JP2000299388A - 半導体集積回路装置 - Google Patents

半導体集積回路装置

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JP2000299388A
JP2000299388A JP11106117A JP10611799A JP2000299388A JP 2000299388 A JP2000299388 A JP 2000299388A JP 11106117 A JP11106117 A JP 11106117A JP 10611799 A JP10611799 A JP 10611799A JP 2000299388 A JP2000299388 A JP 2000299388A
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JP
Japan
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insulating film
gate insulating
power supply
supply voltage
gate electrode
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JP11106117A
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English (en)
Inventor
Shinichi Okawa
眞一 大川
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 MOSトランジスタのゲート絶縁膜の厚さを
増加させることなく、ゲート絶縁膜に加わる電界ストレ
スを緩和し、信頼性を向上させることのできる半導体集
積回路装置を提供する。 【解決手段】 バイパスコンデンサとして動作する第1
導電型のMOSトランジスタ10のゲート電極6を第2
導電型の半導体層によって形成する。電源電圧線11、
12からMOSトランジスタ10に電圧が供給されたと
きに、半導体基板1に第1導電型のチャネル領域7が生
成されることにより、ゲート絶縁膜5の内部に生成され
る電界が弱められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体集積回路装置
に関し、さらに言えば、金属−酸化物−半導体(Metal-
Oxide-Semiconductor、MOS)型の電界効果トランジ
スタ(Field Effect Transistor、FET)(以下、M
OSトランジスタという)を備えた半導体集積回路装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、MOSトランジスタを備えた半
導体集積回路装置では、正電源電圧および負電源電圧を
供給する一対の電源電圧線間に接続されたバイパスコン
デンサを備えている。このバイパスコンデンサは、高周
波における電源インピーダンスを低減して電源電圧を安
定させると共に、電源電圧に重畳されたノイズを抑制す
るものである。
【0003】図8は、MOSトランジスタをバイパスコ
ンデンサとして用いた従来の半導体集積回路装置の一例
を示す。
【0004】図8の従来の半導体集積回路装置は、バイ
パスコンデンサとして動作するn型MOSトランジスタ
110が形成されたp型シリコン基板101を備えてい
る。この構成は、最も一般的に用いられているものであ
る。
【0005】シリコン基板101の表面領域には、n+
型拡散層からなるソース・ドレイン領域103、104
が選択的に形成されている。シリコン基板101の表面
には酸化シリコンからなるゲート絶縁膜105が形成さ
れており、ゲート絶縁膜105がソース・ドレイン領域
103および104の間のシリコン基板101の表面を
覆っている。ゲート絶縁膜105の上には、n型不純物
の導入されたポリシリコン層からなるゲート電極106
がゲート絶縁膜105と完全に重なるように形成されて
いる。それらのソース・ドレイン領域103、104、
ゲート絶縁膜105およびゲート電極106によりMO
Sトランジスタ110が構成される。
【0006】ゲート電極106は、配線層(図示せず)
を介して正の電源電圧線111(電源電圧:VDD)に電
気的に接続されている。ソース・ドレイン領域103お
よび104は、配線層(図示せず)を介して電気的に接
続され、さらに負の電源電圧線112(電源電圧:
SS)に電気的に接続されている。
【0007】図8において、ゲート電極106には電源
電圧VDDが供給され、共通接続されたソース・ドレイン
領域103、104には電源電圧VSSが供給される。こ
のため、ソース・ドレイン領域103および104の間
のシリコン基板101の表面領域にはn型チャネル領域
107が生成される。そして、ソース・ドレイン領域1
03、104およびn型チャネル領域107とゲート絶
縁膜105とゲート電極106とによりコンデンサが形
成されることになる。こうして、電源電圧線111およ
び112間に接続されたMOSトランジスタ110はバ
イパスコンデンサとして動作する。
【0008】なお、実際には、シリコン基板101には
バイパスコンデンサとして動作するMOSトランジスタ
110以外にも多数のMOSトランジスタが形成されて
いる。しかし、ここでは説明を簡単にするため、バイパ
スコンデンサとして動作するMOSトランジスタ110
についてのみ説明する。この点は以下の説明においても
同様である。
【0009】図9は、MOSトランジスタ110のゲー
ト・ソース間電圧VGSとして VGS=VDD−VSS を印加した場合に、ゲート電極106、ゲート絶縁膜1
05およびチャネル領域107に生じるポテンシャルを
示す。横軸はシリコン基板101の表面に対して垂直な
方向、すなわちシリコン基板101の深さ方向の位置を
示し、縦軸は電子のポテンシャルエネルギーおよびそれ
に対応する電位を示す。
【0010】図9において、EC1およびEV1はゲート電
極106を形成するn型ポリシリコンの伝導帯および価
電子帯のポテンシャルエネルギー、EC2およびEV2はn
型チャネルの伝導帯および価電子帯のポテンシャルエネ
ルギー、EGはバンドギャップエネルギーである。シリ
コンのバンドギャップエネルギーは常温において1.1
1eVの値をとる。ΔEはシリコン(シリコン基板10
1およびゲート電極106)と酸化シリコン(ゲート絶
縁膜105)の接合部に生じるポテンシャル障壁であ
る。
【0011】なお、厳密には表面準位等の影響で、ポテ
ンシャル障壁ΔEはゲート電極106側とn型チャネル
領域107側で異なる値をとるが、ここでは説明の簡便
化のため、同じ値であるものとする。この点は、以下の
説明においても同様である。
【0012】E0はゲート絶縁膜105の2つの表面
(すなわち、上面と下面)の間に生じるポテンシャル差
を示している。FL1、FL2はn型ポリシリコンおよび
n型チャネルのフェルミ準位で、フェルミ準位FL1
伝導帯ポテンシャルエネルギーEC1に対して約0.05
eV低い値、フェルミ準位FL2は伝導帯ポテンシャル
エネルギーEC2に対して約0.1eV低い値をとる。ま
た、このフェルミ準位FL1およびFL2は、ゲート電極
106およびソース・ドレイン領域103、104に印
加されている電圧に電子の電荷量eを乗じてポテンシャ
ル化した値にそれぞれ一致する。すなわち、フェルミ準
位FL1、FL2と電源電圧VDD、VSSとの間に次の数式
(1a)、(1b)が成立する。
【0013】 FL1=VDD×e (eV) (1a) FL2=VSS×e (eV) (1b) ただし、e=−1.602×10-19(C)である。
【0014】よって、ポテンシャル差E0は、次の数式
(2)で与えられる。
【0015】 E0=FL2+0.1+ΔE −(FL1+0.05+ΔE) (eV) (2)
【0016】上記数式(1a)、(1b)、(2)よ
り、次の数式(3)が導出される。
【0017】 E0/e=VSS−VDD−0.05 (V) (3)
【0018】したがって、電位差に換算したポテンシャ
ル差|E0/e|は、次の数式(4)で与えられる。
【0019】 |E0/e|=VDD−VSS+0.05 (V) (4)
【0020】上記数式(4)は、ゲート・ソース間電圧
GSのほとんどがゲート絶縁膜105の上下面間に印加
されることを示している。
【0021】なお、MOSトランジスタをバイパスコン
デンサに用いた他の従来技術としては、特開平5−19
8742号公報に開示された半導体集積回路装置があ
る。
【0022】また、関連する他の従来技術が特開昭61
−6143号公報、特開昭62−12373号公報およ
び特開平2−189951号公報にそれぞれ開示されて
いる。
【0023】他方、半導体集積回路装置の中には、絶対
値の異なる2系統の電源電圧が供給されて動作するもの
がある。例えば、DRAM(Dynamic Random-Access Me
mory)を備えたASIC(Application Specific Integ
rated Circuit)場合、DRAM部分に3.3Vの電源
電圧が供給され、それ以外の部分に2.5Vの電源電圧
が供給される。他に、同一の回路基板上に実装される他
の半導体チップとの関係で、3.3Vおよび2.5Vの
電源電圧が供給される半導体集積回路装置もある。
【0024】このように、2系統の電源電圧が供給され
る半導体集積回路装置では、低電源電圧(すなわち、
2.5Vの電源電圧)が供給されるMOSトランジスタ
のゲート電極をチャネル領域の導電型と同じ導電型のポ
リシリコン層で形成するのが一般的である。それは、低
いスレッショルド電圧が安定して得られるからである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】図8の従来の半導体集
積回路装置では、上述したように、ゲート・ソース間電
圧VGSのほとんどがゲート絶縁膜105の上下面間に印
加される。このため、ゲート絶縁膜105は常に電界ス
トレスに曝されることになるので、バイパスコンデンサ
をとして動作するMOSトランジスタ110の信頼性が
低下するという問題がある。
【0026】この問題を回避するためには、ゲート絶縁
膜105の厚さを増して電界ストレスを緩和する方法が
一般的であるが、バイパスコンデンサとしての静電容量
はゲート絶縁膜105の厚さに反比例するので、ゲート
絶縁膜105を同一面積とした場合に得られる静電容量
が減少してしまう。このため、ゲート絶縁膜105の厚
さを増加できないという問題がある。
【0027】他方、2系統の電源電圧が供給される半導
体集積回路装置では、高電源電圧(すなわち、3.3V
の電源電圧)の供給されるMOSトランジスタの耐圧特
性を向上させる必要がある。この場合にもゲート絶縁膜
の厚さを増加すれば、ゲート絶縁膜に加わる電界ストレ
スが減少して耐圧特性は向上する。しかし、低電源電圧
の供給されるMOSトランジスタのゲート絶縁膜の厚さ
を増加することは好ましくない。それは、ゲート絶縁膜
の厚さが増すとスレッショルド電圧の増加を招くからで
ある。
【0028】したがって、高電源電圧の供給されるMO
Sトランジスタのゲート絶縁膜のみを厚くする必要があ
る。この場合、厚さの異なる2種類のゲート絶縁膜を形
成しなけらばならないので、製造工程が複雑になり製造
コストが増加する。このため、ゲート絶縁膜の厚さを増
すことができず、所望の耐圧特性を得ることができない
ので、信頼性が低下するという問題がある。
【0029】そこで、本発明の目的は、MOSトランジ
スタのゲート絶縁膜の厚さを増加させることなく、ゲー
ト絶縁膜に加わる電界ストレスを緩和し、信頼性を向上
させることのできる半導体集積回路装置を提供すること
にある。
【0030】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の
半導体集積回路装置は、ゲート電極が第1電源電圧線に
電気的に接続されると共に、一対のソース・ドレイン領
域のそれぞれが第2電源電圧線に電気的に接続されるこ
とによって、前記第1および第2の電源電圧線間のバイ
パスコンデンサとして動作する第1導電型のMOSトラ
ンジスタを半導体基板に備えてなる半導体集積回路装置
であって、前記ゲート電極は前記半導体基板上にゲート
絶縁膜を介して形成されると共に、前記第1導電型とは
逆の極性を持つ第2導電型の半導体層からなり、前記第
1および第2の電源電圧線のそれぞれから前記MOSト
ランジスタに電圧が供給されたときに、前記半導体基板
に前記第1導電型のチャネル領域が生成されることによ
って前記ゲート絶縁膜内部の電界が弱められることを特
徴とする。
【0031】(2) 本発明の第1の半導体集積回路装
置では、バイパスコンデンサとして動作する第1導電型
のMOSトランジスタを半導体基板に備えており、その
MOSトランジスタのゲート電極を第2導電型の半導体
層により形成する。そして、第1および第2の電源電圧
線からMOSトランジスタに電圧が供給されたときに
は、第2導電型のチャネル領域が生成される。生成され
たチャネル領域とゲート電極を形成する半導体層とは互
いに逆極性の導電型を持つため、チャネル領域のフェル
ミ準位と半導体層のフェルミ準位との間に生じるポテン
シャルの差によって半導体基板上のゲート絶縁膜の内部
の電界が弱められる。
【0032】よって、ゲート絶縁膜の厚さを増加させな
くとも、ゲート絶縁膜に加わる電界ストレスを緩和する
ことが可能となり、信頼性を向上させることができる。
【0033】(3) 本発明の第1の半導体集積回路装
置の好ましい例では、前記チャネル領域が前記半導体基
板の表面領域に生成される。換言すれば、バイパスコン
デンサとして動作するMOSトランジスタが表面チャネ
ル型のMOSトランジスタからなる。この場合、ゲート
絶縁膜の内部の電界をより効果的に弱めることができ、
信頼性の向上が一層顕著になる利点がある。
【0034】(4) 本発明の第2の半導体集積回路装
置は、半導体基板の表面領域に形成された一対の第1ソ
ース・ドレイン領域と前記半導体基板上に第1ゲート絶
縁膜を介して形成された第1ゲート電極とにより構成さ
れる第1MOSトランジスタと、前記半導体基板の表面
領域に形成された一対の第2ソース・ドレイン領域と前
記半導体基板上に第2ゲート絶縁膜を介して形成された
第2ゲート電極とにより構成される第2MOSトランジ
スタとを備えてなり、前記第1ゲート電極は前記第1M
OSトランジスタの導電型と同じ導電型を持つ半導体層
からなり、前記第2ゲート電極は前記第2MOSトラン
ジスタの導電型と逆極性の導電型を持つ半導体層からな
り、前記第1MOSトランジスタは第1電源電圧で駆動
され、前記第2MOSトランジスタは前記第1電源電圧
より高い第2電源電圧で駆動されることを特徴とする。
【0035】(5) 本発明の第2の半導体集積回路装
置では、第1MOSトランジスタを構成する第1ゲート
電極が第1MOSトランジスタと同じ導電型を持つ半導
体層によって形成され、第1MOSトランジスタを構成
する第1ゲート電極が第1MOSトランジスタと同じ導
電型を持つ半導体層によって形成される。そして、第1
MOSトランジスタは第1電源電圧で駆動され、第2M
OSトランジスタは第1電源電圧より高い第2電源電圧
で駆動される。
【0036】よって、第2MOSトランジスタに対応し
て形成されるチャネル領域の導電型が第2ゲート電極を
形成する半導体層と逆極性の導電型となるため、チャネ
ル領域のフェルミ準位と半導体層のフェルミ準位との間
に生じるポテンシャルの差によって第2ゲート絶縁膜の
内部の電界が弱められる。したがって、第2ゲート絶縁
膜の厚さを増加させなくとも、第2ゲート絶縁膜に加わ
る電界ストレスを緩和することが可能となり、より高い
第2電源電圧で駆動される第2MOSトランジスタの信
頼性を向上させることができ、ひいては、当該半導体集
積回路装置の信頼性を向上させることができる。
【0037】さらに、第1MOSトランジスタに対応し
て形成されるチャネル領域の導電型は、第1ゲート電極
を形成する半導体層の導電型と同じになる。このため、
第1MOSトランジスタが優れた短チャネル特性を持つ
ことが可能となる。
【0038】(6) 本発明の第2の半導体集積回路装
置の好ましい例では、前記第2MOSトランジスタが表
面チャネル型のMOSトランジスタからなる。この場
合、第2ゲート絶縁膜の内部の電界をより効果的に弱め
ることができ、信頼性の向上が一層顕著になる利点があ
る。
【0039】(7) 本発明の第3の半導体集積回路装
置は、半導体基板の表面領域に形成された一対の第1ソ
ース・ドレイン領域と前記半導体基板上に第1ゲート絶
縁膜を介して形成された第1ゲート電極とにより構成さ
れる第1導電型の第1MOSトランジスタと、前記半導
体基板の表面領域に形成された一対の第2ソース・ドレ
イン領域と前記半導体基板上に第2ゲート絶縁膜を介し
て形成された第2ゲート電極とにより構成される、前記
第1導電型と逆の極性を持つ第2導電型の第2MOSト
ランジスタと、前記半導体基板の表面領域に形成された
一対の第3ソース・ドレイン領域と前記半導体基板上に
第3ゲート絶縁膜を介して形成された第3ゲート電極と
により構成される前記第1導電型の第3MOSトランジ
スタと、前記半導体基板の表面領域に形成された一対の
第4ソース・ドレイン領域と前記半導体基板上に第4ゲ
ート絶縁膜を介して形成された第4ゲート電極とにより
構成される前記第2導電型の第4MOSトランジスタと
を備えてなり、前記第1および第4のゲート電極のそれ
ぞれは前記第1導電型の半導体層からなり、前記第2お
よび第3のゲート電極のそれぞれは前記第2導電型の半
導体層からなり、前記第1および第2のMOSトランジ
スタのそれぞれは第1電源電圧で駆動され、前記第3お
よび第4のMOSトランジスタのそれぞれは前記第1電
源電圧より高い第2電源電圧で駆動されることを特徴と
する。
【0040】(8) 本発明の第3の半導体集積回路装
置では、第1導電型を持つ第1MOSトランジスタの第
1ゲート電極が第1導電型の半導体層によって形成さ
れ、第2導電型を持つ第2MOSトランジスタの第2ゲ
ート電極が第2導電型の半導体層によって形成される。
また、第1導電型を持つ第3MOSトランジスタの第3
ゲート電極が第2導電型を持つ半導体層によって形成さ
れ、第2導電型を持つ第4MOSトランジスタの第4ゲ
ート電極が第1導電型を持つ半導体層によって形成され
る。そして、第1および第2のMOSトランジスタのそ
れぞれは第1電源電圧で駆動され、第3および第4のM
OSトランジスタのそれぞれは第1電源電圧より高い第
2電源電圧で駆動される。
【0041】よって、第3MOSトランジスタに対応し
て形成されるチャネル領域の導電型が第3ゲート電極を
形成する半導体層と逆極性の導電型となるため、チャネ
ル領域のフェルミ準位と半導体層のフェルミ準位との間
に生じるポテンシャルの差によって第3ゲート絶縁膜の
内部の電界が弱められる。同様に、第4MOSトランジ
スタに対応して形成されるチャネル領域の導電型が第4
ゲート電極を形成する半導体層と逆極性の導電型となる
ため、チャネル領域のフェルミ準位と半導体層のフェル
ミ準位との間に生じるポテンシャルの差によって第4ゲ
ート絶縁膜の内部の電界が弱められる。したがって、第
3および第4のゲート絶縁膜の厚さを増加させなくと
も、第3および第4のゲート絶縁膜に加わる電界ストレ
スを緩和することが可能となり、より高い第2電源電圧
で駆動される第3および第4のMOSトランジスタの信
頼性を向上させることができ、ひいては、当該半導体集
積回路装置の信頼性を向上させることができる。
【0042】さらに、第1および第2のMOSトランジ
スタのそれぞれに対応して形成されるチャネル領域のそ
れぞれの導電型は、第1および第2のゲート電極を形成
するそれぞれの半導体層の導電型と同じになる。このた
め、第1および第2のMOSトランジスタが優れた短チ
ャネル特性を持つことが可能となる。
【0043】(9) 本発明の第3の半導体集積回路装
置の好ましい例では、前記第3および第4のMOSトラ
ンジスタが表面チャネル型のMOSトランジスタからな
る。この場合、第3および第4のゲート絶縁膜の内部の
電界をより効果的に弱めることができ、信頼性の向上が
一層顕著になる利点がある。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の形
態を添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0045】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態の半導体集積回路装置を示す。
【0046】図1の半導体集積回路装置は、バイパスコ
ンデンサとして動作するp型MOSトランジスタ10が
形成されたp型シリコン基板1を備えている。
【0047】シリコン基板1の表面領域には、n型ウェ
ル2が選択的に形成されている。n型ウェル2の表面領
域には、p+型拡散層からなるソース・ドレイン領域
3、4が選択的に形成されている。n型ウェル2の表面
には酸化シリコンからなるゲート絶縁膜5が形成されて
おり、ゲート絶縁膜5がソース・ドレイン領域3および
4の間のn型ウェル2の表面を覆っている。ゲート絶縁
膜5の上には、n型不純物の導入されたポリシリコン層
からなるゲート電極6がゲート絶縁膜5と完全に重なる
ように形成されている。それらのソース・ドレイン領域
3、4、ゲート絶縁膜5およびゲート電極6により表面
チャネル型のMOSトランジスタ10が構成される。
【0048】ゲート電極6は、配線層(図示せず)を介
して負の電源電圧線12(電源電圧:VSS)に電気的に
接続されている。ソース・ドレイン領域3および4は、
配線層(図示せず)を介して電気的に接続され、さらに
正の電源電圧線11(電源電圧:VDD)に電気的に接続
されている。
【0049】図1において、ゲート電極6には電源電圧
SSが供給され、共通接続されたソース・ドレイン領域
3、4には電源電圧VDDが供給される。このため、ソー
ス・ドレイン領域3および4の間のn型ウェル2の表面
領域にはp型チャネル領域7が生成される。そして、ソ
ース・ドレイン領域3、4およびp型チャネル領域7と
ゲート絶縁膜5とゲート電極6とによりコンデンサが形
成されることになる。
【0050】図2は、図1のMOSトランジスタ10を
含んで構成される回路を示す。こうして、電源電圧線1
1および12間に接続されたMOSトランジスタ10は
バイパスコンデンサとして動作する。
【0051】次に、MOSトランジスタ10のゲート絶
縁膜5に印加される電圧について説明する。
【0052】図3は、MOSトランジスタ10のゲート
・ソース間電圧VGSとして VGS=VSS−VDD を印加した場合に、ゲート電極6、ゲート絶縁膜5およ
びチャネル領域7に生じるポテンシャルを示す。横軸は
シリコン基板1の表面に対して垂直な方向、すなわちシ
リコン基板1の深さ方向の位置を示し、縦軸は電子のポ
テンシャルエネルギーおよびそれに対応する電位を示
す。
【0053】図3において、EC1およびEV1はゲート電
極6を形成するn型ポリシリコンの伝導帯および価電子
帯のポテンシャルエネルギー、EC2およびEV2はp型チ
ャネルの伝導帯および価電子帯のポテンシャルエネルギ
ー、EGはバンドギャップエネルギーである。シリコン
のバンドギャップエネルギーは常温において1.11e
Vの値をとる。ΔEはシリコン(n型ウェル2およびゲ
ート電極6)と酸化シリコン(ゲート絶縁膜5)の接合
部に生じるポテンシャル障壁である。
【0054】E0はゲート絶縁膜5の2つの表面(すな
わち、上面と下面)の間に生じるポテンシャル差を示し
ている。FL1、FL2はn型ポリシリコンおよびp型チ
ャネルのフェルミ準位で、フェルミ準位FL1は伝導帯
ポテンシャルエネルギーEC1に対して約0.05eV低
い値、フェルミ準位FL2は価電子帯ポテンシャルエネ
ルギーEV2に対して約0.1eV高い値をとる。また、
このフェルミ準位FL1およびFL2は、ゲート電極6お
よびソース・ドレイン領域3、4に印加されている電圧
に電子の電荷量eを乗じてポテンシャル化した値にそれ
ぞれ一致する。すなわち、フェルミ準位FL1、FL2
電源電圧VSS、VDDとの間に次の数式(5a)、(5
b)が成立する。
【0055】 FL1=VSS×e (eV) (5a) FL2=VDD×e (eV) (5b) ただし、e=−1.602×10-19(C)である。
【0056】よって、ポテンシャル差E0は、次の数式
(6)で与えられる。
【0057】 E0=FL1+0.05+ΔE −(FL2−0.1+EG+ΔE) (eV) (6)
【0058】上記数式(5a)、(5b)、(6)およ
びEG=1.11(eV)より次の数式(7)が導出さ
れる。
【0059】 E0/e=VSS−VDD+0.96 (eV) (7)
【0060】したがって、電位差に換算したポテンシャ
ル差|E0/e|は、次の数式(8)で与えられる。
【0061】 |E0/e|=VDD−VSS−0.96 (V) (8)
【0062】この数式(8)と上記数式(4)との比較
より、ゲート絶縁膜5の上下面間に印加される電圧が図
8の従来の半導体集積回路装置に対して約1V低下する
ことが分かる。これは、p型チャネルのフェルミ準位と
n型ポリシリコンのフェルミ準位との間に生じるポテン
シャル差(いわゆる、ビルトイン・ポテンシャル:buil
t-in potential)による。そして、ゲート絶縁膜5の上
下面間に印加される電圧が低下することにより、ゲート
絶縁膜5の内部に生じる電界が弱められる。
【0063】上述したように、本発明の第1実施形態の
半導体集積回路装置では、p型MOSトランジスタ10
のゲート電極6をn型ポリシリコン層で形成することに
より、ゲート絶縁膜5の内部の電界が弱められる。この
ため、ゲート絶縁膜5の厚さを増加させなくとも、ゲー
ト絶縁膜5に加わる電界ストレスを緩和することが可能
となり、信頼性を向上させることができる。
【0064】なお、本発明の第1実施形態の半導体集積
回路装置において、MOSトランジスタ10のゲート電
極6の接続される電源電圧線12の電源電圧を「0
V」、すなわち接地電位とすることも勿論可能であり、
その場合にも同様の効果が得られる。
【0065】(第2実施形態)図4は、本発明の第2実
施形態の半導体集積回路装置を示す。
【0066】図4の半導体集積回路装置は、バイパスコ
ンデンサとして動作するn型MOSトランジスタ30が
形成されたp型シリコン基板1を備えている。
【0067】シリコン基板1の表面領域には、n+型拡
散層からなるソース・ドレイン領域23、24が選択的
に形成されている。シリコン基板1の表面には酸化シリ
コンからなるゲート絶縁膜25が形成されており、ゲー
ト電極25がソース・ドレイン領域23および24の間
のシリコン基板1の表面を覆っている。ゲート絶縁膜2
5の上には、p型不純物の導入されたポリシリコン層か
らなるゲート電極26がゲート絶縁膜25と完全に重な
るように形成されている。それらのソース・ドレイン領
域23、24、ゲート絶縁膜25およびゲート電極26
により表面チャネル型のMOSトランジスタ30が構成
される。
【0068】ゲート電極26は、配線層(図示せず)を
介して正の電源電圧線11(電源電圧:VDD)に電気的
に接続されている。ソース・ドレイン領域23および2
4は、配線層(図示せず)を介して電気的に接続され、
さらに負の電源電圧線12(電源電圧:VSS)に電気的
に接続されている。
【0069】図4において、ゲート電極26には電源電
圧VDDが供給され、共通接続されたソース・ドレイン領
域23、24には電源電圧VSSが供給される。このた
め、ソース・ドレイン領域23および24の間のシリコ
ン基板1の表面領域にはn型チャネル領域27が生成さ
れる。そして、ソース・ドレイン領域23、24および
n型チャネル領域27とゲート絶縁膜25とゲート電極
26とによりコンデンサが形成されることになる。
【0070】図5は、図4のMOSトランジスタ30を
含んで構成される回路を示す。こうして、電源電圧線1
1および12間に接続されたMOSトランジスタ30は
バイパスコンデンサとして動作する。
【0071】次に、MOSトランジスタ30のゲート絶
縁膜25に印加される電圧について説明する。
【0072】図6は、MOSトランジスタ30のゲート
・ソース間電圧VGSとして VGS=VDD−VSS を印加した場合に、ゲート電極26、ゲート絶縁膜25
およびチャネル領域27に生じるポテンシャルを示す。
【0073】図6おいて、EC1およびEV1はゲート電極
26を形成するp型ポリシリコンの伝導帯および価電子
帯のポテンシャルエネルギー、EC2およびEV2はn型チ
ャネルの伝導帯および価電子帯のポテンシャルエネルギ
ー、EGはバンドギャップエネルギーである。ΔEはシ
リコン(シリコン基板1およびゲート電極26)と酸化
シリコン(ゲート絶縁膜25)の接合部に生じるポテン
シャル障壁である。
【0074】E0はゲート絶縁膜5の2つの表面(すな
わち、上面と下面)の間に生じるポテンシャル差を示し
ている。FL1、FL2はp型ポリシリコンおよびn型チ
ャネルのフェルミ準位で、フェルミ準位FL1は価電子
帯ポテンシャルエネルギーEV 1に対して約0.05eV
高い値、フェルミ準位FL2は伝導帯ポテンシャルエネ
ルギーEC2に対して約0.1eV低い値をとる。また、
このフェルミ準位FL1およびFL2は、ゲート電極26
およびソース・ドレイン領域23、24に印加されてい
る電圧に電子の電荷量eを乗じてポテンシャル化した値
にそれぞれ一致する。すなわち、フェルミ準位FL1
FL2と電源電圧VDD、VSSとの間に次の数式(9
a)、(9b)が成立する。
【0075】 FL1=VDD×e (eV) (9a) FL2=VSS×e (eV) (9b) ただし、e=−1.602×10-19(C)である。
【0076】よって、ポテンシャル差E0は、次の数式
(10)で与えられる。
【0077】 E0=FL2+0.1+ΔE −(FL1−0.05+EG+ΔE) (eV) (10)
【0078】上記数式(9a)、(9b)、(10)お
よびEG=1.11(eV)より次の数式(11)が導
出される。
【0079】 E0/e=VSS−VDD+0.96 (eV) (11)
【0080】したがって、電位差に換算したポテンシャ
ル差、すなわち電位差|E0/e|は、次の数式(1
2)で与えられる。
【0081】 |E0/e|=VDD−VSS−0.96 (V) (12)
【0082】この数式(12)と上記数式(4)との比
較より、ゲート絶縁膜25の上下面間に印加される電圧
が図8の従来の半導体集積回路装置に対して約1V低下
することが分かる。これは、n型チャネルのフェルミ準
位とp型ポリシリコンのフェルミ準位との間に生じるポ
テンシャル差(すなわち、ビルトイン・ポテンシャル)
による。そして、ゲート絶縁膜25の上下面間に印加さ
れる電圧が低下することにより、ゲート絶縁膜25の内
部に生じる電界が弱められる。
【0083】上述したように、本発明の第2実施形態の
半導体集積回路装置では、n型MOSトランジスタ30
のゲート電極26をp型ポリシリコン層で形成すること
により、ゲート絶縁膜25の内部の電界が弱められる。
このため、ゲート絶縁膜25の厚さを増加させなくと
も、ゲート絶縁膜に加わる電界ストレスを緩和すること
が可能となり、信頼性を向上させることができる。
【0084】なお、本発明の第2実施形態の半導体集積
回路装置において、MOSトランジスタ30のソース・
ドレイン領域23、24の接続される電源電圧線11の
電源電圧を「0V」、すなわち接地電位とすることも勿
論可能であり、その場合にも同様の効果が得られる。
【0085】(第3実施形態)図7は、本発明の第3実
施形態の半導体集積回路装置を示す。
【0086】図7の半導体集積回路装置は、それぞれC
MOS(Complementary MOS:相補型MOS)型の回路
構成からなる低電圧回路形成部65および高耐圧回路形
成部66を有するp型シリコン基板41を備えている。
【0087】低電圧回路形成部65において、シリコン
基板41の表面領域にはn型ウェル42Aが形成されて
いる。シリコン基板41の表面には酸化シリコンからな
るフィールド絶縁膜48Aが形成されており、フィール
ド絶縁膜48Aからn型ウェル42Aとシリコン基板4
1の表面が露出している。
【0088】フィールド絶縁膜48Aから露出するn型
ウェル42Aの表面領域には、p+型拡散層からなるソ
ース・ドレイン領域43A、44Aが選択的に形成され
ている。フィールド絶縁膜48Aから露出するn型ウェ
ル42Aの表面には酸化シリコンからなるゲート絶縁膜
45Aが形成されており、ゲート絶縁膜45Aがソース
・ドレイン領域43Aおよび44Aの間のn型ウェル4
2Aの表面を覆っている。ゲート絶縁膜45Aの上に
は、p型不純物の導入されたポリシリコン層からなるゲ
ート電極46Aがゲート絶縁膜45Aと完全に重なるよ
うに形成されている。それらのソース・ドレイン領域4
3A、44A、ゲート絶縁膜45Aおよびゲート電極4
6Aにより表面チャネル型のp型MOSトランジスタ6
1Aが構成される。
【0089】フィールド絶縁膜48Aから露出するシリ
コン基板41の表面領域には、n+型拡散層からなるソ
ース・ドレイン領域53A、54Aが選択的に形成され
ている。フィールド絶縁膜48Aから露出するシリコン
基板41の表面には酸化シリコンからなるゲート絶縁膜
55Aが形成されており、ゲート絶縁膜55Aがソース
・ドレイン領域53Aおよび54Aの間のシリコン基板
41の表面を覆っている。ゲート絶縁膜55Aの上に
は、n型不純物の導入されたポリシリコン層からなるゲ
ート電極56Aがゲート絶縁膜55Aと完全に重なるよ
うに形成されている。それらのソース・ドレイン領域5
3A、54A、ゲート絶縁膜55Aおよびゲート電極5
6Aにより表面チャネル型のn型MOSトランジスタ6
2Aが構成される。
【0090】低電圧回路形成部65には第1電源電圧
(例えば、2.5Vの電源電圧)が供給されており、M
OSトランジスタ61A、62Aは第1電源電圧で駆動
されて動作する。MOSトランジスタ61Aの動作時に
は、ソース・ドレイン領域43Aおよび44Aの間のn
型ウェル42Aの表面領域にはp型チャネル領域47A
が生成される。生成されるチャネル領域47Aは、ゲー
ト電極46Aを形成する半導体層と同じ導電型を持つ。
このため、MOSトランジスタ61Aは優れた短チャネ
ル特性を有する。
【0091】また、MOSトランジスタ62Aの動作時
には、ソース・ドレイン領域53Aおよび54Aの間の
シリコン基板41の表面領域にはn型チャネル領域57
Aが生成される。生成されるチャネル領域57Aは、ゲ
ート電極56Aを形成する半導体層と同じ導電型を持
つ。このため、MOSトランジスタ62Aは優れた短チ
ャネル特性を有する。
【0092】他方、高耐圧回路形成部66において、シ
リコン基板41の表面領域にはn型ウェル42Bが形成
されている。シリコン基板41の表面には酸化シリコン
からなるフィールド絶縁膜48Bが形成されており、フ
ィールド絶縁膜48Bからn型ウェル42Bとシリコン
基板41の表面が露出している。
【0093】フィールド絶縁膜48Bから露出するn型
ウェル42Bの表面領域には、p+型拡散層からなるソ
ース・ドレイン領域43B、44Bが選択的に形成され
ている。フィールド絶縁膜48Bから露出するn型ウェ
ル42Bの表面には酸化シリコンからなるゲート絶縁膜
45Bが形成されており、ゲート絶縁膜45Bがソース
・ドレイン領域43Bおよび44Bの間のn型ウェル4
2Bの表面を覆っている。ゲート絶縁膜45Bの上に
は、n型不純物の導入されたポリシリコン層からなるゲ
ート電極46Bがゲート絶縁膜45Bと完全に重なるよ
うに形成されている。それらのソース・ドレイン領域4
3B、44B、ゲート絶縁膜45Bおよびゲート電極4
6Bにより表面チャネル型のp型MOSトランジスタ6
1Bが構成される。
【0094】フィールド絶縁膜48Bから露出するシリ
コン基板41の表面領域には、n+型拡散層からなるソ
ース・ドレイン領域53B、54Bが選択的に形成され
ている。フィールド絶縁膜48Bから露出するシリコン
基板41の表面には酸化シリコンからなるゲート絶縁膜
55Bが形成されており、ゲート絶縁膜55Bがソース
・ドレイン領域53Bおよび54Bの間のシリコン基板
41の表面を覆っている。ゲート絶縁膜55Bの上に
は、p型不純物の導入されたポリシリコン層からなるゲ
ート電極56Bがゲート絶縁膜55Bと完全に重なるよ
うに形成されている。それらのソース・ドレイン領域5
3B、54B、ゲート絶縁膜55Bおよびゲート電極5
6Bにより表面チャネル型のn型MOSトランジスタ6
2Bが構成される。
【0095】なお、実際には、低電圧回路形成部65お
よび高耐圧回路形成部66にはMOSトランジスタ61
A、62A、61B、62B以外にも多数のMOSトラ
ンジスタが形成されている。しかし、ここでは説明を簡
単にするため、MOSトランジスタ61A、62A、6
1B、62Bのみを図示する。
【0096】高耐圧回路形成部66には第1電源電圧よ
り高い第2電源電圧(例えば、3.3Vの電源電圧)が
供給されており、MOSトランジスタ61B、62Bは
第2電源電圧で駆動されて動作する。MOSトランジス
タ61Bの動作時には、ソース・ドレイン領域43Bお
よび44Bの間のn型ウェル42Bの表面領域にはp型
チャネル領域47Bが生成される。生成されるチャネル
領域47Bは、ゲート電極46Bを形成する半導体層と
逆極性の導電型を持つ。このため、図1のMOSトラン
ジスタ10と同様に、p型チャネルのフェルミ準位とn
型ポリシリコンのフェルミ準位との間に生じるポテンシ
ャル差(いわゆる、ビルトイン・ポテンシャル)によっ
てゲート絶縁膜45Bの上下面間に印加される電圧が低
下することにより、ゲート絶縁膜45Bの内部に生じる
電界が弱められる。したがって、ゲート絶縁膜45Bの
厚さを増加させなくとも、ゲート絶縁膜45に加わる電
界ストレスを緩和することが可能となり、MOSトラン
ジスタ61Bの信頼性が向上する。
【0097】また、MOSトランジスタ62Bの動作時
には、ソース・ドレイン領域53Bおよび54Bの間の
シリコン基板41の表面領域にはn型チャネル領域47
Bが生成される。生成されるn型チャネル領域57B
は、ゲート電極56Bを形成する半導体層と逆極性の導
電型を持つ。このため、図2のMOSトランジスタ30
と同様に、n型チャネルのフェルミ準位とp型ポリシリ
コンのフェルミ準位との間に生じるポテンシャル差(い
わゆる、ビルトイン・ポテンシャル)によってゲート絶
縁膜55Bの上下面間に印加される電圧が低下すること
により、ゲート絶縁膜55Bの内部に生じる電界が弱め
られる。したがって、ゲート絶縁膜55Bの厚さを増加
させなくとも、ゲート絶縁膜55に加わる電界ストレス
を緩和することが可能となり、MOSトランジスタ62
Bの信頼性が向上する。
【0098】上述したように、本発明の第3実施形態の
半導体集積回路装置では、ゲート絶縁膜45B、55B
の厚さを増加させることなく、高耐圧回路形成部66の
MOSトランジスタ61B、62Bの信頼性を向上させ
ることができ、当該半導体集積回路装置全体の信頼性を
向上させることが可能となる。そして、低電圧回路形成
部65および高耐圧回路形成部66のそれぞれに形成さ
れるMOSトランジスタ61A、62Aおよび61B、
62Bを同じ厚さのゲート絶縁膜によって構成すること
ができるので、厚さの異なるゲート絶縁膜を形成するこ
とに伴う製造コストの増加も生じない。
【0099】さらに、低電圧回路形成部65において、
チャネル領域47A、57Aの導電型はゲート電極46
A、46Bを形成するそれぞれの半導体層の導電型と同
じになる。このため、低電圧回路形成部65に形成され
るMOSトランジスタ61A、62Aは、優れた短チャ
ネル特性を持つ。
【0100】なお、図7の半導体集積回路装置では、低
電圧回路形成部65および高耐圧回路形成部66のそれ
ぞれはCMOS型の回路構成を持つが、低電圧回路形成
部65および高耐圧回路形成部66の一方あるいは両方
をn型またはp型のMOSトランジスタで構成すること
もできる。その場合にも、図7の半導体集積回路装置と
同様の効果が得られる。
【0101】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の半導体集積
回路装置によれば、MOSトランジスタのゲート絶縁膜
の厚さを増加させることなく、ゲート絶縁膜に加わる電
界ストレスを緩和し、信頼性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の半導体集積回路装置を
示す要部概略断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の半導体集積回路装置の
バイパスコンデンサとして動作するMOSトランジスタ
の接続を示す回路図である。
【図3】本発明の第1実施形態の半導体集積回路装置の
バイパスコンデンサとして動作するMOSトランジスタ
のゲート絶縁膜およびチャネル領域に生じるポテンシャ
ルを示すグラフである。
【図4】本発明の第2実施形態の半導体集積回路装置を
示す要部概略断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の半導体集積回路装置の
バイパスコンデンサとして動作するMOSトランジスタ
の接続を示す回路図である。
【図6】本発明の第2実施形態の半導体集積回路装置の
バイパスコンデンサとして動作するMOSトランジスタ
のゲート絶縁膜およびチャネル領域に生じるポテンシャ
ルを示すグラフである。
【図7】本発明の第3実施形態の半導体集積回路装置を
示す要部概略断面図である。
【図8】従来の半導体集積回路装置を示す要部概略断面
図である。
【図9】従来の半導体集積回路装置のバイパスコンデン
サとして動作するMOSトランジスタのゲート絶縁膜お
よびチャネル領域に生じるポテンシャルを示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 p型シリコン基板 2 n型ウェル 3、4 p+型ソース・ドレイン領域 5 ゲート絶縁膜 6 ゲート電極 7 p型チャネル領域 10 p型MOSトランジスタ 11 正の電源電圧線 12 負の電源電圧線 23、24 n+型ソース・ドレイン領域 25 ゲート絶縁膜 26 ゲート電極 27 n型チャネル領域 30 n型MOSトランジスタ 41 p型シリコン基板 42A、42B n型ウェル 43A、43B、44A、44B p+型ソース・ドレ
イン領域 45A、45B ゲート絶縁膜 46A、46B ゲート電極 47A、47B p型チャネル領域 48A、48B フィールド絶縁膜 53A、53B、54A、54B n+型ソース・ドレ
イン領域 55A、55B ゲート絶縁膜 56A、56B ゲート電極 57A、57B n型チャネル領域 61A、61B p型MOSトランジスタ 62A、62B n型MOSトランジスタ 65 低電圧回路形成部 66 高耐圧回路形成部 EC1 ポリシリコン(ゲート電極)の伝導帯のポテンシ
ャルエネルギー EV1 ポリシリコン(ゲート電極)の価電子帯のポテン
シャルエネルギー FL1 ポリシリコン(ゲート電極)のフェルミ準位 EC2 MOSトランジスタのチャネル領域の伝導帯 EV2 MOSトランジスタのチャネル領域の価電子帯 FL2 MOSトランジスタのチャネル領域のフェルミ
準位 EG シリコンのバンドギャップエネルギー E0 ゲート絶縁膜に生じるポテンシャル差 △E シリコン基板またはウェルとゲート絶縁膜と接合
部に生じるポテンシャル障壁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート電極が第1電源電圧線に電気的に
    接続されると共に、一対のソース・ドレイン領域のそれ
    ぞれが第2電源電圧線に電気的に接続されることによっ
    て、前記第1および第2の電源電圧線間のバイパスコン
    デンサとして動作する第1導電型のMOSFETを半導
    体基板に備えてなる半導体集積回路装置であって、 前記ゲート電極は前記半導体基板上にゲート絶縁膜を介
    して形成されると共に、前記第1導電型とは逆の極性を
    持つ第2導電型の半導体層からなり、 前記第1および第2の電源電圧線のそれぞれから前記M
    OSFETに電圧が供給されたときに、前記半導体基板
    に前記第1導電型のチャネル領域が生成されることによ
    って前記ゲート絶縁膜内部の電界が弱められることを特
    徴とする半導体集積回路装置。
  2. 【請求項2】 前記チャネル領域が前記半導体基板の表
    面領域に生成される請求項1に記載の半導体集積回路装
    置。
  3. 【請求項3】 半導体基板の表面領域に形成された一対
    の第1ソース・ドレイン領域と前記半導体基板上に第1
    ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極とによ
    り構成される第1MOSFETと、 前記半導体基板の表面領域に形成された一対の第2ソー
    ス・ドレイン領域と前記半導体基板上に第2ゲート絶縁
    膜を介して形成された第2ゲート電極とにより構成され
    る第2MOSFETとを備えてなり、 前記第1ゲート電極は前記第1MOSFETの導電型と
    同じ導電型を持つ半導体層からなり、 前記第2ゲート電極は前記第2MOSFETの導電型と
    逆極性の導電型を持つ半導体層からなり、 前記第1MOSFETは第1電源電圧で駆動され、 前記第2MOSFETは前記第1電源電圧より高い第2
    電源電圧で駆動されることを特徴とする半導体集積回路
    装置。
  4. 【請求項4】 前記第2MOSFETが表面チャネル型
    のMOSFETからなる請求項3に記載の半導体集積回
    路装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板の表面領域に形成された一対
    の第1ソース・ドレイン領域と前記半導体基板上に第1
    ゲート絶縁膜を介して形成された第1ゲート電極とによ
    り構成される第1導電型の第1MOSFETと、 前記半導体基板の表面領域に形成された一対の第2ソー
    ス・ドレイン領域と前記半導体基板上に第2ゲート絶縁
    膜を介して形成された第2ゲート電極とにより構成され
    る、前記第1導電型と逆の極性を持つ第2導電型の第2
    MOSFETと、 前記半導体基板の表面領域に形成された一対の第3ソー
    ス・ドレイン領域と前記半導体基板上に第3ゲート絶縁
    膜を介して形成された第3ゲート電極とにより構成され
    る前記第1導電型の第3MOSFETと、 前記半導体基板の表面領域に形成された一対の第4ソー
    ス・ドレイン領域と前記半導体基板上に第4ゲート絶縁
    膜を介して形成された第4ゲート電極とにより構成され
    る前記第2導電型の第4MOSFETとを備えてなり、 前記第1および第4のゲート電極のそれぞれは前記第1
    導電型の半導体層からなり、 前記第2および第3のゲート電極のそれぞれは前記第2
    導電型の半導体層からなり、 前記第1および第2のMOSFETのそれぞれは第1電
    源電圧で駆動され、 前記第3および第4のMOSFETのそれぞれは前記第
    1電源電圧より高い第2電源電圧で駆動されることを特
    徴とする半導体集積回路装置。
  6. 【請求項6】 前記第3および第4のMOSFETが表
    面チャネル型のMOSFETからなる請求項5に記載の
    半導体集積回路装置。
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