JP6596956B2 - 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 - Google Patents
摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6596956B2 JP6596956B2 JP2015119449A JP2015119449A JP6596956B2 JP 6596956 B2 JP6596956 B2 JP 6596956B2 JP 2015119449 A JP2015119449 A JP 2015119449A JP 2015119449 A JP2015119449 A JP 2015119449A JP 6596956 B2 JP6596956 B2 JP 6596956B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- friction material
- friction
- material composition
- mass
- fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Braking Arrangements (AREA)
Description
本発明の摩擦材組成物は、結合剤、有機充填剤、無機充填剤、および繊維基材を含有する摩擦材組成物であって、該摩擦材組成物中の銅の含有量が銅元素として0.5質量%以下または含有せず、無機充填剤として、融点2000℃以上、ビッカース硬度500〜1500、かつ平均粒子径15〜50μmの粒子を1〜50質量%含有するとともに、チタン酸塩を5〜30質量%含有すること特徴とする。上記構成により、本発明のノンアスベスト摩擦材組成物を用いた摩擦材および摩擦部材は、従来品と比較して制動時に生成する摩耗粉中の銅が極めて少ないから環境への負荷が少なく、かつ高速・高負荷制動時に優れた摩擦係数および耐摩耗性を発現する。
無機充填剤は、摩擦材の耐熱性悪化を避けるための摩擦調整剤として含まれるものであり、本発明において無機充填剤としてチタン酸塩および融点2000℃以上、ビッカース硬度500〜1500、かつ平均粒子径15〜50μmの粒子(以下、大粒径耐熱無機粒子)を必須とする。
結合剤は、摩擦材組成物に含まれる有機充填剤、無機充填剤および繊維基材などを一体化し、強度を与えるものである。本発明の摩擦材組成物に含まれる結合剤としては、通常、摩擦材の結合剤として用いられる熱硬化性樹脂であれば特に制限なく用いることができる。上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂/アクリルエラストマー分散フェノール樹脂、シリコーンエラストマー分散フェノール樹脂等の各種エラストマー分散フェノール樹脂/アクリル変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、カシュー変性フェノール樹脂、エポキシ変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂等の各種変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、良好な耐熱性、成形性および摩擦係数を与えることから、フェノール樹脂、アクリル変性フェノール樹脂、シリコーン変性フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂を用いることが好ましい。
有機充填剤は、摩擦材の音振性能や耐摩耗性などを向上させるための摩擦調整剤として含まれるものである。本発明の摩擦材組成物に含まれる有機充填剤としては、上記性能を発揮できるものであれば特に制限はなく、通常、有機充填剤として用いられる、カシューダストやゴム成分などを用いることができる。上記カシューダストは、カシューナッツシェルオイルを硬化させたものを粉砕して得られる、通常、摩擦材に用いられるものであればよい。上記ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、カシューダストとゴム成分とを併用してもよく、カシューダストをゴム成分で被覆したものを用いてもよい。有機充填剤としては、音振性能の観点から、カシューダストとゴム成分とを併用することが好ましい。
繊維基材は、摩擦材において補強作用を示すものである。
本発明の摩擦材組成物に含まれる繊維基材としては、通常、繊維基材として用いられる、無機繊維、金属繊維、有機繊維、炭素系繊維等を用いることができ、これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、ここでいう繊維基材には上述したチタン酸塩の繊維状のものは含まれない。
ことがさらに好ましい。繊維基材の含有量を5〜40質量%の範囲とすることで、摩擦材としての最適な気孔率が得られ、鳴き防止ができ、適正な材料強度が得られ、耐摩耗性を発現し、成形性をよくすることができる。
本発明の摩擦材組成物は、前記の結合剤、有機充填剤、無機充填剤、繊維基材以外に、必要に応じてその他の材料を配合することができる。
例えば、耐摩耗性の観点から、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系ポリマー等の有機添加剤等を配合することができる。
また、本発明は、上述の摩擦材組成物を用いた摩擦材および摩擦部材を提供する。
さらに、上記摩擦材を用いることにより、該摩擦材を摩擦面となるように形成した摩擦部材を得ることができる。摩擦材を用いて形成することができる摩擦部材としては、例えば、下記の構成等が挙げられる。
(1)摩擦材のみの構成。
(2)裏金と、該裏金の上に摩擦面となる本発明の摩擦材組成物からなる摩擦材とを有する構成。
(3)上記(2)の構成において、裏金と摩擦材との間に、裏金の接着効果を高めるための表面改質を目的としたプライマー層、および、裏金と摩擦材との接着を目的とした接着層をさらに介在させた構成。
具体的には、本発明の摩擦材組成物を、レディーゲミキサー、加圧ニーダー、アイリッヒミキサー等の混合機を用いて均一に混合し、この混合物を成形金型にて予備成形し、得られた予備成形物を成形温度130℃〜160℃、成形圧力20〜50MPaの条件で2〜10分間で成形し、得られた成形物を150〜250℃で2〜10時間熱処理する。必要に応じて塗装、スコーチ処理、研磨処理を行うことによって摩擦材を製造することができる。
摩擦部材の摩擦面となる摩擦材と裏金との間に介在する、摩擦材と裏金との接着部付近の剪断強度、耐クラック性向上を目的とした層のことである。
(ディスクブレーキパッドの作製)
表2および表3に示す配合比率にしたがって材料を配合し、実施例および比較例の摩擦材組成物を得た。なお、表2および表3の各成分の配合量の単位は、摩擦材組成物中の質量%である。
Claims (6)
- 結合剤、有機充填剤、無機充填剤、および繊維基材を含有する摩擦材組成物であって、
該摩擦材組成物中の銅の含有量が銅元素として0.5質量%以下または含有せず、
前記繊維基材として、鉄系繊維の含有量が5質量%以下または含有せず、
無機充填剤として、融点2000℃以上、ビッカース硬度500〜1500、かつ平均粒子径15〜50μmの粒子を25〜50質量%含有するとともに、
チタン酸塩を5〜30質量%含有する摩擦材組成物。 - 前記無機充填剤として、アンチモンを含有しない請求項1に記載の摩擦材組成物。
- 前記粒子の平均粒子径が25〜50μmである、請求項1又は2に記載の摩擦材組成物。
- 前記粒子が、ジルコニア、酸化マグネシウム又はジルコンサンドである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩擦材組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の摩擦材組成物を成形してなる摩擦材組成物と裏金とを用いて成形される摩擦部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015119449A JP6596956B2 (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015119449A JP6596956B2 (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017002230A JP2017002230A (ja) | 2017-01-05 |
JP6596956B2 true JP6596956B2 (ja) | 2019-10-30 |
Family
ID=57751521
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015119449A Expired - Fee Related JP6596956B2 (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6596956B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10233988B2 (en) | 2015-09-23 | 2019-03-19 | Akebono Brake Industry Co., Ltd | Friction material |
US20220275264A1 (en) * | 2019-07-18 | 2022-09-01 | Nisshinbo Brake, Inc. | Friction material composition, friction material, and disc brake pad |
EP4166623A4 (en) * | 2020-06-16 | 2024-07-10 | Nisshinbo Brake Inc | FRICTION PAIRING |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014159871A (ja) * | 2013-01-23 | 2014-09-04 | Nisshinbo Brake Inc | 摩擦材 |
JP5753561B2 (ja) * | 2013-09-17 | 2015-07-22 | 日清紡ブレーキ株式会社 | 摩擦材 |
JP6208505B2 (ja) * | 2013-09-17 | 2017-10-04 | 曙ブレーキ工業株式会社 | 摩擦材 |
JPWO2016060129A1 (ja) * | 2014-10-14 | 2017-07-27 | 日本ブレーキ工業株式会社 | 摩擦材組成物、摩擦材および摩擦部材 |
-
2015
- 2015-06-12 JP JP2015119449A patent/JP6596956B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017002230A (ja) | 2017-01-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6558465B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP6226042B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP5051330B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP5970749B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物 | |
JP5071604B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP6281755B1 (ja) | 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 | |
JP5057000B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP5790175B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物 | |
WO2012066963A1 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP5895367B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物 | |
JP5263454B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP5895366B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物 | |
JP6596956B2 (ja) | 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 | |
JP6570167B2 (ja) | 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 | |
JP5958623B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物 | |
JP5958624B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物 | |
JP6699785B2 (ja) | 摩擦材及び摩擦部材 | |
JP6531807B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物 | |
JP6233461B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物 | |
JP2020117726A (ja) | 摩擦材及び摩擦部材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180528 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190313 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190418 |
|
A603 | Late request for extension of time limit during examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A603 Effective date: 20190628 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20190628 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190813 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190903 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190916 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6596956 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |