JP2000289640A - タイロッド調整装置 - Google Patents

タイロッド調整装置

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JP2000289640A
JP2000289640A JP11102546A JP10254699A JP2000289640A JP 2000289640 A JP2000289640 A JP 2000289640A JP 11102546 A JP11102546 A JP 11102546A JP 10254699 A JP10254699 A JP 10254699A JP 2000289640 A JP2000289640 A JP 2000289640A
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孝男 柴山
Atsushi Osada
篤 長田
Masaru Maruo
勝 丸尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇降動するキャリッジ3上に、自動車の前輪
Wを操舵するステアリング機構用のタイロッドCを調整
するオープンエンドレンチ5を、4軸の自由度を持つ支
持機構4により、自動車の車幅方向と車長方向とに移動
自在、車幅方向に傾動自在、オープンエンドレンチの長
手方向の軸線(U軸)回りに傾動自在に支持するタイロ
ッド調整装置において、タイロッドCに対するオープン
エンドレンチ5の位置決め作業を容易にする。 【解決手段】 支持機構4の車幅方向の傾動部材40
を、オープンエンドレンチ5の先端部を中心にした円弧
状のガイドレール400に支持する。ガイドレール40
0に沿った傾動部材40の円弧運動でオープンエンドレ
ンチ5を、その先端部を車幅方向に変位させずに、車幅
方向に傾動自在とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のステアリ
ング機構に組込まれたタイロッドを、先端にタイロッド
に係合する回転部を有するオープンエンドレンチを用い
て調整するタイロッド調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のステアリング機構には、図10
に示す如く、ハンドルに連動するリレーロッドAの動き
を車輪を軸支するナックルアームBに伝達するタイロッ
ドCが組込まれている。タイロッドCは、リレーロッド
AにボールジョイントA1を介して連結されるロッド本
体C1と、ナックルアームBにボールジョイントB1を
介して連結されるロッドエンドC2とで構成されてお
り、ロッド本体C1の端部をロッドエンドC2にねじ込
み、このねじ込み深さを変えることでタイロッドCの長
さを調整して、車輪のトー調整を行い得られるようにし
ている。図中C3はロッド本体C1に形成した工具係合
部、C4はロッド本体C1を回り止めするロックナット
である。
【0003】従来、このようなタイロッドの調整をオー
プンエンドレンチを用いて行う装置として特開平1−2
89770号公報に記載のものが知られている。この装
置は、定位置に停止された自動車の下方からタイロッド
に向けてオープンエンドレンチを昇降させるキャリッジ
を備え、キャリッジ上に、4軸の自由度を持つ支持機構
を介して、オープンエンドレンチを、自動車の車幅方向
と車長方向とに移動自在、車幅方向に傾動自在、オープ
ンエンドレンチの長手方向の軸線回りに回動自在に支持
している。
【0004】これによれば、タイロッドの車幅方向及び
車長方向の位置ずれに合わせてオープンエンドレンチを
車幅方向及び車長方向に移動し、更に、タイロッドの車
長方向の傾きに合わせてオープンエンドレンチを上下方
向の軸線回りに回動すると共に、タイロッドの上下方向
の傾きに合わせてオープンエンドレンチを車幅方向に傾
動することにより、オープンエンドレンチの先端の回転
部をその回転軸線がタイロッドの軸線に合致するように
タイロッドに係合させ、回転部の回転でタイロッドを回
転させてその長さを調整することができる。
【0005】また、このものでは、支持機構の車幅方向
の傾動部材を、オープンエンドレンチより下方の支軸を
中心にしてオープンエンドレンチを車幅方向に傾動自在
とするように構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例のもので
は、傾動部材の動きでオープンエンドレンチを車幅方向
に傾動させたとき、オープンエンドレンチの先端が車幅
方向に大きく変位し、この変位を補正するためにオープ
ンエンドレンチを車幅方向に大きく移動することが必要
になり、タイロッドに対するオープンエンドレンチの位
置決め作業が面倒になる不具合がある。
【0007】本発明は、以上の点に鑑み、タイロッドに
対しオープンエンドレンチを容易に位置決めし得るよう
にしたタイロッド調整装置を提供することを課題として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、自動車のステアリング機構に組込まれたタイ
ロッドを、先端にタイロッドに係合する回転部を有する
オープンエンドレンチを用いて調整するタイロッド調整
装置であって、定位置に停止された自動車の下方からタ
イロッドに向けてオープンエンドレンチを昇降させるキ
ャリッジを備え、キャリッジ上に、4軸の自由度を持つ
支持機構を介して、オープンエンドレンチを、自動車の
車幅方向と車長方向とに移動自在、車幅方向に傾動自
在、オープンエンドレンチの長手方向の軸線回りに回動
自在に支持するものにおいて、支持機構の車幅方向の傾
動部材を、オープンエンドレンチの先端部を中心にした
円弧運動でオープンエンドレンチを車幅方向に傾動自在
とするように構成している。
【0009】本発明によれば、傾動部材の動きでオープ
ンエンドレンチを車幅方向に傾動させても、オープンエ
ンドレンチの先端部は車幅方向に変位しない。かくて、
車幅方向の傾動操作に伴う車幅方向変位の補正操作が不
要となり、タイロッドに対するオープンエンドレンチの
位置決め作業が容易になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2に示す如く、
前輪Wのかなり高位置にタイロッドCを配置するハイマ
ウントラック型自動車に好適なタイロッド調整装置に本
発明を適用した実施形態について説明する。
【0011】タイロッド調整装置は、前輪Wを乗せるロ
ーラ1を設けた調整ステーションのピット内のガイド枠
2に沿って昇降されるキャリッジ3を備えており、キャ
リッジ3上に、4軸の自由度を持つ支持機構4を介して
オープンエンドレンチ5を支持している。
【0012】オープンエンドレンチ5は、図3に示す如
く、レンチ本体50の先端に、タイロッドCの工具係合
部C3に係合してロッド本体C1を回転する第1回転部
51と、タイロッドCのロックナットC4に係合してロ
ックナットC4を締付ける第2回転部52とを有する双
頭式レンチで構成されている。
【0013】第1回転部51は、レンチ本体50に一体
の固定ケーシング510に軸支した第1と第2の1対の
回転体511,512を備えている。両回転体511,
512には、固定ケーシング510に形成したタイロッ
ドCの挿入ガイド用の切欠き510aを通して工具係合
部C3を径方向に挿入可能な挿入溝511a,512a
が形成されている。また、第1回転体511には、図4
に示す如く、挿入溝511aの両側に位置させて、1対
のクランプアーム513,513が夫々ピン513aを
支点にして挿入溝511aの溝幅方向に揺動自在に枢支
されている。そして、各クランプアーム513に形成し
たカム溝513bに第2回転体512に植設したピン5
13cを係合させ、第1回転体511に対する第2回転
体512の正逆一方への相対回転により両クランプアー
ム513,513の一方が溝幅方向内方に揺動して工具
係合部C3を把持するようにしている。
【0014】第2回転体512の外周にはギア512b
が形成されており、固定ケーシング510に、ギア51
2bに噛合する1対のドリブンギア512c,512c
と、両ドリブンギア512c,512cに噛合するアイ
ドルギア512dとを軸支し、レンチ本体50の下部に
搭載したサーボモータ514によりチェーン514aを
介して駆動されるドライブギア514bをアイドルギア
512dに噛合させ、サーボモータ514により第2回
転体512を正逆転し得るようにしている。第1回転体
511は、図外のブレーキ手段により制動し得るように
なっており、かくて、第1回転体511を制動した状態
で第2回転体512を正逆一方に回転させれば、一方の
クランプアーム513が溝幅方向内方に揺動し、このク
ランプアーム513が工具係合部C3を把持したところ
で第1回転体511がブレーキ手段の制動力に抗して第
2回転体512と一体に回転し、ロッド本体C1が回転
されてタイロッドCの長さが調整される。
【0015】また、第2回転体512には、第1と第2
の両回転体511,512の挿入溝511a,512a
が整合したときに、第1回転体511に形成した凹孔に
係合するボールプランジャ515が設けられている。そ
して、タイロッドCの調整後に第2回転体512をサー
ボモータ514によりそれまでとは反対方向に回転させ
て、工具係合部C3を把持していたクランプアーム51
3を溝幅方向外方に揺動させると共に、ボールプランジ
ャ515が凹孔に係合したところでブレーキ手段を解放
して第1回転体511を第2回転体512と一体に回転
させ、両回転体511,512の挿入溝511a,51
2aが固定ケーシング510の切欠き510aに合致し
たところでサーボモータ514を停止し、工具係合部C
3から第1回転部51を径方向に離脱できるようにして
いる。
【0016】第2回転部52は、固定ケーシング510
に対し軸方向に移動自在な可動ケーシング520に軸支
した回転体521を備えている。回転体521には、図
5に示す如く、可動ケーシング520に形成したロッド
エンドC2の挿入ガイド用の切欠き520aを通してロ
ッドエンドC2を径方向に挿入可能な挿入溝521aが
形成されており、更に、回転体521の軸方向内側面に
は、ロックナットC4を軸方向に挿入可能なソケット部
522が設けられている。ソケット部522は、回転体
521に埋設した4個のブロック522aにより、ロッ
クナットC4の外形に相似する六角形の挿入溝521a
側の2辺を截除した角形の内面を持つように構成されて
おり、角形の内面の各辺を構成する各ブロック522a
に、ロックナットC4に係合可能なローラ522bを該
各辺と平行に軸支している。かくて、ロックナットC4
の締付後ソケット部522をロックナットC4から軸方
向に離脱させる際、ロックナットC4に対しローラ52
2bが軸方向に転動し、ソケット部522に対するロッ
クナットC4の食い付きを生じても、ソケット部522
はロックナットC4からスムーズに離脱される。
【0017】回転体521の外周にはギア521bが形
成されており、可動ケーシング520に、ギア521b
に噛合する1対のドリブンギア521c,521cと、
両ドリブンギア521c,521cに噛合するアイドル
ギア521dとを軸支し、レンチ本体50の下部に搭載
したナットランナ523によりチェーン523aを介し
て駆動されるドライブギア523bをアイドルギア52
1dに噛合させ、ナットランナ523により回転体52
1を回転し得るようにしている。
【0018】可動ケーシング520は、第1回転部51
のドリブンギア512c,512cと第2回転部52の
ドリブンギア521c,521cとに共通のギア軸とな
る1対のガイドバー523,523を介して固定ケーシ
ング510に対し軸方向に移動自在に支持されている。
そして、可動ケーシング520にシリンダ524を取付
けて、このシリンダ524のピストンロッド524aを
第1と第2の両回転部51,52のアイドルギア512
d,521dと同軸上で固定ケーシング510に連結
し、かくて、シリンダ524により可動ケーシング52
0を固定ケーシング510に向けて軸方向に接離自在と
し、この接離動作でソケット部522をロックナットC
4に軸方向から係脱させるようにしている。尚、第2回
転部52のドライブギア523bは、可動ケーシング5
20が軸方向に移動してもアイドルギア521dが常時
噛合するように軸方向に長手に形成されている。
【0019】また、オープンエンドレンチ5には、第1
と第2の両回転部51,52に対してタイロッドCを抜
け止めする、シリンダ53aで開閉動作されるクランパ
ー53が設けられている。
【0020】前記キャリッジ3は、鉛直方向から自動車
の車長方向と車幅方向に夫々所定角度傾斜した方向(以
下、Z軸方向と記す)に昇降自在である。即ち、キャリ
ッジ3は、ガイド枠2に固定したZ軸方向のガイドレー
ル30に摺動自在に支持されている。そして、ガイド枠
2に取付けたZ軸方向に長手のロッドレスシリンダ31
でZ軸方向に駆動される可動体32を設けて、可動体3
2に取付けたバランスシリンダ33のピストンロッド3
3aをキャリッジ3に連結している。
【0021】前記支持機構4は、図6乃至図8に明示す
る如く、オープンエンドレンチ5をZ軸に平行な面上で
車幅方向に傾動自在とする傾動部材40と、傾動部材4
0に、前記面と平行なU軸方向の軸410を介して回動
自在に軸支される回動部材41と、回動部材41に固定
した、U軸方向に直交するY軸方向のガイドレール42
0に摺動自在に支持される第1摺動部材42と、第1摺
動部材42に固定した、U軸方向及びY軸方向に直交す
るX軸方向のガイドレール430に摺動自在に支持され
る第2摺動部材43とで構成されており、第2摺動部材
43に、オープンエンドレンチ5をその長手方向がU軸
と平行になるように取付けている。
【0022】かくて、第1と第2の両摺動部材42,4
3の動きでオープンエンドレンチ5を車幅方向及び車長
方向に移動できると共に、回動部材41の動きでオープ
ンエンドレンチ5をその長手方向の軸線回りに回動でき
る。尚、第2摺動部材43には、オープンエンドレンチ
5の移動操作用のハンドル44が取付けられている。
【0023】前記傾動部材40は、キャリッジ3に固定
した、オープンエンドレンチ5の先端部を中心とする円
弧状のガイドレール400に摺動自在に支持されてい
る。かくて、傾動部材40のガイドレール400に沿っ
た円弧運動により、オープンエンドレンチ5はその先端
部を支点にして車幅方向に傾動する。
【0024】また、傾動部材40の背面にはアーム40
aが突設されており、キャリッジ3上に、アーム40a
に連結されるブレーキ401付きのシリンダ402と、
アーム40aに対向するストッパ用のピストンロッド4
03aを有するシリンダ403とを搭載している。かく
て、シリンダ403のピストンロッド403aを突出さ
せた状態でシリンダ402によりアーム40aをピスト
ンロッド403aに当接させ、この状態でブレーキ40
1を作動させれば、傾動部材40が所定の中立位置にロ
ックされ、また、シリンダ403のピストンロッド40
3aを没入させると共にブレーキ401とシリンダ40
2とをフリーにすれば、中立位置でのロックが解除され
て傾動部材40が自由に動くようになり、更に、ブレー
キ401の単独作動により傾動部材40を任意の位置で
ロックできる。
【0025】また、前記アーム40aには、回動部材4
1に形成した孔41aに嵌合するテーパピン411aを
出没するロックシリンダ411が垂設されており、テー
パピン411aを上方に突出させて孔41aに嵌合する
ことで回動部材41が所定の中立位置にロックされるよ
うにしている。尚、テーパピン411aを下方に没入さ
せた状態でもテーパピン411aの先端は孔41a内に
臨入しており、回動部材41はテーパピン411aの先
端で規制される範囲内において自由に回動する。また、
回動部材41の軸410の下端には径方向に突出する舌
片412aが取付けられており、傾動部材40に舌片4
12aを挟むブレーキ412を取付けて、このブレーキ
412の作動により回動部材41を任意の位置でロック
できるようにしている。
【0026】回動部材41には、図9に示す如く、第1
摺動部材42に連結されるブレーキ421付きのシリン
ダ422と、第1摺動部材42の端縁に対向するストッ
パ用のピストンロッド423aを有するシリンダ423
とが搭載されており、同様に、第1摺動部材42にも、
第2摺動部材43に形成したリブ43aに連結されるブ
レーキ431付きのシリンダ432と、リブ43aに対
向するストッパ用のピストンロッド433aを有するシ
リンダ433とが搭載されており、これらブレーキ42
1,431とシリンダ422,432とシリンダ42
3,433との作動で各摺動部材42,43を所定の中
立位置にロックできるようにすると共に、ブレーキ42
1,431の単独作動により各摺動部材42,43を任
意の位置でロックできるようにしている。
【0027】タイロッドCの調整、即ち、自動車の前輪
Wのトー調整に際しては、自動車を前輪Wがローラ1に
乗るように調整ステーションの定位置で停止した後、キ
ャリッジ3をロッドレスシリンダ31によりZ軸方向の
所定高さまで上昇させる。次に、作業者がハンドル44
を持ち、支持機構4の各部材40,41,42,43の
中立位置でのロックを解除して、オープンエンドレンチ
5をバランスシリンダ33でアシストしつつZ軸方向に
押し上げると共に、タイロッドCの位置に合わせてオー
プンエンドレンチ5を第1と第2の摺動部材42,43
の動きを利用して車幅方向及び車長方向に位置調整し、
タイロッドCの工具係合部C3とロッドエンドC4と
を、夫々、オープンエンドレンチ5の固定ケーシング5
10の切欠き510aと可動ケーシング520の切欠き
520aとに挿入する。これによれば、その後のオープ
ンエンドレンチ5の押し上げにより、工具係合部C3と
ロッドエンドC4とが切欠き510a,520aをガイ
ドにして第1回転部51の両回転体511,512の挿
入溝511a,512aと第2回転部52の回転体52
1の挿入溝521aとに押し込まれる。この際、回動部
材41と傾動部材42の動きによりオープンエンドレン
チ5がタイロッドCの車長方向と上下方向の傾きに倣っ
てU軸回りに回動すると共に車幅方向に傾動し、タイロ
ッドCの軸線に上記回転体511,512,521の軸
線が整合する。
【0028】尚、傾動部材42をキャリッジ3にZ軸に
直交する車長方向の軸で軸支し、オープンエンドレンチ
5をこの軸を支点にして車幅方向に傾動自在とすること
も考えられるが、これではオープンエンドレンチ5の傾
動に伴ってその先端が車幅方向に大きく変位しようとす
るため、前記挿入溝511a,512a,521aにタ
イロッドCを押し込むだけでは、タイロッドCとのこじ
りを生じてオープンエンドレンチ5がうまく傾動しなく
なる。従って、オープンエンドレンチ5の傾動に伴う先
端の車幅方向変位を相殺するようにオープンエンドレン
チ5を車幅方向に位置補正することが必要になり、オー
プンエンドレンチ5の位置決め作業が面倒になる。一
方、本実施形態では、オープンエンドレンチ5が傾動部
材42の動きで車幅方向に傾動しても、オープンエンド
レンチ5の先端部は車幅方向に変位せず、そのため、挿
入溝511a,512a,521aにタイロッドCを押
し込むだけでオープンエンドレンチ5はタイロッドCに
倣ってスムーズに傾動し、オープンエンドレンチ5の位
置決め作業が容易になる。
【0029】上記の如くしてオープンエンドレンチ5の
位置決め作業を完了すると、次に、クランパー53を閉
じて、タイロッドCに対しオープンエンドレンチ5を抜
け止めし、この状態で支持機構4の各部材40,41,
42,43をロックする。
【0030】次に、可動ケーシング520を固定ケーシ
ング510に接近させて、第2回転部52の回転体52
1のソケット部522を予め緩められているロックナッ
トC4に係合させて、ロックナットC4を回り止めし、
この状態でサーボモータ514により第1回転部51の
第2回転体512を所要の方向に回転させる。これによ
れば、第1回転部51の第1回転体511に設けた片側
のクランプアーム513が工具係合部C3を把持して、
ロッド本体C1が第2回転体512と同方向に回転さ
れ、タイロッドCの長さが変化する。
【0031】そして、タイロッドCの長さ、即ち、前輪
Wのトーが目標値に調整されたところで第2回転体51
2の回転を停止し、次に、ナットランナ523により第
2回転部52の回転体521を回転させてロックナット
C4を締付ける。この締付けが完了すると、可動ケーシ
ング520を固定ケーシング510から離間させて、ソ
ケット部522をロックナットC4から離脱させると共
に、第1回転部51の両回転体511,512と第2回
転部52の回転体521とを、夫々、挿入溝511a,
512a,521aが固定ケーシング510と可動ケー
シング520の切欠き510a,520aに合致する位
相になるまで回転させる。最後に、クランパー53を開
放した状態でロッドレスシリンダ31によりキャリッジ
3を下降させ、オープンエンドレンチ5をタイロッドC
から離脱させる。
【0032】尚、上記実施形態では、支持機構4の各部
材を、キャリッジ3側から傾動部材40、回動部材4
1、第1摺動部材42、第2摺動部材43の順で配置し
たが、この順序は任意であり、例えば、キャリッジ3側
から第1摺動部材42、第2摺動部材43、回動部材4
1、傾動部材40に順に配置して、傾動部材40にオー
プンエンドレンチ5を取付けても良い。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、タイロッドに対するオープンエンドレンチの
位置決め作業が容易になり、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の一例の側面図
【図2】 図1の矢印II方向から見た正面図
【図3】 図1のIII-III線で截断したオープンエンド
レンチの拡大断面図
【図4】 図3のIV-IV線拡大截断面図
【図5】 図3のV-V線拡大截断面図
【図6】 支持機構の拡大正面図
【図7】 支持機構の拡大側面図
【図8】 図7のVIII-VIII線截断面図
【図9】 図7のIX-IX線截断面図
【図10】 タイロッドの斜視図
【符号の説明】
3 キャリッジ 4 支持機構 40 傾動部材 400 傾動部材用の円弧状ガイドレール 5 オープンエンドレンチ 51,52 回転部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸尾 勝 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3D034 BA06 BC02 BC03 BC13 BC25

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のステアリング機構に組込まれた
    タイロッドを、先端にタイロッドに係合する回転部を有
    するオープンエンドレンチを用いて調整するタイロッド
    調整装置であって、 定位置に停止された自動車の下方からタイロッドに向け
    てオープンエンドレンチを昇降させるキャリッジを備
    え、キャリッジ上に、4軸の自由度を持つ支持機構を介
    して、オープンエンドレンチを、自動車の車幅方向と車
    長方向とに移動自在、車幅方向に傾動自在、オープンエ
    ンドレンチの長手方向の軸線回りに回動自在に支持する
    ものにおいて、 支持機構の車幅方向の傾動部材を、オープンエンドレン
    チの先端部を中心にした円弧運動でオープンエンドレン
    チを車幅方向に傾動自在とするように構成する、 ことを特徴とするタイロッド調整装置。
JP10254699A 1999-04-09 1999-04-09 タイロッド調整装置 Expired - Fee Related JP3634185B2 (ja)

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