JP2000303743A - 合成樹脂製窓材及びその製造方法 - Google Patents
合成樹脂製窓材及びその製造方法Info
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Abstract
ムが貼付され、場合によってはアクリル系樹脂の被覆層
を有する塩化ビニル系樹脂製窓材の廃材を、保護フィル
ムやアクリル系樹脂層を除去することなく再使用して、
実用可能な新しい合成樹脂製窓材を効率よく製造する方
法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂とオレフィン系樹脂又
はアクリル系樹脂とを含んでなる塩化ビニル系樹脂製窓
材などの廃材を、例えば平均粒子径が0.50〜1.5
mmで嵩密度が0.40〜0.60g/ccとなるよう
に粉砕し、得られた粉砕物を主成分とする組成物(A)
と未使用の塩化ビニル系樹脂又は未使用のアクリル系樹
脂を主成分とする組成物(B)とを、共押出して異形押
出成形しすることにより、例えば少なくとも前記組成物
(A)で形成された部分11aと前記組成物(B)で形
成された部分11bとからなり、少なくともその屋外に
対面する部分の表層が前記組成物(B)で形成されてな
る窓枠11′のような合成樹脂製窓材を製造する。
Description
製窓材の廃材又は該窓材を製造するときに発生する廃材
を再使用した合成樹脂製窓材、およびその製造方法に関
する。
強度や耐候性、さらに金属材料に比べて格段に小さい熱
伝導率を有することから、寒冷地の住宅などの窓材とし
て広く使用されている。
に異形押出成形された形材を適宜切断して部材を作成
し、この様にして得られた各部材を溶接するなどして窓
枠や框に組み立てて使用されている。この部材を作成す
る時に発生する形材の端材(廃材)の量は全体の10%
にも達するため、該端材は粉砕して押出成型の際に原料
の一部として再使用されている。
でその外表面には手で容易に剥離可能なオレフィン系樹
脂フィルムが貼付されいるのが一般的であり、上記端材
(廃材)の再使用に際しては異種ポリマーの混入による
物性低下を防止するため、該フィルムを除去する必要が
あった。
定ではないため、上記フィルムの除去作業を機械化する
ことは難しく、該作業は手作業で行われるのが普通であ
り、労力及び作業効率の点で問題があった。
をカラー化するために塩化ビニル樹脂基体の表面を透
明、若しくは様々な色に着色したアクリル系樹脂で被覆
することが行われている。
ては、アクリル系樹脂の混入により、得られる窓材が好
ましくない色に着色したりするのを防ぐため、前記保護
フィルムの除去に加えてアクリル系樹脂の被覆層を除去
するという新たな操作を行わなければならない。ところ
が、上記アクリル系樹脂の被覆層は、基体に強固に融着
しているため、その除去は前記保護フィルムの除去に比
べて遥かに困難である。
窓材の廃材をリサイクルするに当たっては、保護フィル
ムやアクリル系樹脂被覆層を除去する必要があり、操作
性や効率の点で問題があった。
ムやアクリル系樹脂被覆層を除去するという煩雑な操作
をすることなしに、塩化ビニル系樹脂製窓材の廃材を再
利用して、強度、耐候性、及び美観といった性能の点で
未使用樹脂を用いて製造した製品と遜色のない合成樹脂
製窓材を効率よく製造する方法を提供することを目的と
する。
達成すべく、先ず、前記廃材をそのまま粉砕し、得られ
た粉砕物(以下、リサイクルパウダーともいう。)を未
使用の塩化ビニル系樹脂パウダー(以下、未使用の樹脂
パウダーをバージンパウダーともいう。)に混ぜて使用
する方法について検討を行ったところ、製品窓材につい
て強度、耐候性及び色調といった性能に悪影響を及ぼさ
ないリサイクルパウダーの配合量はリサイクルパウダー
の種類によって大きく異なっており、しかもその量は多
い場合でも30重量%程度が限度であることが分かっ
た。
には、リサイクルパウダーの種類や配合量を制御・管理
しなければならず、この様な制御・管理を手動で行うの
は操作が煩雑で手間がかかり、また自動で行うためには
新たな装置を導入する必要がある。
ーの種類や配合量を特に制御・管理することのない方法
として、リサイクルパウダーとバージンパウダーを別々
に共押出しすることを発想し、その方法について検討を
行った。
ビニル系樹脂に対して相溶性の乏しい樹脂が混入した場
合には、押出成形をする際の成形性や成形体の強度が悪
化するという問題があることが判明した。そして、該問
題を解決すべく更に検討を行った結果、(i)リサイクル
パウダーの粒径や嵩比重を制御することにより成形性の
低下を防止し、実用上充分な強度を有する成形体が得ら
れること、(ii)少なくとも屋外に対面する部分の表層を
バージンパウダーで形成すれば実用上充分な耐候性が得
られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
とオレフィン系樹脂又はアクリル系樹脂とを含んでなる
廃材由来のリサイクル樹脂を主成分とする組成物(A)
で形成された部分(a)と未使用の塩化ビニル系樹脂又
は未使用のアクリル系樹脂を主成分とする組成物(B)
で形成された部分(b)とからなる合成樹脂製窓材であ
って、少なくともその屋外に対面する部分の表層が前記
組成物(B)で形成されてなることを特徴とする合成樹
脂製窓材である。
部材と同義であり、窓框、これを構成する縦框材、横框
材、窓枠、これを構成する縦枠材、及び横枠材等を含む
概念である。
された表層の厚さが0.2mm以上であるものは、所期
の耐候性を得ることが出来、下地となる組成物(A)で
形成された部分(a)が透けて見えることにより表面色
調が影響を受けることがない。
構成層の内層、外層がそれぞれ前記組成物(A)、組成
物(B)からなり、該中空窓材を用いて窓枠に構成した
ときに、各窓材の上記構成層のうち、枠内側に位置する
構成層(甲)、枠外側に位置する構成層(乙)、および
枠の内外の側面に位置する構成層(丙)の少なくとも1
つが、下記条件を充足することを特徴とする記載の合成
樹脂製窓材は、廃材のリサイクル率をあまり下げること
なく、意匠性や耐候性が特に重要な所期の外面におい
て、溶着時に生じたバリを除去する際に下地の組成物
(A)で形成された部分(a)が露出するのを回避する
ことが出来る。 [条件] 甲: 層の全厚さ(Wt)対する前記組成物(B)で形
成された部分の厚さ(Wb)の比(Wb/Wt)が0.3
0〜0.45である。 乙: 層の全厚さ(Wt)対する前記組成物(B)で形
成された部分の厚さ(Wb)の比(Wb/Wt)が0.8
0〜0.95である。 丙: 層の全厚さ(Wt)対する前記組成物(B)で形
成された部分の厚さ(Wb)の比(Wb/Wt)が0.4
0〜0.65である。
とオレフィン系樹脂又はアクリル系樹脂とを含んでなる
廃材を粉砕し、得られた粉砕物を主成分とする組成物
(A)と未使用の塩化ビニル系樹脂又は未使用のアクリ
ル系樹脂を主成分とする組成物(B)とを、得られる合
成樹脂製窓材の少なくとも屋外に対面する部分の表層が
前記組成物(B)で形成されるように共押出して異形押
出成形することを特徴とする前記本発明の合成樹製窓材
の製造方法である。
0.50〜1.5mmの粉体に粉砕した場合は、成形体
の強度を高くすることが出来る。また、さらに廃材を嵩
比重0.40〜0.60g/ccの粉体に粉砕した場合
には、成形性が良好となる。
樹脂製窓材を説明する。
構成された窓1の概略を示す図である。該窓1は、窓枠
5にガラス4が固定されて構成されている。また、窓枠
5は、そのコーナー部6において、横断面の形が一定で
その寸法が長さに比べて小さい形材である窓枠材11が
溶着されて構成されている。
されたときの断面図を示す。窓1は、窓枠5がネジ止め
等の固定手段により建物壁3に固定されて使用される。
11の断面がより明りょうに示されている。図3に示さ
れるように、窓枠材11は、中空であり、その構成層
は、材質の異なる2種類の層11a及び11bからなっ
ている。層11aは、塩化ビニル系樹脂とオレフィン系
樹脂又はアクリル系樹脂とを含んでなる廃材由来のリサ
イクル樹脂を主成分とする組成物(A)で形成された部
分(a)であり、層11bは、未使用の塩化ビニル系樹
脂又は未使用のアクリル系樹脂を主成分とする組成物
(B)で形成された部分(b)である。なお、上記各組
成物の詳細については本発明の製造方法のところで詳述
する。
を多く含む樹脂の成形体は耐候性が悪いのであるが、雨
や雪等の水分との接触や紫外線照射等が避けられない屋
外に対面する部分の表層を耐候性の高い未使用の樹脂で
形成する(被覆する)ことにより、リサイクル樹脂を使
用しない製品と同等の耐候性を得ることが出来る。
に常に外気と直接接する部分を意味する。
部に露出する全ての面(外面)の表層が前記組成物
(B)で構成されているが、リサイクル樹脂の粉砕条件
を選べば全ての外面の表層を前記組成物(B)で形成し
なくとも実用上問題のない強度のものを得ることが出来
る。とくに、屋内に対面する外面については、その環境
が屋外に比べて著しく穏やかであるため、必ずしもその
表層部を前記組成物(B)で形成する必要はない。
いることが多いため、製品の色調が黒色や暗褐色である
場合のように、リサイクル樹脂の着色が問題とならない
ような場合を除き、全外表面を組成物(B)で被覆する
のが好ましい。なぜならば、塩化ビニル系樹脂又はアク
リル系樹脂のバージンパウダーを使用した場合は色調の
制御が容易であり明度の高い、所望の色調の外観を有す
る窓枠を容易に得ることが出来るからである。この場
合、下地の色の影響を受けないためには、表層部の層1
1bの厚さは、0.2mm以上、特に0.5mm以上で
あることが好ましい。図4に、耐候性および審美性が特
に要求される部分の表層のみが前記組成物(B)からな
る態様の窓枠材11′の断面図を示す。
必ずしも単一の層である必要はなく、例えば、塩化ビニ
ル系樹脂を主成分とする層の上にアクリル系樹脂を主成
分とする層が積層されたような二層構造を取ることも出
来る。このときアクリル系樹脂層は、塩化ビニル系樹脂
層の全面を覆うようにしてもよいし、特に耐候性が要求
される部分のみを選択的に覆うようにしても良い。従来
技術で説明したように、耐候性(特に退色や変色防止)
や色調調節の観点からは、寧ろこの様な構造を取ること
が好ましい。
くとも前記部分aと前記部分bとからなっていればよ
く、必ずしもこれら部分のみで構成される必要はない。
例えば、補強や耐変形性を高めることを目的として、金
属や木材等で構成される部分を導入してもよい。
際には、窓枠材11は溶着される。この場合、窓枠5の
強度の点から図1に示すように、各窓枠の長さ方向に対
して斜めに切断された断面を加熱し、両側から押しつけ
ることにより溶着するのが一般的であり、溶着部にはバ
リと呼ばれる盛り上がりが生じてしまう。このため、溶
着後にはバリを削り取って表面を平坦にする操作(バリ
取り)を行う必要があるが、表層部の層11bの厚さが
薄いと、バリ取りにより下地が露出してしまうことがあ
る。
さを厚くすれば回避出来るが、層11bの厚さを必要以
上に厚くすることはリサイクル効率を下げることにつな
がる。
け下げずに上記問題を回避するために層11bの厚さに
ついて検討を行ったところ、上記問題が発現し始める
「層11bの厚さ」は、溶着の位置によって異なること
が分かった。
に枠外側に位置する層(乙:図1では111に対応す
る。)ではバリ取りの際に下地部が特に露出しやすく枠
の内外の側面に位置する層(丙:図1では113に対応
する。)、枠の内側に位置する層(甲:図1では112
に対応する。)の順にバリ取りの際に下地部が露出しに
くなることが分かった。
めるようになる厚さは、全厚さWtに対する層11bの
厚さWbの割合(Wb/Wt、以下相対厚さともいう。)
で表すと、上記の層(乙)、層(丙)、層(甲)でそれ
ぞれ、約0.80、約0.40、約0.30であること
が分かった。
且つ上記バリ取り時の問題を回避するためには、上記の
層(乙)、層(丙)、層(甲)における層11bの相対
厚さ(Wb/Wt)を、それぞれ0.80〜0.95、
0.40〜0.65、及び0.30〜0.45とするの
が、特にそれぞれ0.85〜0.9、0.50〜0.6
0、及0.35〜0.40とするのが好適である。
に、窓枠5の屋外に対面せずにしかも屋内から見えない
外面については、下地が露出しても特に問題はない。そ
のため、上記の条件は、意匠性や耐候性が重要な外面に
ついて満足すればよく、どの条件を満足させるかは窓枠
5の具体的な形態毎に適宜決定すればよい。
示しない他の窓材についても同様である。
に限定されないが、次のような方法により好適に製造す
ることが出来る。
系樹脂又はアクリル系樹脂とを含んでなる廃材を粉砕
し、得られた粉砕物を主成分とする組成物(A)と未使
用の塩化ビニル系樹脂又は未使用のアクリル系樹脂を主
成分とする組成物(B)とを、得られる合成樹脂製窓材
の少なくとも屋外に対面する部分の表層が前記組成物
(B)で形成されるように共押出して異形押出成形する
ことにより好適に製造することが出来る。
窓材の部分(a)の原料となるものである。ここで使用
される廃材は、塩化ビニル系樹脂とオレフィン系樹脂又
はアクリル系樹脂とを含んでなるものであれば特に限定
されないが、その組成が明らかで、しかもその変動が少
ないことから、オレフィン系樹脂製の保護膜が貼付され
た塩化ビニル系樹脂製の窓材用形材の端材、又は表面層
がアクリル系樹からなる脂塩化ビニル系樹脂製の窓材用
形材あるいはその表面にオレフィン系樹脂製の保護膜が
貼付された窓材用形材の端材等の廃材を使用するのが好
適である。
樹脂、およびアクリル系樹脂としては、合成樹脂製窓材
の原料として一般的に使用される公知の樹脂が使用出来
る。
ば、塩化ビニルの単独重合体;塩化ビニル−エチレン共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニ
ルを主体とした共重合体;及びアクリル系ゴム変性塩化
ビニル樹脂等のゴム変性塩化ビニル樹脂等を挙げること
が出来る。
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ンおよび、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられ
る。これら樹脂は1種類単独であっても複数種類が混合
されたものであっても良い。
アクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリ
ル酸n−プロピル、ポリアクリル酸イソプロピル、ポリ
アクリル酸n−ブチル、ポリアクリル酸イソブチル、ポ
リアクリル酸sec−ブチル、ポリアクリル酸t−ブチ
ル、ポリアクリル酸オクチル、ポリアクリル酸エチルヘ
キシルなどのポリアクリル酸エステル類;ポリメタアク
リル酸メチル(PMMA)、ポリメタアクリル酸エチ
ル、ポリメタアクリル酸n−プロピル、ポリメタアクリ
ル酸イソプロピル、ポリメタアクリル酸n−ブチル、ポ
リメタアクリル酸イソブチル、ポリメタアクリル酸se
c−ブチル、ポリメタアクリル酸t−ブチル、ポリメタ
アクリル酸オクチル、ポリメタアクリル酸エチルヘキシ
ルなどのポリメタアクリル酸エステル類等が挙げられ
る。これら樹脂は1種類単独であっても複数種類が混合
されたものであっても良い。
線安定剤、安定化助剤、着色剤(顔料)、可塑剤及び充
填剤等の添加剤が配合されていてもよい。
特に限定されないが、リサイクルしたときの成形性や製
品強度等の観点から、塩化ビニル系樹脂100重量部に
対してアクリル系樹脂1〜10重量部、好ましくは2〜
5重量部、及び/又はオレフィン系樹脂0.1〜3重量
部、好ましくは0.2〜2重量部であるのが好適であ
る。なお、これら3種の樹脂の他にも、塩化ビニル系樹
脂に対して相溶性を有する樹脂であれば、5重量部程度
まで含むことも出来る。塩化ビニル系樹脂に対して相溶
性を有する樹脂としてはAES樹脂、ABS樹脂、ポリ
スチレン樹脂等が挙げられる。
該窓材用の形材の廃材は、塩化ビニル系樹脂100重量
部に対して、アクリル系樹脂が2〜5重量部、オレフィ
ン系樹脂0.2〜2重量部程度となっているので、本発
明の製造方法で何ら問題なく使用することが出来る。
けるため上記廃材は粉砕されてから使用される。この時
の粉砕粒子の性状は、成形性や成形体の強度に影響を与
えるため重要である。すなわち、成形体の強度をリサイ
クル樹脂を使用しない製品と同等レベルにするために
は、平均粒子径0.50〜1.5mm、特に0.50〜
1.2mmの粉体に粉砕するのが重要である。また、良
好な成形性を得るためには、粉砕した粉体の嵩比重を
0.40〜0.60g/cc、特に0.40〜0.50
g/ccの範囲にすることが重要である。上記の2つの
条件、特に何れについても好適な条件を同時に満足する
ときには、成形性もよく、成形体の強度も高くなる。
01の標準ふるいを用いる方法で求めた値であり、嵩密
度はJISK6721に定められた嵩比重測定器により
測定される値である。
うに相溶性の低い樹脂を混ぜたリサイクル原料は、オレ
フィン系樹脂の分散不良による強度低下やばらつきが起
こったり、押出機へリサイクルパウダーを導入するため
のホッパーからのパウダー落下不良が起こったり、押出
機スクリューへの食い込み不良が起こったりする傾向が
あるが、粉砕粒子の性状を上記のように制御することに
よりこの様な問題を回避することが可能となる。
定されず、公知の粉砕機を用いて行うことが出来るが、
効率および粉砕粒子の粉末性状の制御が容易であること
から高速渦流粉砕機(ターボミル)を用いるのが好適で
ある。なお、ターボミルを用いた場合には、固定刃と回
転刃の間隔や回転刃の回転数を調整することにより、簡
単に粉砕粒子の嵩比重、粒子径を調整することが出来
る。
粉砕して得た粉体をそのまま使用することが出来るが、
必要に応じて顔料やバージンパウダーを添加することも
出来る。
クリル系樹脂を主成分とする組成物(B)は、本発明の
合成樹脂製窓材の部分(b)の原料となるものである。
該組成物(B)は、劣化していない未使用の樹脂が主成
分であるため、得られる合成樹脂製窓材の少なくとも屋
外に対面する部分の表層を前記組成物(B)で形成する
ことにより、耐候性の良好な窓材とすることが出来る。
リル樹脂は未使用のものであれば特に限定されず、組成
物(A)の説明で前記したものと同じ種類のものが使用
出来る。これら樹脂は粉末状であってもペレット状であ
ってもよく、上記2種類の樹脂はそれぞれ単独で使用し
ても、混合して使用しても良い。
て、熱安定剤、滑材、紫外線安定剤、安定化助剤、着色
剤(顔料)、可塑剤及び充填剤等の添加剤が配合されて
いてもよい。さらに、耐候性や色調に影響を与えない範
囲であればリサイクル樹脂を添加することも出来る。
(A)と前記組成物(B)とを、それぞれ異なる押出機
に供給して共押出し、溶融若しくはゲル化した両組成物
を一組の共通ダイに導き、ダイ内部あるいはダイ開口部
において該両組成物を、最終的に得られる合成樹脂製窓
材の少なくとも屋外に対面する部分の表層が前記組成物
(B)で形成されるように接触させ、単一の形材に異形
押出成形する。
リサイクルパウダー(A)、塩化ビニル系樹脂を主成分
とするバージンパウダー(B1)、及びアクリル系樹脂
を主成分とするバージンパウダー(B2)をそれぞれ別
の押出機に供給して共押出し、上記(A)からなる部分
の外側に上記(B1)及び(B2)が、(B2)が最外
層になるように異形押出成形する方法を挙げることが出
来る。
の構造に応じたダイを適宜用いればよく、使用する押出
機の数も窓材の構造や用いる樹脂組成物の種類に応じて
適宜決定すればよい。また、成形温度、溶融樹脂の温度
等の成形条件も従来の塩化ビニル系樹脂製窓材を異形押
出成形により製造するときの条件と特に変わるところは
なく、使用する各組成物の組成、ダイ、および押出機に
応じて、最適な条件を適宜設定すればよい。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
きに発生した、ポリエチレン製保護フィルムが貼付され
た形材の端材をターボミル(ターボ工業株式会社製)を
用いて、平均粒子径1.0mm、嵩密度0.5g/cc
の粉末に粉砕した。なお、該粉末の樹脂組成は、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対して、オレフィン系樹脂
(ポリエチレン)2重量部、アクリル系樹脂(PMM
A)4重量部であった。また、嵩密度の調節はターボミ
ルの固定刃と回転刃の隙間を調節することにより行い、
嵩密度の測定はJISK6721に定められる嵩比重測
定器を用いて行った。また、平均粒子径はJISZ88
01の標準ふるいを用いる方法で求めた。
び未使用の塩化ビニル樹脂100重量部に対し、安定剤
3.5重量部、滑剤1.5重量部、無機充填剤5重量
部、強化剤と加工助剤合わせて6重量部を配合した組成
物からなるバージンパウダーを、それぞれ60mmコニ
カル二軸押出機、及び35mmコニカル二軸押出機に供
給し、図5(b)に示す横断面構造の窓枠用形材7を成
形した。成形はシリンダー温度165〜200℃、金型
温度180〜200℃、溶融樹脂温度190〜200℃
の温度条件で行ったが、成形性は良好で問題なく成形す
ることが出来た。
全体の厚さを示し、Wbはバージンパウダーで形成され
た層7bの厚さを示し、Waはリサイクルパウダーで形
成された層7aの厚さを示す。本実施例では面71、7
2、73a、及び73bに対応する層のWtは全て同じ
2.5mmとし、Wbは窓枠に構成したときに枠外側に
位置するようになる層71については2.0mm(Wb
/Wt=0.8)、枠の内側に位置するようになる層7
2については0.9mm(Wb/Wt=0.36)、枠の
内外の側面に位置するようになる層73aおよび73b
についてはともに1.3mm(Wb/Wt=0.52)と
した。
し、低温落錘試験用の試験片を作成した。得られた試験
片50個について10個ずつ5回に分けて「硬質ポリ塩
化ビニル製窓枠用形材(JISK6785)の低温落錘
試験」に準じて低温落錘試験を行ったところ、試験片1
0個当たりの割れた試験片は各試験とも1個以下であっ
た。なお、上記JIS規格における合格基準は試験片1
0個中2個以上割れないことである。
ぞれの両断面をアルミホイルで保護して内部に光や水分
が当たらないようにしてWS形装置のウェザオメータ中
に放置して耐候性の促進暴露試験(JIS A−141
5)を行った。促進暴露試験は、ウェザオメータ中に放
置後、250時間後、500時間後、1000時間後に
それぞれ20個ずつ試験片を取り出し、上記と同様に落
錘試験を行った。その結果、試験片10個当たりの割れ
た試験片の平均個数は、250時間後のもので0個、5
00時間後のもので0.5個、1000時間後のもので
1個であった。
える耐候性があることを示すものである。
枠用形材を斜めに45度に切断し、切断面どうしを図5
(a)に示すようにして、窓枠用コーナー溶着機(アク
チャル社製)を用いてコーナー溶着し、溶着試料を20
個作成した。作成した溶着試料全てについて溶着後に生
じたバリをカッターナイフにより平坦面になるように切
り取ったところ、いずれの試料とも下地は見えずにきれ
いに仕上げることができた。
1と同様にして成形を行ったところ全ての場合とも問題
なく成形することが出来た。また、得られた窓枠用形材
について実施例1と同様にして耐候性試験前後の低温落
錘試験を行った。その結果、実施例2〜4では成形性、
耐候性とも良好であったが、平均粒子径が小さすぎる比
較例1では粉砕時の熱履歴による強度低下が、また平均
粒子径が大きすぎる比較例2ではオレフィン系樹脂の分
散不良による強度低下が見られた。
他は実施例1と同様にして窓枠用形材を成形した。得ら
れた各形材ごとに溶着試料を20作成し、実施例1と同
様にバリ取りを行った。
下地が表れることなくきれいに仕上げることができた。
また、実施例7では4つの試料について層73a又は7
3bの表面で下地が表れたが、その他の試料では綺麗に
仕上げることが出来た。なお、上記4つの試料において
も他の面については下地は表れなかった。また、実施例
8で5つの試料で層71の表面で下地が表れたが、他の
試料では下地は表れず綺麗に仕上げることが出来た。な
お、上記5つの試料に於いても他の面では下地は表れな
かった。
みを用い、更に、リサイクルパウダーの粉末性状を表3
にした他は実施例1と同様にして成形を行った。このと
き、比較例3〜6では問題なく成形できたが、比較例7
ではパウダーのホッパーからの落下不良がみられ、比較
例8ではスクリューへの食い込み不良が見られた。
いて実施例1と同様にして耐候性試験前後の低温落錘試
験を行った。その結果を表3に示す。
ーを使用した成形体であっても、粉末性状を制御すれば
成形性に問題なく、窓材として実用可能な強度のものが
得られることが分かった。しかしながら、耐候性につい
ては、1000時間後の値が1.5〜2.0と高くなっ
ており、屋内で使用するには問題ないが、屋外で長期間
使用するには問題があることが分かった。
脂製窓材の効率的なリサイクル技術を提案するものであ
る。従来、合成樹脂製窓材をリサイクルするためには、
オレフィン系樹脂製保護フィルムやアクリル系樹脂層を
除去するという面倒な作業をする必要があったが、本発
明の製造方法によれば、この様な操作をすることなしに
新しい合成樹脂製窓材に再利用することが出来る。
成樹脂製窓材は、リサイクル樹脂を使用しない従来の合
成樹脂製窓材と比べて強度や耐候性等の性能、および色
調や溶接部分の仕上がりと言った審美性の点で遜色のな
い優れたものである。
概略図である。
たときの断面図である。
材の断面図である。
着して得た溶着試料のの概略図(a)およびそのX−
X′断面図(b)である。
(乙) 72・・・窓枠に構成したときに枠内側に位置する層
(甲) 73a、b・・・窓枠に構成したときに枠内外の側面に
位置する層(丙)
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも、塩化ビニル系樹脂とオレフ
ィン系樹脂又はアクリル系樹脂とを含んでなる廃材由来
のリサイクル樹脂を主成分とする組成物(A)で形成さ
れた部分(a)と未使用の塩化ビニル系樹脂又は未使用
のアクリル系樹脂を主成分とする組成物(B)で形成さ
れた部分(b)とからなる合成樹脂製窓材であって、少
なくともその屋外に対面する部分の表層が前記組成物
(B)で形成されてなることを特徴とする合成樹脂製窓
材。 - 【請求項2】 前記組成物(B)で形成された表層の厚
さが0.2mm以上であることを特徴とする請求項1記
載の合成樹脂製窓材。 - 【請求項3】 中空窓材であって、該中空窓材の構成層
の内層、外層がそれぞれ請求項1に記載の組成物
(A)、組成物(B)からなり、該中空窓材を用いて窓
枠に構成したときに、各窓材の上記構成層のうち、枠内
側に位置する構成層(甲)、枠外側に位置する構成層
(乙)、および枠の内外の側面に位置する構成層(丙)
の少なくとも1つが、下記条件を充足することを特徴と
する請求項1又は請求項2に記載の合成樹脂製窓材。 甲:層の全厚さ(Wt)対する前記組成物(B)で形成
された部分の厚さ(Wb)の比(Wb/Wt)が0.30
〜0.45である。 乙:層の全厚さ(Wt)対する前記組成物(B)で形成
された部分の厚さ(Wb)の比(Wb/Wt)が0.80
〜0.95である。 丙:層の全厚さ(Wt)対する前記組成物(B)で形成
された部分の厚さ(Wb)の比(Wb/Wt)が0.40
〜0.65である。 - 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂とオレフィン系樹脂又
はアクリル系樹脂とを含んでなる廃材を粉砕し、得られ
た粉砕物を主成分とする組成物(A)と未使用の塩化ビ
ニル系樹脂又は未使用のアクリル系樹脂を主成分とする
組成物(B)とを、得られる合成樹脂製窓材の少なくと
も屋外に対面する部分の表層が前記組成物(B)で形成
されるように共押出して異形押出成形することを特徴と
する請求項1乃至請求項3の何れかに記載の合成樹脂製
窓材の製造方法。 - 【請求項5】 廃材を平均粒子径0.50〜1.5mm
の粉体に粉砕することを特徴とする請求項4記載の合成
樹脂製窓材の製造方法。 - 【請求項6】 廃材を嵩比重0.40〜0.60g/c
cの粉体に粉砕することを特徴とする請求項4又は請求
項5記載の合成樹製窓材の製造方法。
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