JP2000309101A - インクジェット記録ヘッドのヒータ表面へのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドのヒータ表面へのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法

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JP2000309101A JP2000045867A JP2000045867A JP2000309101A JP 2000309101 A JP2000309101 A JP 2000309101A JP 2000045867 A JP2000045867 A JP 2000045867A JP 2000045867 A JP2000045867 A JP 2000045867A JP 2000309101 A JP2000309101 A JP 2000309101A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッド内のインクに熱エネルギーを印加
して記録ヘッドからインクを吐出させる為のヒータ表面
へのコゲの付着をより一層低減させることを目的とす
る。 【解決手段】 インクに熱エネルギーを印加してオリフ
ィスから該インクを吐出させる為のヒータを備えた記録
ヘッドを有するインクジェットプリンタの、該ヒータ表
面へのコゲの付着低減方法であって、該ヒータが金属及
び/又は金属酸化物を含む最表面保護層を備え、且つ該
インクが、(a)色材、(b)液媒体、及び(c)アル
ダン酸及びアルダン酸塩から選択される少なくとも一つ
を含むインクであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクに熱エネル
ギーを印加する為のヒーター表面へのコゲの付着を低減
する方法、インクジェット記録方法、インクジェット記
録装置、記録ユニット、及びインクジェット記録ヘッド
の長寿命化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット記録方法は様々
な方式が案出されているが、その中でも例えば特開昭5
4−51837号公報などに記載されているインクを熱
エネルギーの作用によりインク滴として吐出させるイン
クジェット記録方法(所謂バブルジェット記録方法)は
高密度マルチノズルが非常に簡単であるため、高画質の
画像が高速で且つ非常に安いコストで得られ、しかも特
別なコート層などを有しない普通紙にも印字できるとい
う特徴を有している。
【0003】この記録法は記録ヘッドのヒーターが急速
に加熱されることによりヒーター上の液体が気泡を発生
し、急激な体積の増大を起こす。この急激な体積の増大
に基づく作用力によって記録ヘッド部先端のノズルより
液滴が吐出、飛翔して被記録材に付着して記録が行われ
るものである。しかし、この方式は、大量の印刷を行う
とインクを吐出させる為に記録ヘッドのヒーターが繰返
し加熱される結果、ヒーター面にインクの分解物(所謂
コゲ)が堆積することがある。コゲが堆積するとヒータ
ーからインクに熱エネルギーが有効に伝わらず、吐出す
る液滴量や吐出する液滴の速度が初期と比べて減少し、
それが画像品質に影響を及ぼしてしまうといった問題が
生じることがある。この場合高い品質の印刷を続けて得
ようとすると記録ヘッドを交換する必要があり、このよ
うな状況はユーザにとってトータルでの印刷コストの上
昇につながってしまう。従って、このような状況をもた
らす可能性のあるヒータ上へのコゲの付着をより一層減
少させ、記録ヘッドのより一層の長寿命化を図ることは
バブルジェット方式においては常により一層の改善を目
指すべき重要な技術課題の一つとなっている。
【0004】例えば、特開平3−160070号公報に
はオキソ陰イオンを含むインクが提案されている。オキ
ソ陰イオンとしてリン酸塩、ポリリン酸塩、リン酸エス
テル、ヒ酸塩、モリブデン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、シ
ュウ酸塩が挙げられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、記録ヘッド
内のインクに対して熱エネルギーを印加して、該インク
を記録ヘッドから吐出させる為のヒータ表面へのコゲの
付着をより一層低減する方法を提供することを目的とす
る。また本発明は、より一層の高品質な印刷を可能と
し、また記録ヘッドのより一層の長寿命化を達成するこ
とのできるインクジェット記録装置を提供することを他
の目的とする。また本発明は、より長期間に亘り高品質
な印刷を行なうことのできる記録ユニットを提供するこ
とを他の目的とする。更に本発明は、優れた品質の印刷
のより一層の低コスト化を達成する記録ヘッドの長寿命
化方法を提供することを他の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
とのできるインクジェットプリンタのヒータへのコゲの
付着低減方法の一実施態様は、インクに熱エネルギーを
印加してオリフィスから該インクを吐出させる為のヒー
タを備えた記録ヘッドを有するインクジェットプリンタ
の、該ヒータ表面へのコゲの付着低減方法であって、該
ヒータが金属及び金属酸化物の少なくとも一方を含む最
表面保護層を備え、且つ該インクが、(a)色材、
(b)液媒体、及び(c)アルダン酸及びアルダン酸塩
から選択される少なくとも一つを含むインクであること
を特徴とする。
【0007】そして係る構成によってヒータの最表面保
護層へのコゲの付着を極めて有効に低減させることが可
能である。このインクを用いることでこのような効果が
得られる理由は明らかでないが、インク中のアルダン酸
及びアルダン酸塩から選択される少なくとも一つが該ヒ
ータの最表面保護層を構成する金属及び/または金属酸
化物と相互作用し、コゲの付着を防止、あるいはコゲの
分解、コゲのヒータ表面からの剥離を促進するものと考
えられる。
【0008】そしてヒータの最表面保護層に含まれる金
属をタンタル、または金属酸化物をタンタルの酸化物と
した場合、その効果はより顕著なものとなる。更に該ヒ
ータに対して投入するエネルギー量をEop、インクを吐
出させる為に最低限必要な該ヒータへの投入エネルギー
量をEthとしたときにEopが下記の関係を満たす様に該
ヒータへのエネルギー投入量を設定することで本発明の
コゲ防止効果はより一層優れたものとなる。
【0009】1.10≦Eop/Eth≦1.50
【0010】また上記の目的を達成することのできるイ
ンクジェット記録方法の一実施態様は、インク流路内の
インクに熱エネルギーを印加するヒータに記録信号に応
じたパルス状の電気信号を付与し、該ヒータを発熱させ
て該インク流路内のインクを加熱することによって該イ
ンクをオリフィスから吐出させる工程を含むインクジェ
ット記録方法において、該インクが(a)色材、(b)
液媒体、及び(c)アルダン酸及びアルダン酸塩の群か
ら選択される少なくとも一つを含むインクであることを
特徴とする。
【0011】また上記の目的を達成することのできるイ
ンクジェット記録装置の一実施態様は、インクを収容し
ているインク収容部、該インク収納部から導かれたイン
ク流路内のインクに熱エネルギーを付与するヒータを有
するインクジェット記録用ヘッド、及び記録情報に応じ
て該ヒータにパルス状の電気信号を印加する手段を具備
しているインクジェット記録装置であって、該ヒータは
金属及び金属酸化物の少なくとも一方を含む最表面保護
層を具備し、また該インクは(a)色材、(b)液媒
体、及び(c)アルダン酸及びアルダン酸塩 から選択
される少なくとも一つを含むことを特徴とする。
【0012】また上記の目的を達成することのできる記
録ユニットの一実施態様は、インクを収容しているイン
ク収容部と、該インクを熱エネルギーの作用によりオリ
フィスから吐出させるためのインクジェット記録用ヘッ
ド部とを有する記録ユニットであって、該インクジェッ
ト記録用ヘッドは該インクに熱エネルギーを印加する為
の、金属及び金属酸化物の少なくとも一方を含む最表面
保護層を備えたヒータを具備し、且つ該インクが(a)
色材、(b)液媒体、及び(c)アルダン酸及びアルダ
ン酸塩の群から選択される少なくとも一つを含むインク
であることを特徴とする。
【0013】更に上記目的を達成することのできる記録
ヘッドの長寿命化方法の一実施態様は、インクに熱エネ
ルギーを印加してオリフィスから吐出させる工程を含む
インクジェット記録方法に用いる、インクに熱エネルギ
ーを付与するヒータを具備している記録ヘッドの長寿命
化方法であって、該ヒータに金属及び金属酸化物の少な
くとも一方を含む最表面保護層を設けると共に、該イン
クとして(a)色材、(b)液媒体、及び(c)アルダ
ン酸及びアルダン酸塩から選択される少なくとも一つを
含むインクを用いることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げ
て、本発明をより詳細に説明する。
【0015】(アルダン酸及びアルダン酸塩について)
先ず、アルダン酸及びアルダン酸塩について述べる。本
発明者らは、インクを熱エネルギーの作用によりインク
滴として吐出させるインクジェット記録方法において、
該インクジェット記録用ヘッドのヒーター上に付着する
コゲを低減する方法を鋭意検討した結果、該インクにア
ルダン酸、アルダン酸塩、特に好ましくは酒石酸、酒石
酸塩から選択される少なくとも一種を含ませることによ
り、非常に効果的にコゲが低減することを知見して本発
明に至った。
【0016】アルダン酸(アルダル酸ともいう)はアル
ドースのアルデヒド基と第一アルコール基をともに酸化
してカルボキシル基としたものに相当するポリオキシジ
カルボン酸であり、下記一般式で表わされる。
【0017】HOOC(C*HOH)nCOOH (但し、nは1以上の整数。C*不斉炭素原子を表わ
す。)
【0018】上記一般式に示す様に、アルダン酸は不斉
炭素原子を有するので、光学異性体が多く存在する。炭
素数5個以上(前記一般式のn=3以上)のアルダン酸
は難易の差はあるが水を失ってモノ及びジラクトンをつ
くる。モノラクトンはラクトン酸ともいい、条件によっ
て一方のカルボキシル基によるものと他方のカルボキシ
ル基によるものとの2種を生ずる。
【0019】アルダン酸は炭素数で分類され、炭素数3
個(前記一般式のn=1)のものはトリアル酸;炭素数
4個(前記一般式のn=2)のものはテトラル酸;炭素
数5個(前記一般式のn=3)のものはペンタル酸(ペ
ンタ糖酸);炭素数6個(前記一般式のn=4)のもの
はヘキサル酸(ヘキソ糖酸)と総称されている。アルド
ン酸の具体例として例えば、炭素数3個(前記一般式の
n=1)のタルトロン酸;炭素数4個(前記一般式のn
=2)の酒石酸;炭素数5個(前記一般式のn=3)の
キシロ糖酸、リボ糖酸、アラボ糖酸;炭素数6個(前記
一般式のn=4)のグルコ糖酸、マンノ糖酸、イド糖
酸、粘液酸、タロ粘液酸、アロ粘液酸;等が挙げられ、
それぞれにD体、L体、メソ体及びDL体が存在するも
のもある。
【0020】本発明のアルダン酸の中で特に好ましい酒
石酸について述べる。酒石酸ははD体、L体、DL体、
メソ体が存在しており、どれを使用してもよいが、一般
的にL体のL−酒石酸が容易に入手出来る。
【0021】又、酒石酸塩としては、酒石酸リチウム、
酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸マグネシウ
ム、酒石酸カルシウム、、酒石酸バリウム、酒石酸鉄
(II)、酒石酸銅(II)、酒石酸アンモンニウム、
酒石酸の有機アンモニウム塩等が挙げられるが、好まし
くは、酒石酸リチウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリ
ウム、酒石酸ナトリウムカリウムを使用することが好ま
しい。又、これら化合物は単独で使用することはもちろ
ん、2つ以上併用して使用することも出来る。
【0022】(アルダン酸、アルダン酸塩の含有量)イ
ンク中のアルダン酸及びアルダン酸塩の総量としては、
インク全量に対して0.005〜20重量%、特には
0.05〜12重量%が好ましい。この範囲内とするこ
とで、ヒータ上へのコゲの付着が極めて有効に低減で
き、またインクのインクジェット吐出特性に与える影響
も殆ど無く、またコスト的にも有利である。
【0023】酒石酸、酒石酸塩から少なくとも一種選択
される化合物の総含有量はインク全量に対して0.00
5〜20重量%であり、好ましくは、酒石酸、酒石酸リ
チウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナ
トリウムカリウムから少なくとも一種選択される化合物
の総含有量がインク全量に対して0.05〜12重量%
である。0.005重量%より少ないとコゲの低減効果
が発現せず、20重量%より多くしても、もはやそれ以
上の効果は期待できない為、コスト等で不利になる。
【0024】(色材)本発明に用いられる色材について
説明する。色材としては、染料又は顔料を用いるのが好
ましい。
【0025】染料としては直接染料、酸性染料、塩基性
染料、分散染料などあらゆる染料を用いることが出来
る。具体的には例えば、下記のような染料を単独で、若
しくは2つ以上を適宜組合わせて用いることができる。
【0026】C.I.ダイレクトブラック−4,−9,
−11,−17,−19,−22,−32,−80,−
151,−154,−168,−171,−194、−
195、C.I.ダイレクトブルー−1,−2,−6,
−8,−22,−34,−70,−71,−76,−7
8,−86,−142,−199,−200,−20
1,−202,−203,−207,−218,−23
6,−287、 C.I.ダイレクトレッド−1,−2,−4,−8,−
9,−11,−13,−15,−20,−28,−3
1,−33,−37,−39,−51,−59,−6
2,−63,−73,−75,−80,−81,−8
3,−87,−90,−94,−95,−99,−10
1,−110,−189,−225,−227, C.I.ダイレクトイエロー−1,−2,−4,−8,
−11,−12,−26,−27,−28,−33,−
34,−41,−44,−48,−86,−87,−8
8,−132,−135,−142,−144、 C.I.フードブラック−1,−2、 C.I.アシッドブラック−1,−2,−7,−16,
−24,−26,−28,−31,−48,−52,−
63,−107,−112,−118,−119,−1
21,−172,−194,−208、 C.I.アシッドブルー−1,−7,−9,−15,−
22,−23,−27,−29,−40,−43,−5
5,−59,−62,−78,−80,−81,−9
0,−102,−104,−111,−185,−25
4、 C.I.アシッドレッド−1,−4,−8,−13,−
14,−15,−18,−21,−26,−35,−3
7,−52,−249,−257、−289, C.I.アシッドイエロー−1,−3,−4,−7,−
11,−12,−13,−14,−19,−23,−2
5,−34,−38,−41,−42,−44,−5
3,−55,−61,−71,−76,−79、 C.I.リアクティブブルー−1、−2、−3、−4、
−5、−7、−8、−9、−13、−14、−15、−
17、−18、−19、−20、−21、−25、−2
6、−27、−28、−29、−31、−32、−3
3、−34、−37、−38、−39、−40、−4
1、−43、−44、−46、 C.I.リアクティブレッド−1、−2、−3、−4、
−5、−6、−7、−8、−11、−12、−13、−
15、−16、−17、19、−20、−21、−2
2、−23、−24、−28、−29、−31、−3
2、−33、−34、−35、−36、−37、−3
8、−39、−40、−41、−42、−43、−4
5、−46、−49、−50、−58、−59、−6
3、−64、−180、 C.I.リアクティブイエロー−1、−2、−3、−
4、−6、−7、−11、−12、−13、−14、−
15、−16、−17、−18、−22、−23、−2
4、−25、−26、−27、−37、−42、 C.I.リアクティブブラック−1、−3、−4、−
5、−6、−8、−9、−10、−12、−13、−1
4、−18、 プロジェットファストシアン2(Zeneca社)、プ
ロジェットファストマゼンタ2(Zeneca社)、プ
ロジェットファストイエロー2(Zeneca社)、プ
ロジェットファストブラック2(Zeneca社)等。
【0027】なお本発明に係るインクに用い得る染料は
これらに限定されるものではない。
【0028】(顔料)顔料としては無機顔料や有機顔料
などあらゆる顔料を用いることが出来る。
【0029】具体的には下記のようなものを各々単独
で、或いは2つ以上を組合わせて用いることができる。
【0030】カーボンブラック、 C.I.ピグメントイエロー1、−2、−3、−12、
−13、−14、−16、−17、−73、−74、−
75、−83、−93、−95、−97,−98,−1
14,−128,−129,−151,−154、−1
95、 C.I.ピグメントレッド−5、−7、−12、−48
(Ca)、−48(Mn)、−57(Ca)、57:
1、57(Sr)、112、122、123、168、
184、202. C.I.ピグメントブルー−1、−2、−3、−15:
3、−15:34、−16、−22、−60、 C.I.ヴァットブルー−4、−6等が挙げられる。
【0031】(分散剤)これら顔料を使用した場合は、
顔料をインク中で安定に分散させるために分散剤を使用
することが好ましい。分散剤としては高分子分散剤や界
面活性剤系分散剤等が挙げられる。高分子分散剤の具体
例としては、ポリアクリル酸塩、スチレンーアクリル酸
共重合物塩、スチレンーメタクリル酸共重合物塩、スチ
レンーアクリル酸―アクリル酸エステル共重合物塩、ス
チレンーマレイン酸共重合物塩、アクリル酸エステルー
マレイン酸共重合物塩、スチレンーメタクリルスルホン
酸共重合物塩、ビニルナフタレンーマレイン酸共重合物
塩、β―ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポ
リビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビ
ニルアルコール等が挙げられる。重量平均分子量は10
00〜30000で、酸価は100〜430の範囲が好
ましい。界面活性剤系分散剤としてはラウリルベンゼン
スルホン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、ラウリルベンゼ
ンカルボン酸塩、ラウリルナフタレンスルホン酸塩、脂
肪族アミン塩、ポリエチレンオキサイド縮合物等が挙げ
られる。これらの分散剤の使用量は顔料の重量:分散剤
の重量=10:5〜10:0.5の範囲が好ましい。
【0032】また、特開平5−186704号公報や特
開平8−3498号公報に記載されているようなカーボ
ンブラックの表面に水溶性基を導入することにより自己
分散が可能になったカーボンブラックを使用出来る。自
己分散が可能なカーボンブラックを使用する際は、分散
剤を使用しなくても良い。
【0033】これら染料及び顔料を1種類で用いるか、
または2種以上を組合わせて用いても良い。また、これ
ら染料及び顔料の濃度は通常はインク全量に対して0.
1〜20重量%の範囲から適宜選択される。
【0034】(液媒体)次に、本発明に用いられる液媒
体について説明する。液媒体としては水と水溶性有機溶
剤を併用することが好ましい。
【0035】本発明に使用する水は、種々のイオンを含
有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが
望ましい。又、水の含有量としては、水性顔料インク全
量に対して、好ましくは35〜96重量%の範囲であ
る。
【0036】水溶性有機溶剤はインクの粘度を使用上好
ましい適当な粘度に調整するためと、インクの乾燥速度
を遅らせたり、色材の溶解性を高め記録ヘッドのノズル
の目詰まりを防止するために使用する。具体的には、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノ
ール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトア
ルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又は
オキシプロピレン共重合体;エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等の
アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレング
リコール類;グリセリン;トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン;エチレングリコールモノメチル
(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメ
チル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコール
モノメチル(又はエチル)エーテル等の低級アルキルエ
ーテル類;トリエチレングリコールジメチル(又はエチ
ル)エーテル、テトラエチレングリコールジメチル(又
はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級ジアルキ
ルエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン
類;スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等
が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独で
も或いは混合物としても使用することができる。
【0037】(添加剤)又、本発明のインクのpH値を
一定にしてインク中における染料の溶解性及び顔料の分
散性を安定化させる為に、インク中にpH調整剤を含有
させてもよい。pH調整剤として具体的には、例えば、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及
び水酸化アンモニウム等の水酸化物、硫酸リチウム、硫
酸ナトリウム、硫酸カリウム及び硫酸アンモニウム等の
硫酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリ
ウムカリウム、炭酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニ
ウム等の炭酸塩、リン酸リチウム、リン酸一ナトリウ
ム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸
一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リ
ン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三
アンモニウム等のリン酸塩、酢酸リチウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム及び酢酸アンモニウム等の酢酸塩等
が挙げられる。
【0038】これらの塩は、単独でインク中に添加させ
て使用してもよいが、これらのうちの2種類以上の塩を
併用するのが更に好ましい。又、これらの塩の総添加量
は、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは1
〜8重量%である。該添加量が0.1重量%より少ない
とインクのpHを一定に保つことが困難であり、インク
中に含まれている水性染料の溶解安定性に効果が少な
い。一方、10重量%より多いと、これらの塩の結晶が
析出してノズルの目詰まり等を引き起こす為、かえって
好ましくない。
【0039】更に、本発明のインクには、上記の成分の
他に必要に応じて、従来公知の一般的な各種添加剤、例
えば、粘度調整剤、防かび剤、防腐剤、酸化防止剤、消
泡剤、界面活性剤、尿素等のノズル乾燥防止剤を適宜併
用することが出来る。
【0040】(インク物性)又、本発明のインクの物性
として好適な範囲は、25℃付近でpHが好ましくは3
〜12、より好ましくは4〜10、表面張力が好ましく
は10〜60mN/m(dyn/cm)、より好ましく
は15〜50mN/m(dyn/cm)、粘度が好まし
くは1〜30cps、より好ましくは1〜10cpsの
範囲である。
【0041】(記録方法)本発明のインクを用いて記録
を行うのに好適な記録方法は、記録ヘッドの室内のイン
クに記録信号に対応した熱エネルギーを与え、該エネル
ギーにより液滴を発生させるインクジェット記録方法で
あるが、この様な本発明のインクが好適に使用される記
録装置について図を用いて以下に説明する。
【0042】先ず、熱エネルギーを利用したインクジェ
ット記録装置の主要部であるヘッド構成の一例を図1及
び図2に示す。図1は、インク流路に沿ったヘッド13
の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図で
ある。ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を
有するガラス、セラミック、シリコン、ポリサルホン又
はプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着して得
られる。発熱素子基板15は酸化シリコン、窒化シリコ
ン、炭化シリコン等で形成される保護層16−1、白金
等の金属又は白金の酸化物等の金属の酸化物、好ましく
はタンタル又はタンタルの酸化物等で形成される最表面
保護層16−2、アルミニウム、金、アルミニウム−銅
合金等で形成される電極17−1及び17−2、ハフニ
ウムボライド、窒化タンタル、タンタルアルミニウム等
の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、酸化シ
リコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、
シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性
のよい材料で形成される基板20よりなっている。
【0043】上記ヘッド13の電極17−1及び17−
2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板
15のnで示される領域(ヒーター)が急速に発熱し、
この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その
圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドの
ノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりイ
ンク小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔す
る。図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチ
ヘッドの一例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マ
ルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明し
たものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られて
いる。
【0044】(ヒータへの印加エネルギー量)次にヒー
タへの印加エネルギーについて説明する。バブルジェッ
トヘッドがぎりぎり吐出可能な臨界エネルギーをEthと
し、実際に投入するエネルギーをEopとしたときに、こ
れらの比(Eop/Eth)をrと表わすこととする。すなわ
ち、バブルジェットヘッドに印加するパルスの幅をPと
し(複数のパルスを分割して与える時はその合計幅)、
印加する電圧をV、ヒーターの抵抗をRとする時、投入
エネルギーEは、 E=P×V2/R (1) と表わすことができる。この時、バブルジェットヘッド
がぎりぎり吐出できるエネルギーをEthとし、実際に駆
動を行う時の投入エネルギーをEopとすれば、r値は、 r=Eop/Eth (2) で与えられる。そしてバブルジェットヘッドの駆動条件
からr値を求める方法は、例えば以下の二つの方法で行
うことが可能である。
【0045】方法1パルス幅が固定している場合。ま
ず、与えられたパルス幅で、バブルジェットヘッドが吐
出する適当な電圧を見つけて駆動する。次に、徐々に電
圧を下げてゆき、吐出が止まる電圧を見つける。この電
圧の直前の吐出可能な最小電圧をVthとする。実際に駆
動で使用されている電圧をVopとすれば、r値は、 r=(Vop/Vth)2 で求められる。
【0046】方法2電圧が固定している場合。まず、与
えられた電圧で、バブルジェットヘッドが吐出する適当
なパルス幅を見つけて駆動する。次に、徐々にパルス幅
を短くしてゆき、吐出が止まるパルス幅を見つける。こ
のパルス幅の直前の吐出可能な最小パルス幅をPthとす
る。実際に駆動で使用されているパルス幅をPopとすれ
ば、r値は、 r=Pop/Pth で求められる。
【0047】なお、ここでの電圧値はBJヒーターを発
熱させるためにヒーター部に実際にかかる電圧である。
ヘッドの外部から投入した電圧は、接点や配線抵抗等で
電圧降下することがあるが、ヘッドの外部からVthとV
opの測定を行う場合、これらの電圧変動分が両方の値に
含めて測定されるので、電圧変動分が大きくない限り、
これらの値を直接用いてr値を計算しても誤差は少な
く、これによる値を r値として用いても差し支えな
い。
【0048】また、実際のプリンターで記録を行ってい
る際には、複数のヒーターが駆動されるために1つのヒ
ーターに対する電圧がこの影響を受けて変動する可能性
があることに注意する必要がある。
【0049】更に、前記式(1)と式(2)から、同一
r値においては、Vの2乗とPは反比例するように見え
るが、実際には、パルス波形が矩形にならない等の電気
的問題、パルス波形が異なるとヒーター周辺の熱拡散が
異なる等の熱的問題、電圧が異なるとヒーターからイン
クへの熱流束が異なり発泡状態が変化する等のバブルジ
ェット特有の問題等があって、Vの2乗とPは単純な関
係には無い。従って、上記の方法1及び2は、それぞれ
独立して扱われなければならず、一方の値から計算で他
方の値に変換することは誤差があることを注意しなけれ
ばならない。本願では、特に断らない限り上記の方法1
で求めた値をr値として用いることとする。
【0050】インクの安定的な吐出のためには、r値を
1.12〜1.96程度で駆動するのが一般的である。
しかしアルダン酸及びアルダン酸塩から選ばれる少なく
とも1つを含むインクに熱エネルギーを印加して記録ヘ
ッドから吐出させる場合、r値を所定の範囲、具体的に
は1.10〜1.50で駆動することがヒータへのコゲの付
着を防止し、ひいては記録ヘッドのより一層の長寿命化
を図ることができ好ましいものである。この範囲でコゲ
の付着が特に有効に防止でき、また記録ヘッドの長寿命
化を図れる理由は明らかでないが、ヒーターに過大にエ
ネルギーが供給されることによってヒーター表面温度が
過大に高くなることがなく、アルダン酸やアルダン酸塩
による金属の侵食が過度に起こることが無いためである
と考えられる。
【0051】図4に、このヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワ
イピング部材としてのブレードであり、その一端はブレ
ード保持部材によって保持固定されており、カンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による
記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、
記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持され
る。
【0052】62は記録ヘッド65の突出口面のキャッ
プであり、ブレード61に隣接するホームポジションに
配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移
動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う
構成を備える。更に、63はブレード61に隣接して設
けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記
録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持され
る。上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体
63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61
及びインク吸収体63によって吐出口面に水分、塵埃等
の除去が行われる。
【0053】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを
吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65
を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッ
ジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に
系合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって
駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これ
によりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可
能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接
した領域の移動が可能となる。
【0054】51は被記録材を挿入するための紙給部、
52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラ
ーである。これらの構成により記録ヘッドの65吐出口
面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行に
つれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。
以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホー
ムポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62
は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレ
ード61は移動経路中に突出している。その結果、記録
ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0055】尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出
面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は
記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記
録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移
動する場合、キャップ62及びブレード61は上記した
ワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、
この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピ
ングされる。上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0056】図5は、記録ヘッドにインク供給部材、例
えば、チューブを介して供給されるインクを収容したイ
ンクカートリッジの一例を示す図である。ここでインク
カートリッジ45の一部を構成している部材40は供給
用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋で
あり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。
この栓42に針(不図示)を挿入することにより、イン
ク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。44は
廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部
としてはインクとの接液面がポリオレフィン、特にポリ
エチレンで形成されているものが好ましい。
【0057】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジ
とが別体となったものに限らず、図6に示すようなそれ
らが一体になったものにも好適に用いられる。図6にお
いて、70は記録ユニットであり、この中にはインクを
収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納さ
れており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフ
ィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出され
る構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリ
ウレタンを用いることが本発明にとって好ましい。又、
インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を
仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカ
ートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口で
ある。この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッド6
5に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に
対して着脱自在になっている。
【0058】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、下記実施例により限定されるものではない。尚、文
中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り重
量基準である。
【0059】実施例1〜3及び比較例1 下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた
後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写
真フィルム(株)製)にて加圧濾過して実施例A及び実
施例Aのインクより酒石酸2ナトリウム・2水和物を抜
いた比較例Aのインクを調整した。
【0060】 実施例Aのインク組成 ・プロジェットファストブラック2(Zeneca社) 2部 ・ジエチレングリコール 10部 ・酒石酸2ナトリウム・2水和物 2部 ・水酸化ナトリウム 0.1部 ・水 85.9部
【0061】 比較例Aのインク組成 ・プロジェットファストブラック2(Zeneca社) 2部 ・ジエチレングリコール 10部 ・水酸化ナトリウム 0.1部 ・水 87.9部
【0062】〔評価1〕上記の実施例Aのインクを用い
て、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与する
ことによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記
録ヘッド(BC−02(キヤノン(株)製):ヒーター
上の最表面保護層はタンタル及びタンタルの酸化物より
成る)を有するインクジェット記録装置を用いて、パル
ス幅1.1μs(On)+3.0μs(Off)+3.
2μs(On)、駆動周波数6250Hzで、Vth
(吐出するぎりぎりの臨界電圧)を実測し、r値=1.
39に相当するVop(駆動電圧)で評価をしたものを
実施例1として下記の評価を行った。尚、Vop(駆動
電圧)は次の式より算出した。
【0063】
【外1】
【0064】また、実施例Aのインクを用いて、r値=
1.10に相当するVop(駆動電圧)で同様の評価を
したものを実施例2、r値=1.48に相当するVop
(駆動電圧)で同様の評価をしたものを実施例3とし
た。
【0065】また、r値=1.56に相当するVop
(駆動電圧)で同様の評価をしたものを参考例1、r値
=1.61に相当するVop(駆動電圧)で同様の評価
をしたものを参考例2、r値=1.69のVop(駆動
電圧)で同様の評価をしたものを参考例3とした。
【0066】また、比較例Aのインクを用いて、r値=
1.39に相当するVop(駆動電圧)で同様の評価を
したものを比較例1とた。結果を表1に示す。
【0067】・ 吐出耐久性 前記装置と駆動条件で連続吐出を行い、1×106発お
きに記録ヘッドから吐出される液滴を容器に収集して、
電子天秤で秤量した。容器の増加量より 1×106発に
おける平均の吐出液滴量を算出した。尚、連続吐出は1
×108発まで行い、下記の基準で評価した。 A:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90
%以上。 B:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90
%未満〜70%。 C:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて70
%未満。 D:途中で吐出不能に陥った。
【0068】・ コゲ付着量 上記ヘッドの吐出耐久性で評価の終了した記録ヘッドを
分解し、吐出耐久に使用したノズルのヒーター表面を光
学顕微鏡(倍率400倍)で目視して、コゲの付着量を
下記の基準で評価した。 A:コゲの付着が殆ど見られない。 B:コゲの付着が僅かに見られる。 C:コゲの付着が多く見られる。 D:コゲの付着が非常に多く見られる。
【0069】
【表1】
【0070】実施例4〜13及び比較例2〜11 下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた
後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写
真フィルム(株)製)にて加圧濾過して実施例4〜8の
インクを調整した。
【0071】 実施例4のインク組成 ・プロジェットファストブラック2(Zeneca社) 2部 ・ジエチレングリコール 10部 ・粘液酸 0.5部 ・水酸化ナトリウム 1部 ・水 86.5部
【0072】 実施例5のインク組成 ・プロジェットファストイエロー2(Zeneca社) 3部 ・ジエチレングリコール 10部 ・酒石酸2ナトリウム・2水和物 1部 ・水 86部
【0073】 実施例6のインク組成 ・プロジェットファストマゼンタ2(Zeneca社) 3部 ・ジエチレングリコール 10部 ・酒石酸2ナトリウム・2水和物 2部 ・水 85部
【0074】 実施例7のインク組成 ・プロジェットファストシアン2(Zeneca社) 4部 ・ジエチレングリコール 10部 ・酒石酸2リチウム・1水和物 1部 ・水 85部
【0075】 実施例8のインク組成 ・プロジェットファストブラック2(Zeneca社) 2部 ・グリセリン 5部 ・ジエチレングリコール 5部 ・尿素 4部 ・2−プロパノール 3.5部 ・酒石酸2ナトリウム・2水和物 10部 ・水酸化ナトリウム 0.1部 ・硫酸アンモニウム 0.1部 ・水 70.3部
【0076】 実施例9 (顔料分散液1の作成) スチレンーアクリル酸ーアクリル酸ブチル共重合体 5部 (酸価116、平均分子量3700) トリエタノールアミン 0.5部 ジエチレングリコール 5部 水 69.5部
【0077】上記成分を混合し、ウォーターバスで70
℃に加温し、樹脂成分を完全に溶解させる。この溶液に
カーボンブラック「MA−100」(pH3.5;三菱
化学(株)製)15部、2ープロパノール5部を加え、
30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で分散
処理を行った。
【0078】 分散機 サンドグライダー(五十嵐機械製) 粉砕メディア ジルコニウムビーズ1mm径 粉砕メディアの充填率50%(体積) 粉砕時間3時間
【0079】更に、遠心分散処理(12000rpm、
20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液1と
した。
【0080】(実施例9のインク作成)以下の各成分を
ビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを
本発明に使用する実施例9のインクとした。
【0081】 ・顔料分散液1 30部 ・ジエチレングリコール 10部 ・2ープロパノール 2部 ・酒石酸2ナトリウム・2水和物 1部 ・水 57部
【0082】実施例10 (顔料分散液2の作成)市販の酸性カーボンブラック
「MA77」(pH3;三菱化学(株)製)300gを
水1000mlによく混合した後、これに次亜塩素酸ソ
ーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、10
0〜105℃で10時間攪拌した。得られたスラリーを
東洋ろ紙No2(アドバンティス社製)でろ過し、顔料
粒子を十分に水洗した。この顔料ウェットケーキを水3
000mlに再分散し、電導度0.2μsまで逆浸透膜
で脱塩した。さらに、この顔料分散液(pH=8〜1
0)を顔料濃度10重量%に濃縮した。以上の方法によ
りカーボンブラックの表面に-COONa基を導入した。
【0083】(実施例10のインク作成)以下の各成分
をビーカーにて混合し、25℃にて3時間撹拌した。こ
の混合物をポアサイズ3.0μmのメンブランフィルタ
ー(住友電工(株)製)で加圧ろ過したものを本発明に
使用する実施例10のインクとした。
【0084】 ・顔料分散液2 30部 ・グリセリン 5部 ・トリメチロールプロパン 5部 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 (商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカル製) 0.2部 ・酒石酸2ナトリウム・2水和物 1部 ・水 58.8部
【0085】 実施例11 (顔料分散液3の調整) スチレン−アクリル酸共重合体 5.5部 (酸価200、平均分子量7000) モノエタノールアミン 1.0部 イオン交換水 67.5部 ジエチレングリコール 5.0部
【0086】上記成分を混合し、ウォーターバスで70
℃に加温し、、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液に
C.I.Pigment Yelloe 93を20
部、イソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間
プレミキシングを行った後、下記の条件で分散処理を行
なった。
【0087】 分散機 :サンドグラインダー 粉砕メディア :ガラスビーズ 1mm径 粉砕メディアの充填率 :50%(体積) 粉砕時間 :3時間
【0088】さらに遠心分離処理(12000rpm、
20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0089】(インクの調整)以下の各成分をビーカー
にて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを本発明に
使用する実施例11のインクとした。 ・顔料分散液3 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部 ・酒石酸2ナトリウム・2水和物 1部 ・水 53.7部
【0090】 実施例12 (顔料分散液4の調整) スチレン−アクリル酸共重合体 5.5部 (酸価200、平均分子量7000) モノエタノールアミン 1.0部 イオン交換水 67.5部 ジエチレングリコール 5.0部
【0091】上記成分を混合し、ウォーターバスで70
℃に加温し、、樹脂分を完全に溶解させた。この溶液に
C.I.Pigment Red 122を20部、イ
ソプロピルアルコールを1.0部加え、30分間プレミ
キシングを行った後、下記の条件で分散処理を行なっ
た。
【0092】 分散機 :サンドグラインダー 粉砕メディア :ガラスビーズ 1mm径 粉砕メディアの充填率 :50%(体積) 粉砕時間 :3時間
【0093】さらに遠心分離処理(12000rpm、
20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0094】(インクの調整)以下の各成分をビーカー
にて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを本発明に
使用する実施例12のインクとした。 ・顔料分散液4 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部 ・酒石酸2ナトリウム・2水和物 1部 ・水 53.7部
【0095】 実施例13 (顔料分散液5の調整) スチレン−アクリル酸共重合体 5.5部 (酸価200、平均分子量7000) モノエタノールアミン 1.0部 イオン交換水 67.5部 ジエチレングリコール 5.0部
【0096】上記成分を混合し、ウォーターバスで70
℃に加温し、、樹脂分を完全に溶解させた。
【0097】この溶液にC.I.Pigment Bl
ue 15:3を20部、イソプロピルアルコールを
1.0部加え、30分間プレミキシングを行った後、下
記の条件で分散処理を行なった。
【0098】 分散機 :サンドグラインダー 粉砕メディア :ガラスビーズ 1mm径 粉砕メディアの充填率 :50%(体積) 粉砕時間 :3時間
【0099】さらに遠心分離処理(12000rpm、
20分間)を行い、粗大粒子を除去して分散液とした。
【0100】(インクの調整)以下の各成分をビーカー
にて混合し、25℃にて3時間撹拌したものを本発明に
使用する実施例13のインクとした。 ・顔料分散液5 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部 ・酒石酸2ナトリウム・2水和物 1部 ・水 53.7部
【0101】比較例2〜11 下記に示す各成分を混合し、充分攪拌して溶解させた
後、ポアサイズ0.2μmのミクロフィルター(富士写
真フィルム(株)製)にて加圧濾過して比較例5〜14
のインクを夫々調整した。
【0102】 比較例2のインク組成 ・プロジェットファストブラック2(Zeneca社) 2部 ・ジエチレングリコール 10部 ・水酸化ナトリウム 0.1部 ・水 87.9部
【0103】 比較例3のインク組成 ・プロジェットファストイエロー2(Zeneca社) 3部 ・ジエチレングリコール 10部 ・水 87部
【0104】 比較例4のインク組成 ・プロジェットファストマゼンタ2(Zeneca社) 3部 ・ジエチレングリコール 10部 ・水 87部
【0105】 比較例5のインク組成 ・プロジェットファストシアン2(Zeneca社) 4部 ・ジエチレングリコール 10部 ・水 86部
【0106】 比較例6のインク組成 ・プロジェットファストブラック2(Zeneca社) 2部 ・グリセリン 5部 ・ジエチレングリコール 5部 ・尿素 5部 ・水酸化ナトリウム 0.1部 ・硫酸アンモニウム 0.1部 ・水 82.8部
【0107】比較例7のインク組成 以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間
撹拌したものを本比較例7のインクとした。 ・顔料分散液1 30部 ・ジエチレングリコール 10部 ・2ープロパノール 2部 ・水 58部
【0108】比較例8のインク組成 以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間
撹拌した。この混合物をポアサイズ3.0μmのメンブ
ランフィルター(住友電工(株)製)で加圧ろ過したも
のを比較例8のインクとした。 ・顔料分散液2 30部 ・グリセリン 5部 ・トリメチロールプロパン 5部 ・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物 (商品名:アセチレノールEH、川研ファインケミカル製) 0.2部 ・水 59.8部
【0109】比較例9 以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間
撹拌したものを比較例9のインクとした。 ・顔料分散液3 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部 ・水 54.7部
【0110】比較例10 以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間
撹拌したものを比較例10のインクとした。 ・顔料分散液4 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部 ・水 54.7部
【0111】比較例11 以下の各成分をビーカーにて混合し、25℃にて3時間
撹拌したものを比較例11のインクとした。 ・顔料分散液5 20部 ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコール 10部 ・アセチレノールEH(川研ファインケミカル製) 0.3部 ・水 54.7部
【0112】〔評価2〕上記の実施例4〜13及び比較
例2〜11のインクを用いて、記録信号に応じた熱エネ
ルギーをインクに付与することによりインクを吐出させ
るオンデマンド型マルチ記録ヘッド(BC−02(キヤ
ノン(株)製):ヒーター上の最表面保護層はタンタル
及びタンタルの酸化物より成る)を有するインクジェッ
ト記録装置を用いて、パルス幅1.1μs(On)+
3.0μs(Off)+3.2μs(On)、駆動周波
数6250Hzで、Vth(吐出するぎりぎりの臨界電
圧)を実測し、r値=1.39に相当するVop(駆動
電圧)で下記の評価を行った。結果を表2に示す。
【0113】・吐出耐久性 前記装置と駆動条件で連続吐出を行い、1×106発お
きに記録ヘッドから吐出される液滴を容器に収集して、
電子天秤で秤量した。容器の増加量より 1×106発に
おける平均の吐出液滴量を算出した。尚、連続吐出は1
×108発まで行い、下記の基準で評価した。 A:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90
%以上。 B:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて90
%未満〜70%。 C:9.9×107〜1×108発間の平均の吐出液滴量
が0〜1×106発後の平均の吐出液滴量と比べて70
%未満。 D:途中で吐出不能に陥った。
【0114】・ コゲ付着量 上記ヘッドの吐出耐久性で評価の終了した記録ヘッドを
分解し、吐出耐久に使用したノズルのヒーター表面を光
学顕微鏡(倍率400倍)で目視して、コゲの付着量を
下記の基準で評価した。 A:コゲの付着が殆ど見られない。 B:コゲの付着が僅かに見られる。 C:コゲの付着が多く見られる。 D:コゲの付着が非常に多く見られる。
【0115】
【表2】
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱エネルギーを利用したインクジェット記録に用いた場
合に、記録ヘッドのヒーター上のコゲを低減することに
より記録ヘッドの寿命を向上させるインク、記録ヘッド
のヒーター上のコゲを低減することにより記録ヘッドの
寿命を向上させる方法、該インクを用いたインクジェッ
ト記録方法及びインクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す
縦断面図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッドの一例を示す
横断面図である。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外
観斜視図である。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す概略斜視
図である。
【図5】インクカートリッジの一例を示す縦断面図であ
る。
【図6】記録ユニットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
13 ヘッド 14 インク流路(ノズル) 15 発熱素子基板 16−1 保護層 16−2 最表面保護層 16 保護膜 17−1、17−2 電極 18 発熱抵抗体層 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出オリフィス(微細孔) 23 メニスカス 24 インク小滴 25 被記録材 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 40 インク袋 42 栓 44 インク吸収体 45 インクカートリッジ 51 給紙部 52 紙送りローラー 53 排紙ローラー 61 ブレード 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モーター 69 ベルト 70 記録ユニット 71 ヘッド部 72 大気連通口

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクに熱エネルギーを印加してオリフ
    ィスから該インクを吐出させる為のヒータを備えた記録
    ヘッドを有するインクジェットプリンタの、該ヒータ表
    面へのコゲの付着低減方法であって、該ヒータが金属及
    び金属酸化物の少なくとも一方を含む最表面保護層を備
    え、且つ該インクが、(a)色材、(b)液媒体、及び
    (c)アルダン酸及びアルダン酸塩から選択される少な
    くとも一つ、を含むインクであることを特徴とするヒー
    タへのコゲ付着低減方法。
  2. 【請求項2】 前記金属がタンタルである請求項1記載
    のコゲ付着低減方法。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物がタンタルの酸化物であ
    る請求項1または2に記載のコゲ付着低減方法。
  4. 【請求項4】 該アルダン酸が酒石酸である請求項1〜
    3のいずれかに記載のコゲ付着低減方法。
  5. 【請求項5】 該アルダン酸塩が酒石酸塩である請求項
    1〜4のいずれかに記載のコゲ付着低減方法。
  6. 【請求項6】 該酒石酸塩が酒石酸リチウム、酒石酸ナ
    トリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸
    ナトリウムカリウムおよび酒石酸の有機アンモニウム塩
    から選ばれる少なくとも一つである請求項5に記載のコ
    ゲ付着低減方法。
  7. 【請求項7】 該色材が水溶性染料である請求項1〜6
    のいずれかに記載のコゲ付着低減方法。
  8. 【請求項8】 該色材が顔料である請求項1〜7のいず
    れかに記載のコゲ付着低減方法。
  9. 【請求項9】 該液媒体が水を含み、水の含有量がイン
    ク全量に対して35−96重量%である請求項1〜8の
    いずれかに記載のコゲ付着低減方法。
  10. 【請求項10】 該インク中の、(c)の成分の総量
    が、インク全量に対して0.005〜20重量%である
    請求項1〜9のいずれかに記載のコゲ付着低減方法。
  11. 【請求項11】 該インクを吐出させる為に該ヒータに
    投入するエネルギーをEopとし、該記録ヘッドから該イ
    ンクを吐出させるために最低限必要な該ヒータへのエネ
    ルギー投入量をEthとしたとき、Eopが下記の関係を満た
    すものである請求項1〜10のいずれかに記載のコゲ付
    着低減方法。1.10≦Eop/Eth≦1.50
  12. 【請求項12】 インク流路内のインクに熱エネルギー
    を印加するヒータに記録信号に応じたパルス状の電気信
    号を付与し、該ヒータを発熱させて該インク流路内のイ
    ンクを加熱することによって該インクをオリフィスから
    吐出させる工程を含むインクジェット記録方法におい
    て、該インクが(a)色材、(b)液媒体、及び(c)
    アルダン酸及びアルダン酸塩の群から選択される少なく
    とも一つ、を含むインクであることを特徴とするインク
    ジェット記録方法。
  13. 【請求項13】 該色材が水溶性染料である請求項12
    記載のインクジェット記録方法。
  14. 【請求項14】 該色材が顔料である請求項12または
    13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 【請求項15】 該アルダン酸が酒石酸である請求項1
    2〜14のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 該アルダン酸塩が酒石酸塩である請求
    項12〜15のいずれかに記載のインクジェット記録方
    法。
  17. 【請求項17】 該酒石酸塩が酒石酸リチウム、酒石酸
    ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石
    酸ナトリウムカリウムおよび酒石酸の有機アンモニウム
    塩から選ばれる少なくとも一つである請求項16に記載
    のインクジェット記録方法。
  18. 【請求項18】 該液媒体が水を含み、水の含有量がイ
    ンク全量に対して35−96重量%である請求項12〜
    17のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  19. 【請求項19】 該インク中の、(c)の成分の総量が
    インク全量に対して0.005〜20重量%である請求
    項12〜18のいずれかに記載のインクジェット記録方
    法。
  20. 【請求項20】 該ヒータが金属及び金属酸化物の少な
    くとも一方を含む最表面保護層を備えている請求項12
    〜19のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  21. 【請求項21】 該金属が、タンタルである請求項20
    に記載のインクジェット記録方法。
  22. 【請求項22】 該金属酸化物が、タンタルの酸化物で
    ある請求項20または21に記載のインクジェット記録
    方法。
  23. 【請求項23】 該ヒータにパルス状の電気信号として
    投入されるエネルギー量をEopとし、該オリフィスから
    該インクを吐出させる為に最低限必要な該ヒータへのエ
    ネルギー投入量をEthとしたとき、Eopが下記の関係を満
    たすものである請求項12〜22のいずれかに記載のイ
    ンクジェット記録方法。 1.10≦Eop/Eth≦1.50
  24. 【請求項24】 インクを収容しているインク収容部、
    該インク収納部から導かれたインク流路内のインクに熱
    エネルギーを付与するヒータを有するインクジェット記
    録用ヘッド、及び記録情報に応じて該ヒータにパルス状
    の電気信号を印加する手段を具備しているインクジェッ
    ト記録装置であって、該ヒータは金属及び金属酸化物の
    少なくとも一方を含む最表面保護層を具備し、また該イ
    ンクは(a)色材、(b)液媒体、及び(c)アルダン
    酸及びアルダン酸塩から選択される少なくとも一つ、を
    含むことを特徴とするインクジェット記録装置。
  25. 【請求項25】 該金属がタンタルである請求項24記
    載のインクジェット記録装置。
  26. 【請求項26】 該金属酸化物がタンタルの酸化物であ
    る請求項24または25に記載のインクジェット記録装
    置。
  27. 【請求項27】 該インク中の、(c)の成分の総量
    が、インク全量に対して0.005〜20重量%である
    請求項24〜26のいずれかに記載のインクジェット記
    録装置。
  28. 【請求項28】 該アルダン酸が、酒石酸である請求項
    24〜27のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  29. 【請求項29】 該アルダン酸塩が、酒石酸塩である請
    求項24〜28のいずれかに記載のインクジェット記録
    装置。
  30. 【請求項30】 前記酒石酸塩が、酒石酸リチウム、酒
    石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカ
    リウムおよび酒石酸の有機アンモニウム塩から選ばれる
    少なくとも一つである請求項29に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  31. 【請求項31】 該ヒータにパルス状の電気信号を印加
    する手段によって該ヒータに投入するエネルギーをEop
    とし、該記録ヘッドから該インクを吐出させる為に最低
    限必要な該ヒータへのエネルギー投入量をEthとしたと
    きに、Eopが下記の関係を満たすものである請求項24
    〜30のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 1.10≦Eop/Eth≦1.50
  32. 【請求項32】 インクを収容しているインク収容部
    と、該インクを熱エネルギーの作用によりオリフィスか
    ら吐出させるためのインクジェット記録用ヘッド部とを
    有する記録ユニットであって、該インクジェット記録用
    ヘッドは該インクに熱エネルギーを印加する為の、金属
    及び金属酸化物の少なくとも一方を含む最表面保護層を
    備えたヒータを具備し、且つ該インクが(a)色材、
    (b)液媒体、及び(c)アルダン酸及びアルダン酸塩
    の群から選択される少なくとも一つ、を含むインクであ
    ることを特徴とする記録ユニット。
  33. 【請求項33】 該色材が水溶性染料である請求項32
    記載の記録ユニット。
  34. 【請求項34】 該色材が顔料である請求項32または
    33に記載の記録ユニット。
  35. 【請求項35】 該アルダン酸が酒石酸である請求項3
    2〜34のいずれかに記載の記録ユニット。
  36. 【請求項36】 該アルダン酸塩が酒石酸塩である請求
    項32〜35のいずれかに記載の記録ユニット。
  37. 【請求項37】 該酒石酸塩が酒石酸リチウム、酒石酸
    ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石
    酸ナトリウムカリウムおよび酒石酸の有機アンモニウム
    塩から選ばれる少なくとも一つである請求項36に記載
    の記録ユニット。
  38. 【請求項38】 該金属がタンタルである請求項32〜
    37のいずれかに記載の記録ユニット。
  39. 【請求項39】 該金属酸化物がタンタルの酸化物であ
    る請求項32〜38のいずれかに記載の記録ユニット。
  40. 【請求項40】 該インク中の、(c)の成分の総量
    が、インク全量に対して0.005〜20重量%である
    請求項32〜39のいずれかに記載の記録ユニット。
  41. 【請求項41】 インクに熱エネルギーを印加してオリ
    フィスから吐出させる工程を含むインクジェット記録方
    法に用いる、インクに熱エネルギーを付与するヒータを
    具備している記録ヘッドの長寿命化方法であって、該ヒ
    ータに金属及び金属酸化物の少なくとも一方を含む最表
    面保護層を設けると共に、該インクとして(a)色材、
    (b)液媒体、及び(c)アルダン酸及びアルダン酸塩
    から選択される少なくとも一つ、を含むインクを用いる
    ことを特徴とする記録ヘッドの長寿命化方法。
  42. 【請求項42】 該金属がタンタルである請求項41記
    載の記録ヘッドの長寿命化方法。
  43. 【請求項43】 該金属酸化物がタンタルの酸化物であ
    る請求項41または42に記載の記録ヘッドの長寿命化
    方法。
  44. 【請求項44】 前記アルダン酸が酒石酸である請求項
    41〜43のいずれかに記載の記録ヘッドの長寿命化方
    法。
  45. 【請求項45】 前記アルダン酸塩が酒石酸塩である請
    求項41〜44のいずれかに記載の記録ヘッドの長寿命
    化方法。
  46. 【請求項46】 該酒石酸塩が、酒石酸リチウム、酒石
    酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウムカリ
    ウムおよび酒石酸の有機アンモニウム塩から選ばれる少
    なくとも一つである請求項45に記載の記録ヘッドの長
    寿命化方法。
  47. 【請求項47】 該インク中の(c)の成分の総量が、
    インク全量に対して0.005〜20重量%である請求
    項41〜46のいずれかに記載の記録ヘッドの長寿命化
    方法。
  48. 【請求項48】 該インクに印加する熱エネルギーを発
    生させる為に該ヒータに投入するエネルギーをEopと
    し、該記録ヘッドから該インクを吐出させるために最低
    限必要な該ヒータへのエネルギー投入量をEthとしたと
    きに、Eopが下記の関係を満たす請求項41〜47のい
    ずれかに記載の記録ヘッドの長寿命化方法。 1.10≦Eop/Eth≦1.50
JP2000045867A 1999-02-26 2000-02-23 インクジェット記録ヘッドのヒータ表面へのコゲ付着低減方法、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及び記録ヘッドの長寿命化方法 Expired - Fee Related JP4497624B2 (ja)

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