JP2000307120A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2000307120A
JP2000307120A JP11115699A JP11569999A JP2000307120A JP 2000307120 A JP2000307120 A JP 2000307120A JP 11115699 A JP11115699 A JP 11115699A JP 11569999 A JP11569999 A JP 11569999A JP 2000307120 A JP2000307120 A JP 2000307120A
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JP
Japan
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region
type
well region
semiconductor layer
drain
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Withdrawn
Application number
JP11115699A
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English (en)
Inventor
Masahiko Suzumura
正彦 鈴村
Yuji Suzuki
裕二 鈴木
Yoshiki Hayazaki
嘉城 早崎
Yoshifumi Shirai
良史 白井
Takashi Kishida
貴司 岸田
仁路 ▲高▼野
Masamichi Takano
Takeshi Yoshida
岳司 吉田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オン抵抗を増大させることなく破壊耐量の向上
が可能な半導体装置を提供する。 【解決手段】絶縁層11上のn形半導体層1内には、p
形ウェル領域4と、n +形ドレイン領域2とが離間して
形成され、n+形ソース領域3がp形ウェル領域4内に
形成されている。p形ウェル領域4は、n形半導体層1
の表面から絶縁層11に達する深さまで形成されてい
る。n+形ソース領域3とp形ウェル領域4におけるp
形ベースコンタクト領域9とに跨る形でソース電極8が
形成されている。p形ウェル領域4内においてチャネル
が形成される領域の直下の領域からp +形ベースコンタ
クト領域9に亙って高不純物濃度のp+形領域14を設
けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置に関
し、特にSOI構造を利用した半導体装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、高周波信号をオン・オフするスイ
ッチ要素として半導体スイッチのニーズが高まってい
る。このような半導体スイッチとしては、アナログスイ
ッチや半導体リレーなどが知られている。半導体リレー
は、発光ダイオードのような発光素子と、フォトダイオ
ードのような受光素子と、受光素子の出力によりオンオ
フされる半導体スイッチ素子(出力接点用の半導体スイ
ッチ素子)とをパッケージに内蔵したものである。高周
波の信号のオン・オフに用いる半導体スイッチでは、オ
ン時における抵抗が小さく且つ電流−電圧特性が線形
(つまりオフセットがない)であり、オフ時における出
力容量が小さく高周波遮断特性が良いことが要求され
る。また、この類の半導体スイッチにおいてはある程度
の高耐圧が要求され、オン・オフの切り換えの瞬間に生
じるスパイク電圧などに対する耐量も必要である。
【0003】ところで、半導体リレーの出力接点用に用
いられる半導体スイッチ素子としては、本願発明者らが
提案しているSOI構造を利用した横型二重拡散型MO
SFET(Lateral Double Diffused MOSFET:以
下、SOI−LDMOSと称す)がある。
【0004】SOI−LDMOSは、図3および図4に
示すように、単結晶シリコン基板よりなる半導体支持基
板10の一主面上にシリコン酸化膜よりなる絶縁層11
を介してn形シリコン層よりなるn形半導体層1が形成
されたSOI構造を有している。
【0005】なお、SOI構造を有する基板(いわゆる
SOIウェハ)の形成方法としては、単結晶シリコン中
に酸素イオンを注入して内部に絶縁層を形成するSIM
OX(Separation Implanted Oxygen)法、2枚の単
結晶シリコン基板の一方若しくは両方に熱酸化膜を形成
しそれらを貼り合わせる貼り合わせSOI法、半導体基
板上に形成した絶縁層上に単結晶シリコンを成長させる
SOI成長法、陽極酸化によってシリコンを部分的に多
孔質化し酸化することによって形成する方法などが知ら
れている。SOI成長法での単結晶シリコンは、気相、
液相、固相のいずれかで成長させる。
【0006】このSOI−LDMOSでは、n形シリコ
ン層よりなるn形半導体層1内に、p形ウェル領域4
と、n+形ドレイン領域2とが離間して形成され、n+
ソース領域3がp形ウェル領域4内に形成されている。
ここに、p形ウェル領域4は、n形半導体層1の表面か
ら絶縁層11に達する深さまで形成され、且つ、所定の
耐圧を保持できるようにn+形ドレイン領域2から所定
距離(ドリフト距離)だけ離間して形成されている。な
お、p形ウェル領域4の平面形状はn+形ドレイン領域
2を全周に亙って囲むドーナツ状に形成されている(図
3(b)参照)。
【0007】p形ウェル領域4の主表面側においてn形
半導体層1とn+形ソース領域3とで挟まれた領域上は
ゲート絶縁膜5を介してポリシリコンなどからなる絶縁
ゲート型のゲート電極6が形成されている。また、p形
ウェル領域4とn+形ソース領域3とに跨る形でソース
電極8が形成されている。ここに、ソース電極8は、p
形ウェル領域4内に設けられたp+形ベースコンタクト
領域9により接続されている。さらに、n+形ドレイン
領域2上にはドレイン電極7が形成されている。この構
成では、ゲート電極6への印加電圧を制御すればドレイ
ン電極7・ソース電極8間に流れる電流のオン・オフを
制御することができる。
【0008】以下、上記SOI−LDMOSの動作につ
いて説明する。
【0009】上述したSOI−LDMOSでは、ゲート
電極6とソース電極8との間にゲート電極6が高電位に
なるように電圧を印加することによって、p形ウェル領
域4におけるゲート絶縁膜5直下にチャネルが形成さ
れ、チャネルを通してn+形ドレイン領域2とn+形ソー
ス領域3との間に電流が流れオン状態となる。このとき
は、電流通路にpn接合が介在しないので、電流−電圧
特性は微小電流領域で線形になる(つまりオフセットが
ない)。
【0010】これに対し、SOI−LDMOSがオフの
状態において、図5に示すようにドレイン電極7とソー
ス電極8との間に、ドレイン電極7が高電位となるドレ
イン電圧VDが印加されている場合、p形ウェル領域4
とn形半導体層1との接合に空乏層が形成される。そし
て、ドレイン電圧VDが耐圧を越えると、電界が最も大
きくなるp形ウェル領域4とn形半導体層1との接合近
傍で、なだれ増倍的に電子・正孔対が生成される(ブレ
ークダウンが起こる)。このようなpn接合の降伏時に
生成されるキャリアはポテンシャルの勾配に従って移動
する。すなわち、正孔hはp形ウェル領域4を通ってソ
ース電極8へ移動し、電子eはn形半導体層1、n+
ドレイン領域2を通ってドレイン電極7へ移動する。こ
こにおいて、上述の正孔hはp形ウェル領域4における
+形ソース領域3直下を通過してソース電極8へ移動
する。
【0011】ところで、SOI−LDMOSにおいて出
力容量を小さくするにはn形半導体層1(SOI層)の
厚さを薄くすればよいが、n形半導体層1の厚みが薄く
なると、n+形ソース領域3と絶縁層11との間の距離
が小さくなるので、n+形ソース領域3と絶縁層11と
の間におけるp形ウェル領域4の断面積が小さくなっ
て、p形ウェル領域4の抵抗R(図5参照)の抵抗値が
大きくなり、結果として降伏時においてp形ウェル領域
4の抵抗Rでの電圧降下が大きくなる。
【0012】一方、上述のSOI−LDMOSでは、n
形半導体層1、p形ウェル領域4、n+形ソース領域3
をそれぞれコレクタ、ベース、エミッタとするnpn寄
生バイポーラトランジスタTrが形成されているので、
上述の抵抗Rでの電圧降下が増大することによって、n
pn寄生バイポーラトランジスタTrのベース・エミッ
タ間が順バイアスされ、やがてこのnpn寄生バイポー
ラトランジスタTrがオンする。このようなnpn寄生
バイポーラトランジスタTrが動作される現象(バイポ
ーラアクション、寄生バイポーラ効果などと呼ばれてい
る)はSOI−LDMOSのチップ面内において一部の
領域で発生するので、当該一部領域の温度が上昇し(い
わゆるホットスポットが生じ)、電子・正孔対の生成が
加速されて流れる電流が大きくなり、さらにこの一部領
域の温度が上昇するという正帰還がかかるようになり、
ついには電流の集中によって故障を誘発する。
【0013】そこで、上述のバイポーラアクションの発
生を防止して故障の誘発を防止する(つまり、破壊耐量
を向上させる)目的で、図6ないし図8に示すように、
+形ソース領域3を平面形状の周方向において一定間
隔で分断し且つp形ウェル領域4のうちソース電極8に
接続された部分とゲート電極6直下の部分とを接続する
p形半導体領域よりなるボディコンタクト領域12を形
成して抵抗を小さくしたものが提案されている。このボ
ディコンタクト領域12を備えたSOI−LDMOSで
は、降伏時に生成される電子・正孔対の正孔hをボディ
コンタクト領域12を通してソース電極8に引き抜くこ
とができるので、バイポーラアクションが発生しにく
く、アバランシェ耐量やESD耐量などの破壊耐量が向
上する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ボディコンタクト領域12を備えたSOI−LDMOS
では、n+形ソース領域3がボディコンタクト領域12
により分断されているので、実効的なチャネル幅が減少
し、オン抵抗が増大するという不具合があった。
【0015】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、オン抵抗を増大させることなく破壊
耐量の向上が可能な半導体装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、半導体支持基板上に絶縁層を介
して形成された第1導電形の半導体層と、前記半導体層
の主表面側に形成された高濃度第1導電形のドレイン領
域と、ドレイン領域と離間して且つ前記半導体層の主表
面から絶縁層まで形成された第2導電形のウェル領域
と、ウェル領域内の主表面側に形成された高濃度第1導
電形のソース領域と、ドレイン領域とソース領域との間
のウェル領域の表面上にゲート絶縁膜を介して配置され
たゲート電極と、ドレイン領域に接続されたドレイン電
極と、ソース領域とウェル領域とに跨って接続されたソ
ース電極とを備え、ウェル領域と前記半導体層とのpn
接合部近傍に、pn接合の降伏時に生成されるキャリア
のライフタイムを短くする再結合部が設けられてなるこ
とを特徴とするものであり、再結合部が設けられている
ことにより、ドレイン・ソース間に耐圧以上の電圧が印
加されることによるウェル領域と前記半導体層とのpn
接合の降伏時に生成されるキャリアのライフタイムが短
くなるので、前記半導体層、ウェル領域、ソース領域で
形成される寄生バイポーラトランジスタがオンするのを
防止することができて破壊耐量を向上させることがで
き、且つ、従来のようなボディコンタクト領域を設ける
必要がなくてチャネル幅が小さくなることもないから、
オン抵抗を増大させることなしに破壊耐量を向上させる
ことができる。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、再結合部は、ウェル領域内において該ウェル領域の
他の部位よりも不純物濃度の高い領域からなるので、p
n接合の降伏時におけるウェル領域での電圧降下を小さ
くすることができ、寄生バイポーラトランジスタがオン
するのをより確実に防止することができる。
【0018】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、再結合部は、水素イオンまたは不活性イオンよりな
る再結合中心を有するので、再結合部では電子と正孔と
両方に対して同程度の捕獲確率を持つ準位である再結合
中心を介して再結合が起こりキャリアのライフタイムが
短くなる。
【0019】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、再結合部は、ウェル領域内に設けられているので、
ウェル領域と前記半導体層とのpn接合の降伏時に接合
近傍で生成されウェル領域を経路としてソース電極へ移
動するキャリアを直ちに消滅させることができる。
【0020】請求項5の発明は、請求項3の発明におい
て、再結合部は、ウェル領域と前記半導体層とに跨って
設けられているので、ウェル領域と前記半導体層とのp
n接合の降伏時に接合近傍で生成される電子および正孔
を直ちに消滅させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態では、
図1に示す構成のSOI−LDMOSを例示する。図3
および図4に示した従来例と同様に、本実施形態におい
ても、単結晶シリコン基板よりなる半導体支持基板10
上に絶縁層11を介してn形シリコン層よりなるn形半
導体層1が形成されている。n形半導体層1内には、p
形ウェル領域4と、n +形ドレイン領域2とが離間して
形成され、n+形ソース領域3がp形ウェル領域4内に
形成されている。ここに、p形ウェル領域4は、n形半
導体層1の表面から絶縁層11に達する深さまで形成さ
れ、且つ、所定の耐圧を保持できるようにn+形ドレイ
ン領域2から所定距離(ドリフト距離)だけ離間して形
成されている。なお、p形ウェル領域4、n+形ソース
領域3それぞれの平面形状はn+形ドレイン領域2を全
周に亙って囲むドーナツ状に形成されている。
【0022】p形ウェル領域4の主表面側においてn形
半導体層1とn+形ソース領域3とで挟まれた領域上に
はゲート絶縁膜5を介してポリシリコンなどからなる絶
縁ゲート型のゲート電極6が形成され、p形ウェル領域
4の主表面側においてn+形ソース領域3に隣接し且つ
+形ドレイン領域2から遠い側にp+形ベースコンタク
ト領域9が形成されている。
【0023】また、n+形ソース領域3とp形ウェル領
域4におけるp+形ベースコンタクト領域9とに跨る形
でソース電極8が形成されている。さらに、n+形ドレ
イン領域2上にはドレイン電極7が形成されている。こ
の構成では、図3および図4の従来例と同様に、ゲート
電極6への印加電圧を制御すればドレイン電極7・ソー
ス電極8間に流れる電流のオン・オフを制御することが
できる。
【0024】ところで、本実施形態のSOI−LDMO
Sは、p形ウェル領域4内においてチャネル(n形チャ
ネル)が形成される領域の直下の領域からp+形ベース
コンタクト領域9に亙って高不純物濃度のp+形領域1
4を設けた点に特徴がある。このp+形領域14は、p
形ウェル領域4において、絶縁層11との界面側でp形
ウェル領域とn形半導体層1との接合部からn+形ソー
ス領域3と絶縁層11との間を通ってp+形ベースコン
タクト領域9に亙って形成されている。ここに、p+
ベースコンタクト領域9、p+形領域14それぞれの平
面形状は、p形ウェル領域4およびn+形ソース領域3
と同様にn+形ドレイン領域2を全周に亙って囲むドー
ナツ状に形成されている。なお、本実施形態では、図6
ないし図8に示した従来構成のようなボディコンタクト
領域12は設けておらず、p+形領域14が、pn接合
の降伏時に生成されるキャリアのライフタイムを短くす
る再結合部を構成している。
【0025】以下、本実施形態のSOI−LDMOSの
動作について説明する。
【0026】本実施形態のSOI−LDMOSは図3お
よび図4の従来構成と同様に、ゲート電極6とソース電
極8との間にゲート電極6が高電位になるように電圧を
印加することによって、p形ウェル領域4におけるゲー
ト絶縁膜5直下にチャネルが形成され、チャネルを通し
てn+形ドレイン領域2とn+形ソース領域3との間に電
流が流れオン状態となる。このときは、電流通路にpn
接合が介在しないので、電流−電圧特性は微小電流領域
で線形になる(つまりオフセットがない)。
【0027】これに対し、SOI−LDMOSがオフの
状態において、ドレイン電極7とソース電極8との間
に、ドレイン電極8が高電位となるドレイン電圧V
D(図5参照)が印加されている場合、p形ウェル領域
4とn形半導体層1との接合に空乏層が形成される。そ
して、ドレイン電圧VDが耐圧を越えると、電界が最も
大きくなるp形ウェル領域4とn形半導体層1との接合
近傍で、なだれ増倍的に電子・正孔対が生成される(ブ
レークダウンが起こる)。このようなpn接合の降伏時
に生成されるキャリアはポテンシャルの勾配に従って移
動しようとする。すなわち、正孔h(図5参照)はp形
ウェル領域4を通ってソース電極8へ移動し、電子e
(図5参照)はn形半導体層1、n+形ドレイン領域2
を通ってドレイン電極7へ移動する。ここにおいて、上
述の正孔hはp形ウェル領域4におけるn +形ソース領
域3直下を通過してソース電極8へ移動する。
【0028】以上説明した動作は図3および図4に示し
た従来例と同様であるが、本実施形態では、p形ウェル
領域4内にp+形領域14が設けられているので、pn
接合の降伏時に生成された正孔hがp+形領域14を通
してソース電極8へ移動することになり、このp+形領
域14で正孔が再結合して消滅しやすくなり、しかも、
p形ウェル領域4での電圧降下を小さくすることができ
る。しかして、本実施形態では、n形半導体層1、p形
ウェル領域4、n+形ソース領域3をそれぞれコレク
タ、ベース、エミッタとするnpn寄生バイポーラトラ
ンジスタがオンするのを防止することができるので、従
来例で説明した正帰還による電流の集中、熱破壊という
故障が発生し難く、破壊耐量を向上することができる。
しかも、本実施形態のSOI−LDMOSでは、図6な
いし図8に示した従来例で設けていたボディコンタクト
領域12が不要なので、実効的なチャネル幅が減少する
こともなく、当然、オン抵抗が増大することもない。要
するに、本実施形態では、図3および図4の従来例と比
較して、オン抵抗を増大させることなしに破壊耐量を向
上させることができるのである。
【0029】(実施形態2)本実施形態では図2に示す
構成のSOI−LDMOSを例示する。
【0030】本実施形態のSOI−LDMOSの基本構
成は図3および図4に示した従来構成と略同じでなので
同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0031】本実施形態のSOI−LDMOSは、p形
ウェル領域4において、p形ウェル領域4とn形半導体
層1とのpn接合近傍からp+形ベースコンタクト領域
9にわたる領域A1と、p形ウェル領域4とn形半導体
層1とに跨った領域A2とにそれぞれ再結合中心を有す
る点に特徴がある。ここに、本実施形態では、上述の領
域A1、A2がそれぞれ、pn接合の降伏時に生成され
るキャリアのライフタイムを短くする再結合部を構成し
ている。
【0032】再結合中心としては、水素イオン(水素だ
けを含む軽イオン)、ヘリウムイオンやアルゴンイオン
などの不活性イオンを採用することができる。これらの
イオンは、図3および図4の構成のSOI−LDMOS
を作成した後に、ウェハの状態で当該イオンのイオン照
射を行うことにより所望の領域A1,A2に設けること
ができる。なお、本実施形態では、上述の領域A1と領
域A2とにそれぞれ再結合中心を設けてあるが、いずれ
か一方のみに設けてもよい。
【0033】しかして、本実施形態のSOI−LDMO
Sでは、ドレイン電極7・ソース電極8間に耐圧以上の
電圧が印加された場合に、p形ウェル領域4とn形半導
体層1とのpn接合の降伏時に生成されたキャリアを再
結合部にて消滅させることができる。つまり、領域A1
と領域A2とに再結合中心を有することにより、ソース
電極8に到達する正孔h(図5参照)を少なくすること
ができ、領域A2に再結合中心を有することにより、ド
レイン電極7へ到達する電子e(図5参照)を少なくす
ることができる。ここに、再結合部は、水素イオンまた
は不活性イオンよりなる再結合中心を有するので、再結
合部では電子eと正孔hとの両方に対して同程度の捕獲
確率を持つ準位である再結合中心を介して再結合が起こ
りキャリアのライフタイムが短くなるのである。なお、
本実施形態では、上述の領域A1と領域A2とにそれぞ
れ再結合中心を設けてあるが、いずれか一方のみに設け
てもよい。
【0034】要するに、本実施形態のSOI−LDMO
Sでは、pn接合の降伏時に生成された正孔hが領域A
2、A1で再結合して消滅しやすくなるので、p形ウェ
ル領域4での電圧降下を小さくすることができる。した
がって、n形半導体層1、p形ウェル領域4、n+形ソ
ース領域3をそれぞれコレクタ、ベース、エミッタとす
るnpn寄生バイポーラトランジスタがオンするのを防
止することができるので、従来例で説明した正帰還によ
る電流の集中、熱破壊という故障が発生し難く、破壊耐
量を向上することができる。しかも、本実施形態のSO
I−LDMOSでは、図6ないし図8に示した従来例で
設けていたボディコンタクト領域12が不要なので、実
効的なチャネル幅が減少することもなく、当然、オン抵
抗が増大することもない。つまり、本実施形態では、図
3および図4の従来例と比較して、オン抵抗を増大させ
ることなしに破壊耐量を向上させることができるのであ
る。
【0035】ところで、上記各実施形態では、第1導電
形をn形、第2導電形をp形としたnチャネルのSOI
−LDMOSについて説明したが、第1導電形をp形、
第2導電形をn形としたpチャネルのSOI−LDMO
Sであってもよいことは勿論である。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明は、半導体支持基板上に
絶縁層を介して形成された第1導電形の半導体層と、前
記半導体層の主表面側に形成された高濃度第1導電形の
ドレイン領域と、ドレイン領域と離間して且つ前記半導
体層の主表面から絶縁層まで形成された第2導電形のウ
ェル領域と、ウェル領域内の主表面側に形成された高濃
度第1導電形のソース領域と、ドレイン領域とソース領
域との間のウェル領域の表面上にゲート絶縁膜を介して
配置されたゲート電極と、ドレイン領域に接続されたド
レイン電極と、ソース領域とウェル領域とに跨って接続
されたソース電極とを備え、ウェル領域と前記半導体層
とのpn接合部近傍に、pn接合の降伏時に生成される
キャリアのライフタイムを短くする再結合部が設けられ
ているので、再結合部が設けられていることにより、ド
レイン・ソース間に耐圧以上の電圧が印加されることに
よるウェル領域と前記半導体層とのpn接合の降伏時に
生成されるキャリアのライフタイムが短くなるから、前
記半導体層、ウェル領域、ソース領域で形成される寄生
バイポーラトランジスタがオンするのを防止することが
できて破壊耐量を向上させることができ、且つ、従来の
ようなボディコンタクト領域を設ける必要がなくてチャ
ネル幅が小さくなることもないから、オン抵抗を増大さ
せることなしに破壊耐量を向上させることができるとい
う効果がある。
【0037】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、再結合部は、ウェル領域内において該ウェル領域の
他の部位よりも不純物濃度の高い領域からなるので、p
n接合の降伏時におけるウェル領域での電圧降下を小さ
くすることができ、寄生バイポーラトランジスタがオン
するのをより確実に防止することができるという効果が
ある。
【0038】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、再結合部は、水素イオンまたは不活性イオンよりな
る再結合中心を有するので、再結合部では電子と正孔と
両方に対して同程度の捕獲確率を持つ準位である再結合
中心を介して再結合が起こりキャリアのライフタイムが
短くなるという効果がある。
【0039】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、再結合部は、ウェル領域内に設けられているので、
ウェル領域と前記半導体層とのpn接合の降伏時に接合
近傍で生成されウェル領域を経路としてソース電極へ移
動するキャリアを直ちに消滅させることができるという
効果がある。
【0040】請求項5の発明は、請求項3の発明におい
て、再結合部は、ウェル領域と前記半導体層とに跨って
設けられているので、ウェル領域と前記半導体層とのp
n接合の降伏時に接合近傍で生成される電子および正孔
を直ちに消滅させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す要部概略断面図である。
【図2】実施形態2を示す要部概略断面図である。
【図3】従来例を示し、(a)は概略断面図、(b)は
SOI層の概略平面図である。
【図4】同上の要部概略断面図である。
【図5】同上の動作説明図である。
【図6】他の従来例を示す一部破断した概略平面図であ
る。
【図7】図6のX−X’断面図である。
【図8】図6のY−Y’断面図である。
【符号の説明】
1 n形半導体層 2 n+形ドレイン領域 3 n+形ソース領域 4 p形ウェル領域 5 ゲート絶縁膜 6 ゲート電極 7 ドレイン電極 8 ソース電極 9 p+形ベースコンタクト領域 10 半導体支持基板 11 絶縁層 14 p+形領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早崎 嘉城 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 白井 良史 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 岸田 貴司 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 ▲高▼野 仁路 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 吉田 岳司 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 5F110 AA13 BB12 CC02 DD05 DD13 EE09 GG02 GG12 GG22 GG33 GG60 HM02 HM12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体支持基板上に絶縁層を介して形成
    された第1導電形の半導体層と、前記半導体層の主表面
    側に形成された高濃度第1導電形のドレイン領域と、ド
    レイン領域と離間して且つ前記半導体層の主表面から絶
    縁層まで形成された第2導電形のウェル領域と、ウェル
    領域内の主表面側に形成された高濃度第1導電形のソー
    ス領域と、ドレイン領域とソース領域との間のウェル領
    域の表面上にゲート絶縁膜を介して配置されたゲート電
    極と、ドレイン領域に接続されたドレイン電極と、ソー
    ス領域とウェル領域とに跨って接続されたソース電極と
    を備え、ウェル領域と前記半導体層とのpn接合部近傍
    に、pn接合の降伏時に生成されるキャリアのライフタ
    イムを短くする再結合部が設けられてなることを特徴と
    する半導体装置。
  2. 【請求項2】 再結合部は、ウェル領域内において該ウ
    ェル領域の他の部位よりも不純物濃度の高い領域からな
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 再結合部は、水素イオンまたは不活性イ
    オンよりなる再結合中心を有することを特徴とする請求
    項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 再結合部は、ウェル領域内に設けられて
    なることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 再結合部は、ウェル領域と前記半導体層
    とに跨って設けられてなることを特徴とする請求項3記
    載の半導体装置。
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