JP2000309876A - 置換型無電解錫−銀合金めっき液 - Google Patents

置換型無電解錫−銀合金めっき液

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JP2000309876A
JP2000309876A JP11116852A JP11685299A JP2000309876A JP 2000309876 A JP2000309876 A JP 2000309876A JP 11116852 A JP11116852 A JP 11116852A JP 11685299 A JP11685299 A JP 11685299A JP 2000309876 A JP2000309876 A JP 2000309876A
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acid
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alloy plating
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JP11116852A
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Yukio Nishihama
幸男 西浜
Shuichi Yoshikawa
修一 吉川
Yasuhiro Tanabe
靖博 田辺
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Okuno Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Okuno Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】浴安定性が良好であり、しかも優れた特性の錫
−銀合金めっき皮膜を形成できる置換型の無電解錫−銀
合金めっき浴を提供する。 【解決手段】(i)2価の水溶性錫化合物、(ii)水溶
性銀化合物、(iii)分子内に2個のモノスルフィド基
を有する水溶性含硫黄有機化合物、及び(iv)次亜リン
酸化合物を含有するpH7以下の水溶液からなる置換型
無電解錫−銀合金めっき液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、置換型無電解錫−
銀合金めっき浴、及び無電解錫−銀合金めっき方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品にはんだ接合を行う場合
の下地皮膜として、無電解錫−鉛めっき皮膜が用いられ
ている。しかしながら、近年、鉛による環境汚染が問題
となり、将来的には鉛の使用制限が行われる可能性が高
いために、錫−鉛合金めっきの代替として使用し得る合
金皮膜の開発が望まれている。
【0003】錫−鉛はんだの代替としては、錫と、銀、
ビスマス、銅、インジウム、アンチモン、亜鉛等との二
元或いは多元合金が候補として挙げられており、錫−銀
合金が現在最も有力視されている。
【0004】近年、幾つかの無電解錫−銀合金めっき浴
が提案されている。例えば、特開平9−302476号
公報には、2価の錫化合物と1価の銀化合物に加えて、
チオ尿素、チオ尿素誘導体、チオ硫酸、ヨウ素化合物、
臭素化合物、コハク酸イミド及びメルカプトコハク酸か
ら選ばれた錯化剤を含む無電解錫−銀合金めっき浴が記
載されている。
【0005】また、特開平11−61426号公報に
は、有機酸又は無機酸、チオ尿素、チオ尿素誘導体、エ
チレンジアミン誘導体等の錯化剤、及びリン化合物を含
む各種の無電解スズ合金めっき浴が開示されており、ス
ズ合金の例として、スズ−銀合金が記載されている。
【0006】しかしながら、これらの無電解錫−銀合金
めっき浴は、浴安定性が不十分であり、放置により錫ま
たは銀の沈殿を生じるという欠点があり、長期使用がで
きないために実用化の大きな妨げとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
浴安定性が良好であり、しかも優れた特性の錫−銀合金
めっき皮膜を形成できる置換型の無電解錫−銀合金めっ
き浴を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の問題点を解決するために、鋭意研究を重ねて
きた。その結果、2価の水溶性錫化合物と水溶性銀化合
物を含み、更に、分子内に2個のモノスルフィド基を有
する水溶性含硫黄有機化合物と次亜リン酸化合物を配合
したpH7以下の水溶液からなる置換型無電解錫−銀合
金めっき液は、浴安定性が非常に良好であり、形成され
るめっき皮膜は優れた特性を有するものとなることを見
出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記の置換型無電解錫−
銀合金めっき液、無電解錫−銀合金めっき方法、及びめ
っき処理品を提供するものである。 1.(i)2価の水溶性錫化合物、(ii)水溶性銀化合
物、(iii)分子内に2個のモノスルフィド基を有する
水溶性含硫黄有機化合物、及び(iv)次亜リン酸化合物
を含有するpH7以下の水溶液からなる置換型無電解錫
−銀合金めっき液。 2.分子内に2個のモノスルフィド基を有する水溶性含
硫黄有機化合物が、分子内に水酸基、カルボキシル基、
スルホン酸基、アミノ基、ホスホン基およびメルカプト
基から選ばれた少なくとも1種の水溶性基を有し、2個
のモノスルフィド基の間に炭素数1〜8個の2価の炭化
水素基が存在する化合物、および該化合物の塩から選ば
れた少なくとも1種である上記項1に記載の無電解錫−
銀合金めっき液。 3.2価の水溶性錫化合物を、錫金属量として1〜50
g/l含有し、水溶性銀化合物を、銀金属量として0.
001〜10g/l含有し、分子内に2個のモノスルフ
ィド基を有する水溶性含硫黄有機化合物を0.1〜15
0g/l含有し、次亜リン酸化合物を5〜130g/l
含有する水溶液からなる上記項1又は2に記載の無電解
錫−銀合金めっき液。 4.ホウフッ化水素酸、メタンスルホン酸、p−トルエ
ンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、酒石酸、グ
ルコン酸及びクエン酸から選ばれた少なくとも一種の酸
を1〜400g/l含有する上記項1〜3のいずれかに
記載の無電解錫−銀合金めっき液。 5.チオ尿素類を1〜150g/l含有する上記項1〜
4のいずれかに記載の無電解錫−銀合金めっき液。 6.浴温10〜80℃の上記項1〜5のいずれかに記載
の置換型無電解錫−銀合金めっき液に、被めっき物を浸
漬することを特徴とする無電解錫−銀合金めっき方法。 7.上記項6の方法で錫−銀合金めっき皮膜が形成され
ためっき処理品。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の無電解錫−銀合金めっき
液は、必須成分として、(i)2価の水溶性錫化合物、
(ii)水溶性銀化合物、(iii)分子内に2個のモノス
ルフィド基を有する水溶性含硫黄有機化合物、及び(i
v)次亜リン酸化合物を含有する水溶液である。
【0011】2価の水溶性錫化合物としては、所定のp
H範囲に調整した本発明のめっき液に可溶な錫化合物で
あれば、特に限定なく使用できる。特に、酸化錫、硫酸
錫、塩化錫、ホウフッ化錫、メタンスルホン酸錫等は溶
解性が良好である点で好ましい。又、pH調整のために
酸を添加する場合には、pH調整に用いる酸と同種のア
ニオン部分を有する錫塩を使用すると、余分なアニオン
成分の蓄積を防止できる。水溶性錫化合物は、1種単独
又は2種以上混合して用いることができる。
【0012】水溶性錫化合物の配合量は、錫金属量とし
て1〜50g/l程度とすることが好ましく、5〜20
g/l程度とすることがより好ましい。錫金属量が上記
範囲にある場合には実用的に十分な析出速度となり、め
っき浴の安定性も良好となる。錫金属量が不足すると析
出速度が低下するので好ましくない。錫化合物量が上記
範囲を上回ってもめっき性能上の問題はないが、汲み出
し量が増加するので、経済的に好ましくない。
【0013】水溶性銀化合物としては、所定のpH範囲
に調整した本発明のめっき液に可溶な1価の銀化合物で
あれば特に限定なく使用できる。例えば、酸化銀の他、
各種の有機酸、無機酸等の銀塩を用いることができる。
特に、酸化銀、硫酸銀、塩化銀、硝酸銀等は溶解性が良
好である点で好ましい。又、pH調整のために酸を添加
する場合には、pH調整に用いる酸と同種のアニオン部
分を有する銀塩を使用すると、余分なアニオン成分の蓄
積を防止できる。水溶性銀化合物は、1種単独又は2種
以上混合して用いることができる。
【0014】水溶性銀化合物の配合量は、銀金属量とし
て0.001〜10g/l程度とすることが好ましく、
0.01〜5g/lとすることがより好ましい。銀金属
量が上記範囲にある場合には、密着性、外観等の良好な
皮膜が得られ、安定した合金組成の皮膜を連続的に形成
することができる。銀金属量が少なすぎる場合には、連
続的に使用した場合に、浴中の銀濃度の変動が大きくな
り、浴の管理が煩雑になるので好ましくない。また、銀
化合物量が多くなりすぎると、形成される皮膜の密着性
が低下するので好ましくない。
【0015】本発明のめっき液では、形成されるめっき
皮膜の合金組成は、ほぼ浴中の金属濃度比と一致するの
で、目的とする合金組成に応じて、めっき液中の錫化合
物と銀化合物の割合を決めればよい。
【0016】分子内に2個のモノスルフィド基を有する
水溶性含硫黄有機化合物としては、分子内に2個のモノ
スルフィド基を有するとともに、分子内に水酸基、カル
ボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、ホスホン酸基お
よびメルカプト基から選ばれた少なくとも1種の水溶性
基を有し、2個のモノスルフィド基の間に炭素数1〜8
個の2価の炭化水素基が存在する化合物、該化合物のア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩等が好ましい。水溶性基
は、分子内に1個以上存在すれば良いが、2個以上存在
することが好ましい。該水溶性含硫黄有機化合物は、1
種単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0017】該水溶性含硫黄化合物の好ましい例として
は、下記一般式で表される化合物、その塩等を挙げるこ
とができる。
【0018】X−R1−S−R2−S−R3−Y (式中、R1、R2およびR3は、同一又は異なって、そ
れぞれ、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン
基、XおよびYは、同一又は異なって、水酸基、カルボ
キシル基、スルホン酸基、アミノ基、ホスホン酸基又は
メルカプト基である) 該水溶性含硫黄有機化合物の具体例としては、1,2−
ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、2,2’−
(エチレンジチオ)ジエタンチオール、1,4−ビス
(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン、3,3’−(プ
ロピレンジチオ)ジプロピオン酸、これらの化合物の塩
(アルカリ金属塩、アンモニウム塩)等を挙げることが
できる。
【0019】該水溶性含硫黄有機化合物の配合量は、
0.1〜150g/l程度とすることが好ましく、5〜
80g/l程度とすることがより好ましい。該水溶性含
硫黄有機化合物を配合することによって、めっき液が長
期に亘って安定となり、しかも密着性、外観等の良好な
錫−銀合金皮膜を形成することができる。該水溶性含硫
黄有機化合物の配合量が不足すると、浴安定性を長期間
維持することが困難になるので好ましくない。一方、硫
黄有機化合物の配合量が上記範囲を上回ってもめっき性
能上の問題はないが、めっき液の持ち出しが増大するの
で、経済的に好ましくない。
【0020】本発明のめっき液に配合する次亜リン酸化
合物としては、次亜リン酸の他に、次亜リン酸ナトリウ
ム、次亜リン酸カリウム等の次亜リン酸塩を用いること
ができる。次亜リン酸化合物は、一種単独又は二種以上
混合して用いることができる。次亜リン酸化合物を配合
することによって、めっき液の安定性をより向上させる
ことができる。次亜リン酸化合物の配合量は、5〜13
0g/l程度とすることが好ましく、20〜80g/l
程度とすることがより好ましい。
【0021】本発明のめっき液は、pH7以下とするこ
とが必要である。pHがこれを上回ると、めっき液の安
定性が低下するので好ましくない。pH調整は、必要に
応じて、有機スルホン酸、カルボン酸等の有機酸、硫
酸、硝酸、ホウフッ化水素酸等の無機酸を用いて行えば
よい。有機スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−プロパンス
ルホン酸、ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、
ペンタンスルホン酸、クロルプロパンスルホン酸、2−
ヒドロキシエタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシプ
ロパン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシブタン−1−
スルホン酸、2−ヒドロキシペンタンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸等を用
いることができる。有機カルボン酸としては、酒石酸、
リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、グルコン酸等を用いる
ことができる。
【0022】これらの酸は一種単独又は二種以上混合し
て用いることができ、その使用量は、めっき液のpHが
7以下となる量とすればよい。pHの下限値について
は、特に限定はないが、酸の添加量が過剰になると、液
の持ち出しの点で経済的に好ましくない。このため、酸
の添加量は、400g/l程度以下とすることが好まし
く、200g/l程度以下とすることがより好ましい。
【0023】上記した酸の内で、特に、ホウフッ化水素
酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−
フェノールスルホン酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸
等を配合する場合には、めっき液の安定性をより向上さ
せることができる。この様な効果を発揮させるために
は、これらの酸の配合量は、1〜400g/l程度とす
ることが好ましく、50〜200g/l程度とすること
がより好ましい。
【0024】めっき液のpHを上げる場合には、水酸化
アルカリ、アンモニア水等を使用すればよい。
【0025】本発明の無電解錫−銀合金めっき液には、
更に、必要に応じて、チオ尿素類を添加することができ
る。チオ尿素類を添加することによって、析出速度が向
上し、厚付けが可能となる。
【0026】チオ尿素類としては、チオ尿素の他に、
1,3−ジメチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、テト
ラメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、N,N’−ジイ
ソプロピルチオ尿素、アリルチオ尿素、アセチルチオ尿
素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニルチオ尿素、
二酸化チオ尿素、チオセミカルバジド等を使用できる。
【0027】チオ尿素類は、1種又は2種以上混合して
使用することができ、その使用量は、1〜150g/l
程度とすることが好ましく、5〜120g/l程度とす
ることがより好ましい。
【0028】本発明の無電解錫−銀合金めっき液には、
更に、必要に応じて、pH緩衝剤、界面活性剤等の各種
の添加剤を配合することができる。pH緩衝剤として
は、例えば、ホウ酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、リン
酸、2−リン酸、トリポリリン酸、酢酸、クエン酸、酒
石酸等のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等
や塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム等を、一種単独
又は二種以上混合して用いることができる。pH緩衝剤
の添加量については、特に限定はないが、通常、1〜1
00g/l程度とすることが好ましく、10〜50g/
l程度とすることがより好ましい。
【0029】界面活性剤としては、ノニオン系界面活性
剤、両性界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン
系界面活性剤をいずれも使用できるが、特に、ノニオン
系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤の具体
例としては、ノニルフェノールポリアルコキシレート、
α−(又はβ−)ナフトールポリアルコキシレート等を
挙げることができる。界面活性剤の添加量については、
特に限定はないが、通常、0.01〜40g/l程度と
することが好ましく、0.05〜10g/l程度とする
ことがより好ましい。
【0030】本発明の置換型無電解錫−銀合金めっき液
を用いてめっきを行うには、pH7以下に調整しためっ
き液中に、必要に応じてめっき液を攪拌しながら、被め
っき物を浸漬すればよい。めっき液の液温は、10〜8
0℃程度の範囲とすることが好ましい。めっき時間につ
いては、特に限定はなく、必要な膜厚のめっき皮膜が析
出するまで被めっき物をめっき液中に浸漬すればよく、
通常、1分〜30分程度の範囲のめっき時間とすればよ
い。又、被めっき物にめっき液を吹き付ける方法によっ
てもめっき皮膜を形成することが可能である。
【0031】被めっき物としては、本発明のめっき液中
で錫−銀合金の置換析出が可能な材料であればよく、例
えば銅、銅合金等の部分を含む各種物品にめっきを行う
ことができる。被めっき物の形状については、特に限定
はなく、例えば、板状、粉状等の各種の形状の物品にめ
っきを行うことができる。
【0032】本発明のめっき液を用いて、銅、銅合金等
を使用したプリント基板へめっき皮膜を形成する場合に
は、レジストの密着性を損なうことなく、パターン析出
性に優れためっき皮膜を形成できる。
【0033】
【発明の効果】本発明の置換型無電解錫−銀合金めっき
液は、浴安定性が良好であり、適度な析出速度を有し、
厚付が可能である。そして、該めっき液を用いて形成さ
れる錫−銀合金めっき皮膜は、緻密でパターン析出性に
優れており、密着性、耐食性、電気特性等も良好であ
る。
【0034】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定される
ものではない。 (実施例1)下記組成の無電解錫−銀合金めっき浴1リ
ットルを調製した。
【0035】 メタンスルホン酸錫 10g/l(錫として) メタンスルホン酸銀 0.3g/l(銀として) メタンスルホン酸 100g/l 1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン 25g/l 次亜リン酸ナトリウム 40g/l pH 0.5 浴温 40℃ 被めっき物として圧延銅板(表面積0.5dm2)を用
い、これを脱脂処理した後、上記無電解錫−銀合金めっ
き液に浸漬し、揺動装置を用いて1m/分の速度で被め
っき物を動かしながら20分間めっきを行った。
【0036】形成されためっき皮膜について、下記の方
法で外観、めっき皮膜の密着性、めっき膜厚及び合金組
成を評価した。結果を下記表1に示す。めっき皮膜評価方法 *外観:目視により評価した。 *めっき皮膜の密着性:1×1cmの広さのめっき面
に、カッターナイフを用いて1mm間隔で縦横に切れ目
を入れて100個の升目を作り、この面に粘着テープを
貼り付けて、勢いよく引き剥がして、剥離した升目の個
数を求めた。 *膜厚及び合金組成:めっき皮膜を硝酸で溶解し、IC
P発光分光分析装置(セイコー電子工業(株)社製SPS
4000)を用いて測定した。 (実施例2)下記組成の無電解錫−銀合金めっき液を用
いる他は、実施例1と同様にしてめっき皮膜を形成し、
外観、めっき皮膜の密着性、めっき膜厚及び合金組成を
評価した。結果を下記表1に示す。
【0037】ホウフッ化錫
20g/l(錫として) 酸化銀 3g/l(銀として) ホウフッ化水素酸 70g/l p−フェノールスルホン酸 30g/l 1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン 40g/l 次亜リン酸カリウム 50g/l pH 3.0(KOHで調整) 浴温 25℃ (実施例3)下記組成の無電解錫−銀合金めっき液を用
いる他は、実施例1と同様にしてめっき皮膜を形成し、
外観、めっき皮膜の密着性、めっき膜厚及び合金組成を
評価した。結果を下記表1に示す。
【0038】 酸化錫 5g/l(錫として) 酸化銀 3g/l(銀として) p−トルエンスルホン酸 30g/l 酒石酸 50g/l 2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール 45g/l 次亜リン酸 35g/l pH 6.5(NaOHで調整) 浴温 70℃ (実施例4)下記組成の無電解錫−銀合金めっき液を用
いる他は、実施例1と同様にしてめっき皮膜を形成し、
外観、めっき皮膜の密着性、めっき膜厚及び合金組成を
評価した。結果を下記表1に示す。
【0039】 メタンスルホン酸錫 10g/l(錫として) メタンスルホン酸銀 0.3g/l(銀として) メタンスルホン酸 100g/l 1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン 25g/l 2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール 5g/l 次亜リン酸ナトリウム 40g/l チオ尿素 20g/l β−ナフトールポリエトキシレート(EO15) 0.5g/l pH 0.5 浴温 40℃ (比較例1)下記組成の無電解錫−合金銀めっき液を用
いる他は、実施例1と同様にしてめっき皮膜を形成し、
外観、めっき皮膜の密着性、めっき膜厚及び合金組成を
評価した。結果を下記表2に示す。
【0040】 メタンスルホン酸錫 10g/l(錫として) メタンスルホン酸銀 0.3g/l(銀として) チオ尿素 20g/l pH 5.0 浴温 60℃ (比較例2)下記組成の無電解錫−銀合金めっき液を用
いる他は、実施例1と同様にしてめっき皮膜を形成し、
外観、めっき皮膜の密着性、めっき膜厚及び合金組成を
評価した。結果を下記表2に示す。
【0041】 2−ヒドロキシプロパノールスルホン酸錫 20g/l(錫として) クエン酸銀 1g/l(銀として) ヨウ化カリ 80g/l スルホコハク酸 100g/l ピロリン酸 120g/l リン酸水素2アンモニウム 5g/l pH 4.0(NaOHで調整) 浴温 90℃ (比較例3)下記組成の無電解錫−銀合金めっき液を用
いる他は、実施例1と同様にしてめっき皮膜を形成し、
外観、めっき皮膜の密着性、めっき膜厚及び合金組成を
評価した。結果を下記表2に示す。
【0042】 塩化錫 5g/l(錫として) 塩化銀 3g/l(銀として) チオ硫酸ナトリウム 80g/l グリコール酸 15g/l グリオキシル酸 5g/l β−ナフトールポリエトキシレート(EO15) 0.5g/l 硝酸アンモニウム 20g/l pH 1.0 浴温 70℃
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】以上の結果から明らかなように、実施例1
〜4のめっき液を用いて、置換めっきを行うことによっ
て、外観および密着性に優れた錫−銀合金めっき皮膜を
形成できた。得られた皮膜の合金組成はほぼ浴中金属濃
度と一致しており、めっき浴中で錫および銀が安定に存
在しているものと考えられる。
【0046】これに対して、比較例1〜3のめっき液を
用いる場合には、得られた皮膜は黒みを帯びており、ム
ラが認められ、ムラの発生した箇所は一部剥離が認めら
れた。合金組成についても、浴中濃度以上に銀が優先析
出する傾向が認められた。保存試験 実施例1〜4及び比較例1〜3で用いた各めっき液を室
温で4週間放置後、各実施例及び比較例と同様の方法で
めっき試験を行った。
【0047】その結果、実施例1〜4のめっき液につい
ては、いずれも、沈殿の発生は認められず、めっき試験
結果は、建浴時と同等であった。
【0048】一方、比較例1〜3のめっき液について
は、めっき液に濁りが認められ、各めっき液を濾過し、
同様のめっき試験を行ったが、析出速度は建浴時の約5
0%程度まで低下していた。以上の結果から判るよう
に、本発明の置換型無電解錫−銀合金めっき液は、長期
間放置した場合にも沈殿の発生はなく、浴安定性が良好
であり、外観、密着性等に優れた錫−銀合金めっき皮膜
を形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 靖博 大阪府大阪市鶴見区放出東1丁目10番25号 奥野製薬工業株式会社内 Fターム(参考) 4K022 AA02 AA42 BA01 BA21 BA32 DA03 DB01 DB02 DB03 DB04 DB07 DB08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)2価の水溶性錫化合物、(ii)水溶
    性銀化合物、(iii)分子内に2個のモノスルフィド基
    を有する水溶性含硫黄有機化合物、及び(iv)次亜リン
    酸化合物を含有するpH7以下の水溶液からなる置換型
    無電解錫−銀合金めっき液。
  2. 【請求項2】分子内に2個のモノスルフィド基を有する
    水溶性含硫黄有機化合物が、分子内に水酸基、カルボキ
    シル基、スルホン酸基、アミノ基、ホスホン基およびメ
    ルカプト基から選ばれた少なくとも1種の水溶性基を有
    し、2個のモノスルフィド基の間に炭素数1〜8個の2
    価の炭化水素基が存在する化合物、および該化合物の塩
    から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の無
    電解錫−銀合金めっき液。
  3. 【請求項3】2価の水溶性錫化合物を、錫金属量として
    1〜50g/l含有し、水溶性銀化合物を、銀金属量と
    して0.001〜10g/l含有し、分子内に2個のモ
    ノスルフィド基を有する水溶性含硫黄有機化合物を0.
    1〜150g/l含有し、次亜リン酸化合物を5〜13
    0g/l含有する水溶液からなる請求項1又は2に記載
    の無電解錫−銀合金めっき液。
  4. 【請求項4】ホウフッ化水素酸、メタンスルホン酸、p
    −トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、酒
    石酸、グルコン酸及びクエン酸から選ばれた少なくとも
    一種の酸を1〜400g/l含有する請求項1〜3のい
    ずれかに記載の無電解錫−銀合金めっき液。
  5. 【請求項5】チオ尿素類を1〜150g/l含有する請
    求項1〜4のいずれかに記載の無電解錫−銀合金めっき
    液。
  6. 【請求項6】浴温10〜80℃の請求項1〜5のいずれ
    かに記載の置換型無電解錫−銀合金めっき液に、被めっ
    き物を浸漬することを特徴とする無電解錫−銀合金めっ
    き方法。
  7. 【請求項7】請求項6の方法で錫−銀合金めっき皮膜が
    形成されためっき処理品。
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