支持枠31bの背面側に達し
て、支持枠31bの背面側において駆動手段60に接続
されて回転駆動されるようになっている。そして、回転
伝達軸51bは、その支持枠31bの正面側の端部がベ
ース片51aの支点Sの位置に接合されており、ベース
片51aが支点Sを中心に左右に回動移動できるように
なっている。
【0048】下糸皿浮かし板52は、ベース片51aの
支点Sの部分に接合される接合部52aと、該接合部5
2aから延出するとともに、支点Sから僅かに離れた位
置に配置された糸調子44cの近傍(糸調子44cの下
側)に先端部が配置される皿浮かし片52bとからな
る。そして、該皿浮かし片52bは、ベース片51aが
支点Sを中心にその上部を図中向かって右側に回した際
に、上方に移動して糸調子44cの下糸41を挟む二枚
の皿の間に挿入され、二枚の皿の間を広げることで、下
糸41に係った張力を解除するとともに、糸巻き側から
下糸41を容易に繰り出せる状態とするようになってい
る。なお、図5に破線で示すように、皿浮かし片52b
においては、その先端部が、糸調子44cの二枚の皿の
間と対応した位置となるように、その基部がベース片5
1a側から糸調子44c側に屈曲させられている。
【0049】また、下糸皿浮かし板52の接合部52a
は、ベース片51aの外面側の支点Sの位置でベース片
51aを貫通して突出した状態となっている回転伝達軸
51bの基部に回動自在にピン結合された状態となって
いる。また、接合部52aには、支点Sから少し斜め上
の部分に支点Sを中心とする円弧状の長孔52cが設け
られており、この長孔52cの部分で止めねじ52dに
より下糸皿浮かし板52の接合部52aがベース片51
aに締結され、これによりベース片51aに対して下糸
皿浮かし板52が回転不可となるように固定されてい
る。なお、止めねじ52dを緩めるか外した状態では、
下糸皿浮かし板52を支点Sの位置で回動自在となって
おり、下糸皿浮かし板52を回転させてその皿浮かし片
52bを糸調子44cに近づけたり遠ざけたりして、糸
調子44cの解除のタイミングや糸調子44cの二枚の
皿の皿浮かし量を調整できるようになっている。
【0050】下糸手繰板53は、ベース片51aの上端
部に接合される接合板部53aと、該接合板部53aの
上端部から、第一の糸掛け部44dと糸通し管44fと
の間に下糸取りバネ44bを経由して張られた状態の下
糸41を遮る位置に延出する下糸手繰片53bとを備え
た逆L字状のものである。そして、該下糸手繰片53b
には、下糸41を通す長孔53cが形成されている。そ
して、該長孔53cに、糸調子44cに掛けられて張力
が掛けられた後に、第一の糸掛け部44dから糸通し管
44fに掛け渡される下糸41が通されている。これに
より、下糸手繰板ベース51のベース片51aの上部を
例えば、支持枠31bの向かって右側(支持枠31bの
中心側)に回した場合に、下糸手繰板53の上記長孔5
3cに掛けられた状態の下糸41が右側に引張られるこ
とになる。この際に、上述のように糸調子44cによる
張力が下糸皿浮かし板52により解除されているので、
糸巻き側から下糸41が繰出されて下糸41が弛まされ
た状態(緩められた状態)となる。なお、上記長孔53
cは、ベース片51aを回動させた際に下糸手繰片53
bの移動方向に沿って長いものとされている。
【0051】下糸手繰板53の接合板部53aは、二本
の止めねじ53d、53eによりベース片51aに締結
されている。また、接合板部53aの支点Sに近い側の
止めねじ53dが貫通する部分には、止めねじ53dの
径に対応する丸い孔が形成され、接合板部53aの支点
Sから遠い側の止めねじ53eが貫通する部分には、支
点Sに近い側の止めねじ53dが貫通する部分を中心と
する円弧状の長孔53fが形成されている。従って、支
点Sから遠い側の止めねじ53eを緩めるか外した状態
で、支点Sに近い側の僅かに緩められた止めねじ53d
の部分を回転中心として、下糸手繰板53を左右に移動
するようにして、ベース片51aに対する下糸手繰板5
3の位置を調整できるようになっている。
【0052】なお、下糸手繰板53を左右に回動させて
下糸手繰板53の位置を調整した際に、下糸41が下糸
手繰片53bの長孔53cの図中向かって左端側(すな
わち、長孔53cの下糸41を手繰る際の下糸手繰片5
3bの移動方向の反対側の端部)を通るようにした場合
には、下糸41を手繰るために、下糸手繰片53bを予
め設定された範囲で図中向かって左から右に円弧移動さ
せると、移動開始とほぼ同時に、下糸41が下糸手繰片
53bの長孔53cの左端側に掛止されて右に引張られ
ることになり、上述の予め設定された範囲の円弧移動の
全体に渡って、上下に張られた下糸41が右側に引張ら
れることになる。
【0053】一方、下糸皿浮かし板53を左右に回動さ
せて下糸手繰板53の位置を調整した際に、下糸41が
下糸手繰片53bの長孔53cの図中向かって右端側
(すなわち、長孔53cの下糸41を手繰る際の下糸手
繰片53bの移動方向側の端部)を通るようにした場合
には、下糸41を手繰るために、下糸手繰片53bを予
め設定された範囲で図中向かって左から右に円弧移動さ
せると、移動開始直後は、下糸41が長孔53cの右端
から左端に移動した状態となり、下糸41が引張られ
ず、下糸41の位置に長孔53cの左端の位置が来たと
きに、初めて、下糸41が下糸手繰片53bの長孔53
cの左端側に掛止されて右に引張られることになり、上
述の予め設定された範囲の円弧移動のうちの長孔53c
の移動方向に沿った長さを引いた長さだけ、上下に張ら
れた下糸41が右側に引張られることになる。従って、
長孔53cに対する下糸41の位置が長孔53cの右端
から左端の間の任意の位置となるように、下糸手繰板5
3の位置を上述のように調整することで、下糸41の繰
出し量を長孔53cの長さに対応する範囲で任意に調整
することができる。
【0054】上記駆動手段60は、図4及び図5に示す
ように、下糸手繰手段50を駆動するための下糸手繰シ
リンダ61と、該下糸手繰シリンダ61をルーパー土台
21の支持枠31bの背面側に取り付けるための下糸手
繰駆動ベース62と、該下糸手繰駆動ベース62に下糸
手繰シリンダ61を回動自在に取り付けるためのシリン
ダブラケット63と、上記下糸手繰板ベース51の回転
伝達軸51bに接合されて、下糸手繰板ベース51と一
体に回転可能な下糸手繰駆動腕64と、下糸手繰シリン
ダ61のロッド61aと、下糸手繰駆動腕64とを互い
に回動可能に連結するシリンダナックル65と、下糸を
手繰る際の実質的な駆動力を提供する下糸手繰バネ66
(図4に図示)とを備えたものである。
【0055】上記下糸手繰シリンダ61は、単動押出し
型のものであり、図示しない電磁弁を介してエアを注入
することにより、ロッド61aを押出し、エアの注入を
停止して、排気を開とすることにより、シリンダ内の図
示しない戻しバネによりロッド61aが引き込まれるよ
うになったものである。なお、この例においては、下糸
手繰駆動腕64に一端部を連結され、下糸手繰駆動ベー
ス62に他端部を連結された下糸手繰バネ66(コイル
バネ)が、下糸手繰シリンダ61に連結された下糸手繰
駆動腕64を下糸手繰シリンダ61のロッド61aが引
き込む方向に付勢しており、下糸手繰シリンダ61のロ
ッド61aを押出すONの状態からエアを停止するOF
Fの状態にした場合に、下糸手繰バネ66もロッド61
aを引き込むようになっている。
【0056】そして、下糸手繰シリンダ61は、シリン
ダブラケット63に接合されるとともに、シリンダブラ
ケット63が下糸手繰駆動ベース62に段ねじ63aに
より回動可能に取り付けられることで、ロッド61aの
進退方向と直交する方向の回転軸回りに回転可能とされ
ている。また、下糸手繰シリンダ61の基端側(ロッド
61aの反対側)には、ホースエルボ61bを介してフ
レキシブルなエアホース67(図4に図示)が接続され
ている。
【0057】なお、エアホース67は、下糸手繰駆動ベ
ース62に取り付けられたエアホースクランプ68によ
り、下糸手繰駆動ベース62にとめられた後に、ルーパ
ー土台21の外側に配管されている。また、エアホース
67の下糸手繰シリンダ61のホースエルボ61bと、
エアホースクランプ68との間の部分は、下糸手繰シリ
ンダ61の必要な範囲の回動移動を妨げない長さが確保
されている。また、エアホースクランプ68から先のエ
アホース67は、ルーパー土台21のほぼ180度の範
囲の回転及び逆回転を妨げないように配管され、下糸手
繰シリンダ61を作動させるための図示しない電磁弁に
接続されている。そして、該電磁弁は、ミシン10の制
御装置により制御されるようになっている。
【0058】また、下糸手繰シリンダ61の斜め下方を
向いたロッド61aの先端部には、上記シリンダナック
ル65を介して、ロッド61aの進退方向に直交する方
向の回転軸回りに回動可能となるように下糸手繰駆動腕
64が連結されている。そして、下糸手繰駆動腕64
は、上述のように上記下糸手繰板ベース51の回転伝達
軸51bに接合される軸接合部64aと、該軸接合部6
4aから回転伝達軸51bの軸方向と直交する方向に延
出する駆動腕部64bとを備え、該駆動腕部64bの回
転中心から離れた位置に上記シリンダナックル65によ
り下糸手繰シリンダ61のロッド61aの先端部が回動
自在に接合されている。そして、下糸手繰シリンダ61
をONとしてロッド61aを押出した場合には、下糸手
繰駆動腕64を図4に示すように支持枠31bの背面側
から見て向かって右側に回動するようになっている。一
方、下糸手繰シリンダ61をOFFの状態にした場合に
は、上述のように下糸手繰駆動腕64に連結された下糸
手繰バネ66と、下糸手繰シリンダ61内の戻しバネと
の付勢力により、下糸手繰駆動腕64を図4に示すよう
に支持枠31bの背面側から見て向かって左側に回動す
るようになっている。そして、このような動作により、
下糸手繰駆動腕64に回転伝達軸51bが接続された下
糸手繰板ベース51を左右に回動できるようになってい
る。
【0059】そして、ルーパー土台21の支持枠31b
の正面側においては、下糸手繰シリンダ61をONとし
た場合には、図2に示すように、下糸手繰手段50の下
糸手繰板ベース51が直立した状態より僅かに向かって
左斜めに傾いた状態となるとともに、その上端部の下糸
手繰板53が下糸41を手繰っていない状態の初期位置
となっている。すなわち、この状態では、下糸41が第
一の糸掛け部44dから下糸取りバネ44bを経由し下
糸手繰板53の長孔53cを通って糸通し管44fに掛
け渡された状態とされている。なお、図示しない支持枠
31bに設けられたストッパにより、下糸手繰板ベース
51がさらに左側に移動しないようになっている。すな
わち、上記ストッパにより、下糸手繰板ベース51は、
下糸手繰シリンダ61のロッド61aを押出した位置で
止められている。
【0060】一方、ルーパー土台21の支持枠31bの
正面側においては、下糸手繰シリンダ61をOFFとし
た場合には、上述のように下糸手繰駆動腕64が下糸手
繰シリンダ61内の戻しバネと下糸手繰バネ66との付
勢力によりロッド61aを引き込む方向に回転させらる
ことにより、これと一体に下糸手繰板ベース51が回転
することで、下糸手繰板ベース51が上述の初期位置か
ら、図3に示すように、直立した状態より僅かに向かっ
て右斜めに傾いた状態となるとともに、その上端部の下
糸手繰板53が下糸41を図中向かって右側に手繰った
状態となる。すなわち、この状態では、第一の糸掛け部
44dから下糸取りバネ44bを経由し糸通し管44f
に掛け渡された下糸41が下糸手繰板53により右側に
引張られることになる。
【0061】次に、上記ミシン10における下糸手繰装
置40の動作を説明する。なお、ミシン10における下
糸手繰装置40の動作タイミングは、基本的に従来のミ
シンにおける下糸手繰装置の動作タイミングとほぼ同様
のものである。まず、従来と同様にミシン10により鳩
目穴かがり縫いの縫製が行なわれる。なお、この際に下
糸手繰シリンダ61はONの状態となっている。次に、
縫製終了後、上糸切断装置が作動して上糸が切断され
る。
【0062】この際に、送り台22が移動を開始する前
に、駆動手段60の下糸手繰シリンダ61をOFFとし
て、上述のように下糸手繰バネ66及び戻しバネの付勢
力により回動する下糸手繰駆動腕64を介して下糸手繰
手段50の下糸手繰板ベース51を回動させる。これに
より、下糸手繰板ベース51の下端部側の下糸皿浮かし
板52を糸調子44c側に移動して、上述のように糸調
子44cの二枚の皿による下糸41の挟持を解除し、下
糸に張力がかかっていない状態とするとともに、下糸手
繰板ベース51の上端部側の下糸手繰板53により、上
述のように下糸41を手繰る。この際には、下糸41に
張力をかけるための糸調子44cによる下糸41の挟持
が解除された状態で、下糸41が手繰られるので、被縫
製物である布側ではなく、下糸41を供給する糸巻き側
から下糸41が、下糸手繰板53の移動量に対応する量
だけ繰出されることになる。
【0063】そして、下糸41が手繰られた後に、下糸
手繰シリンダ61をONとして、下糸手繰シリンダ61
のロッド61aを押出すことにより、下糸手繰バネ66
及び戻しバネの付勢力に抗して下糸手繰手段50を初期
状態に戻す。次に、送り台22が原点位置に戻るために
移動するが、この際に下糸41が必要十分な量だけ繰出
されているので、送り台22とともに下糸41が繋がれ
た布が移動しても、布が引きつるようなことがない。ま
た、この際に、鳩目穴かがり縫いにより180度回転し
た状態のルーパー土台21がほぼ45度だけ逆旋回して
戻ることにより、下糸の切断を行なうために、下糸41
と図示しない芯糸とが図示しない針板の段部によって上
下にわけられる。
【0064】次に、送り台22の移動終了と同時に、再
度、下糸手繰シリンダ61をOFFとして、上述のよう
に下糸41を下糸手繰手段50により必要十分な量だけ
繰出し、次いで、下糸手繰シリンダ61をONとして、
下糸手繰手段50を上述のように、初期状態に戻す。次
いで、下糸41と芯糸とを切断する下糸切り動作を行な
うが、この際に下糸41が引張られる状態となっても、
下糸41が手繰られているので、下糸41が引張られる
ことにより、布が引きつることがない。
【0065】次に布を送り台22に押えていた布押え2
3が上昇する。次に、45度だけ戻った状態のルーパー
土台21をほぼ135度だけ逆旋回させることにより、
原点位置に戻す。次に、再々度下糸手繰シリンダ61を
OFFした後にONすることにより、下糸41を繰出し
て、次回の縫製時に必要な下糸41の繰出し量を確保す
る。そして、布開きを閉じてかがり縫いのワンサイクル
の動作を終了する。
【0066】以上のように、この例のミシン10の下糸
手繰装置40によれば、下糸手繰手段50を駆動する駆
動手段60が、下糸手繰手段50とともに、回転するル
ーパー土台21の支持枠31bに取り付けられているの
で、いつでも、ルーパー土台21の回転角度に関係な
く、下糸手繰手段50により、下糸41を手繰ることが
できる。すなわち、従来のように、下糸41を手繰る必
要がある複数のタイミングにおいて、該タイミングにお
けるルーパー土台21の回転角度の違いによって、ルー
パー土台21に外側にある複数の駆動手段を切り替えて
用いる必要がなく、一つの駆動手段60により下糸41
を手繰る全てのタイミングで下糸手繰手段50により下
糸41を手繰ることができる。
【0067】また、上述のように一つの駆動手段60に
より下糸手繰の必要な全てのタイミングで、下糸41を
手繰ることができるので、ミシン10の設置時に下糸4
1の手繰量等を設定する際や、その後の再設定等のメン
テナンスの際に、一つの駆動手段60と一つの下糸手繰
手段50とにおいて、設定等のメンテナンスを行えば良
く、複数の駆動手段60と一つの下糸手繰手段との複数
の関係において、それぞれ設定等のメンテナンスを行な
う必要がなく、メンテナンスを容易なものとすることが
できる。
【0068】また、従来のように、上糸切断装置や、ル
ーパー土台21の旋回等を用いて下糸手繰装置を作動さ
せる場合には、下糸手繰装置の動作をミシンの他の装置
の動作とのかねあいで考える必要があるが、この例にお
いては、他の装置の動作に関係なく、駆動手段60によ
り下糸手繰手段50を最適なタイミングで動作させるこ
とができる。また、他の装置の動作に関係なく、下糸手
繰装置40を作動させられることから、例えば、下糸手
繰装置40による一回の下糸手繰量を小さなものとし、
一回の動作タイミングにおいて、下糸手繰装置40を高
速で複数回繰り返し作動せることにより、必要な量だけ
下糸を手繰るようにしても良い。このようにすれば、上
述のように下糸手繰量を再設定しなくとも、制御装置に
より、各タイミングにおける下糸手繰装置の作動回数を
変えるだけで、下糸手繰量を変更することができる。ま
た、このようにすれば、各タイミング毎に、下糸手繰量
を変更することもできる。
【0069】また、ルーパー土台21の上糸切断装置
や、ベット部12のルーパー土台21の取り付け部分等
においては、従来あった、駆動力を下糸手繰装置に伝達
する構造が必要なくなり、下糸手繰りを必要としない仕
様のミシンと同様の構成とすることができるので、下糸
手繰りを必要とする仕様のミシンと、下糸手繰りを必要
としない仕様のミシンとで部品の統一化を容易に図るこ
とができる。
【0070】また、上述のように、ルーパー土台21の
上糸切断装置や、ベット部12のルーパー土台21の取
り付け部分等においては、従来あった、駆動力を下糸手
繰装置に伝達する構造とが必要なくなり、下糸手繰装置
40を駆動する手段が二つではなく一つで良いので、部
品点数の削減を図ることができる。従って、ミシン製造
時における組付け作業の省力化と、コストダウンとを図
ることができる。
【0071】また、ルーパー土台21の支持枠31bの
正面側には、ルーパー駆動機構の一部となるルーパー駆
動ロッド42bや、スプレッダ駆動機能の一部となるス
プレッダ駆動ロッド43bや、上糸切り戻しバネ20c
や、糸調子44cを備える下糸取出し部44などの多数
の部材が取り付けられており、支持枠31bの正面側に
下糸手繰手段50を設けるとともに、該下糸手繰手段5
0を駆動する駆動手段60を設けることが難しいが、支
持枠31bの正面側に下糸手繰手段50を設け、支持枠
31bのほとんど部材が配置されていない背面側に駆動
手段60を設けるものとすれば、ルーパー土台21に容
易に駆動手段60を配置することができる。すなわち、
支持枠31bの背面側には、元々、部材があまり配置さ
れていないので、駆動手段60を支持枠31bの背面側
に配置する設計を容易に行なうことができるとともに、
製造時に他の部材に邪魔されることなく、容易に支持枠
31bに駆動手段60を取り付けることができる。
【0072】なお、上記例においては、駆動手段60の
駆動源としてエアシリンダ(下糸手繰シリンダ61)を
用いるものとしたが、エアシリンダに変えて電磁ソレノ
イドを用いるものとしても良いし、駆動手段60として
ステッピングモータ等のモータと、ギア、ベルト等の伝
動手段とを用いて、下糸手繰板ベース51を回動させる
ものとしても良い。また、上記例において下糸手繰シリ
ンダ61のエアホース67は、ルーパー土台21の回転
中心から離れた位置でエアホースクランプ68により固
定された後に、ルーパー土台21の外側に配管されてい
るが、エアホース67がルーパー土台21の回転の影響
を受けにくいように、下糸41と同様にルーパー土台2
1の下端部のほぼ回転中心の位置から外部に配管される
ものとしても良い。また、下糸手繰シリンダ61に変え
て、モータやソレノイドを用いた際に、それらの電源用
の配線をルーパー土台21の下端部のほぼ回転中心の位
置から外部に配線させるものとしても良い。
【0073】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のミシンの下糸手
繰装置によれば、回転するルーパー土台に、ミシンの下
糸手繰手段を駆動する駆動手段が設けられているので、
ルーパー土台の角度が異なる二回以上のタイミングで下
糸手繰手段を動作させるものとしても、下糸手繰手段を
一つの駆動手段により駆動することができる。従って、
ルーパー土台が回転するものとしても、従来のように、
下糸手繰手段に、複数の駆動手段を接続する必要がない
ので、部品点数を減らして、ミシンの製造における部品
の組付け作業の省力化と、コストダウンを図ることがで
きる。また、二回以上のタイミングで下糸手繰手段を動
作させるものとしても、下糸手繰手段を一つの駆動手段
により駆動することができるので、例えば、下糸手繰手
段による下糸の繰出し長さを調整するようなメンテナン
スを行なう場合に、下糸手繰手段もしくは一つの駆動手
段で調整を行なえば良い。従って、従来のように少なく
とも二箇所の駆動手段で調整を行なう場合に比較して、
メンテナンスを省力化できる。
【0074】また、ルーパー土台に下糸手繰手段用の駆
動手段を設けたので、上糸切断装置に上糸切断動作を下
糸手繰装置に伝動する機構を設けたり、ルーパー土台の
その周囲の部材に、ルーパー土台の旋回を下糸手繰手段
に伝動する機構を設けたりする必要がない。従って、下
糸手繰りを必要とする仕様のミシンと、下糸手繰りを必
要としない仕様のミシンとにおいて、部品の統一化を図
った場合に、上糸切断装置の部品やルーパー土台の周囲
の部品の形状を、従来より形状が簡略で加工数の少ない
下糸手繰りを必要としないミシンに合わせることができ
るので、部品を統一化した際に確実にコストダウンを図
ることができる。
【0075】本発明の請求項2記載のミシンの下糸手繰
装置によれば、回転中に外部から駆動力を伝達するルー
パー駆動機構は、回転の影響を受けにくいルーパー土台
の支持枠の回転中心部に配置され、下糸手繰装置や下糸
の糸調子皿やその他の装置は、基本的に支持枠の正面側
(一方の側面側)に配置されていたので、支持枠の背面
側(他方の側面側)には、まだ他の装置を取り付けるだ
けの空間的な余裕があり、この支持枠の背面側に、上記
駆動手段を取り付けるものとすれば、ルーパー土台に上
記駆動手段を容易に取り付けることができる。
【0076】本発明の請求項3記載のミシンの下糸手繰
装置によれば、下糸手繰手段は、下糸を手繰る際に糸調
子を解除する機能を有し、下糸を手繰る際にルーパー側
から下糸を引張らないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例のミシンの下糸手繰装置
を備えたミシンを示す一部を破断した側面図である。
【図2】上記例のミシンの下糸手繰装置を説明するため
のルーパー土台の支持枠の正面図である。
【図3】上記例のミシンの下糸手繰装置を説明するため
のルーパー土台の支持枠の正面図である。
【図4】上記例のミシンの下糸手繰装置を説明するため
のルーパー土台の支持枠の背面図である。
【図5】上記例のミシンの下糸手繰装置を説明するため
のルーパー土台の支持枠の側面図である。
【図6】従来のミシンによる鳩目穴かがり縫いを説明す
るための図面である。
【符号の説明】
10 ミシン 17 針棒 18 ルーパー 21 ルーパー土台 31 支持枠 40 下糸手繰装置 41 下糸 42 ルーパー駆動軸(ルーパー駆動機構) 42a ルーパー駆動軸ガイド(ルーパー駆動機
構) 42b ルーパー駆動ロッド(ルーパー駆動機構) 42c ルーパー取付台(ルーパー駆動機構) 44c 糸調子 50 下糸手繰手段 51 下糸手繰板ベース(連結部材) 52 下糸皿浮かし板(張力解除部材) 53 下糸手繰板(下糸手繰部材) 60 駆動手段 61 下糸手繰シリンダ(エアシリンダ) 64 下糸手繰駆動腕(伝動手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針棒と、ルーパーを備えたルーパー土台
    とをそれぞれ上記針棒の軸線周りに回転させてかがり縫
    いを行なうことが可能なミシンの下糸手繰装置であっ
    て、 上記ルーパー土台に設けられ、かつ、張力をかけられた
    状態の下糸をたぐって弛ませる下糸手繰手段と、 上記ルーパー土台に設けられ、かつ、上記下糸手繰手段
    を駆動する駆動手段とを備えていることを特徴とするミ
    シンの下糸手繰装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載のミシンの下糸手繰装
    置において、 上記ルーパー土台の上記ルーパーより下方に設けられ、
    該ルーパーを駆動するルーパー駆動機構等を支持する支
    持枠の正面側に上記下糸手繰手段が設けられ、上記支持
    枠の背面側に上記駆動手段が設けられていることを特徴
    とするミシンの下糸手繰装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のミシンの下糸手繰装置に
    おいて、 上記支持枠の背面側に設けられ、かつ、上記駆動手段と
    なるエアシリンダもしくはソレノイドと、 上記駆動手段の直線運動を回転運動に変換して支持枠の
    正面側の下糸手繰手段に伝動する伝動手段とが備えら、 かつ、上記下糸手繰手段として、上記支持枠の正面側に
    設けられるとともに、上記伝動手段に連結されて回転す
    る連結部材と、 上記連結部材に設けられるとともに、上記下糸に張力を
    かける糸調子により張力がかけられた下糸に係合し、上
    記連結部材が回転することにより円弧移動した際に上記
    下糸を手繰る下糸手繰部材と、 上記連結部材の上記糸調子に対応する位置に設けられ、
    上記連結部材が回転することにより円弧移動した際に、
    上記下糸手繰部材が上記下糸を手繰るタイミングで、上
    記糸調子に接触して、上記糸調子による下糸の張力を解
    除する張力解除部材とが備えられていることを特徴とす
    るミシンの下糸手繰装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002306876A (ja) * 2001-04-13 2002-10-22 Juki Corp 穴かがりミシン
CN105113148A (zh) * 2015-08-18 2015-12-02 浙江中捷缝纫科技有限公司 一种缝纫机的剪线和夹线机构
CN105113147A (zh) * 2015-08-18 2015-12-02 浙江中捷缝纫科技有限公司 一种缝纫机的剪线机构

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