JP2000290290A - 1,2;5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−α−D−ガラクトフラノース - Google Patents

1,2;5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−α−D−ガラクトフラノース

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JP2000290290A
JP2000290290A JP10130299A JP10130299A JP2000290290A JP 2000290290 A JP2000290290 A JP 2000290290A JP 10130299 A JP10130299 A JP 10130299A JP 10130299 A JP10130299 A JP 10130299A JP 2000290290 A JP2000290290 A JP 2000290290A
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JP
Japan
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galactose
reaction
amount
cyclohexylidene
galactofuranose
Prior art date
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JP10130299A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Orui
洋 大類
Akira Fujita
藤田  明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブタの臓器をヒトに移植する際の抗原−抗体
反応における抗原であるD−ガラクトシル−α−1,3
−ガラクトースを工業的に有利な化学的合成法により大
量に且つ廉価に製造することのできる中間体を提供する
こと。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 で表される1,2;5,6−ジ−O−シクロヘキシリデ
ン−α−D−ガラクトフラノース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブタの臓器細胞表
層に存在するD−ガラクトシル−α−1,3−ガラクト
ースの合成原料として有用な新規化合物に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明は、ブタの臓器を
ヒトに移植する際の抗原−抗体反応(拒絶反応)におけ
る抗原であるD−ガラクトシル−α−1,3−ガラクト
ースの重要な合成原料として、更には、その他の化学修
飾用原料としても有用な1,2;5,6−ジ−O−シク
ロヘキシリデン−α−D−ガラクトフラノースに関す
る。
【0003】
【従来の技術】現在、異種の臓器(例えば、ミニブタ)
をヒトに移植する研究が盛んに行われている。異種臓器
の移植の問題点は免疫反応を如何に抑制するかであり、
ミニブタの場合も、この免疫反応の抗原物質であるD−
ガラクトシル−α−1,3−ガラクトースに対する抗体
をヒトがあらかじめ多量に保有していることから、臓器
移植の際の免疫反応抑制を困難にしているのが現状であ
る。そこで、人体にこのD−ガラクトシル−α−1,3
−ガラクトースを大量に投与して体内の抗体を中和する
方法が研究され、かなり有効な手段となっている。その
ため、D−ガラクトシル−α−1,3−ガラクトースの
合成方法が種々検討されているが、現在のところ化学的
合成法ではガラクトースの3−位のみをフリーとするた
めの適当な方法が見出されておらず、もっぱらパラニト
ロフェニル−α−ガラクトシドを用いる酵素合成が行わ
れている。しかし、この酵素合成ではD−ガラクトシル
−α−1,3−ガラクトースを大量に合成することは難
しく、また、酵素も高価である等の問題があり好ましい
方法とは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように酵素合成
法では、D−ガラクトシル−α−1,3−ガラクトース
を大量に且つ廉価に製造することは困難であるので、工
業的に有利な化学的合成法により製造する方法が求めら
れていた。
【0005】従って、本発明の目的はD−ガラクトシル
−α−1,3−ガラクトースを製造するための合成原料
として有用なガラクトースの3−位がフリーである誘導
体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
如き課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、今回、D
−ガラクトースにp−トルエンスルホン酸ピリジン塩の
存在下でシクロヘキサノンを反応させるという1段階の
簡単な反応で、高収率で、極めて有利にガラクトースの
3−位がフリーの誘導体である下記式(1)
【0007】
【化2】 で表される1,2;5,6−ジ−O−シクロヘキシリデ
ン−α−D−ガラクトフラノースを得ることができ、更
に、それをグリコシル化することにより、容易に、D−
ガラクトシル−α−1,3−ガラクトースを得ることが
できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】かくして、本発明は、D−ガラクトシル−
α−1,3−ガラクトースを工業的に有利な化学合成法
により大量に且つ廉価に製造することのできる中間体と
して有用な上記式(1)の1,2;5,6−ジ−O−シ
クロヘキシリデン−α−D−ガラクトフラノースを提供
するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の上記式(1)化合物は、
例えば、D−ガラクトースを出発原料として、下記反応
式(A)に従い容易に合成することができる。
【0010】反応式(A)
【0011】
【化3】 以下、反応式(A)について、さらに詳細に説明する。
【0012】D−ガラクトースからの上記式(1)の
1,2;5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−α−D
−ガラクトフラノースの合成は、例えば、D−ガラクト
ースをp−トルエンスルホン酸ピリジン塩の存在下にシ
クロヘキサノンと反応させることにより行うことができ
る。
【0013】出発原料のD−ガラクトースとしては、化
学合成されたもの、酵素反応により製造されたものまた
は天然物から得られるもののいずれも使用可能である。
【0014】この反応においてD−ガラクトースと反応
せしめられるシクロヘキサノンは市場で入手できるもの
をそのまま使用することができ、純度などに特に制約は
ない。その使用量は、D−ガラクトースに対して重量
で、一般に約2〜約50モル倍量、好ましくは約5〜約
25モル倍量の範囲内とすることができる。
【0015】また、この反応で触媒として使用するp−
トルエンスルホン酸ピリジン塩の使用量には特別の制限
はないが、通常、D−ガラクトースに対して重量で、
0.01〜0.08倍量の範囲内が適当である。
【0016】反応は、通常、有機溶媒の存在下または不
存在下、好ましくは有機溶媒の存在下に、約70℃〜約
150℃の温度で、30分〜24時間攪拌しながら行う
ことができる。ここで使用しうる有機溶媒としては、例
えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等が挙げら
れ、その使用量は、D−ガラクトースに対して重量で、
通常、5〜50倍量とすることができる。
【0017】反応終了後の反応液中には、副生成物とし
て、通常、上記式(2)で表される1,2;3,4−ジ
−O−シクロヘキシリデン−α−D−ガラクトピラノー
スが存在するので、カラムクロマトグラフィー法などの
精製手段により分画、精製することにより、高純度で上
記式(1)で表される1,2;5,6−ジ−O−シクロ
ヘキシリデン−α−D−ガラクトフラノースを得ること
ができる。
【0018】このようにして得られる上記式(1)で表
される1,2;5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−
α−D−ガラクトフラノースは、ガラクトースの3−位
がフリーになっているので、グリコシル化により容易に
D−ガラクトシル−α−1,3−ガラクトースとするこ
とができる。また、式(1)で表される1,2;5,6
−ジ−O−シクロヘキシリデン−α−D−ガラクトフラ
ノースは各種の糖鎖合成における化学修飾用原料として
も有用である。
【0019】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。
【0020】実施例1 ジムロート付きの三口フラスコにD−ガラクトース1.
5g(8.4mmol)、ジメチルホルムアミド20m
lおよびシクロヘキサノン20mlを入れ、120℃で
加熱しD−ガラクトースが完全に溶けた段階(約30
分)でトルエン50mlを加え1時間還流脱水する。さ
らにp−トルエンスルホン酸ピリジン塩100mgを加
え、1夜還流脱水後、トルエンを留去し、反応液をクロ
ロホルム/飽和重曹水で分配し、クロロホルム層を乾燥
し、減圧下濃縮する。残った茶色のシラップをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=
4:1)にかけ、黄色の粗結晶2.5gを得た。シクロ
ヘキサンにより再結し無色結晶2.30g(収率80
%)を得た。
【0021】分析値 m.p.:108〜110℃ [α]D:−15.0°(c=1.15,クロロホル
ム)1 H−NMR(δppm,CDCl3):5.85(d,
1H,H−1,J=4.12Hz),4.44(dd,
1H,H−2),4.34(dd,1H,H−6),
4.16(m,1H,H−3),4.06(ddd,1
H,H−5),3.89−3.83(m,2H,H−
4,H−6’),1.98(1H,OH),1.87−
1.38(m,20H,シクロヘキサン環プロトン)13 C−NMR(δppm,CDCl3):23.63,
23.73,23.79,23.92,24.82,2
5.08,34.64,36.04,36.11,3
6.98,65.26,74.71,76.21,8
5.42,87.24,104.37,110.40,
114.49
【0022】
【発明の効果】本発明の化合物により、ブタの臓器をヒ
トに移植する際の抗原−抗体反応における抗原であるD
−ガラクトシル−α−1,3−ガラクトースを大量に合
成することが可能になり、将来の臓器移植に新たな展望
が開かれる。また、本発明の化合物は、その他の化学修
飾用原料として、広範囲の分野に有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 で表される、1,2;5,6−ジ−O−シクロヘキシリ
    デン−α−D−ガラクトフラノース。
JP10130299A 1999-04-08 1999-04-08 1,2;5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−α−D−ガラクトフラノース Pending JP2000290290A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111393275A (zh) * 2020-04-28 2020-07-10 上海现代哈森(商丘)药业有限公司 中间体法尼基丙酮的合成方法以及用其合成植物醇、异植物醇和香叶基香叶醇的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111393275A (zh) * 2020-04-28 2020-07-10 上海现代哈森(商丘)药业有限公司 中间体法尼基丙酮的合成方法以及用其合成植物醇、异植物醇和香叶基香叶醇的方法
CN111393275B (zh) * 2020-04-28 2023-08-04 上海现代哈森(商丘)药业有限公司 中间体法尼基丙酮的合成方法以及用其合成植物醇、异植物醇和香叶基香叶醇的方法

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