JP2000309725A - 活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物

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JP2000309725A
JP2000309725A JP11120548A JP12054899A JP2000309725A JP 2000309725 A JP2000309725 A JP 2000309725A JP 11120548 A JP11120548 A JP 11120548A JP 12054899 A JP12054899 A JP 12054899A JP 2000309725 A JP2000309725 A JP 2000309725A
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meth
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acrylate
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JP11120548A
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Kazusuke Kirimoto
和輔 桐本
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材表面に、撥水撥油性、透明性、光沢に優れ
た被膜を形成しうる活性エネルギー線硬化型組成物の提
供。 【解決手段】ポリフルオロアルキル基と活性エネルギー
線重合性不飽和基とを併有する化合物、活性エネルギー
線重合性不飽和基を2個以上有する分子量1000以上
の化合物、活性エネルギー線重合性不飽和基を有し分子
量が1000未満の化合物、活性エネルギー線重合開始
剤を必須とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材表面に、優れ
た撥水撥油性、優れた防汚性等を有する被膜を形成しう
る活性エネルギー線硬化性組成物、該組成物による処理
基材の製造方法、および処理基材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金属やプラスチック等の平坦な基
材に撥水撥油性を付与するため、紫外線(以下、UVと
記す)や電子線により硬化しうる組成物からなる塗料や
印刷インク等が使用されている。たとえば、光重合性モ
ノマー、光重合性プレポリマー、光開始剤を含むUV硬
化性の組成物が知られている(新高分子文庫21「UV
硬化技術入門」、1984年、高分子刊行会発行)。
【0003】また、光重合性モノマーとして、フッ素化
アルキル基含有モノマーを使用して、低表面エネルギー
の被膜を形成する試みがなされており、フッ素化アルキ
ル基を有する特定の化合物を用いた例(特開平6−25
6289)も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来提案され
ていたUV硬化性組成物におけるフッ素化アルキル基含
有モノマーは、複雑な構造で入手しにくいものが多く、
汎用性に劣る問題があった。さらに、フッ素化アルキル
基含有モノマーを含有する組成物を硬化させると、形成
された被膜にヘイズが生じたり、透明性や光沢が不充分
である問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、活性エネルギ
ー線により硬化しうる組成物であって、撥水撥油性およ
び防汚性に優れ、均質で透明性と光沢もある被膜を形成
しうる組成物を提供する目的でなされたものである。
【0006】すなわち本発明は、下記a成分、下記b成
分、下記c成分、および下記d成分を含むことを特徴と
する活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。 a成分:ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロア
ルケニル基と、活性エネルギー線により重合しうる不飽
和基とを併有する化合物。 b成分:フッ素を含まず、活性エネルギー線により重合
しうる不飽和基を2個以上有する分子量1000以上の
化合物。 c成分:フッ素原子を含まず、活性エネルギー線により
重合しうる不飽和基を1個以上有する分子量が1000
未満の化合物。 d成分:活性エネルギー線重合開始剤。
【0007】
【発明の実施の形態】本明細書においては、ポリフルオ
ロアルキル基をRf基、ポリフルオロアルケニル基をRF
基と記す。また、活性エネルギー線により重合しうる不
飽和基を、活性エネルギー線重合性不飽和基と記す。ま
た、アクリレートとメタクリレートとを総称して(メ
タ)アクリレートと記し、(メタ)アクリルアミド等に
ついても同様に記す。
【0008】本発明におけるa成分は、活性エネルギー
線重合性不飽和基と、Rf基またはRF基とを併有する化
合物である。a成分は1種であっても2種以上であって
もよい。
【0009】a成分における活性エネルギー線重合性不
飽和基(以下、重合性不飽和基と略す。)としては、U
V、可視光線、または電子線等により重合しうる不飽和
基であり、特にUVにより重合しうる不飽和基が好まし
い。該重合性不飽和基としては、α,β−不飽和基や該
基を含む基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル基、
ビニル基、またはアリル基が好ましく、とりわけ(メ
タ)アクリロイル基が好ましい。
【0010】また、Rf基とは、アルキル基の水素原子
の2個以上がフッ素原子に置換された基をいう。Rf
中のフッ素原子数は、[(Rf基中のフッ素原子数)/
(Rf基と同一炭素数の対応するアルキル基の水素原子
数)]×100(%)で表現した場合に、60%以上が
好ましく、特に80%以上が好ましい。さらに、Rf
は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換さ
れた基(すなわちペルフルオロアルキル基)が好まし
い。
【0011】また、本明細書におけるRf基は、炭素−
炭素結合間に、エーテル性酸素原子が挿入された基、で
あってもよい。該基としては、オキシポリフルオロエチ
レン、オキシポリフルオロプロピレン等のオキシポリフ
ルオロアルキレン部分を含むRf基が挙げられる。
【0012】また、RF基とは、アルケニル基の水素原
子の2個以上がフッ素原子に置換された基をいう。RF
基中のフッ素原子数は、[(RF基中のフッ素原子数)
/(RF基と同一炭素数の対応するアルケニル基の水素
原子数)]×100(%)で表現した場合に、60%以
上が好ましく、特に80%以上が好ましい。さらに、R
F基は、アルケニル基の水素原子の全てがフッ素原子に
置換された基(すなわちペルフルオロアルケニル基)が
好ましい。
【0013】Rf基、RF基、ペルフルオロアルキル基、
およびペルフルオロアルケニル基の炭素数は、それぞれ
2〜20が好ましく、特に2〜18が好ましく、とりわ
け6〜10が好ましい。Rf基およびRF基は、それぞ
れ、直鎖構造であっても分岐構造であってもよく、直鎖
構造が好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分が
f基またはRF基の末端部分に存在し、かつ分岐部分の
炭素原子数が1〜3程度である場合が好ましい。Rf
およびRF基は、それぞれ、フッ素原子以外の他のハロ
ゲン原子を含んでいてもよい。他のハロゲン原子として
は、塩素原子が好ましい。
【0014】Rf基としては、以下の基が挙げられる。
なお、以下の基は、同一分子式を有する構造の異なる基
である「構造異性の基」であってよい。C37−、C4
9−、C511−、C613−、C817−、C10
21−、C1225−、C1531−、HCt2t−(tは2
〜20の整数)、(CF32CF(CF2s−(sは1
〜17の整数)等。
【0015】F(CF25OCF(CF3)−、F[C
F(CF3)CF2O]mCF(CF3)CF2CF2−、F
[CF(CF3)CF2O]yCF(CF3)−、F[CF
(CF3)CF2O]uCF2CF2−、F[CF2CF2
2O]vCF2CF2−、F[CF2CF2O]wCF2CF
2−(ただし、mは1〜5の整数、y、u、v、および
wは、それぞれ1〜6の整数)等。
【0016】Rf基としては、特にF(CF2n−(た
だし、nは2〜20が好ましく、特に2〜18が好まし
く、とりわけ6〜10が好ましい。)で表される直鎖構
造のペルフルオロアルキル基が好ましい。RF基として
は、CH2=CH(CF2p−、[F(CF2p][F
(CF2q]C=C[(CF2rF]−等の基が挙げら
れる。ただし、p、q、rは、それぞれ、0〜3の整数
であって、(p+q+r)は2〜6の整数である。
【0017】本発明におけるa成分としては、Rf基を
有する(メタ)アクリレート、またはRF基を有する
(メタ)アクリレートが好ましく、特にRf基を有する
(メタ)アクリレートが好ましい。さらに、Rf基を有
する(メタ)アクリレートまたはRF基を有する(メ
タ)アクリレートとしては、下式1で表される化合物が
好ましい。
【0018】Rf1−Q−OCOCR1=CH2・・・式1 ただし、Rf1はRf基またはRF基を示し、Qは2価連結
基を示し、R1は水素原子またはメチル基を示す。式1
で表される化合物の具体例としては、下記化合物が挙げ
られる。なお、下式中のRf基部分は、構造異性の基で
あってよく、直鎖構造のRf基が好ましい。また、下式
中のnは2〜20の整数を示し、2〜18が好ましく、
とりわけ6〜10が好ましい。また、R1は水素原子ま
たはメチル基を示し、Phは1,4−フェニレン基を示
す。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】本発明の組成物は、b成分とc成分の両方
を必須とする点が最大の特徴である。本発明におけるb
成分は、フッ素を含まず、活性エネルギー線により重合
しうる不飽和基を2個以上有する分子量1000以上の
化合物であり、c成分はフッ素原子を含まず、活性エネ
ルギー線により重合しうる不飽和基を1個以上有する分
子量が1000未満の化合物である。
【0022】b成分およびc成分中の重合性不飽和基と
しては、a成分における該基と同様の基が好ましい。b
成分中に存在する2個以上の重合性不飽和基、およびc
成分が2個以上の重合性不飽和基を有する場合の該基
は、それぞれの同一であっても異なっていてもよく、全
てが(メタ)アクリロイル基であるのが好ましく、特に
UVにより重合しやすいアクリロイル基であるのが好ま
しい。
【0023】b成分中の重合性不飽和基数は2〜50個
が好ましく、特に2〜30個が好ましい。c成分中の重
合性不飽和基数は、1〜6個が好ましい。
【0024】b成分およびc成分中には、それぞれ、重
合性不飽和基以外の反応性基(以下、他の反応性基とい
う。)が存在していていてもよい。他の反応性基として
は、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子等が挙げら
れる。
【0025】b成分は、硬化物の骨格を形成する基本成
分となりうる化合物である。b成分がないと組成物を硬
化させた際に、硬さや靭性が低下し、耐擦傷性が不充分
となるおそれがある。b成分の分子量の上限は8000
であるのが好ましく、分子量は1200〜8000が好
ましい。b成分の分子量が大きすぎると、b成分の合成
に手間がかかり、組成物の粘度が大きくなりすぎて組成
物の処理が困難になるおそれがある。
【0026】c成分は、組成物の粘度を低下させて作業
性を向上させる作用がある。また、塗装性や印刷適性を
向上させ、またa成分の溶解性を向上させる機能を有す
る。c成分の分子量は、600以下であるのが好まし
く、600以下である場合には、b成分の架橋反応を促
進させ、被膜の鉛筆硬度を向上させうる効果が顕著に得
られるため、好ましい。またc成分の分子量の下限は1
00であるのが好ましい。
【0027】b成分およびc成分としては、それぞれ、
(メタ)アクリロイル基の2個以上とウレタン結合を有
するアクリルウレタン(b1)が挙げられ、アクリルウ
レタン(b1)であって分子量が1000以上であるも
のはb成分、該アクリルウレタン(b1)であって分子
量が1000未満であるものはc成分、として用いう
る。
【0028】さらに、b成分は、アクリルウレタン(b
1)であって分子量が1000以上であるものが好まし
く、特に、アクリルウレタン(b11)、(b12)、また
は(b13)であって、分子量が1000以上である化合
物が好ましい。 アクリルウレタン(b11):(メタ)アクリロイル基と
水酸基を併有する化合物(x1)と、ポリイソシアネー
ト化合物とを、(メタ)アクリロイル基が2個以上にな
るような割合で反応させた反応生成物。 アクリルウレタン(b12):(メタ)アクリロイル基と
水酸基を併有する化合物(x1)と、2個以上の水酸基
を有する化合物(x2)[ただし該化合物(x2)は(メ
タ)アクリロイル基を有しない]と、ポリイソシアネー
トとを、(メタ)アクリロイル基が2個以上になるよう
な割合で反応させた反応生成物。 アクリルウレタン(b13):(メタ)アクリロイル基と
イソシアネートを併有する化合物(x3)[ただし、該
化合物(x3)は水酸基を有しない]と、2個以上の水
酸基を有する化合物(x2)[ただし該化合物は(メ
タ)アクリロイル基を有しない]とを、(メタ)アクリ
ロイル基が2個以上になるような割合で反応させた反応
生成物。
【0029】化合物(x1)としては、(メタ)アクリ
ロイル基の1〜2個と、水酸基の1〜3個を併有する化
合物、または、エポキシ基を有する化合物と(メタ)ア
クリル酸とを開環反応させた化合物、が好ましく、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールモノ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ
(メタ)アクリレート、2−ブテン−1,4−ジオール
モノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
モノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(モノ
〜ペンタ)(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、多価フェノール類のポ
リ(グリシジルエーテル)(たとえば、ビスフェノール
Aのジグリシジルエーテル)と(メタ)アクリル酸とを
開環反応させた化合物、アルキレンオキシドと(メタ)
アクリル酸とを開環反応させた化合物等が挙げられる。
【0030】ポリイソシアネート化合物としては、基本
炭素骨格にイソシアネート基が2個以上結合したポリイ
ソシアネート単量体、該イソシアネート単量体の多量体
または変性体、イソシアネート基を有するウレタンプレ
ポリマー等が挙げられる。ポリイソシアネート単量体の
具体例としては、つぎの化合物が挙げられる(ただし、
[ ]内は略称を示す)。2,6−トリレンジイソシア
ネート、2,4−トリレンジイソシアネート、メチレン
ビス(4−フェニルイソシアネート)[MDI]、1,
5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート[XDI]、水添XDI、
水添MDI、リジンジイソシアネート、テトラメチルキ
シレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジ
イソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、
1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8
−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタ
ン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、
ビシクロヘプタントリイソシアネート。
【0031】さらに、ポリイソシアネート単量体として
は、芳香核に直接結合したイソシアネート基を有しない
無黄変性ポリイソシアネートが好ましく、特にヘキサメ
チレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシ
アネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリ
イソシアネートが好ましい。
【0032】ポリイソシアネート単量体の多量体として
は、2量体、または3量体(たとえば、イソシアヌレー
ト変性体)が好ましい。またポリイソシアネートの変性
体としては、カルボジイミド変性体、トリメチロールプ
ロパン等の多価アルコールによるウレタン変性体、ビュ
レット変性体、アロハネート変性体、ウレア変性体等が
ある。また、ポリイソシアネート多量体や変性体等にお
いても、無黄変性ポリイソシアネート由来のものを用い
るのが好ましい。
【0033】化合物(x2)としては、炭化水素の水素
原子の2個以上、好ましくは2〜15個が水酸基に置換
されたポリヒドロキシ炭化水素、ポリオール(たとえ
ば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネート
ポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール
等)、または、水酸基含有ビニル化合物の重合体が好ま
しい。
【0034】化合物(x2)がポリヒドロキシ炭化水素
である場合、ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素、またはポ
リヒドロキシ芳香核炭化水素が挙げられ、ポリヒドロキ
シ脂肪族炭化水素が好ましい。ポリヒドロキシ脂肪族炭
化水素は、ポリヒドロキシ脂環族炭化水素であってもよ
い。
【0035】ポリヒドロキシ脂肪族炭化水素としては、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオール、シクロヘキサンジオール、ジメチロー
ルシクロヘキサン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパ
ン、ジペンタエリスリトール、ポリブタジエンジオー
ル、水添ポリブタジエンジオール、3,9−ビス(ヒド
ロキシメチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられ
る。
【0036】ポリオールとしては、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA−
アルキレンオキシド付加物、多価フェノール類のアルキ
レンオキシド付加物、ポリテトラメチレングリコール、
多価フェノール類とポリグリシジルエーテルとの開環反
応生成物等のポリエーテルポリオール;ポリ(ε−カプ
ロラクトン)ポリオール等のポリカプロラクトンポリオ
ール;アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、マレイン
酸、フマル酸、アゼライン酸、グルタル酸等の多塩基酸
と上記多価アルコールとの反応で得られるポリエステル
ポリオール;1,6−ヘキサンジオールとホスゲンの反
応で得られるポリカーボネートポリオール、等が挙げら
れる。
【0037】化合物(x3)としては、(メタ)アクリ
ロイル基の1個とイソシアネートの1個を併有する化合
物が好ましく、特に2−イソシアネートエチル(メタ)
アクリレート、メタクリロイルイソシアネート等が好ま
しい。
【0038】また、アクリルウレタン(b11)〜
(b13)中には、未反応のイソシアネート基が存在しな
いことが好ましく、一方、水酸基は存在してもよい。し
たがって、アクリルウレタン(b11)〜(b13)を製造
する場合には、反応原料中の水酸基の合計モル数を、イ
ソシアネート基の合計モル数以上にして、反応させるの
が好ましい。
【0039】b成分およびc成分がアクリルウレタン
(b1)以外の化合物(b2)である場合、上記化合物
(x2)の1モルに対して2以上の(メタ)アクリル酸
をエステル結合させた化合物、または、2個以上のエポ
キシ基を有する化合物(x20)[ただし、ウレタン結合
を有しない]と(メタ)アクリル酸との開環反応物が挙
げられる。
【0040】化合物(x20)としては、グリシジルエー
テル型ポリエポキシド、脂環型ポリエポキシド等が好ま
しく、たとえば、ビスフェノールAのジグリシジルエー
テル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、テト
ラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、グ
リセリントリグリシジルエーテル、ノボラックポリグリ
シジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジ
シクロペンタジエンジオキシド等が挙げられる。
【0041】化合物(b2)の具体例としては、以下の
化合物が挙げられ、該化合物のうち分子量が1000以
上であるものはb成分として用いられ、1000未満で
ある場合にはc成分として用いうる。 水酸基含有化合物−アルキレンオキシド付加物の(メ
タ)アクリレート(ただし、EOはエチレンオキシド、
POはプロピレンオキシドを表す。):たとえば、トリ
メチロールプロパン−EO付加物のトリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパン−PO付加物のトリ
(メタ)アクリレート。 ポリオキシアルキレンポリオールの(メタ)アクリレー
ト:たとえば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート。
【0042】c成分としては、b成分と分子量のみが異
なる上記化合物を使用できるが、c成分としては、以下
の具体例にある化合物が好ましい。 (メタ)アクリロイル基を1個有するc成分の例:たと
えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、アクリロイルモルホリン、1−メトキシシクロド
デカジエニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニ
ル(メタ)アクリレート(下式1c、ただし、R2は水
素原子またはメチル基。)、ジシクロペンテニルオキシ
エチル(メタ)アクリレート(下式2c、ただし、R2
は水素原子またはメチル基。)、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、イソボルニル(メタ)アクリレート、またはト
リシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート
等。
【0043】
【化3】
【0044】(メタ)アクリロイル基を2個有するc成
分の例:たとえば、ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリ
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等。
【0045】(メタ)アクリロイル基を3個以上有する
c成分の例:たとえば、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレートとの混合物、トリス[(メタ)ア
クリロイロキシエチル]イソシアヌレート、グリセロー
ルトリ(メタ)アクリレート等。
【0046】c成分としては、重合性不飽和基が1また
は2個である化合物(c1)と、3個以上である化合物
(c2)を、目的に応じて使い分けるのが好ましく、特
に化合物(c2)のみ、または、化合物(c1)と化合物
(c2)を併用するのが好ましい。このうち、化合物
(c1)は、a成分の可溶化に顕著に作用することか
ら、組成物を保管する際に、a成分のミセル化を防止で
き、また、硬化後の被膜へのヘイズの発生も防止でき、
被膜の透明性も向上する。
【0047】さらに、化合物(c1)としては、飽和脂
肪族環を有する(メタ)アクリレート類が、ヘイズ発生
を抑制する効果がより大きく好ましい。飽和脂肪族環と
しては、架橋環であってもよい。好ましいモノマーc1
の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、またはトリシクロデカン
ジメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0048】一方、化合物(c2)としては、重合性不
飽和基が3〜6個である化合物が、架橋性に優れること
から、組成物から形成される被膜の強度を上げる作用が
あるため、好ましい。好ましいモノマーc2の具体例と
しては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
【0049】d成分は、活性エネルギー線重合開始剤で
ある。活性エネルギー線重合開始剤としてはアセトフェ
ノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系
化合物、ジカルボニル化合物、硫黄系化合物、アシルホ
スフィンオキシド類等が挙げられる。
【0050】d成分の具体例としては、つぎの化合物が
挙げられる。 アセトフェノン系化合物の例:2,2−ジエトキシアセ
トフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェ
ニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、4−t−ブチルジクロロアセトフェノン、(ヒドロ
キシシクロヘキシル)フェニルケトン。
【0051】ベンゾイン系化合物の例:ベンゾイン、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチ
ルケタール。
【0052】ベンゾフェノン系化合物の例:ベンゾフェ
ノン、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル
−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メ
チル、ヒドロキシベンゾフェノン。
【0053】ジカルボニル化合物の例:ベンジル、カン
ファーキノン、9,10−フェナントレンキノン、2−
エチルアントラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロ
キノン、メチルフェニルグリオキシレート、3−ケトク
マリン、p,p’−ジメトキシベンジル、p,p’−ジ
クロロベンジル。
【0054】硫黄系化合物の例:チオキサントン、ジメ
チルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソ
プロピルチオキサントン、テトラメチルチウラムモノス
ルフィド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、4−ベ
ンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド。
【0055】アシルホスフィンオキシド類の例:2,
4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキ
シド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキシ
ド。
【0056】その他の化合物の例:3,3’,4,4’
−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフ
ェノン、ジベンゾスベロン、α−アシロキシムエステ
ル、ホウフッ化アリルジアゾニウム。
【0057】d成分の種類は、目的とする被膜の特性、
黄変に対する許容度、光源の種類、配合顔料の有無・種
類、作業環境への影響(排ガス処理)、塗装または印刷
基材等により適宜変更するのが好ましい。
【0058】本発明の組成物中には、活性エネルギー線
開始助剤を添加するのが好ましい。活性エネルギー線開
始助剤としては、アミン類、アミノベンゾフェノン類等
が挙げられ、具体的には以下の化合物が好ましい。
【0059】アミン類の例:たとえば、トリエチルアミ
ン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエタノ
ールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロ
パノールアミン等。
【0060】アミノベンゾフェノン類の例:4,4’−
ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルア
ミノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸エチル、
ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、ジメ
チルアミノ安息香酸イソアミル等。
【0061】さらに、本発明の組成物中には、a〜d成
分以外の成分(以下、他の成分という。)を添加しても
よい。他の成分としては、貯蔵安定剤、有機溶剤、顔料
(無機顔料、有機顔料)可塑剤等が挙げられる。
【0062】他の成分のうち貯蔵安定剤としては、つぎ
の化合物が挙げられる。ビス−(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、t−ブ
チルピロカテコール、4−アミノ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、ベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロリド、ジエチルヒドロキシアミン、ヒドロキノン
モノメチルエーテル、ベンゾチアゾール等。
【0063】他の成分としての有機溶剤は、必要に応じ
て用いればよく、たとえば、組成物から形成される被膜
の膜厚が薄い場合には、用いるのが好ましい。有機溶剤
としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳
香族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチ
ル、酢酸(n−)ブチル、酢酸イソブチル、酢酸(3−
メトキシ−3−メチルブチル)等のエステル系溶剤、塩
化メチレン等の塩素系溶剤、HCFC−141b、HC
FC−225ca等の塩素化フッ素化炭化水素等が挙げ
られる。有機溶剤は1種であっても2種であってもよ
い。組成物の粘度が高い場合には、有機溶剤を添加する
と、作業性が向上する利点がある。
【0064】本発明の組成物中の各成分の量としては、
a成分量は組成物中に0.1〜60重量%が好ましく、
特に1〜35重量%が好ましい。a成分量が0.1重量
%未満であると、撥水撥油性および防汚性が低下するお
それがあり、a成分量が60重量%超の場合には、被膜
の物理特性や成膜性が低下し、ヘイズが悪化するおそれ
があり、またコスト高となる。さらには、a成分量は、
b成分とc成分の総量に対して0.5〜100重量%で
あることが好ましい。
【0065】b成分量は、組成物中に2〜80重量%が
好ましく、特に4〜60重量%が好ましい。b成分量が
2重量%未満であると、組成物が低粘度になりすぎ、印
刷適性や塗装性が低下し、また硬化後の被膜の物理特性
も低下するおそれがある。b成分量が80重量%超にな
ると組成物が高粘度になりすぎ、印刷適性や塗装性が不
良となるおそれがある。
【0066】c成分量は、組成物中に2〜80重量%が
好ましく、特に5〜55重量%が好ましい。c成分量が
2重量%未満であると、印刷適性や塗装性が不良とな
り、被膜の物理特性も低下するおそれがある。c成分量
が80重量%超になると、被膜が脆くなるおそれがあ
る。
【0067】d成分量は、組成物中に1〜70重量%が
好ましく、特に2〜50重量%が好ましい。d成分量が
1重量部未満の場合には、重合硬化後、被膜のヘイズ発
生が大きくなるおそれがある。飽和脂肪族環を有する非
フッ素系活性エネルギー線重合性モノマーの量が50重
量部超の場合には、印刷適性や塗装性が低下し、被膜が
脆くなるおそれがある。
【0068】活性エネルギー線開始助剤の量は、組成物
100重量部に対して、0.1〜10重量部が好まし
く、特に0.5〜5重量部が好ましい。活性エネルギー
線開始助剤の量が0.1重量部未満の場合には、架橋反
応が充分に進行しないため、被膜の物理特性が発揮され
ず、被膜表面にタックが残存するおそれがある。活性エ
ネルギー線開始助剤の量が10重量%超の場合は、有害
な分解生成物が多くなり、黄変や気泡等により被膜の美
観が低下するおそれがある。
【0069】さらに、本発明の組成物においては、組成
物中に含まれる水分量をコントロールするのが好まし
い。組成物中の水分量は、500ppm以下が好まし
く、特に80ppm以下が好ましい。水分量が500p
pm超の場合は、硬化後水分が水蒸気化し気泡となって
被膜中に残存し、被膜の美観が著しく低下するおそれが
ある。
【0070】本発明の組成物は、基材表面に塗布して、
活性エネルギー線の作用により硬化させて硬化被膜を形
成させることにより、基材表面に優れた撥水撥油性の被
膜形成させうる。塗布方法としては、特に限定されず、
公知または周知の塗工方法が採用でき、目的や基材の取
扱量、基材の形態等に応じて適宜変更するのが好まし
い。塗工方法の具体例としては、ロールコート法、カー
テンフローコート法、ナイフコート法、グラビア印刷機
またはスクリーン印刷機等が挙げられる。基材として
は、プラスチック、金属、植物構造材、石造物、コンク
リート、陶磁器製品等が挙げられる。
【0071】活性エネルギー線としては、UVが好まし
いが、可視光線や電子線等を使用してもよい。また、U
V源としては、キセノンランプ、パルスキセノンラン
プ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ
等が挙げられる。UVの照射量は、組成物中の顔料の有
無・種類・配合量、基材の光反射性、光源の種類により
異なる。しかし、過度な照射による黄変や熱劣化を防止
するため、照射量は必要最小限にすべきである。
【0072】本発明の組成物を硬化させて形成された硬
化被膜を表面に有する処理基材は、表面に撥水撥油性を
有し、強度に優れた、均質な被膜が形成されるため、水
の付着を防ぎ、汚れの付着を防ぎ、汚れや水が付着して
も除去しやすい性質を表面に有する処理基材が提供され
うる。得られた処理基材の用途としては、玩具、家電製
品、厨房施設、医療機具、住宅の内装部材、車輌の内装
部材、クリーンルーム内の内装部材等が挙げられる。
【0073】
【実施例】例1〜16は本発明の実施例、例17〜20
は比較例である。なお、実施例中の水分量は、カールフ
ィッシャー法で測定した。また、使用する試薬は、あら
かじめ水分含有量をカールフィッシャー法で測定し、水
分の多いものはモレキュラーシーブで脱水してから使用
した。
【0074】[例1]常温で300mLのセパラブルフ
ラスコにb成分としてのPAU−Iを100g採取し、
シリカゲルを充填した乾燥管および撹拌機を取り付け、
残りの口を密栓して固定した。撹拌機を緩やかに回転さ
せながら密栓の一つを開け、c成分としてのTMPTA
76gを注入した。次にa成分としてのFA−Iを50
〜60℃に保った温浴中で溶解させた後、この16gを
フラスコに注入して密栓した後、2分間撹拌して、フラ
スコ内の内容物を均一にした。d成分としてのBIBE
8gは、処理基材に塗布直前に添加した。
【0075】[例2〜16、例17〜20(比較例)]
例1と同様の方法で、表1に示す各成分を表1に示す量
比[( )内に記載、単位は組成物中の重量%]で用い
て、組成物T2〜T22をそれぞれ調製した。表中の略
号は、以下の意味を示す。 FA−1:F(CF2nCH2CH2OCOCH=CH2
[ただし、(nが8である化合物):(nが10である
化合物)=75:25(重量比)からなる。]、 FA−2:CF3CF(CF3)(CF2mCH2CH2
COCH=CH2[ただし、(mが6である化合物):
(mが8である化合物)=68:32(重量比)からな
る。]、 FA−3:F(CF28SO2N(CH2CH3)CH2
2OCOCH=CH2
【0076】PAU−1:ジペンタエリスリトールとア
クリル酸とを水酸基が残る割合で反応させ、さらに、部
分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシアネート、と反応
させた反応生成物。分子量は1300、重合性不飽和基
の個数は10、 PAU−2:PAU−1と同様の反応生成物であって、
分子量が2300、重合性不飽和基の個数は15、 ICEOTA:イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ト
リアクリレート(分子量423)。
【0077】TMPTA:トリメチロールプロパントリ
アクリレート(分子量423)、 DTMPTA:ジ(トリメチロールプロパン)テトラア
クリレート(分子量466)、 CHA:シクロヘキシルアクリレート(分子量14
8)、 THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(分子
量156)、 AIB:イソボルニルアクリレート(分子量209)、 ATCD:下式で表されるトリシクロデカンジメタノー
ルジアクリレート(分子量304)。ただし、アクリロ
イルオキシメチル基の結合位置が異なる2種以上の混合
物である。
【0078】
【化4】
【0079】BIBE:ベンゾインイソブチルエーテル
(分子量268)、 BDMK:ベンジルジメチルケタール(分子量25
6)、 HMPPO:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン(分子量164)。
【0080】
【表1】
【0081】[処理基材の製造例]上記で得た組成物T
1〜T16(実施例)および組成物T17〜T20(比
較例)を、それぞれ、表2に示す基材にそれぞれバーコ
ーターを用いて塗布し、つぎに高圧水銀灯(波長300
〜390nm領域のUV)を用いて表2に示すUV照射
量(単位:mJ/cm2)となるように照射して硬化さ
せ、表2に示す膜厚(単位:μm)の被膜を有する処理
基材を得た。なお、表1中の基材においてGはガラス板
を、Wはポリエチレンテレフタレートの白フィルムを示
す。
【0082】得られた処理基材B1〜B18(実施
例)、および、処理基材B19〜22(比較例)につい
て、以下の方法で性能を評価した。結果をまとめて表2
に示す。 (1)接触角の評価方法 水、および流動パラフィン(表2中ではPと略す。)に
対する接触角(単位:度)を液滴法により測定した。 (2)ヘイズの評価方法 ASTM D 1003−97 「Standard
Test Method For Haze and
Luminous Transmittance of
Transparent Plastics」に記載
される方法にしたがって測定した。該値が小さい程、ヘ
イズが少ないことを示す。
【0083】(3)光沢の評価方法 JIS K−5400に記載される「塗料一般試験方法
7.6.鏡面光沢度(入反射60°)」にしたがって
測定(単位:%)した。該値が大であるほど光沢に優れ
ることを示す。 (4)鉛筆硬度の評価方法 JIS K−5400に記載される「塗料一般試験方法
8.4.鉛筆引っかき値」によって測定した。 (5)気泡発生の評価方法 ランダムに選んだ5人の試験者が、自然光の入る室内で
目視で処理基材について、気泡の存在を観察し、一番多
い判断が示された評価結果を採用した。
【0084】
【表2】
【0085】
【発明の効果】本発明の組成物によれば、基材表面に優
れた撥水撥油性能を有する被膜が形成されうる。また、
本発明の組成物から形成された被膜は、ヘイズが少な
く、硬く、光沢があり、気泡の発生もない、優れた膜質
を有する被膜である。さらに、本発明の組成物から形成
された被膜は、ほとんど無色透明であるために、基材の
風合いを損なうことがない利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BG071 BG081 CK031 CK041 CK051 GH01 4J038 FA121 FA122 FA131 FA132 FA141 FA142 FA151 FA152 FA161 FA162 FA171 FA172 FA211 FA212 FA251 FA252 FA261 FA262 FA271 FA272 FA281 FA282 GA03 GA06 GA08 GA12 GA13 KA03 NA05 NA07 PA17 PB01 PB02 PB05 PB09 PC02 PC04 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記a成分、下記b成分、下記c成分、お
    よび下記d成分を含むことを特徴とする活性エネルギー
    線硬化性組成物。 a成分:ポリフルオロアルキル基またはポリフルオロア
    ルケニル基と、活性エネルギー線により重合しうる不飽
    和基とを併有する化合物。 b成分:フッ素を含まず、活性エネルギー線により重合
    しうる不飽和基を2個以上有する分子量1000以上の
    化合物。 c成分:フッ素原子を含まず、活性エネルギー線により
    重合しうる不飽和基を1個以上有する分子量が1000
    未満の化合物。 d成分:活性エネルギー線重合開始剤。
  2. 【請求項2】組成物中の水分量が、500ppm以下で
    ある請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】c成分が、活性エネルギー線重合性不飽和
    基を1〜6個有し、かつ、分子量600以下の化合物で
    ある請求項1または2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】c成分が、飽和脂肪族環基を有する化合物
    である請求項1、2、または3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】飽和脂肪族環基が、飽和脂肪族架橋環基で
    ある請求項4に記載の組成物。
  6. 【請求項6】a成分の量が、b成分とc成分の総量に対
    して0.5〜100重量%である請求項1〜5のいずれ
    かに記載の組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の組成物を
    基材表面に塗布し、つぎに活性エネルギー線の作用によ
    り硬化させることを特徴とする処理基材の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載の組成物が
    硬化して形成した被膜を基材表面に有する処理基材。
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