JP4462738B2 - フッ化ビニリデン系樹脂組成物、その製造方法及びそれからなる成形体 - Google Patents

フッ化ビニリデン系樹脂組成物、その製造方法及びそれからなる成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフッ化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂及び特定の無機系微粒子からなる樹脂組成物、その製造方法及びそれからなる成形体に関する。更に詳しくは、かかるフッ化ビニリデン系樹脂組成物からなる表層と特定な物性を有するアクリル系樹脂からなる2層構成を有するフッ化ビニリデン系樹脂成形体に関する。艶消しフッ化ビニリデン系フィルムを表面層とする成形品表面の微少な皺、外力による割れ等が生じ難く、特に自動車等車輌や家具、建材の内外表装材料に好適なフッ化ビニリデン系樹脂成形体を与える。
【0002】
【従来の技術】
フッ化ビニリデン系樹脂フィルムは、耐候性、耐汚染性及び耐薬品性などに優れているため、プラスチック、ガラス、スレート、ゴム、金属板、木板、その他の基材表面の保護、装飾などの目的で表面保護フィルムとして使用されている。そして、これらの表面が保護された基材表面は、建築物の内装材や外装材、家具その他多くの用途に使用されている。特に屋内で使用される壁紙やレーザー家具等の基材、自動車等の内装材について、高級化が要望され表面にラミネートするための艶消しフィルムが提供されている。特開平7−90152号公報では、フッ化ビニリデン系樹脂100重量部に対し、無機充填剤として平均粒径が0.1〜10μmの範囲であり、酸化第二鉄含量が0.05重量部以下であり、且つ、酸化チタン含量が0.03重量%以下である無機充填剤1〜15重量部を配合してなる組成物からなる着色度の小さい艶消しフッ化ビニリデン系樹脂フィルムが開示されている。また、特開平5−9349号公報には、(1)粒子径100μm以下の粒子が1.5重量%以下であるポリプロピレン粒状体100重量部、(2)平均粒径が0.5〜10μmである二酸化ケイ素粉末0.1〜1.0重量部及び(3)平均粒径が0.1〜5μmであり、且つ、粒子径10μm以下の粒子が98重量%以上を占めるアルミノシリケート粉末0.05〜0.8重量部を含んでなる透明性、外観及び耐ブロッキング性を有するポリプロピレン組成物が開示されている。これらの発明においては、微粒子を樹脂中に均一に分散させる技術が要望される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、可塑剤を含む他の樹脂からなる成形体との粘着が起こり難く、耐薬品性を有する表面層を有し、外力で容易に割れ等を生じ難く、高温環境下で表面層に微少な皺が発生し難く、耐熱性を有し、且つ、無機微粒子が優れた表面分散性を示す艶消しフッ化ビニリデン系樹脂成形体、特に自動車等車輌の内外装材料に好適な艶消しフッ化ビニリデン系樹脂フィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定割合のフッ化ビニリデン系樹脂及びアクリル樹脂からなる混合樹脂に特定平均粒径を有する無機系微粒子と無機系超微粒子とを特定割合含んだフッ化ビニリデン系樹脂組成物が無機微粒子の樹脂への優れた分散性を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、フッ化ビニリデン系樹脂30〜80重量部、アクリル系樹脂20〜70重量部(両者の合計は100重量部とする)からなる混合樹脂100重量部と平均粒径1〜30μmの無機系微粒子1〜30重量部、平均粒径が1〜50nmの無機系超微粒子を該無機系微粒子100重量部に対し0.5〜10重量部の割合で含有するフッ化ビニリデン系樹脂組成物を提供する。前記発明の樹脂組成物からなる表面層である第1層を有するフッ化ビニリデン系樹脂成形体を提供する。第1層に隣接して、ASTM D5026による粘弾性測定から求められるtanδのピーク値が100〜150℃であるアクリル系樹脂からなる第2層を有する前記発明のフッ化ビニリデン系樹脂成形体を提供する。アクリル系樹脂がASTM D638による破断伸度が20%以上である前記発明のフッ化ビニリデン系樹脂成形体を提供する。前記第2層の第1層と反対側の面に加飾層を有するフッ化ビニリデン系樹脂成形体を提供する。加飾層の第1層と反対側の面に熱可塑性樹脂からなる層を有する前記発明のフッ化ビニリデン系樹脂成形体を提供する。前記発明のフッ化ビニリデン系樹脂成形体からなり、加熱成形時に20〜500%の伸張変形を受けた成形体を提供する。第1層の厚さが1〜30μmである前記発明の成形体を提供する。自動車等車輌、家具、建材、電気製品の部品である前記発明の成形体を提供する。更にフッ化ビニリデン系樹脂30〜80重量部、アクリル系樹脂20〜70重量部(両者の合計は100重量部とする)からなる混合樹脂100重量部と平均粒径1〜30μmの無機系微粒子1〜30重量部、平均粒径が1〜50nmの無機系超微粒子を該無機系微粒子100重量部に対し0.5〜10重量部の割合で添加し、溶融混練する前記発明のフッ化ビニリデン系樹脂組成物の製造方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のフッ化ビニリデン系樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と略称することもある。)に使用するフッ化ビニリデン系樹脂(以下、「PVDF」と略称することもある。)とは、フッ化ビニリデン単独重合体の他、フッ化ビニリデンを構成単位として50モル%以上含有する共重合体、或いはこれら重合体の混合物を意味する。フッ化ビニリデンと共重合されるモノマーとしては、4フッ化エチレン、6フッ化プロピレン、3フッ化エチレン、3フッ化塩化エチレン、フッ化ビニル等が挙げられる。また、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、前記PVDFの溶融粘度としては、0.8×104〜7.0×104ポイズのものが好ましく、より好ましくは0.9×104〜6.0×104ポイズの範囲である。尚、本発明における溶融粘度は(株)東洋精機製作所製キャピログラフを使用し、温度240℃、剪断速度50sec-1の条件で測定した値である。
【0006】
本発明の樹脂組成物に用いられるアクリル系樹脂は、アクリル酸又はメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」と略称する。)の低級アルキルエステルより選ばれる少なくとも1種を主成分とする重合体又は共重合体であり、これらの(メタ)アクリル酸エステルとしては例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等である。また、上記(メタ)アクリル酸エステルを主体に、好ましくは25モル%以下、更に好ましくは10モル%以下のエチレン系不飽和化合物との共重合体であってもよい。
【0007】
本発明の樹脂組成物を構成する無機系微粒子及び無機系超微粒子とは、無機物を主とした材料であれば特に制限はないが、例えば、アルミナ、酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化コバルト、アスベスト、正帯電性無機フィラー、酸化チタン、シリカ系、アルミノシリケート、結晶性石英、二酸化ケイ素等を挙げることができる。無機系微粒子及び無機系超微粒子の区別は、粒子の粒径により区別する。即ち、平均粒径1〜30μm、好ましくは1〜20μmを有するものを無機系微粒子と称し、平均粒径が1〜50nm、好ましくは1〜40nmの粒子を超微粒子と称する。無機系微粒子と無機系超微粒子は同じ物質であってもよく、異なるものであってもよい。また、本発明で使用する無機系微粒子の平均粒径は、前記の通りであるがフッ化ビニリデン系樹脂組成物から得られるフィルムの機械的強度を考慮して、フィルム厚さに対して平均粒径が3倍以下、更には1.2倍以下の無機系微粒子を用いることが好ましい。
【0008】
本発明の樹脂組成物において、フッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂の混合割合は、フッ化ビニリデン系樹脂30〜80重量部、好ましくは30〜70重量部と前記アクリル系樹脂70〜20重量部、好ましくは70〜30重量部(両者の合計は100重量部とする)である。更に、この混合樹脂100重量部に対して平均粒径1〜30μmの無機系微粒子1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部と該無機微粒子100重量部に対し、平均粒径が1〜50nmの無機系超微粒子を0.5〜10重量部、好ましくは1〜7重量部の割合で含有させることにより本発明のフッ化ビニリデン系樹脂組成物を得る。PVDFが30重量部に満たないと耐薬品性が不充分となる。また、80重量部を越えると積層体が伸ばされたときに、白化が発生することがある。混合樹脂に対して添加される無機系微粒子及び無機系超微粒子の添加割合が前記の範囲にあることにより、混合樹脂への無機系微粒子の均一な分散が行われ、結果として成形物表面層において無機微粒子の凝集による表面層の皺、フィッシュアイの発生が少ない光沢度の低い艶消し成形品を得ることができる。この際、無機系微粒子と無機系超微粒子の前記のような量的な組み合わせにより無機微粒子の樹脂への均一な分散が達成されることは特筆される。
【0009】
本発明のフッ化ビニリデン系樹脂組成物の製造は、各原料の所定量を一緒に混合してもよいし、予めフッ化ビニリデン系樹脂と無機系微粒子及び無機系超微粒子の所定量を混合しておき、これにアクリル系樹脂を混合してもよい。混合操作は公知の装置及び方法を用いる。例えば、ヘンシェルミキサー、V形混合機、円錐形スクリュー混合機、リボン型混合機又はニーダー等により混合し粉体状又は混合樹脂組成を溶融混練の後、ペレット状として樹脂組成物を得ることができる。
【0010】
更に上記樹脂組成物を通常の方法で、単層フィルムとして製膜し、他の樹脂からなる成形体にドライラミネートするか、共押出フィルム製造方法により本発明の樹脂組成物を表面層(第1層)としたフッ化ビニリデン系樹脂成形体を得ることができる。
【0011】
本発明の好ましい態様として、第1層に隣接してアクリル系樹脂からなる第2層を有するフッ化ビニリデン系樹脂成形体を挙げることができる。第2層を構成するアクリル系樹脂は、前記アクリル系樹脂から選ばれるがASTM D5026による粘弾性測定から求められるtanδのピーク値が好ましくは100〜150℃、更に好ましくは110〜150℃である。また、ASTMD638による破断伸度が好ましくは20%以上、更に好ましくは20〜200%である。tanδのピーク値が100℃未満の場合、耐熱性の低下により高温環境下で表面層の微少な皺が発生することがあり、ピーク値が150℃を越えると、特にインモールド成形を行う場合、熱変形がし難く、良好な成形品が得難くなることがある。アクリル系樹脂が上記破断伸度20%未満の場合、外力によるへこみ等の変形を受けた場合は割れが発生することがある。アクリル系樹脂からなる第2層は、積層体外部から受ける衝撃を吸収し、割れ、へこみの発生を防止すると共に、積層体の全体的或いは部分的伸びに対して歪みを分散し均一な伸びを生じさせる機能を有する。尚、第2層の樹脂には本発明の効果を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、抗酸化剤、安定剤、顔料、その他の添加剤を適宜添加してもよい。第1層に用いるアクリル系樹脂は第2層のアクリル系樹脂と同じであっても、異なっていても差し支えない。
第1層と第2層とを合わせた厚さは10〜300μm、更には20〜200μmが好ましい。
【0012】
本発明の好ましい態様として第2層の第1層と反対側の面に加飾層を設けた樹脂成形体とすることができる。加飾層としては、印刷加工層、塗装等を挙げることができる。印刷方法としてはプラスチックフィルムに印刷する一般的な方法が適用できる。更に、加飾層の第1層と反対側の面にインモールド成形やプレス成形等により熱可塑性樹脂からなる層を有する樹脂成形体を挙げることができる。
【0013】
熱可塑性樹脂としては、一般的な熱可塑性樹脂であれば制限はないが、例えば塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が用いられ、特にABS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等が成形性や価格の点で好ましい。なお、必要であれば前記加飾層と熱可塑性樹脂層の間に接着剤層を設けてもよい。
【0014】
本発明の樹脂成形体の製造は、通常、単層フィルムをそれぞれ製膜後熱ラミネートや接着剤によるドライラミネートで積層成形体を製造するか、又は共押出フィルム製造方法のTダイ方式又はサーキュラーダイ方式のいずれによっても可能である。第2層の片面に加飾層、例えば印刷加工を施す場合は、2層体をつくり、第2層の面に印刷を施した後、印刷面に他の熱可塑性樹脂を接着層を介し、又は介することなく積層する。
本発明の樹脂成形体である積層フィルムでは、表面層の厚さは1〜30μmの範囲であることが好ましく、第2層は10〜250μmの範囲が好ましい。また、第2層の片面に更に積層する熱可塑性樹脂からなる層は10μm〜3mmの範囲が好ましい。積層フィルム全体の厚さは特に制限はないが、50μm〜3mmが好ましい。
前記の配合割合で第1層のフッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂を混練し、別に第2層用のアクリル系樹脂を混練し、例えば、共押出法によりダイ内積層し、フッ化ビニリデン系樹脂組成物からなる表面層を有する艶消しのフッ化ビニリデン系樹脂成形体を得ることができる。得られた積層フィルムは充分な耐薬品性(可塑剤などを含む他の樹脂からなる成形品と表面層との融着が起こり難いこと)、及び耐熱性(表面層に微少皺が発生し難いこと)を有する。これらの樹脂成形体を真空成形、次いで射出成形することにより、又は前記第2層のアクリル樹脂層に印刷し加飾層とし、この加飾層側に熱可塑性樹脂層をラミネートした樹脂成形体を真空成形し、所定の成形体を得ることができる。真空成形時などの加熱成形時、樹脂フィルムは部分的に、20〜500%の伸張変形して成形されることが好ましい。本発明の樹脂組成物は、特に艶消しの自動車内外装材料等に好適に用いられる。
【0015】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、評価方法は以下のように行った。
破断伸度:ASTM D638に従って測定した。
tanδのピーク値の温度:ASTM D5026に従い、レオメトリックス社製、RSA−IIを用いて行った。
耐熱性を示す試験:100℃の乾燥空気中に500時間放置後、表面の皺の状態を観察する。
耐薬品性を示す試験:可塑剤(DOP)を70重量部含有したPVCシート(300μm厚)を110℃で4時間、サンプル表面に静置する。その後、シートを剥がしてサンプル表面に接着するかどうかを判定する。
衝撃試験:重さ500gで先端がφ5mmの半球形状の落錘を高さ30mmから自由落下させ、表面に亀裂、割れが発生するかどうかを目視判定した。○:亀裂又は割れなし、×亀裂又は割れあり。
インモールド成形時の白化:真空成形時の100%程度の延伸変形を受けた部分の白化を目視判定した。○:白化なし、×:白化あり。
光沢度:JIS Z8741に従って、光沢計(日本電色工業(株)製、VG2000)を用いて測定した。
表面分散性:試料フィルムを2m2抜き取り、市販の大蔵省夾雑物図表を使用し、凝集物を目視で測定する。0.3〜0.5mm2の凝集物が2m2当たり5個以下及び0.5mm2を越える凝集物がない場合、良好とし、この条件を満たさぬとき凝集物有りとした。
無機微粒子の平均粒径:200mlビーカーに試料0.5gをとり、脱イオン水100mlを加え撹拌しながら超音波をかけて2〜3分間分散させる。これを粒径分布測定機(コールターカウンタ:コールター社製)にて測定し、累積分布図から平均粒径を求める。無機超微粒子の平均粒径も同様な方法で測定した。
尚、本発明の成形品の無機微粒子及び超微粒子については成形品の樹脂成分を溶剤で溶かし、残った無機微粒子及び超微粒子の平均粒径を上記の方法で測定するか、成形品を薄切片とし透過型電子顕微鏡により、粒径を測定し累積分布図から平均粒径を求める。
【0016】
(実施例1)
PVDF(呉羽化学工業(株)製、KF#1000、)50重量部とアクリル樹脂(住友化学化学工業(株)製、スミペックスME、MI=7、MMA;95重量部)50重量部、この混合樹脂100重量部に対し無機系微粒子としてシリカ系微粒子(平均粒径:5μm)を7重量部、無機系微粒子100重量部に対してシリカ系超微粒子(平均粒径:7nm)2重量部(混合樹脂100重量部に対して0.14重量部)からなる第1層を以下のように調製した。
前記PVDFパウダーに前記シリカ系微粒子及びシリカ系超微粒子を所定量加え、ヘンシェルミキサーにより分散混合した。この混合樹脂を50mm単軸押出機で押出機温度220℃でペレット化した。このペレットと前記アクリル樹脂とを混合しながら40mm押出機(L/D=22,フルフライトタイプ)で温度230℃で溶融し第1層用樹脂とし、アクリル系樹脂(住友化学工業(株)製、スミペックスHT−55X、MI=2、破断伸度70%、tanδのピーク値133℃)単体を90mm押出機(L/D=26、フルフライトタイプ)で押出機温度250℃で融解し第2層用樹脂とした。これらをそれぞれ加熱された導管により、マルチマニフォールドタイプの幅1000mmの2層ダイに連結し、ダイ内で2層を積層し押出した。押出した2層構成溶融体を80℃に加熱した金属鏡面ロールで冷却しながら全厚みが80μm(第1層厚さ10μm)のフィルム状に引き取った。そのフィルムの第2層のアクリル系樹脂層側にグラビア印刷により、木目調の印刷を施した。次に、印刷されたフィルムを射出用の成形金型にインサートし、130℃に加熱しながら真空で引き、予め所定の形状に予備成形(約100%程度の伸張変形を受ける)した。予備成形後、160℃に溶融した茶色に着色されたABS樹脂を金型内に射出成形した。ABS樹脂の厚みは3mmであった。得られた成形体の層構成、樹脂性状の測定結果、耐薬品性、耐熱性、衝撃試験及びインモールド成形時の白化の評価結果を表1に示した。
【0017】
(比較例1)
実施例1において、シリカ系超微粒子の添加量を無機系微粒子100重量部に対して0.3重量部としたことを除き、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
Figure 0004462738
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、耐薬品性を有する表面層を有し、高温環境下で表面層に微少な皺が発生し難く、耐熱性を有し、且つ、無機微粒子が均一に分散した艶消しフッ化ビニリデン系樹脂成形体、特に自動車等車輌の内外装材料に好適な艶消しフッ化ビニリデン系樹脂フィルムを提供することができる。

Claims (10)

  1. フッ化ビニリデン系樹脂30〜80重量部、アクリル系樹脂20〜70重量部(両者の合計は100重量部とする)からなる混合樹脂100重量部と平均粒径1〜30μmの無機系微粒子1〜30重量部、平均粒径が1〜50nmの無機系超微粒子を該無機系微粒子100重量部に対し0.5〜10重量部の割合で含有するフッ化ビニリデン系樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の樹脂組成物からなる表面層である第1層を有するフッ化ビニリデン系樹脂成形体。
  3. 第1層に隣接して、ASTM D5026による粘弾性測定から求められるtanδのピーク値が100〜150℃であるアクリル系樹脂からなる第2層を有する請求項2記載のフッ化ビニリデン系樹脂成形体。
  4. アクリル系樹脂がASTM D638による破断伸度が20%以上である請求項3記載のフッ化ビニリデン系樹脂成形体。
  5. 第2層の第1層と反対側の面に加飾層を有することを特徴とする請求項3又は4記載のフッ化ビニリデン系樹脂成形体。
  6. 加飾層の第1層と反対側の面に熱可塑性樹脂からなる層を有する請求項5記載のフッ化ビニリデン系樹脂成形体。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載のフッ化ビニリデン系樹脂成形体からなり、加熱成形時に20〜500%の伸張変形を受けた成形体。
  8. 第1層の厚さが1〜30μmである請求項7記載の成形体。
  9. 自動車等車輌、家具、建材、電気製品の部品である請求項8記載の成形体。
  10. フッ化ビニリデン系樹脂30〜80重量部、アクリル系樹脂20〜70重量部(両者の合計は100重量部とする)からなる混合樹脂100重量部と平均粒径1〜30μmの無機系微粒子1〜30重量部、平均粒径が1〜50nmの無機系超微粒子を該無機系微粒子100重量部に対し0.5〜10重量部の割合で添加し、溶融混練することを特徴とする請求項1記載のフッ化ビニリデン系樹脂組成物の製造方法。
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