JP2000290387A - ブレーキ摩擦材 - Google Patents

ブレーキ摩擦材

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JP2000290387A
JP2000290387A JP10406199A JP10406199A JP2000290387A JP 2000290387 A JP2000290387 A JP 2000290387A JP 10406199 A JP10406199 A JP 10406199A JP 10406199 A JP10406199 A JP 10406199A JP 2000290387 A JP2000290387 A JP 2000290387A
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JP
Japan
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resistance
cashew dust
cashew
brake friction
resin
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JP10406199A
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Yoshikazu Hanaki
芳和 花木
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気孔率を高くしてもカシューダストの周りに
空隙が生じ難くし、耐フェード性、耐鳴き性、耐摩耗性
共に優れたブレーキ摩擦材を提供する。 【解決手段】 金属繊維、セラミック質繊維、有機繊維
等の強化繊維を基材として、これに結合材、潤滑材、摩
擦調整材、充填材等を加えてなるブレーキパッドにおい
て、予め100〜300μmのカシューダストをフェノ
ール樹脂で結合してなる予備複合材10を、前記摩擦調
整材の前部または一部として用い、カシューダスト2の
周りの樹脂11を、前記基材および結合材を含むマトリ
ックス1との結合に利用することにより、気孔率を上げ
てもカシューダストの周りに空隙が生じないようにし、
気孔率の増大により耐フェード性を向上させると共に、
カシューダストの増大により耐鳴き性、耐摩耗性を向上
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ブレーキパ
ッドとして用いられるブレーキ摩擦材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ摩擦材としては、効き性能に優
れている(摩擦係数が高い)ことはもちろん、耐フェー
ド性、耐摩耗性、耐熱性、耐鳴き性等に優れていること
が要求される。そして従来、これらの要求を満たすべく
種々の摩擦材が開発されているが、一般には、金属繊
維、セラミック質繊維、有機繊維等の強化繊維を基材と
して、これに結合材としてフェノール樹脂を、潤滑材と
して黒鉛、二硫化モリブデン等を、摩擦調整材としてカ
シューダスト、セラミック粉、金属粉等を、充填材とし
て硫酸バリウムを、PH調整材として水酸化カルシウム
をそれぞれ含ませた複合材料が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようする課題】上記摩擦調整材として用
いられるカシューダストは、摩擦係数の安定化と耐鳴き
性の向上とに有効であることが知られており、最近で
は、必須の成分として添加されている。しかし、このカ
シューダストは有機物であることから耐フェード性を低
下させる原因となり、その添加量には一定の限界(10
容積%程度)があって、前記した効果を十分に引き出す
には、いま一つ添加量が不足するという問題があった。
【0004】ところで、耐フェード性は気孔率が高くな
るほど向上し、したがって、気孔率を高くすることで、
カシューダストの添加量を増やすことが可能になるはず
である。しかし、実際に気孔率を高くして製造したブレ
ーキ摩擦材は、熱履歴によって、図4に示すようにマト
リックス(基材および結合材の混合層)1中に分散する
カシューダスト2の周りに空隙3が生じ、これにより、
摩擦表面からカシューダスト2が脱落し易くなり、却っ
て耐鳴き性が悪化し、その上、耐摩耗性も低下して、実
用化は困難となる。なお、気孔率を標準に設定したブレ
ーキ摩擦材の場合は、図5に示すように熱履歴によって
も、カシューダスト2とマトリックス1とは密接状態を
維持し、摩擦表面からカシューダスト2が脱落すること
はない。図4および図5中、4は基材に含まれる板状繊
維、5は潤滑材としての黒鉛、6は摩擦調整材としての
銅粉である。
【0005】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたもので、その目的とするところは、気孔率を高
くしてもカシューダストの周りに空隙が生じ難くし、も
ってカシューダストの効果を最大限に発揮させて、性能
的に優れたブレーキ摩擦材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、基材に結合材、潤滑材、摩擦調整材、充
填材等を加えてなるブレーキ摩擦材において、予めカシ
ューダストを樹脂で結合してなる予備複合材を前記摩擦
調整材の全部または一部として用いる構成としたことを
特徴とする。
【0007】このように構成したブレーキ摩擦材におい
ては、図1に示すように、その予備複合材10が、樹脂
11でカシューダスト2を包んだ形態となっているの
で、カシューダスト2はその周りの樹脂11を介してマ
トリックス1とよく密着し、これにより、熱履歴によっ
てもカシューダスト2の周りに空所が生じ難くなり、そ
の分、気孔率を高くすることができる。
【0008】本発明において、上記予備複合材に用いる
カシューダストは、平均粒子径100〜300μmとす
るのが望ましい。これは、カシューダストがあまり粗粒
であると、その表面積が減じてマトリックスとの結合性
が低下し、一方、あまり細かいと、摩擦係数の安定化や
耐鳴き性に及ぼすカシューダスト本来の性能発揮が不十
分となるためである。また、上記予備複合材は、粒径
0.2〜0.6mmの粒状物とするのが望ましく、この
ような粒径の粒状物とすることで、マトリックス中にお
ける予備複合材の分散が良好となる。
【0009】本発明において、上記予備複合材の含有量
は10〜40容積%とするのが望ましい。これは、予備
複合材の含有量が10容積%未満では、カシューダスト
の含有量が不足して摩擦係数の安定化や耐鳴き性の向上
に寄与する効果が小さくなり、逆に40容積%を超える
と、カシューダストの含有量が多くなりすぎて、耐フェ
ード性を低下させるためである。また、この予備複合材
中に占めるカシューダストの含有量は50〜90容積%
とするの望ましい。これは、カシューダストの含有量が
50容積未満では、カシューダストの総量が不足して摩
擦係数の安定化や耐鳴き性の向上に寄与する効果が小さ
くなり、逆に90容積%を超えると、これと相対に樹脂
量が不足し、所望のマトリックスとの結合性が得難くな
るためである。
【0010】本発明は、上記予備複合材中の樹脂とし
て、カシュー変性または油変性のフェノール樹脂を選択
するのが望ましい。カシュー変性のフェノール樹脂およ
び油変性のフェノール樹脂は、図2、図3にそれぞれ示
すように、ベンゼン環側鎖に長鎖炭化水素をもつ、カシ
ューダストと類似の分子構造となっており、カシューダ
ストとの結合性が向上するためである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明に係るブレーキ摩擦材は、従来と同様、基
材に結合材、潤滑材、摩擦調整材、充填材等を加えてな
るもので、前記摩擦調整材以外は、従来と同様のものを
用いている。すなわち、基材としては金属繊維、セラミ
ック質繊維、有機繊維等が、結合材としてはフェノール
樹脂が、潤滑材としては黒鉛、二硫化モリブデン等が、
充填材としては硫酸バリウムが、PH調整材としては水
酸化カルシウムがそれぞれ用いられている。しかして、
本実施の形態においては、前記摩擦調整材として、カシ
ューダストとフェノール樹脂(カシュー変性または油変
性)とを混合してなる予備複合材を用いている。この予
備複合材は、カシューダストとフェノール樹脂とを、カ
シューダストが50〜90容積%となるように混合した
後、150℃程度に加熱してフェノール樹脂を硬化さ
せ、しかる後、粉砕して粒径0.2〜0.6mm範囲の
粒状物としたものである。
【0012】本ブレーキ摩擦材はブレーキパッドとして
用いられるもので、ブレーキパッドの製造に際しては、
上記のようにして得た予備複合材(摩擦調整材)を、結
合材、潤滑材、充填材等と共に基材に所定の割合で混合
し、この混合物を、常温にて冷間圧縮成形して予備成形
体を得、次に、この予備成形体を、予め接着剤を塗布し
た裏金と共に金型に投入し、加熱圧縮成形して成形体を
得、しかる後、前記成形体に熱処理、表面研磨、溝加工
等の必要な処理を加えて製品として完成させる。なお、
前記加熱圧縮成形に際しては、成形温度と成形圧力とを
調整して、従来よりも気孔率を高くする。
【0013】このようにして完成したブレーキパッドの
摩擦材は、前出図1に示したように、摩擦調整材として
加えた予備複合材10が、樹脂11でカシューダスト2
を包んだ形態となっているので、カシューダスト2はそ
の周りの樹脂11を介してマトリックス1とよく密着
し、気孔率を高くしても、カシューダスト2の周りには
熱履歴によって空所が生じ難くなる。換言すれば、気孔
率を高くできる分、耐フェード性が向上するので、カシ
ューダストを多めに含有させても摩擦性能が低下するこ
とはなく、耐鳴き性、耐摩耗性等に優れたブレーキパッ
ドを提供できるようになる。なお、図1中、4は基材に
含まれる板状繊維、5は潤滑材としての黒鉛、6は摩擦
調整材としての銅粉で、前出図4または5に示したもの
と同じものである。
【0014】
【実施例】実施例 基材としてチタン酸カリウム繊維と、ロックウールと、
アラミド繊維とを選択し、さらに結合剤としてフェノー
ル樹脂を、潤滑材として黒鉛、二硫化モリブデン、三硫
化アンチモンを、充填材として硫酸バリウムを、摩擦調
整材として上記予備複合材(カシューダスト+樹脂)を
選択し、これらを表1に示すように所定の割合で混合し
た。そして先ず、前記混合物を金型に投入し、常温にて
40MPa の圧力で冷間圧縮成形して予備成形体を得、
次に、この予備成形体と予め接着剤を塗布した裏金とを
150℃に加熱された金型内に投入し、20MPa の圧
力で250〜300秒加熱圧縮成形して成形体を得た。
その後、前記成形体を熱処理炉に投入して200℃に6
時間保持する熱処理を行い、さらに、表面研磨および溝
加工を行って実施材(ブレーキパッド)1〜3を製作し
た。また、比較のため、上記予備複合材に代えて、カシ
ューダスト単体を加えた混合物を用い、上記と同様の工
程を経て気孔率の異る摩擦材を備えた比較材1、2を製
作した。
【0015】
【表1】
【0016】試験例 上記のようにして製作した実施材1〜3および比較材
1、2について、気孔率を測定し、また、自動車技術会
規格JASO C−406に基いて摩擦試験を行って、
フェード特性と摩耗量とを求め、さらに、実車に搭載し
て鳴き(スキール音)の発生状況を調査した。これらの
試験結果を、前出表1の下側に一括して示す。
【0017】表1に示す結果より、気孔率が15%と高
い比較材1は、耐フェード性の指針となる第1フェード
のミニマム摩擦係数(MIN.μ)が高い値となっているも
のの、鳴き頻度が10%と著しく高くかつ摩耗量も大き
くなっている。これは、気孔率が高いため、前出図1に
示したように熱履歴によってカシューダスト2の周りに
空隙3が生じ、カシューダスト2が摩擦表面から脱落し
たためである。一方、気孔率が10%と低い比較材2
は、耐鳴き性および耐摩耗性が良好であるものの、耐フ
ェード性が著しく低下している。これに対し、本実施材
1〜3は、気孔率が15%と高いにもかかわらず、何れ
も耐鳴き性および耐摩耗性が良好であり、その上、耐フ
ェード性にも優れたものとなっている。
【0018】
【発明の効果】上記したように、本発明に係るブレーキ
摩擦材によれば、気孔率を高くしてもカシューダストの
周りに空隙が生じ難くなり、摩擦係数の安定化と耐鳴き
性の向上とに寄与するカシューダストの効果を最大限に
発揮させることができ、性能の一層の向上を達成でき
る。
【発明の効果】 【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ摩擦材の組織を示す模式
図である。
【図2】本発明におけるカシューダストの結合に用いる
カシュー変性フェノール樹脂の分子構造を示す図であ
る。
【図3】本発明におけるカシューダストの結合に用いる
油変性フェノール樹脂の分子構造を示す図である。
【図4】従来のブレーキ摩擦材における異常組織を示す
模式図である。
【図5】従来のブレーキ摩擦材における正常組織を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 マトリックス 2 カシューダスト 10 予備複合材 11 樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B22F 5/00 B22F 5/00 G Fターム(参考) 3J058 BA21 BA76 FA01 FA11 FA21 GA07 GA20 GA22 GA24 GA28 GA37 GA38 GA55 GA62 GA68 GA73 GA82 GA88 GA92 4F071 AA41 AA73 AF22 AF28 AF50 AH07 BB03 BC03 BC07 4J002 AH00X CC03W FD01X GN01 4K018 BB04 CA09 KA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に結合材、潤滑材、摩擦調整材、充
    填材等を加えてなるブレーキ摩擦材において、予めカシ
    ューダストを樹脂で結合してなる予備複合材を前記摩擦
    調整材の全部または一部として用いたことを特徴とする
    ブレーキ摩擦材。
  2. 【請求項2】 予備複合材に用いるカシューダストの平
    均粒子径が100〜300μmである、請求項1に記載
    のブレーキ摩擦材。
  3. 【請求項3】 予備複合材が、粒径0.2〜0.6mm
    の粒状物である、請求項2に記載のブレーキ摩擦材。
  4. 【請求項4】 予備複合材の含有量が10〜40容積%
    である、請求項1乃至3の何れか1項に記載のブレーキ
    摩擦材。
  5. 【請求項5】 予備複合材中のカシューダストの含有量
    が50〜90容積%である、請求項4に記載のブレーキ
    摩擦材。
  6. 【請求項6】 予備複合材中の樹脂がカシュー変性また
    は油変性のフェノール樹脂である、請求項1乃至5の何
    れか1項に記載のブレーキ摩擦材。
JP10406199A 1999-04-12 1999-04-12 ブレーキ摩擦材 Pending JP2000290387A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011219658A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Akebono Brake Ind Co Ltd 摩擦材
CN107461434A (zh) * 2017-06-28 2017-12-12 河池市森机械有限责任公司 汽车刹车片

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Effective date: 20041126