JP2000298341A - ポジ型感光性樹脂前駆体組成物 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂前駆体組成物

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JP2000298341A
JP2000298341A JP10685599A JP10685599A JP2000298341A JP 2000298341 A JP2000298341 A JP 2000298341A JP 10685599 A JP10685599 A JP 10685599A JP 10685599 A JP10685599 A JP 10685599A JP 2000298341 A JP2000298341 A JP 2000298341A
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organic group
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integer
carbon atoms
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JP10685599A
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English (en)
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Yoji Fujita
陽二 藤田
Masao Tomikawa
真佐夫 富川
Ryoji Okuda
良治 奥田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ現像可能なポジ型の感光性樹脂前駆体
組成物を提供する。 【解決手段】(a)一般式(1)で表される構造単位を
主成分とするポリマーと、(b)一般式(2)で表され
るキノンジアジド化合物を含有することを特徴とするポ
ジ型感光性樹脂前駆体組成物。 【化1】 (R1は少なくとも2個以上の炭素原子を有する2価〜
8価の有機基を示し、R2は少なくとも2個以上の炭素
原子を有する2価〜6価の有機基を示し、R3は水素、
または炭素数1〜20までの有機基を示す。nは10〜
100000までの整数、mは0〜2までの整数、p、
qは0〜4までの整数を示す。p、qは同時に0になら
ない。) 【化2】 (R4、R6は炭素数1〜20より選ばれる1価の有機
基を示し、R5は少なくとも2個以上の炭素原子を有す
る2価〜8価の有機基を示す。b+d、c+eは0〜4
までの整数を示す。b、eは同時に0にならず、c、d
は同時に0にならない。b+dとc+eは同時に0にな
らない。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の表面
保護膜、層間絶縁膜などに適した、紫外線で露光した部
分がアルカリ水溶液に溶解するポジ型の感光性ポリイミ
ドおよびポリベンゾオキサゾール前駆体組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】露光した部分が現像により溶解するポジ
型の耐熱性樹脂前駆体組成物としては、ポリアミド酸に
キノンジアジドを添加したもの、水酸基を有した可溶性
ポリイミドにキノンジアジドを添加したもの、水酸基を
有したポリアミドにキノンジアジドを添加したものなど
が知られていた。またキノンジアジド化合物について
は、フッ素含有キノンジアジド(特開平4−31860
号公報)、イソプロピル残基を含有したキノンジアジド
(特開平7−281441号公報)などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
ポリアミド酸にキノンジアジドを添加したものではキノ
ンジアジドのアルカリに対する溶解阻害効果よりポリア
ミド酸のカルボキシル基の溶解性が高いために、ほとん
どの場合希望するパターンを得ることが出来ないという
問題点があった。また、水酸基を有した可溶性ポリイミ
ド樹脂を添加したものでは、今述べたような問題点は少
なくなったものの、可溶性にするために構造が限定され
ること、得られるポリイミド樹脂の耐溶剤性が悪い点な
どが問題であった。水酸基を有したポリアミド樹脂にキ
ノンジアジドを添加したものも、溶解性を出すために構
造にある限定はあること、そのために熱処理後に得られ
る樹脂の耐溶剤性に劣ることなどが問題であった。
【0004】以上の欠点を考慮し、本発明はポリイミド
およびポリベンゾオキサゾール前駆体に新規キノンジア
ジドを添加することで、アルカリ現像可能であり、得ら
れる樹脂組成物の残膜率が大幅に向上することを見いだ
し、発明に至ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)一般式
(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと、
(b)一般式(2)で表されるキノンジアジド化合物を
含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂前駆体組成
物である。
【0006】
【化7】
【0007】(R1は少なくとも2個以上の炭素原子を
有する2価〜8価の有機基を示し、R2は少なくとも2
個以上の炭素原子を有する2価〜6価の有機基を示し、
R3は水素、または炭素数1〜20までの有機基を示
す。nは10〜100000までの整数、mは0〜2ま
での整数、p、qは0〜4までの整数を示す。p、qは
同時に0にならない。)
【0008】
【化8】
【0009】(R4、R6は炭素数1〜20より選ばれ
る1価の有機基を示し、R5は少なくとも2個以上の炭
素原子を有する2価〜8価の有機基を示す。b+d、c
+eは0〜4までの整数を示す。b、eは同時に0にな
らず、c、dは同時に0にならない。b+dとc+eは
同時に0にならない。)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における一般式(1)で表
される構造単位を主成分とするポリマーとは、加熱ある
いは適当な触媒により、イミド環、オキサゾール環、そ
の他の環状構造を有するポリマーとなり得るものであ
る。環構造となることで、耐熱性、耐溶剤性が飛躍的に
向上する。
【0011】上記一般式(1)は、水酸基を有したポリ
アミドを表しており、この水酸基の存在のために、アル
カリ水溶液に対する溶解性が水酸基を有さないポリアミ
ドよりも良好になる。特に、水酸基の中でもフェノール
性の水酸基がアルカリ水溶液に対する溶解性より好まし
い。また、フッ素原子を一般式(1)中に10重量%以
上有することで、アルカリ水溶液で現像する際に、膜の
界面に撥水性が適度に出るために、界面のしみこみなど
が抑えられる。しかしながら、フッ素原子含有量が20
重量%を越えると、アルカリ水溶液に対する溶解性が低
下すること、熱処理により環状構造にしたポリマーの耐
有機溶媒性が低下すること、発煙硝酸に対する溶解性が
低下するため、フッ素原子は10重量%〜20重量%含
まれることが好ましい。
【0012】上記一般式(1)中、R1は少なくとも2
個以上の炭素原子を有する2価〜8価の有機基を示し、
酸の構造成分を表している。2価のものとしては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(カルボキシフェ
ニル)プロパンなどの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン
酸などを挙げることができる。3価のものとしては、ト
リメリット酸、トリメシン酸などのトリカルボン酸、4
価のものとしてはピロメリット酸、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルテトラカルボン酸などのテトラカルボン酸を
挙げることができる。また、ヒドロキシフタル酸、ヒド
ロキシトリメリット酸などの水酸基を有する酸も用いる
ことができる。またこれら酸成分は単独または2種以上
混合しても構わないが、テトラカルボン酸を1〜40モ
ル%共重合して用いることが好ましい。
【0013】テトラカルボン酸は芳香族環を含有し、か
つ、水酸基を1個〜4個有した、少なくとも2個以上の
炭素原子を有する3価〜8価の有機基であることが好ま
しく、炭素数6〜30の3価または4価の有機基がさら
に好ましい。具体的には、一般式(3)に示されるよう
な構造のものが好ましく、この場合、R7、R9は炭素
数2〜20より選ばれる2価から4価の有機基が好まし
く、得られるポリマーの耐熱性より芳香族環を含んだも
のがさらに好ましく、その中でも特に好ましい構造とし
てトリメリット酸、トリメシン酸、ナフタレントリカル
ボン酸残基のようなものを挙げることができる。またR
8は炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜
6価の有機基が好ましい。さらに、水酸基はアミド結合
と隣り合った位置にあることが好ましい。このような例
として、フッ素原子を含んだ、ビス(3−アミノ−4−
ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス
(3−ヒドロキシ−4−アミノフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、フッ素原子を含まない、ビス(3−アミノ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−ヒド
ロキシ−4−アミノフェニル)プロパン、3,3’−ジ
アミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’
−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,
4−ジアミノ−フェノール、2,5−ジアミノフェノー
ル、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン
のアミノ基が結合したものなどを挙げることができる。
【0014】また、一般式(3)のR10、R11は水
素、および/または炭素数1〜20までの有機基が良
い。炭素数20を超えるとアルカリ現像液に対する溶解
性が低下する。本発明においては、水素原子およびアル
キル基を混在させることができる。好ましくは、R1
0、R11の10%〜90%が水素原子であることであ
り、得られるポジ型感光性樹脂前駆体溶液の安定性か
ら、さらに好ましくは10%〜50%が水素原子である
ことである。o、sは0〜2までの整数を示している
が、好ましくは1〜2の整数から選ばれる。またrは1
〜4までの整数を表している。rが5以上になると、得
られる耐熱性樹脂膜の特性が低下する。
【0015】一般式(3)で表される化合物の中で、好
ましい化合物を例示すると下記に示したような構造のも
のが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
【化9】
【0017】一般式(1)中、R2は少なくとも2個以
上の炭素原子を有する2〜6価の有機基であり、ジアミ
ンの構造成分を表している。この中で、R2の好ましい
例としては、得られるポリマーの耐熱性より芳香族を有
し、かつ水酸基を有するものが好ましく、具体的な例と
してはフッ素原子を有した、ビス(アミノ−ヒドロキシ
−フェニル)ヘキサフルオロプロパン、フッ素原子を有
さない、ジアミノジヒドロキシピリミジン、ジアミノジ
ヒドロキシピリジン、ヒドロキシ−ジアミノ−ピリミジ
ン、ジアミノフェノール、ジヒドロキシベンチジンなど
の化合物や一般式(4)、(5)、(6)に示す構造の
ものをあげることができる。
【0018】一般式(4)において、R12、R14は
炭素数2〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜4価
の有機基を示しており、得られるポリマーの耐熱性より
芳香族環を有したものが好ましい。具体的にはヒドロキ
シフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナ
フチル基、ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェ
ニル基、ジヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキ
シフェニル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)
スルホン基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒド
ロキシジフェニルエーテル基などを表す。また、ヒドロ
キシシクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基
などの脂肪族の基も使用することができる。R13は炭
素数2〜30より選ばれる2価の有機基を表している。
得られるポリマーの耐熱性よりは芳香族を有した2価の
基がよく、このような例としてはフェニル基、ビフェニ
ル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオ
ロプロパン基、ジフェニルプロパン基、ジフェニルスル
ホン基などをあげることができるが、これ以外にも脂肪
族のシクロヘキシル基なども使用することができる。
【0019】一般式(5)において、R15、R17は
炭素数2〜20より選ばれる2価の有機基を表してい
る。得られるポリマーの耐熱性よりは芳香族を有した2
価の基がよく、このような例としてはフェニル基、ビフ
ェニル基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフ
ルオロプロパン基、ジフェニルプロパン基、ジフェニル
スルホン基などをあげることができるが、これ以外にも
脂肪族のシクロヘキシル基なども使用することができ
る。R16は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を有
した3価〜6価の有機基を示しており、得られるポリマ
ーの耐熱性より芳香族環を有したものが好ましい。具体
的にはヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル
基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基、
ヒドロキシビフェニル基、ジヒドロキシビフェニル基、
ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
基、ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン基、ビス(ヒ
ドロキシフェニル)スルホン基、ヒドロキシジフェニル
エーテル基、ジヒドロキシジフェニルエーテル基などを
表す。また、ヒドロキシシクロヘキシル基、ジヒドロキ
シシクロヘキシル基などの脂肪族の基も使用することが
できる。
【0020】一般式(6)においてR18は炭素数2〜
20より選ばれる2価の有機基を表している。得られる
ポリマーの耐熱性から芳香族を有した2価の基がよく、
このような例としてはフェニル基、ビフェニル基、ジフ
ェニルエーテル基、ジフェニルヘキサフルオロプロパン
基、ジフェニルプロパン基、ジフェニルスルホン基など
をあげることができるが、これ以外にも脂肪族のシクロ
ヘキシル基なども使用することができる。R19は炭素
数3〜20より選ばれる水酸基を有した3価〜6価の有
機基を示しており、得られるポリマーの耐熱性より芳香
族環を有したものが好ましい。具体的にはヒドロキシフ
ェニル基、ジヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチ
ル基、ジヒドロキシナフチル基、ヒドロキシビフェニル
基、ジヒドロキシビフェニル基、ビス(ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン基、ビス(ヒドロキシフ
ェニル)プロパン基、ビス(ヒドロキシフェニル)スル
ホン基、ヒドロキシジフェニルエーテル基、ジヒドロキ
シジフェニルエーテル基などを表す。また、ヒドロキシ
シクロヘキシル基、ジヒドロキシシクロヘキシル基など
の脂肪族の基も使用することができる。
【0021】一般式(4)内のR12、R14、一般式
(5)内のR16、一般式(6)内のR19は、得られ
るポリマーの耐熱性より芳香族環、水酸基を有した有機
基が好ましい。一般式(4)内のR13、一般式(5)
内のR15、R17、一般式(6)内のR18は、得ら
れるポリマーの耐熱性より芳香族環を有した有機基が好
ましい。また一般式(4)のt、uは1あるいは2の整
数を示し、一般式(5)のv、一般式(6)のwは1〜
4までの整数を示す。
【0022】一般式(1)のR2(OH)qを一般式
(4)で表される具体例を下記に示す。
【0023】
【化10】
【0024】また、一般式(5)で表される具体例を下
記に示す。
【0025】
【化11】
【0026】一般式(6)で表される具体例を下記に示
す。
【0027】
【化12】
【0028】また、一般式(4)、(5)、(6)で表
されるジアミンに対して、1〜40モル%の範囲の、他
のジアミン成分を用いて変性することもできる。これら
の例としては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニ
ルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジアミノジフ
ェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(ト
リフルオロメチル)ベンチジン、ビス(アミノフェノキ
シフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニ
ル)スルホンあるいはこれらの芳香族環にアルキル基や
ハロゲン原子で置換した化合物などを挙げることができ
る。このような例として、フェニレンジアミン、ジアミ
ノジフェニルエーテル、アミノフェノキシベンゼン、ジ
アミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ン、ビス(トリフルオロメチル)ベンチジン、ビス(ア
ミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェ
ノキシフェニル)スルホンあるいはこれらの芳香族環に
アルキル基やハロゲン原子で置換した化合物など、脂肪
族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキ
シルアミンなどが挙げられる。このようなジアミン成分
を40モル%以上共重合すると得られるポリマーの耐熱
性が低下する。
【0029】一般式(1)のR3は水素、および/また
は炭素数1〜20の有機基を表している。得られるポジ
型感光性樹脂前駆体溶液の安定性からは、R3は有機基
が好ましいが、アルカリ水溶液の溶解性より見ると水素
が好ましい。本発明においては、水素原子とアルキル基
を混在させることができる。このR3の水素と有機基の
量を制御することで、アルカリ水溶液に対する溶解速度
が変化するので、この調整により適度な溶解速度を有し
たポジ型感光性樹脂前駆体組成物を得ることができる。
好ましい範囲は、R3の10%〜90%が水素原子であ
る。R3の炭素数が20を越えるとアルカリ水溶液に溶
解しなくなる。以上よりR3は、炭素数1〜16までの
炭化水素基を少なくとも1つ以上含有し、その他は水素
原子であることが好ましい。
【0030】また一般式(1)のmはカルボキシル基の
数を示しており、0〜2までの整数を示している。より
好ましくは1〜2の整数から選ばれる。一般式(1)の
nは本発明のポリマーの構造単位の繰り返し数を示して
おり、10〜100000の範囲であることが好まし
い。
【0031】さらに、基板との接着性を向上させるため
に、耐熱性を低下させない範囲でR1、R2にシロキサ
ン構造を有する脂肪族の基を共重合してもよい。具体的
には、ジアミン成分として、ビス(3−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノ−フ
ェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜10
モル%共重合したものなどがあげられる本発明のポジ型
感光性樹脂組成物は一般式(1)で表される構造単位の
みからなるものであっても良いし、他の構造単位との共
重合体あるいはブレンド体であっても良い。その際、一
般式(1)で表される構造単位を90モル%以上含有し
ていることが好ましい。共重合あるいはブレンドに用い
られる構造単位の種類および量は最終加熱処理によって
得られるポリイミド系ポリマの耐熱性を損なわない範囲
で選択することが好ましい。
【0032】本発明の感光性樹脂前駆体は公知の方法に
より合成される。例えば、低温中でテトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物を反応させる方法(C.E.S
roogら、Journal Polymer Sci
ence誌、PartA−3、1373(196
5))、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによ
りジエステルを得、その後アミンと縮合剤の存在下で反
応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコール
とによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を
酸クロリド化し、アミンと反応させる方法などで合成す
ることができる。
【0033】本発明において、一般式(2)で表される
キノンジアジド化合物は、水酸基およびアミノ基を有す
る2〜8価の有機基とキノンジアジドのスルホン酸がエ
ステルで結合またはスルホンアミドで結合したものが好
ましい。キノンジアジドのスルホニル基としては、1,
2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2
−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を挙げるこ
とが出来る。1,2−ナフトキノンジアジド−4−スル
ホニル基は水銀灯のi線領域に吸収を持っており、i線
露光に適しており、1,2−ナフトキノンジアジド−5
−スルホニル基は水銀灯のg線領域まで吸収が伸びてお
り、g線露光に適している。本発明においては、1,2
−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基のどちらも好
ましく使用することが出来るが、露光する波長によって
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を選
択することが好ましい。また、同一分子中に1,2−ナ
フトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフ
トキノンジアジド−5−スルホニル基を併用して導入す
ることもできるし、1,2−ナフトキノンジアジド−4
−スルホニル基を感光基として導入した感光剤と1,2
−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基を感光基と
して導入した感光剤を混合して使用することもできる。
【0034】一般式(2)において、R5はポリマー主
鎖との相互作用より芳香族を有し、さらに水酸基および
アミノ基を有した有機基が好ましい。
【0035】一般式(2)において、b+d、c+eは
0〜4までの整数を示す。b、eは同時に0にならず、
c、dは同時に0にならない。また、b+dとc+eは
同時に0にはならない。b+d、c+eの両方において
4より大きくなると、疎水性が増加するために、アルカ
リ現像液に露光後も溶解しなくなり、パターンを得られ
ない恐れがある。
【0036】一般式(2)において、R4、R6は炭素
数1〜20より選ばれる1価の有機基を表しており、ポ
リマー主鎖との相互作用より芳香族を有したものが好ま
しい。疎水基として使用するが、炭素数が21以上とな
るとアルカリ水溶液に対する溶解性が低下してパターン
を得られない可能性がある。具体的にはフェニル基、ベ
ンジル基、トリル基、ジメチルフェニル基、オクチルフ
ェニル基、ドデシルフェニル基などを挙げることができ
るが、これ以外にも脂肪族のシクロヘキシル基なども用
いることができる。
【0037】一般式(2)で表される例として、下記に
示すものを挙げることができるがこれらに限られるわけ
ではない。
【0038】
【化13】
【0039】このような感光剤を使用することで膜表面
に疎水基が凝集して未露光部の溶解性が低下し、露光部
とのコントラストが大きくなり残膜率が向上する。ま
た、ナフトキノンジアジド化合物の分子量が1500を
超えると、その後の熱処理においてナフトキノンジアジ
ド化合物が十分に熱分解しないために、得られる膜の耐
熱性が低下する、機械特性が低下する、接着性が低下す
るなどの問題が生じる可能性がある。このような観点よ
り見ると、好ましいナフトキノンジアジド化合物の分子
量は300〜1500である。さらに好ましくは、35
0〜1200である。
【0040】感光剤は、一般式(2)で表される構造の
みであっても良いし、他の構造との混合体であっても良
い。ただし他の構造との混合体として用いる場合、本発
明の感光剤の含有量は現像後の残膜率を低下させない量
であることが必要である。
【0041】また、必要に応じて上記、ポジ型感光性前
駆体組成物と基板との塗れ性を向上させる目的で界面活
性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどの
アルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケ
トンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などのエーテル類を混合しても良い。また、2酸化ケイ
素、2酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミド
の粉末などを添加することもできる。
【0042】さらにシリコンウエハなどの下地基板との
接着性を高めるために、シランカップリング剤、チタン
キレート剤などをポジ型感光性樹脂前駆体組成物のワニ
スに0.5〜10重量%添加したり、下地基板をこのよ
うな薬液で前処理したりすることもできる。
【0043】ワニスに添加する場合、メチルメタクリロ
キシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、などのシランカップリング剤、チタンキレー
ト剤、アルミキレート剤をワニス中のポリマーに対して
0.5〜10重量%添加する。
【0044】基板を処理する場合、上記で述べたカップ
リング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノー
ル、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルな
どの溶媒に0.5〜20重量%溶解させた溶液をスピン
コート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処理
をする。場合によっては、その後50℃〜300℃まで
の温度をかけることで、基板と上記カップリング剤との
反応を進行させる。
【0045】次に、本発明のポジ型感光性前駆体組成物
を用いて耐熱性樹脂パターンを形成する方法について説
明する。
【0046】ポジ型感光性前駆体組成物を基板上に塗布
する。基板としてはシリコンウエハ、セラミックス類、
ガリウムヒ素などが用いられるが、これらに限定されな
い。塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプ
レー塗布、ロールコーティングなどの方法がある。ま
た、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度
などによって異なるが通常、乾燥後の膜厚が、0.1〜
150μmになるように塗布される。
【0047】次にポジ型感光性前駆体組成物を塗布した
基板を乾燥して、ポジ型感光性前駆体組成物皮膜を得
る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使
用し、50度〜150度の範囲で1分〜数時間行うのが
好ましい。
【0048】次に、このポジ型感光性前駆体組成物皮膜
上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照
射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外
線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では
水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g
線(436nm)を用いるのが好ましい。
【0049】耐熱性樹脂のパターンを形成するには、露
光後、現像液を用いて露光部を除去することによって達
成される。現像液としては、テトラメチルアンモニウム
の水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノ
ール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミ
ン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミ
ノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性
を示す化合物の水溶液が好ましい。また場合によって
は、これらのアルカリ水溶液にNーメチルピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロ
ン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール
類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、
シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み
合わせたものを添加してもよい。現像後は水にてリンス
処理をする。ここでもエタノール、イソプロピルアルコ
ールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類
などを水に加えてリンス処理をしても良い。
【0050】現像後、200〜500℃の温度を加えて
耐熱性樹脂皮膜に変換する。この加熱処理は温度を選
び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に
昇温しながら5分〜5時間実施する。一例としては、1
30℃、200℃、350℃で各30分づつ熱処理す
る。あるいは室温より400℃まで2時間かけて直線的
に昇温するなどの方法が挙げられる。
【0051】本発明によるポジ型感光性前駆体組成物に
より形成した耐熱性樹脂皮膜は、半導体のパッシベーシ
ョン膜、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の
層間絶縁膜などの用途に用いられる。
【0052】
【実施例】以下実施例および技術をあげて本発明を説明
するが、本発明はこれらの例によって限定されるもので
はない。
【0053】特性の測定方法 粘度の測定 トキメック社製E型粘度計を使用し、25℃にて測定を
行った。 膜厚の測定 大日本スクリーン製造社製ラムダエースSTM−602
を使用し、屈折率1.64で測定を行った。
【0054】合成例1 キノンジアジド化合物(1)の
合成 乾燥窒素気流下、4,4’−[1−[4−[1−(4−
ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]
エチリデン]ビスフェノール(TPPA)21.22g
(0.050モル)とp−トルエンスルホン酸クロリド
0.95g(0.005モル)および1,2−ナフトキ
ノンジアジド−5−スルホン酸クロリド12.08g
(0.045モル)を1,4−ジオキサン450gに溶
解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50
gと混合させたトリエチルアミン5.06gを系内が4
5℃以上にならないように滴下した。滴下後40℃で2
時間攪拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水
に投入させた。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。
この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、一般式(2)のb+
dが3、c+eが0であるキノンジアジド化合物(1)
を得た。
【0055】
【化14】
【0056】合成例2 キノンジアジド化合物(2)の
合成 乾燥窒素気流下、TPPA21.22g(0.050モ
ル)とp−ドデシルベンゼンスルホン酸クロリド1.7
2g(0.005モル)および1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホン酸クロリド12.08g(0.0
45モル)を1,4−ジオキサン450gに溶解させ、
室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50gと混合
させたトリエチルアミン5.06gを用い、合成例1と
同様にしてb+dが3、c+eが0であるキノンジアジ
ド化合物(2)を得た。
【0057】
【化15】
【0058】合成例3 キノンジアジド化合物(3)の
合成 乾燥窒素気流下、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(BAHF)
18.31g(0.050モル)とp−トルエンスルホ
ン酸クロリド2.38g(0.0125モル)および
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリ
ド3.35g(0.0125モル)、1,2−ナフトキ
ノンジアジド−5−スルホン酸クロリド6.71g
(0.025モル)を1,4−ジオキサン450gに溶
解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン50
gと混合させたトリエチルアミン5.06gを用い、合
成例1と同様にしてb+dが2、c+eが2であるキノ
ンジアジド化合物(3)を得た。
【0059】
【化16】
【0060】合成例4 キノンジアジド化合物(4)の
合成 乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.050モ
ル)とp−トルエンスルホン酸クロリド4.76g
(0.025モル)を1,4−ジオキサン450gに溶
解させ、室温にした。ここに、1,4−ジオキサン25
gと混合させたトリエチルアミン2.53gを系内が2
5℃以上にならないように滴下した。滴下後20℃で2
時間攪拌した。ここに1,2−ナフトキノンジアジド−
5−スルホン酸クロリド6.71g(0.025モル)
を加えて溶解させ、1,4−ジオキサン50gと混合さ
せたトリエチルアミン5.06gを系内が45℃以上に
ならないように滴下した。滴下後40℃で2時間攪拌し
た。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入させ
た。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を
真空乾燥機で乾燥させ、b+dが2、c+eが2である
キノンジアジド化合物(4)を得た。
【0061】
【化17】
【0062】合成例5 酸無水物(1)の合成 乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05モル)
とアリルグリシジルエーテル34.2g(0.3モル)
をガンマブチロラクトン(GBL)100gに溶解さ
せ、−15℃に冷却した。ここにGBL50gに溶解さ
せた無水トリメリット酸クロリド22.1g(0.11
モル)を反応液の温度が0℃を越えないように滴下し
た。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。この溶液を
ロータリーエバポレーターで濃縮して、トルエン1lに
投入して酸無水物(1)を得た。
【0063】
【化18】
【0064】合成例6 ヒドロキシル基含有ジアミン化
合物(1)の合成 BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン100
ml、プロピレンオキシド17.4g(0.3モル)に
溶解させ、−15℃に冷却した。ここに4−ニトロベン
ゾイルクロリド20.4g(0.11モル)をアセトン
100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、
−15℃で4時間反応させ、その後室温に戻した。析出
した白色固体をろ別し、50℃で真空乾燥した。
【0065】固体30gを300mlのステンレスオー
トクレーブに入れ、メチルセルソルブ250mlに分散
させ、5%パラジウム−炭素を2g加えた。ここに水素
を風船で導入して8kgf/cm2の加圧下、還元反応
を室温で行った。約2時間後、風船がこれ以上しぼまな
いことを確認して反応を終了させた。反応終了後、ろ過
して触媒であるパラジウム化合物を除き、ロータリーエ
バポレーターで濃縮し、ジアミン化合物(1)を得た。
得られた固体をそのまま反応に使用した。
【0066】
【化19】
【0067】合成例7 ヒドロキシル基含有ジアミン
(2)の合成 2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1
モル)をアセトン50ml、プロピレンオキシド30g
(0.34モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。こ
こにイソフタル酸クロリド11.2g(0.055モ
ル)をアセトン60mlに溶解させた溶液を徐々に滴下
した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させた。その
後、室温に戻して生成している沈殿をろ過で集めた。
【0068】この沈殿をGBL200mlに溶解させ
て、5%パラジウム−炭素3gを加えて、激しく攪拌し
た。ここに水素ガスを入れた風船を取り付け、室温で水
素ガスの風船がこれ以上縮まない状態になるまで攪拌を
続け、さらに2時間水素ガスの風船を取り付けた状態で
攪拌した。攪拌終了後、ろ過でパラジウム化合物を除
き、溶液をロータリーエバポレーターで半量になるまで
濃縮した。ここにエタノールを加えて、再結晶を行い、
目的の化合物の結晶を得た。
【0069】
【化20】
【0070】合成例8 ヒドロキシル基含有ジアミン
(3)の合成 2−アミノ−4−ニトロフェノール15.4g(0.1
モル)をアセトン100ml、プロピレンオキシド1
7.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却し
た。ここに4−ニトロベンゾイルクロリド20.4g
(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶
液を徐々に滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反
応させた。その後、室温に戻して生成している沈殿をろ
過で集めた。
【0071】この後、合成例6と同様にして目的の化合
物の結晶を得た。
【0072】
【化21】
【0073】実施例1 乾燥窒素気流下、合成例6で得られたジアミン化合物
(1)57.4g(0.095モル)、1,3−ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.
24g(0.005モル)をGBL350gに溶解させ
た。ここに3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物32.2g(0.1モル)をGBL
40gとともに加えて、20℃で1時間反応させ、次い
で50℃で4時間反応させた。得られたポリマー溶液に
合成例1で得られたキノンジアジド化合物(1)15.
0gをGBL10gと共に加えて感光性ポリイミド前駆
体組成物のワニスAを得た。
【0074】6インチシリコンウエハ上に、感光性ポリ
イミド前駆体のワニスAをプリベーク後の膜厚が9μm
となるように塗布し、ついでホットプレート(大日本ス
クリーン社製SKW−636)を用いて、80℃で3
分、さらに120℃で3分プリベークすることにより、
感光性ポリイミド前駆体膜を得た(膜厚9.0μm)。
ついで、露光機(ニコン社製i線ステッパーNSR−1
755−i7A)に、パターンの切られたレチクルをセ
ットし、露光量200mJ/cm2(365nmの強
度)でi線露光を行った。
【0075】現像は、大日本スクリーン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転で水酸化テトラメ
チルアンモニウムの2.38%水溶液を10秒間噴霧し
た。この後、0回転で300秒間静置し、400回転で
水にてリンス処理、3000回転で10秒振り切り乾燥
した。現像後の膜厚は8.2μmで残膜率は91%と高
く、パターン形状も問題なかった。
【0076】実施例2 乾燥窒素気流下、合成例7で得られたジアミン化合物
(2)15.1g(0.025モル)と4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル4.5g(0.0225モル)
と1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジ
シロキサン0.62g(0.0025モル)をGBL1
00gに溶解させた。ここに3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.1g(0.
050モル)を室温でGBL33gとともに加え、その
まま室温で1時間、その後50℃で4時間反応させた。
このポリマー溶液50gに合成例2で得られたキノンジ
アジド化合物(2)1.85gを溶解させて感光性ポリ
イミド前駆体組成物のワニスBを得た。
【0077】ワニスBを実施例1と同様に露光し、0回
転で310秒間静置した他は実施例1と同様に現像し
た。現像後の膜厚は8.0μmで残膜率は89%と高
く、パターン形状も問題なかった。
【0078】実施例3 ジアミン化合物(1)のかわりに合成例8で得られたジ
アミン化合物(3)23.0g(0.095モル)を用
いた他は、実施例1と同様にしてポリマーを得、このポ
リマー溶液50gに合成例3で得られたキノンジアジド
化合物(3)1.02gを溶解させて感光性ポリイミド
前駆体組成物のワニスCを得た。
【0079】ワニスCを用い、実施例1と同様に露光
し、0回転で180秒間静置した他は、実施例1と同様
に現像した。現像後の膜厚は8.0μmで残膜率は89
%と高く、パターン形状も問題なかった。
【0080】実施例4 乾燥窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル19.0g(0.095モル)、1,3−ビス(3−
アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g
(0.005モル)をGBL350gに溶解させた。こ
こに合成例5で得られた酸無水物(1)71.4g
(0.1モル)をGBL40gとともに加えて、20℃
で1時間反応させ、次いで50℃で4時間反応させた。
このポリマー溶液に合成例4で得られたキノンジアジド
化合物(4)21.3gをGBL10gと共に加えて感
光性ポリイミド前駆体組成物のワニスDを得た。
【0081】ワニスDを用い実施例1と同様に露光し、
0回転で280秒間静置した他は、実施例1と同様に現
像した。現像後の膜厚は7.9μmで残膜率は88%と
高く、パターン形状も問題なかった。
【0082】実施例5 乾燥窒素気流下、BAHF18.3g(0.05モル)
をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)50g、グリ
シジルメチルエーテル26.4g(0.3モル)に溶解
させ、溶液の温度を−15℃まで冷却した。ここにジフ
ェニルエーテルジカルボン酸ジクロリド7.38g
(0.025モル)、イソフタル酸ジクロリド5.08
g(0.025モル)をGBL25gに溶解させた溶液
を内部の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終
了後、6時間−15℃で攪拌を続けた。反応終了後、溶
液を水3lに投入して白色の沈殿を集めた。この沈殿を
ろ過で集めて、水で3回洗浄した後、80℃の真空乾燥
機で20時間乾燥した。
【0083】このようにして得られたポリマー粉体1
0.0gにキノンジアジド化合物(1)1.66gをN
MP30gに溶解させて感光性ポリベンゾオキサゾール
前駆体組成物のワニスEを得た。ワニスEを用い、実施
例1と同様に露光し、0回転で190秒間静置した他
は、実施例1と同様に現像した。現像後の膜厚は8.2
μmで残膜率は91%と高く、パターン形状も問題なか
った。
【0084】比較例1 実施例1で得られたポリマー溶液28.5gに下記に示
したキノンジアジド化合物(5)2gを溶解させて感光
性ポリイミド前駆体組成物のワニスFを得た。実施例1
と同様に6インチシリコンウエハ上に、塗布、プリべー
ク、露光、現像を行った。現像後の膜厚は7.0μmで
残膜率は78%であった。実施例1と比較して、残膜率
が低かった。
【0085】
【化22】
【0086】比較例2 実施例2で得られたポリマー溶液28.5gに下記に示
したキノンジアジド化合物(6)2gを溶解させて感光
性ポリイミド前駆体組成物のワニスGを得た。実施例2
と同様に6インチシリコンウエハ上に、塗布、プリべー
ク、露光、現像を行った。現像後の膜厚は6.8μmで
残膜率は76%であった。実施例2と比較して、残膜率
が低かった。
【0087】
【化23】
【0088】比較例3 実施例4の酸無水物(1)のかわりに3,3’,4,
4’ーベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32.
2g(0.1モル)を用い、実施例4と同様にポリマー
を合成した。このポリマー溶液にキノンジアジド化合物
(1)8.7gをGBL10gと共に加えて感光性ポリ
イミド前駆体組成物のワニスHを得た。実施例1と同様
に6インチシリコンウエハ上に、塗布、プリべーク、露
光、現像を行った。現像後の膜厚は6.0μmで残膜率
は67%であった。実施例1と比較して、残膜率が低か
った。
【0089】比較例4 実施例1で得られたポリマー溶液28.5gに下記に示
したキノンジアジド化合物(7)2gを溶解させて感光
性ポリイミド前駆体組成物のワニスIを得た。実施例1
と同様に6インチシリコンウエハ上に、塗布、プリべー
ク、露光、現像を行った。現像後の膜厚は7.2μmで
残膜率は80%であった。実施例1と比較して、残膜率
が低かった。
【0090】
【化24】
【0091】比較例5 実施例2で得られたポリマー溶液28.5gに下記に示
したキノンジアジド化合物(8)2gを溶解させて感光
性ポリイミド前駆体組成物のワニスJを得た。実施例2
と同様に6インチシリコンウエハ上に、塗布、プリべー
ク、露光、現像を行った。現像後の膜厚は7.1μmで
残膜率は79%であった。実施例2と比較して、残膜率
が低かった。
【0092】
【化25】
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、アルカリ水溶液で現像
できる、優れた残膜率を有するポジ型の感光性樹脂前駆
体組成物を得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AA04 AB16 AC01 AD03 BE01 CB25 CB26 CB41 CB45 FA17 4J001 DA01 DB01 DB04 DC14 DD05 DD08 EB23 EB28 EB33 EB34 EB36 EB37 EB44 EB56 EB57 EB60 EB67 EB69 EC02 EC23 EC36 EC44 EC54 EC65 EC66 EC67 EC70 EE42B EE72B JA17 JA20 JB34 JB50

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式(1)で表される構造単位を
    主成分とするポリマーと、(b)一般式(2)で表され
    る少なくとも1つのキノンジアジド化合物を含有するこ
    とを特徴とするポジ型感光性樹脂前駆体組成物。 【化1】 (R1は少なくとも2個以上の炭素原子を有する2価〜
    8価の有機基を示し、R2は少なくとも2個以上の炭素
    原子を有する2価〜6価の有機基を示し、R3は水素、
    および/または炭素数1〜20までの有機基を示す。n
    は10〜100000までの整数、mは0〜2までの整
    数、p、qは0〜4までの整数を示す。p、qは同時に
    0にならない。) 【化2】 (R4、R6は炭素数1〜20より選ばれる1価の有機
    基を示し、R5は少なくとも2個以上の炭素原子を有す
    る2価〜8価の有機基を示す。b+d、c+eは0〜4
    までの整数を示す。b、eは同時に0にならず、c、d
    は同時に0にならない。b+dとc+eは同時に0にな
    らない。)
  2. 【請求項2】一般式(1)のR1(COOR3)m(O
    H)pが、一般式(3)で表されることを特徴とする請
    求項1記載のポジ型感光性樹脂前駆体組成物。 【化3】 (R7、R9は炭素数2〜20より選ばれる2価〜4価
    の有機基を示し、R8は、炭素数3〜20より選ばれる
    水酸基を有した3価〜6価の有機基を示し、R10、R
    11は水素、および/または炭素数1〜20までの有機
    基を示す。o、sは0〜2、rは1〜4までの整数を示
    す。)
  3. 【請求項3】一般式(1)のR2(OH)qが、一般式
    (4)で表されることを特徴とする請求項1記載のポジ
    型感光性樹脂前駆体組成物。 【化4】 (R12、R14は炭素数2〜20より選ばれる水酸基
    を有した3価〜4価の有機基を示し、R13は炭素数2
    〜30より選ばれる2価の有機基を示す。t、uは1あ
    るいは2の整数を示す。)
  4. 【請求項4】一般式(1)のR2(OH)qが、一般式
    (5)で表されることを特徴とする請求項1記載のポジ
    型感光性樹脂前駆体組成物。 【化5】 (R15、R17は炭素数2〜20までの2価の有機基
    を示し、R16は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基
    を有した3価〜6価の有機基を示す。vは1〜4までの
    整数を示す。)
  5. 【請求項5】一般式1のR2(OH)qが、一般式
    (6)で表されることを特徴とする請求項1記載のポジ
    型感光性樹脂前駆体組成物。 【化6】 (R18は炭素数2〜20より選ばれる2価の有機基を
    示し、R19は、炭素数3〜20より選ばれる水酸基を
    有した3価〜6価の有機基を示す。wは1〜4までの整
    数を示す。)
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