JPH11102068A - ポジ型感光性樹脂組成物とその製造方法 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物とその製造方法

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JPH11102068A
JPH11102068A JP26361897A JP26361897A JPH11102068A JP H11102068 A JPH11102068 A JP H11102068A JP 26361897 A JP26361897 A JP 26361897A JP 26361897 A JP26361897 A JP 26361897A JP H11102068 A JPH11102068 A JP H11102068A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ性現像液で現像可能なポジ型感光性樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】(a)一般式(1)で表される構造単位を
主成分とするポリマーと、(b)ナフトキノンジアジド
化合物を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組
成物。 【化1】 (R1は4価の芳香族基、R2は3価の芳香族基、R3は
2価の芳香族基、R4は水素または炭素数1から20ま
での有機基である。nは10から100,000までの
整数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の表面保護
膜として有用なポジ型感光性樹脂組成物に関するもので
あり、特に環境に優しい水系の現像液で現像可能なポジ
型感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】露光した部分が現像により溶解するポジ
型の耐熱性樹脂組成物としては、ポリアミド酸にナフト
キノンジアジドを添加したもの(例えば特開昭52−1
3315号公報)、水酸基を有する可溶性ポリイミドに
ナフトキノンジアジドを添加したもの(例えば特開昭6
4−60630号公報)、水酸基を有するポリアミドに
ナフトキノンジアジドを添加したもの(例えば特開昭5
6−27140号公報)などが知られている。
【0003】しかしながら、通常のポリアミド酸にナフ
トキノンジアジドを添加したものではナフトキノンジア
ジドのアルカリ性現像液に対する溶解阻害効果よりもポ
リアミド酸のカルボキシル基による溶解効果が高いため
に、ほとんどの場合希望するパターンを得ることが出来
ないという問題点があった。また、水酸基を有する可溶
性ポリイミド樹脂にナフトキノンジアジドを添加したも
のでは、上述の問題点は少なくなったものの、可溶性に
するために構造が限定されること、ならびに得られるポ
リイミド樹脂の耐溶剤性が悪い点などが問題であった。
水酸基を有するポリアミド樹脂にナフトキノンジアジド
を添加したものも、溶解性を出すために構造に限定があ
ること、そのために熱処理後に得られる樹脂の耐溶剤性
に劣ることが問題であった。さらに熱硬化した膜は発煙
硝酸、濃硝酸などの強酸には溶解しないという欠点を有
しており、半導体の不良検査を行うことが難しかった。
【0004】以上の欠点を考慮し、本発明は新規な水酸
基を有するポリマーにナフトキノンジアジドを添加する
ことで、得られる樹脂組成物が露光前はアルカリ性現像
液にほとんど溶解せず、露光後はアルカリ性現像液に容
易に溶解することを見出し、さらに熱硬化した膜はN−
メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒に耐性があり、
しかも発煙硝酸などの強酸に溶解することを見出し、発
明に至ったものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
を解決せしめ、環境に優しいアルカリ性現像液で現像可
能であり、かつ熱処理後の耐溶剤性に優れたポジ型感光
性樹脂組成物、およびその製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
(a)一般式(1)で表される構造単位を主成分とする
ポリマーと、(b)ナフトキノンジアジド化合物を含有
することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物によって
達成される。
【0007】
【化2】 (R1 は4価の芳香族基、R2 は3価の芳香族基、R3
は2価の芳香族基、R4は水素または炭素数1から20
までの有機基である。nは10から100,000まで
の整数。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における一般式(1)で表
される構造単位を主成分とするポリマーは、加熱あるい
は適当な触媒により、イミド環やオキサゾール環を形成
することを特徴とするポリマーである。環構造を形成す
ることで、耐熱性や耐溶剤性が飛躍的に向上する。
【0009】R1は、4価の芳香族基であり、ビス(o
−アミノフェノール)化合物の残基であることが好まし
い。ビス(o−アミノフェノール)化合物の例として、
2,2−ビス(m−アミノ−p−ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシ−
4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキ
シ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジヒドロキシ−3,3’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、2,2−ビス(p−アミノ−m−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジアミノ−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、5,6−ジアミノ
−2,4−ジヒドロキシピリミジンなどを挙げることが
できる。
【0010】R2は、3価の芳香族基であり、好ましい
構造としてトリメリット酸残基、トリメシン酸残基など
を挙げることができる。
【0011】R3は、2価の芳香族基であり、芳香族ジ
アミン化合物の残基であることが好ましい。好ましい例
としては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエ
ーテル、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノジフェニル
メタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(トリフル
オロメチル)ベンジジン、ビス(アミノフェノキシフェ
ニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフェニル)ス
ルホンなどを挙げることができる。またこれらの芳香族
環の一部がアルキル基やクロロ、フルオロ、トリフルオ
ロメチル基などで置換されても良い。
【0012】また、1から40モル%の範囲で他のジア
ミン化合物を用いて変性することもできる。好ましい例
としては、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレン
ビスシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。しかしこ
のようなジアミン成分を40モル%以上共重合すると得
られるポリマーの耐熱性が低下する。
【0013】さらに、基板との接着性を向上させるため
に、耐熱性を低下させない範囲でシロキサン構造を有す
るジアミン化合物を用いて変性することもできる。好ま
しい例としては、ビス(3−アミノプロピル)テトラメ
チルジシロキサンなどを1〜40モル%共重合したもの
などを挙げることができる。
【0014】R4は炭素数1から10までの有機基、ま
たは水素のうち1種または2種以上を含む基であっても
よいし、炭素数1から10までの有機基で、かつ水素の
うち1種または2種以上を含む基であってもよい。ここ
で、R4をすべて有機基とすると、アルカリ現像液に対
する溶解性が低くなりすぎるために、現像時間が長くな
り、また残膜が残りやすくなるために好ましくない。ま
た、R4が炭素数10以上の有機基となると、アルカリ
現像液に対する溶解性が低いために、露光部も溶解しな
い恐れがあるために好ましくない。以上のことから、本
発明において好ましいR4の水素原子と有機基の割合
は、水素原子を全体の10モル%以上含み、残りのR4
は炭素数1〜10までの有機基によって構成されること
である。さらに好ましくは、水素原子が全体の30〜1
00モル%であり、炭素数1〜10の有機基が30%モ
ル以下である。
【0015】R4の有機基として好ましい具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの飽
和炭化水素基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、
ブトキシメチル基などの基、2−ヒドロキシプロピル
基、2−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシ−3−
メトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−エトキシプ
ロピル基、2−ヒドロキシ−3−プロピルオキシプロピ
ル基などのアルコール性水酸基を有する有機基である。
【0016】また、これ以外にフェノール性水酸基を有
するヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基や、
炭素数10以上のヘキサデシル基、ラウリル基などの基
を全体の20モル%以下変性させることもできる。
【0017】本発明においてR4の有機基は1種より構
成されていても、2種以上で構成されていても良い。
【0018】本発明のポリマーは、ビス(o−アミノフ
ェノール)化合物、芳香族ジアミン化合物およびトリメ
リット酸無水物からの重合物であることが好ましい。さ
らに好ましくは、ビス(o−アミノフェノール)のアミ
ノ基の70モル%以上がトリメリット酸の4位のカルボ
キシル基と結合していることが好ましい。ビス(o−ア
ミノフェノール)のアミノ基とトリメリット酸の4位の
カルボキシル基が結合したアミド部位は、加熱あるいは
適当な触媒によってビス(o−アミノフェノール)のヒ
ドロキシル基とともにベンゾオキサゾール環を形成す
る。このときトリメリット酸の残りの1位または2位の
カルボキシル基が芳香族ジアミン化合物のアミノ基と結
合し、加熱あるいは適当な触媒によってイミド環を形成
する。これらの環構造を形成することで、耐熱性や耐溶
剤性を飛躍的に向上することができる。
【0019】本発明のポリマーは、第1工程でビス(o
−アミノフェノール)とトリメリット酸無水物の結合を
形成し、第2工程で、第1工程の縮合物と芳香族ジアミ
ン化合物との重合を行うことによって製造が可能であ
る。
【0020】第1工程において、ビス(o−アミノフェ
ノール)とトリメリット酸無水物を有機溶媒中で縮合剤
存在下反応せしめる。
【0021】縮合剤としては、カルボジイミドなどが使
用できる。例えば、1,1’−カルボニルジイミダゾー
ル、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイ
ソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミドなどが好ましく
使用でき、また1H−ベンゾトリアゾール−1−イロキ
シトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2
−ジヒドロキノリン、ジフェニルりん酸アジドなども使
用できる。
【0022】上記の縮合剤とともに等モル量以上の活性
エステル化試薬を使用することが好ましい。これによっ
て反応速度を高め、副反応を少なくすることができる。
好ましい活性エステル化試薬としては、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネ
ン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ヒドロキシこは
く酸イミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3,
4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,
3−ベンゾトリアジンなどを挙げることができる。反応
溶媒としては、極性有機溶媒が好ましい。例えば、N,
N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキ
シド、ヘキサメチルホスホアミドなどが好ましく、これ
にベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、クレゾ
ールなどの溶媒を共存させても良い。
【0023】反応温度は、副反応であるトリメリット酸
無水物の酸無水物部位とビス(o−アミノフェノール)
のアミノ基または水酸基、もしくはその両方の官能基と
の反応を抑えるために、室温以下であることが好まし
い。より好ましくは5℃以下である。
【0024】第2工程において、第1工程の生成物に芳
香族ジアミン化合物を加え、反応せしめる。
【0025】第2工程において、第1工程で得られる生
成物と芳香族ジアミン化合物の反応は、ポリアミド酸の
合成方法として下記の方法を用いることができる。例え
ば、低温中でテトラカルボン酸二無水物化合物とジアミ
ン化合物を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物
とアルコールとによりジエステルを得、その後アミンと
縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二
無水物とアルコールとによりジエステルを得、その後残
りのジカルボン酸を酸クロリド化し、アミンと反応させ
る方法などで合成することができる。
【0026】アルカリ現像液に対する所望の溶解性を有
するポリマーを製造する目的のために、第1工程で得ら
れる生成物に対してアルコールを開環付加させてテトラ
カルボン酸エステル無水物を一部形成し、次いで該テト
ラカルボン酸エステル無水物、テトラカルボン酸二無水
物、テトラカルボン酸ジエステルの混合物に対して、芳
香族ジアミン化合物を反応させる製造方法が好ましい。
【0027】アルコールとしては炭素数1〜20である
ことが好ましい。具体的な例として、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソ
ブチルアルコールなどの1価アルコール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパンなどの多価アルコール、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルなどのセロソルブ類など
が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0028】テトラカルボン酸二無水物にアルコールを
開環付加させてテトラカルボン酸エステル無水物を得る
反応は、極性有機溶媒中で、20〜150℃、好ましく
は、30〜100℃の範囲の温度で行う。ここで、温度
が低すぎると反応がなかなか進まず、また温度を高く設
定するためには多大のエネルギーが必要で経費がかさ
む。
【0029】次に、上記のテトラカルボン酸エステル無
水物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジ
エステルの混合物が存在する有機溶媒中に、芳香族ジア
ミンを加え、テトラカルボン酸エステル無水物およびテ
トラカルボン酸二無水物に芳香族ジアミン化合物を開環
付加させ、所望のポリマーを製造する。必要に応じて縮
合剤を添加することもできる。
【0030】芳香族ジアミン化合物は、ビス(o−アミ
ノフェノール)化合物に対して、0.9〜1.1倍モル
当量、好ましくは0.95〜1.05倍モル当量、さら
に好ましくは0.99〜1.01倍モル当量、またさら
に好ましくは等モル当量混合するのがよい。モル当量の
差が小さいほど、得られるポリマーの重合度が大きくな
り、加熱処理後のポリマーにおいて良好な機械強度が得
られやすい。芳香族ジアミンとの反応は通常、0〜10
0℃、好ましくは、30〜80℃の範囲の温度で行う。
温度が低すぎると反応がなかなか進まず、また、温度が
高すぎるとポリマーの閉環反応が進行するおそれがあ
る。
【0031】縮合剤の添加量は、使用したアルコールに
対して等モル量以上あれば良く、過剰に存在しても問題
はない。
【0032】本発明において使用するポリマーは、一般
式(1)で表される構造単位のみからなるものであって
も良いし、他の構造単位との共重合体あるいはブレンド
体であっても良い。その際、一般式(1)で表される構
造単位を90モル%以上含有していることが好ましい。
共重合体あるいはブレンド体に用いられる構造単位の種
類および量は、最終加熱処理によって得られるポリマー
の耐熱性を損なわない範囲で選択することが好ましい。
【0033】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、一般
式(1)のポリマー100重量部に対して、ナフトキノ
ンジアジド化合物を5〜100重量部含む。好ましくは
10〜50重量部、さらに好ましくは、15〜30重量
部を含む。ナフトキノンジアジド化合物が5重量部未満
では、アルカリ性現像液に対して露光部と未露光部の溶
解速度の差が得られにくく、また100重量部を超える
と、熱硬化後の膜の耐熱性、機械特性、接着性が損なわ
れやすい。
【0034】本発明において添加されるナフトキノンジ
アジド化合物としては、フェノール性の水酸基にナフト
キノンジアジドのスルホニル酸がエステルで結合した化
合物が好ましい。このようなものとしては、一般式
(2)に示すものを挙げることができるがこれらに限ら
れるわけではない。
【0035】
【化3】 また、これ以外にアルコール性水酸基を有するエチレン
グリコールやグリセリンなどの化合物とナフトキノンジ
アジドのスルホニル酸がエステル結合した化合物、アミ
ノ基を有するアニリン、フェニレンジアミン、ジアミノ
ジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルメタンなどの
アミノ基とナフトキノンジアジドのスルホニル酸がアミ
ド結合した化合物、水酸基とアミノ基を有するヒドロキ
シ−ジアミノピリミジン、ヒドロキシジアミノベンゼ
ン、アミノフェノール、ビス(ヒドロキシアミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパンなどの化合物のアミノ基と
ナフトキノンジアジドのスルホニル酸がアミド結合した
化合物、あるいはこれらの化合物の水酸基とナフトキノ
ンジアジドのスルホニル酸がエステル結合した化合物、
さらにはアミノ基と水酸基の両者とナフトキノンジアジ
ドのスルホニル酸がアミド結合とエステル結合した化合
物などを使用することが出来る。
【0036】これらのナフトキノンジアジド化合物の分
子量が1200より大きくなると、その後の熱処理にお
いてナフトキノンジアジド化合物が十分に熱分解しない
ために、得られる膜の耐熱性、機械特性、接着性が低下
するなどの問題が生じる可能性がある。このような観点
から見ると、好ましいナフトキノンジアジド化合物の分
子量は300から1200である。さらに好ましくは、
350から1000である。
【0037】本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物
は、溶剤に溶解しワニス状にして使用する。溶剤として
は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホ
アミド、γ−ブチロラクトンなどの極性溶媒が通常用い
られる。この他、これらの極性溶媒以外に一般的有機溶
媒であるケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン
化炭化水素類、炭化水素類などを混合して使用すること
もできる。たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロ
ン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコ−ル
ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、ジクロロメタン、1,2−ジクロルエタン、
1,4−ジクロルブタン、トリクロルエタン、クロルベ
ンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが使用で
きる。また、必要に応じて本発明の感光性樹脂組成物と
基板とのぬれ性を向上させる目的で界面活性剤、乳酸エ
チルやプロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテ
−トなどのエステル類、エタノ−ルなどのアルコ−ル
類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどの
ケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−
テル類を混合しても良い。 また、二酸化ケイ素、二酸
化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末な
どを添加することもできる。
【0038】さらに、シリコンウェハーなどの下地基板
との接着性を高めるために、メチルメタクリロキシジメ
トキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン
などのシランカップリング剤、チタンキレート剤、アル
ミキレート剤などを感光性樹脂組成物のワニスに対して
0.5から10重量%添加したり、下地基板をこのよう
な薬液で前処理したりすることもできる。基板を前処理
する場合、上記で述べたカップリング剤をイソプロパノ
ール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラ
ン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エ
チル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5から20
重量%溶解させた溶液をスピンコート、浸漬、スプレー
塗布、蒸気処理などで表面処理をする。場合によって
は、その後50℃から300℃までの温度をかけること
で、基板と上記カップリング剤との反応を進行させるこ
ともできる。
【0039】次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を
用いて耐熱性樹脂パタ−ンを形成する方法について説明
する。
【0040】本発明のポジ型感光性樹脂組成物のワニス
を基板上に塗布する。基板としてはシリコンウエハ−、
セラミックス類、ガリウムヒ素などが用いられるが、こ
れらに限定されない。塗布方法としてはスピナーを用い
た回転塗布、スプレ−塗布、ロ−ルコ−ティングなどの
方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固
形分濃度、粘度などによって異なるが通常、乾燥後の膜
厚が、0.1から150μmになるように塗布される。
【0041】次に、感光性樹脂組成物を塗布した基板を
乾燥して、感光性樹脂組成物の皮膜を得る。乾燥はオ−
ブン、ホットプレ−ト、赤外線などを使用し、50℃か
ら150℃の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。
【0042】次に、この感光性樹脂組成物の皮膜上に所
望のパタ−ンを有するマスクを通して化学線を照射し、
露光する。露光に用いられる化学線としては紫外線、可
視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯
のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(4
36nm)を用いるのが好ましい。
【0043】パタ−ンの形成は、露光後現像液を用いて
露光部を除去することによって達成される。現像液とし
ては、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノー
ル、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミ
ン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミ
ノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性
を示す化合物の水溶液が好ましい。酢酸、ほう酸、しゅ
う酸、炭酸などの酸を微量加えて、アルカリ性現像液に
緩衝性を与えて、現像中の雰囲気の炭酸ガスの影響を抑
えることができる。また、場合によっては、これらのア
ルカリ性水溶液にN−メチル−2−ピロリドン、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホアミド、γ−ブチロラクトンなどの極性溶
媒、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ルなどの
アルコ−ル類、乳酸エチル、プロピレングリコ−ルモノ
メチルエ−テルアセテ−トなどのエステル類、シクロペ
ンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは
数種を組み合わせたものを添加しても良い。現像後は水
によってリンス処理をする。この場合にもエタノ−ル、
イソプロピルアルコ−ルなどのアルコ−ル類、乳酸エチ
ル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテ−
トなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をして
も良い。
【0044】現像後、200℃から500℃の温度を加
えて耐熱性樹脂皮膜に変換する。この加熱処理は温度を
選び段階的に昇温しても良いし、ある温度範囲を選び連
続的に昇温しても良く、5分から5時間実施することが
好ましい。これらの例としては、130℃、200℃、
350℃で各30分ずつ加熱処理をする方法、室温から
400℃まで2時間かけて直線的に昇温する方法などを
挙げることができる。
【0045】本発明による感光性樹脂組成物により形成
した耐熱性樹脂皮膜は、半導体のパッシベ−ション膜、
半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁
膜などの用途に用いられる。
【0046】
【実施例】以下発明をより詳細に説明するために、実施
例で説明する。
【0047】特性の測定方法 膜厚の測定 大日本スクリ−ン社製光学式膜厚測定装置ラムダエ−ス
STM−602を用いて、屈折率1.64で感光性樹脂
組成物の膜厚を測定した。現像前の膜厚(T1)と現像
後の未露光部膜厚(T2)の差が1.5ミクロン以上で
ある場合に、露光部と未露光部のコントラストが不良で
あるとした。
【0048】耐有機溶剤性、発煙硝酸に対する溶解性の
測定 4インチシリコンウェハー上に350℃での熱処理後の
膜厚が10ミクロンになるようにスピンコートした。こ
れを80℃で3分間、さらに100℃で3分間ホットプ
レート(大日本スクリーン社製SKW−636)上でプ
リベークした。次いで、光洋リンドバーグ社製のイナー
トオーブンINH−5にて、酸素濃度20ppm以下
で、140℃で30分間処理した後、350℃まで1時
間かけて昇温し、続けて350℃で1時間熱処理をし
た。
【0049】熱処理をしたウェハーを半分に割り、一方
のウエハー上の膜にN−メチル−2−ピロリドンを1滴
滴下し、200℃になったオーブン(ヤマト科学製DT
−42)中に10分間放置した。耐溶剤性が悪い場合、
N−メチル−2−ピロリドンを滴下した周辺にクラック
や膨れ、溶解したような現象がみられた。このような現
象が見られたものは耐溶剤性が不良であるとした。ま
た、もう一方のウエハーを80℃の発煙硝酸に3分間浸
漬し、膜が溶解するかしないかを目視で調べた。完全に
溶解することが好ましく、溶解しない場合を発煙硝酸に
対する溶解性が不足しているとした。また、膜が残った
場合、大日本スクリーン社製のラムダエースSTM−6
02を用いて、屈折率1.77で残った膜厚を測定し
た。ここで膜が2ミクロン以上残った場合に特に問題が
ある。
【0050】粘度の測定 トキメック社製EHD型粘度計を用いて、25±1℃に
おいて測定を行った。
【0051】実施例1 乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g
(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解さ
せた。この溶液を3℃に冷却し、1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール13.5g(0.1モル)を加え、完全に
溶解した後、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.3g
(0.05モル)およびジシクロヘキシルカルボジイミ
ド20.6g(0.10モル)をγ−ブチロラクトン2
00gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら1
時間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で3
時間反応させた。その後、エタノール1.84g(0.
04モル)とピリジン3.0gを加え、50℃で2時間
反応させた。
【0052】室温に戻し、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル9g(0.045モル)およびビス(3−ア
ミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g
(0.005モル)を加え、さらに室温で3時間反応さ
せた。この反応液を3℃に冷却し、ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド8.2g(0.04モル)をγ−ブチロラ
クトン50gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちな
がら15分間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の
範囲で1時間反応させた後、50℃で2時間反応させ
た。反応終了後、析出した尿素化合物を濾過で除いた。
濾液を5リットルの1重量%の酢酸水溶液に投入してポ
リマーの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水とメタ
ノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中50℃で24時間乾
燥した。
【0053】このポリマー10gと2,3,4,4’−
テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノ
ン−2−ジアゾ−5−スルホニル酸のトリエステルであ
るナフトキノンジアジド化合物(4NT−300、東洋
合成工業社製)2gをγ−ブチロラクトン30gに溶解
させてポジ型感光性樹脂組成物のワニスAを得た。この
ワニスAの粘度は、1.5Pa・sであった。
【0054】6インチのシリコンウエハー上に、プリベ
ーク後の膜厚が4μmになるようにワニスAを塗布し、
次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−
636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。
露光機(ニコン社製g線ステッパ−NSR−1505−
g6E)に、200〜1μmの評価用パターンを有する
レチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(43
6nmの強度)でg線露光を行った。
【0055】現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルア
ンモニウムの2.4%水溶液を10秒間噴霧した。次い
で、0回転で90秒間静置した後、400回転で水によ
ってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾燥
した。現像後の未露光部の膜厚は3.0μmであり、現
像による膜の減少は1.0μmと少なく良好であった。
【0056】また、現像後のパターンを観察した結果、
半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパ
ターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0057】さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝
酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0058】実施例2 乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g
(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解さ
せた。この溶液を3℃に冷却し、2,2’−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン18.3g(0.05モル)およびジシクロヘキシ
ルカルボジイミド20.6g(0.1モル)をγ−ブチ
ロラクトン200gに溶解した溶液を内温を5℃以下に
保ちながら1時間かけて滴下した。さらに、3℃から5
℃の範囲で3時間反応させた。
【0059】室温に戻し、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル9g(0.045モル)およびビス(3−ア
ミノプロピル)テトラメチルジシロキサン1.24g
(0.005モル)を加え、さらに室温で3時間、50
℃で2時間反応させた。反応終了後、析出した尿素化合
物を濾過で除いた。濾液を5リットルの1重量%の酢酸
水溶液に投入してポリマーの沈殿を生成した。この沈殿
を集めて、水とメタノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中
50℃で24時間乾燥した。
【0060】このポリマー10gとナフトキノンジアジ
ド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2gをγ
−ブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂
組成物のワニスBを得た。このワニスBの粘度は、3.
0Pa・sであった。
【0061】6インチのシリコンウエハー上に、プリベ
ーク後の膜厚が4μmになるようにワニスBを塗布し、
次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−
636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。
露光機(ニコン社製g線ステッパ−NSR−1505−
g6E)に、200〜1μmの評価用パターンを有する
レチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(43
6nmの強度)でg線露光を行った。
【0062】現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルア
ンモニウムの0.6%水溶液を10秒間噴霧した。次い
で、0回転で60秒間静置した後、400回転で水によ
ってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾燥
した。現像後の未露光部の膜厚は2.9μmであり、現
像による膜の減少は1.1μmと少なく良好であった。
【0063】また、現像後のパターンを観察した結果、
半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパ
ターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0064】さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝
酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0065】実施例3 乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g
(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解さ
せた。この溶液を3℃に冷却し、N−ヒドロキシこはく
酸イミド11.5g(0.1モル)を加え、完全に溶解
した後、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン18.3g(0.0
5モル)およびジシクロヘキシルカルボジイミド20.
6g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶
解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら1時間かけて
滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で3時間反応さ
せた。
【0066】その後、エタノール2.76g(0.06
モル)とピリジン5gを加え、50℃で2時間反応させ
た。室温に戻し、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン12.4g(0.05モル)を加え、さらに室温で3
時間反応させた。この反応液を3℃に冷却し、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド12.4g(0.06モル)を
γ−ブチロラクトン50gに溶解した溶液を内温を5℃
以下に保ちながら15分間かけて滴下した。さらに、3
℃から5℃の範囲で1時間反応させた後、50℃で2時
間反応させた。反応終了後、析出した尿素化合物を濾過
で除いた。濾液を5リットルの1重量%の酢酸水溶液に
投入してポリマーの沈殿を生成した。この沈殿を集め
て、水とメタノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中50℃
で24時間乾燥した。
【0067】このポリマー10g、ナフトキノンジアジ
ド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2g、な
らびにγ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.1g
をγ−ブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性
樹脂組成物のワニスCを得た。このワニスCの粘度は、
1.0Pa・sであった。
【0068】6インチのシリコンウエハー上に、プリベ
ーク後の膜厚が4μmになるようにワニスCを塗布し、
次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−
636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。
露光機(ニコン社製i線ステッパ−NSR−1755−
i7A)に、200〜1μmの評価用パターンを有する
レチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(36
5nmの強度)でi線露光を行った。
【0069】現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルア
ンモニウムの2.4%水溶液を10秒間噴霧した。次い
で、0回転で80秒間静置した後、400回転で水によ
ってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾燥
した。現像後の未露光部の膜厚は3.1μmであり、現
像による膜の減少は0.9μmと少なく良好であった。
【0070】また、現像後のパターンを観察した結果、
半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパ
ターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0071】さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝
酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0072】実施例4 乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g
(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解さ
せた。この溶液を3℃に冷却し、2,2’−ビス(3−
アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン18.3g(0.05モル)および1,1’−カル
ボニルジイミダゾール16.2g(0.1モル)をγ−
ブチロラクトン200gに溶解した溶液を内温を5℃以
下に保ちながら1時間かけて滴下した。さらに、3℃か
ら5℃の範囲で3時間反応させた。
【0073】室温に戻し、ビス(4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル)スルホン18.3g(0.05モ
ル)を加え、室温で3時間、50℃で2時間反応させ
た。反応終了後、反応液を5リットルの1重量%の酢酸
水溶液に投入してポリマーの沈殿を生成した。この沈殿
を集めて、水とメタノ−ルで洗浄した後、真空乾燥器中
50℃で24時間乾燥した。
【0074】このポリマー10gとナフトキノンジアジ
ド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2g、な
らびにγ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.1g
をγ−ブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性
樹脂組成物のワニスDを得た。このワニスDの粘度は、
2.0Pa・sであった。
【0075】4インチのシリコンウエハー上に、プリベ
ーク後の膜厚が5μmになるようにワニスDを塗布し、
次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−
636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。
露光機(キャノン社製コンタクトアライナーPLA−5
01F)に、200〜1μmの評価用パターンを有する
レチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(40
5nmの強度)で露光を行った。
【0076】現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルア
ンモニウムの2.4%水溶液を10秒間噴霧した。次い
で、0回転で120秒間静置した後、400回転で水に
よってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾
燥した。現像後の未露光部の膜厚は4.4μmであり、
現像による膜の減少は0.6μmと少なく良好であっ
た。
【0077】また、現像後のパターンを観察した結果、
半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパ
ターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0078】さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝
酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0079】実施例5 乾燥窒素気流下、トリメリット酸無水物19.2g
(0.1モル)をγ−ブチロラクトン200gに溶解さ
せた。この溶液を3℃に冷却し、1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール13.5g(0.1モル)を加え、完全に
溶解した後、3,3’−ジヒドロキシベンジジン10.
8g(0.05モル)およびジシクロヘキシルカルボジ
イミド20.6g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン
200gに溶解した溶液を内温を5℃以下に保ちながら
1時間かけて滴下した。さらに、3℃から5℃の範囲で
3時間反応させた。室温に戻し、2、2’−ビス(トリ
フルオロメチル)ベンジジン14.4g(0.045モ
ル)およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジ
シロキサン1.24g(0.005モル)を加え、さら
に室温で3時間、50℃で2時間反応させた。反応終了
後、析出した尿素化合物を濾過で除いた。濾液を5リッ
トルの1重量%の酢酸水溶液に投入してポリマーの沈殿
を生成した。この沈殿を集めて、水とメタノ−ルで洗浄
した後、真空乾燥器中50℃で24時間乾燥した。
【0080】このポリマー10gとナフトキノンジアジ
ド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2gをγ
−ブチロラクトン30gに溶解させてポジ型感光性樹脂
組成物のワニスEを得た。このワニスEの粘度は、1.
0Pa・sであった。
【0081】4インチのシリコンウエハー上に、プリベ
ーク後の膜厚が5μmになるようにワニスEを塗布し、
次いでホットプレ−ト(大日本スクリ−ン社製SKW−
636)を用いて、100℃で3分間プリベ−クした。
露光機(キャノン社製コンタクトアライナーPLA−5
01F)に、200〜1μmの評価用パターンを有する
レチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(40
5nmの強度)で露光を行った。
【0082】現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転でテトラメチルア
ンモニウムの0.6%水溶液を10秒間噴霧した。次い
で、0回転で120秒間静置した後、400回転で水に
よってリンス処理、3000回転で10秒間振り切り乾
燥した。現像後の未露光部の膜厚は4.2μmであり、
現像による膜の減少は0.8μmと少なく良好であっ
た。
【0083】また、現像後のパターンを観察した結果、
半導体用バッファーコートとして要求される3μmのパ
ターンが解像しており、パターン形状も問題なかった。
【0084】さらに、耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝
酸に対する溶解性の試験結果のいずれも良好であった。
【0085】比較例1 窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル1
9g(0.095モル)、ビス(3−アミノプロピル)
テトラメチルシラン1.24g(0.005モル)をN
−メチル−2−ピロリドン200gに溶解させ、ここに
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.1g
(0.05モル)、ピロメリット酸二無水物(0.04
8モル)を加えて、室温で1時間、その後50℃で3時
間反応させてポリアミド酸を得た。このポリアミド酸の
溶液に実施例1と同様な比率で感光成分を加え、ワニス
Fを得た。このワニスFの粘度は、3.0Pa・sであ
った。
【0086】6インチシリコンウエハー上に、感光性ポ
リイミド前駆体のワニスFをプリベ−ク後の膜厚が4μ
mとなるように塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本
スクリ−ン社製SCW−636)を用いて、100℃で
3分プリベ−クすることにより、感光性ポリイミド前駆
体膜を得た。ついで、露光機(ニコン社製g線ステッパ
−NSR−1505−g6E)に、パターンの切られた
レチクルをセットし、露光量200mJ/cm2(43
6nmの強度)でg線露光を行った。
【0087】現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転で0.5%のテト
ラメチルアンモニウム水溶液を10秒間噴霧した。この
後、60秒静止し、次いで400回転で5秒間現像液を
噴霧、400回転で10秒間水を噴霧してリンス処理、
3000回転で10秒振り切り乾燥した。
【0088】現像後のパターンは露光部が溶解するポジ
像にならずネガ像となった。また、現像後の膜厚は2μ
mと非常に薄く、感度が低いことが判った。
【0089】耐有機溶剤性の試験結果、発煙硝酸に対す
る溶解性の試験結果は問題なかった。
【0090】比較例2 乾燥窒素気流下、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物16.1g(0.05モル)、ピロメリット酸二無
水物10.9g(0.05モル)をγ−ブチロラクトン
200gに溶解させた。ここに9.2gのエタノール
(0.2モル)、ピリジン14gを加えて50℃で3時
間反応を行った。この溶液を氷浴で冷却し、内部の温度
を3℃にした。ここに41.3gジシクロヘキシルカル
ボジイミド(0.2モル)をγ−ブチロラクトン50g
に溶解させた溶液を1時間かけてこの溶液に滴下した。
【0091】さらに、2,2’−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン11g
(0.03モル)、4,4’−ジアミノジフェニルエー
テル14.0g(0.07モル)をγ−ブチロラクトン
150gに溶解させた溶液を30分かけて滴下した。こ
の溶液を氷冷下3時間反応させた。反応終了後、析出し
た尿素化合物を濾過で除いた。濾液を5リットルの1重
量%の酢酸水溶液に投入してポリマーの沈殿を生成し
た。この沈殿を集めて、水とメタノ−ルで洗浄した後、
真空乾燥器中50℃で24時間乾燥した。
【0092】このポリマー10gとナフトキノンジアジ
ド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2gをγ
−ブチロラクトン30gに溶解させて感光性ポリイミド
前駆体組成物のワニスGを得た。このワニスGの粘度
は、2.0Pa・sであった。
【0093】4インチシリコンウエハー上に、感光性ポ
リイミド前駆体のワニスGをプリベ−ク後の膜厚が4μ
mとなるように塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本
スクリ−ン社製SKW−636)を用いて、100℃で
3分プリベ−クすることにより、感光性ポリイミド前駆
体膜を得た。ついで、露光機(キャノン社製コンタクト
アライナーPLA−501F)に、パターンの切られた
マスクをセットし、露光量500mJ/cm2(405n
mの強度)で露光を行った。
【0094】現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転で1.4%テトラ
メチルアンモニウム水溶液を10秒間噴霧した。この
後、600秒間静置し、400回転で10秒間水を噴霧
してリンス処理、3000回転で10秒振り切り乾燥し
たが、すべて溶解しパターンを得ることは出来なかっ
た。
【0095】比較例3 乾燥窒素気流下、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物16.1g(0.05モル)、ピロメリット酸二無
水物10.9g(0.05モル)、をγ−ブチロラクト
ン200gに溶解させた。ここに54.1gのステアリ
ルアルコール(0.2モル)、ピリジン14gを加えて
60℃で8時間反応を行った。この溶液に氷浴で冷却
し、内部の温度を5℃にした。ここに41.3gジシク
ロヘキシルカルボジイミド(0.2モル)をγ−ブチロ
ラクトン50gに溶解させた溶液を1時間かけてこの溶
液に滴下した。さらに2,2’−ビス(3−アミノ−4
−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン36.
6g(0.1モル)をγ−ブチロラクトン150gに溶
解させた溶液を30分間かけて滴下した。この溶液を氷
冷下3時間反応させた。反応終了後、析出した尿素化合
物を濾過で除いた。濾液を5lの水に投入してポリアミ
ドエステルの沈殿を生成した。この沈殿を集めて、水と
メタノ−ルで洗浄の後に真空乾燥機で50℃で24時間
乾燥した。
【0096】このポリマー10gとナフトキノンジアジ
ド化合物4NT−300(東洋合成工業社製)2gをγ
−ブチロラクトン30gに溶解させて感光性ポリイミド
前駆体組成物のワニスHを得た。このワニスHの粘度
は、1.5Pa・sであった。
【0097】4インチシリコンウエハー上に、感光性ポ
リイミド前駆体のワニスHをプリベ−ク後の膜厚が7μ
mとなるように塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本
スクリ−ン社製SKW−636)を用いて、100℃で
3分プリベ−クすることにより、感光性ポリイミド前駆
体膜を得た。ついで、露光機(キャノン社製コンタクト
アライナーPLA−501F)に、パターンの切られた
マスクをセットし、露光量500mJ/cm2(405n
mの強度)で露光を行った。
【0098】現像は、大日本スクリ−ン製造社製SCW
−636の現像装置を用い、50回転で2.4%テトラ
メチルアンモニウム水溶液を10秒間噴霧した。この
後、600秒間静置し、400回転で10秒間水を噴霧
してリンス処理、3000回転で10秒振り切り乾燥し
たが、露光部も未露光部も溶解しておらず、パターンを
得ることが出来なかった。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、環境に優しいアルカリ
水溶液で現像できる、解像度の優れたポジ型の感光性組
成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08G 69/32 C08G 69/32 73/10 73/10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式(1)で表される構造単位を
    主成分とするポリマーと、(b)ナフトキノンジアジド
    化合物を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組
    成物。 【化1】 (R1は4価の芳香族基、R2は3価の芳香族基、R3は
    2価の芳香族基、R4は水素または炭素数1から20ま
    での有機基である。nは10から100,000までの
    整数。)
  2. 【請求項2】前記のポリマーが、ビス(o−アミノフェ
    ノール)化合物、芳香族ジアミン化合物およびトリメリ
    ット酸無水物からの重合物であることを特徴とする請求
    項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ビス(o−アミノフェノール)化合物のア
    ミノ基の70モル%以上がトリメリット酸の4位のカル
    ボキシル基と結合していることを特徴とする請求項2に
    記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ビス(o−アミノフェノール)とトリメリ
    ット酸無水物を有機溶媒中で縮合剤によって反応せしめ
    る第1工程、および第1工程の生成物に芳香族ジアミン
    化合物を反応せしめる第2工程を含むことを特徴とする
    ポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】縮合剤がカルボジイミドであることを特徴
    とする請求項4に記載のポジ型感光性樹脂組成物の製造
    方法。
  6. 【請求項6】カルボジイミドを活性エステル化試薬の存
    在下において使用することを特徴とする請求項5に記載
    のポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
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