JP2000304987A - 光ファイバ及びその製造方法 - Google Patents

光ファイバ及びその製造方法

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JP2000304987A JP11113851A JP11385199A JP2000304987A JP 2000304987 A JP2000304987 A JP 2000304987A JP 11113851 A JP11113851 A JP 11113851A JP 11385199 A JP11385199 A JP 11385199A JP 2000304987 A JP2000304987 A JP 2000304987A
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acrylate
meth
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敏夫 大庭
Hisashi Aoki
寿 青木
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 光ファイバガラスに被覆材を被覆し、こ
の被覆材を電子線照射することによって硬化させた硬化
被覆層を有する光ファイバにおいて、被覆材を電子線照
射により硬化した際の伝送損失が、電子線照射前の伝送
損失に対し1.00〜1.10倍であることを特徴とす
る光ファイバ。 【効果】 本発明の電子線硬化被覆層を有する光ファイ
バは、伝送損失の増加が少ないものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信に用いられ
る被覆材が被覆された光ファイバ及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光通信
ファイバとしては、石英ガラス系、多成分ガラス系、プ
ラスチック系等の種々のものがあるが、現実にはその軽
量性、低損失性、高耐久性、更には伝送容量が大きいこ
とから石英ガラス系のものが広範囲の分野で大量に使用
されている。しかし、この石英ガラス系のものは、極め
て細く、外的要因で変化も起こることから、石英ガラス
系の光通信ファイバは、溶融紡糸された石英ガラスファ
イバ上に予め硬化物の軟らかい液状の硬化性樹脂でコー
ティング、硬化し、一次被覆した後、この一次被覆層を
保護するために、更に硬化物の硬い液状の硬化性樹脂で
二次被覆が施されている。このものは光ファイバ芯線と
呼ばれているが、更に、この芯線を数本(通常は4本)
束ね、テープ化材を塗布硬化することにより、テープ芯
線が製造されている。
【0003】これらのコーティング材(被覆材)として
は、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化性樹脂組成物
が提案されており、特公平1−19694号、特許第2
522663号、第2547021号公報に記載されて
いるように、ウレタンアクリレートオリゴマーと、反応
性モノマーと、重合開始剤からなる紫外線液状硬化性組
成物が知られている。しかし、近年、生産性向上のため
光ファイバ線引き速度が高速化しており、紫外線硬化で
は、照射するUVランプの数を増やす以外に解決策がな
く、限られたスペースでの硬化には限界があった。ま
た、特許第2541997号公報には活性エネルギー線
としてUVやEB照射が記載されているが、加速電圧に
ついては記載されておらず、従来公知の高電圧で加速さ
れたEBを光ファイバに照射すると、屈折率を高めるた
めに添加されたファイバコア中のGeを変質(黒色化)
させ、伝送損失が大きくなるという問題があった。
【0004】また、電子線は、一般にフィラメントに電
流を流すことにより、加熱されて放出した熱電子を電圧
(加速電圧)によって加速し電子流とするが、この時の
加速電圧は光ファイバに照射した場合の電子透過深さに
影響し、加速電圧が低すぎると被覆した樹脂表面しか硬
化しないという問題があった。
【0005】本発明は上記事情を改善するためになされ
たもので、電子線照射により硬化させた被覆層を有する
光ファイバであって、硬化後の伝送損失の増加が少な
く、しかも被覆層の硬化が十分に行われた光ファイバ及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、電子線硬化可能な光ファイバ用被覆材に対し、1
50kV以下、望ましくは30〜100kVの加速電圧
で加速した電子線を照射することにより、上記被覆材は
十分に硬化する一方、光ファイバの伝送損失の増加が1
0%以下に抑制可能であることを見出し、本発明をなす
に至ったものである。
【0007】即ち、本発明は、(1)光ファイバガラス
に被覆材を被覆し、この被覆材を電子線照射することに
よって硬化させた硬化被覆層を有する光ファイバにおい
て、被覆材を電子線照射により硬化した際の伝送損失
が、電子線照射前の伝送損失に対し1.00〜1.10
倍であることを特徴とする光ファイバ、(2)電子線硬
化可能な被覆材を光ファイバガラスに塗布し、次いで加
速電圧150kV以下で加速した電子線を照射して上記
被覆材を硬化させることを特徴とする光ファイバの製造
方法、(3)電子線硬化可能な一次被覆材を光ファイバ
ガラスに塗布し、次いで加速電圧150kV以下で加速
した電子線を照射して上記一次被覆材を硬化させた後、
これをヤング率が上記一次被覆材の2倍以上の二次被覆
材を被覆し、これを加速電圧150kV以下で加速した
電子線を照射して上記二次被覆材を硬化させることを特
徴とする光ファイバの製造方法、(4)電子線硬化可能
な一次被覆材を光ファイバに塗布した後、その上に、ヤ
ング率が上記一次被覆材の2倍以上の二次被覆材を被覆
し、次いでこれら被覆材を加速電圧150kV以下で加
速した電子線を照射して上記両被覆材を硬化させること
を特徴とする光ファイバの製造方法、(5)電子線照射
を、真空管方式の電子線照射装置から発生させた電子線
を少なくとも2方向から照射することにより行う上記
(2),(3)又は(4)記載の製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の光ファイバにおいて、光ファイバガラスとして
は、石英ガラス系のものが用いられ、光ファイバ用とし
て公知のものを使用することができる。
【0009】この光ファイバガラスに被覆される被覆材
は、電子線硬化可能なものであり、電子線硬化可能な樹
脂を主成分とするものである。
【0010】電子線硬化可能な樹脂としては、電子線照
射によりラジカル重合可能な官能基を有するものであれ
ばよいが、ラジカル重合性に優れる(メタ)アクリロイ
ル基を分子中に1個以上有する化合物が望ましい。
【0011】アクリロイル基を分子中に1個有する化合
物として、具体的にはメトキシエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプ
ロピレングリコール(メタ)アクリレート、3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェ
ノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリプ
ロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、イソボロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、クミルフェノール(メタ)アクリレ
ート、クミルフェノキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、クミルフェノキシポリプロピレング
リコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイ
ルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキ
シプロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリ
レート、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ[2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル]アシッドフォスフェー
ト、トリクロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,
3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、
2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)
アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アク
リレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリシ
クロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソ
ボロニルオキシエチル(メタ)アクリレート、モルホリ
ン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】また、一分子中に2個のアクリル基を有す
る化合物として、ポリエーテルジオールとジイソシアネ
ートを反応させ、更に水酸基含有アクリレート化合物を
反応させたポリエーテルウレタンアクリレートが硬化皮
膜の特性調整が容易なことから好ましい。
【0013】この場合、ポリエーテルジオールとして
は、例えば、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テト
ラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフランなどの
2〜C5アルキレンオキシド)の単独重合体又は共重合
体、脂肪族C12〜C40ポリオール(例えば、1,2−ヒ
ドロキシステアリルアルコール、水添ダイマージオール
など)を開始剤とした上記アルキレンオキシドの単独重
合体又は共重合体、ビスフェノールAのアルキレンオキ
シド(例えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキシ
ド、テトラヒドロフランなど)付加体、水添ビスフェノ
ールAのアルキレンオキシド(例えば、プロピレンオキ
シド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフランなど)付
加体などが挙げられる。これらのポリエーテルジオール
は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0014】ジイソシアネート成分としては、芳香族、
脂肪族、脂環族等の有機ジイソシアネートが挙げられ
る。例えば、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が
使用される。
【0015】水酸基を有する(メタ)アクリレートとし
ては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレートなど
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノールモノ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。これらの水酸基含有(メタ)アクリレー
トは、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。好
ましい水酸基含有(メタ)アクリレートは、ヒドロキシ
2〜C4アルキル(メタ)アクリレート、特に2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレートなどである。
【0016】なお、これら反応に際し、ウレタン化触媒
としてはアミン系触媒、錫系又は鉛系の金属触媒を使用
してもよい。
【0017】また、ジオルガノポリシロキサン分子鎖末
端にアクリロイル基を有するシリコーンアクリレートも
耐熱性、耐久性に優れるため好ましく、具体例として下
記一般式(1)のシリコーンアクリレートが例示され
る。
【0018】
【化1】 (nは10〜200、mは5〜100の正数を示す。)
【0019】その他の一分子中に2個のアクリロイル基
を有する化合物の具体例としては、2,2−ジメチル−
3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒド
ロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレン
オキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、2,2’
−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メ
タ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールのジ
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メ
タ)アクリレート、ペンタンジ(メタ)アクリレート、
2,2−ビス(グリシジルオキシフェニル)プロパンの
(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
【0020】更に、一分子中に3個以上のアクリロイル
基を有する化合物としては、例えば、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ア
クリロキシメチル)イソシアヌレート、トリス(アクリ
ロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロキ
シプロピル)イソシアヌレート、トリアリルトリメリッ
ト酸、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
【0021】また、(メタ)アクリロイル基含有化合物
以外に、ラジカル重合性に優れるN−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミ
ド、N−ビニルホルムアミドなどのN−ビニル化合物を
使用することも可能である。
【0022】これらの電子線硬化可能な樹脂は単独或い
は2種類以上のものを配合、撹拌混合し、調製すること
ができるが、その粘度は、作業性の点で光ファイバ芯線
の製造条件との適合性から通常500〜10,000c
p(25℃)、特に高速の製造条件では500〜4,0
00cp(25℃)の範囲が望ましい。
【0023】なお、被覆材には、前記成分の他に例えば
光重合開始剤、増感剤などの反応促進剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤等の安定剤、有機溶剤、可塑剤、界面活性
剤、シランカップリング剤、着色顔料、有機又は無機粒
子等の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で必要
に応じて添加することができる。
【0024】上記被覆材成分は、一次被覆材及び二次被
覆材に共通であるが、この場合、二次被覆材は、その硬
化物のヤング率が、一次被覆材の硬化物のヤング率の2
倍以上であるように選択され、特に一次被覆材の硬化皮
膜は、外部力及び温度変化によるマイクロベンドから光
ファイバを保護するために0.2kgf/mm2以下の
ヤング率を有することが望ましく、その上にコーティン
グされる二次被覆材は、光ファイバを補強するために
0.4kgf/mm2以上であることが望ましい。
【0025】本発明においては、常法に従い光ファイバ
ガラスに上記被覆材をコーティングして被覆し、この被
覆層を電子線照射して硬化するものである。この場合、
通常は一次被覆材をコーティングし、これを電子線照射
して硬化した後、更に二次被覆材をコーティングし、こ
れを電子線照射により硬化する手法が採用されるが、一
次被覆材を光ファイバガラスにコーティングし、直ちに
二次被覆材をコーティングし、電子線を照射することも
可能で、光ファイバの伝送損失防止効果以外にも、工程
が簡略化できる利点がある。
【0026】電子線照射は、例えば真空管方式の電子線
照射装置から発生された電子線を照射することによって
行うことができるが、本発明においては、電子線照射を
150kV以下、好ましくは30〜150kV、より好
ましくは30〜100kVの加速電圧で加速した電子線
を照射することによって行うものであり、これにより被
覆材を十分に硬化させることができ、しかも光ファイバ
の伝送損失の増加を抑制することができる。
【0027】なお、電子線の線量はフィラメントに流す
電流値と処理速度により決まり、通常1〜4Mrad
(10〜40kGy)の線量の電子線を照射することで
樹脂は硬化可能である。高速線引きに対応するためには
処理速度に比例して電流値を大きくすればよい。
【0028】また、電子線照射は、電子線の少なくとも
2方向から照射することが好ましく、これにより本発明
の効果をより確実に達成することができ、特に3方向以
上からの照射が更に望ましい。
【0029】このように加速電圧150kV以下で加速
した電子線を照射することによって得られた光ファイバ
は、電子線照射して被覆材(一次被覆材及び二次被覆
材)を硬化した後の伝送損失Aが、電子線照射前の(即
ち、光ファイバガラス自体の)伝送損失Bに対しA/B
=1.00〜1.10、特に望ましくは1.00〜1.
05である。つまり、伝送損失の増加が10%以下に抑
制されたものである。
【0030】なお、伝送損失の測定に用いられる波長は
特に限定されないが、通常1.30μm、1.39μ
m、1.55μmの波長で測定される。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、各例中の部は、いずれも重量部で
ある。
【0032】[実施例1]一次被覆材の調製 ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート
106.8gr、2,4−トリレンジイソシアネート1
7.3gr、ジブチルチンジラウレート0.5gr、
2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン0.
15grを反応容器に仕込み、乾燥空気下で、15℃以
下に保つ速度で2−ヒドロキシエチルアクリレート1
1.3grを滴下した。次いで反応を30℃にし、2時
間反応させた後、数平均分子量7,950のポリプロピ
レングリコール398grを添加し、50〜60℃で3
時間反応させ、ノニルフェノキシポリエチレングリコー
ルアクリレートを20重量%含有するアクリルウレタン
オリゴマー(オリゴマーAとする)を得た。オリゴマー
A75部、ノニルフェノキシポリエチレングリコールア
クリレート5部、ラウリルアクリレート10部、N−ビ
ニルピロリドン10部を混合し、一次被覆材を調製し
た。このものの25℃における粘度は4,500cpで
あった。二次被覆材の調製 2,4−トリレンジイソシアネート51.5gr、数平
均分子量2,000のポリテトラメチレンエーテルグリ
コール42.3gr、数平均分子量400のポリオキシ
プロピレングリコール22.0gr、トリオキシプロピ
レングリコール1.6grの混合液を反応容器に仕込
み、窒素雰囲気下、70〜80℃で3時間反応させた。
次いでこの反応混合物を40℃まで冷却し、反応容器内
を乾燥空気で置換し、2−ヒドロキシアクリレート5
0.0grを加え、徐々に昇温させ、温度60〜70℃
で2時間反応させた。次いでジブチルチンジラウレート
0.1grを仕込み、更に4時間反応させ、アクリルウ
レタンオリゴマー(オリゴマーBとする)を得た。オリ
ゴマーB70部、イソボルニルアクリレート10部、N
−ビニルピロリドン10部、トリシクロデカンジメタノ
ールジアクリレート10部を混合し、二次被覆材を調製
した。このものの25℃における粘度は3,900cp
であった。
【0033】こうして得られた組成物の硬化皮膜特性を
下記のようにして測定した。その結果を表1に示す。 (1)硬化皮膜の作成 ガラス板上に前記一次被覆材、二次被覆材を別々にガラ
ス板上にアプリケータを用いて約50μmの膜厚に塗布
し、真空管方式の電子線照射装置Min−EB(ウシオ
電機株式会社製)を用いて加速電圧50kVで加速した
電子線を照射線量3Mradにおいて照射し、それぞれ
硬化皮膜を作成した。 (2)ヤング率の測定 25℃、相対湿度50%で硬化皮膜を24時間状態調整
した後、標線間25mm、引張速度1mm/minの条
件で2.5%引張弾性率を測定した。 (3)引張強さ及び破断伸びの測定 25℃、相対湿度50%で硬化フィルムを24時間状態
調整した後、標線間25mm、引張速度50mm/mi
nの条件で測定した。
【0034】
【表1】
【0035】[実施例2]波長1.55μmの伝送損失
が0.188dB/kmである外径125μmのシング
ルモードの光ファイバ裸ガラスに、実施例1で調製した
一次被覆材をコーティングダイスによりファイバの外径
180μmになるように塗布し、電子線照射装置CB−
175(岩崎電気株式会社製)を用いて加速電圧100
kVで加速した電子線をファイバに垂直にあたるように
して2方向から、それぞれ照射線量3Mrad照射し、
硬化させた。更にその上に実施例1で調製した二次被覆
材を一次被覆材と同様にしてファイバの外径が250μ
mになるように塗布し、硬化させた。この光ファイバの
波長1.55μmの伝送損失は0.189dB/kmで
あった。電子線照射後と電子線照射前の伝送損失の割合
は1.005であり、電子線照射による伝送損失は殆ど
認められなかった。
【0036】[実施例3]波長1.55μmの伝送損失
が0.189dB/kmである外径125μmのシング
ルモードの光ファイバ裸ガラスに、実施例1で調製した
一次被覆材をコーティングダイスによりファイバの外径
180μmになるように塗布したのちに、実施例1で調
製した二次被覆材を同様にしてファイバの外径が250
μmになるように塗布し、電子線照射装置CB−175
(岩崎電気株式会社製)を用いて加速電圧100kVで
加速した電子線を実施例2と同様にして照射線量3Mr
ad照射し、硬化させた。この光ファイバの波長1.5
5μmの伝送損失は0.189dB/kmであり、電子
線照射による伝送損失は全く認められなかった。
【0037】[比較例1]波長1.55μmの伝送損失
が0.188dB/kmである外径125μmのシング
ルモードの光ファイバ裸ガラスに、実施例2と同様に一
次被覆材を塗布し、電子線照射装置CB−175(岩崎
電気株式会社製)を用いて加速電圧165kVで加速し
た電子線を照射線量3Mrad照射し、硬化させた。更
にその上に実施例1で調製した二次被覆材をファイバの
外径が250μmになるように塗布し、加速電圧165
kVで加速した電子線を照射線量3Mrad照射し、硬
化させた。このファイバの波長1.55μmの伝送損失
は0.216dB/kmで、電子線照射後と電子線照射
前の伝送損失の割合は1.15と、高加速電圧の電子線
照射より伝送損失の増加が著しかった。
【0038】
【発明の効果】本発明の電子線硬化被覆層を有する光フ
ァイバは、伝送損失の増加が少ないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H050 BA03 BA17 BA32 BB07W BB34W BC03 4G060 AC02 AD22 AD44 CB09 CB22 CB36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバガラスに被覆材を被覆し、こ
    の被覆材を電子線照射することによって硬化させた硬化
    被覆層を有する光ファイバにおいて、被覆材を電子線照
    射により硬化した際の伝送損失が、電子線照射前の伝送
    損失に対し1.00〜1.10倍であることを特徴とす
    る光ファイバ。
  2. 【請求項2】 電子線硬化可能な被覆材を光ファイバガ
    ラスに塗布し、次いで加速電圧150kV以下で加速し
    た電子線を照射して上記被覆材を硬化させることを特徴
    とする光ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 電子線硬化可能な一次被覆材を光ファイ
    バガラスに塗布し、次いで加速電圧150kV以下で加
    速した電子線を照射して上記一次被覆材を硬化させた
    後、これをヤング率が上記一次被覆材の2倍以上の二次
    被覆材を被覆し、これを加速電圧150kV以下で加速
    した電子線を照射して上記二次被覆材を硬化させること
    を特徴とする光ファイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 電子線硬化可能な一次被覆材を光ファイ
    バに塗布した後、その上に、ヤング率が上記一次被覆材
    の2倍以上の二次被覆材を被覆し、次いでこれら被覆材
    を加速電圧150kV以下で加速した電子線を照射して
    上記両被覆材を硬化させることを特徴とする光ファイバ
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 電子線照射を、真空管方式の電子線照射
    装置から発生させた電子線を少なくとも2方向から照射
    することにより行う請求項2,3又は4記載の製造方
    法。
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