JP3890699B2 - ポジ型感光性樹脂組成物とその製造方法 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物とその製造方法 Download PDF

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の表面保護膜として有用なポジ型感光性樹脂組成物に関するものであり、特に環境に優しい水系の現像液で現像可能なポジ型感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
露光した部分が現像により溶解するポジ型の耐熱性樹脂組成物としては、ポリアミド酸にナフトキノンジアジドを添加したもの(例えば特開昭52−13315号公報)、水酸基を有する可溶性ポリイミドにナフトキノンジアジドを添加したもの(例えば特開昭64−60630号公報)、水酸基を有するポリアミドにナフトキノンジアジドを添加したもの(例えば特開昭56−27140号公報)などが知られている。
【0003】
しかしながら、通常のポリアミド酸にナフトキノンジアジドを添加したものではナフトキノンジアジドのアルカリ性現像液に対する溶解阻害効果よりもポリアミド酸のカルボキシル基による溶解効果が高いために、ほとんどの場合希望するパターンを得ることが出来ないという問題点があった。また、水酸基を有する可溶性ポリイミド樹脂にナフトキノンジアジドを添加したものでは、上述の問題点は少なくなったものの、可溶性にするために構造が限定されること、ならびに得られるポリイミド樹脂の耐溶剤性が悪い点などが問題であった。水酸基を有するポリアミド樹脂にナフトキノンジアジドを添加したものも、溶解性を出すために構造に限定があること、そのために熱処理後に得られる樹脂の耐溶剤性に劣ることが問題であった。さらに熱硬化した膜は発煙硝酸、濃硝酸などの強酸には溶解しないという欠点を有しており、半導体の不良検査を行うことが難しかった。
【0004】
以上の欠点を考慮し、本発明は新規な水酸基を有するポリマーにナフトキノンジアジドを添加することで、得られる樹脂組成物が露光前はアルカリ性現像液にほとんど溶解せず、露光後はアルカリ性現像液に容易に溶解することを見出し、さらに熱硬化した膜はN−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒に耐性があり、しかも発煙硝酸などの強酸に溶解することを見出し、発明に至ったものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題を解決せしめ、環境に優しいアルカリ性現像液で現像可能であり、かつ熱処理後の耐溶剤性に優れたポジ型感光性樹脂組成物、およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、(a)一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと、(b)ナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型感光性樹脂組成物であって、前記(a)一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーが、ビス(o−アミノフェノール化合物とトリメリット酸無水物の縮合物と、芳香族ジアミン化合物との重合物であり、かつ、ビス(o−アミノフェノール)化合物のアミノ基の70モル%以上がトリメリット酸の4位のカルボキシル基と結合していることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物によって達成される。
【0007】
【化2】
Figure 0003890699
(R1 は4価の芳香族基、R2 は3価の芳香族基、R3 は2価の芳香族基、R4 は水素または炭素数1から20までの有機基である。nは10から100,000までの整数。)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーは、加熱あるいは適当な触媒により、イミド環やオキサゾール環を形成することを特徴とするポリマーである。環構造を形成することで、耐熱性や耐溶剤性が飛躍的に向上する。
【0009】
R1は、4価の芳香族基であり、ビス(o−アミノフェノール)化合物の残基であることが好ましい。ビス(o−アミノフェノール)化合物の例として、2,2−ビス(m−アミノ−p−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジンなどを挙げることができる。
【0010】
R2は、3価の芳香族基であり、好ましい構造としてトリメリット酸残基、トリメシン酸残基などを挙げることができる。
【0011】
R3は、2価の芳香族基であり、芳香族ジアミン化合物の残基であることが好ましい。好ましい例としては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホンなどを挙げることができる。またこれらの芳香族環の一部がアルキル基やクロロ、フルオロ、トリフルオロメチル基などで置換されても良い。
【0012】
また、1から40モル%の範囲で他のジアミン化合物を用いて変性することもできる。好ましい例としては、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。しかしこのようなジアミン成分を40モル%以上共重合すると得られるポリマーの耐熱性が低下する。
【0013】
さらに、基板との接着性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲でシロキサン構造を有するジアミン化合物を用いて変性することもできる。好ましい例としては、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどを1〜40モル%共重合したものなどを挙げることができる。
【0014】
R4は炭素数1から10までの有機基、または水素のうち1種または2種以上を含む基であってもよいし、炭素数1から10までの有機基で、かつ水素のうち1種または2種以上を含む基であってもよい。ここで、R4をすべて有機基とすると、アルカリ現像液に対する溶解性が低くなりすぎるために、現像時間が長くなり、また残膜が残りやすくなるために好ましくない。また、R4が炭素数10以上の有機基となると、アルカリ現像液に対する溶解性が低いために、露光部も溶解しない恐れがあるために好ましくない。以上のことから、本発明において好ましいR4の水素原子と有機基の割合は、水素原子を全体の10モル%以上含み、残りのR4は炭素数1〜10までの有機基によって構成されることである。さらに好ましくは、水素原子が全体の30〜100モル%であり、炭素数1〜10の有機基が30%モル以下である。
【0015】
R4の有機基として好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの飽和炭化水素基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシメチル基などの基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−エトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−プロピルオキシプロピル基などのアルコール性水酸基を有する有機基である。
【0016】
また、これ以外にフェノール性水酸基を有するヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基や、炭素数10以上のヘキサデシル基、ラウリル基などの基を全体の20モル%以下変性させることもできる。
【0017】
本発明においてR4の有機基は1種より構成されていても、2種以上で構成されていても良い。
【0018】
本発明のポリマーは、ビス(o−アミノフェノール)化合物とトリメリット酸無水物の縮合物と、芳香族ジアミン化合物からの重合物である。さらに、ビス(o−アミノフェノール)のアミノ基の70モル%以上がトリメリット酸の4位のカルボキシル基と結合していることが好ましい。ビス(o−アミノフェノール)のアミノ基とトリメリット酸の4位のカルボキシル基が結合したアミド部位は、加熱あるいは適当な触媒によってビス(o−アミノフェノール)のヒドロキシル基とともにベンゾオキサゾール環を形成する。このときトリメリット酸の残りの1位または2位のカルボキシル基が芳香族ジアミン化合物のアミノ基と結合し、加熱あるいは適当な触媒によってイミド環を形成する。これらの環構造を形成することで、耐熱性や耐溶剤性を飛躍的に向上することができる。
【0019】
本発明のポリマーは、第1工程でビス(o−アミノフェノール)化合物とトリメリット酸無水物の結合を形成し、第2工程で、第1工程の縮合物と芳香族ジアミン化合物との重合を行うことによって製造が可能である。
【0020】
第1工程において、ビス(o−アミノフェノール)化合物とトリメリット酸無水物を有機溶媒中で縮合剤存在下反応せしめる。
【0021】
縮合剤としては、カルボジイミドなどが使用できる。例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾール、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドなどが好ましく使用でき、また1H−ベンゾトリアゾール−1−イロキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、ジフェニルりん酸アジドなども使用できる。
【0022】
上記の縮合剤とともに等モル量以上の活性エステル化試薬を使用することが好ましい。これによって反応速度を高め、副反応を少なくすることができる。好ましい活性エステル化試薬としては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシこはく酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジンなどを挙げることができる。
反応溶媒としては、極性有機溶媒が好ましい。例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホアミドなどが好ましく、これにベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、クレゾールなどの溶媒を共存させても良い。
【0023】
反応温度は、副反応であるトリメリット酸無水物の酸無水物部位とビス(o−アミノフェノール)のアミノ基または水酸基、もしくはその両方の官能基との反応を抑えるために、室温以下であることが好ましい。より好ましくは5℃以下である。
【0024】
第2工程において、第1工程の生成物に芳香族ジアミン化合物を加え、反応せしめる。
【0025】
第2工程において、第1工程で得られる生成物と芳香族ジアミン化合物の反応は、ポリアミド酸の合成方法として下記の方法を用いることができる。例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物化合物とジアミン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後アミンと縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残りのジカルボン酸を酸クロリド化し、アミンと反応させる方法などで合成することができる。
【0026】
アルカリ現像液に対する所望の溶解性を有するポリマーを製造する目的のために、第1工程で得られる生成物に対してアルコールを開環付加させてテトラカルボン酸エステル無水物を一部形成し、次いで該テトラカルボン酸エステル無水物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステルの混合物に対して、芳香族ジアミン化合物を反応させる製造方法が好ましい。
【0027】
アルコールとしては炭素数1〜20であることが好ましい。具体的な例として、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールなどの1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのセロソルブ類などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0028】
テトラカルボン酸二無水物にアルコールを開環付加させてテトラカルボン酸エステル無水物を得る反応は、極性有機溶媒中で、20〜150℃、好ましくは、30〜100℃の範囲の温度で行う。ここで、温度が低すぎると反応がなかなか進まず、また温度を高く設定するためには多大のエネルギーが必要で経費がかさむ。
【0029】
次に、上記のテトラカルボン酸エステル無水物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステルの混合物が存在する有機溶媒中に、芳香族ジアミンを加え、テトラカルボン酸エステル無水物およびテトラカルボン酸二無水物に芳香族ジアミン化合物を開環付加させ、所望のポリマーを製造する。必要に応じて縮合剤を添加することもできる。
【0030】
芳香族ジアミン化合物は、ビス(o−アミノフェノール)化合物に対して、0.9〜1.1倍モル当量、好ましくは0.95〜1.05倍モル当量、さらに好ましくは0.99〜1.01倍モル当量、またさらに好ましくは等モル当量混合するのがよい。モル当量の差が小さいほど、得られるポリマーの重合度が大きくなり、加熱処理後のポリマーにおいて良好な機械強度が得られやすい。芳香族ジアミンとの反応は通常、0〜100℃、好ましくは、30〜80℃の範囲の温度で行う。温度が低すぎると反応がなかなか進まず、また、温度が高すぎるとポリマーの閉環反応が進行するおそれがある。
【0031】
縮合剤の添加量は、使用したアルコールに対して等モル量以上あれば良く、過剰に存在しても問題はない。
【0032】
本発明において使用するポリマーは、一般式(1)で表される構造単位のみからなるものであっても良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド体であっても良い。その際、一般式(1)で表される構造単位を90モル%以上含有していることが好ましい。共重合体あるいはブレンド体に用いられる構造単位の種類および量は、最終加熱処理によって得られるポリマーの耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
【0033】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、一般式(1)のポリマー100重量部に対して、ナフトキノンジアジド化合物を5〜100重量部含む。好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは、15〜30重量部を含む。ナフトキノンジアジド化合物が5重量部未満では、アルカリ性現像液に対して露光部と未露光部の溶解速度の差が得られにくく、また100重量部を超えると、熱硬化後の膜の耐熱性、機械特性、接着性が損なわれやすい。
【0034】
本発明において添加されるナフトキノンジアジド化合物としては、フェノール性の水酸基にナフトキノンジアジドのスルホニル酸がエステルで結合した化合物が好ましい。このようなものとしては、一般式(2)に示すものを挙げることができるがこれらに限られるわけではない。
【0035】
【化3】
Figure 0003890699
また、これ以外にアルコール性水酸基を有するエチレングリコールやグリセリンなどの化合物とナフトキノンジアジドのスルホニル酸がエステル結合した化合物、アミノ基を有するアニリン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルメタンなどのアミノ基とナフトキノンジアジドのスルホニル酸がアミド結合した化合物、水酸基とアミノ基を有するヒドロキシ−ジアミノピリミジン、ヒドロキシジアミノベンゼン、アミノフェノール、ビス(ヒドロキシアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどの化合物のアミノ基とナフトキノンジアジドのスルホニル酸がアミド結合した化合物、あるいはこれらの化合物の水酸基とナフトキノンジアジドのスルホニル酸がエステル結合した化合物、さらにはアミノ基と水酸基の両者とナフトキノンジアジドのスルホニル酸がアミド結合とエステル結合した化合物などを使用することが出来る。
【0036】
これらのナフトキノンジアジド化合物の分子量が1200より大きくなると、その後の熱処理においてナフトキノンジアジド化合物が十分に熱分解しないために、得られる膜の耐熱性、機械特性、接着性が低下するなどの問題が生じる可能性がある。このような観点から見ると、好ましいナフトキノンジアジド化合物の分子量は300から1200である。さらに好ましくは、350から1000である。
【0037】
本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物は、溶剤に溶解しワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホアミド、γ−ブチロラクトンなどの極性溶媒が通常用いられる。この他、これらの極性溶媒以外に一般的有機溶媒であるケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などを混合して使用することもできる。たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコ−ルジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、1,2−ジクロルエタン、1,4−ジクロルブタン、トリクロルエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが使用できる。また、必要に応じて本発明の感光性樹脂組成物と基板とのぬれ性を向上させる目的で界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテ−トなどのエステル類、エタノ−ルなどのアルコ−ル類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル類を混合しても良い。 また、二酸化ケイ素、二酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを添加することもできる。
【0038】
さらに、シリコンウェハーなどの下地基板との接着性を高めるために、メチルメタクリロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、チタンキレート剤、アルミキレート剤などを感光性樹脂組成物のワニスに対して0.5から10重量%添加したり、下地基板をこのような薬液で前処理したりすることもできる。基板を前処理する場合、上記で述べたカップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5から20重量%溶解させた溶液をスピンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで表面処理をする。場合によっては、その後50℃から300℃までの温度をかけることで、基板と上記カップリング剤との反応を進行させることもできる。
【0039】
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いて耐熱性樹脂パタ−ンを形成する方法について説明する。
【0040】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物のワニスを基板上に塗布する。基板としてはシリコンウエハ−、セラミックス類、ガリウムヒ素などが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としてはスピナーを用いた回転塗布、スプレ−塗布、ロ−ルコ−ティングなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが通常、乾燥後の膜厚が、0.1から150μmになるように塗布される。
【0041】
次に、感光性樹脂組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性樹脂組成物の皮膜を得る。乾燥はオ−ブン、ホットプレ−ト、赤外線などを使用し、50℃から150℃の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。
【0042】
次に、この感光性樹脂組成物の皮膜上に所望のパタ−ンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。
【0043】
パタ−ンの形成は、露光後現像液を用いて露光部を除去することによって達成される。現像液としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。酢酸、ほう酸、しゅう酸、炭酸などの酸を微量加えて、アルカリ性現像液に緩衝性を与えて、現像中の雰囲気の炭酸ガスの影響を抑えることができる。また、場合によっては、これらのアルカリ性水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホアミド、γ−ブチロラクトンなどの極性溶媒、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ルなどのアルコ−ル類、乳酸エチル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテ−トなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを添加しても良い。現像後は水によってリンス処理をする。この場合にもエタノ−ル、イソプロピルアルコ−ルなどのアルコ−ル類、乳酸エチル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテ−トなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしても良い。
【0044】
現像後、200℃から500℃の温度を加えて耐熱性樹脂皮膜に変換する。この加熱処理は温度を選び段階的に昇温しても良いし、ある温度範囲を選び連続的に昇温しても良く、5分から5時間実施することが好ましい。これらの例としては、130℃、200℃、350℃で各30分ずつ加熱処理をする方法、室温から400℃まで2時間かけて直線的に昇温する方法などを挙げることができる。
【0045】
本発明による感光性樹脂組成物により形成した耐熱性樹脂皮膜は、半導体のパッシベ−ション膜、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜などの用途に用いられる。
【0046】
【実施例】
以下発明をより詳細に説明するために、実施例で説明する。
【0047】
特性の測定方法
膜厚の測定
大日本スクリ−ン社製光学式膜厚測定装置ラムダエ−スSTM−602を用いて、屈折率1.64で感光性樹脂組成物の膜厚を測定した。現像前の膜厚(T1)と現像後の未露光部膜厚(T2)の差が1.5ミクロン以上である場合に、露光部と未露光部のコントラストが不良であるとした。
【0048】
耐有機溶剤性、発煙硝酸に対する溶解性の測定
4インチシリコンウェハー上に350℃での熱処理後の膜厚が10ミクロンになるようにスピンコートした。これを80℃で3分間、さらに100℃で3分間ホットプレート(大日本スクリーン社製SKW−636)上でプリベークした。次いで、光洋リンドバーグ社製のイナートオーブンINH−5にて、酸素濃度20ppm以下で、140℃で30分間処理した後、350℃まで1時間かけて昇温し、続けて350℃で1時間熱処理をした。
【0049】
熱処理をしたウェハーを半分に割り、一方のウエハー上の膜にN−メチル−2−ピロリドンを1滴滴下し、200℃になったオーブン(ヤマト科学製DT−42)中に10分間放置した。耐溶剤性が悪い場合、N−メチル−2−ピロリドンを滴下した周辺にクラックや膨れ、溶解したような現象がみられた。このような現象が見られたものは耐溶剤性が不良であるとした。また、もう一方のウエハーを80℃の発煙硝酸に3分間浸漬し、膜が溶解するかしないかを目視で調べた。完全に溶解することが好ましく、溶解しない場合を発煙硝酸に対する溶解性が不足しているとした。また、膜が残った場合、大日本スクリーン社製のラムダエースSTM−602を用いて、屈折率1.77で残った膜厚を測定した。ここで膜が2ミクロン以上残った場合に特に問題がある。
【0050】
粘度の測定
トキメック社製EHD型粘度計を用いて、25±1℃において測定を行った。
【0051】
実施例1
乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解させた。この溶液を3℃に冷却し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール13.5g(0.1モル)を加え、完全に溶解した後、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.3g(0.05モル)およびジシクロヘキシルカルボジイミド20.6g(0.10モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら1時間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で3時間反応させた。その後、エタノール1.84g(0.04モル)とピリジン3.0gを加え、50℃で2時間反応させた。
【0052】
室温に戻し、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル9g(0.045モル)およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)を加え、さらに室温で3時間反応させた。この反応液を3℃に冷却し、ジシクロヘキシルカルボジイミド8.2g(0.04モル)をγ−ブチロラクトン50gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら15分間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で1時間反応させた後、50℃で2時間反応させた。反応終了後、析出した尿素化合物を濾過で除いた。濾液を5リットルの1重量%の酢酸水溶液に投入してポリマーの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水とメタノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中50℃で24時間乾燥した。
【0053】
このポリマー10gと2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノン−2−ジアゾ−5−スルホニル酸のトリエステルであるナフトキノンジアジド化合物(4NT−300、東洋合成工業社製)2gをγ−ブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスAを得た。このワニスAの粘度は、1.5Pa・sであった。
【0054】
6インチのシリコンウエハー上に、プリベーク後の膜厚が4μmになるようにワニスAを塗布し、次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。露光機(ニコン社製g線ステッパ−NSR−1505−g6E)に、200〜1μmの評価用パターンを有するレチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(436nmの強度)でg線露光を行った。
【0055】
現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルアンモニウムの2.4%水溶液を10秒間噴霧した。次いで、0回転で90秒間静置した後、400回転で水によってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾燥した。現像後の未露光部の膜厚は3.0μmであり、現像による膜の減少は1.0μmと少なく良好であった。
【0056】
また、現像後のパターンを観察した結果、半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0057】
さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0058】
実施例2
乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解させた。この溶液を3℃に冷却し、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.3g(0.05モル)およびジシクロヘキシルカルボジイミド20.6g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら1時間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で3時間反応させた。
【0059】
室温に戻し、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル9g(0.045モル)およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)を加え、さらに室温で3時間、50℃で2時間反応させた。反応終了後、析出した尿素化合物を濾過で除いた。濾液を5リットルの1重量%の酢酸水溶液に投入してポリマーの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水とメタノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中50℃で24時間乾燥した。
【0060】
このポリマー10gとナフトキノンジアジド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2gをγ−ブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスBを得た。このワニスBの粘度は、3.0Pa・sであった。
【0061】
6インチのシリコンウエハー上に、プリベーク後の膜厚が4μmになるようにワニスBを塗布し、次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。露光機(ニコン社製g線ステッパ−NSR−1505−g6E)に、200〜1μmの評価用パターンを有するレチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(436nmの強度)でg線露光を行った。
【0062】
現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルアンモニウムの0.6%水溶液を10秒間噴霧した。次いで、0回転で60秒間静置した後、400回転で水によってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾燥した。現像後の未露光部の膜厚は2.9μmであり、現像による膜の減少は1.1μmと少なく良好であった。
【0063】
また、現像後のパターンを観察した結果、半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0064】
さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0065】
実施例3
乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解させた。この溶液を3℃に冷却し、N−ヒドロキシこはく酸イミド11.5g(0.1モル)を加え、完全に溶解した後、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.3g(0.05モル)およびジシクロヘキシルカルボジイミド20.6g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら1時間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で3時間反応させた。
【0066】
その後、エタノール2.76g(0.06モル)とピリジン5gを加え、50℃で2時間反応させた。室温に戻し、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン12.4g(0.05モル)を加え、さらに室温で3時間反応させた。この反応液を3℃に冷却し、ジシクロヘキシルカルボジイミド12.4g(0.06モル)をγ−ブチロラクトン50gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら15分間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で1時間反応させた後、50℃で2時間反応させた。反応終了後、析出した尿素化合物を濾過で除いた。濾液を5リットルの1重量%の酢酸水溶液に投入してポリマーの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水とメタノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中50℃で24時間乾燥した。
【0067】
このポリマー10g、ナフトキノンジアジド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2g、ならびにγ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.1gをγ−ブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスCを得た。このワニスCの粘度は、1.0Pa・sであった。
【0068】
6インチのシリコンウエハー上に、プリベーク後の膜厚が4μmになるようにワニスCを塗布し、次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。露光機(ニコン社製i線ステッパ−NSR−1755−i7A)に、200〜1μmの評価用パターンを有するレチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(365nmの強度)でi線露光を行った。
【0069】
現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルアンモニウムの2.4%水溶液を10秒間噴霧した。次いで、0回転で80秒間静置した後、400回転で水によってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾燥した。現像後の未露光部の膜厚は3.1μmであり、現像による膜の減少は0.9μmと少なく良好であった。
【0070】
また、現像後のパターンを観察した結果、半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0071】
さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0072】
実施例4
乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解させた。この溶液を3℃に冷却し、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.3g(0.05モル)および1,1’−カルボニルジイミダゾール16.2g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら1時間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で3時間反応させた。
【0073】
室温に戻し、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン18.3g(0.05モル)を加え、室温で3時間、50℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を5リットルの1重量%の酢酸水溶液に投入してポリマーの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水とメタノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中50℃で24時間乾燥した。
【0074】
このポリマー10gとナフトキノンジアジド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2g、ならびにγ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.1gをγ−ブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスDを得た。このワニスDの粘度は、2.0Pa・sであった。
【0075】
4インチのシリコンウエハー上に、プリベーク後の膜厚が5μmになるようにワニスDを塗布し、次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。露光機(キャノン社製コンタクトアライナーPLA−501F)に、200〜1μmの評価用パターンを有するレチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(405nmの強度)で露光を行った。
【0076】
現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルアンモニウムの2.4%水溶液を10秒間噴霧した。次いで、0回転で120秒間静置した後、400回転で水によってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾燥した。現像後の未露光部の膜厚は4.4μmであり、現像による膜の減少は0.6μmと少なく良好であった。
【0077】
また、現像後のパターンを観察した結果、半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0078】
さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0079】
実施例5
乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解させた。この溶液を3℃に冷却し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール13.5g(0.1モル)を加え、完全に溶解した後、3,3’−ジヒドロキシベンジジン10.8g(0.05モル)およびジシクロヘキシルカルボジイミド20.6g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら1時間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で3時間反応させた。室温に戻し、2、2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン14.4g(0.045モル)およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g(0.005モル)を加え、さらに室温で3時間、50℃で2時間反応させた。反応終了後、析出した尿素化合物を濾過で除いた。濾液を5リットルの1重量%の酢酸水溶液に投入してポリマーの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水とメタノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中50℃で24時間乾燥した。
【0080】
このポリマー10gとナフトキノンジアジド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2gをγ−ブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスEを得た。このワニスEの粘度は、1.0Pa・sであった。
【0081】
4インチのシリコンウエハー上に、プリベーク後の膜厚が5μmになるようにワニスEを塗布し、次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。露光機(キャノン社製コンタクトアライナーPLA−501F)に、200〜1μmの評価用パターンを有するレチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(405nmの強度)で露光を行った。
【0082】
現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルアンモニウムの0.6%水溶液を10秒間噴霧した。次いで、0回転で120秒間静置した後、400回転で水によってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾燥した。現像後の未露光部の膜厚は4.2μmであり、現像による膜の減少は0.8μmと少なく良好であった。
【0083】
また、現像後のパターンを観察した結果、半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0084】
さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0085】
比較例1
窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル19g(0.095モル)、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシラン1.24g(0.005モル)をN−メチル−2−ピロリドン200gに溶解させ、ここにベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.1g(0.05モル)、ピロメリット酸二無水物(0.048モル)を加えて、室温で1時間、その後50℃で3時間反応させてポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の溶液に実施例1と同様な比率で感光成分を加え、ワニスFを得た。このワニスFの粘度は、3.0Pa・sであった。
【0086】
6インチシリコンウエハー上に、感光性ポリイミド前駆体のワニスFをプリベ−ク後の膜厚が4μmとなるように塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SCW−636)を用いて、100℃で3分プリベ−クすることにより、感光性ポリイミド前駆体膜を得た。ついで、露光機(ニコン社製g線ステッパ−NSR−1505−g6E)に、パターンの切られたレチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(436nmの強度)でg線露光を行った。
【0087】
現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW−636の現像装置を用い、50回転で0.5%のテトラメチルアンモニウム水溶液を10秒間噴霧した。この後、60秒静止し、次いで400回転で5秒間現像液を噴霧、400回転で10秒間水を噴霧してリンス処理、3000回転で10秒振り切り乾燥した。
【0088】
現像後のパターンは露光部が溶解するポジ像にならずネガ像となった。また、現像後の膜厚は2μmと非常に薄く、感度が低いことが判った。
【0089】
耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝酸に対する溶解性の試験結果は問題なかった。
【0090】
比較例2
乾燥窒素気流下、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.1g(0.05モル)、ピロメリット酸二無水物10.9g(0.05モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解させた。ここに9.2gのエタノール(0.2モル)、ピリジン14gを加えて50℃で3時間反応を行った。この溶液を氷浴で冷却し、内部の温度を3℃にした。ここに41.3gジシクロヘキシルカルボジイミド(0.2モル)をγ−ブチロラクトン50gに溶解させた溶液を1時間かけてこの溶液に滴下した。
【0091】
さらに、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン11g(0.03モル)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル14.0g(0.07モル)をγ−ブチロラクトン150gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した。この溶液を氷冷下3時間反応させた。反応終了後、析出した尿素化合物を濾過で除いた。濾液を5リットルの1重量%の酢酸水溶液に投入してポリマーの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水とメタノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中50℃で24時間乾燥した。
【0092】
このポリマー10gとナフトキノンジアジド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2gをγ−ブチロラクトン30gに溶解させて感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスGを得た。このワニスGの粘度は、2.0Pa・sであった。
【0093】
4インチシリコンウエハー上に、感光性ポリイミド前駆体のワニスGをプリベ−ク後の膜厚が4μmとなるように塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−636)を用いて、100℃で3分プリベ−クすることにより、感光性ポリイミド前駆体膜を得た。ついで、露光機(キャノン社製コンタクトアライナーPLA−501F)に、パターンの切られたマスクをセットし、露光量500mJ/cm2(405nmの強度)で露光を行った。
【0094】
現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW−636の現像装置を用い、50回転で1.4%テトラメチルアンモニウム水溶液を10秒間噴霧した。この後、600秒間静置し、400回転で10秒間水を噴霧してリンス処理、3000回転で10秒振り切り乾燥したが、すべて溶解しパターンを得ることは出来なかった。
【0095】
比較例3
乾燥窒素気流下、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.1g(0.05モル)、ピロメリット酸二無水物10.9g(0.05モル)、をγ−ブチロラクトン200gに溶解させた。ここに54.1gのステアリルアルコール(0.2モル)、ピリジン14gを加えて60℃で8時間反応を行った。この溶液に氷浴で冷却し、内部の温度を5℃にした。ここに41.3gジシクロヘキシルカルボジイミド(0.2モル)をγ−ブチロラクトン50gに溶解させた溶液を1時間かけてこの溶液に滴下した。さらに2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン36.6g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン150gに溶解させた溶液を30分間かけて滴下した。この溶液を氷冷下3時間反応させた。反応終了後、析出した尿素化合物を濾過で除いた。濾液を5lの水に投入してポリアミドエステルの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水とメタノ−ルで洗浄の後に真空乾燥機で50℃で24時間乾燥した。
【0096】
このポリマー10gとナフトキノンジアジド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2gをγ−ブチロラクトン30gに溶解させて感光性ポリイミド前駆体組成物のワニスHを得た。このワニスHの粘度は、1.5Pa・sであった。
【0097】
4インチシリコンウエハー上に、感光性ポリイミド前駆体のワニスHをプリベ−ク後の膜厚が7μmとなるように塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−636)を用いて、100℃で3分プリベ−クすることにより、感光性ポリイミド前駆体膜を得た。ついで、露光機(キャノン社製コンタクトアライナーPLA−501F)に、パターンの切られたマスクをセットし、露光量500mJ/cm2(405nmの強度)で露光を行った。
【0098】
現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW−636の現像装置を用い、50回転で2.4%テトラメチルアンモニウム水溶液を10秒間噴霧した。この後、600秒間静置し、400回転で10秒間水を噴霧してリンス処理、3000回転で10秒振り切り乾燥したが、露光部も未露光部も溶解しておらず、パターンを得ることが出来なかった。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、環境に優しいアルカリ水溶液で現像できる、解像度の優れたポジ型の感光性組成物を得ることができる。

Claims (4)

  1. (a)一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと、(b)ナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型感光性樹脂組成物であって、前記(a)一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーが、ビス(o−アミノフェノール化合物とトリメリット酸無水物の縮合物と、芳香族ジアミン化合物との重合物であり、かつ、ビス(o−アミノフェノール)化合物のアミノ基の70モル%以上がトリメリット酸の4位のカルボキシル基と結合していることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
    Figure 0003890699
    (R1は4価の芳香族基、R2は3価の芳香族基、R3は2価の芳香族基、R4は水素または炭素数1から20までの有機基である。nは10から100,000までの整数。)
  2. (a)一般式(1)で表される構造単位を主成分とするポリマーと、(b)ナフトキノンジアジド化合物を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物の製造方法であって、ビス(o−アミノフェノール)化合物とトリメリット酸無水物を有機溶媒中で縮合剤によって反応せしめる第1工程、および第1工程の生成物に芳香族ジアミン化合物を反応せしめる第2工程を含むことを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
    Figure 0003890699
    (R 1 は4価の芳香族基、R 2 は3価の芳香族基、R 3 は2価の芳香族基、R 4 は水素または炭素数1から20までの有機基である。nは10から100,000までの整数。)
  3. 縮合剤がカルボジイミドであることを特徴とする請求項に記載のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
  4. カルボジイミドを活性エステル化試薬の存在下において使用することを特徴とする請求項に記載のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
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