JP6570167B2 - 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 - Google Patents

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本発明は、摩擦材組成物、これを用いた摩擦材および摩擦部材に関する。詳しくは、自動車などの制動に用いられるディスクブレーキパッドやブレーキライニングなどの摩擦材、特に制動時の負荷が大きいディスクブレーキパッドの摩擦材に適しており、銅の含有量が少ないため環境への負荷が少なく、かつ摩擦係数および耐摩耗性に優れた摩擦材組成物、さらに該摩擦材組成物を用いた摩擦材および摩擦部材に関する。なお、本発明の摩擦材組成物は、アスベストを実質的に含まない、いわゆるノンアスベスト摩擦材組成物に関するものである。
従来、自動車の制動装置として、ディスクブレーキ、ドラムブレーキが使用されており、その摩擦部材として、鋼鉄等の金属製のベース部材に摩擦材が貼り付けられたディスクブレーキパッド、ブレーキシューが使用されている。
摩擦材は、繊維基材としてスチール繊維を摩擦材組成物全量に対し30重量%以上60重量%未満含有するセミメタリック摩擦材、繊維基材の一部にスチール繊維を含みかつ、スチール繊維を摩擦材組成物全量に対し30重量%未満含有するロースチール摩擦材と、繊維基材としてスチール繊維およびステンレス繊維等のスチール系繊維を含まないNAO(Non−Asbestos−Organic)材に分類されている。
ブレーキノイズの発生が少ない摩擦材が求められている近年においては、スチール繊維とスチール系繊維を含まず、かつ、非鉄金属繊維、有機繊維、無機繊維などの繊維基材、熱硬化性樹脂等の結合材、有機充填材、無機充填材、無機研削材、潤滑剤および金属粒子などの摩擦調整材から成る、NAO材の摩擦材を使用した摩擦部材が広く使用されるようになってきている。(特許文献1)
また、環境への配慮から、重金属である銅を含有しない摩擦材が望まれるようになってきており、金属銅、銅合金、銅化合物等の銅成分を含まないNAO材の摩擦材が開発され始めている。
特開2004−10790号公報
NAO材の摩擦材において、銅成分、特に銅の繊維や粒子は、要求性能を満たすための必須成分として多量に添加されているが、NAO材の摩擦材から銅の繊維や粒子を除くことにより、これまでになかった様々な問題が顕在化してきている。
その問題の一つとして、高速・高負荷制動時における耐摩耗性の悪化と摩擦係数の低下という問題がある。銅はその熱伝導率の高さから摩擦材の放熱性の向上に寄与している。しかし、摩擦材に銅を添加しないと、高負荷時に摩擦材が蓄熱しやすくなり、結合材であるフェノール樹脂や繊維基材である有機繊維の熱分解が促進される。フェノール樹脂や有機繊維などの分解により、摩擦材の骨格強度の低下が起こり、急激な摩耗および摩擦係数の低下が起こる。
本発明は、河川、湖、および海洋などの汚染の原因となる可能性のある銅の含有量が少なくても、高速・高負荷制動時の摩擦係数および耐摩耗性に優れた摩擦材を与えることができる摩擦材組成物、さらに該摩擦材組成物を用いた摩擦材および摩擦部材を提供することを目的とする。
本発明者は、様々な検討の結果、下記構成の摩擦材とすることにより、上記課題が解決されることを見出した。すなわち本発明の摩擦材組成物は、結合剤、有機充填剤、無機充填剤、および繊維基材を含有するとともに、アスベストを実質的に含まない摩擦材組成物であって、該摩擦材組成物中の銅の含有量が銅元素として0.5質量%以下または含有せず、無機充填剤として、粒子径30μm以下の酸化ジルコニウムを35〜75質量%含有し、かつ、チタン酸塩を5〜30質量%含有するものとする。
本発明の摩擦材組成物においては、前記酸化ジルコニウムの量とチタン酸塩の量が合計で40〜80質量%であることが好ましい。また、前記無機充填剤として、アンチモンを含有しないことが好ましい。また、前記繊維基材として、鉄系繊維の含有量が5質量%以下または含有しないことが好ましい。
本発明の摩擦材は、上記の摩擦材組成物を成形してなるものである。また、本発明の摩擦部材は、上記摩擦材組成物を成形してなる摩擦材組成物と裏金とを用いて成型されるものである。
本発明の摩擦材組成物は、自動車用ディスクブレーキパッドやブレーキライニングなどの摩擦材に用いた際に、制動時に生成する摩耗粉中の銅が少ないことから環境への負荷が少なく、かつ高速・高負荷制動時に優れた摩擦係数および耐摩耗性を発現することができる。また、本発明の摩擦材組成物を用いることにより、上記特性を有する摩擦材および摩擦部材を提供できる。
以下、本発明の摩擦材組成物、これを用いた摩擦材および摩擦部材について詳述する。
[摩擦材組成物]
本発明の摩擦材組成物は、結合材、有機充填材、無機充填材、および繊維基材を含有するとともに、アスベストを実質的に含まない摩擦材組成物であって、該摩擦材組成物中の銅の含有量が銅元素として0.5質量%以下または含有しないことを第1の特徴とする。すなわち、銅を含有しない、あるいは銅を含有する場合であっても0.5質量%以下と極微量であるため、制動時に発生する摩耗粉によって、河川、湖、および海洋などが汚染される虞がないものである。
しかしながら、従来の摩擦材組成物から単に銅を除いただけでは、上記のように、高負荷時に摩擦材が蓄熱することで、結合材であるフェノール樹脂や繊維基材である有機繊維の熱分解が促進され、フェノール樹脂や有機繊維などが分解することにより、摩擦材の骨格強度が低下するとともに、急激な摩耗および摩擦係数の低下が起こることとなる。
このため、本発明の摩擦材組成物においては、無機充填剤として、粒子径30μm以下の酸化ジルコニウムを35〜75質量%含有し、かつ、チタン酸塩を5〜30質量%含有することで、強固な骨格を形成して、急激な摩耗や摩擦係数の低下を防止したことを第2の特徴とする。また、従来の銅を多量に含有する摩擦材組成物は、高速・高負荷制動時において、摩擦面が高温となることにより摩擦係数の低下が生じるが、本発明の摩擦材組成物は、高温下においても骨格が強固であるため、高速・高負荷制動時の摩擦係数の低下が生じ難いものとなる。
(酸化ジルコニウム)
摩擦材組成物中に含有させる酸化ジルコニウムは、硬く、かつ耐熱性が高いため、摩擦材の骨格として好適なものである。酸化ジルコニウムの含有量は35質量%以上とすることで、優れた摩擦係数、耐クラック性、および耐摩耗性が発現する。その一方で、75質量%を超えると、対面材(ディスクロータ)の攻撃性が増加することとなり、耐摩耗性が悪化することとなる。このため、酸化ジルコニウムの添加量を35〜75質量%とする。酸化ジルコニウムの含有量は、40〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがさらに好ましい。
また、酸化ジルコニウムの粒子径を30μm以下とすると、摩擦材中により均一に分散でき、耐摩耗性の悪化を避けることができる。酸化ジルコニウムの粒子径は、28μm以下であることが好ましく、26μm以下であることがより好ましい。
さらに、本発明の摩擦材組成物は、摩擦係数、および耐摩耗性の観点から、粒子径が30μmを超える酸化ジルコニウムを含有しない。ここでいう「粒子径が30μmを超える酸化ジルコニウムを含有しない」とは、本発明の摩擦材組成物中に含有される酸化ジルコニウムのうち、粒子径が30μmを超える酸化ジルコニウムの割合が1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下であることをいう。より好ましくは、粒子径が30μmを超える酸化ジルコニウムの含有量が0質量%であることである。上記酸化ジルコニウムの平均粒子径は、1〜15μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましい。酸化ジルコニウムの平均粒子径を1μm以上とすることで優れた摩擦係数、耐摩耗性が発現し、10μm以下とすることで、耐摩耗性の悪化を避けることができる。
なお、酸化ジルコニウムの粒子径および平均粒子径は、レーザー回折粒度分布測定などの方法を用いて測定することができる。例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えばLA・920(堀場製作所製)等)により測定することができる。
(チタン酸塩)
また、本発明摩擦材組成物においては、上記の酸化ジルコニウムとともに、チタン酸塩を必須成分として含有する。チタン酸塩は、酸化ジルコニウムとともに骨格を形成し、酸化ジルコニウムを補強して摩擦材の強化に寄与するとともに、対面材への攻撃性を低下させて、摩擦係数を安定化することに寄与する。チタン酸塩の含有量は、高温での耐摩耗性の向上および対面材攻撃性の低下の観点から、5〜30質量%とする。すなわち、チタン酸塩の含有量が5質量%未満の場合、耐摩耗性が悪化するとともに対面材への攻撃性が増加しやすい傾向がある。また、含有量が30質量%を超える場合、耐摩耗性の悪化および摩擦係数の低下、さらにメタルキャッチが生成しやすい傾向がある。チタン酸塩の含有量は、10〜25質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがより好ましい。
チタン酸塩としては、チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウム等を用いることができる。チタン酸カリウムとしては、例えば、KO・6TiO、KO・8TiO等が挙げられる。チタン酸リチウムカリウムとしては、例えば、チタン源とリチウム源とカリウム源とを混合して製造したK0.3−0.7Li0.27Ti1.733.8−3.95で表される組成のものなどが挙げられる。チタン酸マグネシウムカリウムとしては、例えば、チタン源とマグネシウム源とカリウム源とを混合して製造したK0.2−0.7Mg0.4Ti1.63.7−3.95で表される組成のものなどが挙げられる。
これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。中でも、高温での耐摩耗性をより向上させることから、チタン酸リチウムカリウム、チタン酸マグネシウムカリウムが好ましい。
チタン酸塩の形状としては、繊維状、柱状、板状、粒子状、鱗片状、アメーバ状または多孔質状のものを用いることができ、これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。前記形状の中でも、高温の耐摩耗性をより向上させるために、燐片状、柱状または板状のものを用いることが好ましい。チタン酸塩の形状は、例えば走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)観察から解析することができる。
また、平均粒子径が1〜50μm、比表面積が0.5〜10m/gのものが好ましい。なお、平均粒子径はメジアン径で表され、メジアン径とは、レーザー回折法の体積分布から求めた50%径を示す。また、比表面積は吸着ガスとして窒素ガスを用いたBET法等により求めることができる。
上記の酸化ジルコニウムとチタン酸塩は、酸化ジルコニウムの量とチタン酸塩の量との合計が40〜85質量%とすることが好ましい。すなわち、酸化ジルコニウムの量とチタン酸塩の量との合計量が40質量%以上で、優れた摩擦係数、耐クラック性、および耐摩耗性が発現するとともに、対面材攻撃性が低下し、特に、高速・高負荷制動時の摩擦係数が安定したものとなる。その一方で、酸化ジルコニウムの量とチタン酸塩の量との合計量が85質量%を超えると、他の結合材、有機充填材、および繊維基材の量が乏しくなり、摩擦材の強度がかえって低下するとともに、摩擦特性も悪化することとなる。
(結合剤)
結合材は、摩擦材組成物に含まれる有機充填材、無機充填材および繊維基材などを一体化し、強度を与えるものである。本発明の摩擦材組成物に含まれる結合材としては、通常、摩擦材の結合材として用いられる熱硬化性樹脂であれば特に制限なく用いることができる。上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂/アクリルエラストマー分散フェノール樹脂、シリコーンエラストマー分散フェノール樹脂等の各種エラストマー分散フェノール樹脂/アクリル変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂等の各種変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、良好な耐熱性、成形性および摩擦係数を与えることから、フェノール樹脂、アクリル変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂を用いることが好ましい。
本発明の摩擦材組成物中の上記結合材の含有量は、5〜20質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。結合材の含有量を5〜20質量%の範囲とすることで、摩擦材の強度低下をより抑制でき、また、摩擦材の気孔率が減少し、弾性率が高くなることによる鳴きなどの音振性能悪化をより抑制できる。
(有機充填材)
有機充填材は、摩擦材の音振性能や耐摩耗性などを向上させるための摩擦調整剤として含まれるものである。本発明の摩擦材組成物に含まれる有機充填材としては、上記性能を発揮できるものであれば特に制限はなく、通常、有機充填材として用いられる、カシューダストやゴム成分などを用いることができる。上記カシューダストは、カシューナッツシェルオイルを硬化させたものを粉砕して得られる、通常、摩擦材に用いられるものであればよい。上記ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、カシューダストとゴム成分とを併用してもよく、カシューダストをゴム成分で被覆したものを用いてもよい。有機充填材としては、音振性能の観点から、カシューダストとゴム成分とを併用することが好ましい。
本発明の摩擦材組成物中の上記有機充填材の含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが更に好ましい。有機充填材の含有量を1〜20質量%の範囲とすることで、摩擦材の弾性率が高くなること、鳴きなどの音振性能の悪化を避けることができ、また耐熱性の悪化、熱履歴による強度低下を避けることができる。また、カシューダストとゴム成分とを併用する場合、カシューダストとゴム成分との質量比(カシューダスト/ゴム成分)は、0.2〜10の範囲であることが好ましく、0.3〜5の範囲であることがより好ましい。
(無機充填材)
本発明の摩擦材組成物には、上記酸化ジルコニウムおよびチタン酸塩以外の無機充填材を組み合わせて用いることができる。該無機充填材としては、通常、摩擦材に用いられる無機充填材であれば特に制限はない。上記酸化ジルコニウムおよびチタン酸塩以外の無機充填材としては、例えば、硫化スズ、二硫化モリブデン、硫化鉄、硫化ビスマス、硫化亜鉛、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ドロマイト、コークス、酸化鉄、バーミキュライト、硫酸カルシウム、板状チタン酸カリウム、黒鉛、マイカ、タルク、クレー、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ムライト、クロマイト、酸化チタン、酸化マグネシウム、シリカ、γ−アルミナ等の活性アルミナなどが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。対面材への攻撃性低下の観点から、黒鉛、硫酸バリウムを含有することが好ましい。
しかしながら、摩擦材においては耐摩耗性向上のため無機充填材として硫化アンチモン等のアンチモン化合物を含有するものがあるが、本発明の摩擦材は、アンチモン化合物を含有せずとも高い耐摩耗性を示すこと、およびアンチモンは人体に対して毒性の疑いがあることから、含有しないことが好ましい。
本発明の摩擦材組成物中の上記無機充填材の含有量は、酸化ジルコニウムおよびチタン酸塩を含め、45〜85質量%であることが好ましく、55〜85質量%であることがより好ましく、60〜80質量%であることが更に好ましい。無機充填材の含有量を45〜85質量%の範囲とすることで、耐熱性の悪化を避けることができる。
(繊維基材)
繊維基材は、摩擦材において補強作用を示すものである。
本発明の摩擦材組成物に含まれる繊維基材としては、通常、繊維基材として用いられる、無機繊維、金属繊維、有機繊維、炭素系繊維等を用いることができ、これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、ここでいう繊維基材には上述したチタン酸塩の繊維状のものは含まれない。
上記無機繊維としては、セラミック繊維、生分解性セラミック繊維、鉱物繊維、ガラス繊維、シリケート繊維等を用いることができ、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、ここでいう鉱物繊維とは、スラグウール等の高炉スラグ、バサルトファイバー等の玄武岩、その他の天然岩石等を主成分として溶融紡糸した人造無機繊維であり、Al元素を含む天然鉱物であることがより好ましい。具体的には、SiO、Al、CaO、MgO、FeO、NaO等が含まれるもの、またはこれら化合物が1種または2種以上含有されるものを用いることができ、より好ましくはこれらのうちAl元素を含むものが、鉱物繊維として用いることができる。摩擦材組成物中に含まれる鉱物繊維全体の平均繊維長が大きくなるほど摩擦組成物中の各成分との接着強度が低下する傾向があるため、鉱物繊維全体の平均繊維長は500μm以下が好ましく、より好ましくは100〜400μmである。ここで、平均繊維長とは、該当する全ての繊維の長さの平均値を示した数平均繊維長のことをいう。例えば200μmの平均繊維長とは、摩擦材組成物原料として用いる鉱物繊維を無作為に50個選択し、光学顕微鏡で繊維長を測定し、その平均値が200μmであることを示す。
本発明で用いられる鉱物繊維は、人体有害性の観点で生体溶解性であることが好ましい。ここでいう生体溶解性の鉱物繊維とは、人体内に取り込まれた場合でも短時間で一部分解され体外に排出される特徴を有する鉱物繊維である。具体的には、化学組成がアルカリ酸化物、アルカリ土類酸化物総量(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの酸化物の総量)が18質量%以上で、かつ呼吸による短期バイオ永続試験で、20μm以上の繊維の質量半減期が40日以内または腹膜内試験で過度の発癌性の証拠がないかまたは長期呼吸試験で関連の病原性や腫瘍発生がないことを満たす繊維を示す(EU指令97/69/ECのNota Q(発癌性適用除外))。このような生体分解性鉱物繊維としては、SiO−Al−CaO−MgO−FeO−NaO系繊維等が挙げられ、SiO、Al、CaO、MgO、FeO、NaO等を任意の組み合わせで含有した繊維が挙げられる。市販品としてはLAPINUS FIBERS B.V製のRoxulシリーズなどが挙げられる。「Roxul」は、SiO、Al、CaO、MgO、FeO、NaO等が含まれる。
また、上記金属繊維として、摩擦係数向上、耐クラック性の観点から銅および銅合金以外の金属繊維を用いてもよいが、耐摩耗性の向上およびメタルキャッチ抑制の観点から含有量が5質量%以下であることを要する。好ましくは、摩擦係数の向上の割には耐摩耗性の悪化およびメタルキャッチの発生がしやすいため、銅および銅合金以外の金属繊維を含有しないこと(含有量0質量%)である。
銅および銅合金以外の金属繊維としては、例えば、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、チタン、ニッケル、マグネシウム、シリコン等の金属単体または合金形態の繊維や、鋳鉄繊維等の金属を主成分とする繊維が挙げられ、これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記有機繊維としては、アラミド繊維、セルロース繊維、PBO繊維、アクリル繊維、フェノール樹脂繊維(架橋構造を有する)等を用いることができ、これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができ、耐摩耗性の観点からアラミド繊維を用いることが好ましい。
上記炭素系繊維としては、耐炎化繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、活性炭繊維等を用いることができ、これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の摩擦材組成物における繊維基材の含有量は、5〜40質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましく、5〜18質量%であることがさらに好ましい。繊維基材の含有量を5〜40質量%の範囲とすることで、摩擦材としての最適な気孔率が得られ、鳴き防止ができ、適正な材料強度が得られ、耐摩耗性を発現し、成形性をよくすることができる。
しかしながら、鉄系繊維は、多量に添加することで対面材への攻撃性が増加することから、本発明の摩擦材組成物においては、鉄系繊維の含有量が5質量%以下、または鉄系繊維を含有しないことが好ましい。
(その他の材料)
本発明の摩擦材組成物は、前記の結合材、有機充填材、無機充填材、繊維基材以外に、必要に応じてその他の材料を配合することができる。
例えば、耐摩耗性の観点から、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系ポリマー等の有機添加剤等を配合することができる。
[摩擦材および摩擦部材]
また、本発明は、上述の摩擦材組成物を用いた摩擦材および摩擦部材を提供する。
本発明の摩擦材組成物は、これを成形することにより、自動車等のディスクブレーキパッドやブレーキライニング等の摩擦材として使用することができる。本発明の摩擦材は高速・高負荷での摩擦係数維持・耐摩耗性に優れるため、制動時に負荷の大きいディスクブレーキパッドの摩擦材に好適である。
さらに、上記摩擦材を用いることにより、該摩擦材を摩擦面となるように形成した摩擦部材を得ることができる。摩擦材を用いて形成することができる摩擦部材としては、例えば、下記の構成等が挙げられる。
(1)摩擦材のみの構成。
(2)裏金と、該裏金の上に摩擦面となる本発明の摩擦材組成物からなる摩擦材とを有する構成。
(3)上記(2)の構成において、裏金と摩擦材との間に、裏金の接着効果を高めるための表面改質を目的としたプライマー層、および、裏金と摩擦材との接着を目的とした接着層をさらに介在させた構成。
上記裏金は、摩擦部材の機械的強度の向上のために、通常、摩擦部材として用いるものであり、材質としては、金属または繊維強化プラスチック等を用いることができ、例えば、鉄、ステンレス、無機繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック等が挙げられる。プライマー層および接着層としては、通常、ブレーキシュー等の摩擦部材に用いられるものであればよい。
本発明の摩擦材は、一般に使用されている方法を用いて製造することができ、本発明の摩擦材組成物を成形して、好ましくは加熱加圧成形して製造される。
具体的には、本発明の摩擦材組成物を、レディーゲミキサー、加圧ニーダー、アイリッヒミキサー等の混合機を用いて均一に混合し、この混合物を成形金型にて予備成形し、得られた予備成形物を成形温度130℃〜160℃、成形圧力20〜50MPaの条件で2〜10分間で成形し、得られた成形物を150〜250℃で2〜10時間熱処理する。必要に応じて塗装、スコーチ処理、研磨処理を行うことによって摩擦材を製造することができる。
本発明の摩擦材組成物は、高速・高負荷での摩擦係数維持・耐摩耗性などに優れるため、ディスクブレーキパッドやブレーキライニング等の摩擦部材の「上張り材」として有用であり、さらに摩擦部材の「下張り材」として成形して用いることもできる。
なお、「上張り材」とは、摩擦部材の摩擦面となる摩擦材であり、「下張り材」とは、
摩擦部材の摩擦面となる摩擦材と裏金との間に介在する、摩擦材と裏金との接着部付近の剪断強度、耐クラック性向上を目的とした層のことである。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明によって何ら制限を受けるものではない。
本実施例における評価は表1に示す方法で行い、記載の評価基準に従って結果を評価した。
Figure 0006570167
なお、上記試験は、ダイナモメータを用い、イナーシャ7kgf・m・sで評価を行った。また、ベンチレーテッドディスクロータ(株式会社キリウ製、材質FC190)、一般的なピンスライド式のコレットタイプのキャリパを用いて実施した。
[実施例1〜10および比較例1〜5]
ディスクブレーキパッドの作製
表2および表3に示す配合比率に従って材料を配合し、実施例および比較例の摩擦材組成物を得た。なお、表2および表3の各成分の配合量の単位は、摩擦材組成物中の質量%である。この摩擦材組成物をレディーゲミキサー(株式会社マツボー社製、商品名:レディーゲミキサーM20)で混合し、この混合物を成形プレス(王子機械工業株式会社製)で予備成形し、得られた予備成形物を成形温度150℃、成形圧力30MPaの条件で5分間成形プレス(三起精工株式会社製)を用いて日立オートモティブシステムズ株式会社製の裏金と共に加熱加圧成形し、得られた成形品を200℃で4.5時間熱処理し、ロータリー研磨機を用いて研磨し、500℃のスコーチ処理を行って、ディスクブレーキパッド(摩擦材の厚さ11mm、摩擦材投影面積52cm)を得た。作製したディスクブレーキパッドについて、前記の評価を行った結果を表2および表3に示す。
なお、実施例および比較例において使用した各種材料は次のとおりである。
・チタン酸塩1:大塚化学株式会社製(商品名:テラセスL)
成分:チタン酸リチウムカリウム、形状:燐片状
メジアン径:25μm、比表面積:0.6m/g
・チタン酸塩2:大塚化学株式会社製(商品名:テラセスJP)
成分:チタン酸カリウム、形状:アメーバ状
メジアン径:10μm、比表面積:7.5m/g
・チタン酸塩3:大塚化学株式会社製(商品名:テラセスTF−S)
成分:チタン酸カリウム、形状 :燐片状
メジアン径:7μm、比表面積:3.5m/g
・チタン酸塩4:株式会社クボタ製(商品名:TXAX−MA)
成分:チタン酸カリウム、形状:板状
比表面積:1.5m/g
・チタン酸塩5:東邦マテリアル株式会社製(商品名:TOFIX−S)
成分:チタン酸カリウム、形状:柱状
メジアン径:6μm、比表面積:0.9m/g
・酸化ジルコニウム1:第一稀元素化学工業株式会社製(商品名:BR−3QZ)
平均粒子径2.0μm、最大粒子径15μm
・酸化ジルコニウム2:第一稀元素化学工業株式会社製 (商品名:BR−QZ)
平均粒子径6.5μm、最大粒子径26μm
・酸化ジルコニウム3:第一稀元素化学工業株式会社製(商品名:BR−12QZ)
平均粒子径8.5μm、最大粒子径45μm
Figure 0006570167
Figure 0006570167
酸化ジルコニウムを35〜75質量%、チタン酸塩を5〜30%含有する実施例1〜10は、フェードμを維持しながらパッドおよびロータ摩耗が目標レベル以上となっている。比較例1〜5から、酸化ジルコニウムの粒子径と量、チタン酸塩の量が請求の範囲から外れることで、μレベル低下やパッド、ロータ摩耗の悪化により、特性の両立ができていなくなることが分かる。
本発明の摩擦材組成物は、従来品と比較して制動時に発生する摩耗粉中の銅やアンチモンの含有量が極めて少ないことから環境汚染が少なく、かつ優れた高負荷での摩擦係数や耐摩耗性を発現できるため、自動車のブレーキパッドやブレーキライニングなどの摩擦材および摩擦部材に有用である。

Claims (7)

  1. 結合剤、有機充填剤、無機充填剤、および繊維基材を含有するとともに、アスベストを実質的に含まない摩擦材組成物であって、
    該摩擦材組成物中の銅の含有量が銅元素として0.5質量%以下、または含有せず、
    無機充填剤として、粒子径30μm以下の酸化ジルコニウムを35〜75質量%含有し、かつ、
    チタン酸塩を5〜30質量%含有することを特徴とする摩擦材組成物。
  2. 前記酸化ジルコニウムの量とチタン酸塩の量が合計で40〜80質量%である請求項1に記載の摩擦材組成物。
  3. 前記無機充填剤として、アンチモンを含有しない請求項1または2に記載の摩擦材組成物。
  4. 前記繊維基材として、鉄系繊維の含有量が5質量%以下または含有しない請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦材組成物。
  5. 前記チタン酸塩の形状が、繊維状、柱状、板状、粒子状、鱗片状、アメーバ状又は多孔質状である、請求項1〜4のいずれかに記載の摩擦材組成物。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の摩擦材組成物を成形してなるノンアスベスト摩擦材組成物。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材組成物と裏金とを用いて成型される摩擦部材。
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