JP2000294277A - 非水電解液およびそれを用いた二次電池 - Google Patents
非水電解液およびそれを用いた二次電池Info
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Abstract
性に優れた非水電解液およびそれを用いた二次電池を提
供する。 【解決手段】下記一般式[1]で表されるアルミニウム
トリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体を含有す
る非水溶媒と電解質とからなることを特徴とする非水電
解液。 【化1】 (式[1]中、R1〜R9は、互いに同一であっても異な
っていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、またはカルボニル基および/またはオ
キシ基を含有する炭素数1〜10の有機基である。)
Description
電解液、およびそれを用いた二次電池に関する。より詳
細には、アルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネ
ート)誘導体を含有するリチウム二次電池に適した非水
電解液、およびそれを用いた二次電池に関する。
圧でかつ高エネルギー密度を有しており、また貯蔵性な
どの信頼性も高いので、民生用電子機器の電源として広
く用いられている。
があり、その代表的存在は、リチウムイオン二次電池で
ある。それに用いられる非水溶媒として、誘電率の高い
カーボネート化合物が知られており、各種カーボネート
化合物の使用が提案されている。また電解液として、プ
ロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの前
記高誘電率カーボネート化合物溶媒と、炭酸ジエチルな
どの低粘度溶媒との混合溶媒に、LiBF4、LiPF6、
LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、Li2SiF6な
どの電解質を混合した溶液が用いられている。
研究も進められており、リチウムイオン二次電池の負極
として、リチウムイオンの吸蔵、放出が可能な炭素材料
が用いられている。特に黒鉛などの高結晶性炭素は、放
電電位が平坦であるなどの特徴を有していることから、
現在市販されているリチウムイオン二次電池の大半の負
極として採用されている。
負極に用いる場合、電解液用の非水溶媒として、凝固点
の低い高誘電率溶媒であるプロピレンカーボネートや1,
2‐ブチレンカーボネートを用いると、充電時に溶媒の
還元分解反応が起こり、活物質であるリチウムイオンの
黒鉛への挿入反応がほとんど進行しなくなり、電解液の
機能を果たさなくなる。その結果、特に初回の充放電効
率は極端に低下する。
非水溶媒として、常温で固体ではあるものの、還元分解
反応が継続的に起こりにくいエチレンカーボネートをプ
ロピレンカーボネートに混合することにより、非水溶媒
の還元分解反応を抑える試みがなされている。さらに還
元分解反応の抑制に加えて非水溶媒の粘度特性を改善す
るため、低粘度溶媒との組み合わせ方を工夫したり、様
々な添加剤を加えたり、電解液中のプロピレンカーボネ
ートの含有量を制限することなどが提案されている。こ
れらの対策により、電池の充放電特性及び低温特性の向
上が図られてきたが、例えば高温保存や充放電サイクル
を繰り返した場合の、微少な還元分解反応に起因する電
池寿命の低下を改善したり、また、低温特性をさらに向
上する電解液が求められている。
応えるために、黒鉛などの高結晶性炭素を負極に用いた
場合であっても、溶媒の還元分解反応が抑制され、電池
寿命を向上し、電池にすぐれた充放電効率、負荷特性及
び低温特性を与える非水電解液の提供を目的とする。ま
た、この非水電解液を含む二次電池の提供を目的とす
る。
ウムトリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体を含
有する非水溶媒と電解質とからなる非水電解液およびそ
れを用いた二次電池である。 (1) 一般式[1]で表されるアルミニウムトリス
(2、4−ペンタンジオネート)誘導体を含有する非水
溶媒と電解質とからなることを特徴とする非水電解液。
っていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、またはカルボニル基および/またはオ
キシ基を含有する炭素数1〜10の有機基である。) (2) 前記一般式[1]で表される化合物におい
て、R1〜R9は水素原子、炭素数が1〜6個のアルキル
基、またはアリール基であることを特徴とする(1)記
載の非水電解液。 (3) 前記一般式[1]で表される化合物におい
て、R1〜R9が、水素原子、メチル基、エチル基、また
はフェニル基のいずれかであることを特徴とする(1)
記載の非水電解液。 (4) 前記の非水溶媒が、前記一般式[1]で表さ
れるアルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネー
ト)誘導体と、一般式[2a]または[2b]で表され
る環状炭酸エステルのうち少なくとも1種および/また
は鎖状炭酸エステルとを含むことを特徴とする(1)〜
(3)記載の非水電解液。
同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または
炭素数1〜6のアルキル基である。) (5) 前記一般式[2a]または[2b]で表され
る環状炭酸エステルが、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート、ブチレンカーボネート、またはビニ
レンカーボネートのいずれかであることを特徴とする
(4)記載の非水電解液。 (6) 前記鎖状炭酸エステルが、ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、またはメチルエチルカー
ボネートのいずれかであることを特徴とする(4)、
(5)記載の非水電解液。 (7) 前記一般式[1]で表されるアルミニウムト
リス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体が、非水溶
媒全体に対してに0.01〜5重量%含まれていること
を特徴とする(1)〜(6)記載の非水電解液。 (8) 非水溶媒中の前記一般式[2a]または[2
b]で表される環状炭酸エステルのうち少なくとも1種
と鎖状炭酸エステルの重量比率が15:85〜55:4
5であることを特徴とする(4)〜(7)記載の非水電
解液。 (9) 電解質がリチウム塩であることを特徴とする
(1)〜(8)記載の非水電解液。 (10) (1)〜(9)のいずれかに記載の非水電
解液を含む二次電池。 (11) 負極活物質として金属リチウム、リチウム
含有合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な
炭素材料、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な
酸化スズ、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な
酸化チタン、またはリチウムイオンのドープ・脱ドープ
が可能なシリコンのいずれかを含む負極と、正極活物質
として遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷
移金属の複合酸化物、導電性高分子材料、炭素材料、ま
たはこれらの混合物のいずれかを含む正極と、(1)〜
(9)記載のいずれかの非水電解液とを含むことを特徴
とするリチウムイオン二次電池。 (12) 前記リチウムイオンのドープ・脱ドープが
可能な炭素材料が、X線解析で測定した(002)面に
おける面間隔距離(d002)が、0.340nm以下
であることを特徴とする(11)記載のリチウムイオン
二次電池。
よびこの非水電解液を用いた非水電解液二次電池につい
て具体的に説明する。本発明に係る非水電解液は、アル
ミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体
を含有する非水溶媒と、電解質とからなっており、各々
について詳述する。
オネート)誘導体 本発明で非水溶媒に含有させるアルミニウムトリス
(2、4−ペンタンジオネート)誘導体としては一般式
[1]で表される化合物が使用される。
っていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、またはカルボニル基および/またはオ
キシ基(−O−)を含有する炭素数1〜10の有機基で
ある。)
基、またはカルボニル基および/またはオキシ基(−O
−)を含有する炭素数1〜10の有機基としては、具体
的にはメチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ
基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシ
カルボニルオキシ基、カルボキシルエチル基、メトキシ
カルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、メ
トキシカルボニルオキシエチル基、エトキシカルボニル
オキシエチル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル
基、t-ブチル基、ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メ
チルブチル基、3-メチルブチル基、1-メチル-2-メチル
プロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、フェニル基、o
-,p-,m-位置をメチル基で置換したフェニル基、 o-,p-,
m-位置をエチル基で置換したフェニル基、o-,p-,m-位置
をプロピル基で置換したフェニル基、 o-,p-,m-位置を
メトキシ基で置換したフェニル基、 o-,p-,m-位置をエ
トキシ基で置換したフェニル基、その他、ヘキシル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素数1〜10の
直鎖または分岐アルキル基またはアリール基を挙げるこ
とができる。
〜R9の炭素数は6以下であることが望ましい。
物としては、次式で示される化合物を挙げることができ
る。アルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネー
ト)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテー
ト)、アルミニウムトリス(メチルアセトアセテー
ト)、アルミニウムトリス(フェニルアセトアセテー
ト)、アルミニウムトリス(ジメチルマロネート)、ア
ルミニウムトリス(ジエチルマロネート)、アルミニウ
ムトリス(ジフェニルマロネート)、アルミニウムトリ
ス(2,2,6,6−テトラメチルー3、5−ヘプタン
ヂオネート)、アルミニウムトリス(3−フェニルー
2、4−ペンタンヂオネート)、アルミニウムトリス
(3−フェノキシー2、4−ペンタンヂオネート)、ア
ルミニウムトリス(3−メトキシー2、4−ペンタンヂ
オネート)、アルミニウムトリス(3−エトキシー2、
4−ペンタンヂオネート)、アルミニウムトリス(1−
フェニルー1、3−ブタンジオネート)、アルミニウム
トリス(1、3−ジフェニルー1、3−プロパンジオネ
ート)、アルミニウムトリス(1、2、3−トリフェニ
ルー1、3−プロパンジオネート)など。
ルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導
体は、充電時における非水溶媒の還元分解反応を抑制し
充放電効率を改善する効果がある。
れるアルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネー
ト)誘導体を含有する非水溶媒が使用される。このアル
ミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体
は、一般に使われる非水溶媒への添加剤として使用する
ことができる。
(2、4−ペンタンジオネート)誘導体と下記一般式
[2a]または[2b]で表される環状炭酸エステルの
うち少なくとも1種および/または鎖状炭酸エステルと
を含む非水溶媒を使用することが望ましい。
一般式[2a]または[2b]で表される環状炭酸エス
テルのうち少なくとも1種および/または鎖状炭酸エス
テルを挙げることができる。
同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または
炭素数1〜6のアルキル基である。)この中でアルキル
基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、具
体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基を例示す
ることができる。
れる環状炭酸エステルの例として具体的には、エチレン
カーボネート、プロピレンカーボネート、1,2‐ブチレ
ンカーボネート、2,3‐ブチレンカーボネート、1,2‐ペ
ンチレンカーボネート、2,3‐ペンチレンカーボネー
ト、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。特に、誘
電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネ
ートが好適に使用される。電池寿命の向上を意図した場
合は、特にエチレンカーボネートが好ましい。また、こ
れら環状炭酸エステルは2種以上混合して使用してもよ
い。
チルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチル
イソプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネー
トなどが挙げられる。特に、粘度が低い、ジメチルカー
ボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネートが好適に使用される。これら鎖状炭酸エステルは
2種以上混合して使用してもよい。
ステルの組合せとして具体的には、エチレンカーボネー
トとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメ
チルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエ
チルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチル
カーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチル
カーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカー
ボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネ
ートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートと
プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、
エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエ
チルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカ
ーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカー
ボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネー
ト、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エ
チレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチ
ルカーボネートとジエチルカーボネートなどが挙げられ
る。
に含まれていると、非水電解液の粘度を低くすることが
可能となり、電解質の溶解度をさらに高め、常温または
低温での電気伝導性に優れた電解液とすることできる。
このため電池の充放電効率、および、例えば、低温にお
ける充放電効率や、低温における負荷特性のような低温
特性を改善することができる。
トリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体の添加量
は、それを含む非水溶媒全体(前記一般式[1]で表わ
せれるアルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネー
ト)誘導体と、前記一般式[2a]または[2b]で表
わされる環状炭酸エステルのうち少なくとも1種および
/または鎖状炭酸エステルとの合計量)に対して0.0
01重量%以上、好ましくは0.01〜5重量%、さら
に好ましくは0.05〜2重量%、特に好ましくは0.
1〜1重量%の量で含まれることが望ましい。
表されるアルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネ
ート)誘導体がそれを含む非水溶媒全体に含有されてい
ると、充電時に起こる溶媒の還元分解反応を低く抑える
ことができ、高温保存特性やサイクル特性などの電池寿
命の向上、電池の充放電効率の向上、および低温特性の
改善を図ることができる。
たは[2b]で表される環状炭酸エステルのうち少なく
とも1種と鎖状炭酸エステルとの混合割合は、重量比で
表して、前記一般式[2a]または[2b]で表される
環状炭酸エステルのうち少なくとも1種:鎖状炭酸エス
テルが、0:100〜100:0、好ましくは5:95
〜80:20、さらに好ましくは10:90〜70:3
0、特に好ましくは15:85〜55:45である。
溶媒は、前記一般式[1]で表されるアルミニウムトリ
ス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体と、前記一般
式[2a]または[2b]で表される環状炭酸エステル
のうち少なくとも1種および/または鎖状炭酸エステル
を含むものである。またそれらに加えて、通常電池用非
水溶媒として広く使用されている溶媒をさらに混合ある
いは少量添加して使用することも可能である。
して、上記以外の他の溶媒を含んでいてもよく、他の溶
媒としては、具体的には、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻
酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、
プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチ
ル、吉草酸メチルなどの鎖状エステル;リン酸トリメチ
ルなどのリン酸エステル;1,2-ジメトキシエタン、1,2-
ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどの
鎖状エーテル;1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テ
トラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メ
チル-1,3-ジオキソラン、2-メチル-1,3-ジオキソランな
どの環状エーテル;ジメチルホルムアミドなどのアミ
ド;メチル‐N,N‐ジメチルカーバメートなどの鎖状カ
ーバメート;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、
3-メチル-γ-ブチロラクトン、2-メチル-γ-ブチロラク
トンなどの環状エステル;スルホランなどの環状スルホ
ン;N‐メチルオキサゾリジノンなどの環状カーバメー
ト;N‐メチルピロリドンなどの環状アミド;N,N‐ジメ
チルイミダゾリジノンなどの環状ウレア;4,4-ジメチル
-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-エチル
-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-プロピ
ル- 5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ブ
チル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジエチル-
5-メチレンエチレンカーボネート、4-エチル-4-プロピ
ル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-エチル-4-ブチ
ル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジプロピル-
5-メチレンエチレンカーボネート、4-プロピル-4-ブチ
ル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジブチル-5-
メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジメチル-5-エチ
リデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-エチル-5-エ
チリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-プロピル-
5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ブチ
ル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジエチル-
5-エチリデンエチレンカーボネート、4-エチル-4-プロ
ピル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-エチル-4-
ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジプ
ロピル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-プロピ
ル-4-ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-
ジブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチ
ル-4-ビニル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチ
ル-4-アリル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチ
ル-4-メトキシメチル-5-メチレンエチレンカーボネー
ト、4-メチル-4-アクリルオキシメチル-5-メチレンエチ
レンカーボネート、4-メチル-4-アリルオキシメチル-5-
メチレンエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステ
ル;4-ビニルエチレンカーボネート、4,4-ジビニルエチ
レンカーボネート、4,5-ジビニルエチレンカーボネート
などのビニルエチレンカーボネート誘導体;4-ビニル-4
-メチルエチレンカーボネート、4-ビニル-5-メチルエチ
レンカーボネート、4-ビニル-4,5-ジメチルエチレンカ
ーボネート、4-ビニル-5,5-ジメチルエチレンカーボネ
ート、4-ビニル-4,5,5-トリメチルエチレンカーボネー
トなどのアルキル置換ビニルエチレンカーボネート誘導
体;4-アリルオキシメチルエチレンカーボネート、4,5-
ジアリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアリ
ルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体;4-メチル
-4-アリルオキシメチルエチレンカーボネート、4-メチ
ル-5-アリルオキシメチルエチレンカーボネートなどの
アルキル置換アリルオキシメチルエチレンカーボネート
誘導体;4-アクリルオキシメチルエチレンカーボネー
ト、4,5-アクリルオキシメチルエチレンカーボネートな
どのアクリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導
体;4-メチル-4-アクリルオキシメチルエチレンカーボ
ネート、4-メチル-5-アクリルオキシメチルエチレンカ
ーボネートなどのアルキル置換アクリルオキシメチルエ
チレンカーボネート誘導体;スルホラン、硫酸ジメチル
などのような含イオウ化合物;トリメチルリン酸、トリ
エチルリン酸などの含リン化合物;および下記一般式で
表わされる化合物などを挙げることができる。HO(C
H2CH2O)aH、HO{CH2CH(CH3)O}bH、
CH3O(CH2CH2O)c H、CH3O{CH2CH
(CH3)O}d H、CH3O(CH2CH2O)e C
H3、CH3O{CH2CH(CH3)O}f CH3、C 9H
19PhO(CH2CH2O)g {CH(CH3)O}h C
H3(Phはフェニル基)、CH3O{CH2CH(C
H3)O}iCO{O(CH3)CHCH2}jOCH3(前
記の式中、a〜fは5〜250の整数、g〜jは2〜2
49の整数、5≦g+h≦250、5≦i+j≦250
である。)
るアルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネート)
誘導体を含有する非水溶媒と電解質とからなっており、
例えば前述したアルミニウムトリス(2、4−ペンタン
ジオネート)誘導体を含む化合物を含有する非水溶媒に
電解質を溶解してなるものである。使用される電解質と
しては、通常、非水電解液用電解質として使用されてい
るものであれば、いずれをも使用することができる。
BF4、LiClO4、LiAsF6、Li 2SiF6、LiC4F
9SO3、LiC8F17SO3などのリチウム塩が挙げられ
る。また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用する
ことができる。LiOSO2R14、LiN(SO2R15)
(SO2R16)、LiC(SO2R17)(SO2R18)(S
O 2R19)、LiN(SO2OR20)(SO2OR21)(こ
こで、R14〜R21は、互いに同一であっても異なってい
てもよく、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基であ
る)。これらのリチウム塩は単独で使用してもよく、ま
た2種以上を混合して使用してもよい。
F4、LiOSO2R14、LiN(SO2R 15)(SO
2R16)、LiC(SO2R17)(SO2R18)(SO2R
19)、LiN(SO2OR20)(SO2OR21)が好まし
い。
ル/リットル、好ましくは0.5〜2モル/リットルの
濃度で非水電解液中に含まれていることが望ましい。
[1]で表されるアルミニウムトリス(2、4−ペンタ
ンジオネート)誘導体を含有する非水溶媒と電解質とを
必須構成成分として含むが、必要に応じて他の添加剤等
を加えてもよい。
リチウムイオン二次電池用の非水電解液として好適であ
るばかりでなく、一次電池用の非水電解液としても用い
ることが出来る。
前記の非水電解液とを基本的に含んで構成されており、
通常負極と正極との間にセパレータが設けられている。
リチウム、リチウム合金、リチウムイオンをドーブ・脱
ドーブすることが可能な炭素材料、リチウムイオンをド
ープ・脱ドープすることが可能な酸化スズ、リチウムイ
オンをドープ・脱ドープすることが可能な酸化チタン、
またはリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可
能なシリコンのいずれを用いることができる。これらの
中でもリチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可
能な炭素材料が好ましい。このような炭素材料は、グラ
ファイトであっても非晶質炭素であってもよく、活性
炭、炭素繊維、カーボンブラック、メソカーボンマイク
ロビーズ、天然黒鉛などが用いられる。
た(002)面の面間隔(d002)が0.340nm
以下の炭素材料が好ましく、密度が1.70g/cm3
以上である黒鉛またはそれに近い性質を有する高結晶性
炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用する
と、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
S2、TiS2、MnO2、V2O5などの遷移金属酸化物ま
たは遷移金属硫化物、LiCoO2、LiMnO2、LiM
n2O 4、LiNiO2、LiNiXCo(1-X)O2などのリチ
ウムと遷移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、
ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリ
アセン、ジメルカプトチアジアゾール/ポリアニリン複
合体などの導電性高分子材料等が挙げられる。これらの
中でも、特にリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物
が好ましい。負極がリチウム金属またはリチウム合金で
ある場合は、正極として炭素材料を用いることもでき
る。また、正極として、リチウムと遷移金属の複合酸化
物と炭素材料との混合物を用いることもできる。
多孔性ポリマーフィルムが好適に使用される。特に、多
孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多
孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィ
ルム、または多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロ
ピレンとの多層フィルムを例示することができる。
型、コイン型、角型、その他任意の形状に形成すること
ができる。しかし、電池の基本構造は形状によらず同じ
であり、目的に応じて設計変更を施すことができる。次
に、円筒型およびコイン型電池の構造について説明する
が、各電池を構成する負極活物質、正極活物質およびセ
パレータは、前記したものが共通して使用される。
には、負極集電体に負極活物質を塗布してなる負極と、
正極集電体に正極活物質を塗布してなる正極とを、非水
電解液を注入したセパレータを介して巻回し、巻回体の
上下に絶縁板を載置した状態で電池缶に収納されてい
る。
は、コイン型非水電解液二次電池にも適用することがで
きる。コイン型電池では、円盤状負極、セパレータ、円
盤状正極、およびステンレスの板が、この順序に積層さ
れた状態でコイン型電池缶に収納されている。
て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。
ート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、
PC:DEC=55:45(重量比)の割合で混合した
後、この混合溶媒99重量部に対して、アルミニウムト
リス(2、4−ペンタンヂオネート)を1重量部添加し
アルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオネート)誘
導体量が非水溶媒全体(PCとDECとアルミニウムト
リス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体との合計
量)に対して1重量%となるよう非水溶媒を調製した。
次に電解質であるLiPF6を非水溶媒に溶解し、電解
質濃度が1.0モル/リットルとなるように非水電解液
を調製した。
ーボンマイクロビーズ(商品名;MCMB6−28、d
002=0.337nm、密度2.17g/cm3)の
炭素粉末90重量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)10重量部とを混合し、溶剤のN‐
メチルピロリドンに分散させ、ペースト状の負極合剤ス
ラリーを調製した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ
20μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥させ
て帯状の炭素負極を得た。乾燥後の負極合剤の厚さは2
5μmであった。さらに、この帯状電極を直径15mm
の円盤状に打ち抜いた後、圧縮成形して負極電極とし
た。
iCoO2(製品名:HLC−21、平均粒径8μm)
微粒子91重量部と、導電材としてのグラファイト6重
量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVD
F)3重量部とを混合して正極合剤を調製し、N−メチ
ルピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを得た。こ
のスラリーを厚さ20μmの帯状アルミニウム箔製正極
集電体に塗布し、乾燥させ、圧縮成形によって帯状正極
を得た。乾燥後の正極合剤の厚さは40μmであった。
その後、この帯状電極を直径15mmの円盤状に打ち抜
くことによって正極電極とした。
盤状負極および円盤状正極、さらに厚さ25μm、直径
19mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからできた
セパレータを用意した。ステンレス製の2032サイズ
の電池缶内に、負極、セパレータ、正極の順序で各々を
積層した後、セパレータに前記非水電解液を注入した。
その後、電池缶内にステンレス製の板(厚さ2.4m
m、直径15.4mm)を収納し、さらにポリプロピレ
ン製のガスケットを介して、電池缶(蓋)をかしめた。
この結果、電池内の気密性が保持でき、直径20mm、
高さ3.2mmのボタン型非水電解液二次電池が得られ
た。
れた二次電池の充放電効率を室温にて次の方法で測定し
た。なお、本実施例では、負極にLiイオンがドープさ
れる電流方向を充電、脱ドープされる電流方向を放電と
した。充電は、4.1V、1mA定電流定電圧充電方法
で行い、充電電流が50μA以下になった時点で終了と
した。放電は、1mAの定電流で行い、電圧が2.7V
に達した時点で終了した。この充放電サイクルの充電容
量と放電容量とから、次式により充放電効率を計算し、
その結果を表1に示した。 充放電効率(%)={放電容量(mAh/g)}/{充
電容量(mAh/g)}×100
(2、4−ペンタンジオネート)誘導体を添加しなかっ
た以外は、実施例1と同様にして、非水電解液の調製お
よび電池の作製を行い、実施例1と同様にして電池の充
放電効率を評価した。結果を表1に示した。
晶性炭素を負極に用いた場合に起こる溶媒の還元分解反
応を低く抑制することができる。その結果、この非水電
解液を用いた二次電池は、高温保存特性やサイクル特性
などの電池寿命、充放電特性、負荷特性、低温における
電池特性に優れている。従って、この非水電解液は、リ
チウムイオン二次電池用の非水電解液として特に好適で
ある。
Claims (12)
- 【請求項1】 一般式[1]で表されるアルミニウム
トリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体を含有す
る非水溶媒と電解質とからなることを特徴とする非水電
解液。 【化1】 (式[1]中、R1〜R9は、互いに同一であっても異な
っていてもよく、水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、またはカルボニル基および/またはオ
キシ基を含有する炭素数1〜10の有機基である。) - 【請求項2】 前記一般式[1]で表される化合物に
おいて、R1〜R9は水素原子、炭素数が1〜6個のアル
キル基、またはアリール基であることを特徴とする請求
項1記載の非水電解液。 - 【請求項3】 前記一般式[1]で表される化合物に
おいて、R1〜R9が、水素原子、メチル基、エチル基、
またはフェニル基のいずれかであることを特徴とする請
求項1記載の非水電解液。 - 【請求項4】 前記の非水溶媒が、前記一般式[1]
で表されるアルミニウムトリス(2、4−ペンタンジオ
ネート)誘導体と、一般式[2a]または[2b]で表
される環状炭酸エステルのうち少なくとも1種および/
または鎖状炭酸エステルとを含むことを特徴とする請求
項1〜3記載の非水電解液。 【化2】 (式[2a]または[2b]中、R10〜R13は、互いに
同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または
炭素数1〜6のアルキル基である。) - 【請求項5】 前記一般式[2a]または[2b]で
表される環状炭酸エステルが、エチレンカーボネート、
プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、また
はビニレンカーボネートのいずれかであることを特徴と
する請求項4記載の非水電解液。 - 【請求項6】 前記鎖状炭酸エステルが、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、またはメチルエチ
ルカーボネートのいずれかであることを特徴とする請求
項4、5記載の非水電解液。 - 【請求項7】 前記一般式[1]で表されるアルミニ
ウムトリス(2、4−ペンタンジオネート)誘導体が、
非水溶媒全体に対してに0.01〜5重量%含まれてい
ることを特徴とする請求項1〜6記載の非水電解液。 - 【請求項8】 非水溶媒中の前記一般式[2a]また
は[2b]で表される環状炭酸エステルのうち少なくと
も1種と鎖状炭酸エステルの重量比率が15:85〜5
5:45であることを特徴とする請求項4〜7記載の非
水電解液。 - 【請求項9】 電解質がリチウム塩であることを特徴
とする請求項1〜8記載の非水電解液。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の非
水電解液を含む二次電池。 - 【請求項11】 負極活物質として金属リチウム、リ
チウム含有合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが
可能な炭素材料、リチウムイオンのドープ・脱ドープが
可能な酸化スズ、リチウムイオンのドープ・脱ドープが
可能な酸化チタン、またはリチウムイオンのドープ・脱
ドープが可能なシリコンのいずれかを含む負極と、正極
活物質として遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウ
ムと遷移金属の複合酸化物、導電性高分子材料、炭素材
料、またはこれらの混合物のいずれかを含む正極と、請
求項1〜9記載のいずれかの非水電解液とを含むことを
特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 【請求項12】 前記リチウムイオンのドープ・脱ド
ープが可能な炭素材料が、X線解析で測定した(00
2)面における面間隔距離(d002)が、0.340
nm以下であることを特徴とする請求項11記載のリチ
ウムイオン二次電池。
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