JP2000301202A - 丸棒鋼製品の圧延方法およびブロック圧延機 - Google Patents

丸棒鋼製品の圧延方法およびブロック圧延機

Info

Publication number
JP2000301202A
JP2000301202A JP11105474A JP10547499A JP2000301202A JP 2000301202 A JP2000301202 A JP 2000301202A JP 11105474 A JP11105474 A JP 11105474A JP 10547499 A JP10547499 A JP 10547499A JP 2000301202 A JP2000301202 A JP 2000301202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stand
rolling
pass
rolls
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11105474A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3386001B2 (ja
Inventor
Takashi Kuboki
孝 久保木
Koichi Kuroda
浩一 黒田
Kihachi Ikebe
喜八 池部
Eiji Honda
英二 本田
Ryuji Tashiro
龍次 田代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP10547499A priority Critical patent/JP3386001B2/ja
Publication of JP2000301202A publication Critical patent/JP2000301202A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3386001B2 publication Critical patent/JP3386001B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】入側1サイズから複数サイズの製品を作り分け
る際、圧延ロール交換を必ずしも必要とせず、交換時で
も段取り替え時間が少なくて済むだでなく、必要に応じ
て精密圧延とサイズフリー圧延が可能な丸棒鋼製品の圧
延方法とその方法に用いて好適なブロック圧延機を提供
する。 【解決手段】第1パスの基準減面率をR1B(%)および
実際の減面率をR1=(R1B±X)(%)としたとき、
を目標製品径に応じてXを2%超え10%以下の範囲内
で調整するとともに、実際の減面率R1 の増減に応じて
第2パス入側のガイドローラ間隔を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、丸棒鋼製品の仕上
圧延方法に係わり、より詳しくは、仕上圧延機入側1サ
イズに対して、広範囲の製品サイズを作り分ける方法と
この方法に用いて好適なブロック圧延機に関する。
【0002】
【従来の技術】断面形状が円形の金属材料、例えば各種
の金属材料を母材とする線材や棒材などは、圧延などの
「1次加工」によって所望の寸法(直径)に仕上げられ
た後、さらに、所謂「2、3次加工」が施されて所望の
形状を有する種々多様の最終的な産業用製品に仕上げら
れる。このため、「1次加工」においても仕上げ圧延後
の断面円形の金属材料に対しても様々な寸法の需要があ
る。
【0003】上記の需要に応えるための従来の一般的な
仕上げ圧延方法としては、次の方法がある。図10は、
その方法に用いられるブロック圧延機の一例を示す模式
的側面図で、以下の特徴を有している。
【0004】(a) 圧下方向を90゜位相させて連続配置
した偶数個の2ロールスタンド#1〜#nからなってい
る。
【0005】(b) 各スタンド#1〜#nの圧延ロール1
a〜1nは、図示は省略したが、歯車伝達装置などを介
して単一のモータで回転駆動されるようになっている。
【0006】(c) 歯車伝達装置のギヤ比は、第1スタン
ド#1から順に一定の比で圧延ロールの外周速が増速さ
れるように設定されている。
【0007】なお、増速比γは、一般的に、1.15〜
1.35に設定され、各パスでの標準減面率RB (%)
は下記の式で定義される。例えば、増速比γが1.2
5の場合の標準減面率RB は20%になる。
【0008】 RB =(1−1/γ)×100(%) ・・・・ (d) 奇数番目のスタンドにはオーバル孔型の圧延ロー
ル、偶数番目のスタンドにはラウンド孔型の圧延ロール
が配設されている。
【0009】(e) 製品は、それぞれのラウンド孔型を有
する偶数番目のスタンドにて途中仕上げを行えば異なる
外径の製品が得られるので、同一の入側寸法に対して得
られる仕上げ寸法の種類は全スタンド数の半数になる。
【0010】ここで、オーバル孔型とは、図11の
(a)に示すように、楕円形の孔型で、溝幅bが天地寸
法hの1.5倍以上の孔型を指す。また、ラウンド孔型
とは、図11の(b)に示すように、溝底が真円円弧
で、その両側の角度θの領域が真円円弧の曲率半径より
も大きい曲率の円弧の逃がし部からなる孔型で、溝幅b
が天地寸法hの1.5倍未満の孔型を指す。
【0011】以下、図12を参照してその具体例につい
て説明する。図12に示す例は、スタンド数nが8つの
場合であり、下流側(図中の右方)の圧延ロールを2セ
ットずつ取り外すことによって仕上げ寸法を変更するこ
とができる。例えば、仕上圧延機の入側寸法(外径)が
20mmの場合、製品の外径を、同図(a)では8.2
mm、同図(b)では10.2mm、同図(c)では1
2.8mm、同図(d)で16.0mmに仕上げること
ができる。
【0012】しかし、この方式には、仕上げ寸法を変更
する際の段取り替えに長時間を要することと、中間サイ
ズの製品の圧延ができないという問題がある。
【0013】上記の問題点は、図13に示すような仕上
げ圧延機を用いれば、一応解消される。その理由は、歯
車伝達装置13の中に組み込まれた歯車の数が多く、そ
のギア比の組合せが多いためである。例えば、図に示す
ように、モータ12との連結部である駆動ギアチェンジ
部11a、第1圧延ロール1aと第2圧延ロール1b間
のギアチェンジ部11b、および第3圧延ロール1cと
第4圧延ロール1d間のギアチェンジ部11cの1軸当
たりの歯車枚数がいずれも4枚1セットで、そのギア比
の組合せがそれぞれ4通りの場合では、設定し得るギヤ
比の組合せは4の3乗の64通りになる。このため、ギ
ヤ比に応じた減面率の設定が64通りに設定できるの
で、入側寸法1サイズに対して64サイズの製品に作り
分けることが可能である。
【0014】また、偏径差の小さい製品を得るために、
最終のスタンドユニット15に組み込まれた第3圧延ロ
ール1cと第4圧延ロール1dの両方をラウンド孔型と
し、このスタンドユニット15をサイジングパスに用い
る場合には、精密圧延に用いた圧延ロールを交換するこ
となく、その圧下位置を無段階に調整することによって
仕上げ寸法を無段階に変更できるので、いわゆるサイズ
フリー圧延も可能である。さらに、スタンドユニット1
4と15が着脱自在であるために、圧延ロールを交換す
る場合でも、その段取り替え時間が短くて済む。
【0015】しかし、この方法は、設定可能なギヤ比の
組合せを多くするために、ギヤチェンジ部11a〜11
cを含めた歯車伝達装置13の構造が複雑となり、設備
が高価になる。また、サイズ変更に応じたギヤチェンジ
部11a〜11cのギヤポジションの変更が煩雑で、作
業性が悪いという欠点がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ば、設定可能なギヤ比の組合せが1〜8通りと少なく、
歯車伝達装置の構造が簡素な圧延機であるにもかかわら
ず、入側寸法1サイズに対して複数サイズの製品を作り
分けることが可能であり、しかも圧延ロール交換時の段
取り替え時間が少なくて済むだけでなく、必要に応じて
精密圧延とサイズフリー圧延が可能な丸棒鋼製品の圧延
方法とその方法に用いて好適なブロック圧延機と圧延設
備列を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)の丸棒鋼製品の圧延方法と、下記(2)のブロッ
ク圧延機にある。
【0018】(1)入側にガイドローラを備える2ロー
ルスタンドの圧下方向を90゜位相させて連続的に4ス
タンド以上を配置したブロック圧延機を用いて丸棒鋼製
品を圧延する方法において、第1パスの基準減面率をR
1B(%)および実際の減面率をR1 =(R1B±X)
(%)としたとき、目標製品径に応じてXを2%超え1
0%以下の範囲内で調整するとともに、実際の減面率R
1 の増減に応じて第2パス入側のガイドローラ間隔を調
整する丸棒鋼製品の圧延方法。
【0019】(2)入側にガイドローラを備える2ロー
ルスタンドの圧下方向を90゜位相させて4スタンドが
連続的に配置されたブロック圧延機であって、隣り合う
奇数番目と偶数番目の圧延ロールがギア比一定の歯車で
連結され、これらの歯車がギア比の組み合わせが1また
は2通りのギアチェンジ部を介して単一の駆動用のモー
タに連結されており、少なくとも第3スタンドと第4ス
タンドの圧延ロールが共通のスタンドに固定的に配置さ
れたスタンドユニットになっており、このスタンドユニ
ットが孔径の異なる孔型を有する圧延ロールが組み込ま
れた別のスタンドユニットに交換可能とされているブロ
ック圧延機。
【0020】上記(1)の本発明の方法においては、目
標製品径に応じて最終スタンドまたは最終2スタンドの
圧延ロールを、孔径が異なる孔型を有する圧延ロールに
スタンドごと交換するのが好ましい。この場合、圧延ロ
ールの交換に要する段取り替え時間の短縮化が図れ、特
に最終2スタンドを交換する場合にはより広範囲なサイ
ズフリー圧延と精密圧延が可能である。また、素材の外
径に応じて、第1スタンドと第2スタンドの圧延ロール
を孔径が異なる孔型を有する圧延ロールにスタンドごと
交換するようにしてもよい。
【0021】上記(2)のブロック圧延機は、隣り合う
奇数番目と偶数番目の圧延ロールを連結するギア比一定
の歯車をスタンドユニット側に配置し、その歯車をギア
比一定ではあるが異なるギア比の歯車にするのが好まし
く、この場合にはより広範囲なサイズフリー圧延を行う
際に必要なギア比変更が段取り替えと同時にできる。ま
た、交換すべき別のスタンドユニットに組み込まれた第
3スタンドと第4スタンドの圧延ロールをサイジングパ
ス用とし、この両スタンドの圧延ロールを近接配置する
のが好ましく、この場合には両スタンド間における材料
旋回(倒れ)が抑制されるので精密圧延を行うことがで
きる。
【0022】さらに、第1スタンドと第2スタンドの圧
延ロールについても共通のスタンドに固定的に配置され
たスタンドユニットとし、このスタンドユニットを孔径
が異なる孔型を有する圧延ロールが組み込まれた別のス
タンドユニットに交換可能なようにするのが好ましく、
この場合には素材の外径変更に迅速に対応することが可
能である。
【0023】なお、本発明において用いる上記のブロッ
ク圧延機とは、上記の(1)に記載したように、単一の
モータを有し、隣り合う2つのスタンドの圧延ロールの
軸心間距離が、例えば1000mm以下と短く、しかも
相い隣合う奇数番目と偶数番目の圧延ロールの回転数比
がギヤ比一定の歯車で連結されていて不変の圧延機のこ
とをいう。
【0024】また、基準減面率とは、ブロック圧延機の
第1スタンドと第2スタンド間の増速比から、前述した
式によって計算される減面率のことをいう。
【0025】上記の本発明は、次に述べる知見に基づい
て完成させた。
【0026】本発明者らは、上記の目的を達成するため
に、次に述べる実験を行った。すなわち、その実験は、
図14に示すように、1つのモータ12で駆動され、各
スタンド間の増速比が一定の4スタンド#1〜#4から
なる仕上圧延機による圧延方式(以下、コモンドライブ
タイプという)と、図15に示すように、各スタンド#
1〜#4の圧延ロール1a〜1dがそれぞれのモータ1
2、…で駆動され、各スタンド間にルーパ23、…が配
置された仕上圧延機による圧延で、各スタンド間の張力
が零になるように各モータ12、…の回転数を制御する
圧延方式(以下、インディヴィジュアルタイプという)
との比較圧延である。
【0027】その結果、下記A〜Dのことが判明した。
【0028】A.入側材料寸法と出側材料断面積の関係 インディヴィジュアルタイプでは、入側材料21の寸法
が多少、具体的には外径比で10%程度変化しても、出
側材料22の断面積はほとんど変化しない。これに対し
て、コモンドライブタイプでは、入側材料21の寸法変
化に応じて出側材料22の断面積が変化する。また、コ
モンドライブタイプの場合、入側材料21の寸法を小さ
くすると、スタンド間張力が引張側に移行し、出側材料
22の断面積が小さくなり、逆に、入側材料21の寸法
を大きくすると、スタンド間張力が圧縮側に移行し、出
側材料22の断面積が大きくなる。
【0029】B.第1パス減面率と出側材料断面積の関
係 インディヴィジュアルタイプでは、第1パス(#1)の
圧下量を多少、具体的には外径比で10%程度減面率を
変化させても、出側材料22の断面積はほとんど変化し
ない。これに対して、コモンドライブタイプでは、第1
パスの圧下量を操作して減面率を変化させると、これに
応じて出側材料22の断面積が変化する。また、コモン
ドライブタイプの場合、第1パスの減面率を大きくする
と、スタンド間張力が引張側に移行し、出側材料22の
断面積が小さくなり、逆に、第1パスの減面率を小さく
すると、スタンド間張力が圧縮側に移行し、出側材料2
2の断面積が大きくなる。
【0030】C.ギヤ比と出側材料断面積の関係 コモンドライブタイプでは、歯車伝達装置のギヤ比の異
なる仕上圧延機を用いて圧延を実施したところ、スタン
ド間の増速比が大きいほど出側材料22の断面積が小さ
くなり、逆に、スタンド間の増速比が小さいほど出側材
料22の断面積が大きくなる。これは、各スタンドの減
面率が前述の式によって決まるためである。
【0031】D.第1パスと最終パス(#4)を除く中
間パス(#2と#3)の減面率と出側材料断面積の関係 コモンドライブタイプでは、中間パス(#2と#3)の
減面率を多少、具体的には外径比で10%程度減面率を
変化させると、スタンド間張力が大きく変化するもの
の、出側材料22の断面積はほとんど変化しない。ま
た、コモンドライブタイプの場合、上記Aの特性を利用
すると、第1パスで出側材料22の断面積を制御し、こ
の過程で生じたスタンド間張力のアンバランスを中間パ
スの減面率を変えることにより取り除くことができる。
【0032】ところで、前述した従来方法のうちの後者
の方法は、上記A〜D中のCに記載したコモンドライブ
タイプの特性Cそのものを利用した方法であり、この方
法によれば、前述したように、歯車伝達装置13(前述
の図13参照)内のギヤ比の組合せが64通りの場合に
は減面率の設定が64通り可能で、入側寸法1サイズか
ら64サイズの製品を作り分けることができるが、設備
が高価で、しかもサイズ変更に応じたギヤポジションの
変更が煩雑で作業性が悪いという欠点がある。
【0033】そこで、本発明では、上記A〜D中のBに
記載したコモンドライブタイプの特性に注目し、この特
性Bを積極的に利用、具体的には第1パスでの減面率を
積極的に変更することによって入側寸法1サイズから複
数サイズの製品に作り分けるための次の2つの実験を試
みた。
【0034】すなわち、第1の実験は、各スタンドの入
側にガイドローラ2a〜2d(後述の図1〜図3参照)
を備え、スタンド間の増速比が1.25の4スタンドブ
ロック圧延機を用い、第1パスの基準減面率が20%に
なるように第1スタンドの圧延ロール間隔を調整する一
方、図16の(a)に示すように、第2パス入側のガイ
ドローラ2bが第1パス後の材料3にフィットするよう
にその間隔を調整して一定に保持した状態で、第1パス
の圧延ロール間隔を変化させることにより第1パスの減
面率を増減させて圧延を行う実験である。
【0035】その結果、入側寸法1サイズから複数サイ
ズの製品に作り分けるのに十分な上記の特性Bの効果を
得るためには、第1パスの減面率を基準減面率よりも±
2%超える量だけ増減する必要がある。しかし、第1パ
スの減面率を基準減面率よりも2%以上大きくすると、
図16の(b)に示すように、第2パス入側のガイドロ
ーラ2bの間隔よりも材料3の方が小さくなり、第2パ
スの圧延で材料倒れが生じ、製品に疵が発生するように
なった。また、第1パスの減面率を基準減面率よりも2
%以上小さくすると、図16の(c)に示すように、第
2パス入側のガイドローラ2b間で材料3が過充満して
製品にガイドローラ2bとの接触で生じたと思われる疵
が発生したり、著しい場合はガイドローラ2b自体が破
損することがあった。
【0036】したがって、入側寸法1サイズから複数サ
イズの製品に作り分けためには、第1パスの減面率を基
準減面率よりも±2%超増減するとともに、第2パス入
側のガイドローラ2bの間隔を調整する必要があること
が判明した。
【0037】第2の実験は、第1の実験に用いたのと同
じブロック圧延機を用い、第1〜第4パスの減面率が2
0%になるよう各パスの圧延ロール間隔を設定してこれ
を基準条件とし、この基準条件から、第1パス減面率を
変更する時は、第1パス出側の材料3の形状に応じて第
2パス入側のガイドローラ間隔を調整するともに、第2
と第3パスの減面率が常に20%一定となるようにその
圧延ロール間隔を調整した状態で圧延を行う実験であ
る。
【0038】なお、上記の実験において、第2と第3パ
スの減面率を常に20%一定としたのは、前述のコモン
ドライブの特性Cにより生じるスタンド間張力のアンバ
ランスを取り除くためである。
【0039】その結果、第1パスの減面率を、材料3が
炭素鋼の場合では基準減面率よりも10%超、すなわち
30%超、幅広がりの大きいステンレス鋼やチタン合金
では基準減面率よりも7%超、すなわち27%超にする
と、第1パスで材料噛出しが発生し、製品にかぶれ疵が
発生した。また、材料3の材質にかかわらず、第1パス
の減面率を、基準減面率よりも10%超小さい10%未
満にすると、第2パスで材料噛出しが発生し、上記と同
様に、製品にかぶれ疵が発生した。
【0040】したがって、第1パスの減面率は、基準減
面率に対して±10%以下の範囲内にする必要のあるこ
とが判明した。
【0041】すなわち、第1パスの基準減面率をR
1B(%)および実際の減面率をR1 =(R1B±X)
(%)としたとき、実際の減面率R1 を目標製品径に応
じてXを2%超え10%以下の範囲内で調整するととも
に、実際の減面率R1 の増減に応じて第2パス入側のガ
イドローラ2bの間隔を調整すれば、入側寸法1サイズ
から複数サイズの製品に作り分けることが可能であるこ
とを知見した。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法について、図
1〜7を参照して詳細に説明する。
【0043】図1は、本発明の方法に用いるブロック圧
延機の基本的な構成例を示す模式図であり、4つ(5つ
以上でもよい)の2ロールスタンド#1〜#4が圧下方
向を相互に90゜ずらせて連続的に配置されており、各
スタンドの入側にはガイドローラ2a〜2dが配置され
ている。
【0044】上記ブロック圧延機を構成する各スタンド
の圧延ロール1a〜1dの孔型は、図1に示すように、
原則として、奇数番目のスタンドがオーバル孔型、偶数
番目のスタンドがラウンド孔型とされている。また、各
ガイドローラ2a〜2dは、例えば、図1に示すよう
に、上下または左右方向から材料3を拘束し、材料3の
軸心をパスラインLに一致させるようになっている、ま
た、そのローラ間隔は、材料3の寸法に応じて調整自在
とされている。
【0045】上記のように構成されたブロック圧延機を
用い、入側寸法が同じ素材から複数種の外径の製品を製
造する。その際、本発明の方法においては、スタンド#
1の圧延ロール1aによる第1パスの基準減面率をR1B
(%)および実際の減面率をR1 =(R1B±X)(%)
としたとき、第1パスの実際の減面率R1 を目標製品径
に応じてXを2%超え10%以下の範囲内で調整すると
ともに、実際の減面率R1 の増減に応じてスタンド#2
(第2パス)の入側に配置されたガイドローラ2bの間
隔を調整する必要がある。その理由は、前述した通りで
ある。
【0046】第2パス以降のスタンドの圧延ロール1
b、1cおよび1dは、予め定められた一定の減面率に
なるように、そのロールの間隔が第1パス後の材料3の
径に応じて調整される。また、最終の仕上げスタンド#
4の圧延ロール1dは、目標とする製品径が得られるよ
うにそのロール間隔が設定される。
【0047】その際、目標とする製品径が小さく、最終
の仕上げスタンド#4の圧延ロール1dで目標とする製
品が得られない場合には、図2に示すように、最終の仕
上げスタンド4aが、孔径が小さい孔型を有する圧延ロ
ールが組み込まれた仕上げスタンド4bに交換される。
この時、スタンドごと交換するのでなく、圧延ロールの
みを交換するようにしてもよいが、交換に長時間かかる
ので、スタンドごと交換するのが好ましい。
【0048】また更に、目標とする製品径がより小さ
く、最終とその前の2つのスタンドに予め組み込まれた
圧延ロール1dと1cとでは目標とする製品が得られな
い場合には、図3に示すように、孔径がより小さい孔型
を有する2スタンド分の圧延ロールが組み込まれたスタ
ンドユニット5a、または孔径がさらにより小さい孔型
を有する2スタンド分の圧延ロールが組み込まれたスタ
ンドユニット5bに交換される。この場合も上記と同様
に、スタンドユニットごと交換するのでなく、圧延ロー
ルのみを交換するようにしてもよいが、交換に長時間か
かるので、スタンドユニットごと交換するのが好まし
い。
【0049】なお、第2パスを行うスタンド#2の入側
に配置されたガイドローラ2bのローラ間隔調整は、遠
隔操作で行ってもよいし、油圧を用いて材料3にガイド
ローラを自動的に一定面圧で押しつけるようにしてもよ
い。
【0050】図4〜図6は、本発明の方法を実施する際
に用いて好適な4スタンドからなるブロック圧延機の具
体的な構成例を示す図で、いずれのブロック圧延機も、
前述の図15に示す従来のブロック圧延機とは異なって
いる。すなわち、第1スタンド#1の圧延ロール1aと
第2スタンド#2の圧延ロール1bは、交換不要なよう
にベーススタンドに固定的に配置されており、最終の第
4スタンド#4とその前の第3スタンド#3の2つの圧
延ロール1cと1dのみが共通のスタンドに組み込まれ
たスタンドユニットになっていてこのスタンドユニット
ごと自在継手18を介して交換自在に構成されている。
【0051】また、第1スタンド#1の圧延ロール1a
と第2スタンド#2の圧延ロール1b、および第3スタ
ンド#3の圧延ロール1cと第4スタンド#4の圧延ロ
ール1dは、1軸当たり1枚1セットで、そのギア比の
組合せがそれぞれ1通りのギア連結部16bおよび16
cにより連結されており、単一の駆動用のモータ12と
の連結が、1軸当たり1枚1セットまたは2枚1セット
の歯車で連結されていてそのギア比の組合せが1または
2通りと極めて簡単な駆動ギアチェンジ部16a(図4
と図6)または160a(図5)からなる歯車伝達機構
で接続されている。
【0052】そして、図5と図6に示すブロック圧延機
は、第3スタンド#3の圧延ロール1cと第4スタンド
#4の圧延ロール1dを連結するギア比一定のギア連結
部16cがスタンドユニット50aの側に設けられてい
る。このように、ギア連結部16cをスタンドユニット
50aの側に配置する場合には、孔径が小さい孔型を有
する圧延用の第3スタンド#3の圧延ロール10cと第
4スタンド#4の圧延ロール10dを、ギア比は一定で
あるが上記とは異なるギア比のギア連結部26cで連結
されたスタンドユニット50bと交換でき、より広範囲
なサイズフリー圧延が可能である。
【0053】また、孔径がさらに小さい孔型を有する圧
延用の第3スタンド#3の圧延ロール100cとサイジ
ングパス用の第4スタンド#4の圧延ロール100d
を、さらに異なるギア比のギア連結部36cで連結され
たスタンドユニット50cと交換できるようにもなって
おり、この場合には精密圧延を行うことが可能である。
【0054】なお、スタンドユニット50cの第4スタ
ンド#4の圧延ロール100dは、図に示すように、第
3スタンド#3の圧延ロール100cに対して近接配置
されていて両スタンド間における材料旋回(倒れ)が抑
制できるようになっており、これによってサイジング効
果を高め得るようになっている。ここで、第3スタンド
と第4スタンドの圧延ロールの間隔は、仕上げるべき製
品径の50倍以下、より好ましくは30倍以下にするの
がよい。
【0055】図7は、本発明の方法を実施する際に用い
てより好適な4スタンドからなるブロック圧延機の具体
的な構成例を示す図である。このブロック圧延機は、図
に示すように、第3スタンド#3と第4スタンド#4の
2つの圧延ロール1cと1dだけでなく、第1スタンド
#1と第2スタンド#2の2つの圧延ロール1aと1b
も共通のスタンドに組み込まれた上記と同様のスタンド
ユニット60aになっている。
【0056】そして、このスタンドユニット60aご
と、孔径が異なる孔型(通常は上記の圧延ロール1a、
1bの孔型径よりも大きくされる)を有する第1スタン
ド#1用の圧延ロール10aと第1スタンド#1用の1
0bとが組み込まれたスタンドユニット60bと交換自
在なように自在継手18を介して歯車伝達装置13に接
続されている。
【0057】ここで、スタンドユニット60aをスタン
ドユニット60bと交換した場合、図に示すように、第
3スタンド#3と第4スタンド#4のスタンドユニット
50aをスタンドユニット60aと交換してもよい。ま
た、スタンドユニット60aは、スタンドユニット60
bに代えてスタンドユニット50aまたはスタンドユニ
ット50bと交換するとともに、第3スタンド#3と第
4スタンド#4には、前者の場合はスタンドユニット5
0b、後者の場合はスタンドユニット50cをセットす
るようにしてもよい。
【0058】なお、図7に示すブロック圧延機は、圧延
ロール1aと1bおよび10aと10bを連結するギア
連結部16bおよび26bがスタンドユニットの側に設
けられているが、このギア連結部16bおよび26b
は、図4に示したブロック圧延機のように、歯車伝達装
置13の側に設けてもよい。
【0059】このように、第1スタンド#1と第2スタ
ンド#2をもスタンドユニットにした場合には、素材の
外径変更に迅速に対応することが可能である。また、素
材の外径によっては、上記したように、第3スタンド#
3と第4スタンド#4用のスタンドユニット50a、5
0bなどが共用でき、スタンドユニットの保有数が少な
く済むという利点がある。
【0060】なお、上記スタンドユニットの交換は、例
えば、ミルラインの側方にミルラインと平行な方向へ往
復移動自在な台車を設ける一方、この台車上にミルライ
ンに対して接離動自在なスタンドユニットの供受機能を
備えた稼働台を配置し、この稼働台上に交換すべきスタ
ンドユニットを搭載することで、その交換を迅速に行う
ことができる。
【0061】上記のように構成されたブロック圧延機を
用いる場合には、スタンドユニット5aまたは50aを
5bまたは50b、さらには5cまたは50cに交換す
るのに加え、図4と図6に示すブロック圧延機では駆動
ギアチェンジ部16aの極めて簡単な切り替え操作のみ
で各スタンドの圧延ロール回転数比を変えることがで
き、第1パスの実際の減面率R1 を前述した範囲内で増
減することとの相乗作用によって、入側1サイズの素材
から、従来のブロック圧延機に匹敵する広い範囲の寸法
を有する寸法精度の高い製品を製造することが可能にな
る。
【0062】また、図7に示すブロック圧延機を用いる
場合には、素材の外径変更に迅速に対応することができ
るので、生産性が向上するほかスタンドユニットの保有
数低減が図れる。
【0063】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果を実証す
る。
【0064】《実施例1》通常の方法で溶製、分塊圧延
して作製したJIS G 4051に規定されるS45
C製のビレットを、通常の方法によって前段の粗圧延機
と中間圧延機で圧延し、外径20mmの素材を準備し
た。また、ブロック圧延機としては、図1に示す圧延機
で、スタンド間の増速比が1.25の4スタンドブロッ
ク圧延機を準備した。
【0065】そして、下記の条件で仕上げ圧延を行い、
偏径差が0.20mm以下で、かつ疵のない製品が仕上
げ圧延可能な製品径の範囲を調査し、その結果を表1と
図7に示した。
【0066】圧延条件:第1パスの減面率R1 を基準減
面率R1B20%の±12%の範囲、すなわち、8〜32
%の範囲で変更し、第1パス出側の材料3の形状に応じ
て第2パス入側のガイドローラ2bの間隔を調整する一
方、第2パスと第3パスの減面率が常時20%になるよ
うにその圧延ロール間隔を調整しながら圧延する。
【0067】この時、第1パスと第3パスの圧延ロール
はオーバル孔型、第2パスと第4パスの圧延ロールはラ
ウンド孔型とし、第2パスのラウンド孔型は逃がし部が
大きく、縦横比b/h(図5の(b)参照)が1.4
0、第4パスのラウンド孔型は逃がし部が小さく、縦横
比b/hが1.05になるものを用いた。
【0068】また、第1〜第3パスの各圧延ロールは、
圧延条件により交換することなく、第4パスの圧延ロー
ルのみを製品寸法に応じた孔径で縦横比b/hが1.0
5のラウンド孔型を有する圧延ロールに変更した。
【0069】なお、第2パスと第3パスの減面率を20
%に合わせたのは、前述のコモンドライブの特性Cによ
るスタンド間張力のアンバランスを取り除くためであ
る。
【0070】
【表1】
【0071】表1と図8に示す結果からわかるように、
第1パスの減面率R1 を8%にした場合には、外径1
3.73mmの製品が得られたが、偏径差が0.21m
mであり、しかも第2パスの圧延時に発生したと思われ
る疵が確認された。また、第1パスの減面率R1 を32
%にした場合には、外径11.80mmの製品が得られ
たが、偏径差が0.22mmであり、第1パスの圧延時
に発生したと思われる疵が確認された。
【0072】これに対し、第1パスの減面率R1 を本発
明で規定する範囲内の10〜15%および25〜30%
にした場合、前者では偏径差が0.16〜0.17mm
で、かつ疵のない外径13.58〜13.19mmの製
品、後者では偏径差が0.15〜0.17mmで、かつ
疵のない外径12.39〜11.97mmの製品が得ら
れた。
【0073】上記の結果は、本発明の方法によれば、許
容偏径差が0.20mm以下で、かつ疵のない外径1
1.97〜13.58mmの範囲内の製品を、第4パス
用に保有している圧延ロール数の数分だけ、入側1サイ
ズ(20mm)の素材から段階的に作り分けることがで
きることを意味している。
【0074】なお、表1中、第1パスの減面率R1 を2
0%にした例はX=0で従来例であり、この場合には許
容偏径差0.20mm以下の製品として外径が12.8
0mmの1種類しか製造できないことを意味している。
【0075】《実施例2》上記の実施例1は、製品寸法
に応じて第4パスの圧延ロールのみを交換したため、そ
の段取替えに20分を要した。そこで、本実施例では、
圧延ロール交換に要する段取替え時間を省略するため
に、第4パスの圧延ロールを、逃がし部が大きく、縦横
比b/hが1.40のラウンド孔型を有するものにし
た。
【0076】そして、製品径がかわっても第4パスの圧
延ロールを交換しなかった以外は実施例1の条件と同じ
条件で仕上げ圧延を行い、偏径差が1.0mm以下で、
かつ疵のない製品が仕上げ圧延可能な製品径の範囲を調
査し、その結果を表2と図9に示した。
【0077】
【表2】
【0078】表2と図9に示す結果からわかるように、
第1パスの減面率R1 を8%にした場合には、外径1
3.73mmの製品が得られ、その偏径差は0.80m
mであったが、第2パスの圧延時に発生したと思われる
疵が確認された。また、第1パスの減面率R1 を32%
にした場合には、外径11.80mmの製品が得られた
が、偏径差が1.2mmで、しかも第1パスの圧延時に
発生したと思われる疵が確認された。
【0079】これに対し、第1パス減面率R1 を本発明
で規定する範囲内の10〜15%および25〜30%に
した場合、前者では偏径差が0.32〜0.62mm
で、かつ疵のない外径13.58〜13.19mmの製
品、後者では偏径差が0.36〜0.83mmで、かつ
疵のない外径12.39〜11.97mmの製品が得ら
れた。
【0080】上記の結果は、本発明の方法によれば、許
容偏径差が1.0mm以下で、かつ疵のない製品であれ
ば、第4パスの圧延ロールを交換ぜすにその間隔を目標
製品径に応じて変更するだけで、11.97〜13.5
8mmの範囲内の異なる外径を有する製品を、入側1サ
イズ(20mm)の素材から無段階に作り分けることが
できることを意味している。
【0081】また、実施例1の場合と同様に、許容偏径
差が0.2mm以下というような高い寸法精度と疵のな
い製品に作り分けるためには、実施例1のように、目標
製品径に応じて第4パスの圧延ロールを交換するのが好
ましいことも意味している。
【0082】なお、表2中、第1パスの減面率R1 を2
0%にした例はX=0で従来例であり、この場合には許
容偏径差1.0mm以下の製品として外径が12.80
mmの1種類しか製造できないことを意味している。
【0083】《実施例3》前述したように、実施例1で
は、第4パスの圧延ロール交換に20分を要したので、
この段取り換え時間を短縮するために、製品径に応じ
て、孔径のみが異なるラウンド孔型を有する圧延ロール
が組み込まれたスタンドを複数準備し、第4パスの圧延
ロールをスタンドごど交換しながら実施例1と同様の条
件で圧延を行った。
【0084】その結果、圧延ロール交換に要する段取り
換え時間が10分で済み、実施例1に比べて10分短縮
され、その分だけ生産性が向上した。また、疵のない製
品の作り分け可能な寸法範囲と偏径差は、実施例1と同
じであった。
【0085】《実施例4》実施例1で用いたのと同じ素
材と、図4に示す4スタンドブロック圧延機を準備し
た。
【0086】準備した4スランドブロック圧延機は、第
1圧延ロール1aと第2圧延ロール1b間のギア連結部
16bと、第3圧延ロール1cと第4圧延ロール1d間
のギア連結部16cとのギア比を異なる値に設定し、第
1と第2のスタンド間、第2と第3のスタンド間および
第3と第4のスタンド間の増速比が、表3に示すケース
1(最終2パスを通常圧延用に使用)とケース2(最終
2パスをサイジング圧延用に使用)になるように調整し
た。
【0087】
【表3】
【0088】そして、ケース1とケース2の2通りの条
件のもとに、第1パスの減面率R1を実施例1と同じ1
0〜30%の範囲で種々変化させるとともに、第1パス
出側の材料3の形状に応じて第2パス入側のガイドロー
ラ2bの間隔を調整しながら圧延を行い、仕上げ圧延可
能な製品サイズの範囲を実施例1と同じ方法によって調
査した。
【0089】その際、各パスには表4に示す孔型を有す
る圧延ロールを用い、第2パス〜第4パスの減面率は、
設定したスタンド間の増速比(ケース1とケース2)に
応じて表4に示す値になるように、各パスの圧延ロール
間隔を調整した。
【0090】
【表4】
【0091】また、第1パスと第2パスの圧延ロール
は、圧延条件が変わっても交換せず、第3パスと第4パ
スの圧延ロールのみを、製品径に応じて孔径のみが異な
るラウンド孔型を有する圧延ロールが組み込まれたスタ
ンドユニット5b、5c…に交換した。
【0092】その結果、表5に示す結果が得られた。
【0093】
【表5】
【0094】具体的に説明すると、最終2スタンドを通
常圧延用に使用したケース1では、偏径差が0.20m
m以下で、かつ疵のない外径11.97〜13.58m
mの製品を製造することができた。これは、ケース1の
場合には、前記の外径範囲内であれば、保有しているス
タンドユニット5a、5b、5c…の数、すなわち、第
4パスの圧延ロール保有数に応じたピッチで異なる外径
を有する製品を作り分けることができることを意味して
いる。
【0095】一方、最終2スタンドをサイジング圧延用
に使用したケース2では、偏径差が0.20mm以下
で、かつ疵のない外径14.20〜16.12mmの製
品を製造することができた。これは、ケース2の場合に
は、サイズフリー圧延が可能となり、前記の外径範囲内
であれば、保有しているスタンドユニット5a、5b、
5c…のみで、任意な外径を有する製品を無段階に作り
分けることができることを意味している。
【0096】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、歯車伝達装
置が簡素で、その切り替え操作が簡単に行える仕上圧延
機を用いて入側1サイズの素材から従来方法によった場
合に匹敵する複数のサイズの製品を、高い寸法精度で高
能率に製造することができる。したがって、仕上圧延機
の上流側に設けられた粗圧延機と中間圧延機による圧延
サイズ数が少なく済み、当該粗圧延機と中間圧延機に必
要な圧延ロール保有数の削減が図れ、所謂圧延ロールの
シリーズ統合が可能になる。
【0097】また、本発明のブロック圧延機は、歯車伝
達装置が簡素であり、最終の2スタンドのみが別のスタ
ンドユニットになっており、このスタンドユニットのみ
を、孔径が異なるか、または/および一定ではあるが異
なるギア比の歯車で連結された第3と第4の圧延ロール
が組み込まれたスタンドユニットに交換可能であるの
で、段取り換えが短時間に行え、生産性が向上する。さ
らに、このスタンドユニットをサイジング圧延用に用い
る場合には、簡単な操作で外径の異なる製品を無段階に
作り分けることが可能でなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧延方法を説明するための図である。
【図2】本発明の別の圧延方法を説明するための図であ
る。
【図3】本発明のさらに別の圧延方法を説明するための
図である。
【図4】本発明の圧延方法に用いて好適な4スタンドブ
ロック圧延機の一例を示す図である。
【図5】本発明の圧延方法に用いて好適な4スタンドブ
ロック圧延機の他の一例を示す図である。
【図6】本発明の圧延方法に用いて好適な4スタンドブ
ロック圧延機のさらに他の一例を示す図である。
【図7】本発明の圧延方法に用いてより好適な4スタン
ドブロック圧延機の一例を示す図である。
【図8】実施例1の結果を示す図である。
【図9】実施例2の結果を示す図である。
【図10】従来の一般的な圧延機を示す図である。
【図11】圧延ロールの孔型形状を示す図で、同図
(a)はオーバル孔型、同図(b)はラウンド孔型、を
示す図である。
【図12】従来の一般的な圧延機による作り分け方法を
説明するための図である。
【図13】従来の4スタンドブロック圧延機を示す図で
ある。
【図14】コモンドライブタイプの特性調査に用いたブ
ロック圧延機を示す図である。
【図15】インディビジュアルタイプの特性調査に用い
た圧延機を示す図である。
【図16】第2スタンドの入側ガイドローラと材料との
関係を示す図で、同図(a)は適正な状態、同図(b)
はガイドローラ間隔よりも材料3の方が小さい不適切な
状態、同図(c)ガイドローラ間よりも材料3の方が大
きい不適切な状態、を示す図である。
【符号の説明】
1a〜1n:(圧延)圧延ロール、 2a〜2d:ガイドローラ、 3:第1パス出側の材料、 4a:最終の仕上げスタンド、 4b:交換用の最終の仕上げスタンド、 5a、50a:最終2スタンドのスタンドユニット、 5b、50b:通常圧延用最終2スタンドのスタンドユ
ニット、 5c、50c:サイジング圧延用最終2スタンドのスタ
ンドユニット、 60a、60b:前段2スタンドのスタンドユニット、 10a:交換用の第1圧延ロール、 10b:交換用の第2圧延ロール、 10c、100c:交換用の第3圧延ロール、 10d、100d:交換用の第4圧延ロール、 12:モータ、 13:歯車伝達装置、 16a:駆動ギアチェンジ部 16b、26b:第1圧延ロールと第2圧延ロールのギ
ア連結部 16c、26c、36c:第3圧延ロールと第4圧延ロ
ールのギア連結部 18:自在継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池部 喜八 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番地住友 金属工業株式会社小倉製鉄所内 (72)発明者 本田 英二 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番地住友 金属工業株式会社小倉製鉄所内 (72)発明者 田代 龍次 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番地住友 金属工業株式会社小倉製鉄所内 Fターム(参考) 4E002 AC12 AC14 BA01 BB01 BB05 BB08 BB16 BC05 CA19 CB09 4E024 AA11 BB01 DD19 EE01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入側にガイドローラを備える2ロールスタ
    ンドの圧下方向を90゜位相させて連続的に4スタンド
    以上を配置したブロック圧延機を用いて丸棒鋼製品を圧
    延する方法において、第1パスの基準減面率をR
    1B(%)および実際の減面率をR1=(R1B±X)
    (%)としたとき、目標製品径に応じてXを2%超え1
    0%以下の範囲内で調整するとともに、実際の減面率R
    1 の増減に応じて第2パス入側のガイドローラ間隔を調
    整することを特徴とする丸棒鋼製品の圧延方法。
  2. 【請求項2】目標製品径に応じて最終スタンドまたは最
    終スタンドとその前のスタンドの圧延ロールを、孔径が
    異なる孔型を有する圧延ロールにスタンドごと交換する
    ことを特徴とする請求項1に記載の丸棒鋼製品の圧延方
    法。
  3. 【請求項3】素材の外径に応じて、第1スタンドと第2
    スタンドの圧延ロールを、孔径が異なる孔型を有する圧
    延ロールにスタンドごと交換することを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の丸棒鋼製品の圧延方法。
  4. 【請求項4】入側にガイドローラを備える2ロールスタ
    ンドの圧下方向を90゜位相させて4スタンドが連続的
    に配置されたブロック圧延機であって、隣り合う奇数番
    目と偶数番目の圧延ロールがギア比一定の歯車で連結さ
    れ、これらの歯車がギア比の組み合わせが1または2通
    りのギアチェンジ部を介して単一の駆動用のモータに連
    結されており、少なくとも第3スタンドと第4スタンド
    の両圧延ロールが共通のスタンドに固定的に配置された
    スタンドユニットになっており、このスタンドユニット
    が孔径の異なる孔型を有する圧延ロールが組み込まれた
    別のスタンドユニットに交換可能とされていることを特
    徴とするブロック圧延機。
  5. 【請求項5】隣り合う奇数番目と偶数番目の圧延ロール
    を連結するギア比一定の歯車がスタンドユニット側に設
    けられていることを特徴とする請求項4に記載のブロッ
    ク圧延機。
  6. 【請求項6】交換すべき別のスタンドユニットに組み込
    まれたギア比一定の歯車が、ギア比一定ではあるが異な
    るギア比の歯車であることを特徴とする請求項5に記載
    のブロック圧延機。
  7. 【請求項7】交換すべき別のスタンドユニットに組み込
    まれた第3スタンドと第4スタンドの圧延ロールがサイ
    ジングパス用であり、この両スタンドの圧延ロールが近
    接配置されていることを特徴とする請求項4〜6のいず
    れかに記載のブロック圧延機。
JP10547499A 1999-04-13 1999-04-13 丸棒鋼製品の圧延方法およびブロック圧延機 Expired - Fee Related JP3386001B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10547499A JP3386001B2 (ja) 1999-04-13 1999-04-13 丸棒鋼製品の圧延方法およびブロック圧延機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10547499A JP3386001B2 (ja) 1999-04-13 1999-04-13 丸棒鋼製品の圧延方法およびブロック圧延機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000301202A true JP2000301202A (ja) 2000-10-31
JP3386001B2 JP3386001B2 (ja) 2003-03-10

Family

ID=14408603

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10547499A Expired - Fee Related JP3386001B2 (ja) 1999-04-13 1999-04-13 丸棒鋼製品の圧延方法およびブロック圧延機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3386001B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008068281A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Kobe Steel Ltd 条鋼圧延材の圧延方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008068281A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Kobe Steel Ltd 条鋼圧延材の圧延方法
JP4658884B2 (ja) * 2006-09-13 2011-03-23 株式会社神戸製鋼所 条鋼圧延材の圧延方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3386001B2 (ja) 2003-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2857279B2 (ja) 長尺鋼材を連続的に熱間圧延する方法
JP4780952B2 (ja) 角管成形用ロールと角管のロール成形方法及び成形装置
TW494023B (en) Wire-rod rolling mill
JP2000301202A (ja) 丸棒鋼製品の圧延方法およびブロック圧延機
EP0768124A2 (en) A method and an apparatus for manufacturing wire
JP3321353B2 (ja) 棒鋼・線材の圧延方法およびそれに用いる圧延設備
JPH0785801B2 (ja) 細径線材の製造方法
JP2661470B2 (ja) 細径線材の製造装置
JP3339571B2 (ja) 線材圧延機
JP3309807B2 (ja) 外周部の断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置
JPH1094802A (ja) 細径線材の製造装置および製造方法
JP3267198B2 (ja) 断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置
JP3266062B2 (ja) 断面形状が円形の金属材の製造方法及びその製造装置
JPH081207A (ja) 細径線材の製造装置及び製造方法
JP4736240B2 (ja) 鋼管の製造方法
JP2003136104A (ja) 圧延装置
JP2007190561A (ja) 直径の異なる複数の条鋼の製造方法
JP2001038410A (ja) 細径線材の製造装置
JP3565300B2 (ja) 線材圧延方法及び装置
JP2915406B1 (ja) 形鋼の圧延設備および圧延方法
JP2661491B2 (ja) 鋼管の冷間圧延方法
JP2897653B2 (ja) 管圧延方法
JP2000301204A (ja) 多サイズ線材・棒鋼圧延方法および圧延装置
JPS6289504A (ja) 継目無鋼管を造るための方法、設備および圧延ライン
RU2296633C1 (ru) Линейный стан продольной прокатки

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees