JP2000290615A - 熱可塑性放熱性粘着剤組成物およびそれを用いたプラズマディスプレイパネル - Google Patents

熱可塑性放熱性粘着剤組成物およびそれを用いたプラズマディスプレイパネル

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JP2000290615A
JP2000290615A JP2000024443A JP2000024443A JP2000290615A JP 2000290615 A JP2000290615 A JP 2000290615A JP 2000024443 A JP2000024443 A JP 2000024443A JP 2000024443 A JP2000024443 A JP 2000024443A JP 2000290615 A JP2000290615 A JP 2000290615A
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heat
pressure
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tackifier
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JP2000024443A
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Hideaki Tanahashi
英明 棚橋
Kiyoaki Kamiya
清秋 神谷
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば2つの部材(板状体等)の間に介在させ
て貼り合わせた場合、実使用時の温度で良好な熱伝導性
と粘着性を発揮し、しかもその2つの部材を簡単に分離
することが可能な熱伝導性両面粘着テープを得ることが
できる熱可塑性放熱性粘着剤組成物を提供する。 【解決手段】熱可塑性放熱性粘着剤組成物として、下記
の(A)〜(D)を必須成分とするものを用いるように
した。 (A)スチレン系弾性ポリマーおよびオレフィン系弾性
ポリマーのうちの少なくとも一方のポリマー。 (B)粘着付与剤。 (C)軟化剤。 (D)熱伝導付与剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(PDP)等に用いられる熱可塑性放熱性粘
着剤組成物およびそれを用いたプラズマディスプレイパ
ネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、温度差が生じる自由に折り曲げ
のできない2つの部材(板状体等)を、熱伝導性(ある
いは放熱性)を有する両面粘着テープ(以下「熱伝導性
両面粘着テープ」という)を用いて貼り合わせ一体化さ
せた場合、上記熱伝導性両面粘着テープを介して高い温
度の方から低い温度の方に向かう熱流が起こり、一体化
体の両面の温度が均一化される。例えば、プラズマディ
スプレイパネル用のガラスパネルとアルミシャーシとの
間に熱伝導性両面粘着テープを介在させると、ガラスパ
ネル上で発生した熱が、アルミシャーシへ伝導し、プラ
ズマディスプレイパネル両面の温度が均一化される。
【0003】このような熱伝導性両面粘着テープとして
は、高い温度であっても充分な粘着性と熱伝導性が発揮
されるようにするため、通常、アクリル系あるいは合成
ゴム系の熱硬化タイプのものが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記熱伝導性粘着テー
プを用いて貼り合わせたものを何らかの理由で分離する
場合、温度を付加(+,−のいずれか)するか、強引に
引き剥がすか、溶剤または薬剤を用いて溶解させる等の
方法が考えられる。しかしながら、通常の熱伝導性両面
粘着テープは、実使用時の温度(−20〜100℃程
度)では容易に固化、分解しないし、形状的に強引に引
き剥がしたり溶剤等によって溶解したりするのが困難な
場合もある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、例えば2つの部材(板状体等)の間に介在させ
て貼り合わせた場合、実使用時の温度で良好な熱伝導性
と粘着性を発揮し、しかもその2つの部材を簡単に分離
することが可能な熱伝導性両面粘着テープを得ることが
できる熱可塑性放熱性粘着剤組成物およびプラズマディ
スプレイパネルの提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(D)を必須成分とする
熱可塑性放熱性粘着剤組成物を第1の要旨とする。 (A)スチレン系弾性ポリマーおよびオレフィン系弾性
ポリマーのうちの少なくとも一方のポリマー。 (B)粘着付与剤。 (C)軟化剤。 (D)熱伝導付与剤。
【0007】また、本発明は、パネルと、放熱板と、両
者の間に介在する熱伝導性両面粘着テープ層とを備えた
プラズマディスプレイパネルであって、上記熱伝導性両
面粘着テープ層を構成する熱伝導性両面粘着テープが、
上記熱可塑性放熱性粘着剤組成物によって形成されてい
るプラズマディスプレイパネルを第2の要旨とする。
【0008】すなわち、本発明者らは、2つの部材(板
状体等)の間に介在させて貼り合わせた場合、実使用時
の温度で良好な熱伝導性と粘着性を発揮し、しかもその
2つの部材を簡単に分離することが可能な熱伝導性両面
粘着テープを得ることができる熱可塑性放熱性粘着剤組
成物を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、スチレ
ン系弾性ポリマーおよびオレフィン系弾性ポリマーのう
ちの少なくとも一方のポリマー(A成分)と粘着付与剤
(B成分)と軟化剤(C成分)と熱伝導付与剤(D成
分)とを含有するものであれば、それを用いてなる熱伝
導性両面粘着テープは、実使用時の温度(−20〜10
0℃)で良好な粘着性と熱伝導性を発揮し、100℃を
やや超える温度(101〜120℃程度)にすると軟化
・溶融して分離を簡単に行うことができることを見いだ
し、本発明に到達した。また、上記熱可塑性放熱性粘着
剤組成物から構成される熱伝導性両面粘着テープは、溶
剤可溶性であるため、溶剤を用いて上記2つの部材の分
離を行うこともできる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0010】本発明の熱可塑性放熱性粘着剤組成物(以
下単に「粘着剤組成物」という)は、スチレン系弾性ポ
リマーおよびオレフィン系弾性ポリマーのうちの少なく
とも一方のポリマー(A成分)と、粘着付与剤(B成
分)と、軟化剤(C成分)と、熱伝導付与剤(D成分)
とを用いて得られる。
【0011】上記A成分のうちのスチレン系弾性ポリマ
ーは、スチレンから誘導されるポリスチレンブロック
と、ゴム弾性を付与できるゴム中間ブロックとを有する
ものであって、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン
のトリブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプ
レン−スチレンのトリブロック共重合体(SIS)、S
BSに水素添加したもの(SEBS)、SISに水素添
加したもの(SEPS)等があげられる。これらは単独
であるいは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐熱
性の点から、SEBSが好ましく、また熱可塑性樹脂と
しての流動性を示す点から、SEPSが好ましい。
【0012】また、上記A成分のうちのオレフィン系弾
性ポリマーは、ハードセグメントにポリエチレン等のポ
リオレフィンを用い、ソフトセグメントにエチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等を用いたもの
である。このものは、スチレン系のものに比べ、コスト
面で有利である。なかでも、エチレン系弾性ポリマーが
好適である。
【0013】そして、上記オレフィン系弾性ポリマーの
数平均分子量は、1万〜50万の範囲が好ましく、特に
好ましくは5万〜40万の範囲である。
【0014】上記A成分のスチレン系弾性ポリマー、オ
レフィン系弾性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、
100℃以下であることが好ましい。より好ましくは、
80〜100℃である。すなわち、100℃を超える
と、上記粘着剤組成物から構成される熱伝導性両面粘着
テープを軟化・溶融させて分離を行うのが難しくなるお
それがあるからである。なお、ガラス転移温度(Tg)
は、DSC(示差走査熱量測定)または動的粘弾性のt
anδピークにより測定することができる。
【0015】本発明の粘着剤組成物において、上記ポリ
マー(A成分)は、上記スチレン系弾性ポリマー、オレ
フィン系弾性ポリマーをそれぞれ単独で用いてもよい
し、両者を任意の割合で併せて用いてもよい。
【0016】また、上記A成分とともに用いられる粘着
付与剤(B成分)としては、特に限定するものではなく
従来公知のものが用いられる。例えば、ロジン系樹脂
(ガムロジン,トール油ロジン,ウッドロジン,水添ロ
ジン,不均化ロジン,重合ロジン,マレイン化ロジン,
ロジングリセリンエステル,水添ロジン・グリセリンエ
ステル等)、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂
(α−ピネン主体,β−ピネン主体,ジペンテン主体
等)、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂(脂
肪族系,脂環族系,芳香族系等)、クマロン・インデン
樹脂、スチレン系樹脂(スチレン系,置換スチレン系
等)、フェノール系樹脂(アルキルフェノール樹脂,ロ
ジン変性フェノール樹脂等)、キシレン樹脂等があげら
れる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられ
る。
【0017】さらに、上記A成分およびB成分とともに
用いられる軟化剤(C成分)としては、特に限定するも
のではないが、上記ポリマー(A成分)との相溶性を考
慮して、パラフィン系オイルが好適に用いられる。なか
でも、ブリード現象が発生せず、粘着性が弱まるおそれ
がないという理由から、芳香族環がないパラフィン系オ
イル(CA=0%)が好ましい。
【0018】上記A〜C成分とともに用いられる熱伝導
付与剤(D成分)としては、例えば、窒化アルミニウ
ム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、金属酸化物
(アルミナ等)、金属粉等があげられる。これらは単独
であるいは2種以上併せて用いられる。なかでも、良好
な熱伝導性を付与できるとともに、汎用性やコストとい
った観点から、アルミナが好ましい。
【0019】本発明の粘着剤組成物において、各成分の
含有割合は、A成分100重量部(以下「部」と略す)
に対して、B成分20〜500部の範囲に、C成分5〜
300部の範囲に、D成分50〜1000部の範囲に設
定することが好ましい。すなわち、このような含有割合
になっておれば、実使用時の温度で特に良好な粘着性と
放熱性を発揮し、しかも100℃をやや超える温度にて
軟化・溶融させ分離を行うことが特に容易になるからで
ある。また、B成分の含有割合が20部未満であると、
熱伝導性両面粘着テープの粘着性が不充分になるおそれ
があり、500部を超えると、他の成分との配合バラン
スが崩れ、目的とする効果が得られないおそれがあるか
らである。さらに、C成分の含有割合が5部未満である
と、塗布性(流動性)が悪くなる傾向があるからであ
り、300部を超えると、実使用時の温度で熱伝導性両
面粘着テープが軟化・溶融したり、あるいは滲み出しが
生じたりするおそれがあるからである。そして、D成分
の含有割合が50部未満であると、熱伝導性が不充分と
なる傾向があり、1000部を超えると、他の成分との
配合バランスが崩れ、目的とする効果が得られないおそ
れがあるからである。なお、上記粘着剤組成物におい
て、より好適な含有割合は、A成分100部に対して、
B成分50〜400部の範囲内、C成分30〜200部
の範囲内、D成分300〜900部の範囲内である。
【0020】また、上記熱伝導付与剤(D成分)の含有
割合は、粘着剤組成物全体中の5〜90重量%の範囲に
設定されていることが好ましく、特に好ましくは50〜
80重量%の範囲である。すなわち、5重量%未満であ
ると、熱伝導性が不充分となる傾向があり、90重量%
を超えると、硬くなりすぎたり、粘着性に劣る傾向があ
るからである。
【0021】本発明の粘着剤組成物には、上記A〜D成
分に加えて、老化防止剤等を適宜に配合することができ
る。
【0022】上記老化防止剤として、例えばアルデヒド
類、アミン類、フェノール類等の各種のものを単独ある
いは2種以上組み合わせて用いることができるが、なか
でもヒンダート・フェノール、1,1−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−シクロヘキサン、ジラウリル・チ
オジブロビオネート、テトラキス−〔メチレン−3−
(3′,5′−ジ−第三ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン、トリス(混合モノ−お
よびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、ジ−n−ブチ
ル・ジチオカルバミン酸亜鉛を単独あるいは2種以上組
み合わせて用いることが好ましい。
【0023】そして、上記老化防止剤の含有割合は、熱
伝導性両面粘着テープの耐老化性向上の観点から、上記
ポリマー(A成分)100部に対して、0.2〜10部
の範囲に設定されていることが好ましい。
【0024】本発明の粘着剤組成物は、例えば、上記A
〜D成分を適宜の割合で配合し、各種の方法で混合する
ことにより得られる。
【0025】このようにして得られる粘着剤組成物の軟
化点は、130℃以下であることが好ましく、特に好ま
しくは101〜120℃の範囲である。すなわち、13
0℃を超えると、比較的低い温度で2つの部材を分離す
ることが可能な熱伝導性両面粘着テープが得られないお
それがあるからである。
【0026】そして、本発明の粘着剤組成物を用いてな
る熱伝導性両面粘着テープは、各種の粘着テープ製造方
法によって製造されるが、通常、長尺の離型紙の一面
に、厚み0.5〜3mmの熱伝導性両面粘着テープ層を
設け、それをロール状の巻装体(幅500〜600m
m、長さ300〜1150m程度)にして製造される。
【0027】上記熱伝導性両面粘着テープは、例えば温
度差が生じる自由に折り曲げのできない2つの板状体等
の間に介在させて用いられるが、この熱伝導性両面粘着
テープは、特殊な粘着剤組成物によって形成されている
ため、良好な粘着性と熱伝導性とを発揮する。また、熱
伝導性両面粘着テープによって貼り合わされた2つの板
状体等を分離する必要が生じた場合には、100℃をや
や超える温度(101〜120℃程度)にすれば、上記
熱伝導性両面粘着テープが軟化・溶融するため、2つの
板状体を簡単に分離することができる。
【0028】なお、上記粘着剤組成物を用いてなる熱伝
導性両面粘着テープは、トルエン等の有機溶剤に溶解す
るため、その有機溶剤を用いて分離を行うこともでき
る。
【0029】本発明の粘着剤組成物を用いてなる熱伝導
性両面粘着テープは、各種の用途に用いることができる
が、例えば図1に示すような、プラズマディスプレイパ
ネルに用いられる。すなわち、上記熱伝導性両面粘着テ
ープ1は、発熱により高温となるガラスパネル2と、ア
ルミシャーシ3との間に介在させて用いる。このように
することにより、ガラスパネル2上の熱が熱伝導性両面
粘着テープ1を介してアルミシャーシ3に伝導し、放熱
がスムーズに行われる。また、プラズマディスプレイパ
ネルの実使用時の温度(−20〜100℃程度)では良
好な状態で貼着されており、ガラスパネル2とアルミシ
ャーシ3とを分離する必要が生じた場合には、100℃
をやや超える温度(101〜120℃程度)にすれば、
上記熱伝導性両面粘着テープ1が軟化・溶融するため、
ガラスパネル2とアルミシャーシ3とを簡単に分離する
ことができる。
【0030】つぎに、実施例および比較例について説明
する。
【0031】まず、実施例および比較例に先立って下記
に示す各成分を準備した。
【0032】〔SEBS〕旭化成社製のタフテック10
51(Tg:93℃)。
【0033】〔SEPS〕クラレ社製のセプトン200
3(Tg:93℃)。
【0034】〔エチレン系弾性ポリマー〕コスモ計器社
製のコスモゲルC15(Tg:−20℃)。
【0035】〔水添テルペン系粘着付与剤〕ヤスハラケ
ミカル社製のクリアロンP105。
【0036】〔脂環族系粘着付与剤〕荒川化学社製のア
ルコンP−140。
【0037】〔アクリル系粘着剤〕一方社油脂製のAS
−6300。
【0038】〔架橋剤〕一方社油脂製のB−45。
【0039】〔パラフィン系鉱物油〕出光興産社製のダ
イアナプロセスオイルPW−90(カーボンタイプ分
析:CA=0%、CN=29.0%、CP=71.0
%)。
【0040】〔熱伝導付与剤〕昭和電工社製のアルミナ
AS−30。
【0041】〔フェノール系老化防止剤〕大内新興化学
社製のノクラックNS−6。
【0042】
【実施例1〜9、比較例】上記各成分を下記の表1およ
び表2に示す配合割合で配合してなる粘着剤組成物を用
いて、厚み1mmの熱伝導性両面粘着テープを作製し
た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】このようにして得られた熱伝導性両面粘着
テープについて、軟化温度、アスカーC硬度、熱伝導
率、タック性、110℃での粘着保持性、溶剤溶解性を
下記の方法に従って評価した。そして、これらの結果を
後記の表3および表4に示した。
【0046】〔軟化温度〕リングアンドボール法(JI
S K 2207)に従って測定した。
【0047】〔アスカーC硬度〕SRIS 0101に
準拠してアスカーC硬度を測定した。
【0048】〔熱伝導率〕まず、測定試料である熱伝導
性両面粘着テープの一面を加熱し、その一面の温度Th
と他面の温度Tcを測定した。ついで、上記一面の温度
Thを一定に保ちつつ上記他面の温度Tcを変化させる
ことによって、Th−Tc(温度差)を種々に変化さ
せ、その際に上記一面の温度Thを一定に保つために発
生させた熱量Pを各Th−Tcの値ごとに測定した。そ
して、上記熱量Pの値とTh−Tcの値とで表される複
数の座標値(通常、3点)から、関係式P=(KS/
L)(Th−Tc)+Qeで表される直線を最小二乗法
によって特定し、その傾きから熱伝導率Kを求めた。な
お、式中、Qeは発生熱量のうちロスとして失われた誤
差分となる熱量、S,Lはそれぞれテープの断面積,厚
みを表す。
【0049】〔タック性〕まず、図2に示すように、傾
斜角αが30°である傾斜板31上に、熱伝導性両面粘
着テープ(長さ100mm,幅50mm,厚み1mm)
32と、助走用のポリエステルフィルム(長さ100m
m,幅50mm,厚み25μm)33とを貼着した。つ
いで、鉄製のボール(15mmφ)34を上記ポリエス
テルフィルム33の上端部に載置した。そして、ポリエ
ステルフィルム33上を転がるボール34が、ポリエス
テルフィルム33の下端から100mm下方に離れた熱
伝導性両面粘着テープ32上の地点Xまでに停止(5秒
以上の停止)したときは、タック性有りと評価し、それ
以外はタック性無しと評価した。
【0050】〔110℃での粘着保持性〕図3に示すよ
うに、ガラス板21の端部に、熱伝導性両面粘着テープ
22(25mm角,厚み1mm)を貼着した後、その熱
伝導性両面粘着テープ22に、端部に重り23(60
g)が取り付けられたアルミ板24を貼着した。その
後、即座に110℃に設定された恒温槽内に配設し、ガ
ラス板21またはアルミ板24が分離するまでの時間を
測定した。
【0051】〔溶剤溶解性〕熱伝導性両面粘着テープ
(25mm角,厚み1mm)をトルエン中に1時間浸漬
し、熱伝導性両面粘着テープを目視することにより評価
した。
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】上記表3および表4の結果から、実施例1
品〜9品は、タック性,熱伝導率,アスカーC硬度につ
いて、比較例品と同様、良好であることが確認できる。
また、110℃での粘着保持性について、実施例1品〜
9品は、保持時間が非常に短く、分離が簡単に行えるも
のであることが確認できる。さらに、実施例1品〜9品
は、溶剤溶解性であることも確認できる。
【0055】なお、上記各実施例においては、ポリマー
(A成分)として、スチレン系弾性ポリマーまたはオレ
フィン系弾性ポリマーを単独で用いたが、これに限定す
るものではなく、両者を併用した場合であっても、上記
各実施例と同様に優れた効果が得られることを確認して
いる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明の粘着剤組成物
は、スチレン系弾性ポリマーおよびオレフィン系弾性ポ
リマーのうちの少なくとも一方のポリマー(A成分),
粘着付与剤(B成分),軟化剤(C成分),熱伝導付与
剤(D成分)を含有するものである。このため、この粘
着剤組成物を用いてなる熱伝導性両面粘着テープは、実
使用時の温度(−20〜100℃程度)で良好な粘着性
と熱伝導性を発揮するものとなる。そして、この熱伝導
性両面粘着テープを用いて2つの部材(板状体等)貼り
合わせたものを分離する必要が生じた場合には、100
℃をやや超える温度にすると、熱伝導性両面粘着テープ
が軟化・溶融し、その分離を簡単に行うことができる。
【0057】特に、上記熱伝導付与剤の含有割合を特定
の範囲に設定した場合には、実使用時の温度で特に粘着
性と熱伝導性とのバランスが良くなるという利点があ
る。
【0058】また、上記粘着剤組成物の軟化点を特定の
範囲内に設定した場合には、比較的低い温度で分離を行
うことができるという利点がある。
【0059】さらに、上記粘着付与剤、軟化剤、熱伝導
付与剤として特定のものを用いた場合には、プラズマデ
ィスプレイパネル用の熱伝導性両面粘着テープとして最
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着剤組成物を用いたプラズマディス
プレイパネルを説明するための模式的な斜視図である。
【図2】タック性の測定方法を説明するための模式的な
説明図である。
【図3】110℃での粘着保持性の測定方法を説明する
ための模式的な断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 153/00 C09J 153/00 H01J 17/28 H01J 17/28

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(D)を必須成分とする
    ことを特徴とする熱可塑性放熱性粘着剤組成物。 (A)スチレン系弾性ポリマーおよびオレフィン系弾性
    ポリマーのうちの少なくとも一方のポリマー。 (B)粘着付与剤。 (C)軟化剤。 (D)熱伝導付与剤。
  2. 【請求項2】 上記(B)成分である粘着付与剤がテル
    ペン系粘着付与剤または脂環族系粘着付与剤であり、上
    記(C)成分である軟化剤がパラフィン系オイルであ
    り、上記(D)成分である熱伝導付与剤がアルミナであ
    る請求項1記載の熱可塑性放熱性粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 上記(D)成分である熱伝導付与剤の含
    有割合が、熱可塑性放熱性粘着剤組成物全体中の5〜9
    0重量%の範囲に設定されている請求項1または2記載
    の熱可塑性放熱性粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 軟化点が130℃以下である請求項1〜
    3のいずれか一項に記載の熱可塑性放熱性粘着剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 パネルと、放熱板と、両者の間に介在す
    る熱伝導性両面粘着テープ層とを備えたプラズマディス
    プレイパネルであって、上記熱伝導性両面粘着テープ層
    を構成する熱伝導性両面粘着テープが、請求項1〜4の
    いずれか一項に記載の熱可塑性放熱性粘着剤組成物によ
    って形成されていることを特徴とするプラズマディスプ
    レイパネル。
JP2000024443A 1999-02-02 2000-02-01 熱可塑性放熱性粘着剤組成物およびそれを用いたプラズマディスプレイパネル Pending JP2000290615A (ja)

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