JP2000315523A - 電解液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池 - Google Patents

電解液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池

Info

Publication number
JP2000315523A
JP2000315523A JP11123849A JP12384999A JP2000315523A JP 2000315523 A JP2000315523 A JP 2000315523A JP 11123849 A JP11123849 A JP 11123849A JP 12384999 A JP12384999 A JP 12384999A JP 2000315523 A JP2000315523 A JP 2000315523A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
polymer
carrying
polymer membrane
reinforcing member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11123849A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3676115B2 (ja
Inventor
Takahiro Omichi
高弘 大道
Takeyuki Kawaguchi
武行 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP12384999A priority Critical patent/JP3676115B2/ja
Publication of JP2000315523A publication Critical patent/JP2000315523A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3676115B2 publication Critical patent/JP3676115B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムおよびリチウムイオン二次電池に適
用可能な高強度で耐熱性を有する安全性の優れた固体型
ポリマー電解質膜。 【解決手段】 イオン伝導度が25℃にて5×10−4
S/cm以上であり、突刺し強度が300g以上であ
り、かつ膜の力学的な耐熱温度が300℃以上である固
体型ポリマー電解質膜及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムおよびリ
チウムイオン二次電池に適用可能な高強度で耐熱性を有
し、過充電時の安全性の優れた電解液担持ポリマー膜、
通称ゲル電解質膜及びそれを用いた二次電池に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の発達にともない、小型
・軽量、かつエネルギー密度が高く繰り返しの充電回数
が多い二次電池の開発が望まれている。この種の電池と
して水溶液電解液でなく有機電解液(非水電解液)を使
用するリチウムおよびリチウムイオン二次電池が注目さ
れている。
【0003】リチウムおよびリチウム合金を負極として
用いる溶液型のリチウム二次電池の場合、充放電繰り返
しに伴い負極上に糸状のリチウム結晶体(デンドライト)
が生じ短絡等を起こすことから、それを抑制し、しかも
セパレータとしての特性を有する固体状の電解質膜の開
発が望まれている。
【0004】また、リチウム二次電池のデンドライトの
問題を解消し商品化されたリチウムイオン二次電池にお
いては、電極の短絡防止に用いているセパレータ自身の
電解液の保持力は十分でなく電解液の液漏れを起こし易
いことから、外装として金属缶の使用が不可欠となって
いる。これにより、電池の製造コストが高くなるだけで
なく、電池の軽量化も十分に出来ない状況にある。この
ような背景から、リチウムイオン二次電池においても電
解液の液漏れをなくし、電池の軽量化を目指す観点か
ら、セパレータとしての機能も有する安全性の高い電解
質膜の開発が望まれている。
【0005】この様な背景から、高いイオン伝導度と安
全性を両立させた電解質膜系の検討が精力的に行われて
いる。そのアプローチの一つは、ポリマーに液体成分
(溶媒もしくは可塑剤)を含有させず、ポリマーと電解質
のみで固体型の電解質を作製しようとするいわゆる真性
ポリマー電解質のアプローチである。このタイプの電解
質は、液体成分が含有されていないために、比較的強度
のある膜を得ることが出来るが、イオン伝導度の限界が
10-5S/cm程度と低く、しかも電極活物質層との接
合が十分に取れない等の理由により、古くから検討が行
われているにも拘わらず未だに実用化に達していないの
が現状である。
【0006】一方、前記の真性ポリマー電解質のイオン
伝導度の低さ、界面接合の不十分さ等の欠点を補う系と
して精力的に検討されているのが、真性ポリマー電解質
に液体成分(溶媒もしくは可塑剤)を添加したいわゆるゲ
ル電解質と称されるものである。この系の場合、ゲル電
解質膜のイオン伝導度は含有する液体成分の量に依存し
ており、かなりの量の液体成分を含有させることによ
り、実用的に十分と考えられる10-3S/cm以上のイ
オン伝導度を示す系がいくつか報告されるようになって
いる。しかし、これらの系のほとんどは、液体成分の添
加に伴い膜の力学的特性が急激に損なわれ、固体電解質
が本来持つべきセパレータとしての安全機能が消失した
ものとなっていた。
【0007】このような状況のもと、米国特許第5,2
96,318号には、ゲル電解質膜の強度とイオン伝導
度が両立するとされる系が記載されている。これは、ビ
ニリデンフルオライドとヘキサフロロプロピレンとの共
重合体をポリマーとして用いたゲル電解質膜であり、ゲ
ル電解質としては特質すべき力学特性を示す系として注
目されている。しかし、この系ですら、二次電池用のセ
パレータ機能の一つの指標である突刺し強度は、汎用の
セパレータより一桁低く、しかもそのゲル電解質膜の力
学的耐熱温度(メルトフロー温度)は、100℃強と通
常のポリオレフィン系セパレータより50℃ほど低いも
のであり、必ずしもリチウムイオン二次電池の安全性を
保障できるものとはなっていないのが現状である。
【0008】このような背景のもと、ゲル電解質膜で不
十分とされている力学的特性を補う目的で、支持体を補
強材として併用するゲル電解質が種々提案されている。
例えば、特開平9−22724号公報には、ポリオレフ
ィン系合成繊維不織布を塗工型のポリマーゲル電解質製
膜時の支持体として使用する技術が記載されている。粘
度の高いポリマー溶液を含浸させ、しかも高いイオン伝
導度を実現するには、目の粗い不織布が必要とされる。
しかし、ポリオレフィン系不織布を用いた場合、ポリオ
レフィン繊維自身の強度が十分でないため、膜厚を薄く
することが困難であった。また、得られた電解質膜の力
学的耐熱性もポリオレフィン不織布に支配されるため高
々160℃程度であった。
【0009】また、米国特許5,603,982号に
は、電解液と重合性のモノマーを溶液状態で透気度の高
いポリオレフィン等の不織布に含浸させ、その後そのモ
ノマーを重合させ固体電解質とする手法が記載されい
る。この手法の場合、不織布に含浸させる溶液の粘度が
低いので液の含浸自体は容易に実施することは出来る
が、不織布の液保持力が十分でないために、製膜の際に
はその膜を上下からガラス等の平板基材で挟み込みモノ
マー含有液体を保持し、その状態でモノマーの重合を実
施する必要があった。この手法の場合も、その製造工程
が複雑なだけでなく、ポリオレフィン系不織布を採用し
ているため機械的強度が不十分で、薄膜化を実現するこ
とは困難であった。
【0010】不織布よりは薄膜化を実現しやすい系とし
て、ポリオレフィン系不織布ではなくポリオレフィン系
の微多孔膜を支持体として用いる系も幾つか提案されて
いる。しかし、前記の不織布とは異なり、サブミクロン
以下の孔径を有する微多孔膜中へ、ポリマー溶液からな
る高粘度ドープを含浸させることは困難で、工程的に容
易と考えられるポリマー溶液の塗工法を採用することは
出来ない状況にある。この問題を回避する手法として、
特開平7−220761号公報には、電解液と紫外線硬
化樹脂からなる低粘度溶液をポリオレフィン微多孔膜へ
含浸させ、ついで紫外線を照射して樹脂を硬化させる手
法が記載されている。しかし、含浸し易い低粘度の溶液
を採用しても、疎水的なポリオレフィン微多孔膜へ溶液
を含浸させることは困難で、微多孔膜の親水化処理が必
要であるばかりでなく、紫外線照射による樹脂の硬化時
に、膜の両面からフッ素樹脂処理をしたガラス板で挟み
こむ必要があり、その生産工程は複雑なものであった。
また、このような微多孔膜にゲル電解質を含浸させた場
合、十分な伝導度が得られないことも指摘されている
(アブラハムら、J.Electrochem.Soc.,142,NO.3,1995)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記したように高いイ
オン伝導度とセパレータとしての安全機能とを両立させ
た電解質担持ポリマー膜の開発の試みが種々行なわれて
いるが、実用的に十分な高いイオン伝導度を示し、しか
もセパレータとしての十分な力学特性を示し、かつ、現
状のポリオレフィン系セパレータより高い耐熱性を有す
る薄膜化が可能な安全性の優れた実用的な電解液担持ポ
リマー膜は未だに見出されていないのが現状である。
【0012】このような状況に鑑み鋭意検討した結果、
実用的な高いイオン伝導度と、セパレータとしての強い
短絡防止強度と、短絡防止に関しての高い耐熱性とを兼
ね備えた安全性に優れた電解液担持ポリマー膜及びそれ
を用いた二次電池を開発し、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】本発明の目的は、イオン伝導度と、強度
と、耐熱性の三者を兼ね備えた、過充電時の安全性の高
いリチウムイオン二次電池用の電解液担持ポリマー膜、
通称ゲル電解質膜及びそれを用いた二次電池とその製造
方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、高強度耐熱性
樹脂からなる厚さ100μm以下の多孔質補強部材
(A)、該多孔質補強部材に保持された極性有機高分子
化合物(B)、及び該極性有機高分子化合物と一体化し
てゲル状化した極性有機溶媒(c1)と電解質(c2)
とからなる電解液(C)を有してなる、厚さ200μm
以下、イオン伝導度5x10-4S/cm以上、突刺強度
150g以上、力学的な耐熱温度が300℃以上の電解
液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電解液担持ポリマ
ー膜及びそれを用いた二次電池について詳細に説明す
る。本発明の電解液担持ポリマー膜は、高強度耐熱性樹
脂からなる厚さ100μm以下の多孔質補強部材
(A)、該多孔質補強部材に保持された極性有機高分子
化合物(B)、及び該極性有機高分子化合物と一体化し
てゲル状化した極性有機溶媒(c1)と電解質(c2)
とからなる電解液(C)を有してなる、厚さ200μm
以下、イオン伝導度5x10-4S/cm以上、突刺強度
150g以上、力学的な耐熱温度が300℃以上の電解
液担持ポリマー膜である。
【0016】ここで、イオン伝導度は、固体状の電解液
担持ポリマー膜を20mmφのSUS電極で挟み交流イ
ンピーダンス法により1ミリ(m)Hz〜65KHzの
範囲でインピーダンスの周波数依存性を解析し、10K
hzのインピーダンス値から求めたものである。この値
が、5×10-4S/cmよりも高いと、電池として組み
上げた際のインピーダンスが高くならず、高レート充放
電の際の容量も低下しない。
【0017】本発明の電解液担持ポリマー膜の場合、突
刺し強度が150g以上好ましくは300g以上と高い
ことも特徴である。突刺し強度は、現状の溶液型リチウ
ムイオン二次電池のセパレータの短絡防止強度を表す指
標としてセパレータの評価に利用されている物性であ
り、本発明においては、下記の条件にて測定した値を突
刺し強度とした。
【0018】電解液担持ポリマー膜を11.3mmφの
固定枠にセットし、先端部半径0.5mmの針を膜の中
央に垂直に突き立て、50mm/分の一定速度で針を押
し込み、膜に穴が開いた時の針にかかっている力を突刺
し強度とした。
【0019】この値が150g以上好ましくは300g
以上の場合、このポリマー電解質膜の突刺し強度が十分
であり、電池として組み上げる際に、電極同士の短絡発
生確率が抑止されるとともに、電池として組み上げた際
の安全性(短絡防止特性)が十分に確保され好ましくな
る。
【0020】また、本発明の電解液担持ポリマー膜は、
300℃以上の力学的耐熱温度を有している点が特徴で
ある。ここで、力学的な耐熱温度は、以下の条件で測定
した値を意味している。
【0021】膜厚約45μm、幅5mm、長さ25mm
の短冊状の電解液担持ポリマー膜に1gの荷重をかけ、
10℃/分の速度で温度を昇温させ熱機械的特性分析
(TMA)を実施し、膜が破断するか、あるいは膜が1
0%伸びる温度を力学的な耐熱温度とした。
【0022】この温度が300℃以上であると、電池の
異常反応等により、電池の内部温度が急激に上がった際
に電極間の短絡を十分に防止でき、安全上好ましい。本
発明の、電解液担持ポリマー膜は、強度、耐熱性に特徴
のある多孔質補強部材薄膜と実用的に十分なイオン伝導
度を有する電解液担持ポリマーとが複合化されたもので
ある。その際の電解液担持ポリマー膜中の電解液担持ポ
リマーの含有量は、30〜85重量%の範囲が好まし
い。電解液担持ポリマーの含有量が30重量%以上ある
と、多孔質補強部材の伝導度に対する影響がさほど問題
でなくなり、複合化した電解液担持ポリマー膜は十分な
イオン伝導度が得られる。含有量が多くなり過ぎると、
電解液担持ポリマー膜の強度が低下したり、あるいは、
電解液担持ポリマー膜の膜厚がいたずらに増加し好まし
くなくなる。
【0023】また本発明の電解液担持ポリマー膜は、膜
内部に完全に多孔質補強部材が包埋し、膜表面がゲル状
の電解液担持ポリマーで覆われていることが重要であ
る。複合膜表面がゲル状の電解液担持ポリマーで完全に
覆われておらず、多孔質補強部材が露出している部分が
あると、電池を形成したとき正極及び負極との間で良好
な界面接合を遂行することが困難となる。従って電解液
担持ポリマー膜の厚さ(a)と多孔質補強部材の厚さ
(b)との比(a/b)は一般に1〜3、好ましくは
1.05〜2.0である。電解液担持ポリマー膜の膜、
が多孔質補強部材の膜厚より薄い場合、部分的に多孔質
補強部材が露出した部分が出来るとともに、正極および
負極の表面凹凸を電解液担持ポリマー膜の表面を覆った
ゲル状の電解液担持ポリマーで吸収しにくくなり、結果
的に良好な界面接合を遂行することが困難となる。ま
た、電解液担持ポリマー膜の膜厚が多孔質補強部材の膜
厚より著しく厚い場合は、電池の体積エネルギー密度を
低下させることとなる。
【0024】本発明の電解液担持ポリマー膜は電解液の
保持性(強固な担持量)が高いことも特徴である。具体
的には、電解液の全担持量が80phr以上、、好まし
くは100phr以上で、強固な担持量が全担持量の5
0%以上、好ましくは60%以上の膜である。ここで、
担持量(phr)は多孔質補強部材(A)+極性有機高
分子化合物(B)に対する電解液の担持量を表してい
る。
【0025】この全担持量および強固な担持量は、電解
液を担持させた膜を遠心処理及びエタノール処理するこ
とによっても別途評価できる。具体的には、電解液が担
持された電解液担持ポリマー膜を1400×g(重力加
速度)の遠心力で20分間遠心処理し、多孔部分に物理
的に保持された電解液を除去することで、膜中に強固に
担持された電解液量を重量法により求めることが出来
る。本発明では上記の遠心処理によっても除去されない
電解液量を強固な担持量と定義する。また、遠心処理前
に担持されていた電解液量を全担持量と定義する。
【0026】このように遠心処理された電解液担持ポリ
マー膜にはまだ強固に担持された電解液が残っている。
この強固に担持された電解液は見掛け上極性有機高分子
化合物(B)例えばフッ素樹脂を膨潤させるのに寄与し
ている。この真の電解液担持量を求めるためには、上記
遠心処理された電解液担持ポリマー膜を更に1000重
量倍のエタノールで洗浄することにより電解液を抽出除
去し、次いでエタノールを真空乾燥することにより、補
強部材(A)を含む極性有機高分子化合物(B)そのも
のの重量を求める。この間の重量変化が強固な電解液担
持量、そして初期重量との重量変化が全電解液担持量で
ある。本発明の電解液担持ポリマー膜はかかる電解液の
全担持量がが80phr以上、好ましくは100phr
以上であり、強固な担持量が全担持量の50%以上、好
ましくは60%以上であるる。
【0027】上記見掛けの含浸量及び見掛けの膨潤量の
単位phrの基準は、上記エタノール処理された後の補
強部材(A)を含む極性有機高分子化合物(B)そのも
のの重量である。
【0028】具体的には下記の要領で複合膜(電解液担
持ポリマー膜)の遠心処理を実施し、複合膜中の電解液
の全担持量および強固な担持量保を求めた。
【0029】電解液を担持したた複合膜を3cmφに打
ち抜き、ステンレス製の2枚の金網の間に挟み、半径1
4.5cmの遠心分離用のローターにセットし、3,0
00rpmの回転数で20分間の遠心分離処理を実施し
た。処理後の複合膜の重量を測定後、複合膜を1000
重量倍のエタノールで十分洗浄し、複合膜中の電解液を
抽出後、複合膜を1mmHgで乾燥し重量を求めた。こ
の間の重量変化から電解液の全担持量(phr)および
強固な担持量(phr)を算出した。
【0030】本発明においては、電解液の全担持量が多
いだけでなく、強固な担持量が多いことも特徴である。
強固な担持量が全担持量の50%以上、好ましくは60
%以上あることにより、電池をして利用した場合に、電
解液保持性の不良による液漏れ等の問題が併発しない。
【0031】本発明の電解液担持ポリマー膜における多
孔質補強部材(A)を形成する高強度耐熱性樹脂は、ヤ
ング率100Kg/mm2以上、好ましくは300Kg
/mm2以上の、耐熱性200℃以上、好ましくは30
0℃以上の有機高分子化合物からなることができ、代表
的には芳香族ポリアミドいわゆるアラミド樹脂が挙げら
れる。芳香族ポリアミド重合体の分子構造としては、メ
タ系、パラ系を問わず本発明に利用可能である。ここで
メタ系とは、m−フェニレンイソフタルアミドを主たる
構成単位とする全芳香族ポリアミドが代表的なものとし
て挙げられ、パラ系とは、p−フェニレンテレフタルア
ミドを主たる構成単位とする全芳香族ポリアミドが代表
的なものとして挙げられる。これらは混合したものでも
良い。
【0032】本発明の多孔質補強部材としては、平均膜
厚が100μm以下好ましくは50μm以下で、突刺し
強度が100g以上好ましくは200g以上で、かつ透
気度が20sec/100cc・in2以下好ましくは
10sec/100cc・in2以下の高強度・高透気
度薄膜が好適に用いられる。平均膜厚が100μm超に
なれば、高強度の支持体を得ることは容易となるが、得
られる複合膜の膜厚が厚くなり、電池として組み上げた
際の体積エネルギー密度を低下させる。
【0033】本発明の多孔質補強部材の突刺し強度とし
ては、100g以上のものが好適に用いられる。この値
が、100gより低い支持体を用いた場合は、電解質担
持ポリマーを含浸させ複合化した後でも150g以上の
突刺し強度を実現することが困難となり、電池として組
み上げた際の安全性(短絡防止特性)が低下する。
【0034】本発明の多孔質補強部材の透気度は、ガー
レー法(100ccの空気が1in2の面積を2.3c
mHgの圧力で透過するに要する時間)により測定した
値を示している。本発明の多孔質補強部材薄膜として
は、この値が、20sec/100cc・in2以下好
ましくは10sec/100cc・in2以下の高い透
気度を示す支持体が好適に用いられる。この値が、20
sec/100cc・in2よりも大きく透気度の低い
支持体を用いた場合、工業的に最も有利と考えられるポ
リマー溶液からの塗工法による電解液担持ポリマーの含
浸複合化が困難となるとともに、複合化した電解液担持
ポリマー膜のイオン伝導度も十分に高めることが困難に
なる。
【0035】かかる特性を満足する多孔質補強部材の形
状としては、前記重合体の繊維からなる不織布、織物、
あるいは、その繊維の隙間に該重合体の合成パルプが分
散する通気性のある紙様のシート、あるいは、前記樹脂
からなる孔が多数開いた通気性のあるフィルム等を挙げ
ることが出来る。前記した支持体としての必要特性を満
足しておれば、これらの内どの形状のものも本発明に利
用することが可能であるが、透気度を考慮した場合、不
織布状のシートが最も好適に用いられる。その目付け量
としては、8〜35g/m2好ましくは12〜30g/
2の範囲が好適に用いられる。目付け量が8g/m2
満の場合、透気度の高い支持体を得るのは容易となる
が、突刺し強度として100g以上のものを得ることが
困難となり、結果的に短絡防止強度の優れた固体型電解
質膜を得ることが難しくなる。一方、目付け量が35g
/m2よりも多くなると、突刺し強度を満足することは
容易となるが、平均膜厚100μm以下で多孔質の支持
体を得ることが困難となる。また、無理に密度を上げ薄
膜化すると、透気度が低下したりマクミラン数が増加し
たりして、結果的にイオン伝導度の高い電解液担持ポリ
マー膜を得ることが困難になる。
【0036】かかる多孔質補強部材(A)は、厚さ10
0μm以下好ましくは50μm以下更に好ましくは 4
0μm以下であり、突刺強度は100g以上好ましくは
200g以上、透気度は20sec/100cc.in
2以下好ましくは10sec/100cc.in2以下で
あり、内部が三次元網目状の薄膜に形成されたものであ
る。三次元網目状薄膜は電解質担持ポリマー膜中でその
ようになっていれば良いので必ずしも当初からそのよう
である必要はないが、好ましくは不織布、織布、絡み合
った二次元状の繊維、ペーパーの如く当初から三次元網
目状薄膜であるものである。それらは目付け量8〜35
g/m2の不織布状シート構造であることが好ましい。
また該多孔質補強部材(A)は必ずしも繊維由来でなく
ても良く、例えばマクミラン数5以下の多孔質のフィル
ム状の薄膜であることが出来る。
【0037】次に、本発明の多孔質補強材に含浸複合化
させる電解液担持ポリマーについて説明する。本発明に
利用する電解液担持ポリマーとしては、電解質由来金属
イオン代表的にはリチウムイオン伝導性の電解液担持ポ
リマーで、そのイオン伝導度が25℃において5×10
-4S/cm以上のものが利用される。電解液担持ポリマ
ーの伝導度がこれよりも低い場合、多孔質補強材に含浸
複合化させた際に5×10-4S/cm以上の実用上十分
なイオン伝導度が確保され難い。
【0038】電解液担持ポリマーの種類としては、液体
成分を含有していない真性ポリマー電解質、液体成分を
含有したゲル状電解質のどちらも採用することが出来る
が、イオン伝導度を考慮した場合、ゲル電解質がより好
適に採用される。ゲル電解質である本発明の電解液担持
ポリマー用のポリマー樹脂としては、極性である電解液
を含浸させたときゲル化する極性有機高分子化合物が挙
げられ、ポリアルキレンオキサイド例えばポリエチレン
オキサイド(PEO)、PEOとポリプロピレンオキサ
イド(PPO)との共重合体、アクリル系樹脂例えばポ
リアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)、PANとPMMAの共重合体、アク
リロニトリルとスチレンの共重合体(NSR)、ハロゲ
ン化樹脂例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニリ
デンフルオライド(PVdF)の共重合体、多糖ポリマ
ー例えばプルラン、およびエチレンオキサイド骨格を有
する(メタ)アクリレート系の重合体・共重合体等を挙
げることが出来るがこれに限定されるものではない。但
し、製膜工程の容易さから、流動(溶液)状態のポリマー
からアラミド多孔質補強部材に直接含浸塗工できるタイ
プのポリマーがより好適に用いられる。
【0039】特に、好ましいゲル電解質用の極性有機高
分子化合物として、含浸塗工が可能でしかも耐酸化性の
優れたポリビニリデンフルオライド(PVdF)を主成
分とするポリビニリデンフルオライド系化合物例えばP
VdF共重合体を挙げることが出来る。好適に用いられ
る共重合成分としては、ヘキサフロロプロピレン(HF
P)、パーフロロメチルビニルエーテル(PFMV)、ク
ロロトリフロロエチレン(CTFE)、弗化ビニルおよ
びテトラフロロエチレン(TFE)が挙げられ、これら
の共重合成分とビニリデンフロライド(VdF)との2
元もしくは3元共重合体が本発明のポリマー材料として
は好適である。また、好適な共重合割合としてはVdF
のモル分率として90〜98モル%の範囲が挙げられ
る。VdFのモル分率が98%よりも多くなると、ポリ
マーの結晶性が高くなりすき、種々の塗工溶媒への溶解
性が低下し好ましくなくなるとともに、電解液に対する
膨潤度も低下し好ましくなくなる。また、VdFのモル
分率が90%より少なくなると、ポリマーの結晶性が低
下しすぎ、電解液を担持したポリマーの機械特性が低下
し好ましくなくなる。
【0040】これらゲル電解質用の極性有機高分子化合
物に含浸させる電解液としては電解質(例えばリチウム
塩)を溶解した極性有機溶媒(非水溶媒(可塑剤))(以
下「非水電解液」と称することあり)が好適に用いられ
る。その際、電解液担持ポリマーに対する電解液の担持
量は、該ポリマー100重量部に対して、電解液100
重量部以上が必要である。電解液の量がこれよりも少な
いと、多孔質補強部材と複合化した際に十分なイオン伝
導度を確保し難くなる。
【0041】使用する極性有機溶媒としてはリチウムお
よびリチウムイオン二次電池に一般的に用いられている
炭素原子数10以下の極性有機溶媒例えばプロピレンカ
ーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチ
レンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(D
MC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチ
ルカーボネート(MEC)、1,2−ジメトキシエタン
(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、γ
−ブチロラクトン(γ−BL)、スルフォラン、アセト
ニトリル等を挙げることが出来る。前記極性有機溶媒
は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよ
い。特に、PC、EC、γ−BL、DMC,DEC,M
ECおよびDMEから選ばれる少なくとも1種以上の液
体が好適に用いられる。
【0042】この極性有機溶媒に溶解する好適な電解質
としては、四級アンモニウム塩や、リチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩が挙げら
れ、特にリチウム二次電池を目的としたときのリチウム
塩としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六弗化
リン酸リチウム(LiPF6)、ホウ四弗化リチウム(L
iBF4)、六弗化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフ
ロロスルフォン酸リチウム(CF3SOLi)、リチウム
パーフロロメチルスルフォニルイミド[LiN(CF3
SO2)2]およびリチウムパーフロロエチルスルフォニ
ルイミド[LiN(C25SO2)2]等が挙げられるが
これに限定されるものではない。また、これらを混合し
て用いてもかまわない。溶解するリチウム塩の濃度とし
ては、0.2から2Mの範囲が好適に用いられる。
【0043】次に、本発明の電解液担持ポリマー膜の製
造方法について説明する。本発明の電解液担持ポリマー
膜は、平均膜厚が100μm以下好ましくは50μm以
下で、突刺し強度が100g以上好ましくは200g以
上で、かつ透気度が20sec/100cc・in2
下好ましくは10sec/100cc・in2以下の高
強度・高透気度の多孔質補強部材(A)に、電解質(例
えばリチウム塩)(c2)を溶解した極性有機溶媒(c
1)からなる電解液を前記ポリマー(B)100重量部
に対して100重量部以上保持させたゲル状の電解質
(即ち電解質担持ポリマー)を含浸状態で担持させるこ
とにより製造することができる。この際、ゲル電解質を
含浸複合化する方法は特に限定するものではないが、流
動(溶液)状態のポリマーを直接多孔質補強部材に含浸塗
工する方法が工業的に生産が容易であり好まれる。その
ような手法としては、例えば下記の方法が挙げられる。
【0044】ゲル電解質用のポリマー樹脂(極性有機
高分子化合物)と電解液(c1+c2)とを混合加熱溶
解し、その溶液状態のドープを多孔質補強部材に直接塗
工・含浸させ、冷却固化することで複合化する方法。
【0045】ゲル電解質用のポリマー樹脂と電解液と
該ポリマー樹脂を溶解する揮発性の溶媒とを混合溶解
し、その溶液状態のドープを多孔質補強部材に直接塗工
・含浸させ、ついで揮発性溶媒を乾燥除去することで複
合化する方法。
【0046】ゲル電解質用のポリマー樹脂と、そのポ
リマー樹脂を溶解し得且つ水に相溶する溶媒と、相分離
剤(ゲル化剤もしくは開孔剤)とを混合溶解し、その溶液
状態のドープを多孔質補強部材に直接塗工・含浸させ、
ついでその膜を水系の凝固浴に浸漬しポリマーを凝固
後、水洗・乾燥を行ない、次いでかくして得られた複合
膜を電解液に浸漬し、ポリマー樹脂をゲル化させ複合膜
とする方法。
【0047】ゲル電解質用のポリマー樹脂と、補強用
の高強度耐熱性樹脂とを両者を溶解し得且つ水に相溶す
る溶媒と、相分離剤とを混合溶解し、その溶液状態のド
ープをスリットとから吐出し、水系の凝固浴に浸漬し凝
固を行ない、次いで水洗・乾燥を行ない、かくして得ら
れたブレンド複合膜を電解液に浸漬し、ポリマー樹脂を
ゲル化させる方法。
【0048】次に本発明の二次電池について説明する。
本発明の二次電池は、非水電解液を保持した、電解質由
来の金属イオン(以下リチウムイオンで代表させる)を
吸蔵放出する正極材料を有してなる正極と、非水電解液
を保持した、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質負極
材料を有してなる負極とが、電解液担持ポリマー膜を介
して接合されたポリマー二次電池であって、該電解液担
持ポリマー膜が、イオン伝導度が25℃にて5×10-
S/cm以上であり、突刺し強度が150g以上であ
り、かつ膜の力学的な耐熱温度が300℃以上であるこ
とを特徴とするポリマー電解質二次電池である。とりわ
け該電解液担持ポリマー膜が、高強度耐熱性樹脂からな
る厚さ100μm以下の多孔質補強部材(A)、該多孔
質補強部材に保持された極性有機高分子化合物(B)、
及び該極性有機高分子化合物と一体化してゲル状化した
極性有機溶媒(c1)と電解質(c2)とからなる電解
液(C)を有してなる、厚さ200μm以下、イオン伝
導度5x10-4S/cm以上、突刺強度150g以上、
力学的な耐熱温度が300℃以上の電解液担持ポリマー
膜であることを特徴とするポリマー電解質二次電池であ
り、特に多孔質補強部材(A)、極性有機高分子化合物
(B)及び電解液(C)については、それぞれ前記した
好適なものを採用することが好ましい。
【0049】以下各々について詳細に説明する。 (正極)本発明の正極は、代表的にはリチウムイオンを
吸蔵放出する活物質と、非水電解液と、この電解液を保
持し活物質を結着させるバインダーポリマーと、集電体
とから構成される事ができる。
【0050】前記活物質としては、種々のリチウム含有
酸化物やカルコゲン化合物を挙げることができる。リチ
ウム含有酸化物としては、LiCoO2などのリチウム
含有コバルト酸化物、LiNiO2などのリチウム含有
ニッケル酸化物、LiMn24などのリチウム含有マン
ガン複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化
物、リチウム含有非晶質五酸化バナジウムなどを挙げる
ことができる。また、カルコゲン化合物としては、二硫
化チタン、二硫化モリブデンなどを挙げることができ
る。
【0051】非水電解液としては、前述した電解液担持
ポリマー膜で説明したものと同様のものを用いることが
できる。
【0052】非水電解液を保持し、活物質を結着させる
バインダーポリマーとしては、ポリビニリデンフルオラ
イド(PVdF)、PVdFとヘキサフロロプロピレン
(HFP)やパーフロロメチルビニルーテル(PFMV)
およびテトラフロロエチレンとの共重合体などのPVdF共
重合体樹脂、ポリテトラフロロエチレン、フッ素系ゴム
などのフッ素系樹脂や、スチレンーブタジエン共重合
体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、エチレンー
プロピレンーターポリマーなどの炭化水素系ポリマー
や、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド樹脂など
を用いることができるがこれに限定されるものではな
い。また、これらは単独で用いても、2種以上を混合し
て用いても構わない。
【0053】バインダーポリマーの添加量は、活物質1
00重量部に対して3〜30重量部の範囲が好ましい。
バインダーが3重量部未満の場合、活物質をつなぎ止め
る十分な結着力が得られず好ましくない。また、それが
30重量部より多くなると、正極における活物質密度が
低下し、結果的に電池のエネルギー密度低下を引起こし
好ましくなくなる。
【0054】集電体としては、酸化安定性の優れた材料
が好適に用いられる。具体的には、アルミニウム、ステ
ンレススチール、ニッケル、炭素などを挙げることがで
きる。特に好適には、ホイル状のアルミニウムが用いら
れる。
【0055】また、本発明の正極は、人造黒鉛、カーボ
ンブラック(アセチレンブラック)、ニッケル粉末などを
導電助材として含有しても構わない。
【0056】本発明の正極の製造法は特に限定されるも
のではないが、下記の方法などを採用することができ
る。
【0057】活物質、バインダーポリマー、バインダ
ーを溶解する揮発性溶媒を所定量混合溶解し、活物質の
ペーストを作製する。得られたペーストを集電体上に塗
工後、揮発性溶媒を乾燥除去した膜を非水電解液に浸漬
し電解液を保持させる方法。
【0058】活物質、バインダーポリマー、バインダ
ーを溶解する水溶性の溶媒を所定量混合溶解し、活物質
のペーストを作製する。得られたペーストを集電体上に
塗工後、得られた塗膜を水系の凝固浴へ浸漬し、バイン
ダーポリマーの凝固を行ない、ついで膜を水洗・乾燥
し、その膜を非水電解液に含浸して電解液を保持させる
方法。
【0059】活物質、バインダーポリマー、バインダ
ーを溶解する低沸点の揮発性溶媒、非水電解液を所定量
混合溶解し、活物質のペーストを作製する。得られたペ
ーストを集電体上に塗工後、低沸点の揮発性溶媒のみを
乾燥除去し、電解液が保持された正極を直接製膜する方
法。
【0060】(負極)次に、本発明の負極について説明
する。本発明の負極は、代表的にはリチウムイオンを吸
蔵放出する炭素質活物質と、非水電解液と、この電解液
を保持し活物質を結着させるバインダーポリマーと、集
電体とから構成される事ができる。
【0061】前記炭素質活物質としては、ポリアクリロ
ニトリル、フェノール樹脂、フェノールノボラック樹
脂、セルロースなどの有機高分子化合物を焼結したも
の、コークスやピッチを焼結したもの、人造黒鉛や天然
黒鉛に代表される炭素質材料を挙げることができる。
【0062】非水電解液としては、前述したポリマー電
解質膜で説明したものと同様のものを用いることができ
る。
【0063】非水電解液を保持し、活物質を結着させる
バインダーポリマーとしては、前述した正極と同様のも
のを用いることができる。
【0064】バインダーポリマーの添加量は、活物質1
00重量部に対して3〜30重量部の範囲が好ましい。
バインダーが3重量部未満の場合、活物質をつなぎ止め
る十分な結着力が得られず好ましくない。また、それが
30重量部より多くなると、負極における活物質密度が
低下し、結果的に電池のエネルギー密度低下を引起こし
好ましくなくなる。
【0065】集電体としては、還元安定性の優れた材料
が好適に用いられる。具体的には、金属銅、ステンレス
スチール、ニッケル、炭素などを挙げることができる。
特に好適には、ホイル状の金属銅が用いられる。
【0066】また、本発明の負極は、人造黒鉛、カーボ
ンブラック(アセチレンブラック)、ニッケル粉末などを
導電助材として含有しても構わない。
【0067】本発明の負極の製造法は特に限定されるも
のではないが、前述の正極で説明した方法と同様のもの
を採用することができる。
【0068】(電池の製造)次に、本発明のポリマー電
解質二次電池の製造法について説明する。本発明の製造
法の場合、非水電解液を保持させた正極、複合型電解液
担持ポリマー膜、負極を積層し熱圧着法でラミネートを
行なうことで、後からの非水電解液の含浸プロセスを必
要とせずに電池エレメントを構成できる点が特徴であ
る。また、非水電解液保持状態の複合型電解液担持ポリ
マー膜を用い熱圧着を実施することにより、電解液担持
ポリマーの融点降下により、熱圧着の温度を下げられる
点、および耐熱性の高強度支持体と複合化していること
により、熱圧着時に電解液担持ポリマー膜のつぶれが併
発しないことも本製造法の特徴である。
【0069】熱圧着法としては、種々の手法が採用可能
で特に限定されるものではないが、例えば、ダブルロー
ルラミネータ等の熱ローラを用いる方法を挙げることが
できる。その際、採用される温度としては、室温〜15
0℃範囲が採用される。圧着温度が室温以下の場合、電
極と複合型電解液担持ポリマー膜の接着が十分でなくな
る。また、その温度が150℃よりも高くなると、熱に
よる電解質の分解や負極材料と電解液との分解反応が併
発しやすい。より好適には、30℃〜120℃の範囲が
採用される。
【0070】本発明のポリマー電解質二次電池の場合、
正極と複合型電解液担持ポリマー膜、及び負極と複合型
電解液担持ポリマー膜が各々10gf/cm以上の剥離
強度で接着し、良好な界面接合が遂行されていることも
特徴である。ここで、剥離強度は、以下の条件により測
定した値を意味している。
【0071】熱圧着法により貼り合せた正極又は負極と
複合型電解液担持ポリマー膜とを幅3cm、長さ6cm
の短冊状に切り出し、180°剥離試験法により10c
m/分の速度で電極と複合電解液担持ポリマー膜とを引
き剥がし、その時の単位幅当たりの平均剥離強度(gf
/cm)を剥離強度とした。
【0072】この値が10gf/cm未満の場合、電極
と電解液担持ポリマー膜との界面接合が不十分となり、
界面インピーダンスの増加を引起こしたり、電池製造の
ハンドリングの際や充放電のサイクルを繰り返すことに
より界面剥離を併発したりしやすくなる。
【0073】以上の説明から理解される如く、本発明の
二次電池としては特に、正極と電解液担持ポリマー膜と
の界面および負極と電解液担持ポリマー膜との界面が各
々10gf/cm以上の剥離強度で接着しているポリマ
ー電解質二次電池が好ましい。
【0074】かかる二次電池の中でも、該電解質担持ポ
リマー膜におけるゲル状の電解液担持ポリマーの含有量
が30〜85重量%であり、かつ該電解液担持ポリマー
膜の平均膜厚が該多孔質補強部材(A)の平均膜厚の
1.05〜2.0倍であるポリマー電解質二次電池は、
過充電時の安全性が高く好ましいものである。
【0075】かかる本発明の二次電池は、前述の如くさ
まざまな方法で製造することが出来るが、特に非水電解
液を保持した状態の正極と、非水電解液を保持した状態
の電解質担持ポリマー膜と、非水電解液を保持した状態
の負極とをこの順に重ね合せ、熱圧着法により貼り合せ
る製造方法が好ましく用いられる。
【0076】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例を用い詳細に説
明する。
【0077】[実施例1] <アラミド製多孔質補強部材>太さ1.25deの結晶
化させたm−アラミド短繊維に太さ3deの非結晶化m
−アラミド長繊維をバインダーとして添加し、乾式抄造
法により目付け量19g/m2で製膜しカレンダーロー
ルをかけ不織布状のシートを得た。得られた支持体の特
性は以下の通りであった。平均膜厚36μm、密度0.
53g/cm3、空隙率62%、透気度0.04sec
/100cc・in2、突刺し強度330g、マクミラ
ン数2.4。
【0078】<ゲル電解質の複合化>ゲル電解質用のポ
リマー樹脂(極性有機高分子化合物)としてPVdFに
ヘキサフロロフロピレン(HFP)を5モル%共重合し
たPVdF共重合体を用いた。このポリマー100重量
部に対して、1MのLiBF4を溶解したPC/EC
(1/1重量比)電解液を300重量部添加し、さらに
溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を添加し混合
溶解し、ポリマー濃度12重量%のドープを調製した。
得られたドープを前記のアラミド製多孔質補強部材に含
浸・塗工し、50℃にてTHFを乾燥除去することで、
電解液担持ポリマー膜を作製した。電解液の全担持量は
108phr、強固な担持量は78phrであった。
【0079】[比較例1]アラミド製多孔質補強部材を
用いずに、実施例1で用いたゲル電解質用のドープをシ
リコンコートの離型フィルム上に塗工し、ゲル電解質か
らなる単独膜を作製した。
【0080】[比較例2]比較例1において、ゲル電解
質用ポリマー樹脂100重量部に対して、電解液の添加
量を100重量部とした以外は、比較例1と同様にして
製膜を行ない、ゲル電解質からなる単独膜を作製した。
【0081】[比較例3]実施例1において、ゲル電解
質用ポリマー樹脂100重量部に対して、電解液の添加
量を80重量部として変えただけで、あとは実施例1と
同様にしてアラミド製多孔質補強部材と複合化した電解
液担持ポリマー膜を作製した。
【0082】[比較例4]実施例1において、アラミド
製多孔質補強部材製膜時の目付け量を7g/m2とした
以外は、実施例1と同様にして乾式抄造法によりアラミ
ド製多孔質補強部材を作製した。得られた支持体の諸特
性は以下の通りであった。平均膜厚20μm、密度0.
51g/cm3、空隙率63%、透気度0.01sec
/100cc・in2、突刺し強度85g、マクミラン
数1.6。この支持体を用い、実施例1と同様にしてゲ
ル電解質との複合膜を作製した。
【0083】[実施例2]実施例1において、ゲル電解
質用のポリマー樹脂としてPVdFに対してHFPを
8.7モル%共重合したポリマーを用い、ポリマー樹脂
100重量部に対する電解液の添加量を250重量部とし
た以外は実施例1と同様に製膜を行ない、アラミド製多
孔質補強部材との複合電解液担持ポリマー膜を作製し
た。電解液の全担持量は93phr、強固な担持量は7
8phrであった。
【0084】[比較例5]実施例2において、アラミド
製多孔質補強部材を用いずに、比較例1同様の手法を用
い、ゲル電解質からなる単独膜を作製した。
【0085】[比較例6]アラミド製多孔質補強部材と
して太さ1.25deの結晶化したm−アラミド短繊維
とm−アラミドフィブリット(合成パルプ状粒子)を7
/3(重量比)の割合で配合し、希薄水性スラリーを調製
し、目付け量37g/m2に抄き湿紙とした。得られた
湿紙をカレンダーロールにかけ、紙状のシートを得た。
得られた支持体の諸物性は以下の通りであった。平均膜
厚58μm、密度0.62g/cm3、空隙率51%、
透気度29sec/100cc・in2、突刺し強度6
30g、マクミラン数10.0。このアラミド製多孔質
補強部材に実施例2のゲル電解質用ポリマードープの含
浸を実施したところ、アラミド製多孔質補強部材内部ま
で十分にポリマーを含浸することが出来ず、良好な複合
電解質膜を作製出来なかった。
【0086】[実施例3]ゲル電解質用のポリマー樹脂
としてポリアクリロニトリル(PAN)を用い、PAN
12重量部、EC55重量部、PC27重量部、LiB
48重量部を120℃にて素早く混合溶解し、塗工用
のドープを調製した。得られたドープを120℃の状態
で実施例1のアラミド製多孔質補強部材上に含浸塗工
し、ついで室温まで冷却しドープをゲル化させ、アラミ
ド製多孔質補強部材との複合電解液担持ポリマー膜を作
製した。電解液の全担持量は127phr、強固な担持
量は83phrであった。
【0087】[比較例7]実施例3において、アラミド
製多孔質補強部材を使用せず、PANゲル電解質単独膜
を作製した。
【0088】[実施例4]ゲル電解質用のポリマー樹脂
として、PVdFに対しパーフロロメチルビニルエーテ
ル(PFMV)を5.3モル%共重合したPVdF共重
合体を用い、このポリマー樹脂72重量部に対しジメチ
ルアセトアミド(DMAc)262重量部、平均分子量
400のポリエチレングリコールを66重量部添加し、
60℃にて加熱混合溶解し塗工用のドープを調製した。
得られたドープを実施例1のアラミド製多孔質補強部材
上に含浸塗工後、この膜をDMAcの50%水溶液に浸
漬し膜の凝固を実施した。ついで、膜の水洗・乾燥を行
ない、アラミド製多孔質補強部材/PVdF共重合体か
らなるドライ複合膜を作製した。ついで、得られたドラ
イ複合膜を1MのLiBF4を溶解したPC/EC(1
/1重量比)に浸漬し、電解液を含浸させ複合型電解液
担持ポリマー膜とした。電解液の全担持量は104ph
r、強固な担持量は70phrであった。
【0089】[実施例5]ゲル電解質用のポリマー樹脂
として、PVdFに対しPFMVを9.0モル%共重合
したPVdF共重合体を用い、あとは実施例4と同様に
して複合型電解液担持ポリマー膜を作製した。電解液の
全担持量は108phr、強固な担持量は75phrで
あった。以上の実施例および比較例の電解質膜について
の測定結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】[実施例6] 「複合型電解液担持ポリマー膜」 <アラミド多孔質補強部材>太さ1.25deの結晶化
させたm−アラミド短繊維に太さ3deの非結晶化m−
アラミド長繊維をバインダーとして添加し、乾式抄造法
により目付け量19g/m2で製膜しカレンダーロール
をかけ不織布状のシートを得た。得られた補強部材の特
性は以下の通りであった。平均膜厚36μm、密度0.
53g/cm 3、空隙率62%、透気度0.04sec
/100cc・in2、突刺し強度330g、マクミラ
ン数2.4。
【0092】<ポリマー合成>ステンレス製の耐圧容器
にパ−フロロメチルビニルエーテル(PFMV)2.1
g、トリクロロトリスルホロエタン(CFC113)3
0ml、ヘプタフロロブチルパーオキサイドの5%CF
C113溶液を1ml仕込み、容器内を窒素置換した
後、−78℃に冷却し真空とした。この中にビニリデン
フルオライド(VdF)18.4gを仕込み、室温で2
0時間攪拌し重合を行なった。得られた反応物を重DM
SOに溶解し、NMRにより共重合組成比を解析した。
共重合比はVdF/FMVE=95.7/4.3モル比
であった。
【0093】<ゲル電解質の複合化>ゲル電解質用のポ
リマー樹脂としてPVdFにパ−フロロメチルビニルエ
ーテル(PFMV)を5.3モル%共重合したPVdF共
重合体用いた。このポリマー樹脂100重量部に対し
て、1MのLiBFを溶解したPC/EC(1/1重量
比)電解液を300重量部添加し、さらに溶媒としてテ
トラヒドロフラン(THF)を添加し混合溶解し、ポリ
マー濃度12重量%のドープを調製した。得られたドー
プを前記のアラミド多孔質補強部材に含浸・塗工し、5
0℃にてTHFを乾燥除去することで複合型電解液担持
ポリマー膜を作製した。得られた電解質膜の特性は下記
の通りであった。平均膜厚45μm(複合膜表裏に4−
5μm厚さのポリマー電解質層あり)、突刺し強度44
3g、イオン伝導度1.3×10-3S/cm(25
℃)、TMA耐熱温度>400℃。
【0094】「正極」コバルト酸リチウム(LiCoO
2;関西触媒製)粉末85重量部とカーボンブラック5
重量部とポリ弗化ビニリデン(PVdF)の乾燥重量が
10重量部になるように、12wt%のPVdFのN−
メチルーピロリドン(NMP)溶液を用い、正極材ペー
ストを作製した。得られたペーストを厚さ20μmのア
ルミ箔上に塗布乾燥し、厚さ120μmの正極塗膜を作
製した。ついで、得られた正極を1MのLiBF4を溶
解したPC/EC(1/1重量比)に浸漬し、電解液を
保持した正極とした。
【0095】「負極」炭素質負極材としてメゾフェーズ
カーボンマイクロビーズ(MCMB;大阪瓦斯化学)粉
末90重量部とPVdFの乾燥重量が10重量部になる
ように、12wt%のPVdFのNMP溶液を用い、負
極材ペーストを作製した。得られたペーストを膜厚18
μmの銅箔上に塗布乾燥し、厚さ125μmの負極塗膜
を作製した。得られた負極を1MのLiBF4を溶解し
たPC/EC(1/1重量比)に浸漬し、電解液を保持
した負極を作製した。
【0096】「電池製造」正極、負極および複合型電解
液担持ポリマー膜をそれぞれ3cm×6cmサイズに切
り出し、正極、複合型電解液担持ポリマー膜、負極の順
に重ね合せ、ダブルロールラミネータを用い、80℃で
熱圧着を実施した。同様に作製した電池エレメント(正
極/複合型電解液担持ポリマー膜/負極積層体)につい
て、180°剥離試験を実施したところ、正極と複合型
電解液担持ポリマー膜は30gf/cm、負極とのそれ
は22gf/cmの剥離力で接着しており、良好な界面
接合が遂行されていることが分かった。得られた電池エ
レメントのそれぞれの集電体にステンレスシート端子を
取り付け、ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン
テレフタレート積層シート(膜厚50μm)でラミネー
トしてシート状の電池を作製した。得られた電池につい
て、1mA/cm2の電流密度での充放電を実施した。
この際、充電は4.2Vまで実施し、放電は2.7Vで
カットした。初回放電の電流効率は80%で、繰り返し
の充放電が可能であった。また、その際の負極重量当た
りの放電量は200mAh/gであった。
【0097】[比較例8] 「電解液担持ポリマー膜」アラミド多孔質補強部材を用
いずに、実施例6で用いたゲル電解質用のドープをシリ
コンコートの離型フィルム上に塗工し、ゲル電解質フィ
ルムからなる単独膜を作製した。得られたフィルムの特
性は以下の通りであった。膜厚45μm、突刺し強度2
0g、イオン伝導度2.5×10-3S/cm、TMA耐
熱温度100℃。実施例6の膜に比較し、伝導度は良好
であるが、突刺し強度と耐熱性が低いものであった。
【0098】「電池製造」実施例6で作製した正極およ
び負極と、本比較例の電解質担持ポリマー膜を用い、実
施例6と同様に、ダブルロールラミネータを用い電池エ
レメントの作製を試みた。しかし、電解質担持ポリマー
膜の力学特性が十分でないために、ラミネートの際に電
解質担持ポリマー膜のつぶれが併発し、良好な電池エレ
メントを作製できなかった。
【0099】[実施例7] 「複合型電解液担持ポリマー膜」ゲル電解質用のポリマ
ー樹脂としてVdFにヘキサフロロプロピレン(HFP)を5モ
ル%共重合したポリマー(VdF−HFP)を用いた以
外は、実施例6と同様の補強部材と製造法を採用し、複
合型電解液担持ポリマー膜を作製した。得られた電解質
膜の特性は以下の通りである。平均膜厚45μm(複合
膜表裏に4−5μm厚さのポリマー電解質層あり)、突
刺し強度450g、イオン伝導度1.3×10-3S/c
m(25℃)、TMA耐熱温度>400℃。
【0100】「正極」コバルト酸リチウム(LiCoO
2;関西触媒製)粉末85重量部とカーボンブラック5
重量部とバインダーとして前記ポリマー電解質に用いた
VdF−HFPの乾燥重量が10重量部、そして非水電
解液である1MのLiBF4を溶解したPC/EC(1
/1重量比)の量が20重量部になるように、12重量
%のVdF−HFPのテトラヒドロフラン(THF)溶
液を用い、正極材ペーストを作製した。得られたペース
トを厚さ20μmのアルミ箔上に塗布後50℃で乾燥し
THF除去し、厚さ120μmの非水電解液を保持した
正極塗膜を作製した。
【0101】「負極」炭素質負極材としてメゾフェーズ
カーボンマイクロビーズ(MCMB;大阪瓦斯化学)粉
末90重量部とバインダーとして前記電解液担持ポリマ
ーにもちいたVdF−HFPの乾燥重量が10重量部、
そして非水電解液である1MのLiBF4を溶解したP
C/EC(1/1重量比)の量が20重量部になるよう
に、12重量%のVdF−HFPのテトラヒドロフラン
(THF)溶液を用い、負極材ペーストを作製した。得
られたペーストを膜厚18μmの銅箔上に塗布後50℃
で乾燥しTHFを除去し、厚さ125μmの非水電解液
を保持した負極塗膜を作製した。
【0102】「電池製造」実施例6と同様にして正極/
複合型電解液担持ポリマー膜/負極積層体からなる電池
エレメントおよびそれをアルミラミネートフィルム中に
封入したシート状電池を作製した。正極及び負極と電解
液担持ポリマー膜との剥離強度はそれぞれ35gf/c
m、24gf/cmで良好な界面接合が遂行されている
ことが分かった。シート状電池について、1mA/cm
2の電流密度で、実施例6と同様にして充放電を実施し
たところ、繰り返しの充放電が可能であることが確認さ
れた・その際の初回放電の電流効率は79%、負極炭素
重量当たりの放電量は196mAh/gであった。
【0103】[比較例9] 「複合型電解質担持ポリマー膜」実施例7と同様のアラ
ミド多孔質補強部材とポリマー電解質ドープを用い、実
施例7と同様にして、補強部材に電解液担持ポリマーが
含浸された複合型電解液担持ポリマー膜を作製した。但
し、この際、補強部材への電解質担持ポリマーの含浸量
を低下させた。このため、平均膜厚は36μmで補強部
材単独の値と変化なく、複合膜の表裏には部分的に補強
部材が露出している部分があった。その他の特性は以下
の通りであった。突刺し強度428g、イオン伝導度
1.1×10-3S/cm(25℃)、TMA耐熱温度>
400℃。
【0104】「電池製造」前記の複合型電解液担持ポリ
マー膜と実施例7で用いた正極および負極を用い、実施
例6と同様にしてダブルロールラミネーターによる熱圧
着処理を実施した。この積層エレメントについて剥離試
験を実施したところ、平均の剥離強度は正極および負極
についてそれぞれ5gf/cm、3gf/cmと低いもの
であった。また、正・負の両電極とも電解質膜に全く接
着(接合)していない部分が目視レベルでも観測され、良
好な界面接合が遂行されていないことが分かった。
【0105】
【発明の効果】以上詳述してきたように本発明によれ
ば、高いイオン伝導度と、強い短絡防止強度と、高い力
学的耐熱性とを兼ね備えた、ポリマー二次電池用途に有
用な安全性の優れた電解液担持ポリマー膜を提供するこ
とが可能となった。
フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ11 AJ12 AK03 AK05 AL06 AL07 AM00 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ12 CJ02 CJ05 DJ13 DJ15 EJ12 EJ14 HJ00 HJ01 HJ02 HJ04 HJ14 HJ20

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高強度耐熱性樹脂からなる厚さ100μ
    m以下の多孔質補強部材(A)、該多孔質補強部材に保
    持された極性有機高分子化合物(B)、及び該極性有機
    高分子化合物と一体化してゲル状化した極性有機溶媒
    (c1)と電解質(c2)とからなる電解液(C)を有
    してなる、厚さ200μm以下、イオン伝導度5x10
    -4S/cm以上、突刺強度150g以上、力学的耐熱温
    度300℃以上の電解液担持ポリマー膜。
  2. 【請求項2】 該高強度耐熱性樹脂が芳香族ポリアミド
    である、請求項1記載の電解液担持ポリマー膜。
  3. 【請求項3】 該多孔質補強部材(A)が、厚さ50μ
    m以下、突刺強度100g以上、透気度10sec/1
    00cc.in2以下の、三次元網目状薄膜に由来する
    請求項1又は2記載の電解液担持ポリマー膜。
  4. 【請求項4】 該多孔質補強部材(A)が不織布、織
    布、絡み合った二次元状の繊維である請求項1〜3記載
    の電解液担持ポリマー膜。
  5. 【請求項5】 該多孔質補強部材(A)が目付け量8〜
    35g/m2の不織布状シートである、請求項4記載の
    電解液担持ポリマー膜。
  6. 【請求項6】 該多孔質補強部材(A)がマクミラン数
    5以下の多孔質薄膜である、請求項3記載の電解液担持
    ポリマー膜。
  7. 【請求項7】 該極性有機高分子化合物(B)がポリビ
    ニリデンフルオライド系化合物である、請求項1記載の
    電解液担持ポリマー膜。
  8. 【請求項8】 該ポリビニリデンフルオライド系化合物
    がビニリデンフルオライドとパーフロロ低級アルキルビ
    ニルエーテルとを主成分とする共重合体である、請求項
    7記載の電解液担持ポリマー膜。
  9. 【請求項9】 該パーフロロ低級アルキルビニルエーテ
    ルがパーフロロメチルビニルエーテルである、請求項8
    記載の電解液担持ポリマー膜。
  10. 【請求項10】 該ポリビニリデンフルオライド系化合
    物がビニリデンフルオライド(VdF)とパーフロロメ
    チルビニルエーテル(PFMV)とのモル比がVdF/
    PFMV=98/2〜92/8の共重合体である、請求
    項9記載の電解液担持ポリマー膜。
  11. 【請求項11】 該ポリビニリデンフルオライド系化合
    物がビニリデンフルオライドとヘキサフロロプロピレン
    とを主成分とする共重合体である、請求項7記載の電解
    液担持ポリマー膜。
  12. 【請求項12】 該ポリビニリデンフルオライド系化合
    物がビニリデンフルオライド(VdF)とヘキサフロロ
    プロピレン(HFP)とのモル比かVdF/HFP=9
    8/2〜92/8の共重合体である、請求項11記載の
    電解液担持ポリマー膜。
  13. 【請求項13】 該極性有機溶媒(c1)がプロピレン
    カーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボ
    ネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
    ト、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエ
    タン、1,2−ジエトキシエタンおよびγ−ブチロラク
    トンから選ばれる少なくとも1以上の液体である、請求
    項1〜12記載の電解液担持ポリマー膜。
  14. 【請求項14】 該電解質(c2)が過塩素酸リチウ
    ム、六弗化リン酸リチウム、ホウ四弗化リチウム、トリ
    フロロスルホン酸リチウム、リチウムパーフロロメチル
    スルホニルイミドおよびリチウムパーフロロエチルスル
    ホニルイミドから選ばれる少なくとも1種以上の電解質
    である、請求項1〜12記載の電解液担持ポリマー膜。
  15. 【請求項15】 該極性有機高分子化合物(B)に対し
    電解液(C)を100phr以上担持した、請求項1〜
    14記載の電解液担持ポリマー膜。
  16. 【請求項16】 電解質担持ポリマー膜の厚さ(a)と
    多孔質補強部材の厚さ(b)との比がa/b=1.05
    〜2.0である、請求項1〜15記載の電解液担持ポリ
    マー膜。
  17. 【請求項17】 電解液の全の担持量が80phr以上
    で、強固な担持量が全担持量の50%以上である、請求
    項1〜15記載の電解液担持ポリマー膜。
  18. 【請求項18】 電解液を保持した、リチウムイオンを
    吸蔵放出する正極材料を有してなる正極と、電解液を保
    持した、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質負極材料
    を有してなる負極とが、電解液担持ポリマー膜を介して
    接合されたポリマー二次電池において、該電解液担持ポ
    リマー膜が、イオン伝導度が25℃にて5×10-4S/
    cm以上であり、突刺し強度が150g以上であり、か
    つ膜の力学的耐熱温度が300℃以上であることを特徴
    とするポリマー電解質二次電池。
  19. 【請求項19】 該電解液担持ポリマー膜が、高強度耐
    熱性樹脂からなる厚さ100μm以下の多孔質補強部材
    (A)、該多孔質補強部材に保持された極性有機高分子
    化合物(B)、及び該極性有機高分子化合物と一体化し
    てゲル状化した極性有機溶媒(c1)と電解質(c2)
    とからなる電解液(C)を有してなる、厚さ200μm
    以下、イオン伝導度5x10-4S/cm以上、突刺強度
    150g以上、力学的耐熱温度が300℃以上の電解液
    担持ポリマー膜であることを特徴とするポリマー電解質
    二次電池。
  20. 【請求項20】 正極と電解液担持ポリマー膜との界面
    および負極と電解液担持ポリマー膜との界面が各々10
    gf/cm以上の剥離強度で接着していることを特徴と
    する請求項18および19記載のポリマー電解質二次電
    池。
  21. 【請求項21】 電解液を保持した状態の正極と、電解
    液を保持した状態の電解液担持ポリマー膜と、電解液を
    保持した状態の負極とをこの順に重ね合せ、熱圧着法に
    より貼り合せることを特徴とするポリマー電解質二次電
    池の製造方法。
  22. 【請求項22】 該電解液担持ポリマー膜におけるゲル
    状の電解液担持ポリマーの含有量が30〜85重量%で
    あり、かつ該電解液担持ポリマー膜の平均膜厚が該多孔
    質補強部材(A)の平均膜厚の1.05〜2.0倍であ
    ることを特徴とする請求項21記載のポリマー電解質二
    次電池の製造方法。
  23. 【請求項23】 イオン伝導度が25℃にて5×10-4
    S/cm以上であり、突刺し強度が300g以上であ
    り、かつ膜の力学的な耐熱温度が300℃以上である電
    解液担持ポリマー膜。
  24. 【請求項24】 正極と、イオン伝導度が25℃にて5
    ×10-4S/cm以上であり、突刺し強度が300g以
    上であり、かつ膜の力学的な耐熱温度が300℃以上で
    ある電解液担持ポリマー膜と、負極とを有するポリマー
    電解質二次電池。
JP12384999A 1999-04-30 1999-04-30 電解液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池 Expired - Fee Related JP3676115B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12384999A JP3676115B2 (ja) 1999-04-30 1999-04-30 電解液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12384999A JP3676115B2 (ja) 1999-04-30 1999-04-30 電解液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000315523A true JP2000315523A (ja) 2000-11-14
JP3676115B2 JP3676115B2 (ja) 2005-07-27

Family

ID=14870928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12384999A Expired - Fee Related JP3676115B2 (ja) 1999-04-30 1999-04-30 電解液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3676115B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003051213A (ja) * 2001-08-07 2003-02-21 Nitto Denko Corp 接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用
JP2005276598A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Sony Corp 電池
JP2006289657A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 多層多孔膜
JP2007317675A (ja) * 2000-03-07 2007-12-06 Teijin Ltd リチウムイオン二次電池用セパレータ
WO2008146895A1 (ja) * 2007-05-31 2008-12-04 Dupont Teijin Advanced Papers, Ltd. 電解質およびそれを使用した電気電子部品
WO2013066582A1 (en) * 2011-11-03 2013-05-10 Johnson Controls Technology Llc Lithium ion secondary battery with improved safety characteristics
US10633492B2 (en) 2015-12-17 2020-04-28 Lg Chem, Ltd. Lithium secondary battery anode and lithium secondary battery including same
CN113506910A (zh) * 2021-07-01 2021-10-15 丹阳欣信新材料科技有限公司 一种钠离子复合固态电解质及其制备方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007317675A (ja) * 2000-03-07 2007-12-06 Teijin Ltd リチウムイオン二次電池用セパレータ
JP2003051213A (ja) * 2001-08-07 2003-02-21 Nitto Denko Corp 接着性多孔質膜、それより得られる高分子ゲル電解質とそれらの応用
JP2005276598A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Sony Corp 電池
JP4670246B2 (ja) * 2004-03-24 2011-04-13 ソニー株式会社 リチウムイオン二次電池
JP2006289657A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Asahi Kasei Chemicals Corp 多層多孔膜
WO2008146895A1 (ja) * 2007-05-31 2008-12-04 Dupont Teijin Advanced Papers, Ltd. 電解質およびそれを使用した電気電子部品
WO2013066582A1 (en) * 2011-11-03 2013-05-10 Johnson Controls Technology Llc Lithium ion secondary battery with improved safety characteristics
US10633492B2 (en) 2015-12-17 2020-04-28 Lg Chem, Ltd. Lithium secondary battery anode and lithium secondary battery including same
CN113506910A (zh) * 2021-07-01 2021-10-15 丹阳欣信新材料科技有限公司 一种钠离子复合固态电解质及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3676115B2 (ja) 2005-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100633713B1 (ko) 전해액 담지 중합체 막, 이를 사용한 중합체 전해질 2차 전지 및 당해 전지의 제조방법
JP4127989B2 (ja) 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池
US10096811B2 (en) Separator for a non-aqueous secondary battery and non-aqueous secondary battery
KR101434377B1 (ko) 비수계 이차전지용 세퍼레이터 및 비수계 이차전지
US9431641B2 (en) Separator for nonaqueous secondary battery, and nonaqueous secondary battery
US9692028B2 (en) Separator for nonaqueous electrolyte battery, and nonaqueous electrolyte battery
US9882189B2 (en) Separator for nonaqueous electrolyte battery, and nonaqueous electrolyte battery
WO2006064775A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP4981220B2 (ja) 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池
JP4558110B2 (ja) ポリマー電解質二次電池及びその製造方法
JP4414165B2 (ja) 電子部品用セパレータおよび電子部品
JP2001266942A (ja) 電解質担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池
JP4606705B2 (ja) 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池
JP4086474B2 (ja) 電解液担持ポリマー膜、電池用セパレータ、それらを用いた二次電池及びその製造方法
KR20180042831A (ko) 비수 전해액 이차 전지용 적층 세퍼레이터, 비수 전해액 이차 전지용 부재 및 비수 전해액 이차 전지
JP2014026946A (ja) 非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池
JP2001222988A (ja) 電解液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池
JP3676115B2 (ja) 電解液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池
JP4490055B2 (ja) リチウムイオン二次電池又はポリマーリチウム電池用セパレータ
JP4017744B2 (ja) 固体型ポリマー電解質膜及びその製造方法
JP4187434B2 (ja) リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池
JP2001118559A (ja) 電解液担持ポリマー膜及びそれを用いた二次電池
JP2001093499A (ja) 電池用多孔膜及びこれを用いた二次電池
JP2002313429A (ja) 非水電解質二次電池およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080513

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees