JP2000311801A - チップ型有機質サーミスタおよびその製造方法 - Google Patents

チップ型有機質サーミスタおよびその製造方法

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JP2000311801A
JP2000311801A JP11120541A JP12054199A JP2000311801A JP 2000311801 A JP2000311801 A JP 2000311801A JP 11120541 A JP11120541 A JP 11120541A JP 12054199 A JP12054199 A JP 12054199A JP 2000311801 A JP2000311801 A JP 2000311801A
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Japan
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chip
organic thermistor
resistor
insulator
thermistor element
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JP11120541A
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Takashi Shikama
隆 鹿間
Yuichi Takaoka
祐一 高岡
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実装時に特性のばらつきが少ないチップ型有
機質サーミスタおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 サーミスタ特性をもつ抵抗体層と、この
抵抗体層の上下に配置された絶縁体層とからなる有機質
サーミスタ素子の内部に、前記抵抗体層を介して互いに
対向するように内部電極が設けられ、この内部電極は有
機質サーミスタ素子端部に形成された外部電極にそれぞ
れ電気的に接続されている。前記絶縁体層は、前記抵抗
体層と同系の結晶性高分子材料、もしくは略同一の熱膨
張係数をもつ材料からなる。前記有機質サーミスタ素子
は、抵抗体層、内部電極、絶縁体層の一体化が一度の熱
圧着で行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チップ型のサー
ミスタに関し、特に、電気回路の過電流保護回路に用い
られる有機質サーミスタおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来のチップ型有機質サーミス
タ1を回路基板6に半田7で取り付けた状態を示す一部
断面側面図である。チップ型有機質サーミスタ1は、ポ
リエチレンなどの樹脂にカーボンなどの導電性粒子を分
散させてなるチップ状の有機正特性サーミスタ素子2
と、有機質サーミスタ素子2の対向する両主面に金属箔
の熱プレスにより形成された表面電極3、3と、有機質
サーミスタ素子2の両主面に形成され、表面電極3、3
を覆っている絶縁層4、4と、表面電極3、3に電気的
に接続されるように有機質サーミスタ素子2の両端部に
形成された外部電極5、5とからなる。
【0003】チップ型有機質サーミスタ1は、回路基板
6にリフロー半田付けなどで装着され、復帰性のあるヒ
ューズとして用いられる。すなわち、回路に過電流が流
れると、有機質サーミスタ素子2が発熱するとともに有
機質サーミスタ素子2を構成するポリエチレン樹脂が熱
膨張し、熱膨張の度合いに応じて導電性粒子同士の接触
による導通状態から導通の切断の度合いが増す。これに
より、有機質サーミスタ素子2の抵抗が増加して過電流
を減少させ、回路を過電流から保護することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、半田付
け時の熱により有機質サーミスタ素子2が熱膨張する
と、有機質サーミスタ素子2の熱膨張係数と絶縁層4、
4の熱膨張係数とが異なることから、両者の熱膨張率の
差により両者の境界層ではがれが起こりやすく、表面電
極3が有機質サーミスタ素子2から部分的にはがれるこ
とがあった。また、その後半田7が固化するときに、有
機質サーミスタ素子2は熱収縮するため、両者の熱収縮
率に差が生じ、同様のことが起こることがあった。これ
は、実装前と実装後のチップ型有機質サーミスタ1の特
性にズレを生じさせ、さらには過電流保護性能のバラツ
キを生み出す原因となっていた。
【0005】また、表面電極3、3を覆う絶縁層4、4
は、外装樹脂塗料を塗布し、熱硬化させたものである
が、熱処理による応力および外装樹脂の硬化による応力
により、抵抗値が所望値から高抵抗側にずれるという問
題があった。表面電極3、3の形成、絶縁層4、4の形
成、回路基板6への半田付けなど、熱処理回数が増える
ほど、熱ストレスにより抵抗値がバラツキやすい。した
がって、あらかじめ比抵抗の小さい材料からなる有機正
特性サーミスタ素子2を用いたり、所望の抵抗値のチッ
プ型有機質サーミスタ1を選別するなどして、品質の維
持を行なう必要があった。
【0006】さらに、チップ型有機質サーミスタ1の絶
縁層4、4はエポキシ系樹脂を塗布、焼付したものであ
り、その厚みは、特性ズレを回避するように、20〜3
0μmと薄く形成されている。この場合、チップ型有機
質サーミスタ1を回路基板6に実装して過電流保護素子
として用いると、絶縁層4が回路基板6に密接し、有機
質サーミスタ素子2の発熱が回路基板6へ逃げてしま
う。このため、有機質サーミスタ素子2の熱放散が大き
くなり、保護電流が大きく変化し、チップ型有機質サー
ミスタ1の実装前と実装後の特性にズレが生じるという
問題があった。動作時に有機質サーミスタ素子2の発熱
が回路基板6を通じて逃げてしまうと、動作が遅れ、回
路に大電流が流れて各種回路部品がダメージを受けるこ
とになる。
【0007】さらにまた、有機質サーミスタ素子2と回
路基板6との距離が短く、有機質サーミスタ素子2が高
温に発熱すると、回路基板6を焦がしたり、半田7を溶
かすという問題もあった。チップ型有機質サーミスタ1
では、過電流を保護した状態での発熱温度を下げるた
め、有機質サーミスタ素子2のキュリー温度を下げて、
過電流保護性能を犠牲にすることがあった。
【0008】この発明の目的は、回路基板への実装時に
特性のばらつきが少ないチップ型有機質サーミスタおよ
びその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この第1の発明に係るチ
ップ型有機質サーミスタは、チップ状の有機質サーミス
タ素子と、この有機質サーミスタ素子の内部に設けられ
た内部電極と、この有機質サーミスタ素子の端部に設け
られた外部電極と、を備え、前記有機質サーミスタ素子
は、結晶性高分子材料に導電性粒子が分散されたサーミ
スタ特性をもつ抵抗体層と、この抵抗体層の上下に配置
された絶縁体層とからなり、前記絶縁体層は、導電性粒
子が含まれないまたは微量の導電性粒子が分散された、
前記抵抗体層と同系の結晶性高分子材料からなることを
特徴とする。
【0010】この第2の発明に係るチップ型有機質サー
ミスタは、チップ状の有機質サーミスタ素子と、この有
機質サーミスタ素子の内部に設けられた内部電極と、こ
の有機質サーミスタ素子の端部に設けられた外部電極
と、を備え、前記有機質サーミスタ素子は、結晶性高分
子材料に導電性粒子が分散されたサーミスタ特性をもつ
抵抗体層と、この抵抗体層の上下に配置された絶縁体層
とからなり、前記絶縁体層は、導電性粒子が含まれない
または微量の導電性粒子が分散されており、前記抵抗体
層と略同一の熱膨張係数であることを特徴とする。
【0011】この第3の発明に係るチップ型有機質サー
ミスタは、前記内部電極が、前記抵抗体層と絶縁体層と
の界面に設けられていることを特徴とする。
【0012】この第4の発明に係るチップ型有機質サー
ミスタの製造方法は、結晶性高分子材料に導電性粒子が
分散されたサーミスタ特性をもつ抵抗体シートと、導電
性粒子が含まれないまたは微量の導電性粒子が分散され
た絶縁体シートと、内部電極用の金属箔と、を準備する
工程と、前記絶縁体シートの間に前記抵抗体シートおよ
び前記金属箔を介在させて積層し、熱圧着させる工程
と、このシート状の圧着体を、前記金属箔の一端が露出
するように、チップ状に切断する工程と、このチップ状
の有機質サーミスタ素子の両端部に、前記金属箔の一端
と電気的に接続するように、外部電極15、15を形成
する工程と、を備えることを特徴とする。
【0013】この第5の発明に係るチップ型有機質サー
ミスタの製造方法は、前記絶縁体シートの間に前記抵抗
体シートおよび前記金属箔を介在させて積層し、熱圧着
させる工程が、抵抗体シートの表面にパターニングされ
た金属箔を形成する工程と、この金属箔を形成した抵抗
体シートを所定枚数重ねて、絶縁体シートで挟んで積層
し、熱プレスで接合させる工程と、からなることを特徴
とする。
【0014】この第6の発明に係るチップ型有機質サー
ミスタの製造方法は、前記絶縁体シートの間に前記抵抗
体シートおよび前記金属箔を介在させて積層し、熱圧着
させる工程が、耐熱性フィルムの一面に、絶縁体シート
およびパターニングされた金属箔を形成する工程と、抵
抗体シートを、絶縁体シートおよび金属箔形成面を内側
にした前記耐熱性フィルムで挟んで積層し、熱プレスで
接合させる工程と、上下最外層の耐熱性フィルムを除去
する工程と、からなることを特徴とする。
【0015】このチップ型有機質サーミスタは、サーミ
スタ素子最外層が抵抗体層と同系の樹脂からなる絶縁体
層からなるので、サーミスタ特性を示す内部の抵抗体層
と絶縁体層の熱膨張率、熱収縮率がほぼ同じであり、両
者の境界層でのはがれが起こりにくい。また、サーミス
タ素子最外層がある程度の厚みがある絶縁体層からなる
ので、サーミスタ特性を示す内部の抵抗体層の発熱が回
路基板に伝わりにくい。さらに、有機質サーミスタ素子
の抵抗体層、内部電極、絶縁体層の一体化が一度に行わ
れるので、加工時の熱ストレスが小さい。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明における一つの実施の形
態について、図1に示すチップ型有機質サーミスタ11
を参照して説明する。チップ型有機質サーミスタ11
は、チップ状の有機質サーミスタ素子12と、この有機
質サーミスタ素子12の内部において互いに対向するよ
うに形成された内部電極13、13と、内部電極13、
13に電気的に接続されるように有機質サーミスタ素子
12の両端部に形成された外部電極15、15とからな
る。
【0017】有機質サーミスタ素子12は、結晶性高分
子物質に導電性粒子が分散されたサーミスタ特性をもつ
抵抗体層12aと、この抵抗体層12aの上下に形成さ
れた導電性粒子が含まれない絶縁体層12b、12bと
からなる。この実施例では、抵抗体層12aは、ポリエ
チレン樹脂をベースにカーボン粒子を分散させてなり、
絶縁体層12bは、ポリエチレン樹脂、すなわち、抵抗
体層12aと同系の結晶性高分子材料を用い、カーボン
を分散させない絶縁性の材料からなる。
【0018】内部電極13、13は、NiまたはCuな
どの金属箔からなり、抵抗体層12aの上下、すなわち
抵抗体層12aと絶縁体層12bとの界面に抵抗体層1
2aを介して互いに対向するように形成されている。さ
らに、内部電極13、13の各一端は有機質サーミスタ
素子11の互いに異なる端部に露出するように形成され
ている。
【0019】外部電極15、15は、有機質サーミスタ
11を半田で回路基板に実装しやすいよう、有機質サー
ミスタ素子12の両端部に形成されるとともに、内部電
極13、13にそれぞれ電気的に接続されている。この
実施例では、外部電極15、15は、メッキまたは蒸
着、スパッタリングなどの真空法で形成されたNi,C
rまたはこれらを含む合金膜と、その上にSn,Agま
たはこれらの合金を含む熱硬化型の導電性ペーストをデ
ィッピングし、熱硬化させた導電膜とからなる。
【0020】このチップ型有機質サーミスタ11の回路
基板への実装前と実装後の抵抗値の変化率を従来例のチ
ップ型有機質サーミスタ1と比較した。従来例のチップ
型有機質サーミスタ1は60〜80%と非常に大きい変
化率であったが、この発明のチップ型有機質サーミスタ
11における抵抗値の変化率は5〜10%と小さく、半
田付けの前後で抵抗値は安定していた。
【0021】また、チップ型有機質サーミスタ11を、
60℃で500時間、連続通電による寿命試験を行なっ
たときの抵抗値の変化率を調べ、同じく従来例のチップ
型有機質サーミスタ1と比較した。従来例のチップ型有
機質サーミスタ1は80〜100%と非常に大きい変化
率であったが、この発明のチップ型有機質サーミスタ1
1における抵抗値の変化率は10〜15%と小さく、長
期に使用しても抵抗値は安定していた。
【0022】これは、チップ型有機質サーミスタ11
が、有機質サーミスタ素子12の上下最外層に、従来例
のチップ型有機質サーミスタ1の絶縁層4、4よりも厚
い、50〜200μm程度の厚みの絶縁体層12b、1
2bを有するため、抵抗体層12aの発熱が回路基板6
に伝わりにくいからである。さらに、この絶縁体層12
b、12bが内部の抵抗体層12aと同系のポリエチレ
ン樹脂からなり同一特性のため、抵抗体層12aの膨
張、収縮を吸収しやすいからである。
【0023】なお、図1では、絶縁体層12b、12b
を有機質サーミスタ素子12両主面の全面に形成した
が、図2に示すチップ型有機質サーミスタ11’のよう
に、内部電極13、13と外部電極15、15との接続
部近傍を除去した絶縁体層12b’、12b’を形成し
てもよい。この場合、内部電極13、13と外部電極1
5、15との接続面積が大きくなり、接続がより確実に
なる。
【0024】また、図1では、抵抗体層12aと絶縁体
層12b、12bとの界面に内部電極13、13を形成
したが、図3に示すチップ型有機質サーミスタ11’’
のように、抵抗体層12a’’内部において、内部電極
13、13を互いに対向させてもよい。チップ型有機質
サーミスタ11’’は、例えば、図1のチップ型有機質
サーミスタ11の内部電極13、13と絶縁体層12
b、12bとの間に、さらに抵抗体層12a、12aを
介在させたものである。
【0025】図4は、チップ型有機質サーミスタ11の
他の実施の形態を示すものである。図4に示すチップ型
有機質サーミスタ21は、有機質サーミスタ素子22の
内部に厚み50〜150μmの複数の抵抗体層22aを
介して内部電極23、23を複数対向させたものであ
る。図4中、22b、22bは絶縁体層、25、25は
外部電極であり、それぞれ図1の絶縁体層12b、12
b、外部電極15、15に対応する。
【0026】図5は、チップ型有機質サーミスタ11の
その他の実施の形態を示すものである。図5に示すチッ
プ状の有機質サーミスタ素子32は、外部電極(図示せ
ず)と接続する内部電極33の一辺33aを除く3辺
が、有機質サーミスタ素子32の端縁からギャップを設
けて内側に形成されたものである。この構成によれば、
抵抗体層32aのポリエチレン樹脂と絶縁層32bのポ
リエチレン樹脂とが熱圧着により接合されると、一辺3
3aを除いて内部電極33、33の周囲が封止される。
この有機質サーミスタ素子32によれば、内部電極3
3、33が外部からの影響を受けにくくなり、長期に使
用しても電気的特性の変化を小さく抑えることができ
る。
【0027】図6は、チップ型有機質サーミスタ11の
その他の実施の形態を示すものである。図6に示すチッ
プ型有機質サーミスタ41は、抵抗体層42aの一面に
くし歯状の内部電極43、43を形成したものである。
図6中、42b、42bは絶縁体層、45、45は外部
電極であり、それぞれ図1の絶縁体層12b、12b、
外部電極15、15に対応する。
【0028】なお、絶縁体層12b、12b’、22
b、32b、42bは、抵抗体層12a、12a’’、
22a、32a、42aと同系の結晶性高分子材料から
なる他、抵抗体層12a、12a’’、22a、32
a、42aと略同一の熱膨張係数を持つ材料からなるも
のであっても良い。例えば、ポリエチレン系の抵抗体材
料と略同一の熱膨張係数を持つ材料として、スチレン
系、ビニル系、エステル系などがある。
【0029】さらにまた、上述した実施の形態で絶縁体
層12b、12b’、22b、32b、42bは導電性
粒子が含まれない結晶性高分子物質を用いて説明した
が、微量の導電性粒子が含まれた結晶性高分子物質であ
っても、絶縁抵抗が十分に大きいものであればよい。
【0030】上述したチップ型有機質サーミスタの製造
方法について、図1のチップ型有機質サーミスタ11を
参照して説明する。まず、ポリエチレン樹脂中に導電性
のあるカーボン粒子を混合分散させて、厚み100〜5
00μmの正の抵抗温度特性を持つ抵抗体シートを作製
する。
【0031】次に、カーボン粒子を混合分散させない、
ポリエチレン樹脂からなる厚み50〜200μmの絶縁
体シートと、粗面加工したCu箔を用意し、図7に示す
ように、下から順に、絶縁体シート16、Cu箔17、
抵抗体シート18、Cu箔17、絶縁体シート16を積
層し、熱を加えながら圧着させる。
【0032】このとき、抵抗体シート18の上下面の所
定の位置にあらかじめCu箔をパターン形成しておき、
この抵抗体シートを2枚の絶縁体シート16で挟んで積
層するとよい。
【0033】抵抗体シート18は抵抗体層12aを、絶
縁体16シートは絶縁体層12b、12bを、Cu箔1
7は内部電極13、13を形成する。なお、この圧着体
の厚みは、求める抵抗値などによるが、200〜100
0μm程度である。
【0034】このシート状の圧着体を適宜の大きさ、こ
の場合は図7に示した一点鎖線に沿って4mm×3mm
のチップ状に切断した後、Cu箔17、17と接続する
ように、チップ体の両端部に図1に示すように外部電極
15、15を形成する。外部電極15、15は、前述の
ように、薄膜形成されたNi,Crまたはこれらを含む
合金膜の上に、半田付けしやすいようにSn,Agまた
はこれらの合金を含む熱硬化型の導電性ペーストをディ
ッピングし、熱硬化させることにより形成される。
【0035】なお、シート状の圧着体を短冊状に切断
し、Cu箔17、17が露出した短冊状物の両側面に外
部電極15、15を形成した後、その短冊状物をチップ
状に切断してもよい。
【0036】上記工程により、有機質サーミスタ素子1
2内部には、抵抗体層12aの厚み方向に、互いに対向
して異なる高さ位置にある内部電極13、13が形成さ
れ、抵抗体層12aは導電性のカーボンを含んでサーミ
スタ特性を有し、絶縁体層12b、12bはカーボンを
含まず絶縁性を有する、多層構造のチップ型有機質サー
ミスタ11を得ることができる。
【0037】また、上記チップ型有機質サーミスタ11
の他の製造方法としては、図8に示すように、ポリイミ
ド膜などの耐熱性のフィルム19に絶縁体シート16と
パターニングしたCu箔17をあらかじめ形成してお
き、フィルム19面が最外層になるように、間に抵抗体
シート18を挟んで熱プレス接合した後、フィルム19
を剥がして一点鎖線A−A’で切断し、チップ状の有機
質サーミスタ素子12を作製してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のチップ型有
機質サーミスタは、絶縁体層が、抵抗体層と同系の結晶
性高分子材料または略同一の熱膨張係数を有する材料か
らなるため、サーミスタ特性を示す抵抗体層と絶縁体層
の膨張、収縮率がほぼ同じで、両者の境界層でのはがれ
が起きにくく、半田付け前後の抵抗値の変化が小さく、
安定する。また、この発明のチップ型有機質サーミスタ
は、回路基板に装着する際、有機質サーミスタ素子の上
下最外層の絶縁体層が、従来の絶縁層よりも厚いため、
サーミスタ特性を示す抵抗体層が回路基板からより離れ
る。したがって、抵抗体層の発熱が回路基板に伝わりに
くく、抵抗体層の熱放散のみで保護電流が決定されるの
で、保護電流のばらつきが少ない。また、抵抗体層から
の熱の逃げが少ないので、発熱動作が早く、過電流保護
動作が素早く行われる。さらに、抵抗体層が高温に発熱
しても、回路基板への熱伝導が小さく、回路基板の温度
上昇が小さいため、回路基板を焦がしたり、半田を溶か
したりしにくい。
【0039】さらにまた、本発明のチップ型有機質サー
ミスタは、有機質サーミスタ素子の抵抗体層、内部電
極、絶縁体層の一体化が一度で行われるので、熱処理回
数が1回で済み、加工時の熱ストレスが小さく、抵抗値
のばらつきが小さく品質的に安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る一つの実施の形態のチップ型有
機質サーミスタを示す側面図である。
【図2】この発明に係る他の変形例のチップ型有機質サ
ーミスタを示す側面図である。
【図3】この発明に係るその他の変形例のチップ型有機
質サーミスタを示す側面図である。
【図4】この発明に係る他の実施の形態のチップ型有機
質サーミスタを示す側面図である。
【図5】この発明に係るその他の実施の形態のチップ状
の有機質サーミスタ素子を示す分解斜視図である。
【図6】この発明に係るその他の実施の形態のチップ型
有機質サーミスタを示す斜視図である。
【図7】有機質サーミスタ素子の一つの製造過程を示す
分解斜視図である。
【図8】有機質サーミスタ素子の他の製造過程を示す側
面図である。
【図9】従来例の有機質サーミスタを示す一部断面側面
図である。
【符号の説明】
11、11’、11’’、21、41 チッ
プ型有機質サーミスタ 12、22、32、42 有機
質サーミスタ素子 12a、12a’’、22a、32a、42a 抵抗
体層 12b、12b’、22b、32b、42b 絶縁
体層 13、23、33、43 内部
電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ状の有機質サーミスタ素子と、こ
    の有機質サーミスタ素子の内部に設けられた内部電極
    と、この有機質サーミスタ素子の端部に設けられた外部
    電極と、を備え、 前記有機質サーミスタ素子は、結晶性高分子材料に導電
    性粒子が分散されたサーミスタ特性をもつ抵抗体層と、
    この抵抗体層の上下に配置された絶縁体層とからなり、 前記絶縁体層は、導電性粒子が含まれないまたは微量の
    導電性粒子が分散された、前記抵抗体層と同系の結晶性
    高分子材料からなることを特徴とするチップ型有機質サ
    ーミスタ。
  2. 【請求項2】 チップ状の有機質サーミスタ素子と、こ
    の有機質サーミスタ素子の内部に設けられた内部電極
    と、この有機質サーミスタ素子の端部に設けられた外部
    電極と、を備え、 前記有機質サーミスタ素子は、結晶性高分子材料に導電
    性粒子が分散されたサーミスタ特性をもつ抵抗体層と、
    この抵抗体層の上下に配置された絶縁体層とからなり、 前記絶縁体層は、導電性粒子が含まれないまたは微量の
    導電性粒子が分散されており、前記抵抗体層と略同一の
    熱膨張係数であることを特徴とするチップ型有機質サー
    ミスタ。
  3. 【請求項3】 前記内部電極は、前記抵抗体層と絶縁体
    層との界面に設けられていることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のチップ型有機質サーミスタ。
  4. 【請求項4】 結晶性高分子材料に導電性粒子が分散さ
    れたサーミスタ特性をもつ抵抗体シートと、導電性粒子
    が含まれないまたは微量の導電性粒子が分散された絶縁
    体シートと、内部電極用の金属箔と、を準備する工程
    と、 前記絶縁体シートの間に前記抵抗体シートおよび前記金
    属箔を介在させて積層し、熱圧着させる工程と、 このシート状の圧着体を、前記金属箔の一端が露出する
    ように、チップ状に切断する工程と、 このチップ状の有機質サーミスタ素子の両端部に、前記
    金属箔の一端と電気的に接続するように、外部電極を形
    成する工程と、を備えることを特徴とする請求項1〜請
    求項3に記載のチップ型有機質サーミスタの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記絶縁体シートの間に前記抵抗体シー
    トおよび前記金属箔を介在させて積層し、熱圧着させる
    工程は、 抵抗体シートの表面にパターニングされた金属箔を形成
    する工程と、 この金属箔を形成した抵抗体シートを所定枚数重ねて、
    絶縁体シートで挟んで積層し、熱プレスで接合させる工
    程と、からなることを特徴とする請求項4記載のチップ
    型有機質サーミスタの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記絶縁体シートの間に前記抵抗体シー
    トおよび前記金属箔を介在させて積層し、熱圧着させる
    工程は、 耐熱性フィルムの一面に、絶縁体シートおよびパターニ
    ングされた金属箔を形成する工程と、 抵抗体シートを、絶縁体シートおよび金属箔形成面を内
    側にした前記耐熱性フィルムで挟んで積層し、熱プレス
    で接合させる工程と、 上下最外層の耐熱性フィルムを除去する工程と、からな
    ることを特徴とする請求項4記載のチップ型有機質サー
    ミスタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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