JP2019018563A - インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気化学反応による保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を抑制することができるインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】ヒータ108、第1保護層106、及びイリジウムなどの材料で形成される第2保護層107、を有する記録ヘッド;第2保護層107を一方の電極とするとともに、インクを介して導通する部位を他方の電極として電気化学反応を生じさせて、第2保護層の少なくとも一部をインクに溶出させる手段;を備えたインクジェット記録装置を使用し、インクが、顔料、顔料を分散するための樹脂分散剤、及び特定のキレート剤を含有する水性インクを記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェット記録方法により、銀塩写真やオフセット印刷で実現されているような高精細で高発色性の画像を記録することが可能となっている。インクに含有させる色材としては、染料及び顔料が挙げられ、耐ガス性、耐光性、耐水性などの画像の堅牢性の観点から顔料が広く用いられている。
インクジェット記録方法において、記録ヘッドからインクを吐出させる方式としては、力学的エネルギーを利用する方法、及び熱エネルギーを利用する方法がある。熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出させるサーマル方式では、記録ヘッドのヒータ(電気熱変換素子)は高温にさらされる。これに加えて、ヒータは、インクの発泡及び気泡の収縮に伴うキャビテーションによる衝撃などの物理的作用や、インクによる化学的作用を複合的に受ける。これらの作用からヒータを保護するために、インク流路のヒータ部分には保護層が設けられる。インクの吐出が繰り返されると、インク中の成分が高温で加熱されることにより、難溶解性ないしは難分散性の物質に変化し、これが保護層の表面に付着する現象が生ずる。この物質がいわゆる「コゲ」と呼ばれるものである。保護層にコゲが付着し、堆積すると、ヒータに与えられた熱エネルギーがインクに十分に伝わらず、結果として、インクに付与される熱エネルギーが減少するため、吐出性に影響を及ぼす。このようにして生じた吐出性の低下は、画像ムラの原因となる。
このような課題に対して、コゲを除去するための検討が行われてきた。保護層の表層部分としての上部保護層を形成する材料に、電気化学反応により溶出するイリジウムなどの金属を使用したインクジェット記録装置が提案されている(特許文献1参照)。そして、この上部保護層を電極として電気化学反応を起こし、上部保護層を溶出させることによって、ヒータ部に堆積するコゲを除去することが開示されている。
特開2008−105364号公報
本発明者らの検討の結果、特許文献1の記載を参考にしてコゲを除去することにより、コゲに起因する吐出性の低下を一時的に抑制する効果があることは確認できた。しかし、その後に繰り返しインクを吐出すると、比較的早い段階で吐出性が低下し、画像に影響を及ぼすことがわかった。
したがって、本発明の目的は、電気化学反応による保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を抑制することができるインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって解決される。すなわち、本発明にかかるインクジェット記録方法は、吐出口に連通するインク流路内に配置されたヒータ、前記ヒータに対応する位置に配置され、前記ヒータ及び前記インク流路内のインクの接触を遮断する第1保護層、並びに、前記ヒータに対応し、かつ、インクと接触する位置に配置されるとともに、イリジウム、ルテニウム、並びに、イリジウム及びルテニウムの少なくともいずれかを含む材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属材料で形成される第2保護層、を有する記録ヘッド;前記第2保護層を一方の電極とするとともに、前記インクを介して導通する部位を他方の電極として電気化学反応を生じさせて、前記第2保護層の少なくとも一部を前記インクに溶出させる手段;を備えたインクジェット記録装置を使用し、インクを前記記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記インクが、顔料、前記顔料を分散するための樹脂分散剤、並びに、ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミン及びカルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物の少なくともいずれかであるキレート剤を含有する水性インクであることを特徴とする。
本発明によれば、電気化学反応による保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を抑制することができるインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。 記録素子基板のヒータ付近を模式的に示す平面図である。 記録素子基板を図2におけるX−Y線に沿って垂直に切断した状態で模式的に示す断面図である。 電位−pH図であり、(a)はイリジウム、(b)はルテニウム、(c)はタンタルを示す。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用のインクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
近年、写真印刷やグラフィックアート印刷など、インクジェット記録方法が利用される用途の多様化に伴い、より高精細であり、光沢性に優れた画像を記録することが求められる。このような用途に適用されるインクには多くの場合、顔料の分散方式として、樹脂分散剤により顔料を分散する方式、いわゆる樹脂分散顔料が利用される。顔料は本質的に疎水性の物質であるため、通常、樹脂分散剤としては、疎水性ユニットと親水性ユニットで構成される樹脂を用いる。そして、疎水性ユニットが顔料の粒子表面に物理的に吸着するとともに、親水性ユニットが水和することにより、疎水性である顔料を水性媒体中に分散させることができる。
熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出させるサーマル方式の場合、記録ヘッドは、複数の吐出口、吐出口に連通するインク流路、及びインクを吐出するための熱エネルギーを発生させるヒータを有する。ヒータとしての電気熱変換素子は、発熱抵抗体、及びこれに電力を供給するための電極を有する。ヒータが電気的絶縁性を有する保護層により被覆されることで、複数の吐出口のそれぞれに対応するヒータ間での絶縁性が担保される。
上述の通り、インクを繰り返し吐出することでコゲが付着した保護層について、特許文献1に記載された、電気化学反応による保護層の溶出を伴うコゲ除去工程を行った後、再びインクの吐出を繰り返すと、比較的早い段階で吐出性が低下することがわかった。すなわち、コゲ除去工程の前にインクを繰り返し吐出して生じたコゲにより吐出性が低下するまでの累積の吐出回数よりも、コゲ除去工程を行った後に吐出性が低下するまでの吐出回数のほうが少なかった。本発明者らの検討の結果、電気化学反応により保護層をインクに溶出させるコゲ除去工程を行った後の吐出性の低下は、樹脂により分散された顔料を含有するインクにおいて特有に生ずることが判明した。このようにして吐出性が低下した記録ヘッドを光学顕微鏡で観察したところ、コゲ除去工程を行ったにもかかわらず、再びコゲが生じており、このコゲにはインク中の顔料及び樹脂分散剤に由来する成分が含まれていることが確認された。
本発明者らは、このような現象が生ずる原因を解析した。以下、簡単のために保護層の形成材料としてイリジウムを使用した場合を例に挙げて記載するが、ルテニウムや合金を使用した場合も同様である。
電気化学反応によって保護層がインクに溶出する際、保護層を形成していたイリジウムは、イリジウムイオンに変化する。水性インクを構成する水性媒体中では、イリジウムイオンの存在状態はあまり安定ではないので、一旦溶出した後、すぐに酸化イリジウムに変化し、不溶化する。酸化イリジウムは不溶化した固体ではあるが、酸素原子がδに分極しているので、ある程度の親水性を持つ。一方、顔料の粒子表面は本質的には疎水性であるが、親水性を持つ部位も存在する。親水性を持つ部位は、顔料を分散するための樹脂(樹脂分散剤)の疎水性ユニットとの相互作用が弱いだけでなく、親水性の酸化イリジウムを引き寄せやすい。
樹脂分散顔料を含有するインク中において、樹脂分散剤としての樹脂は、顔料の粒子表面に対する吸着と顔料の粒子表面からの脱離とが平衡した状態にあり、これによって分散状態が安定に保たれている。つまり、顔料の粒子表面に対して、樹脂は吸着・脱離を繰り返している。このような状態のインクに、吐出のためのエネルギーが付与されると、顔料の粒子表面における親水性を持つ部位からは樹脂分散剤が脱離しやすくなるとともに、酸化イリジウムが代わりに吸着することにより、樹脂分散剤の吸着が妨げられやすくなる。そして、本来、樹脂分散剤が吸着することで分散状態が安定化されるはずの顔料の粒子表面に、樹脂分散剤が吸着できなくなると、表面エネルギー的に不安定な状況となる。この状態でインクに熱エネルギーが付与されると、分散状態が不安定になった顔料や、吸着する対象が存在しなくなった樹脂分散剤がコゲに変化して堆積しやすくなり、吐出性が低下したものと考えられる。
色材が自己分散顔料や染料である場合には、上記の吐出性の低下は生じないことも判明した。これは、自己分散顔料、及び染料は、樹脂分散顔料のような樹脂の吸着・脱離による分散状態の不安定化が生じないためだと考えられる。
本発明者らは、樹脂分散顔料の分散状態の不安定化を抑制すれば、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を抑制できると考え、インクの構成成分について様々な検討を行った。その結果、特定のキレート剤を含有させることで、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を抑制できることを見出した。具体的には、ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミン、及びカルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物からなる群より選ばれる少なくともいずれかのキレート剤を用いる。
このようなキレート剤により、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を抑制できる理由を、本発明者らは以下のように推測している。ここで、イリジウムイオンやルテニウムイオン(以下、「金属イオン」と記載することがある)は水性の液媒体中で6配位を中心とした錯体を形成しやすい性質を持つ。
先ず、ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミンは、アルキルアミンを構成する飽和の炭化水素鎖にヒドロキシ基が置換した化合物であり、そのヒドロキシ基は金属イオンと親和性を有するので錯体を形成しやすい。さらに、ヒドロキシ基が2個以上存在するので、金属イオンに配位可能な部位が複数あることになり、金属イオンへの親和性も大きい。したがって、前記アルカノールアミンは、電気化学反応によりインクに溶出した金属イオンを効率よくトラップし、安定な錯体を形成するので、金属酸化物が生成しづらくなり、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を抑制できる。
次に、カルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物は、炭化水素鎖に2乃至4個のカルボキシ基(カルボン酸基)が置換した化合物であり、インク中ではそのカルボキシ基はイオン解離した状態で存在しやすい。このイオン解離したカルボキシ基は、前記アルカノールアミンのヒドロキシ基と同様に金属イオンと親和性を有するので錯体を形成しやすい。したがって、カルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物は、電気化学反応によりインクに溶出した金属イオンを効率よくトラップし、安定な錯体を形成することができる。このため、金属酸化物が生成しづらくなり、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を抑制できる。
一方、モノエタノールアミンなどのヒドロキシ基を1つしか有しないアルカノールアミン、酢酸などのカルボキシ基を1つしか有しない1価カルボン酸化合物、及びカルボキシ基を5つ以上有する多価カルボン酸化合物では、安定な錯体を形成できない。したがって、吐出性の低下を抑制することはできない。
<インクジェット記録方法、インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法は、水性インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに熱エネルギーを付与する方式を利用する。
図1は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体500を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト400が設けられている。キャリッジシャフト400にはヘッドカートリッジ200が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ200は記録ヘッド100(100a及び100b)を具備しており、インクカートリッジ300がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ200がキャリッジシャフト400に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド100(100a及び100b)から記録媒体500に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体500が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体500に画像が記録される。
(記録ヘッド)
〔記録素子基板〕
図2は、記録素子基板のヒータ付近を模式的に示す平面図である。図3は、記録素子基板を図2におけるX−Y線に沿って垂直に切断した状態で模式的に示す断面図である。
記録ヘッド100の記録素子基板101の構成を説明する。記録素子基板101は、シリコン基体102、蓄熱層103、発熱抵抗体層104、電気配線層105で構成される。蓄熱層103は、シリコンの熱酸化膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜などの材料で形成される。電気配線層105は、アルミニウム、アルミニウム−シリコン、アルミニウム−銅などの金属材料で形成される配線である。ヒータ(電気熱変換素子)としての発熱部104aは、電気配線層105の一部を除去してギャップを形成し、その部分の発熱抵抗体層104を露出することで形成される。電気配線層105は駆動素子回路(不図示)又は外部電源端子(不図示)に接続されて、外部からの電力供給を受ける。図示した例では、発熱抵抗体層104に隣接する層として電気配線層105を配置している。但し、この構成に限られず、電気配線層105をシリコン基体102又は蓄熱層103に隣接する層として形成し、その一部をギャップとして部分的に除去し、発熱抵抗体層104を配置する構成としてもよい。
第1保護層106は、酸化シリコン、窒化シリコンなどの材料で形成され、電気配線層105を部分的に介在させながら、発熱部104a及び発熱抵抗体層104に隣接して設けられる。また、第1保護層106は、発熱部104aとインク流路内のインクとの接触を遮断する絶縁層として機能する。
第2保護層107はインク流路内のインクと接触する最表層である。発熱部104aのインク流路側に位置し、かつ、発熱部104aにより発生した熱をインクに作用させる第2保護層107の領域が、ヒータ108に当たる。第2保護層107は、発熱部104aの発熱に伴って生ずる化学的衝撃や物理的衝撃(キャビテーション)からヒータ108を保護するとともに、コゲ除去のために電気化学反応が生じた際にはその少なくとも一部が溶出する。これらの特性を両立させるために、イリジウム、ルテニウム、並びに、イリジウム及びルテニウムの少なくともいずれかを含む材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属材料で形成された第2保護層107を利用する。
電気化学反応による金属材料の溶出は「電位−pH図」により把握できる。図4は、(a)イリジウム、(b)ルテニウム、及び(c)タンタルの電位−pH図である。図4(a)にIrO 2−(aq)の領域が存在することから理解されるように、イリジウムを陽極として外部からプラスの電位を印加すると、イリジウムはイオン化して水性媒体に溶出する、つまり、インクへの溶解による腐食域が存在する。図4(b)より、ルテニウムについても、イリジウムと同様の特性を持つことが理解される。但し、ルテニウムの場合、水性インクの一般的なpH域(中性〜アルカリ性)において、印加される電圧が高すぎると、酸化物(固体)となる場合があるので、この点を考慮して電圧を調整すべきである。あるいは、ある程度高い電圧を利用する必要がある場合には、イリジウムを選択することが好ましい。一方、これまでにヒータの保護層として多用されているタンタルは、図4(c)から理解されるように、水性インクの一般的なpH域では電圧によらずに酸化物(固体)となる、つまり、インクへの溶解による腐食域は存在しない。したがって、タンタルを第2保護層107の形成材料としても、電気化学反応によるコゲ除去を行うことは困難である。
上記の理由から、電位−pH図において、水性インクの一般的なpH域に腐食域を有するとともに、加熱しても強固な酸化膜を形成しないため、所定の金属材料により第2保護層を形成する必要がある。すなわち、金属材料としては、イリジウム、ルテニウム、並びに、イリジウム及びルテニウムの少なくともいずれかを含む材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属材料を用いる。イリジウム及びルテニウムの少なくともいずれかを含む材料としては、これらと他の金属との合金などが挙げられる。合金の場合、イリジウムやルテニウムの割合が多いほど、酸化膜の形成による電気化学反応の阻害が生じにくい。好適には、合金ではなく、イリジウムやルテニウムを用いる。また、ヒータ108の発熱により第2保護層の表面はおよそ300〜600℃に加熱されるが、インク中よりも酸素が豊富な条件である大気中であっても、イリジウムは800℃まで酸化膜を形成しないため、イリジウムを用いることがより好ましい。
第2保護層107として用いる、イリジウム、ルテニウム、並びに、イリジウム及びルテニウムの少なくともいずれかを含む材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属材料は密着性が乏しい。このため、第1保護層106及び第2保護層107の間に密着層109を配置して、第2保護層107の、第1保護層106への密着性を向上させる。密着層109は導電性を有する材料で形成する。
第2保護層107は貫通孔110に挿通され、密着層109を介して電気配線層105に電気的に接続される。電気配線層105は記録素子基板101の端部にまで延在し、その先端が外部との電気的接続を行うための外部電極111となる。
上記の構成を有する記録素子基板101には、流路形成部材112が接合される。流路形成部材112は、ヒータ108に対応する位置に吐出口113を有するとともに、記録素子基板101を貫通して設けたインク供給口(不図示)からヒータ108を経て吐出口113に連通するインク流路を形成する。
〔電気化学反応〕
上記で説明した記録ヘッドにおいて、電気化学反応を生じさせる手法を説明する。第2保護層107は、発熱部104aに対応する位置に形成されるヒータ108を含む領域(ヒータ側領域)107a、及び、それ以外の領域(対向電極側領域)107bの2つの領域で構成され、それぞれの領域に電気的接続が施される。インク流路内にインクが存在しない場合、ヒータ側領域107a及び対向電極側領域107bの間での電気的な接続はなされない。但し、通常、インク中には電解質が存在する。したがって、インク流路内にインクが充填されると、ヒータ側領域107a、及びインクを介して導通する部位としての対向電極側部位107bはインクを介して導通する。この状態で、ヒータ側領域107aを一方の電極とするとともに、対向電極側領域107bを他方の電極として通電すると、第2保護層107及びインクの界面で電気化学反応が生ずる。第2保護層107を形成する材料として、特定の金属材料を用いているので、インクが存在する状態で通電すると、電気化学反応が生じ、第2保護層107の少なくとも一部が溶出する。このとき、図4(a)及び(b)から理解されるように、陽極側で金属が溶出するので、ヒータ108に付着したコゲを除去するためには、ヒータ側領域107aが陽極、対向電極側領域107bが陰極となるように電圧を印加すればよい。つまり、電源の正極及び負極を、ヒータ側領域107a及び対向電極側領域107bにそれぞれ接続して、電圧を印加する。
<水性インク>
本発明のインクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置で用いるインクは、顔料、顔料を分散するための樹脂分散剤、及び特定のキレート剤を含有するインクジェット用の水性インクである。以下、インクを構成する各成分やインクの物性について詳細に説明する。
(色材)
インクに含有させる色材は、顔料である。顔料の分散方式は、樹脂分散剤を用いた、いわゆる「樹脂分散顔料」である。樹脂分散剤としての樹脂は、顔料の粒子表面に物理的に吸着した状態で顔料を水性媒体中に分散させるものが好ましく、顔料の粒子表面に化学的に結合しているものである必要はない。インク中の顔料の含有量は、インク全質量を基準として、0.50質量%以上15.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以上10.00質量%以下であることがより好ましい。
顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドン、イソインドリノン、イミダゾロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジンなどの有機顔料が挙げられる。
樹脂分散剤としては、アニオン性基の作用によって顔料を水性媒体中に分散させる、アニオン性基を有する樹脂を用いることが好ましい。アニオン性基を有する樹脂は、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を抑制する効果に優れる。これは、アニオン性基が、イリジウムイオンやルテニウムイオンに作用して金属酸化物の生成反応を遅らせる作用を持つためと考えられる。樹脂分散剤としては、好適には、後述するような樹脂、さらに好適には水溶性樹脂を用いることができる。顔料の含有量(質量%)は、樹脂分散剤の含有量に対する質量比率で(顔料/樹脂分散剤)、0.3倍以上10.0倍以下であることが好ましい。
(樹脂)
インクには、樹脂を含有させることができる。インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.10質量%以上20.00質量%以下であることが好ましく、0.50質量%以上15.00質量%以下であることがさらに好ましい。
樹脂は、(i)顔料の分散状態を安定にする、すなわち上述の樹脂分散剤やその補助として、(ii)記録される画像の各種特性を向上させる、などの理由でインクに含有させることができる。樹脂の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。また、樹脂は、水性媒体に水溶性樹脂として溶解した状態であってもよく、水性媒体中に樹脂粒子として分散した状態であってもよい。樹脂粒子は色材を内包するものである必要はない。
本発明において樹脂が水溶性であることとは、その樹脂を酸価と等モル量のアルカリで中和した場合に、動的光散乱法により粒子径を測定しうる粒子を形成しないものであることとする。樹脂が水溶性であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当のアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)により中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の樹脂の粒子径を動的光散乱法により測定した場合に、粒子径を有する粒子が測定されない場合に、その樹脂は水溶性であると判断することができる。この際の測定条件は、例えば、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒、のように設定することができる。粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計(例えば、商品名「UPA−EX150」、日機装製)などを用いることができる。勿論、粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
樹脂の酸価は、水溶性樹脂の場合、100mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましく、樹脂粒子の場合、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。樹脂の重量平均分子量は、水溶性樹脂の場合3,000以上15,000以下であることが好ましく、樹脂粒子の場合1,000以上2,000,000以下であることが好ましい。樹脂粒子の動的光散乱法(測定条件は上記と同様)により測定される体積平均粒子径は、50nm以上500nm以下であることが好ましい。
樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂などが挙げられる。なかでも、アクリル系樹脂やウレタン樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有するものが好ましい。なかでも、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、芳香環を有するモノマー及び(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの少なくとも一方に由来する疎水性ユニットと、を有する樹脂が好ましい。特に、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、スチレン及びα−メチルスチレンの少なくとも一方のモノマーに由来する疎水性ユニットとを有する樹脂が好ましい。これらの樹脂は、顔料との相互作用が生じやすいため、顔料を分散させるための樹脂分散剤として好適に用いることができる。
親水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有するユニットである。親水性ユニットは、例えば、親水性基を有する親水性モノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有する親水性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸基を有する酸性モノマー、これらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマーなどが挙げられる。酸性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンが挙げられる。疎水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有しないユニットである。疎水性ユニットは、例えば、アニオン性基などの親水性基を有しない、疎水性モノマーを重合することで形成することができる。疎水性モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの芳香環を有するモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマーなどが挙げられる。
ウレタン系樹脂は、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られたものを用いることができる。また、鎖延長剤をさらに反応させたものであってもよい。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。
(キレート剤)
インクには、ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミン及びカルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物の少なくともいずれかであるキレート剤を含有させる。インク中のキレート剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.01質量%以上であることが好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、溶出させる保護層とのバランスの観点で、キレート剤が少なすぎるため、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を十分に抑制できない場合がある。インク中のキレート剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、2.00質量%以下であることが好ましく、1.00質量%以下であることがさらに好ましい。
キレート剤の好適な具体例は後述するが、本発明においては、ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミンを用いることが好ましい。酸化イリジウムや酸化ルテニウムが生成すると、インクのpHが若干低くなる。この際、キレート剤としてカルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物を用いると、pHの低下に伴いイオン解離した状態のカルボキシ基が少なくなり、金属イオンをトラップする効率がやや低下する場合がある。これに対して、ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミンは、金属イオンをトラップする作用がイオン解離に依存せず、pHの低下による影響を受けにくいためである。
〔ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミン〕
ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミンとしては、N(H)(R−OH)で表される化合物が挙げられる。式中、Rはアルキレン基を表し、xは0又は1であり、yは2又は3であり、x+yは3である。Rのアルキレン基の炭素数は1乃至5であることが好ましく、1乃至3であることがさらに好ましい。
ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミンとしては、例えば、ジエタノールアミンなどのジアルカノールアミン;トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどのトリアルカノールアミン、などが挙げられる。なかでも、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンなどのトリアルカノールアミンを用いることが好ましい。トリアルカノールアミンは、1分子中に3個のヒドロキシ基を有するため、金属イオンを特に効率よくトラップすることができる。なかでも特に、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミンが好ましい。これらの化合物は、炭化水素鎖(アルキレン基)の長さが適切であるため、イリジウムイオンやルテニウムイオンと安定な錯体を形成しやすく、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下をより効果的に抑制することができる。インク中のトリアルカノールアミンの含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.20質量%以上1.00質量%以下であることが好ましい。含有量が0.20質量%未満であると、溶出させる保護層とのバランスの観点で、キレート剤が少なすぎるため、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を十分に抑制できない場合がある。一方、含有量が1.00質量%超であると、トリアルカノールアミンの分子間に生ずる相互作用が強くなりやすく、イリジウムイオンやルテニウムイオンをトラップしづらくなり、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を十分に抑制できない場合がある。
〔カルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物〕
カルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、リンゴ酸、酒石酸、などのジカルボン酸化合物、及びその塩や水素塩;クエン酸、トリメリット酸などのトリカルボン酸化合物及びその塩や水素塩;エチレンジアミンテトラカルボン酸(EDTA)、ピロメリット酸などのテトラカルボン酸化合物及びその塩や水素塩、などが挙げられる。なかでも、クエン酸などのヒドロキシカルボン酸化合物(2〜4個のカルボン酸基を有するもの)や、2価又は3価のカルボン酸化合物が好ましい。塩を形成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属のカチオン;アンモニウムイオン;有機アンモニウムイオンが挙げられる。カルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物としては、分子量が50以上500以下のものを用いることが好ましい。なお、アスパラギン酸やグルタミン酸のような、陽イオンとなりうる窒素原子(例えば、アミノ基やイミノ基の窒素原子)を有する多価カルボン酸化合物は、分子内塩を形成するので、金属イオンをトラップする効率がやや低下する場合がある。
(水性媒体)
インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.00質量%以上95.00質量%以下であることが好ましい。また、インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.00質量%以上50.00質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。
(界面活性剤)
インクには、界面活性剤を含有させることが好ましい。界面活性剤としては、カチオン性、アニオン性、両性、ノニオン性などの各種のものがあるが、なかでも、吐出性の効果が得られやすいことから、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。ノニオン性界面活性剤は、不溶化した酸化イリジウムや酸化ルテニウムに配向して、その分散を安定化させる。これにより、酸化イリジウムや酸化ルテニウムの、顔料の粒子表面における親水性を持つ部位への作用が抑制されて、顔料の分散状態も安定に保たれるので、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下をより効果的に抑制することができる。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上1.00質量%以下であることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤のなかでも、特に、フッ素系のノニオン性界面活性剤は、不溶化した酸化イリジウムや酸化ルテニウムに配向する力が強く、これらの酸化物を安定化させる効果が高い。したがって、フッ素系のノニオン性界面活性剤を用いると、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を特に効果的に抑制することができる。インク中のフッ素系のノニオン性界面活性剤の含有量は(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上0.40質量%以下であることが好ましい。含有量が0.05質量%未満であると、溶出させる保護層とのバランスの観点で、フッ素系のノニオン性界面活性剤が少なすぎるため、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を十分に抑制できない場合がある。一方、含有量が0.40質量%超であると、フッ素系界面活性剤同士の相互作用が強くなって、不溶化した酸化イリジウムや酸化ルテニウムに配向する分子が少なくなるため、保護層の溶出後に生ずる吐出性の低下を十分に抑制できない場合がある。
(その他添加剤)
インクには、上記成分以外にも必要に応じて、消泡剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤など種々の添加剤を含有させてもよい。
(インクの物性)
上記で説明したインクは、インクジェット方式に適用する水性インクである。したがって、信頼性の観点から、その物性値を適切に制御することが好ましい。具体的には、25℃におけるインクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。また、25℃におけるインクの粘度は、1.0mPa・s以上10.0mPa・s以下であることが好ましい。25℃におけるインクのpHは、7.0以上9.5以下であることが好ましく、8.0以上9.5以下であることがさらに好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(顔料分散液1)
酸価150mgKOH/g、重量平均分子量8,000のスチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体(樹脂1)を用意した。樹脂1 20.0部を、その酸価と等モルの水酸化カリウムで中和するとともに、適量の純水を加え、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である樹脂1の水溶液を調製した。顔料(C.I.ピグメントレッド122)20.0部、樹脂1の水溶液50.0部、及びイオン交換水30.0部を混合して混合物を得た。得られた混合物について、ナノマイザー(吉田機械工業製)を使用し、150MPaの圧力で分散処理を50パス行った。その後、回転数5,000rpmで30分間遠心分離して粗大粒子を除去した。ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、顔料の含有量が20.0%、樹脂分散剤(樹脂1)の含有量が10.0%の顔料分散液1を調製した。
(顔料分散液2)
顔料をカーボンブラックに変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が20.0%、樹脂分散剤の含有量が10.0%の顔料分散液2を調製した。
(顔料分散液3)
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が20.0%、樹脂分散剤の含有量が10.0%の顔料分散液3を調製した。
(顔料分散液4)
顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が20.0%、樹脂分散剤の含有量が10.0%の顔料分散液4を調製した。
(顔料分散液5)
酸価150mgKOH/g、重量平均分子量8,000のベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体(樹脂2)を用意した。樹脂1を樹脂2に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が20.0%、樹脂分散剤の含有量が10.0%の顔料分散液5を調製した。
(顔料分散液6)
撹拌装置、窒素導入管、還流冷却装置、及び温度計を備えた四つ口フラスコに、エチレングリコールモノブチルエーテル100.0部を入れた。80.0部のスチレン、及び20.0部のポリエチレングリコール(20.0モル付加)アクリレートを混合し、モノマーの混合物を得た。上記のフラスコ内を窒素置換し、110℃に昇温した後、撹拌下で、モノマーの混合物、及び1.3部のt−ブチルパーオキサイド(重合開始剤)を3時間かけてフラスコ内に滴下した。その後、エージングを2時間行い、エチレングリコールモノブチルエーテルを減圧下で除去して、樹脂3を得た。樹脂3は、イオン性基を有しないランダム共重合体である。樹脂3 20.0部に適量の純水を加え、80℃で溶解させて、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である樹脂3の水溶液を得た。樹脂1の水溶液を、上記で調製した樹脂3の水溶液に変更したこと以外は、前述の顔料分散液1と同様の手順で、顔料の含有量が20.0%、樹脂分散剤の含有量が10.0%の顔料分散液6を調製した。
(顔料分散液7)
水5.5gに濃塩酸5.0gを溶かした溶液を5℃に冷却した状態とし、4−アミノフタル酸1.5gを加えた。この溶液の入った容器をアイスバスに入れ、撹拌して溶液の温度を10℃以下に保持しながら、5℃のイオン交換水9.0gに亜硝酸ナトリウム11.8gを溶かして得た溶液を加えた。15分間撹拌後、カーボンブラック6.0gを撹拌下で加え、さらに15分間撹拌してスラリーを得た。得られたスラリーをろ紙(商品名「標準用濾紙No.2」、アドバンテック製)でろ過し、粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させた。その後、イオン交換法によりナトリウムイオンをカリウムイオンに置換して、顔料の粒子表面に−C−(COOK)基が結合した自己分散顔料を得た。適量の純水を添加して顔料の含有量を調整し、顔料の含有量が20.0%である顔料分散液7を得た。
<界面活性剤>
インクの調製に用いた界面活性剤の特性を表1に示す。
<インクの調製>
表2及び3の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過して、各インクを調製した。プロキセルGXL(S)はロンザ製の防腐剤である。表2及び3の下段には、インク中の、キレート剤の含有量(キレート剤(%)と表記)、トリアルカノールアミンの含有量(トリアルカノールアミン(%)と表記)、フッ素系のノニオン性界面活性剤の含有量(特定の界面活性剤(%)と表記)を示した。
<記録ヘッドの作製>
図2に示す構成の記録ヘッドを作製した。第2保護層107の構成材料としては、記録ヘッド1:イリジウム、記録ヘッド2:ルテニウム、記録ヘッド3:タンタル、を用いた。記録ヘッドの作製に当たっては、特許文献1に記載された製法を参考にした。
<評価>
上記で得られたインク、及び記録ヘッドを表4に示す組み合わせで用い、図1に示す構成のインクジェット記録装置を利用して、以下の評価を行った。本実施例では、1/600インチ×1/600インチの単位領域に4ngのインクを8滴付与する条件で記録したベタ画像の記録デューティを100%であると定義する。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、「AAA」、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベル、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表4に示す。
(コゲ除去性)
記録ヘッドのインク流路にインクを充填した。これにより、陽極とする第2保護層のヒータ側領域107a、及び、陰極とする第2保護層の対向電極側領域107bを導通させた。この状態で、保護層にコゲを付着させるため、電圧20V、パルス幅1.5μ秒の駆動パルスを、周波数5kHzの条件で、5.0×10回、発熱部に印加してインクを吐出させた。その後、記録ヘッドを光学顕微鏡で観察し、実施例及び比較例のすべて、並びに参考例4〜6において、保護層にコゲが付着していることを確認した。一方、参考例1〜3はコゲが生じていなかった。
次に、保護層に付着したコゲを除去するため、陽極とする第2保護層107のヒータ側領域107aに接続している外部電極111側に+10VのDC電圧を30秒間印加した。その後、記録ヘッドを光学顕微鏡で観察し、保護層に付着したコゲの状態を確認し、以下示す評価基準にしたがってコゲ除去性を評価した。
A:保護層にコゲが付着していなかった
C:保護層にコゲが付着していた。
(保護層溶出後の吐出性)
上記の「コゲ除去性」の評価後の記録ヘッドを用いて、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド」、キヤノン製)に、記録デューティが100%である5cm×5cmのベタ画像を記録した。その結果、コゲ除去性がAランクであった場合はベタ画像にムラが生じていないことが確認されたが、コゲ除去性がCランクであった場合はベタ画像にムラが生じていた。
ベタ画像を記録した後の記録ヘッドを用いて、コゲ除去後に吐出を繰り返した状態を想定して、電圧20V、パルス幅1.5μ秒の駆動パルスを、周波数5kHzの条件で、2.5×10回、発熱部に印加してインクを吐出させた。引き続き、評価のために、記録デューティが100%である5cm×5cmのベタ画像を記録し、これを「ベタ画像1」とした。
さらに、上記と同じ条件で2.5×10回、の駆動パルスを発熱部に印加してインクを吐出させた後、記録デューティが100%である5cm×5cmのベタ画像を記録する、というサイクルを繰り返し、ベタ画像2、ベタ画像3、及びベタ画像4を得た。このようにして得られたベタ画像1〜4におけるムラの状態を目視で確認し、以下に示す評価基準にしたがって吐出性を評価した。
AAA:ベタ画像1〜4のいずれにおいてもムラが生じていなかった
AA:ベタ画像1〜3にはムラが生じていなかったが、ベタ画像4にはムラが生じていた
A:ベタ画像1及び2にはムラが生じていなかったが、ベタ画像3及び4にはムラが生じていた
B:ベタ画像1にはムラが生じていなかったが、ベタ画像2〜4にはムラが生じていた
C:ベタ画像1〜4のいずれにおいてもムラが生じていた。

Claims (10)

  1. 吐出口に連通するインク流路内に配置されたヒータ、
    前記ヒータに対応する位置に配置され、前記ヒータ及び前記インク流路内のインクの接触を遮断する第1保護層、並びに、
    前記ヒータに対応し、かつ、インクと接触する位置に配置されるとともに、イリジウム、ルテニウム、並びに、イリジウム及びルテニウムの少なくともいずれかを含む材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属材料で形成される第2保護層、を有する記録ヘッド;
    前記第2保護層を一方の電極とするとともに、前記インクを介して導通する部位を他方の電極として電気化学反応を生じさせて、前記第2保護層の少なくとも一部を前記インクに溶出させる手段;
    を備えたインクジェット記録装置を使用し、インクを前記記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、顔料、前記顔料を分散するための樹脂分散剤、並びに、ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミン及びカルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物の少なくともいずれかであるキレート剤を含有する水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記インク中の、前記キレート剤の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.01質量%以上である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記キレート剤が、ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミンを含む請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミンが、トリアルカノールアミンを含む請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インク中の、前記トリアルカノールアミンの含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、0.20質量%以上1.00質量%以下である請求項4に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記樹脂分散剤が、アニオン性基を有する樹脂である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記インクが、ノニオン性界面活性剤を含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記ノニオン性界面活性剤が、フッ素系のノニオン性界面活性剤を含む請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記インク中の、前記フッ素系のノニオン性界面活性剤(質量%)が、インク全質量を基準として、0.05質量%以上0.40質量%以下である請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 吐出口に連通するインク流路内に配置されたヒータ、
    前記ヒータに対応する位置に配置され、前記ヒータ及び前記インク流路内のインクの接触を遮断する絶縁性の第1保護層、並びに、
    前記ヒータに対応し、かつ、インクと接触する位置に配置されるとともに、イリジウム、ルテニウム、並びに、イリジウム及びルテニウムの少なくともいずれかを含む材料からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属材料で形成される第2保護層、を有する記録ヘッド;
    を備えたインクジェット記録装置であって、
    前記インクが、顔料、前記顔料を分散するための樹脂分散剤、並びに、ヒドロキシ基を2個以上有するアルカノールアミン及びカルボキシ基を2個以上4個以下有する多価カルボン酸化合物の少なくともいずれかであるキレート剤を含有する水性インクであり、
    前記第2保護層を一方の電極とするとともに、前記インクを介して導通する部位を他方の電極として電気化学反応を生じさせて、前記第2保護層の少なくとも一部を前記インクに溶出させる手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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