JP2000299512A - 圧電体素子、インクジェット式記録ヘッド、それらの製造方法およびプリンタ - Google Patents
圧電体素子、インクジェット式記録ヘッド、それらの製造方法およびプリンタInfo
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Abstract
ラツキの少ない、信頼性の高い圧電体素子およびこの圧
電体素子を適用した製品を提供する。 【解決手段】 本発明では、従来よりも低い成膜レート
で白金をスパッタする工程(S2)を設けている。これ
により、製造される電極の結晶粒径が微細なものにな
る。塑性変形しにくく降伏点が高い電極が提供されるこ
とに成るので、圧電体素子やその応用製品の信頼性を向
上させることができる。
Description
録ヘッドに用いられる圧電体素子に係わり、特に、電極
の製造方法を改良することにより、圧電体素子やインク
ジェット式記録ヘッドの信頼性を向上させる製造方法の
発明に関する。
インク滴を記録用紙に吐出して文字、或いは所望の画像
を得るインクジェットプリンタに用いられるインクジェ
ット式記録ヘッドは、インク吐出の駆動源として機能す
る圧電体素子を備えている。圧電体素子は、上部電極と
下部電極に挟まれる圧電体薄膜を備えている。
の方法が発案され実施されていたが、電極の製造方法に
関しては特に考察がされていなかった。
高温下でのスパッタ法が一般的に用いられていた。例え
ば、スパッタ出力は1000W前後であり、蒸着温度は
250℃程度に設定されていた。例えば米国特許第00
5691752号の公報には、このような電極の形成方
法を含めた圧電体素子の製造方法一般について記載され
ている。
り、一定の結晶粒径を備えた緻密な金属薄膜を形成する
ことができていた。
いう観点からは、電極が硬いことが好ましい。電極が柔
らかいと塑性変形し易いからである。従来品では、圧電
体薄膜があまりに強く変形した場合には、電極の塑性変
形の限界点である降伏点を容易に超えてしまい、場合に
よっては電極が容易に破壊されてしまっていた。これで
は、この圧電体素子を駆動手段として組み込んでいるイ
ンクジェット式記録ヘッドやプリンタの信頼性が低下す
る。
バラツキがあった。これは電極が均質に製造できないこ
とに一つの原因があるものと考えられる。
っても破壊しにくく、かつ、バラツキの少ない、信頼性
の高い圧電体素子およびこの圧電体素子を適用した製品
を提供することを課題とする。
換作用を示す圧電体素子において、平均結晶粒径が30
nmより小さい電極を備えていることを特徴とする圧電
体素子である。
体素子において、設置面上に形成され、平均結晶粒径が
30nmより小さい下部電極と、前記下部電極上に形成
される電気機械変換作用を示す圧電体薄膜と、前記圧電
体薄膜上に形成され前記下部電極と対になる上部電極
と、を備えたことを特徴とする圧電体素子である。
ルテニウムで構成される群のうちから選択される一つの
元素を含んで構成されている。
クチュエータとして備えるインクジェット式記録ヘッド
およびプリンタである。
体素子の製造方法において、出力200W以下でスパッ
タ法により電極材料を蒸着して圧電体薄膜に電圧を印加
するための電極を形成することを特徴とする圧電体素子
の製造方法である。
体素子の製造方法において、100℃以下の蒸着温度で
電極材料を蒸着して圧電体薄膜に電圧を印加するための
電極を形成することを特徴とする圧電体素子の製造方法
である。
ルテニウムで構成される群のうちから選択される一つの
元素である。
法で基板上に圧電体素子を形成する工程と、前記圧電体
素子をエッチングして圧電アクチュエータの形状に形成
する工程と、前記基板をエッチングして前記圧電アクチ
ュエータの作用により圧力室内のインクを吐出可能な構
造を形成する工程と、を備えたことを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドの製造方法である。
態を図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態
は、下部電極の硬度を上げる圧電体素子の製法とその製
造方法で製造される圧電体素子、インクジェット式記録
ヘッドおよびプリンタの構造に関する。
ト式記録ヘッドにおいて、圧電体素子部分の構造を明ら
かにする断面図を示す。本実施形態の圧電体素子40
は、設置面を形成する振動板30上に、密着層401、
本発明に関する下部電極402、圧電体薄膜403およ
び上部電極404を積層して構成されている。
該圧電体素子の下部電極402との密着力を高める材料
で構成されている。密着層401は、チタンまたはクロ
ムのうちから選択される一つの元素を主成分としてい
る。密着層401は10nm〜50nm程度の厚み、例
えば20nmに形成されている。この密着層401は、
必須の構成ではなく、下部電極402と下地となる設置
面(振動板30)との密着性を確保できる場合にはこの
密着層は不要である。
して形成されており、電圧を両電極間に印加することに
よって圧電体薄膜403に電気機械変換作用を生じさせ
ることが可能なようになっている。下部電極402は、
密着層401の上部に導電性を有する材料で形成されて
いる。導電性を有する材料としては、白金、イリジウム
およびルテニウムなどが挙げられる。下部電極の厚み
は、0.1μm〜0.5μm程度(例えば0.4μm)
程度に形成されている。
法で製造されることにより、柱状結晶構造の平均結晶粒
径d1が30nm以下に形成されている点に特徴があ
る。従来品より微細な結晶粒径で構成されていることに
より、下部電極402は塑性変形しにくくなっている。
膜が変形する。圧電体薄膜が変形することにより下部電
極に応力が加えられる。図4に、下部電極に加えられる
応力σとそれによりもたらされる歪(変形)εとの関係
図を示す。実線が本発明の電極の塑性変形特性であり、
破線が従来品における塑性変形特性である。印加電界の
増加による歪の増加に伴って線形的に応力が増加する領
域は、圧電体素子の利用範囲となり得る弾性範囲であ
る。歪が大きくなり弾性の限界に来ると応力の増加が低
迷するようになる。この点が降伏点である。さらに印加
電界の増加によって歪が増加すると、終には電極が変形
に絶えられなくなり破壊に至る。これが破壊点である。
述する理由により、従来よりも塑性変形しにくく降伏点
が高くなっている。このため圧電体素子を利用できる弾
性範囲が広くなるとともに、強い圧電体薄膜の変形によ
っても容易に破壊に至らなくなるのである。
形成される電気機械変換作用を示すPZT等の強誘電性
セラミックス材料からなるペロブスカイト構造の結晶膜
である。当該圧電体薄膜403としては通常の圧電性薄
膜としての構成を備えていれば十分である。例えば圧電
体薄膜の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)等の強誘電性圧電性材料や、これに酸化ニオブ、酸
化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加
したもの等が好適である。具体的には、チタン酸鉛(P
bTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,T
i)O3)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO3)、チタ
ン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO 3)、ジルコ
ン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,T
i)O3)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチ
タン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O3)等
を用いることができる。圧電体薄膜403の厚みについ
ては、製造工程でクラックが発生しない程度に厚みを抑
え、かつ、十分な変位特性を呈する程度に厚く形成す
る。例えば圧電体薄膜403を1μm〜2μm前後の厚
みにする。
などの材料で所定の厚み(0.1μm程度)に形成され
た導電性膜である。ただし、この上部電極404につい
ても上記下部電極402と同様の製造方法で製造するこ
とにより、従来より微細な結晶粒径を備えた本発明の電
極膜で構成してもよい。
ータとして備えているインクジェット式記録ヘッドの構
造を説明する。インクジェット式記録ヘッド1は、図1
0の主要部斜視図一部断面図に示すように、ノズルプレ
ート10、基板20および上記圧電体素子40を筐体に
収納して構成されている。
ングすることにより、圧力室(キャビティ)21、側壁
(隔壁)22、リザーバ23および供給口24が形成さ
れている。圧力室21は、インクなどを吐出するために
貯蔵する空間となっている。側壁22は、圧力室21間
を仕切るよう形成されている。リザーバ23は、インク
を共通して各圧力室21に充たすための流路を形成して
いる。供給口24は、リザーバ23から各圧力室21に
インクを導入可能に形成されている。
に形成されており、振動板30上の圧力室21に対応す
る位置には上記圧電体素子40が設けられている。振動
板30としては弾性、機械的強度および絶縁性を備える
ことから酸化膜(二酸化珪素膜)が適当である。ただし
振動板30としては二酸化珪素膜に限定することなく、
酸化ジルコニウム膜、酸化タンタル膜、窒化シリコン
膜、酸化アルミニウム膜でもよい。振動板30の一部に
は、インクタンク入口35が設けられて、図示しないイ
ンクタンクから、貯蔵されているインクを圧力室基板2
0内に導くことが可能になっている。なお、上述した下
部電極402と密着層401を振動板30と重ねて圧力
室基板20の全面に形成してもよい。
振動板30に対向する面に設けられている。ノズルプレ
ート10には、圧力室21の各々に対応する位置にノズ
ル11が配置されている。
成は一例であり、圧電体素子を圧電アクチュエータとし
て使用可能なあらゆるピエゾジェット式ヘッドに当該圧
電体素子40を適用可能である。
において、電極間に電圧が印加されて圧電体素子40が
歪むと、その歪みに対応して振動板30が変形する。そ
の変形により圧力室21内のインクが圧力を加えられて
ノズル11から吐出させられる。
ド1をインク吐出手段として備えたプリンタの斜視図を
示す。本プリンタ100は、図11に示すように、プリ
ンタ本体2に、トレイ3および排出口4などが設けられ
ている。本体2の内部には、本発明のインクジェット式
記録ヘッド1が内蔵されている。本体2は、図示しない
用紙供給機構によりトレイ3から供給された用紙5に対
し、その上を横切るような往復動作が可能なようにイン
クジェット式記録ヘッド1を配置している。排出口4
は、印刷が終了した用紙5を排出可能な出口となってい
る。
びインクジェット式記録ヘッドの製造方法について説明
する。以下の図2および図3は、図10のA−A切断面
で圧電体素子を切断した場合の製造工程断面図の模式図
である。
動板30上に、設置面と圧電体素子の下部電極との密着
力を高める材料で密着層401を形成する工程である。
と厚さ(例えば、直径100mm、厚さ200μm)の
シリコン単結晶基板20上を熱酸化法により酸化するこ
とにより形成される。熱酸化法は、酸素或いは水蒸気を
含む酸化性雰囲気中で高温処理するものである。この他
CVD法を用いてもよい。この工程により、二酸化珪素
からなる振動板30が例えば1μm程度の厚みに形成さ
れる。
りに、酸化ジルコニウム膜、酸化タンタル膜、窒化シリ
コン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。あるい
は、二酸化珪素膜上に酸化ジルコニウム膜、酸化タンタ
ル膜、酸化アルミニウム膜等を積層してもよい。
表面上にスパッタ法により密着層401となるチタン
を、例えば20nm程度の厚さで成膜する。密着層40
1としては、チタンの代わりにクロムを用いることもで
きる。
は、本願発明の特殊条件により密着層401上に電極材
料を蒸着して圧電体薄膜に電圧を印加するための下部電
極402を形成する工程である。
はルテニウムを使用する。これら材料に本発明の製造条
件を適用すると、微細な柱状結晶が形成され、本願発明
の効果を奏するようになるからである。製造方法として
は、スパッタ法を適用する。特に本発明では、従来(1
000W)よりも遥かに低い出力である200W以下の
出力を用い、従来(250℃)よりも遥かに低い温度で
ある100℃以下で電極材料を蒸着する点に特徴があ
る。
例えばアルゴンArを用い、気圧を従来通り、例えば
0.45Pa程度に設定する。
晶粒径が30nm以下の微細な柱状結晶を備えた下部電
極402が形成される。
は、上記下部電極402上に従来の製造方法で圧電体薄
膜および上部電極を形成する工程である。
体膜を積層する。例えば、ゾル・ゲル法を使用する場
合、チタン酸鉛とジルコン酸鉛のモル混合比が44%:
56%であり、マグネシウムとニオブのモル混合比が
1:3となるようなPZT−PMN系の圧電体薄膜の前
駆体液(ゾル)を使用する。前駆体液を、一定の厚みに
塗布する。塗布は、ゾルをスピンコート法、ディップコ
ート法、ロールコート法、バーコート法等の慣用技術で
行う。例えばスピンコート法で12回コーディングす
る。
0℃程度で所定時間、例えば10分間乾燥させる。
は、前駆体膜をゲル化し、且つ、膜中から有機物を除去
するのに充分な温度(例えば400℃程度)で、十分な
時間(例えば30分間)加熱することで行う。この工程
で前駆体膜は、残留有機物を実質的に含まない非晶質の
金属酸化物からなる多孔質ゲル薄膜になる。
例えば、0.8μm乃至2.0μmの厚みとなるまで所
定回数、例えば12回繰り返す。
に、4層ごとに計3回基板全体を加熱する。例えば、赤
外線輻射光源(図示せず)を用いて基板の両面から酸素
雰囲気中で適当な温度(650℃程度)で所定時間(5
分程度)保持した後、高温(900℃程度)で短時間
(1分間程度)加熱し、その後自然降温させる。この工
程で圧電体前駆体膜は結晶化し、ペロブスカイト結晶構
造を備える圧電体薄膜403が形成される。
は、上記したゾルゲル法の他、高周波スパッタ成膜法、
CVD法、MOD法、レーザアブレーション法等を用い
ることができる。
性材料を使用して上部電極404を形成する。導電性材
料としては、白金、イリジウムや金等を用い、スパッタ
法を適用する。なお上述したように、上部電極の形成に
おいても下部電極と同様の本発明の電極製造方法を提供
可能である。
成する。圧電体素子として使用するためには、この層構
造を適当な形状にエッチングして成形する。以下では、
この層構造を圧電アクチュエータとしての形状に成形
し、併せてインクジェット式記録ヘッドに必要な構造を
形成していく。
程は、圧電体素子40をエッチングして圧電アクチュエ
ータの形状に形成する工程である。
合わせて、上部電極404上に均一な膜厚を有するレジ
ストを塗布する。塗布法として、スピンナー法、スプレ
ー法等の適当な方法を利用する。レジスト塗布後に露光
・現像して圧電アクチュエータ形状に合わせたレジスト
を残す。このレジストをマスクとして、上部電極40
4、圧電体薄膜403、下部電極402および密着層4
01をドライエッチングし、各圧力室に対応する圧電体
素子40を形成する。ドライエッチングは、各層材料に
対する選択性のあるガスを適宜選択して行う。
工程は、基板20をエッチングして圧電アクチュエータ
の作用により圧力室内のインクを吐出可能な構造を形成
する工程である。
措置をしてから、基板20の反対側の面をウェットエッ
チングする。エッチング液としては、異方性エッチング
液、例えば、80℃に保温された濃度10%の水酸化カ
リウム水溶液を用いる。ただし、ウェットエッチングの
代わりに平行平板型イオンエッチング等の活性気体を用
いた異方性エッチング方法を用いてもよい。
チングされ、側壁22が形成される。
の工程により形成された圧力室基板20の圧力室21に
蓋をするように、ノズルプレート10を接合する。接合
に用いる接着剤としては、エポキシ系、ウレタン系、シ
リコーン系等の任意の接着剤を使用可能である。
からなる形状は、シリコン単結晶基板をエッチングする
ことで一体成形されるものであってもよい。
さい結晶粒径を備えた電極膜が形成される理由を考察す
る。本発明の製造方法では、電極形成におけるスパッタ
の出力と温度が低く抑えられている。この条件では白金
などの電極材料の成膜レート、すなわち単位時間当たり
に蓄積される膜厚が従来より低くなる。一方で電極材料
が蒸着されている周辺には、炭素、窒素や酸素などの残
留ガスがとスパッタ用のガス、アルゴンが存在してい
る。成膜レートが低い場合には、これらのガスを構成す
る原子が相対的に電極材料に与える影響が大きくなって
いると考えられる。つまりこれらガスを構成する原子が
比較的ゆっくり成長している白金などの電極材料の結晶
粒子の成長を妨害することになる。妨害があるとそれ以
上の結晶粒子の成長が止る。このことから比較的結晶粒
径の小さい柱状結晶で電極膜が形成されることになる。
晶の粒径が従来品より遥かに低い。例えば従来のスパッ
タ法であると平均結晶粒径が60nm程度であるとこ
ろ、本願発明の製造方法によれば、平均結晶粒径が30
nm以下になる。結晶粒径が小さいと、電極膜内に粒
界、すなわち欠陥が多数存在することになる。これら欠
陥の存在により、膜内に存在する転位が固定化され、移
動しにくくなる。これを巨視的に見れば電極膜の硬度が
高くなることになる。
の部材の降伏点(硬さ)Kは、 K ∝ k/L1/2 で表される。ただしkを比例乗数とする。この式から判
断しても、結晶粒径が小さくなれば圧電体薄膜における
降伏点が高くなると考えられる。
た圧電体素子(実施例)と従来の製造方法で製造された
圧電体素子(比較例)とを比較した。
義付ける厚み方向の圧電d定数を測定した結果を示す。
図5から判るように、実施例の圧電体素子と比較例の圧
電体素子で特性の相違は見られなかった。
EM写真を、図7に実施例の圧電体素子における断面S
EM写真を示す。両者の写真を比べても、圧電体薄膜な
どの結晶性に相違は見られなかった。
を、図9に実施例の下部電極表面のSEM写真を示す。
両図とも同一の倍率で撮影してある。両図を比べると判
るように、比較例の電極における結晶粒径に比べ実施例
の電極における結晶粒径が半分以下、(30nm以下)
になっていることが観察できた。
を調整することにより、電極の結晶粒径を相対的に小さ
くすることができた。したがって電極の降伏点が上がっ
た従来品より広い弾性範囲を備える圧電体素子を提供で
きる。降伏点および破壊点とも従来品よりも高くなって
いるので、圧電体素子の強い変形に対しても破壊が生ず
るおそれの無い信頼性の高いインクジェット式記録ヘッ
ドおよびプリンタを提供可能である。また結晶粒子が微
細になっているため電極の特性がどの部分でも均一な特
性を有するようになり、製品の均質性を担保することも
可能である。
形態によらず種々に変形して適応することが可能であ
る。例えば本発明で製造した圧電体素子は上記した製造
方法に限定されることなく、他の製造方法にも適用可能
である。圧電体素子の層構造は上記に限定されることな
く、工程を複雑化させることにより、複数からなる層構
造を備えた圧電体素子を製造することも可能である。イ
ンクジェット式記録ヘッドの構造は、ピエゾジェット式
インクジェット方式であれば、上記した構造に限定され
ず、他の構造であってもよい。本発明の圧電体素子は、
上記実施形態に示したようなインクジェット式記録ヘッ
ドの圧電体素子としてのみならず、不揮発性半導体記憶
装置、薄膜コンデンサ、パイロ電気検出器、センサ、表
面弾性波光学導波管、光学記憶装置、空間光変調器、ダ
イオードレーザ用周波数二倍器等のような強誘電体装
置、誘電体装置、パイロ電気装置、圧電装置、および電
気光学装置の製造に適応することができる。
伏点の高い電極を備えたので、強い変形があっても破壊
しにくく、かつ、バラツキの少ない、信頼性の高い圧電
体素子およびこの圧電体素子を適用した製品を提供する
ことができる。
の製造工程図(1)。
の製造工程図(2)。
図。
図。
部一部断面図。
Claims (9)
- 【請求項1】 電気機械変換作用を示す圧電体素子にお
いて、 平均結晶粒径が30nmより小さい電極を備えているこ
とを特徴とする圧電体素子。 - 【請求項2】 電気機械変換作用を示す圧電体素子にお
いて、 設置面上に形成され、平均結晶粒径が30nmより小さ
い下部電極と、 前記下部電極上に形成される電気機械変換作用を示す圧
電体薄膜と、 前記圧電体薄膜上に形成され前記下部電極と対になる上
部電極と、を備えたことを特徴とする圧電体素子。 - 【請求項3】 前記下部電極は、白金、イリジウムおよ
びルテニウムで構成される群のうちから選択される一つ
の元素を含んで構成されている請求項1または請求項2
に記載の圧電体素子。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
記載の圧電体素子を圧電アクチュエータとして備えるイ
ンクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 請求項4に記載のインクジェット式記録
ヘッドを備えるプリンタ。 - 【請求項6】 電気機械変換作用を示す圧電体素子の製
造方法において、 出力200W以下でスパッタ法により電極材料を蒸着し
て圧電体薄膜に電圧を印加するための電極を形成するこ
とを特徴とする圧電体素子の製造方法。 - 【請求項7】 電気機械変換作用を示す圧電体素子の製
造方法において、 100℃以下の蒸着温度で電極材料を蒸着して圧電体薄
膜に電圧を印加するための電極を形成することを特徴と
する圧電体素子の製造方法。 - 【請求項8】 前記電極材料は、白金、イリジウムおよ
びルテニウムで構成される群のうちから選択される一つ
の元素である請求項6または請求項7に記載の圧電体素
子の製造方法。 - 【請求項9】 請求項6乃至請求項8のいずれか一項に
記載の圧電体素子の製造方法で基板上に圧電体素子を形
成する工程と、 前記圧電体素子をエッチングして圧電アクチュエータの
形状に形成する工程と、 前記基板をエッチングして前記圧電アクチュエータの作
用により圧力室内のインクを吐出可能な構造を形成する
工程と、を備えたことを特徴とするインクジェット式記
録ヘッドの製造方法。
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