JP2000292597A - 放射線像変換パネル - Google Patents

放射線像変換パネル

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JP2000292597A
JP2000292597A JP11231043A JP23104399A JP2000292597A JP 2000292597 A JP2000292597 A JP 2000292597A JP 11231043 A JP11231043 A JP 11231043A JP 23104399 A JP23104399 A JP 23104399A JP 2000292597 A JP2000292597 A JP 2000292597A
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radiation image
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Hidemiki Suzuki
英幹 鈴木
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性能に優れかつ高画質の放射線画像
を与える片面集光読取方法および両面集光読取方法用の
放射線像変換パネルを提供する。 【解決手段】 少なくとも裏面保護膜、透明支持体、下
塗層、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層および保護膜がこ
の順に積層されてなる、両面集光方式の放射線像読取方
法に用いられる放射線像変換パネルにおいて、該裏面保
護膜、下塗層および保護膜のうちの少なくともいずれか
の層が導電性の針状微粒子を含有し、10 14Ω以下の表
面電気抵抗率、および該輝尽性蛍光体の輝尽発光のピー
ク波長において90%以上の透過率を示すことを特徴と
する放射線像変換パネル、並びに保護膜が導電性の針状
微粒子を含有する片面集光読取方法用の放射線像変換パ
ネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を利
用する片面集光方式および両面集光方式の放射線像読取
方法に用いられる放射線像変換パネルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が知ら
れている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線
像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもの
で、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた
放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に
輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起
光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体
中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光
光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電
気信号を得て、得られた電気信号に基づいて被写体ある
いは被検体の放射線画像を可視像として再生するもので
ある。読み取りを終えた該パネルは、残存する画像の消
去が行われた後、次の撮影のために備えられる。すなわ
ち、放射線像変換パネルは繰り返し使用される。
【0003】この放射線像記録再生方法では、放射線写
真フィルムと増感紙との組合せを用いる従来の放射線写
真法の場合に比べて、はるかに少ない被曝線量で情報量
の豊富な放射線画像を得ることができるという利点があ
る。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮影ごとに
放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線
像記録再生方法では放射線像変換パネルを繰り返し使用
するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0004】放射線像記録再生方法に用いられる放射線
像変換パネルは、基本構造として、支持体とその上に設
けられた輝尽性蛍光体層とからなるものである。ただ
し、輝尽性蛍光体層が自己支持性である場合には必ずし
も支持体を必要としない。また、輝尽性蛍光体層の上面
(支持体に面していない側の面)には通常、保護膜が設
けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的
な衝撃から保護している。
【0005】輝尽性蛍光体層は、通常は輝尽性蛍光体と
これを分散状態で含有支持する結合剤とからなる。ただ
し、輝尽性蛍光体層としては、蒸着法や焼結法によって
形成される結合剤を含まないで輝尽性蛍光体の凝集体の
みから構成されるものも知られている。また、輝尽性蛍
光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている輝尽
性蛍光体層を有する放射線像変換パネルも知られてい
る。これらのいずれの蛍光体層でも、輝尽性蛍光体はX
線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると
輝尽発光を示す性質を有するものであるから、被写体を
透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、その
放射線量に比例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体
層に吸収され、パネルには被写体あるいは被検体の放射
線像が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。こ
の蓄積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光
光として放出させることができ、この輝尽発光光を光電
的に読み取って電気信号に変換することにより、放射線
エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0006】放射線像記録再生方法において放射線画像
情報の読み取りは一般に、放射線像変換パネルの表(お
もて)面側から励起光を照射し、蛍光体粒子から発せら
れる輝尽発光光をその励起光照射側に備えられた集光ガ
イドで集光し、光電変換して読み取ることにより行われ
ている(片面集光方式)。しかしながら、輝尽発光光を
できるだけ多く読み出したい場合、あるいは輝尽性蛍光
体層内に形成された放射線エネルギー蓄積像のエネルギ
ー強度が蛍光体層の深さ方向に変化していてそのエネル
ギー強度の変化(強度分布)を画像情報として得たい場
合などには、パネルの表裏両側から輝尽発光光を集光し
て読み取る方式(両面集光方式)も利用されている。こ
の両面集光方式については、例えば特開昭55−879
70号公報に記載されている。
【0007】片面集光方式および両面集光方式のいずれ
の放射線像読取方法にあっても、この方法に用いられる
放射線像変換パネルはできる限り高感度であって、かつ
画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるもの
であることが望まれている。放射線像変換パネルを繰り
返し使用していると、特に読み取りや消去を行うために
読取装置内におけるパネルの搬送回数が増加するにつれ
て、パネル表面が帯電する傾向にあり、その結果得られ
た画像には帯電による画像アーチファクトが発生して画
質を低下させることが問題となっている。この帯電によ
る画質の低下を防ぐために、片面集光読取用の放射線像
変換パネルに関してはこれまでに各種の帯電防止剤を添
加することが提案されている。たとえば特公平6−31
911号公報には、放射線像変換パネルの少なくとも一
部に繊維状の導電性材料(平均長さ5〜50μm、平均
直径0.1〜1.0μm)を含有させることが記載さ
れ、また特開平4−2999号公報には、導電性酸化亜
鉛ウィスカ(繊維長3〜150μm、繊維の太さ0.3
〜3μm)を含有させることが記載されている。
【0008】しかしながら、上記の酸化亜鉛ウィスカな
どの従来の導電性材料を片面集光読取用の放射線像変換
パネルの保護膜に含有させた場合に、帯電防止性能の点
では優れているものの、たとえば輝尽性蛍光体としてよ
く用いられているユーロピウム付活アルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物系蛍光体はその輝尽発光のピークが40
0nm付近にあるが、導電性材料がその短波長領域に吸
収があるために集光される発光量の低下を引き起こし、
結果として画質の大幅に低下した画像を与えがちであ
る。とりわけ両面集光読取用の放射線像変換パネルで
は、いずれの層に導電性材料を含有させても集光される
発光量の低下を伴い、画質の低下を招いている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、帯電
防止性能に優れかつ高画質の放射線画像を与える片面集
光読取方法および両面集光読取方法用の放射線像変換パ
ネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、酸化亜鉛ウ
ィスカなど従来より公知の帯電防止剤について検討した
結果、従来の帯電防止剤では短波長領域の光に対して吸
収があるために輝尽発光光の透過率が十分でなく、片面
集光読取用および両面集光読取用いずれの放射線像変換
パネルにおいても集光される発光量の低下を招いて、画
質を低下させていることが判明した。そこで、帯電防止
剤として従来公知の材料よりも長軸、短軸とも長さの短
い導電性の針状微粒子を用いることによって、短波長領
域から長波長領域に渡って光吸収を十分に小さくするこ
とができ、従って輝尽発光光の透過率を低下させること
なくパネルの表面電位を効果的に低減できることを見い
出し、本発明に到達したものである。
【0011】本発明は、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層
とその上に設けられた保護膜とを有する放射線像変換パ
ネルにおいて、該保護膜が、導電性の針状微粒子を含有
し、1014Ω以下の表面電気抵抗率、および該輝尽性蛍
光体の輝尽発光のピーク波長において70%以上の透過
率を示すことを特徴とする放射線像変換パネル。
【0012】本発明はまた、少なくとも裏面保護膜、透
明支持体、下塗層、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層およ
び保護膜がこの順に積層されてなる、両面集光方式の放
射線像読取方法に用いられる放射線像変換パネルにおい
て、該裏面保護膜、下塗層および保護膜のうちの少なく
ともいずれかの層が導電性の針状微粒子を含有し、10
14Ω以下の表面電気抵抗率、および該輝尽性蛍光体の輝
尽発光のピーク波長において70%以上の透過率を示す
ことを特徴とする両面集光読取方法用の放射線像変換パ
ネルにもある。
【0013】ここで、保護膜など導電性針状微粒子を含
有する層の透過率とは層皮膜全体の透過率(全透過率)
であり、表面反射による損失分も含むものである。ま
た、パネルの表(おもて)面とは蛍光体層の上面(保護
膜が設けられている場合には保護膜表面)であり、パネ
ルの裏(うら)面とは蛍光体層の下面(支持体が設けら
れている場合には支持体裏面、更に裏面保護膜が設けら
れている場合には保護膜裏面)を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の放射線像変換パ
ネルの好ましい態様を挙げる。 (1)導電性の針状微粒子の長軸の長さが0.1〜3μ
mの範囲にあり、短軸の長さが0.001〜0.1μm
(好ましくは0.01〜0.1μm)の範囲である放射
線像変換パネル。 (2)導電性の針状微粒子が酸化錫系化合物からなる放
射線像変換パネル。 (3)裏面保護膜、下塗層および/または保護膜が導電
性の針状微粒子を10〜80重量%の範囲で含有してい
る放射線像変換パネル。 (4)保護膜が二層以上からなり、少なくともそのうち
の一層が導電性の針状微粒子を含有している放射線像変
換パネル。 (5)下塗層が導電性の針状微粒子を含有している両面
集光読取方法用の放射線像変換パネル。 (6)支持体に下塗層を形成したときの下塗層側の反射
率が、輝尽性蛍光体の発光ピーク波長及び励起光の波長
において30%以下である放射線像変換パネル。
【0015】次に、本発明の放射線像変換パネルについ
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の片面
集光読取方法用の放射線像変換パネルの構成の代表的な
例を概略的に示す断面図である。図1において、放射線
像変換パネルは順に、支持体1、下塗層2、輝尽性蛍光
体層3、および保護膜4から構成される。本発明の特徴
的な要件である導電性の針状微粒子は保護膜4に含有さ
れている。
【0016】図2は、本発明の両面集光読取方法用の放
射線像変換パネルの構成の代表的な例を概略的に示す断
面図である。図2において、放射線像変換パネルは順
に、裏面保護膜5、透明支持体1’、下塗層2、輝尽性
蛍光体層3、および保護膜4から構成される。導電性の
針状微粒子は裏面保護層5、下塗層2および保護膜4の
いずれに含まれていてもよいし、あるいは全部に含まれ
ていてもよい。
【0017】本発明の放射線像変換パネルを製造する方
法について両面集光読取用のパネルを例にとって詳細に
述べる。
【0018】本発明の特徴的な要件である導電性の針状
微粒子は、長軸の長さ(繊維長)が0.1〜3μmの範
囲にあり、短軸の長さ(繊維径)が0.001〜0.1
μmの範囲にあるものである。導電性針状微粒子として
はたとえば、酸化錫系化合物、酸化亜鉛系化合物もしく
は酸化インジウム系化合物からなるものを挙げることが
できる。これらのうちで特に好ましいのは酸化錫系化合
物からなる針状微粒子である。帯電防止剤としてこのよ
うな超微粒子繊維状の導電性化合物を用いることによ
り、優れた帯電防止特性と短波長から長波長領域に渡る
高い光透過率(透明性)を付与することができる。導電
性針状微粒子は通常、裏面保護膜、下塗層および/また
は保護膜に層全体に対して10〜80重量%の範囲で含
有される。
【0019】本発明の放射線像変換パネルにおいて、こ
の導電性針状微粒子が含有された層(裏面保護膜、下塗
層および/または保護膜)は、帯電防止性能の点から表
面電気抵抗率が1014Ω以下を示す必要がある。また、
パネルの表側もしくは表裏両側から集光される輝尽発光
量をできる限り高めるために、この導電性針状微粒子含
有層の輝尽発光のピーク波長における透過率(層皮膜全
体の透過率)は70%以上でなければならない。両面集
光読取用のパネルにおいて、画質の点から導電性針状微
粒子は好ましくは下塗層もしくは裏面保護層に含有さ
れ、特に好ましくは下塗層に含有される。
【0020】透明支持体は、通常は透明なプラスチック
フィルム(あるいはシート)からなる。そのプラスチッ
ク材料としては、公知のポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、
アラミド樹脂などの材料から任意に選ぶことができる。
勿論、これらの材料に限定されるものではないが、十分
な強度を持ち、透明性の高いプラスチックフィルムを用
いることが望ましい。このプラスチックフィルムの厚さ
は、通常10〜1000μmの範囲にある。
【0021】透明支持体の輝尽性蛍光体層が設けられる
側の表面には、支持体と蛍光体層の結合を強化するた
め、あるいはパネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭
度、粒状性)を向上させるために、下塗層(接着性付与
層)が設けられる。下塗層は、ゼラチン、軟質アクリル
樹脂などの高分子物質からなる塗布液を支持体の上に塗
布することにより形成することができる。本発明に係る
導電性の針状微粒子を下塗層に含有させる場合には、こ
の塗布液中に上記導電性針状微粒子を上記の含有量で分
散させて塗布形成すればよい。下塗層中には更に酸化ガ
ドリニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の光散乱
性微粒子を分散含有させてもよい。下塗層の層厚は一般
に約1〜50μmの範囲にある。
【0022】下塗層の上には輝尽性蛍光体層が設けられ
る。輝尽性蛍光体としては、波長が400〜900nm
の範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波
長範囲の輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。その
ような輝尽性蛍光体の例は、特開平2−193100号
公報および特開平4−310900号公報に詳しく記載
されている。特に好ましい輝尽性蛍光体は、ユーロピウ
ムあるいはセリウムにより付活されているアルカリ土類
金属ハロゲン化物系蛍光体、そしてセリウム付活希土類
オキシハロゲン化物系蛍光体である。ただし、本発明に
用いる輝尽性蛍光体はこれらの蛍光体に限られるもので
はなく、照射された放射線を蓄積してその後の任意な時
期に励起光を照射された場合に輝尽発光を示す蛍光体で
あればいかなるものであってもよい。
【0023】輝尽性蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分
散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にとっ
て説明する。蛍光体層は、たとえば次のような公知の方
法により支持体上に形成することができる。まず、輝尽
性蛍光体粒子と結合剤とを溶剤に加え、これを十分に混
合して、結合剤溶液中に輝尽性蛍光体粒子が均一に分散
した塗布液を調製する。蛍光体粒子を分散支持する結合
剤については様々な種類の樹脂材料が知られており、本
発明の放射線像変換パネルの製造においても、それらの
公知の結合剤樹脂を中心とした任意の樹脂材料から適宜
選択して用いることができる。塗布液における結合剤と
輝尽性蛍光体との混合比は、目的とする放射線像変換パ
ネルの特性、蛍光体の種類などによって異なるが、一般
には結合剤と蛍光体との混合比は、1:1乃至1:10
0(重量比)の範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至
1:40(重量比)の範囲から選ぶのが好ましい。な
お、塗布液にはさらに、塗布液中における蛍光体の分散
性を向上させるための分散剤、形成後の蛍光体層中にお
ける結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための
可塑剤、蛍光体層の変色を防止するための黄変防止剤、
硬化剤、架橋剤など各種の添加剤が混合されていてもよ
い。
【0024】このようにして調製された塗布液を次に、
ガラス板、金属板、プラスチックシートなどのシート
(仮支持体)上に均一に塗布することにより塗膜を形成
する。塗布操作は、通常の塗布手段、たとえばドクター
ブレード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いる方
法により行うことができる。この塗膜を乾燥して蛍光体
シートを形成した後蛍光体シートを仮支持体から剥ぎ取
り、下塗層の上に押圧するなどして下塗層上への輝尽性
蛍光体層の形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的と
する放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤
と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20
μm〜1mmの範囲であり、好ましくは50〜500μ
mの範囲である。なお、輝尽性蛍光体層は、必ずしも上
記のように別途形成した蛍光体シートを下塗層上に接合
する必要はなく、下塗層上に塗布液を直接塗布して形成
してもよい。
【0025】本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光
体層は、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する
結合剤とからなるのものばかりでなく、結合剤を含まな
いで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、あ
るいは輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸
されている蛍光体層などでもよい。
【0026】輝尽性蛍光体層の下塗層に接する側とは反
対側の表面には、蛍光体層を物理的および化学的に保護
するために透明な保護膜が設けられる。保護膜として
は、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有
機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分
子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層
の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエ
チレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明
なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍
光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、ある
いは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜し
たものなどが用いられる。本発明に係る導電性の針状微
粒子を保護膜に含有させる場合には、たとえば上記溶液
中に導電性針状微粒子を前記含有量で分散させて塗布形
成すればよい。保護膜中には更に、酸化マグネシウム、
酸化亜鉛、酸化チタン等の光散乱性微粒子、パーフルオ
ロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り
剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添
加剤を分散含有させてもよい。保護膜の膜厚は一般に約
0.1〜20μmの範囲にある。
【0027】なお、本発明において保護膜は単層である
のみならず二層以上から構成されていてもよく、その場
合に導電性針状微粒子は複数層のうちのいずれに含まれ
ていてもよいし、あるいは全部に含まれていてもよい。
また、接着剤を用いて保護膜を形成した場合に、その接
着剤からなる層(接着層)に導電性針状微粒子が含まれ
ていてもよい。
【0028】透明支持体の裏面(蛍光体層が設けられる
側とは反対側)には裏面保護膜が設けられる。裏面保護
膜は、上記保護膜と同様の材料を用いて同様の方法によ
り支持体裏面に形成することができる。本発明に係る導
電性の針状微粒子を裏面保護膜に含有させる場合にも、
上記と同様にして行うことができる。裏面保護膜の膜厚
は一般に約0.1〜20μmの範囲にある。
【0029】本発明の片面集光読取用の放射線像変換パ
ネルも、上述した両面集光読取用のパネルの製造方法と
同様にして製造することができる。ただし、本発明の特
徴的な要件である導電性の針状微粒子は、輝尽発光光の
集光側である保護膜に含有される。なお、帯電防止性能
を高めるために、下塗層にも導電性針状微粒子を含有さ
せてもよい。また、輝尽性蛍光体層が自己支持性である
場合には必ずしも支持体や下塗層を設ける必要はない。
支持体を設ける場合にも支持体は透明である必要はな
く、従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の材
料から任意に選ぶことができる。さらに、支持体と輝尽
性蛍光体層との間には二酸化チタンなどの光反射性物質
からなる光反射層、もしくはカーボンブラックなどの光
吸収性物質からなる光吸収層など各種の層を設けてもよ
いし、また支持体の蛍光体層側の表面には微小な凹凸が
形成されていてもよい。
【0030】上述のようにして本発明の放射線像変換パ
ネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各
種のバリエーションを含むものであってもよい。たとえ
ば、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目的とし
て、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し
輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色して
もよい(特公昭59−23400号公報参照)。
【0031】
【実施例】 [実施例1] 片面集光読取用の放射線像変換パネル (1)蛍光体シートの作製 蛍光体:BaFBr0.850.15:Eu2+ (輝尽発光のピーク波長:約410nm) 1000g 結合剤:ポリウレタンエラストマー(パンデックスT-5265H[固形]、 大日本インキ化学工業(株)製) 32g 架橋剤:ポリイソシアネート(コロネートHX[固形分100%]、 日本ポリウレタン工業(株)製) 3g 黄変防止剤:エポキシ樹脂(エピコート#1001[固形]、 油化シェルエポキシ(株)製) 15g
【0032】上記組成の材料をメチルエチルケトンに加
え、プロペラミキサを用いて回転速度10000rpm
で1時間分散させて、粘度が30ps(25℃)の塗布
液を調製した(結合剤/蛍光体重量比=1/20)。こ
れをシリコン系離型剤が塗布されているポリエチレンテ
レフタレートシート(仮支持体、厚さ:180μm)上
にドクターブレードを用いて均一に塗布し、乾燥した
後、仮支持体から剥ぎ取って蛍光体シート(厚さ:31
0μm、塗布幅:300mm)を作製した。
【0033】(2)下塗層の形成 支持体として、片面にカーボンブラック、シリカおよび
結合剤からなる遮光層(層厚:約10μm)が設けられ
たポリエチレンテレフタレートシート(厚さ:250μ
m、ヘイズ度(typical):27、ルミラーS-10、東レ
(株)製)を用意した。支持体の遮光層とは反対側の表面
に、軟質アクリル樹脂(クリスコートP-1018GS、大日本
インキ化学工業(株)製)をドクターブレードで塗布し、
乾燥して下塗層(層厚:20μm)を形成した。
【0034】(3)輝尽性蛍光体層の形成 支持体上の下塗層表面に、先に作製した蛍光体シートを
シート作製時の裏面が下塗層に接するように重ね合わせ
て、カレンダーロールにより総荷重2.5t、上側ロー
ル温度45℃、下側ロール温度45℃、送り速度0.3
m/分の条件で加熱圧縮を行った。この加熱圧縮によ
り、輝尽性蛍光体層(層厚:230μm、蛍光体の充填
密度:3.35g/cm3)を下塗層を介して支持体に
完全に融着させて形成した。
【0035】 (4)導電性材料含有保護膜の形成 導電性材料:SnO2(Sbドープ)針状微粒子 (長軸:0.2〜2μm、短軸:0.01〜0.02μm、 FS-10P MEK 分散体[固形分30%]、石原産業(株)製) 22.2g フッ素系樹脂(フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体、 ルミフロンLF-504X[30%キシレン溶液]、旭硝子(株)製) 25.4g 架橋剤:ポリイソシアネート(オレスターNP38-70S[固形分71%]、 三井東圧化学(株)製) 3.35g 滑り剤:アルコール変成シリコーン(X-22-2809[66%キシレン 含有ペースト]、信越化学工業(株)製) 0.15g 触媒:ジブチルチンジラウレート(KS1260、共同薬品(株)製) 0.1mg
【0036】上記組成の材料をメチルエチルケトン67
gに加えて、粘度が3〜4cpsの導電性針状微粒子含
有樹脂塗布液を調製した。片面に耐熱再剥離フィルムが
設けられたポリエチレンテレフタートフィルム(厚さ:
6μm、ルミラー6c-F53、東レ(株)製)の反対側の表面
にこの塗布液を塗布し、120℃で20分間熱処理して
熱硬化させるとともに乾燥して、導電性針状微粒子含有
樹脂膜(厚さ:2μm、全固形分に対する導電性材料の
含有率:40重量%)を形成した。
【0037】導電性針状微粒子含有樹脂膜が設けられた
フィルムから耐熱再剥離フィルムを剥ぎ取り、樹脂膜と
は反対側の表面に接着剤(不飽和ポリエステル樹脂溶
液、バイロン30SS、東洋紡績(株)製)を塗布し、乾燥し
て接着層(接着剤塗布量:2g/m2)を設けた。この
導電性針状微粒子含有樹脂膜付きフィルムを接着層を介
して輝尽性蛍光体層表面にラミネートロールを用いて接
合し、二層構成の保護膜を形成した。以上のようにし
て、支持体、下塗層、輝尽性蛍光体層、接着層および導
電性針状微粒子含有保護膜から構成された本発明の放射
線像変換パネルを製造した。
【0038】[実施例2]実施例1において(4)導電
性材料含有保護膜の形成に際して、導電性針状微粒子の
量を40.1gおよびメチルエチルケトン溶剤の量を4
2gに変更して、導電性針状微粒子含有樹脂膜(全固形
分に対する導電性材料の含有率:55重量%)を形成し
たこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線像
変換パネルを製造した。
【0039】[比較例1]実施例1において(4)導電
性材料含有保護膜の形成に際して、導電性材料としてZ
nOウィスカー(パナテトラA-1-1、松下アムテック
(株)製)4.3gを用い、メチルエチルケトン溶剤の量
を82gに変更して、導電性材料含有樹脂膜(全固形分
に対する導電性材料の含有率:30重量%)を形成した
こと以外は実施例1と同様にして、比較のための放射線
像変換パネルを製造した。
【0040】[比較例2]実施例1において(4)導電
性材料含有保護膜の形成に際して、導電性材料としてZ
nOウィスカー8.2gを用い、メチルエチルケトン溶
剤の量を82gに変更して、導電性材料含有樹脂膜(全
固形分に対する導電性材料の含有率:45重量%)を形
成したこと以外は実施例1と同様にして、比較のための
放射線像変換パネルを製造した。
【0041】[実施例3] 両面集光読取用の放射線像
変換パネル (1)蛍光体シートの作製 実施例1と同様にして、蛍光体シート形成用塗布液を調
製した。これをシリコン系離型剤が塗布されているポリ
エチレンテレフタレートシート(仮支持体、厚さ:18
0μm)上にドクターブレードを用いて均一に塗布し、
乾燥した後、仮支持体から剥ぎ取って蛍光体シート(厚
さ:220μm、塗布幅:300mm)2枚を作製し
た。
【0042】(2)下塗層の形成 透明支持体として、ポリエチレンテレフタレートシート
(厚さ:250μm、ヘイズ度(typical):27、ルミ
ラーS-10、東レ(株)製)を用意した。支持体の片面に、
実施例1と同様にして下塗層(層厚:20μm)を形成
した。
【0043】(3)輝尽性蛍光体層の形成 支持体上の下塗層表面に、先に作製した蛍光体シートを
シート作製時の表面が下塗層に接するように重ね合わせ
て、カレンダーロール(金属ロール、ロール径:200
mm)により総荷重1.6t、上側ロール温度45℃、
下側ロール温度45℃、送り速度0.3m/分の条件で
加熱圧縮を行った。この加熱圧縮により、下塗層上に圧
縮された蛍光体シートを付設した。さらに、この圧縮シ
ート上にもう1枚の蛍光体シートをシート作製時の裏面
が圧縮シートに接するように重ね合わせて、カレンダー
ロールにより総荷重2.5t、上側ロール温度45℃、
下側ロール温度45℃、送り速度0.3m/分の条件で
加熱圧縮を行った。これにより、輝尽性蛍光体層(層
厚:320μm、蛍光体の充填密度:3.35g/cm
3)を下塗層を介して支持体に完全に融着させて形成し
た。
【0044】(4)導電性材料含有保護膜の形成 実施例1と同様にして、二層構成の導電性針状微粒子含
有保護膜を形成した。
【0045】 (5)裏面保護膜の形成 フッ素系樹脂(フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体) 25.4g 架橋剤:ポリイソシアネート 3.35g 滑り剤:アルコール変成シリコーン 0.15g 触媒:ジブチルチンジラウレート 0.1mg
【0046】上記組成の材料をメチルエチルケトン8
2.5gに加えて、粘度が3〜4cpsの塗布液を調製
した。支持体の輝尽性蛍光体層とは反対側の表面にこの
塗布液を塗布し、120℃で20分間熱処理して熱硬化
させるとともに乾燥して、裏面保護膜(厚さ:2μm)
を形成した。以上のようにして、裏面保護膜、透明支持
体、下塗層、輝尽性蛍光体層、接着層および導電性針状
微粒子含有保護膜から構成された本発明の放射線像変換
パネルを製造した。
【0047】[実施例4]実施例3において(4)導電
性材料含有保護膜の形成に際して、導電性針状微粒子の
量を40.1gおよびメチルエチルケトン溶剤の量を4
2gに変更して、導電性針状微粒子含有樹脂膜(全固形
分に対する導電性材料の含有率:55重量%)を形成し
たこと以外は実施例3と同様にして、本発明の放射線像
変換パネルを製造した。
【0048】[比較例3]実施例3において(4)導電
性材料含有保護膜の形成に際して、導電性材料としてZ
nOウィスカー4.3gを用い、メチルエチルケトン溶
剤の量を82gに変更して、導電性材料含有樹脂膜(全
固形分に対する導電性材料の含有率:30重量%)を形
成したこと以外は実施例3と同様にして、比較のための
放射線像変換パネルを製造した。
【0049】[比較例4]実施例3において(4)導電
性材料含有保護膜の形成に際して、導電性材料としてZ
nOウィスカー8.2gを用い、メチルエチルケトン溶
剤の量を82gに変更して、導電性材料含有樹脂膜(全
固形分に対する導電性材料の含有率:45重量%)を形
成したこと以外は実施例3と同様にして、比較のための
放射線像変換パネルを製造した。
【0050】[実施例5] 両面集光読取用の放射線像
変換パネル 実施例3において(2)下塗層の形成および(4)保護
膜の形成を以下のようにして行ったこと以外は実施例3
と同様にして、裏面保護膜、透明支持体、導電性針状微
粒子含有下塗層、輝尽性蛍光体層、接着層および保護膜
から構成された本発明の放射線像変換パネルを製造し
た。
【0051】 (2)導電性材料含有下塗層の形成 導電性材料:SnO2(Sbドープ)針状微粒子 (長軸:0.2〜2μm、短軸:0.01〜0.02μm、 FS-10P MEK 分散体[固形分30%]、石原産業(株)製) 33.3g 不飽和ポリエステル樹脂(バイロン300、東洋紡績(株)製)の 20%メチルエチルケトン溶液 50g 上記組成の材料をメチルエチルケトン52gに加えて、
粘度が約0.2〜0.3psの導電性針状微粒子含有塗
布液を調製した。透明支持体の片面に、この塗布液をド
クターブレードで塗布し、乾燥して導電性針状微粒子含
有下塗層(層厚:2μm、全固形分に対する導電性材料
の含有率:50重量%)を形成した。透明支持体上に上
記下塗層を形成した状態での下塗層側の反射率は、41
0nm(発光光のピーク波長)では27%、633nm
(励起光波長)では18%であった。
【0052】 (4)保護膜の形成 フッ素系樹脂(フルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体) 25.4g 架橋剤:ポリイソシアネート 3.35g 滑り剤:アルコール変成シリコーン 0.15g 触媒:ジブチルチンジラウレート 0.1mg 上記組成の材料をメチルエチルケトン82.5gに加え
て、粘度が3〜4cpsの塗布液を調製した。この塗布
液を用いたこと以外は実施例1と同様にして二層構成の
保護膜を形成した。
【0053】[実施例6]実施例5において(2)導電
性材料含有下塗層の形成に際して、導電性針状微粒子の
量を50gおよびメチルエチルケトン溶剤の量を40g
に変更して、導電性針状微粒子含有下塗層(全固形分に
対する導電性材料の含有率:60重量%)を形成したこ
と以外は実施例5と同様にして、本発明の放射線像変換
パネルを製造した。
【0054】[比較例5]実施例5において(2)導電
性材料含有下塗層の形成に際して、 導電性材料:ZnOウィスカー 4.3g 軟質アクリル樹脂(クリスコートP-1018GS[固形分20%]、 大日本インキ化学工業(株)製) 50g をメチルエチルケトン75gに加えて塗布液を調製し
て、導電性材料含有下塗層(全固形分に対する導電性材
料の含有率:30重量%)を形成したこと以外は実施例
5と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製
造した。
【0055】[比較例6]実施例5において(2)導電
性材料含有下塗層の形成に際して、 導電性材料:ZnOウィスカー 8.2g 軟質アクリル樹脂 50g をメチルエチルケトン75gに加えて塗布液を調製し
て、導電性材料含有下塗層(全固形分に対する導電性材
料の含有率:45重量%)を形成したこと以外は実施例
5と同様にして、比較のための放射線像変換パネルを製
造した。透明支持体上に上記下塗層を形成した状態での
下塗層側の反射率は、410nm(発光光のピーク波
長)では61%、633nm(励起光波長)では53%
であった。
【0056】[実施例7] 両面集光読取用の放射線像
変換パネル 実施例3において(4)保護膜の形成および(5)裏面
保護膜の形成を以下のようにして行ったこと以外は実施
例3と同様にして、導電性針状微粒子含有裏面保護膜、
透明支持体、下塗層、輝尽性蛍光体層、接着層および保
護膜から構成された本発明の放射線像変換パネルを製造
した。
【0057】(4)保護膜の形成 実施例5と同様にして、二層構成の保護膜を形成した。
【0058】(5)導電性材料含有裏面保護膜の形成 実施例1と同様にして、導電性針状微粒子含有樹脂塗布
液を調製した。この塗布液を用いたこと以外は実施例3
と同様にして、支持体裏面に導電性針状微粒子含有裏面
保護膜(厚さ:2μm、全固形分に対する導電性材料の
含有率:40重量%)を形成した。
【0059】[実施例8]実施例7において(5)導電
性材料含有裏面保護膜の形成に際して、導電性針状微粒
子の量を40.1gおよびメチルエチルケトン溶剤の量
を42gに変更して、導電性針状微粒子含有裏面保護膜
(全固形分に対する導電性材料の含有率:55重量%)
を形成したこと以外は実施例7と同様にして、本発明の
放射線像変換パネルを製造した。
【0060】[比較例7]実施例7において(5)導電
性材料含有裏面保護膜の形成に際して、導電性材料とし
てZnOウィスカー4.3gを用い、メチルエチルケト
ン溶剤の量を82gに変更して、導電性材料含有裏面保
護膜(全固形分に対する導電性材料の含有率:30重量
%)を形成したこと以外は実施例7と同様にして、比較
のための放射線像変換パネルを製造した。
【0061】[比較例8]実施例7において(5)導電
性材料含有裏面保護膜の形成に際して、導電性材料とし
てZnOウィスカー8.2gを用い、メチルエチルケト
ン溶剤の量を82gに変更して、導電性材料含有裏面保
護膜(全固形分に対する導電性材料の含有率:45重量
%)を形成したこと以外は実施例7と同様にして、比較
のための放射線像変換パネルを製造した。
【0062】[放射線像変換パネルの性能評価]得られ
た各放射線像変換パネルについて表面電気抵抗率、透過
率および発光量を測定し、その性能を評価した。
【0063】(1)表面電気抵抗率 放射線像変換パネルの導電性材料含有層について、その
表面の電気抵抗(SR)を円電極(P−601型、川口
電気製作所(株)製)と絶縁計(EV−40型超絶縁計、
川口電気製作所(株)製)との組合せを用いて測定した。
測定は、温度23℃、湿度53%RHの条件で行った。
【0064】(2)透過率 放射線像変換パネルの導電性材料含有層について、波長
410nmの光に対する層皮膜全体の透過率(全透過
率)を分光光度計で測定した。全透過率には表面反射に
よる損失分も含まれている。なお、導電性材料含有層が
保護膜である場合には導電性材料含有樹脂膜について測
定した。
【0065】(3)発光量 放射線像変換パネルに管電圧80kVpのX線を照射し
た後He−Neレーザ光(波長:632.8nm)で励
起して、パネル表面よりの輝尽発光量を測定し、電気信
号に変換して相対発光量を得た(照射線量が同一となる
ように補正計算を加えた)。両面集光読取用のパネルに
ついてはパネル裏面よりの輝尽発光量も測定して相対発
光量を得、さらに表裏両面の発光量を1:1の比率で加
算して加算発光量も得た。得られた結果をまとめて表1
および表2に示す。
【0066】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 片面読取用 導電性材料 表面電気抵抗率 透過率 表面発光量 パネル 含有層 含有率(wt%) (Ω) (%) 相対値 ──────────────────────────────────── 実施例1 保護膜 40 1013 82 100 比較例1 〃 30 1013 67 88 ──────────────────────────────────── 実施例2 保護膜 55 108 76 93 比較例2 〃 45 108 61 80 ────────────────────────────────────
【0067】
【表2】
【0068】表1および表2の結果から明らかなよう
に、本発明の放射線像変換パネル(実施例1〜8)の導
電性針状微粒子を含有する層はいずれも、従来の放射線
像変換パネルの導電性材料含有層と表面電気抵抗率を同
等とした場合に、輝尽発光のピーク波長における透過率
が極めて高かった。その結果、本発明の片面集光読取用
のパネル(実施例1、2)においては、パネル表面から
集光される輝尽発光量が従来のパネルに比べて顕著に増
加した。また、本発明の両面集光読取用のパネル(実施
例3〜8)においては、導電性針状微粒子含有層が保護
膜である場合には主として表面発光量が増加し、導電性
針状微粒子含有層が下塗層または裏面保護膜である場合
には裏面発光量が増加し、これにより表裏の加算発光量
が従来のパネルに比べて顕著に増加した。特に、下塗層
または裏面保護膜に導電性針状微粒子を含有させた場合
に、高い加算発光量が得られ好ましかった。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、導電性材料として短波
長から長波長領域に渡って光吸収性の低い導電性針状微
粒子を用いることにより、保護膜、下塗層、裏面保護膜
のいずれに含有させても高い透明性を維持することがで
き、従って十分な帯電防止性能とともに集光される発光
量を高めて高画質の画像を得ることができる。特に、画
質の向上が要求されている両面集光読取方法用の放射線
像変換パネルにおいて、優れた帯電防止性能と高画質と
を両立させることができる。また、導電性材料が針状微
粒子であるため、球状粒子よりも含有量を低減すること
ができ、層皮膜の劣化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の片面集光読取方法用の放射線像変換パ
ネルの構成の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の両面集光読取方法用の放射線像変換パ
ネルの構成の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 1’透明支持体 2 下塗層 3 輝尽性蛍光体層 4 保護膜 5 裏面保護膜

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輝尽性蛍光体からなる蛍光体層とその上
    に設けられた保護膜とを有する放射線像変換パネルにお
    いて、該保護膜が、導電性の針状微粒子を含有し、10
    14Ω以下の表面電気抵抗率、および該輝尽性蛍光体の輝
    尽発光のピーク波長において70%以上の透過率を示す
    ことを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 【請求項2】 導電性の針状微粒子の長軸の長さが0.
    1〜3μmの範囲にあり、短軸の長さが0.001〜
    0.1μmの範囲にある請求項1に記載の放射線像変換
    パネル。
  3. 【請求項3】 導電性の針状微粒子が酸化錫系化合物か
    らなる請求項1または2に記載の放射線像変換パネル。
  4. 【請求項4】 保護膜が導電性の針状微粒子を10〜8
    0重量%の範囲で含有している請求項1乃至3のうちの
    いずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  5. 【請求項5】 保護膜が二層以上からなり、少なくとも
    そのうちの一層が導電性の針状微粒子を含有している請
    求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の放射線像変
    換パネル。
  6. 【請求項6】 少なくとも支持体、下塗層、蛍光体層お
    よび保護膜がこの順に積層されてなる請求項1乃至5の
    うちのいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  7. 【請求項7】 下塗層が更に導電性の針状微粒子を含有
    している請求項6に記載の放射線像変換パネル。
  8. 【請求項8】 少なくとも裏面保護膜、透明支持体、下
    塗層、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層および保護膜がこ
    の順に積層されてなる、両面集光方式の放射線像読取方
    法に用いられる放射線像変換パネルにおいて、該裏面保
    護膜、下塗層および保護膜のうちの少なくともいずれか
    の層が導電性の針状微粒子を含有し、1014Ω以下の表
    面電気抵抗率、および該輝尽性蛍光体の輝尽発光のピー
    ク波長において70%以上の透過率を示すことを特徴と
    する放射線像変換パネル。
  9. 【請求項9】 導電性の針状微粒子の長軸の長さが0.
    1〜3μmの範囲であってかつ短軸の長さが0.001
    〜0.1μmの範囲である請求項8に記載の放射線像変
    換パネル。
  10. 【請求項10】 導電性の針状微粒子が酸化錫系化合物
    である請求項8または9に記載の放射線像変換パネル。
  11. 【請求項11】 裏面保護膜、下塗層および/または保
    護膜が導電性の針状微粒子を10〜80重量%の範囲で
    含有している請求項8乃至10のうちのいずれかの項に
    記載の放射線像変換パネル。
  12. 【請求項12】 下塗層が導電性の針状微粒子を含有し
    ている請求項8乃至11のうちのいずれかの項に記載の
    放射線像変換パネル。
  13. 【請求項13】 保護膜が二層以上からなり、少なくと
    もそのうちの一層が導電性の針状微粒子を含有している
    請求項8乃至12のうちのいずれかの項に記載の放射線
    像変換パネル。
  14. 【請求項14】 支持体に下塗層を形成したときの下塗
    層側の反射率が、輝尽性蛍光体の発光ピーク波長及び励
    起光の波長において30%以下である請求項12に記載
    の放射線像変換パネル。
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