JP2000296765A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

Info

Publication number
JP2000296765A
JP2000296765A JP11108263A JP10826399A JP2000296765A JP 2000296765 A JP2000296765 A JP 2000296765A JP 11108263 A JP11108263 A JP 11108263A JP 10826399 A JP10826399 A JP 10826399A JP 2000296765 A JP2000296765 A JP 2000296765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic pressure
chamber
output
sleeve piston
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11108263A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Matsuno
功 松野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
Priority to JP11108263A priority Critical patent/JP2000296765A/ja
Publication of JP2000296765A publication Critical patent/JP2000296765A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】マスタシリンダの出力液圧を増圧して車輪ブレ
ーキに作用せしめるに当って、ポンプユニットおよび電
気アクチュエータの負荷を軽減し、耐久性を向上する。 【解決手段】ポンプ室32の液圧が導かれる出力液圧室
27による液圧力と、マスタシリンダに通じるパイロッ
ト液圧室26による液圧力とが相互に対抗する方向でス
リーブピストン7に作用し、スリーブピストン7のパイ
ロット液圧室26側への移動に応じて閉弁するリリーフ
弁10が出力液圧室27およびパイロット液圧室26間
に介設され、マスタシリンダに通じる吸入通路55が、
スリーブピストン7に対するプランジャ8の相対ストロ
ークに応じてポンプ室32への連通・遮断が切換えられ
るようにしてスリーブピストン7に設けられ、スリーブ
ピストン7の出力液圧室27に臨む受圧面積がパイロッ
ト液圧室26に臨む受圧面積よりも小さく設定され、電
気アクチュエータ5がプランジャ8に連結される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスタシリンダの
出力液圧を増圧して車輪ブレーキに作用させ得るポンプ
ユニットと、該ポンプユニットを駆動する電気アクチュ
エータとを含む車両用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる車両用ブレーキ装置は、た
とえば特開平9−240455号公報等により既に知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のブレーキ装
置では、車輪ブレーキ側の液圧をマスタシリンダ側の液
圧に対して比例的に高くするようにした液圧保持手段
(比例減圧弁を逆接続したもの)が、マスタシリンダの
出力液圧を増圧するポンプユニットとして用いられる単
純なポンプに並列に接続されている。このため、ポンプ
から吐出されるブレーキ液は、液圧保持手段を介して還
流することになり、ポンプならびに該ポンプを駆動する
モータ等の電気アクチュエータの負荷が大きく、耐久性
に優れているとは言い難い。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、マスタシリンダの出力液圧を増圧して車輪ブ
レーキに作用せしめるに当って、ポンプユニットおよび
電気アクチュエータの負荷の軽減を図り、耐久性を向上
した車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、マスタシリンダの出力液圧
を増圧して車輪ブレーキに作用させ得るポンプユニット
と、該ポンプユニットを駆動する電気アクチュエータと
を含む車両用ブレーキ装置において、前記ポンプユニッ
トは、マスタシリンダに接続される入力ポートおよびパ
イロットポート、車輪ブレーキに接続される出力ポー
ト、ならびに一端を閉じた第1シリンダ孔が設けられる
ハウジングと;前記パイロットポートに通じるパイロッ
ト液圧室を第1シリンダ孔の一端閉塞部との間に形成す
るとともに前記出力ポートに通じる環状の出力液圧室を
第1シリンダ孔の内面との間に形成して前記第1シリン
ダ孔に摺動可能に嵌合され、前記パイロット液圧室とは
反対側に開口して第1シリンダ孔と同軸に延びる第2シ
リンダ孔、ならびに前記入力ポートに通じて第2シリン
ダ孔の内面に開口する吸入通路が設けられるスリーブピ
ストンと;該スリーブピストン内に形成されるポンプ室
に一端を臨ませるとともに前記スリーブピストンとの相
対ストロークに応じて前記ポンプ室および前記吸入通路
間の連通・遮断を切換可能として前記第2シリンダ孔に
摺動可能に嵌合されるプランジャと;前記ポンプ室の液
圧増大に応じて開弁することを可能として前記ポンプ室
および前記出力液圧室間に介設される吐出弁と;前記ス
リーブピストンが前記第1シリンダ孔の閉塞端から第1
の所定量以上離反するのに応じて閉弁するようにして前
記出力液圧室および前記パイロット液圧室間に介設され
るリリーフ弁と;を備え、前記パイロット液圧室の液圧
により前記スリーブピストンに作用する液圧力に対抗す
る液圧力を発揮する出力液圧室に臨むスリーブピストン
の受圧面積が、前記パイロット液圧室に臨むスリーブピ
ストンの受圧面積よりも小さく設定され、前記電気アク
チュエータが、前記プランジャを一定の往復ストローク
で駆動することを可能として該プランジャの他端に連結
されることを特徴とする。
【0006】かかる構成によれば、マスタシリンダに通
じるパイロット液圧室の液圧によりパイロット液圧室の
容積を増大する側にスリーブピストンを押圧する液圧力
が、出力液圧室の液圧によりパイロット液圧室の容積を
収縮する側にスリーブピストンを押圧する液圧力よりも
大きい状態では、スリーブピストンが第1シリンダ孔の
一端閉塞部から第1の所定量以上離反することになり、
この状態では、出力液圧室をリザーバに連通させ得るリ
リーフ弁が閉弁するとともに、マスタシリンダに接続さ
れた入力ポートに通じる吸入通路のポンプ室への連通・
遮断が電気アクチュエータにより往復駆動されるプラン
ジャのスリーブピストンに対する相対ストロークによっ
て切換えられ、容積が増大したポンプ室への作動液の入
力ポートからの吸入、ならびに容積が縮少したポンプ室
から吐出弁を介しての出力液圧室への作動液の吐出が切
換えられることになり、出力液圧室の液圧が増大するこ
とになる。而して出力液圧室の液圧増大に応じてスリー
ブピストンをパイロット液圧室の容積を収縮する側に押
圧する液圧力がパイロット液圧室の液圧によってパイロ
ット液圧室の容積を増大する側への液圧力よりも大きく
なると、スリーブピストンがパイロット液圧室の容積を
収縮する側に移動することになり、スリーブピストンに
対するプランジャの相対ストロークによるプランジャの
有効ストロークが小さくなり、さらにスリーブピストン
が第1シリンダ孔の一端閉塞部に第1の所定量未満の距
離まで近接するとリリーフ弁が開弁することにより、出
力液圧室がパイロット液圧室に連通して該出力液圧室の
液圧が減少することになる。したがって、スリーブピス
トンは、パイロット液圧室の液圧すなわちマスタシリン
ダの出力液圧にに応じた液圧力に均衡した液圧力が出力
液圧室の液圧によって得られるように往復移動し、それ
により出力液圧室の液圧がマスタシリンダの出力液圧に
応じた値に調圧される。しかもスリーブピストンの出力
液圧室に臨む受圧面積が、前記スリーブピストンのパイ
ロット液圧室に臨む受圧面積よりも小さいので、パイロ
ット液圧室の液圧すなわちマスタシリンダの出力液圧に
対して出力ポートの出力液圧を比例的に増圧することが
でき、圧力センサや圧力制御弁等を用いない単純な構造
で、マスタシリンダの出力液圧に応じてポンプユニット
の吐出圧を変化させることが可能となる。しかもマスタ
シリンダの出力液圧が一定であるとき、もしくはマスタ
シリンダの出力液圧が減圧過程にあるときには、スリー
ブピストンが第1シリンダ孔の一端閉塞部に近接した位
置にあり、この状態ではプランジャの有効ストロークは
小さくなっているので、ポンプユニットおよび電気アク
チュエータの負荷を軽減して耐久性を向上することがで
き、電気アクチュエータを作動せしめる電力の消費量を
低減することができる。
【0007】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記スリーブピストンの一
端が前記第1シリンダ孔の閉塞端から第1の所定量より
も小さく設定される第2の所定量以上離反するのを検出
して起動信号を出力するようにして前記ポンプユニット
に付設されるスイッチと、該スイッチからの起動信号の
入力に応じて前記電気アクチュエータの作動を開始する
ようにして該電気アクチュエータの作動を制御する制御
手段とを含むことを特徴とし、かかる構成によれば、電
気アクチュエータは、マスタシリンダの出力液圧開始に
応じて作動を開始することになり、電気アクチュエータ
による電力消費量をより一層低減することができる。
【0008】請求項3記載の発明は、上記請求項1また
は2記載の発明の構成に加えて、前記入力ポートに該入
力ポート側からのブレーキ液の流入を阻止するチェック
弁を介して接続されるリザーバと;前記車輪ブレーキお
よび前記出力ポート間を連通するとともに前記車輪ブレ
ーキおよび前記リザーバ間を遮断する状態、前記車輪ブ
レーキおよび前記出力ポート間を遮断するとともに前記
車輪ブレーキおよび前記リザーバ間を連通する状態、な
らびに前記出力ポートおよび前記リザーバを前記車輪ブ
レーキからともに遮断する状態を切換えて、アンチロッ
クブレーキ制御時に車輪ブレーキのブレーキ圧を制御可
能な制御弁手段と;を含むことを特徴とし、かかる構成
によれば、アンチロックブレーキ制御時にはポンプユニ
ットをリザーバからのブレーキ液の汲上げに用いること
ができ、アンチロックブレーキ制御専用のポンプが不要
となる。
【0009】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の発明の構成に加えて、前記制御弁手段によるアンチロ
ックブレーキ制御中の増圧時には断続的な開閉を可能と
するものの減圧および液圧保持時には閉弁する常開型電
磁弁が、前記入力ポートおよびマスタシリンダ間に設け
られることを特徴とし、かかる構成によれば、減圧およ
び液圧保持時には、マスタシリンダの操作ストロークに
影響を及ぼすことなくポンプユニットでリザーバからの
ブレーキ液を汲上げることができる。また増圧時には、
リザーバからのブレーキ液をポンプユニットで汲上げる
のに加えて、マスタシリンダの出力液圧を断続的にポン
プユニットに作用せしめることを可能として増圧速度を
速めることが可能であり、車両の走行路面の摩擦係数が
低い状態から高い状態に急激に変化した場合に対処可能
となる。
【0010】請求項5記載の発明は、上記請求項1〜4
のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記マスタシ
リンダが、一対の出力液圧路に液圧をそれぞれ出力可能
なタンデム型に構成され、各出力液圧路にそれぞれ対応
した一対の前記ポンプユニットのプランジャに単一の前
記電気アクチュエータが共通に連結され、各ポンプユニ
ットの出力ポートに車輪ブレーキがそれぞれ接続される
ことを特徴とし、かかる構成によれば、タンデム型のマ
スタシリンダを備える従来のブレーキ装置に本発明を容
易に適用することができ、しかも両ポンプユニットに共
通に単一の電気アクチュエータが用いられるので部品点
数の増加を極力抑えることができる。
【0011】さらに請求項6記載の発明は、上記請求項
5記載の発明の構成に加えて、前輪用車輪ブレーキに接
続される前輪側ポンプユニットのプランジャと、前輪側
ポンプユニットの液圧倍力特性とは異なる液圧倍力特性
を有して後輪用車輪ブレーキに接続される後輪側ポンプ
ユニットのプランジャとに、前記電気アクチュエータが
共通に連結されることを特徴とし、かかる構成によれ
ば、比例減圧弁等の制御弁を用いることなしに、前、後
輪の制動力配分制御を容易に行なうことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】図1〜図3は本発明の第1実施例を示すも
のであり、図1は車両用ブレーキ装置の全体構成を示す
回路図、図2は図1の要部拡大図、図3は制御系の構成
を示す図である。
【0014】先ず図1において、第1および第2出力液
圧路1,2にタンデム型であるマスタシリンダ3が接続
されており、ブレーキペダル4の踏込み操作に応じて第
1出力液圧路1にマスタシリンダ3から出力されるブレ
ーキ液圧は第1ポンプユニットP1で増圧され、第2出
力液圧路2にマスタシリンダ3から出力されるブレーキ
液圧は第2ポンプユニットP2で増圧される。第1およ
び第2ポンプユニットP1,P2は、単一の電気アクチ
ュエータである電動モータ5で駆動されるものであり、
第1ポンプユニットP1は、制御弁手段VFLを介して左
前輪用車輪ブレーキBFLに接続されるとともに制御弁手
段VRRを介して右後輪用車輪ブレーキB RRに接続され、
第2ポンプユニットP2は、制御弁手段VFRを介して右
前輪用車輪ブレーキBFRに接続されるとともに制御弁手
段VRLを介して左後輪用車輪ブレーキBRLに接続され
る。
【0015】第1ポンプユニットP1は、ハウジング6
と、該ハウジング6に摺動可能に嵌合されるスリーブピ
ストン7と、電動モータ5に連結されて前記スリーブピ
ストン7に相対摺動可能に嵌合されるプランジャ8と、
スリーブピストン7内に設けられる吐出弁9と、スリー
ブピストン7に設けられるリリーフ弁10とを備える。
【0016】図2を併せて参照して、ハウジング6は、
ハウジング主体11と、該ハウジング主体11に結合さ
れるカバー12とで構成される。電動モータ5のモータ
ハウジング13は、ハウジング6におけるハウジング主
体11の一側面に結合されるものであり、ハウジング主
体11には、前記モータハウジング13の一部を液密に
嵌合せしめるようにして前記一側面に一端を開口する取
付け孔14が設けられる。
【0017】該取付け孔14は、前記ハウジング主体1
1の一側面に一端を開口する第1孔部14aと、第1孔
部14aよりも小径にして第1孔部14aの他端に一端
を同軸に連ならせる第2孔部14bと、第2孔部14b
よりも小径にして第2孔部14bの他端に一端を同軸に
連ならせる第3孔部14cと、第3孔部14cよりも小
径にして第3孔部14cの他端に一端を同軸に連ならせ
るとともに他端を閉塞した有底の第4孔部14dとで構
成されており、モータハウジング13は、第1孔部14
aの一端開口部を塞ぐようにしてハウジング主体11に
結合される。
【0018】電動モータ5の回転軸15はモータハウジ
ング13から突出してハウジング主体11内に挿入され
るものであり、該回転軸15の先端部はボールベアリン
グ16を介して第4孔部14dの内面で回転自在に支承
され、回転軸15の中間部はボールベアリング17を介
して第2孔部14bの内面で回転自在に支承される。前
記両ボールベアリング16,17間で回転軸15には偏
心軸部15aが設けられており、該偏心軸部15aには
ボールベアリング18が装着される。
【0019】またハウジング主体11には、ハウジング
主体11の前記カバー12への結合面に一端を開口した
第1シリンダ孔19と、第1シリンダ孔19の他端に同
軸に連なる連絡孔20とが、電動モータ5における回転
軸15の軸線と直交する軸線を有して設けられる。第1
シリンダ孔19は、ハウジング主体11のカバー12へ
の結合面に一端を開口した大径孔部19aと、該大径孔
部19aよりも小径に形成されて大径孔部19aの他端
に一端を同軸に連ならせる小径孔部19bとから成る。
また連絡孔20は、前記小径孔部19bよりも小径に形
成されており、連絡孔20の一端は小径孔部19bの他
端に同軸に連なり、連絡孔20の他端は前記取付け孔1
4における第3孔部14cの内面に開口される。
【0020】第1シリンダ孔19および連絡孔20間に
は前記取付け孔14とは反対側すなわち第1シリンダ孔
19側に臨む環状の規制段部21が形成され、第1シリ
ンダ孔19の大径孔部19aおよび小径孔部19b間に
は、カバー12側に臨む環状の段部19cが形成され
る。
【0021】一方、カバー12は、第1シリンダ孔19
における大径孔部19aの一端開口部を液密に塞ぐよう
にしてハウジング主体11に結合されるものであり、第
1シリンダ孔19は、その一端を閉じるようにしてハウ
ジング6に設けられることになる。またハウジング6に
おけるハウジング主体11には、マスタシリンダ3に連
なる第1出力液圧路1に常開型電磁弁V1を介して接続
される入力ポート22と、第1出力液圧路1に通じるパ
イロットポート23と、出力ポート24とが設けられ
る。
【0022】第1シリンダ孔19には、スリーブピスト
ン7が摺動可能に嵌合されており、このスリーブピスト
ン7の一端と、第1シリンダ孔19の一端閉塞部すなわ
ちカバー12との間には、パイロットポート23に通じ
るパイロット液圧室26が形成される。またスリーブピ
ストン7の中間部外面と、第1シリンダ孔19における
大径孔部19aの内面および段部19cとの間には、出
力ポート24に通じる環状の出力液圧室27が形成され
る。而してスリーブピストン7には、パイロット液圧室
26の液圧によってパイロット液圧室26の容積を増大
する側にスリーブピストン7を押圧する液圧力が作用
し、出力液圧室27の液圧によってパイロット液圧室2
6の容積を縮少する側にスリーブピストン7を押圧する
液圧力が作用することになり、パイロット液圧室26に
臨むスリーブピストン7の受圧面積が、出力液圧室27
に臨むスリーブピストン7の受圧面積よりも大きく設定
される。
【0023】スリーブピストン7には、該スリーブピス
トン7の一端面に一端を開口した第1圧入孔28と、第
1圧入孔28よりも大径に形成されて第1圧入孔28の
他端に一端が同軸に連なるとともに他端をスリーブピス
トン7の他端面すなわちパイロット液圧室26とは反対
側の端面に開口した第2シリンダ孔29とが同軸に設け
られる。
【0024】第1圧入孔28には、第2シリンダ孔29
側を閉塞端とした有底円筒状に形成される弁ハウジング
30が第2シリンダ孔29および第1圧入孔28間の段
差部に当接するようにして嵌合されるとともに、該弁ハ
ウジング30を前記段差部との間に挟持するようにして
閉塞棒31が圧入されており、第2シリンダ孔29は、
その一端を前記弁ハウジング30で閉塞されて有底円筒
状に形成されることになり、弁ハウジング30およびプ
ランジャ8間には、プランジャ8の一端を臨ませるポン
プ室32が形成される。
【0025】またプランジャ8の他端にはボールベアリ
ング18の外輪外面が当接される。スリーブピストン7
およびプランジャ8間には、コイル状の戻しばね33が
設けられており、この戻しばね33のばね力により、プ
ランジャ8の他端は電動モータ5の回転軸15に装着さ
れたボールベアリング18の外輪外面に常時接触するこ
とになる。これにより、電動モータ5の作動時には該電
動モータ5によりプランジャ8が軸方向に一定の往復ス
トロークで駆動されることになる。
【0026】吐出弁9は、前記ポンプ室32および前記
出力液圧室27間に介在するようにしてスリーブピスト
ン7に設けられており、該吐出弁9は、前記弁ハウジン
グ30と、該弁ハウジング30および閉塞棒31間に形
成される弁室34に収納される球状の弁体35と、該弁
体35および閉塞棒31間に設けられて弁室34に収納
される弁ばね36とを備える。
【0027】弁ハウジング30の閉塞端中央部にはポン
プ室32に通じる弁孔37が設けられる。一方、閉塞棒
31の弁室34に臨む端面には弁室34内に突入する規
制軸部39が一体に設けられており、該規制軸部39の
先端で弁孔37を開放する方向の弁体35の移動端が規
制される。
【0028】弁ばね36は、規制軸部39を囲繞して閉
塞棒31および弁体35間に縮設されており、この弁ば
ね36が発揮するばね力により、弁体35が弁孔37を
閉塞する方向に付勢される。
【0029】弁ハウジング30の開口端側外面および第
1圧入孔28の内面間には環状室40が形成されてお
り、弁室34を前記環状室40に通じさせる複数の連通
孔41…が弁ハウジング30に設けられる。またスリー
ブピストン7には、各連通孔41…を介して弁室34に
通じる環状室40を出力液圧室27に連通せしめる複数
の連通路42…が設けられており、弁室34は出力液圧
室27に常時連通することになる。
【0030】このような吐出弁9は、プランジャ8のス
リーブピストン7に対する相対ストロークによってポン
プ室32の容積が縮少して該ポンプ室32の液圧が増大
したときに、弁体35が弁ばね36のばね力に抗して弁
孔37を開放して開弁し、ポンプ室32の容積が増大し
て該ポンプ室32の液圧が減少したときに弁体35が弁
ばね36のばね力により弁孔37を閉鎖して閉弁するこ
とになる。
【0031】スリーブピストン7の一端側には、前記各
連通路42…の一つの中間部に一端を連ならせる通路4
3と、該通路43よりも大径にして通路43の他端に一
端を同軸に連ならせるとともに他端をスリーブピストン
7の一端面に開口した第2圧入孔44とが、第1圧入孔
28および第2シリンダ孔29と平行な軸線を有するよ
うにして同軸に設けられており、出力液圧室27に通じ
る前記通路43およびパイロット液圧室26間に介在す
るリリーフ弁10が、前記第2圧入孔44内に設けられ
る。
【0032】このリリーフ弁10は、円筒状の弁ハウジ
ング45を備えるものであり、該弁ハウジング45との
間に弁室46を形成するようにして弁ハウジング45の
一端に閉塞部材47が結合され、閉塞部材47を通路4
3および第2圧入孔44間の段部に当接せしめるように
して弁ハウジング45が第2圧入孔44に圧入される。
【0033】弁ハウジング45には、パイロット液圧室
26に通じる弁孔48が設けられるとともに、該弁孔4
8を中央部に臨ませて弁室46に臨む弁座49が設けら
れており、弁座49に着座可能な球状の弁体50と、閉
塞部材47および弁体50間に設けられて弁体50を弁
座49に着座せしめる方向のばね力を発揮する弁ばね5
1とが弁室46に収納される。一方、閉塞部材47に
は、通路43に同軸に通じる入口通路52を有して弁室
46内に突入する規制筒部53が一体に設けられてお
り、規制筒部53の先端に弁体50が当接することによ
り弁体50の弁座49から離反する方向への移動端が規
制される。
【0034】弁体50には、一端をカバー12に当接可
能として弁孔48を緩やかにかつ移動自在に貫通するロ
ッド54の他端が当接もしくは一体に連設されており、
該ロッド54の一端は、弁ばね51で付勢された弁体5
0が弁座49に着座した状態ではスリーブピストン7の
一端面からパイロット液圧室26側に突出する。
【0035】而して図1および図2で示すように、スリ
ーブピストン7がパイロット液圧室26の容積を最小と
する位置にあるとき、すなわちスリーブピストン7がカ
バー12に最も近接した位置にあるときには、カバー1
2に当接したロッド54により弁体50が弁座49から
離反した位置にあるようにロッド54の長さが設定され
ており、スリーブピストン7が第1シリンダ孔19の一
端閉塞部すなわちカバー12から第1の所定量以上離反
すると、リリーフ弁10が閉弁することになる。
【0036】スリーブピストン7の一端側には、該スリ
ーブピストン7の軸方向位置にかかわらず入力ポート2
2に常時通じる複数の吸入通路55…が、第2シリンダ
孔29の内面に内端を開口するようにして設けられる。
これらの吸入通路55…は、プランジャ8のスリーブピ
ストン7に対する相対ストロークに応じて吸入通路55
…の内端のポンプ室32との連通・遮断が切換えられる
ようにして、スリーブピストン7に設けられる。
【0037】再び図1において、制御弁手段VFLは、第
1ポンプユニットP1の出力ポート24および左前輪用
車輪ブレーキBFL間に設けられる常開型電磁弁56
FLと、該常開型電磁弁56FLに並列に接続されるチェッ
ク弁57FLと、第1リザーバR1および左前輪用車輪ブ
レーキBFL間に設けられる常閉型電磁弁58FLとで構成
される。また制御弁手段VRRは、第1ポンプユニットP
1の出力ポート24および右後輪用車輪ブレーキBRR
に設けられる常開型電磁弁56RRと、該常開型電磁弁5
RRに並列に接続されるチェック弁57RRと、第1リザ
ーバR1および右後輪用車輪ブレーキBRR間に設けられ
る常閉型電磁弁58RRとで構成される。
【0038】このような制御弁手段VFL,VRRは、左前
輪および右後輪用車輪ブレーキBFL,BRRと出力ポート
24との間を連通するとともに左前輪および右後輪用車
輪ブレーキBFL,BRRおよび第1リザーバR1間を遮断
する第1の状態、左前輪および右後輪用車輪ブレーキB
FL,BRRと出力ポート24との間を遮断するとともに左
前輪および右後輪用車輪ブレーキBFL,BRRと第1リザ
ーバR1との間を連通する第2の状態、ならびに出力ポ
ート24および第1リザーバR1を左前輪および右後輪
用車輪ブレーキBFL,BRRからともに遮断する第3の状
態を切換えて、左前輪および右後輪のアンチロックブレ
ーキ制御時に、左前輪および右後輪用車輪ブレーキ
FL,BRRのブレーキ圧を制御可能である。
【0039】而してアンチロックブレーキ制御時に、制
御弁手段VFL,VRRが第1の状態にあるときには左前輪
および右後輪用車輪ブレーキBFL,BRRのブレーキ圧は
増圧され、制御弁手段VFL,VRRが第2の状態にあると
きには左前輪および右後輪用車輪ブレーキBFL,BRR
ブレーキ圧は減圧され、制御弁手段VFL,VRRが第3の
状態にあるときには左前輪および右後輪用車輪ブレーキ
FL,BRRのブレーキ圧は保持される。
【0040】第1リザーバR1は、第1ポンプユニット
P1の入力ポート22に該入力ポート22側からのブレ
ーキ液の流入を阻止するチェック弁CV1を介して接続
される。
【0041】さらに、第1ポンプユニットP1には、ス
リーブピストン7の一端が第1シリンダ孔19の閉塞端
すなわちカバー12から第2の所定量以上離反するのを
検出してハイレベルの起動信号を出力するスイッチS1
が付設される。而してスリーブピストン7がカバー12
から第1の所定量以上離反することによってリリーフ弁
10が閉弁するのに対して、前記第2の所定量は第1の
所定量よりも小さく設定されており、スリーブピストン
7がカバー12から離反する方向に移動する際に、スイ
ッチS1はリリーフ弁10が閉弁する前に起動信号を出
力することになる。
【0042】第2ポンプユニットP2は、電動モータ5
の回転軸線に関して第1ポンプユニットP1と対称に構
成されるものであり、第2ポンプユニットP2の構成部
品のうち主要構成部品について、第1ポンプユニットP
1と同一の参照符号を付して図示するのみとし、第2ポ
ンプユニットP2の構成についての詳細な説明を省略す
る。
【0043】而して第2ポンプユニットP2の入力ポー
ト22は、マスタシリンダ3に連なる第2出力液圧路2
に常開型電磁弁V2を介して接続される。
【0044】制御弁手段VFRは、第2ポンプユニットP
2の出力ポート24および右前輪用車輪ブレーキBFR
に設けられる常開型電磁弁56FRと、該常開型電磁弁5
FRに並列に接続されるチェック弁57FRと、第2リザ
ーバR2および右前輪用車輪ブレーキBFR間に設けられ
る常閉型電磁弁58FRとで構成される。また制御弁手段
RLは、第2ポンプユニットP2の出力ポート24およ
び左後輪用車輪ブレーキBRL間に設けられる常開型電磁
弁56RLと、該常開型電磁弁56RLに並列に接続される
チェック弁57RLと、第2リザーバR2および左後輪用
車輪ブレーキB RL間に設けられる常閉型電磁弁58RL
で構成される。
【0045】このような制御弁手段VFR,VRLは、上記
制御弁手段VFL,VRRと同様に、右前輪および左後輪用
車輪ブレーキBFR,BRLのブレーキ圧増圧、右前輪およ
び左後輪用車輪ブレーキBFR,BRLのブレーキ圧減圧、
ならびに右前輪および左後輪用車輪ブレーキBFR,BRL
のブレーキ圧保持を切換えて、右前輪および左後輪用車
輪ブレーキBFR,BRLのアンチロックブレーキ制御を行
なうことができる。
【0046】また第2リザーバR2は、第2ポンプユニ
ットP2の入力ポート22に該入力ポート22側からの
ブレーキ液の流入を阻止するチェック弁CV2を介して
接続される。
【0047】図3において、各制御弁手段VFL,VFR
RL,VRRにおける常開型電磁弁56FL,56FR,56
RL,56RRの消磁開弁および励磁閉弁、ならびに常閉型
電磁弁58FL,58FR,58RL,58RRの消磁閉弁およ
び励磁開弁は、制御手段60により制御されるものであ
り、該制御手段60は、左、右前輪および左、右後輪の
車輪速度をそれぞれ検出する車輪速度センサ61FL,6
FR,61RL,61RRの検出値に基づいて車輪がロック
状態に陥りそうであるか否かを判断し、その判断結果に
応じて常開型電磁弁56FL,56FR,56RL,56RR
よび常閉型電磁弁58FL,58FR,58RL,58RRを開
閉制御する。
【0048】また制御手段60は、常開型電磁弁V1,
V2の消磁開弁および励磁閉弁を制御するものであり、
通常のブレーキ時に常開型電磁弁V1,V2は制御手段
60によって消磁開弁状態とされるが、前記制御弁手段
FL〜VRRによるアンチロックブレーキ制御中に常開型
電磁弁V1,V2は制御手段60によって次のように制
御される。すなわちアンチロックブレーキ制御中の増圧
時に常開型電磁弁V1,V2は短時間内に消磁開弁状態
および励磁閉弁状態を繰返すようにして断続的に開閉す
るように制御手段60により制御され、アンチロックブ
レーキ制御中の減圧および液圧保持時には励磁閉弁状態
を維持するように常開型電磁弁V1,V2が制御手段6
0で制御される。
【0049】さらに第1および第2ポンプユニットP
1,P2に付設されたスイッチS1,S2から出力され
るハイレベルの起動信号はORゲート62を介して制御
手段60に入力されており、制御手段60は、両スイッ
チS1,S2の少なくとも一方がハイレベルの起動信号
を出力するのに応じて、電動モータ5の作動を開始する
ようにして該電動モータ5の作動を制御する。
【0050】次にこの第1実施例の作用について説明す
ると、ブレーキペダル4の操作を行なわない状態では、
第1および第2ポンプユニットP1,P2のスリーブピ
ストン7は、図1および図2で示すように、第1シリン
ダ孔19の一端閉塞部すなわちカバー12に最も近接し
た位置にあり、リリーフ弁10は開弁している。
【0051】ブレーキペダル4を踏込み操作すると、そ
の踏込み操作に応じてマスタシリンダ3から出力される
液圧は、両ポンプユニットP1,P2のパイロット液圧
室26に作用することになり、パイロット液圧室26の
液圧による液圧力でスリーブピストン7はパイロット液
圧室26の容積を増大せしめる方向に押圧される。この
際、出力液圧室27の液圧によりパイロット液圧室26
の容積を縮少せしめる方向にスリーブピストン7を押圧
する液圧力が、前記パイロット液圧室26の液圧による
液圧力よりも小さい状態ではスリーブピストン7が第1
シリンダ孔19の一端閉塞部から第1の所定量以上離反
して、規制段部21に当接するまで移動し、この状態で
は、出力液圧室27をパイロット液圧室26に連通させ
得るリリーフ弁10が閉弁する。またスリーブピストン
7が第1シリンダ孔19の一端閉塞部から第1の所定量
よりも小さな第2の所定量以上離反したことをスイッチ
S1,S2が検出するのに応じて電動モータ5の作動が
開始され、その電動モータ5により往復駆動されるプラ
ンジャ8のスリーブピストン7に対する相対ストローク
によって入力ポート22に通じた吸入通路55…のポン
プ室32への連通・遮断が切換えられる。したがって、
容積が増大したポンプ室32への作動液の入力ポート2
2からの吸入、ならびに容積が縮少したポンプ室32か
ら吐出弁9を介しての出力液圧室27への作動液の吐出
が、プランジャ8の往復作動によって切換えられること
になり、出力液圧室27の液圧が増大することになる。
【0052】このように出力液圧室27の液圧増大に応
じてパイロット液圧室26の容積を縮少する側にスリー
ブピストン7を押圧する液圧力が、パイロット液圧室2
6の容積を増大する側にスリーブピストン7を押圧する
液圧力よりも大きくなると、スリーブピストン7が第1
シリンダ孔19の一端閉塞部側に移動することになり、
スリーブピストン7が第1シリンダ孔19の一端閉塞部
に対して第1の所定量未満の距離まで近接すると、リリ
ーフ弁10が開弁することにより、出力液圧室27がパ
イロット液圧室26に連通して該出力液圧室27の液圧
が減少することになる。したがって、スリーブピストン
7は、パイロット液圧室26の液圧すなわちマスタシリ
ンダ3の出力液圧による液圧力に均衡した液圧力が出力
液圧室27の液圧によって得られるように、マスタシリ
ンダ3の出力液圧に応じて軸方向に往復移動し、それに
より出力液圧室27の液圧がマスタシリンダ3の出力液
圧に応じた値に調圧されることになる。この結果、圧力
センサや圧力制御弁等を用いない単純な構造で、マスタ
シリンダ3の出力液圧に応じて両ポンプユニットP1,
P2の吐出圧を変化させることが可能となる。
【0053】しかもブレーキペダル4の操作力すなわち
マスタシリンダ3の出力液圧が一定であるとき、ならび
にマスタシリンダ3の出力液圧が減圧過程にあるときに
は、スリーブピストン7は、第1シリンダ孔19の一端
閉塞部からの距離が第1の所定量未満であって第2の所
定量以上の位置にあり、この状態ではプランジャ8の有
効ストロークが小さくなるので、電動モータ5の負荷を
軽減して該電動モータ5の耐久性を向上することがで
き、電動モータ5を作動せしめる電力の消費量を低減す
ることができる。
【0054】またスリーブピストン7の出力液圧室27
に臨む受圧面積が、パイロット液圧室26に臨むスリー
ブピストン7の受圧面積よりも小さく設定されているの
で、マスタシリンダ3の出力液圧に対して比例的に増幅
されたブレーキ液圧を、両ポンプユニットP1,P2か
ら出力することができる。
【0055】さらにスリーブピストン7の一端が第1シ
リンダ孔19の閉塞端から第1の所定量よりも小さく設
定される第2の所定量以上離反したときに、スイッチS
1,S2から起動信号が出力され、それに応じて制御手
段60が電動モータ5の作動を開始せしめるので、電動
モータ5は、マスタシリンダ3の出力液圧開始に応じて
作動を開始することになり、電動モータ5による電力消
費量をより一層低減することができる。
【0056】また両ポンプユニットP1,P2の入力ポ
ート22に該入力ポート22側からのブレーキ液の流入
を阻止するチェック弁V1,V2を介してリザーバR
1,R2が接続されており、車輪ブレーキBFL〜BRR
よび出力ポート24間を連通するとともに車輪ブレーキ
FL〜BRRおよびリザーバR1,R2間を遮断する状
態、車輪ブレーキBFL〜BRRおよび出力ポート24間を
遮断するとともに車輪ブレーキBFL〜BRRおよびリザー
バR1,R2間を連通する状態、ならびに出力ポート2
4およびリザーバR1,R2を車輪ブレーキBFL〜BRR
からともに遮断する状態が、制御弁手段VFL〜VRRで切
換えられるので、アンチロックブレーキ制御時にはポン
プユニットP1,P2をリザーバR1,R2からのブレ
ーキ液の汲上げに用いることができ、アンチロックブレ
ーキ制御専用のポンプを不要とすることができる。
【0057】しかも両ポンプユニットP1,P2の入力
ポート22およびマスタシリンダ3間に、制御弁手段V
FL〜VRRによるアンチロックブレーキ制御中の増圧時に
は断続的な開閉を可能とするものの減圧および液圧保持
時には閉弁する常開型電磁弁V1,V2が設けられてい
るので、アンチロックブレーキ制御中の減圧および液圧
保持時には、マスタシリンダ3の操作ストロークに影響
を及ぼすことなくポンプユニットP1,P2でリザーバ
R1,R2からのブレーキ液を汲上げることができる。
また増圧時には、リザーバR1,R2からのブレーキ液
をポンプユニットP1,P2で汲上げるのに加えて、マ
スタシリンダ3の出力液圧を断続的にポンプユニットP
1,P2に作用せしめることを可能として増圧速度を速
めることが可能であり、車両の走行路面の摩擦係数が低
い状態から高い状態に急激に変化した場合に対処可能と
なる。
【0058】さらにマスタシリンダ3が、第1および第
2出力液圧路1,2に液圧をそれぞれ出力可能なタンデ
ム型に構成されており、各出力液圧路1,2にそれぞれ
対応した第1および第2ポンプユニットP1,P2のプ
ランジャ8に単一の電動モータ5が共通に連結され、両
ポンプユニットP1,P2の出力ポート24に車輪ブレ
ーキBFL〜BRRがそれぞれ接続されるので、タンデム型
のマスタシリンダ3を備える従来のブレーキ装置に本発
明を容易に適用することができ、しかも両ポンプユニッ
トP1,P2に共通に単一の電動モータ5を用いるよう
にして部品点数の増加を極力抑えることができる。
【0059】図4は本発明の第2実施例を示すものであ
り、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号
を付す。
【0060】タンデム型のマスタシリンダ3から第1出
力液圧路1に出力されるブレーキ液圧は前輪側ポンプユ
ニットPFで増圧され、第2出力液圧路2にマスタシリ
ンダ3から出力されるブレーキ液圧は後輪側ポンプユニ
ットPRで増圧される。両ポンプユニットPF,PR
は、単一の電動モータ5で駆動されるものであり、前輪
側ポンプユニットPFは、制御弁手段VFLを介して左前
輪用車輪ブレーキBFLに接続されるとともに制御弁手段
FRを介して右前輪用車輪ブレーキBFRに接続され、後
輪側ポンプユニットPRは、制御弁手段VRLを介して右
後輪用車輪ブレーキBRLに接続されるとともに制御弁手
段VRRを介して右後輪用車輪ブレーキBRRに接続され
る。
【0061】前輪側ポンプユニットPFは、ハウジング
6と、該ハウジング6に摺動可能に嵌合されるスリーブ
ピストン7と、電動モータ5に連結されて前記スリーブ
ピストン7に相対摺動可能に嵌合されるプランジャ8
と、スリーブピストン7内に設けられる吐出弁9と、ス
リーブピストン7に設けられるリリーフ弁10とを備
え、上記第1実施例の第1および第2ポンプユニットP
1,P2と基本的に同一に構成される。
【0062】一方、後輪側ポンプユニットPRは、ハウ
ジング6’と、該ハウジング6’に摺動可能に嵌合され
るスリーブピストン7’と、電動モータ5に連結されて
前記スリーブピストン7’に相対摺動可能に嵌合される
プランジャ8と、スリーブピストン7’内に設けられる
吐出弁9と、スリーブピストン7’に設けられるリリー
フ弁10とを備える。
【0063】ハウジング6’に設けられて一端を閉じた
第1シリンダ孔19’は、大径孔部19aと、該大径孔
部19aよりも小径に形成される小径孔部19b’とが
環状の段部19c’を相互間に形成して同軸に連なって
成り、小径孔部19b’は、前輪側ポンプユニットPF
における第1シリンダ孔19の小径孔部19bよりも小
径に形成される。
【0064】第1シリンダ孔19’には、一端をパイロ
ット液圧室26に臨ませるスリーブピストン7’が摺動
可能に嵌合されており、このスリーブピストン7’の中
間部外面と、第1シリンダ孔19’における大径孔部1
9aの内面および段部19c’との間には、出力ポート
24に通じる環状の出力液圧室27’が形成される。而
してパイロット液圧室26の液圧によってパイロット液
圧室26の容積を増大する側にスリーブピストン7’を
押圧する液圧力が作用し、出力液圧室27’の液圧によ
ってパイロット液圧室26の容積を縮少する側にスリー
ブピストン7’を押圧する液圧力が作用することにな
り、パイロット液圧室26に臨むスリーブピストン7’
の受圧面積が、出力液圧室27’に臨むスリーブピスト
ン7’の受圧面積よりも大きく設定される。
【0065】しかも後輪側ポンプユニットPRにおける
第1シリンダ孔19’の小径孔部19b’が、前輪側ポ
ンプユニットPFにおける第1シリンダ孔19の小径孔
部19bよりも小径であることにより、後輪側ポンプユ
ニットPRにおいて出力液圧室27’に臨むスリーブピ
ストン7’の受圧面積は、前輪側ポンプユニットPFに
おいて出力液圧室27に臨むスリーブピストン7の受圧
面積よりも大きい。したがって後輪側ポンプユニットP
Rにおいてパイロット液圧室26に臨むスリーブピスト
ン7’の受圧面積に対する出力液圧室27’に臨むスリ
ーブピストン7’の受圧面積の比は、前輪側ポンプユニ
ットPFにおいてパイロット液圧室26に臨むスリーブ
ピストン7の受圧面積に対する出力液圧室27に臨むス
リーブピストン7の受圧面積の比よりも大きくなる。
【0066】これにより、前輪側ポンプユニットPFに
よる液圧倍力特性と、後輪側ポンプユニットPRによる
液圧倍力特性とが異なることになり、マスタシリンダ3
の出力液圧に対して、後輪側ポンプユニットPRから出
力される液圧が、前輪側ポンプユニットPFから出力さ
れる液圧よりも低くなる。
【0067】この第2実施例によれば、上記第1実施例
と同様の効果を奏することができるだけでなく、比例減
圧弁等の制御弁を用いることなしに、前、後輪の制動力
配分制御を容易に行なうことができる。
【0068】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0069】たとえば電気アクチュエータは、電動モー
タ5に限定されるものではなく、プランジャ8を一定の
往復ストロークで駆動するものであればよい。
【0070】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明によれ
ば、マスタシリンダの出力液圧に対して出力ポートの出
力液圧を比例的に増圧することができ、圧力センサや圧
力制御弁等を用いない単純な構造で、マスタシリンダの
出力液圧に応じてポンプユニットの吐出圧を変化させる
ことが可能となる。しかもマスタシリンダの出力液圧が
一定であるとき、もしくはマスタシリンダの出力液圧が
減圧過程にあるときには、ポンプユニットおよび電気ア
クチュエータの負荷を軽減して耐久性を向上することが
でき、電気アクチュエータを作動せしめる電力の消費量
を低減することができる。
【0071】また請求項2記載の発明によれば、電気ア
クチュエータによる電力消費量をより一層低減すること
ができる。
【0072】請求項3記載の発明によれば、アンチロッ
クブレーキ制御時にはポンプユニットをリザーバからの
ブレーキ液の汲上げに用いることができ、アンチロック
ブレーキ制御専用のポンプが不要となる。
【0073】請求項4記載の発明によれば、アンチロッ
クブレーキ制御中の減圧および液圧保持時には、マスタ
シリンダの操作ストロークに影響を及ぼすことなくポン
プユニットでリザーバからのブレーキ液を汲上げること
ができ、また増圧時には、増圧速度を速めることが可能
であり、車両の走行路面の摩擦係数が低い状態から高い
状態に急激に変化した場合に対処可能となる。
【0074】請求項5記載の発明によれば、タンデム型
のマスタシリンダを備える従来のブレーキ装置に本発明
を容易に適用することができ、しかも部品点数の増加を
極力抑えることができる。
【0075】さらに請求項6記載の発明によれば、比例
減圧弁等の制御弁を用いることなしに、前、後輪の制動
力配分制御を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用ブレーキ装置の全体構成を
示す回路図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】制御系の構成を示す図である。
【図4】第2実施例の車両用ブレーキ装置の全体構成を
示す回路図である。
【符号の説明】
1,2・・・出力液圧路 3・・・マスタシリンダ 5・・・電気アクチュエータとしての電動モータ 6,6’・・・ハウジング 7,7’・・・スリーブピストン 8・・・プランジャ 9・・・吐出弁 10・・・リリーフ弁 19,19’・・・第1シリンダ孔 22・・・入力ポート 23・・・パイロットポート 24・・・出力ポート 26・・・パイロット液圧室 27,27’・・・出力液圧室 29・・・第2シリンダ孔 32・・・ポンプ室 55・・・吸入通路 60・・・制御手段 BFL,BFR・・・前輪用車輪ブレーキ BRL,BRR・・・後輪用車輪ブレーキ CV1,CV2・・・チェック弁 P1,P2・・・ポンプユニット PF・・・前輪側ポンプユニット PR・・・後輪側ポンプユニット R1,R2・・・リザーバ S1,S2・・・スイッチ V1,V2・・・常開型電磁弁 VFL,VFR,VRL,VRR・・・制御弁手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスタシリンダ(3)の出力液圧を増圧
    して車輪ブレーキ(BFL,BFR,BRL,BRR)に作用さ
    せ得るポンプユニット(P1,P2;PF,PR)と、
    該ポンプユニット(P1,P2;PF,PR)を駆動す
    る電気アクチュエータ(5)とを含む車両用ブレーキ装
    置において、前記ポンプユニット(P1,P2;PF,
    PR)は、マスタシリンダ(3)に接続される入力ポー
    ト(22)およびパイロットポート(23)、車輪ブレ
    ーキ(BFL〜BRR)に接続される出力ポート(24)、
    ならびに一端を閉じた第1シリンダ孔(19,19’)
    が設けられるハウジング(6,6’)と;前記パイロッ
    トポート(23)に通じるパイロット液圧室(26)を
    第1シリンダ孔(19,19’)の一端閉塞部との間に
    形成するとともに前記出力ポート(24)に通じる環状
    の出力液圧室(27,27’)を第1シリンダ孔(1
    9,19’)の内面との間に形成して第1シリンダ孔
    (19,19’)に摺動可能に嵌合され、前記パイロッ
    ト液圧室(26)とは反対側に開口して第1シリンダ孔
    (19,19’)と同軸に延びる第2シリンダ孔(2
    9)、ならびに前記入力ポート(22)に通じて第2シ
    リンダ孔(29)の内面に開口する吸入通路(55)が
    設けられるスリーブピストン(7,7’)と;該スリー
    ブピストン(7,7’)内に形成されるポンプ室(3
    2)に一端を臨ませるとともに前記スリーブピストン
    (7,7’)との相対ストロークに応じて前記ポンプ室
    (32)および前記吸入通路(55)間の連通・遮断を
    切換可能として前記第2シリンダ孔(29)に摺動可能
    に嵌合されるプランジャ(8)と;前記ポンプ室(3
    2)の液圧増大に応じて開弁することを可能として前記
    ポンプ室(32)および前記出力液圧室(27,2
    7’)間に介設される吐出弁(9)と;前記スリーブピ
    ストン(7,7’)が前記第1シリンダ孔(19,1
    9’)の閉塞端から第1の所定量以上離反するのに応じ
    て閉弁するようにして前記出力液圧室(27,27’)
    および前記パイロット液圧室(26)間に介設されるリ
    リーフ弁(10)と;を備え、前記パイロット液圧室
    (26)の液圧により前記スリーブピストン(7,
    7’)に作用する液圧力に対抗する液圧力を発揮する出
    力液圧室(27,27’)に臨むスリーブピストン
    (7,7’)の受圧面積が、前記パイロット液圧室(2
    6)に臨むスリーブピストン(7,7’)の受圧面積よ
    りも小さく設定され、前記電気アクチュエータ(5)
    が、前記プランジャ(8)を一定の往復ストロークで駆
    動することを可能として該プランジャ(8)の他端に連
    結されることを特徴する車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記スリーブピストン(7,7’)の一
    端が前記第1シリンダ孔(19,19’)の閉塞端から
    第1の所定量よりも小さく設定される第2の所定量以上
    離反するのを検出して起動信号を出力するようにして前
    記ポンプユニット(P1,P2;PF,PR)に付設さ
    れるスイッチ(S1,S2)と、該スイッチ(S1,S
    2)からの起動信号の入力に応じて前記電気アクチュエ
    ータ(5)の作動を開始するようにして該電気アクチュ
    エータ(5)の作動を制御する制御手段(60)とを含
    むことを特徴とする請求項1記載の車両用ブレーキ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記入力ポート(22)に該入力ポート
    (22)側からのブレーキ液の流入を阻止するチェック
    弁(CV1,CV2)を介して接続されるリザーバ(R
    1,R2)と;前記車輪ブレーキ(BFL〜BRR)および
    前記出力ポート(24)間を連通するとともに前記車輪
    ブレーキ(BFL〜BRR)および前記リザーバ(R1,R
    2)間を遮断する状態、前記車輪ブレーキ(BFL
    RR)および前記出力ポート(24)間を遮断するとと
    もに前記車輪ブレーキ(BFL〜BRR)および前記リザー
    バ(R1,R2)間を連通する状態、ならびに前記出力
    ポート(24)および前記リザーバ(R1,R2)を前
    記車輪ブレーキ(BFL〜BRR)からともに遮断する状態
    を切換えて、アンチロックブレーキ制御時に車輪ブレー
    キ(BFL〜BRR)のブレーキ圧を制御可能な制御弁手段
    (VFL,VFR,VRL,VRR)と;を含むことを特徴とす
    る請求項1または2記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 前記制御弁手段(VFL〜VRR)によるア
    ンチロックブレーキ制御中の増圧時には断続的な開閉を
    可能とするものの減圧および液圧保持時には閉弁する常
    開型電磁弁(V1,V2)が、前記入力ポート(22)
    およびマスタシリンダ(3)間に設けられることを特徴
    とする請求項3記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 前記マスタシリンダ(3)が、一対の出
    力液圧路(1,2)に液圧をそれぞれ出力可能なタンデ
    ム型に構成され、各出力液圧路(1,2)にそれぞれ対
    応した一対の前記ポンプユニット(P1,P2;PF,
    PR)のプランジャ(8)に単一の前記電気アクチュエ
    ータ(5)が共通に連結され、各ポンプユニット(P
    1,P2)の出力ポート(24)に車輪ブレーキ(BFL
    〜BRR)がそれぞれ接続されることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 【請求項6】 前輪用車輪ブレーキ(BFL,BFR)に接
    続される前輪側ポンプユニット(PF)のプランジャ
    (8)と、前輪側ポンプユニット(PF)の液圧倍力特
    性とは異なる液圧倍力特性を有して後輪用車輪ブレーキ
    (BRL,BRR)に接続される後輪側ポンプユニット(P
    R)のプランジャ(8)とに、前記電気アクチュエータ
    (5)が共通に連結されることを特徴とする請求項5記
    載の車両用ブレーキ装置。
JP11108263A 1999-04-15 1999-04-15 車両用ブレーキ装置 Pending JP2000296765A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11108263A JP2000296765A (ja) 1999-04-15 1999-04-15 車両用ブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11108263A JP2000296765A (ja) 1999-04-15 1999-04-15 車両用ブレーキ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000296765A true JP2000296765A (ja) 2000-10-24

Family

ID=14480231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11108263A Pending JP2000296765A (ja) 1999-04-15 1999-04-15 車両用ブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000296765A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108425835A (zh) * 2018-03-19 2018-08-21 安徽博流体传动股份有限公司 一种电控液压柱塞泵

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108425835A (zh) * 2018-03-19 2018-08-21 安徽博流体传动股份有限公司 一种电控液压柱塞泵

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4875741A (en) Anti-skid braking control system for use on motor vehicle
JPH062460B2 (ja) 自動液圧制御機能を有するブレーキ装置
JP3536444B2 (ja) 液圧ブレーキ装置
JP2675603B2 (ja) 自動車用ホイールスリップ制御装置
US6089676A (en) Hydraulic brake apparatus for a vehicle
US5248190A (en) Hydraulic braking pressure control system for vehicle
JP2000296765A (ja) 車両用ブレーキ装置
US4725105A (en) Simplified anti-lock braking system
EP0976630B1 (en) Brake hydraulic control device for use in a vehicle
JP2001225731A (ja) 車両用ブレーキ液圧制御装置
JP3069991B2 (ja) 車両のブレーキ液圧制御装置
JP2557863Y2 (ja) 液圧制御装置
JPH08230642A (ja) ブレーキシステム
KR100413318B1 (ko) 안티록 브레이크 시스템의 고압어큐뮤레이터
JP2849947B2 (ja) 制動液圧制御装置
JPH08104217A (ja) ブレーキシステム
JPH11315951A (ja) 電磁開閉弁
JP2616191B2 (ja) 還流式アンチロック型ブレーキシステム
JPH09216549A (ja) 車輪ブレーキ液圧制御装置
JPH03503750A (ja) アンチロック液圧ブレーキシステム
JP3759470B2 (ja) 電磁弁
JP2627446B2 (ja) 制動油圧制御装置
JPH0971233A (ja) 車両のブレーキ液圧制御装置
JPH05229413A (ja) 液圧ブレーキ装置
US6318816B1 (en) Vehicle brake apparatus