JP2011219658A - 摩擦材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーキの鳴きを従来よりも低減でき、かつ、ブレーキレスポンスの性能に優れた摩擦材に関する技術を提供する。
【解決手段】繊維基材と、結合材と、充填材とを備える摩擦材であって、前記充填材は、有機充填材を、前記摩擦材に対して、1から20体積%含み、前記有機充填材の周囲には、空隙が形成され、該空隙は、前記摩擦材に対して、0.5から5.0体積%である。
【選択図】図1
【解決手段】繊維基材と、結合材と、充填材とを備える摩擦材であって、前記充填材は、有機充填材を、前記摩擦材に対して、1から20体積%含み、前記有機充填材の周囲には、空隙が形成され、該空隙は、前記摩擦材に対して、0.5から5.0体積%である。
【選択図】図1
Description
本発明は、摩擦材に関する。
自動車や産業機械等のブレーキやクラッチ等には、摩擦材が使用されている。摩擦材は、例えば自動車では重要保安部品に位置づけられるなど、重要な役割を担っている。摩擦材の硬さ(摩擦材の圧縮変形量)は、いわゆるブレーキの鳴き現象に大きく影響することが知られている。硬い摩擦材をブレーキに用いると、鳴きが発生し易くなる。一方、柔らかい摩擦材をブレーキに用いると、鳴きの発生は抑えられるものの、ブレーキ性能の基本要素であるブレーキレスポンスの性能が低下する虞がある。
ブレーキレスポンスの性能を改善する技術として、例えば、特許文献1から3に記載の技術が知られている。特許文献1には、繊維基材、摩擦調整材及び結合材を用いてなる非石綿系摩擦材において、部分黒鉛化コークスを0.5体積%から2.5体積%配合した非石綿系摩擦材が開示されている。特許文献2には、ビスマレイミドトリアジン樹脂を主成分とするダストを含有させた摩擦材であって、上記ダストを摩擦材中に1から15wt%含有させた摩擦材が開示されている。また、特許文献3には、金属繊維、セラミック質繊維、有機繊維等の強化繊維を基材としてこれに結合材、潤滑材、摩擦調整材、充填材等を加えてなるブレーキパッドが開示されている。また、特許文献3に記載の技術では、予め100から300μmのカシューダストをフェノール樹脂で結合してなる予備複合材を、摩擦調整材の全部または一部として用い、カシューダストの周りの樹脂を、基材および結合材を含むマトリックスとの結合に利用している。
また、試料を構成する材料やその内部に含まれる空隙を解析する技術として、水銀圧入法や表面構造解析法が知られている。更に、摩擦材の構成をより正確に解析可能な技術として、特許文献4に記載の技術が知られている。特許文献4には、電子が磁場で曲げられたときに発生する電磁波としての放射光を、摩擦材からなる試料の内部を通過させることで、摩擦材を構成する材料と該摩擦材の内部に存在する空隙とを含む該摩擦材の構成要素に関する構成情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得された構成情報に基づいて、前記摩擦材の構成要素を視覚的に写し出す出力ステップと、を備える摩擦材の解析方法が開示されている。なお、特許文献4に記載の技術は、本願発明者らによって開発されたものである。
上記特許文献1から3に記載の技術によれば、ブレーキレスポンス性能の改善効果が見られる。但し、摩擦材は、例えば自動車では重要保安部品に位置づけられるなど、重要な役割を担っており、更なる改善が求められている。換言すると、ブレーキの鳴きを従来よりも低減でき、かつ、ブレーキレスポンスの性能に優れた摩擦材の開発が求められている。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ブレーキの鳴きを従来よりも低減でき、かつ、ブレーキレスポンスの性能に優れた摩擦材に関する技術を提供することを課題とする。
本発明では、上記課題を解決するため、摩擦材を構成する材料の中で、周囲に空隙が存在する材料に着目し、その材料の周囲に存在する空隙の量を調整することとした。
より詳細には、本発明は、繊維基材と、結合材と、充填材とを備える摩擦材であって、前記充填材は、有機充填材を、前記摩擦材に対して、1から20体積%含み、前記有機充填材の周囲には、空隙が形成され、該空隙は、前記摩擦材に対して、0.5から5.0体積%である摩擦材である。
本発明では、充填材としての有機充填材が摩擦材に占める体積の割合を1から20体積%とし、更に、有機充填材の周囲に形成される空隙が摩擦材に占める体積の割合を0.5から5.0%とすることで、ブレーキの鳴きを低減すると共に、ブレーキレスポンスの性能に優れた摩擦材とすることができる。また、本発明の摩擦材によれば、ブレーキの振動も抑えられる。
なお、本発明において、前記有機充填材の周囲に形成される空隙は、その幅を0.1から5.0μmとすることができる。空隙の幅を上記のようにすることでも、ブレーキの鳴きを低減すると共に、ブレーキレスポンスの性能に優れた充填材とすることができる。空隙の幅とは、有機充填材の周方向と直交する方向における長さである。
有機充填材には、カシューダストが例示される。カシューダストの周囲には、空隙が形成されることから、本発明は、カシューダストを含む摩擦材として好適に用いることができる。カシューダストには、カシューダストに対して、二トリルゴム(NBR)、フルフラール樹脂、リン酸、フラン樹脂、オイル、亜麻仁油のうち少なくとも何れか一つが加えられたカシューダストの変性種も含まれる。カシューダストなどの有機充填材を摩擦材に配合することで、摩擦材の製造工程における熱を加える工程においてカシューダストなどの有機充填材が収縮する。その結果、カシューダストなどの有機充填材の周囲に空隙が形成され、有機充填材の移動が許容される。ブレーキ摺動時に摩擦材とロータの界面で発生した振動は、本来有機充填材自身が有する減衰能力によって減衰されるが、本発明では、有機充填材の移動が許容されることで、更に効果的に減衰される。その結果、いわゆる鳴きを低減することができる。なお、空隙が多すぎると圧縮変形量が大きくなりペダルフィーリングが悪くなることも想定される。そこで、配合前に有機充填材に予備加熱を施すことで空隙の形成量を制御することが好ましい。これにより、ペダルフィーリングを確保しつつ、且つ、有機充填材の減衰効果を維持することができる。
ここで、本発明は、上記摩擦材の製造方法として特定することができる。すなわち、本発明は、摩擦材を構成する材料を攪拌・混合する攪拌混合ステップと、混合された摩擦材を、第一の圧力で予備成形する予備成形ステップと、予備成形された摩擦材を、第二の圧力及び第一の温度で成形する成形ステップと、成形された摩擦材を、第二の温度で、所定時間熱を加える熱処理ステップと、を備える摩擦材の製造方法である。
なお、摩擦材に含まれる空隙の位置や形状の確認、又は有機充填材と空隙との位置関係などの確認は、既存の摩擦材の解析方法によって行うことができる。摩擦材を解析することで、より精度の高い解析が可能となり、その結果、より設計に沿った摩擦材を提供することができる。なお、既存の摩擦材の解析方法には、水銀圧入法や表面構造解析法が例示
される。
される。
本発明に係る摩擦材の解析方法によれば、ブレーキの鳴きを従来よりも低減でき、かつ、ブレーキレスポンスの性能に優れた摩擦材に関する技術を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する事項は、例示であり本発明がこれに限定されるものではない。
[実施形態]
図1に示すように、実施形態に係る摩擦材は、繊維基材と、結合材と、充填材とを備える。具体的には、図1に示す摩擦材は、有機充填材(例えば、カシューダスト)、研削材(例えば、珪酸ジルコニウム)、潤滑剤(例えば、黒鉛)、充填材(例えば、硫酸バリウム)、無機繊維(例えば、セラミクス繊維)を含む。そして、充填材は、有機充填材を、摩擦材に対して、1から20体積%含み、有機充填材の周囲には、空隙が形成され(図1、図3参照)、該空隙は、前記摩擦材に対して、0.5から5.0体積%であることを特徴とする。充填材として有機充填材を含み、かつ、有機充填材が摩擦材に占める体積の割合を1から20%とし、更に、有機充填材の周囲に形成される空隙が摩擦材に占める体積の割合を0.5から5.0%とすることで、ブレーキの鳴きや振動を低減すると共に、ブレーキレスポンスの性能に優れた摩擦材とすることができる。
図1に示すように、実施形態に係る摩擦材は、繊維基材と、結合材と、充填材とを備える。具体的には、図1に示す摩擦材は、有機充填材(例えば、カシューダスト)、研削材(例えば、珪酸ジルコニウム)、潤滑剤(例えば、黒鉛)、充填材(例えば、硫酸バリウム)、無機繊維(例えば、セラミクス繊維)を含む。そして、充填材は、有機充填材を、摩擦材に対して、1から20体積%含み、有機充填材の周囲には、空隙が形成され(図1、図3参照)、該空隙は、前記摩擦材に対して、0.5から5.0体積%であることを特徴とする。充填材として有機充填材を含み、かつ、有機充填材が摩擦材に占める体積の割合を1から20%とし、更に、有機充填材の周囲に形成される空隙が摩擦材に占める体積の割合を0.5から5.0%とすることで、ブレーキの鳴きや振動を低減すると共に、ブレーキレスポンスの性能に優れた摩擦材とすることができる。
繊維基材には、耐熱性有機繊維、無機繊維、金属繊維が例示される。耐熱性有機繊維には、芳香族ポリアミド繊維、耐炎性アクリル繊維が例示される。無機繊維には、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維等のセラミックス繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ロックウールが例示される。金属繊維には、銅繊維、スチール繊維が例示される。
結合材には、フェノール樹脂(ストレートフェノール樹脂、ゴム等による各種変性フェノール樹脂を含む)、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が例示される。
また、有機充填材には、摩擦調整材として、例えばゴムダストやカシューダスト等の有機摩擦調整材が例示される。なお、摩擦材は、摩擦調整材として、アルミナやシリカ、マグネシア、ジルコニア、酸化クロム、石英等の金属酸化物等の研削材や、銅やアルミニウム、亜鉛等の金属粒子、黒鉛や二硫化モリブデン等の固体潤滑材、マイカやバーミキュライト等の燐片状無機物、硫酸バリウムや炭酸カルシウム等の無機充填材等のうち、少なくとも何れか一つを含むようにしてもよい。
実施形態では、有機充填材として、カシューダストを用いる。カシューダストは、カシューダスト(ストレート)、カシューダストに対して、二トリルゴム(NBR)、フルフラール樹脂、リン酸、フラン樹脂、オイル、亜麻仁油のうち少なくとも何れか一つが加えられたカシューダストの変性種とすることができる。
実施形態に係る摩擦材において、有機充填材の周囲に形成される空隙は、その幅を0.1から5μmとしてもよい。空隙の幅を上記のようにすることで、ブレーキの鳴きをより低減すると共に、ブレーキレスポンスの性能に優れた充填材とすることができる。空隙の幅とは、有機充填材の周方向と直交する方向における長さである。
実施形態に係る摩擦材は、図4に示す製造工程を経ることで製造することができる。すなわち、実施形態に係る摩擦材の製造方法は、攪拌混合ステップ、予備成形ステップ、成形ステップ、熱処理ステップを備える。攪拌混合ステップ(ステップS11)では、摩擦材を構成する材料が攪拌・混合される。予備成形ステップ(ステップS12)では、混合された摩擦材が、第一の圧力で予備成形、換言すると仮成形される。第一の圧力は、例えば、10〜30MPa、好ましくは20MPaである。成形ステップ(ステップS13)では、予備成形された摩擦材が、第二の圧力及び第一の温度で成形される。換言すると、原材料とプレッシャプレートとが一体成形される。第二の圧力は、例えば、10〜60MPa、好ましくは40MPaである。第一の温度は、例えば140〜160℃、好ましくは150℃である。熱処理ステップ(ステップS14)では、成形された摩擦材が、第二の温度で、所定時間熱が加えられる。第二の温度は、例えば、200〜280℃、好ましくは250℃である。また、所定時間は、例えば、1〜3hr、好ましくは2hrである。
[実施例]
次に上述した実施形態に係る摩擦材について、実際に行った実験例に基づいて更に詳細に説明する。
次に上述した実施形態に係る摩擦材について、実際に行った実験例に基づいて更に詳細に説明する。
(製造条件)
表1、表2に、製造条件を示す。本実験では、実施例1から7の摩擦材と、比較例1から4の摩擦材を製造した。摩擦材の原料には、フェノール樹脂、ゴム粉、白雲母、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、黒鉛、酸化銅、珪酸ジルコニウム、セラミックス繊維、銅繊維、及びアラミド繊維が含まれる。有機充填材として、カシューダストを用い、更に、カシューダストとして、カシューダストのみのもの(ストレート)、フルフラールを加えた変性種(フルフラール変性)、低分子量タイプを用いた。配合量の詳細等については、表1、表2に示す。
表1、表2に、製造条件を示す。本実験では、実施例1から7の摩擦材と、比較例1から4の摩擦材を製造した。摩擦材の原料には、フェノール樹脂、ゴム粉、白雲母、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、黒鉛、酸化銅、珪酸ジルコニウム、セラミックス繊維、銅繊維、及びアラミド繊維が含まれる。有機充填材として、カシューダストを用い、更に、カシューダストとして、カシューダストのみのもの(ストレート)、フルフラールを加えた変性種(フルフラール変性)、低分子量タイプを用いた。配合量の詳細等については、表1、表2に示す。
まず、攪拌混合ステップにおいて、実施例1から7、及び比較例1から4の摩擦材(以下、各摩擦材ともいう)について、表1、表2に示す配合成分に従って十分に攪拌・混合した。次に、予備成形ステップにおいて、攪拌・混合された各摩擦材を、圧力:20MPa(第一の圧力)の条件下で予備成形した。次に、成形ステップでは、予備成形した各摩擦材を、圧力:40MPa(第二の圧力)及び温度:150℃(第一の温度)の条件下で加熱加圧成形した。次に、熱処理ステップでは、成形された各摩擦材を、温度:250℃(第二の温度)で、2時間(hr)熱を加えた。なお、上記以外の条件として、パッドの面積は40cm2、モールド厚は12mm、P/P(プレッシャプレート)厚は6mmとした。また、いずれのカシューダスト(ストレート、フルフラール変性、低分子量タイプ)も、平均粒径は180から250μmとした。平均粒径とは、湿式粒度計(レーザー式)にて粒度分布を測定したときの中央値である。
(空隙率)
熱処理ステップの終了後、成形された各摩擦材における空隙率を算出した。表3、表4は、空隙率の算出結果を示す。本実験では、摩擦材の全体空隙率(摩擦材全体における空隙率の割合)は、既存の水銀圧入法を用いて算出した。また、カシューダストの周囲に形成される空隙の空隙率及びその空隙率の幅は、本発明者らによって開発された特許文献4に記載の摩擦材の解析方法に関する技術を用いた。
熱処理ステップの終了後、成形された各摩擦材における空隙率を算出した。表3、表4は、空隙率の算出結果を示す。本実験では、摩擦材の全体空隙率(摩擦材全体における空隙率の割合)は、既存の水銀圧入法を用いて算出した。また、カシューダストの周囲に形成される空隙の空隙率及びその空隙率の幅は、本発明者らによって開発された特許文献4に記載の摩擦材の解析方法に関する技術を用いた。
次に、各試験結果について説明する。
(摩擦材圧縮変形試験結果)
実施例1から7、及び比較例1から4の摩擦材に対して、摩擦材圧縮変形試験を行った。摩擦材圧縮変形試験は、自動車部品−ブレーキライニング及びディスクブレーキパッド−圧縮ひずみ試験方法に関するJIS D4413に準じて行った。表5は、各摩擦材に対して行った、摩擦材圧縮変形試験の結果を示す。なお、表5における単位は、μm/パッド1枚である。ここで、図5Aは、表面温度30℃圧縮変形量測定結果を示し、図5Bは、表面温度300℃圧縮変形量測定結果を示す。実施例1から7の摩擦材は、何れもその圧縮変形量が許容値内であることが確認された。
実施例1から7、及び比較例1から4の摩擦材に対して、摩擦材圧縮変形試験を行った。摩擦材圧縮変形試験は、自動車部品−ブレーキライニング及びディスクブレーキパッド−圧縮ひずみ試験方法に関するJIS D4413に準じて行った。表5は、各摩擦材に対して行った、摩擦材圧縮変形試験の結果を示す。なお、表5における単位は、μm/パッド1枚である。ここで、図5Aは、表面温度30℃圧縮変形量測定結果を示し、図5Bは、表面温度300℃圧縮変形量測定結果を示す。実施例1から7の摩擦材は、何れもその圧縮変形量が許容値内であることが確認された。
(実車ペダルフィーリング官能試験結果)
実施例1から7、及び比較例1から4の摩擦材に対して、表6に示す車両条件にて、ペダルフィーリング官能試験を行った。
実施例1から7、及び比較例1から4の摩擦材に対して、表6に示す車両条件にて、ペダルフィーリング官能試験を行った。
表7、表8は、ペダルフィーリング官能試験結果を示す。表7、表8に示すように、実施例1から7の摩擦材は、何れも良好の結果が得られた。
(鳴き評価試験)
実施例1から7、及び比較例1から4の摩擦材に対して、鳴き評価試験を行った。鳴き評価試験は、フルサイズダイナモメータを20km/hの速度で回転させ、鳴き発生レベルと振動を測定した。鳴きの測定は、音圧レベルで行い、段階的に評価した。具体的には、鳴き発生レベル1から2を「◎」、鳴き発生レベル3を「○」、鳴き発生レベル4から5を「×」として評価した。また、振動測定は、実車にて40km/hの速度で走行し、減速度3.92m/s2における振動を段階的に官能評価した。具体的には、振動レベル1から2を「◎」、振動レベル3を「○」、振動レベル4から5を「×」として評価した。表9、表10は、鳴き評価試験の結果を示す。表9、表10に示すように、実施例1から7に係る摩擦材は、鳴きレベル及び振動レベルのいずれも良好な結果が得られた。フルサイズダイナモメータとは、実車と同様の条件(速度、圧力、風速、慣性)でブレーキ部品のみ(ナックル、ロータ、キャリパ、パッド)を試験できる装置である。簡易的な試験として、パッドをカットし、ロータやキャリパも縮小して、試験を行う方法も知られているが、本試験では、フルサイズ、すなわちカットを行っていない実際市場に流れている大きさのパッドを用い実際の道を想定して試験を行った。
実施例1から7、及び比較例1から4の摩擦材に対して、鳴き評価試験を行った。鳴き評価試験は、フルサイズダイナモメータを20km/hの速度で回転させ、鳴き発生レベルと振動を測定した。鳴きの測定は、音圧レベルで行い、段階的に評価した。具体的には、鳴き発生レベル1から2を「◎」、鳴き発生レベル3を「○」、鳴き発生レベル4から5を「×」として評価した。また、振動測定は、実車にて40km/hの速度で走行し、減速度3.92m/s2における振動を段階的に官能評価した。具体的には、振動レベル1から2を「◎」、振動レベル3を「○」、振動レベル4から5を「×」として評価した。表9、表10は、鳴き評価試験の結果を示す。表9、表10に示すように、実施例1から7に係る摩擦材は、鳴きレベル及び振動レベルのいずれも良好な結果が得られた。フルサイズダイナモメータとは、実車と同様の条件(速度、圧力、風速、慣性)でブレーキ部品のみ(ナックル、ロータ、キャリパ、パッド)を試験できる装置である。簡易的な試験として、パッドをカットし、ロータやキャリパも縮小して、試験を行う方法も知られているが、本試験では、フルサイズ、すなわちカットを行っていない実際市場に流れている大きさのパッドを用い実際の道を想定して試験を行った。
以上説明したように、実施形態に係る摩擦材は、摩擦材に含まれるカシューダストの有機充填材の体積、及び有機充填材の周囲に形成される空隙の体積を調整することで、ブレーキの鳴きが少なく、振動も少なく、更に、ブレーキレスポンスの性能に優れた摩擦材で
あることが確認された。
あることが確認された。
Claims (3)
- 繊維基材と、結合材と、充填材とを備える摩擦材であって、
前記充填材は、有機充填材を、前記摩擦材に対して、1から20体積%含み、前記有機充填材の周囲には、空隙が形成され、該空隙は、前記摩擦材に対して、0.5から5.0体積%である摩擦材。 - 前記有機充填材の周囲に形成される空隙は、その幅が0.1から5.0μmである、請求項1に記載の摩擦材。
- 前記有機充填材は、カシューダストである、請求項1又は2に記載の摩擦材。
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