JP2001074896A - 放射線像変換パネル - Google Patents

放射線像変換パネル

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JP2001074896A
JP2001074896A JP24846099A JP24846099A JP2001074896A JP 2001074896 A JP2001074896 A JP 2001074896A JP 24846099 A JP24846099 A JP 24846099A JP 24846099 A JP24846099 A JP 24846099A JP 2001074896 A JP2001074896 A JP 2001074896A
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Atsunori Takasu
厚徳 高須
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性能に優れかつ高画質であって、耐
久性に優れた放射線像変換パネルとする。 【解決手段】 支持体11上に、少なくとも導電性微粒
子を含有する導電層12と、輝尽性蛍光体からなる蛍光
体層14とを順に積層してなる放射線像変換パネル10
において、導電層12と蛍光体層14との間に接着層1
3を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を利
用する放射線像読取方法に用いられる放射線像変換パネ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が知ら
れている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線
像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもの
で、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた
放射線をパネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に輝
尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)
で時系列的に励起することにより、輝尽性蛍光体中に蓄
積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)と
して放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号
を得て、得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被
検体の放射線画像を可視像として再生するものである。
読み取りを終えたパネルは、残存する画像の消去が行わ
れた後、次の撮影のために備えられ、繰り返し使用され
る。
【0003】この放射線像記録再生方法では、放射線写
真フィルムと増感紙との組合せを用いる従来の放射線写
真法の場合に比べて、はるかに少ない被曝線量で情報量
の豊富な放射線画像を得ることができるという利点があ
る。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮影ごとに
放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線
像記録再生方法では放射線像変換パネルを繰り返し使用
するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0004】放射線像記録再生方法に用いられる放射線
像変換パネルは、基本構造として、支持体とその上に設
けられた輝尽性蛍光体層とからなるものである(ただ
し、輝尽性蛍光体層が自己支持性である場合には必ずし
も支持体を必要としない)。また、輝尽性蛍光体層の上
面(支持体に面していない側の面)には通常、保護膜が
設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理
的な衝撃から保護している。
【0005】輝尽性蛍光体層は、通常は輝尽性蛍光体と
これを分散状態で含有支持する結合剤とからなる。ただ
し、輝尽性蛍光体層としては、蒸着法や焼結法によって
形成される結合剤を含まないで輝尽性蛍光体の凝集体の
みから構成されるものも知られている。また、輝尽性蛍
光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されている輝尽
性蛍光体層を有する放射線像変換パネルも知られてい
る。これらのいずれの蛍光体層でも、輝尽性蛍光体はX
線などの放射線を吸収したのち励起光の照射を受けると
輝尽発光を示す性質を有するものであるから、被写体を
透過したあるいは被検体から発せられた放射線は、その
放射線量に比例して放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体
層に吸収され、パネルには被写体あるいは被検体の放射
線像が放射線エネルギーの蓄積像として形成される。こ
の蓄積像は、上記励起光を照射することにより輝尽発光
光として放出させることができ、この輝尽発光光を光電
的に読み取って電気信号に変換することにより、放射線
エネルギーの蓄積像を画像化することが可能となる。
【0006】放射線像記録再生方法において放射線画像
情報の読み取りは一般に、放射線像変換パネルの表(お
もて)面側から励起光を照射し、蛍光体粒子から発せら
れる輝尽発光光をその励起光照射側に備えられた集光ガ
イドで集光し、光電変換して読み取ることにより行われ
ている(片面集光方式)。しかしながら、輝尽発光光を
できるだけ多く読み出したい場合、あるいは輝尽性蛍光
体層内に形成された放射線エネルギー蓄積像のエネルギ
ー強度が蛍光体層の深さ方向に変化していてそのエネル
ギー強度の変化(強度分布)を画像情報として得たい場
合などには、パネルの表裏両側から輝尽発光光を集光し
て読み取る方式(両面集光方式)も利用されている。こ
の両面集光方式については、例えぱ特開昭55−879
70号に記載されている。
【0007】片面集光方式および両面集光方式のいずれ
の放射線像読取方法にあっても、この方法に用いられる
放射線像変換パネルはできる限り高感度であって、かつ
画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるもの
であることが望まれている。放射線像変換パネルを繰り
返し使用していると、特に読み取りや消去を行うために
読取装置内におけるパネルの搬送回数が増加するにつれ
て、パネル表面が帯電する傾向にあり、その結果得られ
た画像には帯電による画像アーチファクトが発生して画
質を低下させることが問題となっている。この帯電によ
る画質の低下を防ぐために、片面集光読取用の放射線像
変換パネルに関してはこれまでに各種の帯電防止剤を添
加することが提案されている。たとえば特公平6−31
911号には、放射線像変換パネルの少なくとも一部に
繊維状の導電性材料(平均長さ5〜50μm、平均直径
0.1〜1.0μm)を含有させることが記載されまた
特開平4−2999号には、導電性酸化亜鉛ウィスカ
(繊維長3〜150μm、繊維の太さ0.3〜3μm)
を含有させることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】酸化亜鉛ウィスカなど
の従来の導電性材料を片面集光読取用の放射線像変換パ
ネルの保護膜に含有させた場合、帯電防止性能の点では
優れているものの、たとえば輝尽性蛍光体としてよく用
いられているユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物系蛍光体はその輝尽発光のピークが400n
m付近にあるが、導電性材料がその短波長領域に吸収が
あるために集光される発光量の低下を引き起こし、結果
として画質の大幅に低下した画像を与えがちである。
【0009】特に両面集光読取用の放射線像変換パネル
では、いずれの層に導電性材料を含有させても集光され
る発光量の低下を伴い、画質の低下につながることにな
る。たとえば、下塗層に導電性微粒子を含有させた場合
には、有効な導電性を付与しつつ発光量の低下に伴う画
質低下を防ぐには、下塗層の膜厚を薄くする必要が生じ
る。しかし、下塗層は支持体と蛍光体層を密着させ、繰
り返し使用するパネルの耐久性を確保する機能を有して
いるため、これを薄膜とした場合にはこの密着力が低下
し、パネルの耐久性の低下を招いてしまう。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、帯電防止性能に優れかつ高画質の放射線画像であ
って、耐久性にも優れた放射線像変換パネルを提供する
ことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線像変換パ
ネルは、支持体上に、少なくとも導電性微粒子を含有す
る導電層と、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層とを順に積
層してなる放射線像変換パネルにおいて、前記導電層と
前記蛍光体層の間に接着層を設けたことを特徴とするも
のである。
【0012】前記導電層は、1014Ω以下、好ましくは
1012Ω以下の表面電気抵抗率を有することが好まし
く、かつ輝尽性蛍光体の輝尽発光のピーク波長において
70%以上、好ましくは80%以上の透過率を示すこと
が好ましい。
【0013】前記導電性微粒子の長軸の長さ(繊維長)
は0.1〜3μm、好ましくは0.2〜2μmの範囲が
好ましく、かつ短軸の長さ(繊維径)は0.001〜
0.1μm、好ましくは0.005〜0.03μmの範
囲にあることが好ましい。
【0014】前記導電性微粒子としては、酸化錫系化含
物、酸化亜鉛系化合物もしくは酸化インジウム系化合物
が好ましく、特に酸化錫系化合物が好ましい。
【0015】前記導電層は、前記導電性微粒子を10〜
80重量%、好ましくは40〜80重量%の範囲で含有
することが好ましい。
【0016】本発明の放射線像変換パネルは、支持体上
に、導電層と、蛍光体層とをこの順に積層してなり、導
電層と蛍光体層の間に接着層を設けたものであるが、支
持体と導電層の間にも接着層を設けることがより好まし
い。
【0017】
【発明の効果】放射線像変換パネルの下塗層に導電性微
粒子を含有した場合、特に両面集光方式のパネルにおい
ては、帯電防止性能を付加しながら同時に発光量の低下
に伴う画質低下を防ぐために、導電性微粒子を含有した
下塗層(導電層)の膜厚を薄くする必要が生じ、このた
め、帯電防止機能を有し高画質の放射線像変換パネルは
できても、導電層の膜厚が薄いために支持体と蛍光体層
との間の密着力が低下して、繰り返し使用されるパネル
の耐久性が低下していた。また、両面集光読取用のパネ
ルでない場合であっても、表面と裏面からモニターを行
いたいような場合には、両面集光読取用パネルと同じよ
うに、帯電防止機能と画質の向上を図ろうとすると耐久
性に不満が残るということがあった。
【0018】しかし、本発明の放射線像変換パネルは、
支持体上に、少なくとも導電性微粒子を含有する導電層
と、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層とを順に積層してな
る放射線像変換パネルにおいて、前記導電層と前記蛍光
体層の間に接着層を設けたので、導電層の膜厚が薄くて
も支持体と蛍光体層との間の密着力を確保することが可
能となるので耐久性に優れたパネルとすることが可能と
なり、導電性微粒子により帯電防止性能を付加すること
ができ、しかも導電層の膜厚は薄くできるので高画質の
放射線画像を得ることができる。
【0019】なお、導電層の表面電気抵抗率を1014Ω
以下とすることにより、より優れた帯電防止機能を付加
することが可能となり、また輝尽性蛍光体の輝尽発光の
ピーク波長において70%以上の透過率を確保すること
により、発光量の低下を抑制することができる。
【0020】また、導電性微粒子の長軸の長さを0.1
〜3μmの範囲とし、短軸の長さを0.001〜0.1
μmの範囲、すなわち、超微粒子繊維状の導電性化合物
を用いることにより、優れた帯電防止特性と、短波長か
ら長波長領域に亘る高い光透過性(透明性)を放射線像
変換パネルに付与することができる。
【0021】また導電性微粒子を酸化錫系化含物から選
択することにより上記のような表面電気抵抗率を達成す
ることが可能となり、導電層が含有する導電性微粒子を
10〜80重量%の範囲とすることにより上記のような
透過率を確保することが可能となる。
【0022】本発明の放射線像変換パネルは、支持体上
に、導電層と、蛍光体層とをこの順に積層してなり、導
電層と蛍光体層の間に接着層を設けたものであるが、支
持体と導電層の間にも接着層を設けた場合には、放射線
像変換パネルの耐久性をより向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の放射線像変換パネ
ルについて図面を参照しながら説明する。
【0024】図1は、本発明の放射線像変換パネルの構
成の代表的な例を概略的に示す断面図である。図1にお
いて、放射線像変換パネル10は順に、支持体11、導
電層12、接着層13、輝尽性蛍光体層14、および保
護層15から構成される。すなわち、本発明の放射線像
変換パネル10は、導電層12と輝尽性蛍光体層14と
の間にこの2層を接着するための接着層13を設けたこ
とを特徴とするものである。なお、支持体11と導電層
12との間にも接着層を設けてもよい。以下、本発明の
放射線像変換パネルの構成を順に説明する。
【0025】支持体には、各種高分子材料、ガラス、金
属など従来の放射線像変換パネルの支持体として公知の
材料から任意に選ぶことができる。例えば、セルロース
アセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポ
リイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカー
ボネートフィルムなどが好ましい。両面集光読取用のパ
ネルの場合には、パネルの表裏両側から輝尽発光光を集
光して読み取るため、用いる支持体は透明支持体、透明
なプラスチックフィルム(あるいはシート)が好まし
い。そのプラスチツク材料としては、公知のポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリア
ミド、ポリイミド、アラミド樹脂などの材料から任意に
選ぶことができる。勿論、これらの材料に限定されるも
のではないが、十分な強度を持ち、透明性の高いプラス
チックフィルムを用いることが望ましい。このプラスチ
ックフイルムの厚さは、10〜1000μmの範囲にあ
ることが好ましい。
【0026】導電層に含有される導電性微粒子として
は、酸化錫系化含物、酸化亜鉛系化合物もしくは酸化イ
ンジウム系化合物から任意に選択することができるが、
特に酸化錫系化合物からなる針状微粒子が好ましい。こ
の選択された導電性微粒子は、長軸の長さ(繊維長)が
0.1〜3μm、好ましくは0.2〜2μmの範囲が好
ましく、かつ短軸の長さ(繊維径)は0.001〜0.
1μm、好ましくは0.005〜0.03μmの範囲に
あることが好ましい。導電性微粒子は蛍光体層の10〜
80重量%、好ましくは40〜80重量%の範囲で含有
することが好ましい。このようにして構成された導電層
は、1014Ω以下、好ましくは1012Ω以下の表面電気
抵抗率を有することが好ましく、かつ輝尽性蛍光体の輝
尽発光のピーク波長において70%以上、好ましくは8
0%以上の透過率を示すことが好ましい。
【0027】導電層と輝尽性蛍光体層の間には、導電層
と蛍光体層の結合を強化し耐久性を向上させるととも
に、パネルとしての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状
性)を向上させるために、接着層が設けられる。接着層
は、ゼラチン、軟質アクリル樹脂などの高分子物質から
なる塗布液を支持体の上に塗布することにより形成する
ことができる。接着層中には更に酸化ガドリニクム、酸
化マグネシウム、酸化チタン等の光散乱性微粒子を分散
含有させてもよい。接着層の層厚は1〜50μm、好ま
しくは5〜30μmの範囲にあることが好ましい。
【0028】支持体と導電層との間には、支持体と導電
層の結合を強化するため、あるいはパネルとしての感度
もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、
接着付与層(以下、導電層と蛍光体層との間の接着層と
区別するために、支持体と導電層の間の接着層は接着付
与層という)を設けることが好ましい。この接着付与層
は、導電層と蛍光体層との間の接着層と同じ物質からな
るものであってもよいし、違う物質からなってもよく、
ゼラチン、軟質アクリル樹脂などの高分子物質からなる
塗布液を支持体の上に塗布することにより形成すること
ができる。また、接着層と同様に、更に酸化ガドリニク
ム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の光散乱性微粒子
を分散含有させてもよい。接着付与層の層厚は約1〜5
0μmの範囲にあることが好ましい。
【0029】接着層の上には輝尽性蛍光体を含有する輝
尽性蛍光体層が設けられる。輝尽性蛍光体としては、波
長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、
300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す輝尽性
蛍光体が好ましい。そのような輝尽性蛍光体の例は、特
開平2−193100号および特開平4一310900
号に詳しく記載されている。特に好ましい輝尽性蛍光体
は、ユーロピウムあるいはセリウムにより賦活されてい
るアルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、そしてセリ
ウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体である。た
だし、本発明に用いる輝尽性蛍光体はこれらの蛍光体に
限られるものではなく、照射された放射線を蓄積してそ
の後の任意な時期に励起光を照射された場合に輝尽発光
を示す蛍光体であればいかなるものであってもよい。
【0030】輝尽性蛍光体層が輝尽性蛍光体とこれを分
散状態で含有支持する結合剤とからなる場合を例にとっ
て説明する。蛍光体層は、たとえば次のような公知の方
法により支持体上に形成することができる。
【0031】まず、輝尽性蛍光体粒子と結合剤とを溶剤
に加え、これを十分に混合して、結合剤溶液中に輝尽性
蛍光体粒子が均一に分散した塗布液を調製する。蛍光体
粒子を分散支持する結合剤については様々な種類の樹脂
材料が知られており、本発明の放射線像変換パネルの製
造においても、それらの公知の結合剤樹脂を中心とした
任意の樹脂材料から適宜選択して用いることができる。
塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比は、目
的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類など
によって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混合比
は、1:1乃至1:100(重量比)の範囲から選ば
れ、そして特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲か
ら選ぶのが好ましい。なお、塗布液にはさらに、塗布液
中における蛍光体の分散性を向上させるための分散剤、
形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結
合力を向上させるための可塑剤、蛍光体層の変色を防止
するための黄変防止剤、硬化剤、架橋剤など各種の添加
剤が混合されていてもよい。
【0032】このようにして調製された塗布液を次に、
ガラス板、金属板、プラスチックシ一トなどのシート
(仮支持体)上に均一に塗布することにより塗膜を形成
する。塗布操作は、通常の塗布手段、たとえばドクター
ブレード、ロールコータ、ナイフコータなどを用いる方
法により行うことができる。この塗膜を乾燥して蛍光体
シートを形成した後蛍光体シートを仮支持体から剥ぎ取
り、接着層の上に押圧するなどして接着層上への輝尽性
蛍光体層の形成を完了する。蛍光体層の層厚は、目的と
する放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤
と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20
μm〜1mmの範囲であり、好ましくは50〜500μ
mの範囲である。なお、輝尽性蛍光体層は、必ずしも上
記のように別途形成した蛍光体シートを接着層上に接合
する必要はなく、接着層上に塗布液を直接塗布して形成
してもよい。
【0033】本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光
体層は、輝尽性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する
結合剤とからなるのものばかりでなく、結合剤を含まな
いで輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、あ
るいは輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸
されている蛍光体層などでもよい。
【0034】輝尽性蛍光体層の接着層に接する側とは反
対側の表面には、蛍光体層を物理的および化学的に保護
するため、に透明な保護膜が設けられる。保護膜として
は、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有
機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分
子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層
の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエ
チレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明
なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍
光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、ある
いは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜し
たものなどが用いられる。保護膜中には更に、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の光散乱性微粒子、
パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末
等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など
各種の添加剤を分散含有させてもよい。保護膜の膜厚は
一般に約0.1〜20μmの範囲にある。なお、本発明
において保護膜は単層であるのみならず二層以上から構
成されていてもよい。
【0035】両面集光読取用として支持体に透明支持体
を用いた場合には、透明支持体の裏面(蛍光体層が設け
られる側とは反対側)には裏面保護膜を設けることが好
ましい。裏面保護膜は、上記保護膜と同様の材料を用い
て同様の方法により支持体裏面に形成することができ
る。本発明に係る導電性微粒子を裏面保護膜に含有させ
る場合にも、上記と同様にして行うことができる。裏面
保護膜の膜厚は一般に約0.1〜20μmの範囲にあ
る。
【0036】なお、輝尽性蛍光体層が自己支持性である
場合には必ずしも支持体や下塗層を設ける必要はない。
また、支持体と輝尽性蛍光体層との間には二酸化チタン
などの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカーボ
ンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層など各
種の層を設けてもよいし、また支持体の蛍光体層側の表
面には微小な凹凸が形成されていてもよい。
【0037】上述のようにして本発明の放射線像変換パ
ネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各
種のバリエーションを含むものであってもよい。たとえ
ば、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目的とし
て、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し
輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色して
もよい(特公昭59−23400号参照)。以下に実施
例を示す。
【0038】(実施例1)蛍光体シート形成用塗布液と
して、蛍光体:BaFBr0.850.15:Eu2+(輝尽発光のピ
ーク波長:約410nm)200g、結合剤:ポリウレタン
エラストマー(パンデックスT−5265H;大日本イ
ンキ化学工業(株)製)7.6g、架橋剤:HDI系ポリ
イソシアネート(コロネートHX;日本ポリウレタン工
業(株)製)0.4g、黄変防止剤:エポキシ樹脂(エピ
コート#1001;油化シェルエポキシ(株)製)2g、
着色剤:群青(SM−1;第一化成工業(株))20mg
をメチルエチルケトン70gに加え、プロペラミキサー
を用いて溶解、分散させて粘度が30ps(20℃)の
塗布液を調整した(結合剤/蛍光体重量比=1/2
0)。この塗布液をシリコーン系離型剤が塗布されてい
るポリエチレンテレフタレートシート(仮支持体、厚
み:180μm)上にドクターブレードを用いて均一に
塗布し、塗膜を乾燥した後、仮支持体から剥離させて蛍
光体シート(厚さ:200μm、塗布幅:300mm)
を作製した。
【0039】続いて、導電層付き支持体の作製を行っ
た。導電性材料:SbドープSnO2針状微粒子(FSS−1
0M;石原産業(株)製、30wt%MEK溶液)47
g、フッ素系樹脂:フルオロオレフィン=ビニルエーテ
ル共重合体(ルミフロンLF−504;旭硝子(株)製、
30wt%キシレン溶液)15g、架橋剤:IPDI系
ポリイソシアネート(オレスターNP38−70S;三
井東圧化学(株)製、70wt%酢酸エチル溶液)2g、
触媒:ジブチルチンジラウレート(KS1260;共同
薬品(株)製)0.1mgをメチルエチルケトン56gに
加えて、粘度が4cpsの導電層塗布液を調整した。こ
の塗布液を厚さ250μmのポリエチレンテレフタレー
トシート(ルミラーS−10;東レ(株)製、ヘイズ27
%)の片側表面に塗布し、100〜120℃で20分間
熱処理して乾燥させると共に熱硬化させ、厚さ2μmの
導電層(全固形分に対する導電性材料の含有率:70w
t%)を形成し、導電層付き透明支持体を作製した。
【0040】次に、アクリル樹脂(クリスコートP−1
018GS;大日本インキ化学工業(株)製、20wt%
トルエン溶液)150g、アクリル樹脂(パラロイドB
−66;ローム&ハース社製)19g、フタル酸エステ
ル(#10;大八化学(株)製)1gをメチルエチルケト
ン330gに溶解し、粘度9psの接着層塗布液を調整
した。この塗布液を先に作製した導電層付き支持体の導
電層上にドクターブレードを用いて均一に塗布し、塗膜
を乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。
【0041】続いて、接着層が形成された導電層付き支
持体の接着層表面に先に作製した蛍光体シートを重ね合
わせ、カレンダーロールにより総荷重2.5t、上側ロ
ール温度60℃、下側ロール温度90℃、送り速度3m
/minの条件で加熱圧縮を行った。この加熱圧縮によ
り蛍光体層(厚さ140μm,蛍光体の充填密度3.3
g/cm3)を形成した。
【0042】次に、フッ素系樹脂:フルオロオレフィン
=ビニルエーテル共重合体(ルミフロンLF−504
X;旭硝子(株)製、40wt%キシレン溶液)50g、
架橋剤:IPDI系ポリイソシアネート(オレスターN
P38−70S;三井東圧化学(株)製、70wt%酢酸
エチル溶液)9g、滑り剤:アルコール変成シリコーン
(X−22−2809;信越化学(株)製、66wt%キ
シレン含有ペースト)0.5g、触媒:ジブチルチンジ
ラウレート(KS1260;共同薬品(株)製)0.3m
gをメチルエチルケトン/シクロヘキサン=3/10混
合溶剤120gに溶解し、粘度が20cpsの保護層塗
布液を調整した。この塗布液を先に形成した蛍光体層上
に塗布し、100〜120℃で20分間熱処理して乾燥
させると共に熱硬化させ、厚さ3μmの保護層を形成し
た。以上のようにして、支持体上に、導電層、接着層、
蛍光体層、保護層が積層された本発明の放射線像変換パ
ネルを製造した。
【0043】(比較例1)接着層の形成を省略した以外
は、実施例1と同様にして放射線像変換パネルを製造し
た。
【0044】(比較例2)実施例1の導電層及び接着層
を、導電層と接着層を兼ねた下塗層とし、その下塗層を
下記のように形成した以外は実施例1と同様にして放射
線像変換パネルを製造した。
【0045】下塗り層(導電層兼接着層)付き支持体の作
製には、導電性材料:SbドープSnO2針状微粒子(FSS
−10M;石原産業(株)製、30wt%MEK溶液)7
8g、結合剤:アクリル樹脂(クリスコートP−101
8GS;大日本インキ化学工業(株)製、20wt%トル
エン溶液)48g、架橋剤:HDI系ポリイソシアネー
ト(コロネートHX;日本ポリウレタン工業(株)製)
0.5g、触媒:ジブチルチンジラウレート(KS12
60;共同薬品(株)製)0.1mgをメチルエチルケト
ン97gに溶解し、粘度が5psに調整した接着層塗布
液を用いた。この塗布液を厚さ250μmのポリエチレ
ンテレフタレートシート(ルミラーS−10;東レ(株)
製、ヘイズ27%)の片側表面にドクターブレードを用
いて均一に塗布し、100〜140℃で10分間熱処理
して乾燥させ、厚さ20μmの導電層(全固形分に対す
る導電性材料の含有率:70wt%)を形成した。この
ようにして下塗り層付き透明支持体を作製した。
【0046】(搬送耐久性)放射線像変換パネルの長方
形試験片を、図2に示した試験用の搬送装置20内に搬
送させた。すなわち、まず矢印21の搬入口からシート
を送り込み、ガイド板22およびニップロール23(直
径:25mm)の間を通過させ、搬送用ベルト24によ
りゴムロール25(直径:40mm)に沿って内側に曲
げ、次いで外側に曲げたのち、更にガイド板22および
ニップロール23の間を通過させた。この搬送操作を繰
り返し実施し、搬送500回毎にパネル試験片の破損状
況(保護層及び蛍光体層の亀裂発生)を観察した。
【0047】(表面電気抵抗率)放射線像変換パネルの
導電層について、その表面の電気抵抗(SR)を円電極
(P−601型;川口電気製作所(株)製)と絶縁計(E
V−40型超絶縁計;川口電気製作所(株)製)との組み
合わせを用いて測定した。測定は温度25℃、湿度54
%RHの条件下で行った。
【0048】(透過率)放射線像変換パネルの導電層付
き支持体について、波長410nmの光に対する層皮膜
全体の透過率(全透過率)を分光光度計で測定した。全透
過率には表面反射による損失分も含まれている。
【0049】(発光量)放射線像変換パネルに管電圧8
0kVpのX線を照射した後半導体レーザー光(波長:
655nm)で励起して、パネル保護層側表面および支
持体側裏面からの輝尽発光量をそれぞれ測定し、電気信
号に変換して相対発光量を得た。
【0050】得られた結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果から明らかなように、導電層と
蛍光体層との間に接着層を設けた本発明の放射線像変換
パネル(実施例1)は、接着層を設けなかった場合(比
較例1)に比べて格段の耐久性を示した。また、導電層
と接着層を分けないで下塗層とした場合(比較例2)に
は、本発明の放射線像変換パネルと同様の耐久性を示し
たが、一方で、透過率が半分以下となり、表面発光量は
大きな差はなかったものの、裏面発光量は半分以下とな
った。これは、導電層と接着層を兼用して構成した場合
に耐久性を得るためには、透過率や発光量を犠牲としな
ければならず、逆に透過率や発光量を得るためには耐久
性を犠牲にしなければならないことを示している。
【0053】本発明では、導電層と接着層を分け、それ
ぞれの機能をそれぞれの層に果たさせることにより、各
層の膜厚を薄くしても充分に耐久性を得ることができる
ので、充分な帯電防止性能とともに集光される発光量を
高めて高画質の画像を得ることができる。特に、画質の
向上が要求されている両面集光読取方法用の放射線像変
換パネルや、片面読取用ではあるが裏面からモニターす
る必要のある放射線像変換パネルにおいて、優れた帯電
防止性能と高画質、さらに耐久性の兼ね備えた放射線像
変換パネルとすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線像変換パネルの構成の一例を示
す概略断面図
【図2】搬送耐久性を測定するための試験用搬送装置の
概略図
【符号の説明】
10 放射線像変換パネル 11 支持体 12 導電層 13 接着層 14 輝尽性蛍光体層 15 保護層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも導電性微粒子を
    含有する導電層と、輝尽性蛍光体からなる蛍光体層とを
    順に積層してなる放射線像変換パネルにおいて、前記導
    電層と前記蛍光体層の間に接着層が設けられていること
    を特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 【請求項2】 前記導電層が、1014Ω以下の表面電気
    抵抗率であって、かつ前記輝尽性蛍光体の輝尽発光のピ
    ーク波長において70%以上の透過率を示すことを特徴
    とする請求項1記載の放射線像変換パネル。
  3. 【請求項3】 前記導電性微粒子の長軸の長さが0.1
    〜3μmの範囲にあり、かつ短軸の長さが0.001〜
    0.1μmの範囲にあることを特徴とする請求項1また
    は2記載の放射線像変換パネル。
  4. 【請求項4】 前記導電性微粒子が酸化錫系化含物から
    なることを特徴とする請求項3記載の放射線像変換パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 前記導電層が前記導電性微粒子を10〜
    80重量%の範囲で含有することを特徴とする請求項1
    から4いずれか1項記載の放射線像変換パネル。
  6. 【請求項6】 前記支持体と前記導電層の間に接着層が
    設けられていることを特徴とする請求項1から6いずれ
    か1項記載の放射線像変換パネル。
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