JPH10123297A - 放射線像変換パネル - Google Patents

放射線像変換パネル

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JPH10123297A
JPH10123297A JP9113514A JP11351497A JPH10123297A JP H10123297 A JPH10123297 A JP H10123297A JP 9113514 A JP9113514 A JP 9113514A JP 11351497 A JP11351497 A JP 11351497A JP H10123297 A JPH10123297 A JP H10123297A
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radiation image
protective film
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conversion panel
phosphor layer
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JP9113514A
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Shinichiro Fukui
真一郎 福井
Hidemiki Suzuki
英幹 鈴木
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K4/00Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens
    • GPHYSICS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝尽性蛍光体の輝尽性を利用する両面集光方
式の放射線像読取方法に特に有利に利用できる防汚性と
耐傷性の高い放射線像変換パネルを提供する。 【解決手段】 透明支持体と、その上に設けられた輝尽
性蛍光体粒子を含む蛍光体層とを含む積層体の、蛍光体
層側の表面と透明支持体の裏面との両方に、該透明支持
体の表面よりも高い耐傷性と、大きな接触角とを示す表
面を持つ保護膜が設けられてなる放射線像変換パネル。
なお、支持体側の保護膜は、光散乱性粒子を含んでいて
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体の輝
尽特性を利用した両面集光方式の放射線像読取方法にお
いて特に有利に利用できる放射線像変換パネルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】放射線像を画像として得る方法として従
来より利用されてきた銀塩乳剤層を有する放射線写真フ
ィルムと増感紙との組合わせを用いる放射線写真法に代
る方法として、たとえば特開昭55−12145号公報
などに記載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射
線像記録再生方法が利用されている。放射線像記録再生
方法は、輝尽性蛍光体を有する放射線像変換パネル(蓄
積性蛍光体シートとも称する)を利用するもので、被写
体を透過した放射線、あるいは被検体から発せられた放
射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に輝
尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)
で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に
蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光)と
して放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号
を得たのち、この電気信号を画像化する放射線像変換方
法である。
【0003】上記の放射線像記録再生方法によれば、従
来の放射線写真法による場合に比較して、はるかに少な
い被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることがで
きるという利点がある。従って、この放射線像記録再生
方法は、特に医療診断を目的とするX線撮影等の直接医
療用放射線撮影において利用価値が非常に高い。
【0004】上記の放射線像記録再生方法に用いられる
放射線像変換パネルは、一般に支持体とその片面に設け
られた輝尽性蛍光体層とからなる基本構造を持ち、通常
長方形あるいは正方形のシート状の形状を有する。この
輝尽性蛍光体層側の表面(支持体に面していない側の表
面)には一般に、透明な保護膜が設けられていて、蛍光
体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護して
いる。
【0005】輝尽性蛍光体層は、一般に輝尽性蛍光体粒
子とこれを分散状態で含有支持するバインダ(結合剤あ
るいは結着材ともいう)とから構成される。この輝尽性
蛍光体は、X線などの放射線を吸収したのち可視光線、
あるいは赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受ける
と発光(輝尽発光)を示す性質を有するものである。従
って、被写体を透過した、あるいは被検体から発した放
射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネルの
輝尽性蛍光体層に吸収され、放射線像変換パネル上には
被写体あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの
蓄積像(潜像)として形成される。この蓄積像は、上記
電磁波でパネルを時系列的に励起することにより輝尽発
光として放射させることができ、この輝尽発光を光電的
に読み取って電気信号に変換し、放射線エネルギーの蓄
積像を画像化することが可能となる。なお、輝尽性蛍光
体層における蛍光体粒子は必ずしもバインダで結着され
ている必要はなく、輝尽性蛍光体の焼結層や蒸着層など
も放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体層として使用する
ことができる。
【0006】放射線像記録再生方法は、通常、放射線像
変換パネルに画像情報を有する放射線を照射して、パネ
ルに放射線像を記録する手段(記録手段)と、放射線像
が記録されたパネルに励起光を照射しパネルを輝尽発光
させて放射線像を光電的に読み取る手段(読取手段)
と、この読取り後のパネルに消去光を照射してパネルに
残存する放射線像を消去する手段(消去手段)と、これ
ら処理手段の間を連結して各処理手段に向けてパネルを
搬送する搬送系とが一つの装置に組込まれた一体型の放
射線像記録読取装置を用いて、あるいは記録手段と読取
手段および消去手段とが分離された装置、すなわち放射
線像記録装置(撮影装置)と消去機能を有する放射線像
読取装置を用いて実施される。いずれの場合も消去後の
パネルは放射線像記録に使用可能なものであるので、パ
ネルは繰り返し使用され、特に前者の放射線像記録読取
装置においてはパネルは装置内で搬送移動を繰り返しな
がら循環再使用される。
【0007】放射線像記録再生方法における読み取り工
程では一般に、放射線像変換パネルの一方の表面側から
励起光を照射し、蛍光体粒子から発せられる輝尽光(輝
尽発光光)を、その励起光照射側に備えた集光ガイドで
取り出し、光電変換して読み取る方法が利用されてい
る。しかし、輝尽性蛍光体粒子から発せられる輝尽光を
できるだけ多く取り出したい場合、あるい輝尽性蛍光体
層内に形成された放射線エネルギーの蓄積像が該層内で
その深さ方向でエネルギー強度分布が変化している時に
そのエネルギー強度分布の変化を放射線画像情報として
得たい場合などには、放射線像変換パネルの両側から輝
尽光を集光する方法(両面集光読取方法)を利用するこ
とがある。この両面集光読取方法については、たとえば
特開昭55−87970号公報に記載がある。
【0008】このような両面集光系を利用する放射線像
記録再生方法の読み取り装置の構成の例を図1に示す。
図1において、放射線像変換パネルは11で示されてお
り、放射線像変換パネル11を移動搬送させるための一
対のニップローラが12a、12bで示されている。レ
ーザビーム等の励起光13は一方の側より照射され、放
射線像変換パネル11内から発せられる輝尽光は、その
両表面側に進み、この内でパネル11の下方側に進んだ
輝尽光14aは、下方側に設けられている集光ガイド1
5aにより集光され、その集光ガイド15aの基部に備
えられた光電変換装置(フォトマルチプライヤ)16a
で電気信号に変換され、増幅器17aで増幅され信号処
理装置18に送られる。一方、放射線像変換パネル11
の上方側に進んだ輝尽光14bは、直接あるいはミラー
19で反射されて、上方に設けられた集光ガイド15b
により集光され、その集光ガイド15bの基部に備えら
れた光電変換装置(フォトマルチプライヤ)16bにて
電気信号に変換され、増幅器17bで増幅され信号処理
装置18に送られる。信号処理装置18では、増幅器1
7aと増幅機17bとから送られてきた電気信号につい
て、目的とする放射線画像の種類に基づいて予め決めら
れている加算あるいは減算などの演算処理を行ない、処
理後の信号を画像信号として送り出す。
【0009】放射線像変換パネル11は、ニップローラ
12a、12bにより矢印の方向に順次移動してゆき、
励起工程に供せられた領域は次いで、ナトリウムランプ
などの消去光源20を利用する消去工程に供せられる。
すなわち、励起工程の後でも放射線像変換パネルの蛍光
体層に残存している放射線エネルギーが、この消去工程
で放出除去され、次の放射線画像形成工程において、残
存放射線エネルギーによる潜像が悪影響を及ぼさないよ
うにされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の両面集光系を利
用する放射線像記録再生方法の実施において、放射線像
変換パネルは、放射線の照射(放射線像の記録)・励起
光の照射(記録された放射線像の読出し)・消去光の照
射(残存する放射線像の消去)というサイクルで繰り返
し使用される。そして放射線像変換パネルの各ステップ
への移行はベルトやローラーなどの搬送手段により行な
われ、一サイクル終了後パネルは通常積層して保存され
る。ところが、上記のような、輝尽性蛍光体層の両側に
透明支持体と透明保護膜とを有する放射線像変換パネル
を、このように繰返し使用していると、放射線像変換パ
ネルが形成する放射線画像に偽画像が重なって現われた
り、あるいはノイズが発生するなどの放射線画像の画質
の低下が発生する傾向があることが分った。
【0011】本発明の発明者は、上記の両面集光系を利
用する放射線像記録再生方法の繰返しの実施につれて発
生する放射線画像の画質の低下の原因を研究した。そし
て、その結果、放射線像変換パネルは、その繰返し使用
につれて、その保護膜表面と支持体裏面(支持体の蛍光
体層側の表面とは反対側の表面)との両方に汚れや擦り
傷が発生し、このために、当該放射線像変換パネルが形
成する放射線画像の画質の低下が発生することを見出し
た。なお、片面集光方式に従う放射線像記録再生方法の
繰返しの実施によって、放射線像変換パネルが与える放
射線像の画質の低下が現われやすいことは、既に知られ
ており、その対策として、蛍光体層の上に設けられる保
護膜として、有機溶媒可溶性のフッ素系樹脂を含む塗布
膜を用いること(特開平2−193100号公報)、あ
るいは膜形成性樹脂と、ポリシロキサン骨格含有オリゴ
マーもしくはパーフルオロアルキル基含有オリゴマーの
いずれか一方、あるいは両方を含む塗布膜を用いること
(特開平4−310900号公報)が知られており、更
に蛍光体層の上に設けられる保護膜として、プラスチッ
クフィルムとフッ素系樹脂組成物塗布層とからなる積層
体を用いることも知られている(特開平8−19000
0号公報)。しかしながら、両面集光方式の放射線像記
録再生方法の繰返し実施における、放射線像変換パネル
により与えられる放射線像の画質の劣化とその対策につ
いては、これまでには何ら知られるところはなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明支持体
と、その上に設けられた輝尽性蛍光体粒子を含む蛍光体
層とを含む積層体の、蛍光体層側の表面と透明支持体の
裏面との両方に、該透明支持体の表面よりも高い耐傷性
と、大きな接触角とを示す表面を持つ保護膜が設けられ
てなる放射線像変換パネルにある。本発明の放射線像変
換パネルの特性を規定する接触角と耐傷性とは、下記の
方法により測定される値である。 接触角:対象物の表面に沃化メチレンを滴下し、60秒
間経過した後、測定した接触角。 耐傷性:JISに規定されている鉛筆引っかき値(手か
き法による摺り傷の評価法)。 なお、本発明の放射線像変換パネルにおいては、蛍光体
層側の表面に設けられる保護膜の厚さが、透明支持体の
裏面に設けられる保護膜の厚さよりも小さいことが好ま
しい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の放射線像変換パネルの構
成の代表的な例を図面を参照しながら、次に説明する。
図2は、透明支持体21の上に輝尽性蛍光体粒子を含む
蛍光体層22が設けられ、かつ透明支持体21の裏面
と、蛍光体層22の表面とに、それぞれに、該支持体の
表面よりも高い耐傷性と、大きな接触角とを示す表面を
持つ保護膜23と24が設けられてなる本発明に従う放
射線像変換パネルを示す。図3は、透明支持体31の上
に輝尽性蛍光体粒子を含む蛍光体層32が設けられ、か
つ透明支持体31の裏面に、該支持体31の表面よりも
高い耐傷性と、大きな接触角とを示す表面を持つ保護膜
33が形成され、一方、蛍光体層32の表面には、透明
樹脂フィルム34aと、上記透明支持体31の表面より
も高い耐傷性と、大きな接触角とを示す表面を持つ保護
層34bとからなる保護膜34が設けられてなる本発明
に従う放射線像変換パネルを示す。
【0014】次に本発明の放射線像変換パネルの製造法
について記載する。本発明の放射線像変換パネルは、そ
の基本構成を、透明支持体と、その上に設けられる輝尽
性蛍光体を含む蛍光体層からなる積層体とし、更にその
積層体の両面に特定の物性を有する保護層が設けられて
なるものである。
【0015】透明支持体は、通常は透明なプラスチック
フィルム(あるいはシート)から形成されている。その
プラスチック材料としては、公知のポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リイミド、アラミド樹脂などプラスチック材料から任意
に選んで用いることができる。勿論、これらの材料に限
定されるものではないが、充分な強度を持ち、透明性の
高いプラスチックフィルムを用いることが望ましい。こ
のプラスチックフィルムの厚さは、通常10〜1000
μmの範囲にある。
【0016】輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線
を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光
体であるが、実用的な面からは波長が400〜900n
mの範囲にある励起光によって300〜500nmの波
長範囲の輝尽発光を示す蛍光体であることが望ましい。
本発明の放射線像変換パネルに用いられる輝尽性蛍光体
には特に限定はなく、公知のものを用いることができ
る。なかでも特に二価ユーロピウム賦活またはセリウム
賦活のアルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、および
セリウム賦活希土類オキシハロゲン化物蛍光体等の希土
類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体は高輝度
の輝尽発光を示すので特に好ましい。ただし、本発明に
用いられる輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるもの
ではなく、放射線を照射したのちに励起光を照射した場
合に、輝尽発光を示す蛍光体であればいかなるものであ
ってもよい。通常の輝尽性蛍光体層は、輝尽性蛍光体粒
子を樹脂バインダで結着して層状としたものであり、そ
のバインダには公知のバインダから適宜選択して使用す
ることができる。
【0017】輝尽性蛍光体層は、次のような公知の方法
により支持体上に形成することができる。まず、輝尽性
蛍光体と結合剤とを溶剤に加え、これを充分に混合し
て、結合剤溶液中に輝尽性蛍光体が均一に分散した塗布
液を調製する。塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体と
の混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍
光体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍
光体との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の
範囲から選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量
比)の範囲から選ぶのが好ましい。このようにして調製
された蛍光体と結合剤とを含有する塗布液を、次に、支
持体の表面に均一に塗布することにより塗膜を形成す
る。この塗布操作は、通常の塗布手段、たとえば、ドク
ターブレード、ロールコータ、ナイフコータなどを用い
ることにより行なうことができる。
【0018】上記のようにして支持体上に塗膜を形成し
たのち塗膜を乾燥して、支持体上への輝尽性蛍光体層の
形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線
像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体と
の混合比などによって異なるが、通常は20μm乃至1
mmとする。ただし、この層厚は50乃至500μmと
するのが好ましい。なお、輝尽性蛍光体層は、必ずしも
上記のように支持体上に塗布液を直接塗布して形成する
必要はなく、たとえば、別に、ガラス板、金属板、プラ
スチックシートなどのシート上に塗布液を塗布し乾燥す
ることにより蛍光体層を形成したのち、これを、支持体
上に押圧するか、あるいは接着剤を用いるなどして支持
体と蛍光体層とを下塗層により接合してもよい。
【0019】本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光
体層は、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する
結合剤とからなるのものばかりでなく、結合剤を含まな
いで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、あ
るいは輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸
されている蛍光体層などでもよい。
【0020】本発明の放射線像変換パネルにおいては、
上記のようにして製造される透明支持体と輝尽性蛍光体
層との積層体の両面に、その透明支持体の表面よりも高
い耐傷性と、大きな接触角とを示す表面を持つ保護膜が
設けられる。すなわち、放射線像変換パネルの両面を、
そのような高い耐傷性と高い防汚性(汚れが付着しにく
い性質、および/または一旦付着した汚れが有機溶媒な
どの洗浄により容易に除去できる性質)を有する材料を
用いて被覆保護することを特徴としている。本発明で用
いる保護膜は、フッ素樹脂単独もしくはフッ素樹脂を主
成分とする樹脂組成物から形成することが好ましい。ま
た、保護膜は、透明な樹脂フィルムと、その上に設けら
れるフッ素樹脂単独もしくはフッ素樹脂を主成分とする
樹脂組成物から形成される保護層とからなっていてもよ
い。
【0021】本発明の放射線像変換パネルのフッ素系樹
脂を含む保護膜は、フッ素系樹脂単独、あるいはフッ素
系樹脂と他の膜形成性樹脂、もしくはフッ素系樹脂とポ
リシロキサン骨格含有オリゴマーもしくはパーフルオロ
アルキル基含有オリゴマーなどを、溶媒に溶解もしくは
分散して塗布液を調製し、この塗布液を、ドクターブレ
ードなどの塗布手段を用いて、透明支持体の裏面および
蛍光体層の表面に均一に塗布し、これを乾燥することに
より形成する。なお、保護膜の形成は、透明支持体と輝
尽性蛍光体層との積層体の形成後に行なう必要はなく、
たとえば、予め一方の表面に保護膜を塗布形成した透明
支持体と、一方の表面に保護膜を塗布形成した輝尽性蛍
光体膜とを接合させる方法によって、本発明の放射線像
変換パネルを製造することもできる。
【0022】フッ素系樹脂を含む樹脂組成物層の形成に
際してフッ素系樹脂と併用してもよい膜形成性樹脂の例
としては、公知の保護膜形成用樹脂である、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアクリル樹脂、セルロース誘導体、ポリメ
チルメタクリレート、ポリエステル樹脂、およびエポキ
シ樹脂を挙げることができる。フッ素系樹脂は、フッ素
を含むオレフィン(フルオロオレフィン)の重合体もし
くはフッ素を含むオレフィンを共重合体成分として含む
共重合体で、たとえばポリテトラフルオロエチレン、ポ
リクロルトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポ
リフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体およびフルオロオレフィン
−ビニルエーテル共重合体などを例として挙げることが
できる。
【0023】フッ素系樹脂は、一般に有機溶媒に不溶で
あるが、フルオロオレフィンを共重合体成分として含む
共重合体は、共重合する他の(フルオロオレフィン以外
の)構成単位によっては有機溶媒可溶性となるため、該
樹脂を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を透明支持体
あるいは蛍光体層上に塗布し、乾燥することで容易にフ
ッ素系樹脂を含む樹脂組成物層を成膜することができ
る。このような共重合体の例としてはフルオロオレフィ
ン−ビニルエーテル共重合体を挙げることができる。ま
た、ポリテトラフルオロエチレンおよびその変性体も、
パーフルオロ溶媒のような適当なフッ素系有機溶媒に対
して可溶性であるので、上記フルオロオレフィンを共重
合体成分として含む共重合体と同様に、塗布によってフ
ッ素系樹脂を含む樹脂組成物層を成膜することができ
る。
【0024】本発明の放射線像変換パネルのフッ素系樹
脂を含む樹脂組成物層の形成に際しては、架橋剤、硬膜
剤、黄変防止剤などを用いてもよい。また、樹脂の強度
が増し、フッ素系樹脂を含む樹脂組成物層としての耐久
性が増大するので、本発明にてフッ素系樹脂を用いる場
合には架橋されていることが好ましい。架橋剤として
は、ポリイソシアナートのようなイソシアナート基を複
数個有する化合物、そしてメラミンの誘導体が好まし
い。
【0025】本発明においてフッ素系樹脂を含む樹脂組
成物層に含有させてもよいポリシロキサン骨格含有オリ
ゴマーは、たとえばジメチルポリシロキサン骨格を有す
るものであり、少なくとも一つの官能基(例、水酸基)
を有するものであることが望ましく、また分子量(重量
平均)500〜100000の範囲にあることが好まし
い。特に、分子量は1000〜100000の範囲にあ
ることが好ましく、さらに3000〜10000の範囲
にあることが好ましい。また、パーフロロアルキル基
(例、テトラフロオロエチレン基)含有オリゴマーは、
分子中に少なくとも一つの官能基(例えば、水酸基:−
OH)を含むものであることが望ましく、分子量(重量
平均)500〜100000の範囲にあることが好まし
い。特に、分子量は1000〜100000の範囲にあ
ることが好ましく、さらに10000〜100000の
範囲にあることが好ましい。
【0026】オリゴマーに官能基が含まれているものを
用いれば、フッ素系樹脂を含む樹脂組成物層形成時にオ
リゴマーとフッ素系樹脂を含む樹脂組成物層形成樹脂と
の間で架橋反応が発生し、オリゴマーが膜形成性樹脂の
分子構造に取り入れられるため、放射線像変換パネルの
長期の繰り返し使用、あるいはフッ素系樹脂を含む樹脂
組成物層表面のクリーニングなどの操作によっても、オ
リゴマーがフッ素系樹脂を含む樹脂組成物層から取り去
られることがなく、オリゴマーの添加効果が長期間にわ
たり有効となるため、官能基を有するオリゴマーの使用
が好ましい。なお、上記のオリゴマーは、フッ素系樹脂
を含む樹脂組成物層中に0.01〜10重量%の範囲内
の量で含まれていることが好ましく、特に0.1〜2重
量%の範囲内の量で含まれていることが好ましい。
【0027】また、フッ素系樹脂を含む樹脂組成物層中
には、パーフルオロオレフィン樹脂粉末もしくはシリコ
ーン樹脂粉末が含まれていてもよい。パーフルオロオレ
フィン樹脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉末としては、
平均粒径が0.1〜10μmの範囲にあるものが好まし
く、特に、平均粒径が0.3〜5μmの範囲にあるもの
が好ましい。そして、これらのパーフルオロオレフィン
樹脂粉末もしくはシリコーン樹脂粉末は、フッ素系樹脂
を含む樹脂組成物層中にその樹脂組成物層重量当り0.
5〜30重量%の量で含まれていることが好ましく、特
に2〜20重量%の量で、さらに5〜15重量%の量で
含まれているのが好ましい。
【0028】本発明の放射線像変換パネルに設けられる
保護膜、特に透明支持体の裏面に設けられる保護膜は、
該支持体上に塗布形成された光散乱性微粒子を含むフッ
素系樹脂含有樹脂組成物層であることが好ましく、ま
た、保護膜は更にチタネート系もしくはアルミニウム系
カップリング剤などの分散剤を含むことが望ましい。上
記の光散乱性微粒子は、フッ素系樹脂含有樹脂組成物塗
布層に1〜30重量%含まれていることが好ましく、特
に5〜20重量%、更に10〜20重量%含まれている
ことが好ましい。
【0029】上記の光散乱性微粒子は、フッ素系樹脂含
有樹脂組成物層の厚さよりも小さい粒径を持つべきであ
り、具体的には粒径が0.05〜5μmの範囲、特に
0.1〜1.0μmの範囲にあるものが好ましい。そし
て、フッ素系樹脂含有樹脂組成物層に有効な光散乱作用
をもたらすためには、光散乱性微粒子は、そのフッ素系
樹脂含有樹脂組成物よりも高い屈折率を持つことが好ま
しい。また、光散乱性微粒子の導入によって達成される
光散乱作用と、その光散乱性微粒子の導入によって発生
しやすい、塗布膜の強度の低下、塗布膜の均質性の低下
などの好ましくない塗布層特性の低下とのバランスを考
慮すると、フッ素系樹脂含有樹脂組成物層における光散
乱性微粒子の含有量は、1〜30重量%の範囲にあるこ
とが好ましく、更に5〜20重量%、特に10〜20重
量%含まれていることが特に好ましい。
【0030】上記のフッ素系樹脂含有樹脂組成物層に導
入して用いる光散乱性微粒子は、その屈折率がフッ素系
樹脂含有樹脂組成物層の該樹脂組成物の屈折率よりも高
いものである限り、有機物微粒子であっても、無機物微
粒子であってもよい。そのような光散乱性微粒子の好ま
しい例としては、粒径が0.1〜0.5μm程度のベン
ゾグアナミン樹脂粒子、粒径が0.1〜0.5μm程度
のメラミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂粒子、そして粒
径が0.1〜0.5μm程度の二酸化チタン粒子を挙げ
ることができる。
【0031】なお、前述のように、この光散乱性微粒子
は、フッ素系樹脂含有樹脂組成物層に均一に分散されて
いることが好ましいため、必要に応じて、光散乱性微粒
子に分散性を高めるための表面処理を施したり、あるい
は光散乱性微粒子を含むフッ素系樹脂含有樹脂組成物溶
液に分散剤を共存させてもよい。用いられる分散剤の例
としては、カチオン系分散剤、アニオン系分散剤、ノニ
オン系分散剤、及びベタイン系分散剤のような界面活性
剤系分散剤、そしてシラン系カップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、及びアルミニウム系カップリング
剤のようなカップリング剤系分散剤を挙げることができ
る。これらの分散剤のなかでも、チタネート系カップリ
ング剤及びアルミニウム系カップリング剤のようなカッ
プリング剤が好ましい。カップリング剤の添加量は、光
散乱性微粒子の0.2〜10重量%の範囲にあることが
好ましく、また0.5〜5.0重量%の範囲にあること
が特に好ましい。
【0032】前述のように、保護膜は、透明な樹脂フィ
ルムを含んでいてもよく、その樹脂フィルムとしては、
従来より放射線像変換パネルの保護膜材料として知られ
ているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレ
ン、塩化ビニリデン、ポリアミド、アラミド樹脂などか
ら別途形成した透明な薄膜から任意に選んで用いること
ができる。勿論、これらの材料に限定されるものではな
いが、充分な強度を持ち、透明性の高いプラスチックフ
ィルムを用いることが望ましい。この樹脂フィルムの厚
さは、通常1〜10μmの範囲にある。
【0033】
【実施例】
[実施例1]下記の方法により、本発明の放射線像変換
パネルを製造した。 (1)輝尽性蛍光体(BaFBr0.90.1:0.001
Eu2+)200g、ポリウレタン樹脂(大日本インキ化
学工業(株)製、パンデックスT−5265H)8gそ
してエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、エピ
コート1001)2gをメチルエチルケトンに添加し、
プロペラミキサーによって分散し、粘度が25〜30P
S(25℃)の蛍光体層形成用塗布液を調製した。この
塗布液をシリコーン系離型剤が塗布されているポリエチ
レンテレフタレート製仮支持体の上に塗布し、100℃
で15分間乾燥した。次いで、この乾燥塗布液を仮支持
体からはがし取り、厚みが300μmの蛍光体シートを
得た。
【0034】(2)別に用意したポリエチレンテレフタ
レートフィルム(厚み:300μm)の一方の表面に、
フッ素樹脂(フルオロオレフィン−モノビニルエーテル
共重合体:旭硝子(株)製、ルミフロンLF504X)
70g、イソシアナート架橋剤(三井東圧化学(株)
製、オレスターNP38−70S)12g、滑り剤(シ
リコーン樹脂、信越化学工業(株)製、X−22−28
09)0.55g、そして触媒(ジブチル錫ラウレー
ト、共同薬品(株)製、KS−1260)0.0004
gをメチルエチルケトンとシクロヘキサン混合溶媒中に
樹脂濃度14重量%となるように溶解させ、次いで粘度
を2〜3PSとなるように調整して得たフッ素樹脂含有
塗布液を、乾燥後の厚さが7μmの厚さとなるように塗
布乾燥し、一方の側の表面に保護膜が設けられた透明支
持体を得た。上記の保護膜が設けられる以前の透明支持
体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の表面と、
保護膜形成後の保護膜側表面の接触角と耐傷性とを下記
の方法により調べた。 接触角:対象物の表面に沃化メチレンを滴下し、60秒
間経過した後、測定した接触角。 耐傷性:JISに規定されている鉛筆引っかき値(手か
き法による摺り傷の評価法)。 測定された接触角と耐傷性を下記に示す。 保護膜なしの透明支持体の表面:接触角32度、耐傷性
4B 透明支持体の上の保護膜の表面:接触角75度、耐傷性
3B
【0035】(3)上記の保護膜付きの透明支持体の保
護膜とは反対側の表面上に、前記の蛍光体シートを接着
剤を介して重ね合せ、60〜70℃の加熱ロールを用い
て加熱圧着し、保護膜を有する透明支持体上に下塗り層
を介して接合している蛍光体層(厚み:200μm)を
得た。
【0036】(4)上記の蛍光体層の上に、透明なポリ
エチレンテレフタレートフィルム(厚み:6μm、ポリ
エステル系接着剤層が片面に備えられているもの)を接
着剤層を下側にして重ね合せ、90〜100℃の加熱ロ
ールを用いて加熱圧着した。別に、フッ素系樹脂を含む
層形成材料として、フッ素系樹脂:フルオロオレフィン
−ビニルエーテル共重合体(旭硝子(株)製ルミフロン
LF100、50重量%キシレン溶液)50g、架橋
剤:イソシアネート(日本ポリウレタン(株)製コロネ
ートHX、固形分:100重量%) 5g、及びアルコー
ル変性シリコーンオリゴマー(ジメチルポリシロキサン
骨格を有し、両末端に水酸基(カルビノール基)を有す
るもの、信越化学工業(株)製、X−22−2809、
固形分:66重量%)0.5gをメチルエチルケトン溶
媒に添加し、粘度0.1〜0.3psの塗布液を作っ
た。最後に、上記の塗布液を、前記の蛍光体層上のポリ
エチレンテレフタレートフィルムの表面上にドクターブ
レードを用いて塗布し、次に120℃で20分間熱処理
して熱硬化させるとともに乾燥し、厚さ約2μmのフッ
素系樹脂を含む樹脂組成物層を設けて、本発明に従う放
射線像変換パネルを得た。
【0037】[実施例2]実施例1における透明支持体
の表面への保護層の形成を下記の方法により行なった以
外は、実施例1と同様にして、本発明に従う放射線像変
換パネルを製造した。別に用意したポリエチレンテレフ
タレートフィルム(厚み:300μm)の一方の表面
に、フッ素樹脂(フルオロオレフィン−モノビニルエー
テル共重合体:旭硝子(株)製、ルミフロンLF504
X)70g、メラミン架橋剤(三井サイテック(株)
製、サイメル303)7g、滑り剤(シリコーン樹脂、
信越化学工業(株)製、X−22−2809)0.55
g、そして触媒(三井サイテック(株)製、キャタリス
ト4040)0.5gをメチルエチルケトンとシクロヘ
キサン混合溶媒中に樹脂濃度18重量%となるように溶
解させ、次いで粘度を2〜3PSとなるように調整して
得たフッ素樹脂含有塗布液を、乾燥後の厚さが10μm
の厚さとなるように塗布乾燥し、一方の側の表面に保護
膜が設けられた透明支持体を得た。
【0038】上記の保護膜が設けられる以前の透明支持
体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の表面と、
保護膜形成後の保護膜側表面の接触角と耐傷性とを実施
例1に記載の方法により調べた。測定された接触角と耐
傷性を下記に示す。 保護膜なしの透明支持体の表面:接触角32度、耐傷性
4B 透明支持体の上の保護膜の表面:接触角78度、耐傷性
3B
【0039】[実施例3]実施例1における透明支持体
の表面への保護層の形成を下記の方法により行なった以
外は、実施例1と同様にして、本発明に従う放射線像変
換パネルを製造した。別に用意したポリエチレンテレフ
タレートフィルム(厚み:300μm)の一方の表面
に、フッ素樹脂(フルオロオレフィン−モノビニルエー
テル共重合体:旭硝子(株)製、ルミフロンLF504
X)70g、イソシアナート架橋剤(住友バイエルウレ
タン(株)製、スミジュールN3500)5.2g、滑
り剤(シリコーン樹脂、信越化学工業(株)製、X−2
2−2809)6.7g、触媒(ジブチル錫ラウレー
ト、共同薬品(株)製、KS−1260)0.3g、メ
ラミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂微粒子(直径0.6
μm、屈折率1.57、日本触媒(株)製、エポスター
S6)6.62g、そしてチタネート系カップリング剤
(味の素(株)製、プレンアクトAL−M)0.12g
を溶媒(メチルエチルケトン)中に固形分濃度12重量
%となるように均一に分散溶解させて得たフッ素樹脂含
有塗布液を、乾燥後の厚さが7μmの厚さとなるように
塗布乾燥し、一方の側の表面に保護膜が設けられた透明
支持体を得た。このフッ素樹脂を主成分とする樹脂組成
物層の屈折率は1.45であった。
【0040】上記の保護膜が設けられる以前の透明支持
体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の表面と、
保護膜形成後の保護膜側表面の接触角と耐傷性とを実施
例1に記載の方法により調べた。測定された接触角と耐
傷性を下記に示す。 保護膜なしの透明支持体の表面:接触角32度、耐傷性
4B 透明支持体の上の保護膜の表面:接触角67度、耐傷性
3B
【0041】[実施例4]実施例1における透明支持体
の表面への保護層の形成を下記の方法により行なった以
外は、実施例1と同様にして、本発明に従う放射線像変
換パネルを製造した。別に用意したポリエチレンテレフ
タレートフィルム(厚み:300μm)の一方の表面
に、フッ素樹脂(フルオロオレフィン−モノビニルエー
テル共重合体:旭硝子(株)製、ルミフロンLF504
X)70g、メラミン架橋剤(三井サイテック(株)
製、サイメル303)7g、滑り剤(シリコーン樹脂、
信越化学工業(株)製、X−22−2809)6.7
g、メラミン・ホルムアルデヒド縮合樹脂微粒子(直
径:0.6μm、日本触媒(株)製、エポスターS6)
6.62g、チタネート系カップリング剤(味の素
(株)製、プレンアクトAL−M)0.12g、そして
触媒(三井サイテック(株)製、キャタリスト404
0)0.5gを、溶媒(メチルエチルケトン)中に固形
分濃度12重量%となるように均一に分散溶解させて得
たフッ素樹脂含有塗布液を、乾燥後の厚さが7μmの厚
さとなるように塗布乾燥し、一方の側の表面に保護膜が
設けられた透明支持体を得た。
【0042】上記の保護膜が設けられる以前の透明支持
体(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の表面と、
保護膜形成後の保護膜側表面の接触角と耐傷性とを実施
例1に記載の方法により調べた。測定された接触角と耐
傷性を下記に示す。 保護膜なしの透明支持体の表面:接触角32度、耐傷性
4B 透明支持体の上の保護膜の表面:接触角70度、耐傷性
3B
【0043】[比較例1]透明支持体の表面に保護層の
形成を行なわなかった以外は、実施例1と同様にして、
比較用の放射線像変換パネルを製造した。
【0044】[評 価 試 験]実施例1〜4と比較例
1において得られた放射線像変換パネルの耐傷性と防汚
性とを、下記の搬送耐久試験と感度変化試験とにより評
価した。 (1)搬送耐久試験 放射線像変換パネルを100mmx250mmの長方形
に切断し、試験片を作成した。次に、この試験片を市販
の放射線像変換装置の搬送系を小型化した搬送系モデル
に投入し、ガイド板とニップロール間を移動させ、次い
で搬送用ベルトによりゴムロール(直径:40mm)に
沿って内側と外側とに一度づつ強制的に曲げる操作を行
ない、最後に再びガイド板とニップロール間を通して元
の位置に戻す搬送操作(これを一回の搬送とする)を3
000回繰返し行なった。この繰返し搬送操作の終了後
に試験片の保護膜の損傷(亀裂)の有無を観察した。そ
して、この3000回の繰返し搬送後において亀裂が発
生していないものについては、更に7000回(合計1
0000回)の搬送を行ない同様にして観察した。得ら
れた結果を第1表に示す。
【0045】(2)感度変化試験 上記の3000回搬送耐久試験を行なった放射線像変換
パネルに画像様のX線照射を行ない、続いてHe−Ne
レーザにより放射線像変換パネルに照射して蛍光体を励
起し、そのパネルの両側から読み取った画像データよ
り、搬送部材に接触していた部分の感度(輝尽発光量)
を計算し、搬送操作前後での感度の変化を調べた。得ら
れた結果を第1表に示す。
【0046】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 搬送耐久性(保護膜の傷) 搬送試験後感度変化 ──────────────────────────────────── 実施例1 4000回搬送で発生せず 感度低下0% 実施例2 4000回搬送で発生せず 感度低下0% 実施例3 4000回搬送で発生せず 感度低下0% 実施例4 4000回搬送で発生せず 感度低下0% ──────────────────────────────────── 比較例1 2000回搬送で発生 感度低下3% ────────────────────────────────────
【0047】
【発明の効果】本発明の放射線像変換パネルは両面集光
方式を利用する放射線像変換装置における繰返し搬送操
作後においても亀裂が入りにくく、また蛍光体層側と支
持体側の表面とが共に耐傷性と防汚性の高い保護膜で被
覆されているため、繰返し搬送後においても感度の低下
が少ないという利点を持っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体の輝尽性を
利用する放射線像読取方法に用いられる両面集光型読取
装置の一例を示す概念図である。
【図2】本発明に従う放射線像変換パネルの構成の一例
を示す模式図である。
【図3】本発明に従う放射線像変換パネルの構成の別の
例を示す模式図である。
【符号の説明】
11 放射線像変換パネル 12a、12b ニップローラ 13 励起光 14a、14b 輝尽光 15a、15b 集光ガイド 16a、16b 光電変換装置 17a、17b 増幅器 18 信号処理装置 19 ミラー 21、31 透明支持体 22、32 輝尽性蛍光体層 23、24、33、34 保護膜 34a 透明樹脂フィルム 34b 保護層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体と、その上に設けられた輝尽
    性蛍光体粒子を含む蛍光体層とを含む積層体の、蛍光体
    層側の表面と透明支持体の裏面との両方に、該透明支持
    体の表面よりも高い耐傷性と、大きな接触角とを示す表
    面を持つ保護膜が設けられてなる放射線像変換パネル。
  2. 【請求項2】 蛍光体層側の表面に設けられた保護膜の
    厚さが、透明支持体の裏面に設けられた保護膜の厚さよ
    りも小さい請求項1に記載の放射線像変換パネル。
  3. 【請求項3】 蛍光体層側の表面に設けられた保護膜
    と、透明支持体の裏面に設けられた保護膜が、いずれも
    フッ素樹脂から形成されている請求項1もしくは2に記
    載の放射線像変換パネル。
  4. 【請求項4】 透明支持体の裏面に設けられた保護膜
    が、該支持体の裏面上にフッ素樹脂有機溶媒溶液から直
    接形成されたフッ素樹脂塗布層である請求項1乃至3の
    いずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  5. 【請求項5】 透明支持体の裏面に設けられた保護膜
    が、該支持体上に塗布形成された光散乱性微粒子を含む
    フッ素系樹脂含有樹脂組成物層である請求項1乃至3の
    いずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  6. 【請求項6】 透明支持体の裏面に設けられた保護膜
    が、該支持体上に塗布形成された光散乱性微粒子とチタ
    ネート系もしくはアルミニウム系カップリング剤とを含
    むフッ素系樹脂含有樹脂組成物層である請求項1乃至3
    のいずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  7. 【請求項7】 蛍光体層側の表面に設けられた保護膜
    が、蛍光体層の表面上にフッ素樹脂有機溶媒溶液から直
    接形成されたフッ素樹脂塗布層である請求項1乃至6の
    いずれかの項に記載の放射線像変換パネル。
  8. 【請求項8】 蛍光体層側の表面に設けられた保護膜
    が、透明樹脂フィルムとその上にフッ素樹脂有機溶媒溶
    液から直接形成されたフッ素樹脂塗布層とから構成され
    ている請求項1乃至6のいずれかの項に記載の放射線像
    変換パネル。
  9. 【請求項9】 両面集光方式の放射線像記録再生方法用
    である請求項1乃至8のいずれかの項に記載の放射線像
    変換パネル。
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