JP2000286235A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP2000286235A JP11087743A JP8774399A JP2000286235A JP 2000286235 A JP2000286235 A JP 2000286235A JP 11087743 A JP11087743 A JP 11087743A JP 8774399 A JP8774399 A JP 8774399A JP 2000286235 A JP2000286235 A JP 2000286235A
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impedance
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淳史 川端
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茂樹 戸澤
Hiroshi Ishikawa
拓 石川
Haruhito Nishibe
晴仁 西部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波電流のリターン電流によって異常放電
が生じ難いプラズマ処理装置を提供すること。 【解決手段】 内部が真空状態に保持可能なチャンバー
1と、基板Wを支持するとともに、高周波が印加される
下部電極2と、下部電極に対向して設けられた上部電極1
6と、下部電極2に高周波を印加して、上部電極および下
部電極の間に処理ガスのプラズマを形成する高周波電源
11と、高周波電源11から下部電極2に給電するための給
電部材8と、プラズマから少なくともチャンバー1内壁を
通って高周波電源へ戻るリターン電流回路のインピーダ
ンスを調整するインピーダンス調整手段30とによりプラ
ズマ処理装置が構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
被処理体に対してエッチング処理、成膜処理等のプラズ
マ処理を行うプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造においては、ドラ
イエッチングやプラズマCVD(Chemical Vapor Depos
ition)等のプラズマ処理が多用されている。
【0003】このようなプラズマ処理を行う装置とし
て、例えば、図7に示すようなものが用いられている。
図7中、参照符号1は接地されたチャンバーを示す。こ
のチャンバー1内には、被処理体である半導体ウエハW
を水平に支持するための下部電極2が設けられており、
下部電極2は絶縁部材3を介して金属製の支持台4に載
置されている。そして、下部電極2と支持台4とは図示
しない昇降機構により昇降可能に設けられている。支持
台4の外側にはガス拡散用のバッフル板5が設けられて
いる。支持台4の下方中央の大気部分は、ベローズ6で
覆われており、このベローズ6により真空部分と大気部
分が分離されている。ベローズ6の外側には、下部材7
aと上部材7bとからなるベローズカバー7が設けられ
ている。
【0004】下部電極2にはチャンバー1の下方に設け
られた高周波電源11が整合器10を介して給電棒8に
より接続されている。給電棒8の周囲には、支持台4か
ら下方に延びる金属製の接地パイプ9が設けられてい
る。接地パイプ9とチャンバー1との間には、これらの
間の導通をとるスライドコンタクト26が設けられてお
り、スライドコンタクト26内を接地パイプ9が摺動し
ても安定した電気的導通を得るために、スライドコンタ
クト26の内周には多数の弾力性を有する接触子が設け
られている。また、下部電極2には冷媒通路13が形成
されており、冷媒供給管14を介して冷媒が通流され
る。
【0005】チャンバー1の天壁には、下部電極2に対
向するようにシャワーヘッド16が設けられており、ガ
ス導入部18から導入された処理ガスがその下面に設け
られた多数のガス吐出孔17から半導体ウエハWに向け
て吐出される。
【0006】なお、参照符号22はゲートバルブ23に
より開閉可能な半導体ウエハWの搬入出用の搬送ポート
であり、24はチャンバー1内を真空排気するための排
気ポートである。
【0007】このような装置においては、まず、半導体
ウエハWを搬送ポート22から搬送位置にある下部電極
2に搬送し、次いで、移動機構により下部電極2を上昇
させて、半導体ウエハWを処理位置に配置させる。半導
体ウエハWは不図示の静電チャックにより下部電極に吸
着保持される。その後、排気ポート24から排気するこ
とにより、チャンバー1内を所定の真空度に保持し、シ
ャワーヘッド16からチャンバー1内に所定の処理ガス
を導入し、さらに高周波電源11から整合器10および
給電棒8を介して下部電極02に高周波を印加すること
により、プラズマを生成させ、半導体ウエハWに所定の
プラズマ処理を施す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高周波電流
が導体の表面近くだけに局在するという表皮効果によ
り、高周波電源11から下部電極2に印加された高周波
電流のリターン電流は、図中の矢印に従って、まずチャ
ンバー1の内壁を通って底壁に至る。そして、チャンバ
ー1の底壁とベローズカバー7およびベローズ6とはね
じ止めされており、互いに導通しているので、チャンバ
ー1の底壁から、ベローズカバー7の下部材7aの表面
を経て、さらに、ベローズ6の外側、ベローズカバー7
の上部材7bの表面、支持台4の表面および接地パイプ
9の内側を通って高周波電源11に戻る。一方、スライ
ドコンタクト26と接地パイプ9との接触インピーダン
スがベローズ6の経路のインピーダンスよりも高いた
め、スライドコンタクト26を流れる電流はわずかであ
る。
【0009】したがって、ほとんどのリターン電流はベ
ローズ6に流れるため、ベローズ6の両端で大きな電位
差を生じ、そのため、例えばベローズカバー7の上部材
7bと下部材7aの間や支持台4の周辺部分で異常放電
が発生し、プラズマ漏れ等が生じる。このため、半導体
ウエハW上でのプラズマ密度の低下が生じる。また、こ
のように異常放電が発生すると処理に悪影響を及ぼす
が、このような異常放電はプラズマ処理中には把握する
ことができない。
【0010】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、高周波電流のリターン電流によって異常放電
が生じ難いプラズマ処理装置を提供することを目的とす
る。また、異常放電のようなプラズマの異常をプラズマ
処理中に把握することができるプラズマ処理装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の観点によれば、内部が真空状態に保
持可能なチャンバーと、前記チャンバー内を真空排気す
る排気機構と、前記チャンバー内に処理ガスを導入する
ガス導入機構と、被処理体を支持するとともに、高周波
が印加される下部電極と、前記下部電極に対向して設け
られた上部電極と、前記チャンバー外に設けられ、前記
下部電極に高周波を印加して、上部電極および下部電極
の間に処理ガスのプラズマを形成する高周波電源と、前
記高周波電源から前記下部電極に給電するための給電部
材と、プラズマから少なくともチャンバー内壁を通って
高周波電源へ戻るリターン電流回路のインピーダンスを
調整するインピーダンス調整手段とを具備することを特
徴とするプラズマ処理装置が提供される。
【0012】このように、プラズマから少なくともチャ
ンバー内壁を通って高周波電源へ戻るリターン電流回路
のインピーダンスを調整するインピーダンス調整手段を
設け、リターン電流回路のインピーダンスを最適値に設
定することにより、下部電極の周辺での異常放電、およ
びプラズマ漏れを軽減することができる。
【0013】この場合に、インピーダンス調整手段とし
て容量が可変のコンデンサーを設け、コンデンサーの容
量を調整することにより、容易にインピーダンスを最適
値に調整することができる。このようにコンデンサーの
容量を調整してインピーダンスを制御することにより、
リターン電流回路の装置間誤差(製造誤差等)を調整す
ることが可能となる。また、装置を長期間使用すること
によりインピーダンスが経時変化しても、コンデンサー
容量を調整することにより適正な値に調整することがで
きる。
【0014】また、上記プラズマ装置に、さらに、プラ
ズマ処理装置が正常状態にあるときにはプラズマ発光が
実質的に観察されないチャンバー内領域におけるプラズ
マ発光を検出する検出器と、この検出器の出力に応じて
前記コンデンサの容量を調整する制御手段とを付加する
ことにより、検出器によって異常放電にともなうプラズ
マ発光を検出した時点でコンデンサー容量を調整して異
常放電を解消することができ、リターン電流回路のイン
ピーダンスをリアルタイムで異常放電の生じない適正値
に制御することができる。
【0015】本発明の第2の観点によれば、内部が真空
状態に保持可能なチャンバーと、前記チャンバー内を真
空排気する排気機構と、前記チャンバー内に処理ガスを
導入するガス導入機構と、被処理体を支持するととも
に、上下に移動可能に設けられ、高周波が印加される下
部電極と、前記下部電極に対向して設けられた上部電極
と、前記チャンバー外に設けられ、前記下部電極に高周
波を印加して、上部電極および下部電極の間に処理ガス
のプラズマを形成する高周波電源と、前記高周波電源か
ら前記下部電極に給電するための給電部材と、前記給電
部材の周囲に設けられ、リターン電流を高周波電源に戻
す接地パイプと、前記下部電極から前記チャンバーの底
壁の間にチャンバー内と駆動部とを離隔するように設け
られた導電性のベローズと、前記接地パイプと前記チャ
ンバーの底壁とを導通させるスライドコンタクトと、プ
ラズマから高周波電源に戻るリターン電流を、チャンバ
ー内壁から前記ベローズと前記接地パイプとに分流させ
て、リターン電流回路のインピーダンスを調整するイン
ピーダンス調整手段とを具備することを特徴とするプラ
ズマ処理装置が提供される。
【0016】このように、インピーダンス調整手段によ
り、プラズマから高周波電源に戻るリターン電流を、チ
ャンバー内壁から前記ベローズと前記接地パイプとに分
流させて、リターン電流回路のインピーダンスを低下さ
せるので、ベローズ両端に係る電位差、およびチャンバ
ー内壁と高周波のグランド部との間の電位差を減少させ
ることができ、結果として、下部電極の周辺での異常放
電、およびプラズマ漏れを軽減することができる。
【0017】この場合に、前記インピーダンス調整手段
としては、前記チャンバーの底壁と前記ベローズとの間
に設けられた所定容量のコンデンサーを有するものが好
適である。このようにコンデンサーを用いることによ
り、ベローズ側へ流れる電流を調整することができ、プ
ラズマから高周波電源に戻るリターン電流を、チャンバ
ー内壁から前記ベローズと前記接地パイプとに分流させ
ることが可能となる。
【0018】また、チャンバーの底壁とベローズとの間
には絶縁部材を介在させることが好ましく、絶縁部材と
してはポリエーテルエーテルケトンまたはポリイミドが
好ましい。これらは耐荷重性が高く、しかも誘電率が低
いので、例えば5mm程度の厚さとすることにより、コ
ンデンサーの容量よりも十分に低い容量とすることがで
き、コンデンサーのみで容量調整を行うことができる。
【0019】さらに、前記コンデンサーの容量を可変と
することにより、コンデンサーの容量を容易に最適値に
調整することができる。そして、上述した場合と同様、
コンデンサーの容量を調整してインピーダンスを制御す
ることにより、リターン電流回路の装置間誤差(製造誤
差等)を調整することが可能となるし、装置を長期間使
用することによりインピーダンスが経時変化しても、コ
ンデンサー容量を調整することにより適正な値に調整す
ることができる。
【0020】本発明の第3の観点によれば、内部が真空
状態に保持可能なチャンバーと、前記チャンバー内を真
空排気する排気機構と、前記チャンバー内に処理ガスを
導入するガス導入機構と、被処理体にプラズマ処理を施
すために処理ガスをプラズマ化するプラズマ生成手段と
を具備するプラズマ処理装置であって、さらに、プラズ
マ処理装置が正常状態にあるときにはプラズマ発光が実
質的に観察されないチャンバー内領域におけるプラズマ
発光を検出する検出器を具備することを特徴とするプラ
ズマ処理装置が提供される。
【0021】このように、プラズマ処理装置が正常状態
にあるときにはプラズマ発光が実質的に観察されないチ
ャンバー内領域におけるプラズマ発光を検出する検出器
を具備することにより、検出器によってチャンバー内の
異常放電にともなうプラズマ発光を検出した時点で、異
常放電を解消する適切な処置をすることが可能となり、
被処理体の処理への悪影響を小さくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一
実施形態に係るプラズマ処理装置を示す断面図である。
図中、参照符号1は例えば表面がアルマイト処理された
アルミニウムからなる導電性のチャンバーであり、この
チャンバー1は接地されている。チャンバー1内には、
被処理体である半導体ウエハWを水平に支持し、下部電
極として機能する下部電極2が設けられている。この下
部電極2はアルミニウム等の導電体で構成され、絶縁部
材3を介してアルミニウム等の導電体からなる支持台4
に載置されている。そして、支持台4の外周側には、多
数のガス通過孔を有する円板状をなすガス拡散用のバッ
フル板5が設けられている。このバッフル板5はアルミ
ニウム等の導電体で構成され、支持台4にねじ止めされ
て電気的に接続されている。下部電極2には半導体ウエ
ハWを吸着保持するための静電チャック(図示せず)が
設けられている。
【0023】支持台4の下方中央の大気部分は、例えば
ステンレス鋼からなるベローズ6で覆われており、この
ベローズ6により真空部分と大気部分が分離されてい
る。ベローズ6はその上端と下端とがそれぞれ支持台4
の下面およびチャンバー1の底壁上面にねじ止めされて
いる。ベローズ6の外側にはベローズカバー7が設けら
れている。ベローズカバー7は、ベローズ6の伸縮に対
応可能なように、下部材7aと上部材7bとに分離して
いる。
【0024】下部電極2にはチャンバー1の下方に設け
られた高周波電源11が整合器10および給電棒8を介
して接続されている。給電棒8の周囲には、支持台4か
ら下方に延びる金属製の接地パイプ9が設けられてい
る。
【0025】下部電極2には、冷媒流路13が形成され
ており、この中に冷媒供給管14を介して冷媒が通流さ
れるようになっている。また、図示してはいないが、下
部電極2には、半導体ウエハWの受け渡しをするための
リフトピンが突没可能に設けられている。
【0026】チャンバー1の天壁1aには、下部電極2
に対向するように上部電極として機能するシャワーヘッ
ド16が設けられている。このシャワーヘッド16の下
面には多数の吐出孔17が形成されている。シャワーヘ
ッド16の上部にはガス導入口18が設けられており、
ガス導入口18には所定の処理ガスをシャワーヘッド1
6を介してチャンバー1内に供給するための処理ガス供
給源20が接続されいる。そして、チャンバー1内に処
理ガスが供給され、下部電極2に高周波電力が印加され
ることにより、下部電極2とシャワーヘッド16間にプ
ラズマが形成され、半導体ウエハWに所定のプラズマ処
理が施されるようになっている。
【0027】チャンバー1の側壁1bには、半導体ウエ
ハWの搬入出用の搬送ポート22がゲートバルブ23に
より開閉可能に設けられており、半導体ウエハWの搬入
出時には、下部電極2が搬送ポート22に対応する位置
に移動される。この際の下部電極の移動は、図示しない
昇降機構により、絶縁部材3および支持台4と一体的に
行われる。
【0028】チャンバー1の側壁1bの底部近傍には、
排気ポート24が設けられており、この排気ポート24
には配管を介して排気装置25が接続されている。そし
て、排気装置25を作動させることによりチャンバー1
内が所定の真空度まで真空排気することが可能となって
いる。
【0029】前記接地パイプ9とチャンバー1の底壁1
cとは、スライドコンタクト26により電気的に接続さ
れている。スライドコンタクト26は、下部電極2が上
下に移動しても、両者間にコンタクトを保つことができ
るようにする。
【0030】ベローズ6とチャンバー1の底壁1cとの
接続部分には、高周波電流がプラズマからチャンバーを
経て、支持台4および接地パイプ9の内側を通って高周
波電源11に戻るリターン電流回路のインピーダンスを
調整するためのインピーダンス調整機構30が設けられ
ている。
【0031】このインピーダンス調整機構30は、図2
に示すように、チャンバー1の底壁1cとベローズ6の
支持台6aとの間に介装された絶縁部材31と、チャン
バー1の底壁1cとベローズ6の支持台6aとに接続さ
れた所定容量のコンデンサー32とを備えている。そし
て、ステンレス鋼からなる支持台6aは、チャンバー1
の底壁1cに絶縁部材31を介装させた状態でねじ33
によりねじ止めされている。
【0032】この絶縁部材部材31は、チャンバー1の
底壁1cとベローズ6の支持台6aとを絶縁するための
ものであり、耐荷重が大きく、誘電率が小さいものが用
いられる。このような材料としては、ポリエーテルエー
テルケトン(PEEK)またはポリイミドが好ましい。
【0033】コンデンサー32は、ベローズ6に印加さ
れる電圧を調整することにより、リターン電流回路のイ
ンピーダンスを低下させるためのものであり、支持台4
の周辺に異常放電が生じない程度の電圧値に調整する。
このように調整する結果、スライドコンタクト26を経
て接地パイプ9へも電流が流れるようになる。すなわ
ち、コンデンサー32は、チャンバー1の底壁1cのリ
ターン電流を、ベローズ6側とスライドコンタクト26
側とに分流させて、リターン電流回路全体のインピーダ
ンスを低下させる機能を有している。
【0034】この場合に、コンデンサー32の必要容量
は、装置の設定によって異なるが、例えば12000p
F程度である。必要な容量を得るために、複数のコンデ
ンサーを用いるようにしてもよく、そのためには、図3
のように、チャンバー1の底壁1cに複数のコンデンサ
ー取り付け部35を設ける。例えば12000pFの容
量を得るためには、5000pFのコンデンサー2個
と、1000pFのコンデンサー2個を4箇所の取り付
け部35にそれぞれ取り付ければよい。
【0035】チャンバー1の底壁1cおよびベローズ6
の支持台6aはいずれも導電体であるから、絶縁部材3
1を介在させることにより、一種のコンデンサーが形成
されることとなるが、上述したように誘電率の低い樹脂
を用い、比較的厚く形成することにより、その容量は無
視することができ、取り付けるコンデンサー32のみで
容量の調整を行うことができる。例えば、絶縁部材31
にPEEKを用いた場合、厚さと容量の関係は図4に示
すようになり、例えば厚さを5mmに設定すれば、その
容量は400pF程度となり、コンデンサー32の容量
の12000pFに比較して無視できる程度のものとな
る。
【0036】次に、このように構成されるプラズマ処理
装置の処理動作について説明する。まず、図示しない昇
降機構により下部電極2を搬送位置に配置し、ゲートバ
ルブ23を開けて、図示しない搬送アームにより、搬送
ポート22を介して半導体ウエハWをチャンバー1内に
搬入する。そして、半導体ウエハWを下部電極2上に載
置する。そして、半導体ウエハWは不図示の静電チャッ
クにより、下部電極2に吸着保持される。
【0037】その後、昇降機構により下部電極2を上昇
させて、下部電極2とシャワーヘッド16とのギャップ
を所定の長さとする。この状態で、冷媒流路13に冷媒
を通流させて下部電極2を所定の温度に制御するととも
に、排気装置25により排気ポート24を介してチャン
バー1内を排気し、高真空状態とする。
【0038】次いで、処理ガス供給源20から配管を通
って処理ガス導入口18から所定の処理ガスをチャンバ
ー1内に導入し、導電性容器15の天壁を構成するシャ
ワーヘッド16のガス吐出孔17から半導体ウエハWに
向けて吐出させ、チャンバー1内を数10mTorrと
する。それと同時に高周波電源11から整合器10およ
び給電棒8を通って所定の周波数および電圧の高周波電
力を下部電極2に印加する。これにより、下部電極2と
シャワーヘッド16の間の空間には、処理ガスのプラズ
マが生成され、半導体ウエハWに対して所定のプラズマ
処理が施される。
【0039】この際に、プラズマから高周波電源11に
戻るリターン電流は、ベローズ6側とスライドコンタク
ト26側に分流する。
【0040】このことを図5に示す等価回路を参照して
説明する。高周波電源(RF電源)11からの高周波電
力は整合器10、給電棒8を介して下部電極2に供給さ
れプラズマを形成する。プラズマからのリターン電流は
チャンバー1の天壁1a、側壁1bおよび底壁1cを経
てベローズ6に至るが、インピーダンス調整機構30の
コンデンサー32により、底壁1cとベローズ6との間
の容量Cを調整して、底壁1cの電流Iを、ベロー
ズ側の電流Iと、スライドコンタクト側の電流I
に分流させる。ベローズ側のリターン電流は、ベローズ
6の外側、支持台4の表面、接地パイプ9の内側を通っ
て高周波電源11に戻り、スライドコンタクト側のリタ
ーン電流は、接地パイプ9の外側、支持台4の表面、接
地パイプ9の内側を通って高周波電源11に戻る。
【0041】従来のようにベローズとチャンバーの底壁
を導通させた場合には、スライドコンタクトのインピー
ダンスが大きいためスライドコンタクトにはわずかしか
電流が流れず、ほとんどの電流がベローズ側へ流れる。
したがって、ベローズの電圧Vおよびチャンバー壁の
電圧Vがいずれも高くなって異常放電が生じる。一
方、ベローズとチャンバーの底壁を絶縁した場合には、
ベローズには電流が流れずI=Iとなる。この場合
には、スライドコンタクト26と接地パイプ9との間の
接触インピーダンスが高いので、チャンバー壁の電圧V
が高くなってやはり異常放電が生じる。さらに、L
とCとを共振させることにより、チャンバー壁の電圧
が0となるが、ベローズの電圧Vが高くなってし
まう。
【0042】これに対して、上述のようにCの値を適
切に調整して、底壁1cの電流Iを、ベローズ側の電
流Iと、スライドコンタクト側の電流Iとに分流さ
せることにより、リターン電流回路全体のインピーダン
スを低下させることができ、VおよびVをともに従
来よりも低下させることができる。したがって、ベロー
ズカバー7の下部材7aと上部材7bとの間の部分や支
持台4の周辺部に異常放電が生じることはなく、プラズ
マ漏れが生じることを防止することができ、半導体ウエ
ハW上でのプラズマ密度の低下が生じ難くなる。また、
支持台4の周辺部やチャンバー側壁1bの下部にデポが
付着しなくなり、パーティクルの発生を防止することが
できる。
【0043】実際に、300mmウエハ用のプラズマ処
理装置において、下部電極2とシャワーヘッド16との
間のギャップ(上下電極間ギャップ)を40mmに設定
し、チャンバー1内に処理ガスを導入してチャンバー内
圧力を50mTorrに設定し、高周波電源11から1
3.56MHzで4000Wの高周波を供給し、インピ
ーダンス調整機構30の複数のコンデンサー32の容量
を種々変化させてプラズマを生成し、プラズマ状態を目
視で観察したところ、コンデンサー32の容量を合計で
12000pFとなるようにした場合に、異常放電やプ
ラズマ漏れが生じていないことが確認された。
【0044】以上のように、容量値が12000pFの
ときに最適結果を得ることができたが、これは理論的に
は、以上述べたように、高周波電力のリターン電流回路
のインピーダンスが小さくなった結果と推測される。し
かし、実際にベローズやチャンバー各部の電圧値を測定
することは困難であり、コンデンサ32の値が1200
0pFのときにリターン電流回路のインピーダンスが最
小になっているとは必ずしも断定できない。本発明の価
値は、リターン電流回路のインピーダンスを最小にする
ことにあるのではなく、プラズマの発光状態を目視で確
認して、異常放電やプラズマ漏れのない状態となるよう
にコンデンサ32の値を最適値に設定することができ
る、つまり、高周波電力のリターン電流回路のインピー
ダンスを調整することができるという点にある。リター
ン電流回路のインピーダンスばかりでなく、ベローズを
流れる電流量とスライドコンタクトを流れる電流量との
比や、ベローズを流れる電流の位相とスライドコンタク
トを流れる電流の位相によってもプラズマ状態に微妙な
影響を及ぼすことが考えられるからである。
【0045】以上の実施形態では、コンデンサーとして
容量が固定された例を示したが、容量が可変のコンデン
サー(可変コンデンサー)を用いることにより、リター
ン電流回路のインピーダンスをより容易に最適値に制御
することができる。そして、このようにコンデンサーの
容量を調整してインピーダンスを制御することにより、
リターン電流回路の装置間誤差(製造誤差等)を調整す
ることが可能となるし、装置を長期間使用することによ
りインピーダンスが経時変化しても、コンデンサー容量
を調整することにより適正な値に調整することができる
といった大きな効果を得ることができる。
【0046】このような可変コンデンサーを用いたプラ
ズマ処理装置について図6を参照しながら説明する。図
6は可変コンデンサーを用いてリターン電流回路のイン
ピーダンスを制御することが可能なプラズマ処理装置の
要部を示す断面図である。図6中、図1および図2と同
じものについては、同じ符号を付して説明を省略する。
可変コンデンサー40は、図2のコンデンサー32の代
わりに設けられており、一方の端子がベローズ6の支持
台6aに接続されており、他方の端子がチャンバー1の
底壁1cに接続されている。この可変コンデンサー40
のシャフト40aは、例えばステッピングモータからな
る駆動機構44に接続されており、例えばステッピング
モータを回転させることにより容量を変化させることが
可能となっている。チャンバー1の側壁1bの下部に
は、例えば石英からなるプラズマ検出窓41が設けられ
ており、このプラズマ検出窓41の外側近傍部分には、
検出窓41を透過するプラズマからの光を検出する光検
出器42が設けられている。検出窓41は、チャンバー
1の側壁1bの下部に設けられているので、光検出器4
2は、プラズマ処理装置が正常状態であれば、プラズマ
発光が生じないか、または生じたとしても弱い発光しか
生じないチャンバー内領域のプラズマ発光を検出するこ
ととなる。つまり、このような領域は、実質的に異常放
電が生じた場合にのみ強いプラズマ発光が生じるから、
検出器42は実質的に異常放電を生じた場合にのみプラ
ズマ発光を検出する。この検出器42は制御装置43に
接続されており、この制御装置43によって、上記可変
コンデンサー40の駆動機構44が制御される。
【0047】このように構成される装置においては、プ
ラズマ装置が通常に作動している場合には検出器42は
実質的にプラズマの発光を検出しないが、異常放電があ
った場合にはそれにともなうプラズマの発光を検出す
る。そして、光検出器42からの信号が制御装置43に
送られ、ここから異常放電の度合い、すなわちプラズマ
発光の強さに応じて、駆動機構44に制御信号を出力
し、可変コンデンサー40の容量を調整する。なお、制
御装置43は、光検出器42の出力を監視し、異常放電
を検出した場合に警報装置(図示せず)に信号を出力し
て警報を出すようにしてもよい。
【0048】このように、光検出器42によって異常放
電にともなうプラズマ発光を検出した時点で、制御装置
43から駆動機構44への制御信号によりコンデンサー
40の容量を調整することができ、速やかに異常放電を
解消することができる。つまり、リターン電流回路のイ
ンピーダンスをリアルタイムで異常放電の生じない適正
値に制御することができる。
【0049】なお、上記実施形態では、インピーダンス
調整手段にコンデンサーを用いる場合について説明した
が、異常放電やプラズマ漏れのない状態を実現すること
ができるならば、コンデンサーの代わりにコイルを用い
てもよい。また、本発明が適用される装置構成は上記実
施形態のものに限らず、下部電極に高周波を印加し、下
部電極が移動可能なタイプのものであれば全てに適用す
ることができる。さらに、本発明は、高周波を印加して
プラズマを生成し、そのプラズマで被処理体を処理する
ものであれば、その処理形態は問わず、エッチング、C
VD成膜等種々の処理に適用することができる。さらに
また、被処理体としては、半導体ウエハに限らず、液晶
表示装置のガラス基板等他のものであってもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プラズマから少なくともチャンバー内壁およびベローズ
を通って高周波電源へ戻るリターン電流回路のインピー
ダンスを調整するインピーダンス調整手段を設け、リタ
ーン電流回路のインピーダンスを最適の値に設定するこ
とにより、ベローズ両端に係る電位差、およびチャンバ
ー内壁と高周波のグランド部との間の電位差を減少させ
ることができ、結果として、下部電極の周辺での異常放
電、およびプラズマ漏れを軽減することができる。
【0051】より具体的には、インピーダンス調整手段
により、プラズマから高周波電源に戻るリターン電流
を、チャンバー内壁から前記ベローズと前記接地パイプ
とに分流させて、リターン電流回路のインピーダンスを
低下させるので、ベローズ両端に係る電位差、およびチ
ャンバー内壁と高周波のグランド部との間の電位差を減
少させることができ、結果として、下部電極の周辺での
異常放電、およびプラズマ漏れを軽減することができ
る。このようなインピーダンスの調整は、前記チャンバ
ーの底壁と前記ベローズとの間にコンデンサーを設けそ
の容量を調整することにより容易に実現される。
【0052】このように、下部電極周辺での異常放電、
およびプラズマ漏れが軽減される結果、被処理体上のプ
ラズマ密度を高めることができる。
【0053】また、容量が可変のコンデンサーを設け、
コンデンサーの容量を調整することにより、容易にイン
ピーダンスを最適値に調整することができる。このよう
にコンデンサーの容量を調整してインピーダンスを制御
することにより、リターン電流回路の装置間誤差(製造
誤差等)を調整することが可能となる。また、装置を長
期間使用することによりインピーダンスが経時変化して
も、コンデンサー容量を調整することにより適正な値に
調整することができる。
【0054】また、チャンバー内の、プラズマ処理装置
が正常状態にあるときにはプラズマ発光が実質的に観察
されないチャンバー内領域におけるプラズマ発光を検出
する検出器と、この検出器の出力に応じて前記コンデン
サの容量を調整する制御手段とを付加することにより、
検出器によって異常放電にともなうプラズマ発光を検出
した時点でコンデンサー容量を調整して異常放電を解消
することができ、リターン電流回路のインピーダンスを
リアルタイムで異常放電の生じない適正値に制御するこ
とができる。
【0055】さらに、プラズマ処理装置が正常状態にあ
るときにはプラズマ発光が実質的に観察されないチャン
バー内領域におけるプラズマ発光を検出する検出器を具
備することにより、検出器によってチャンバー内の異常
放電にともなうプラズマ発光を検出した時点で、異常放
電を解消する適切な処置をすることが可能となり、被処
理体の処理への悪影響を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置を
示す断面図。
【図2】図1の装置におけるインピーダンス調整機構を
示す断面図。
【図3】図1の装置におけるチャンバー底壁のコンデン
サー取り付け部を示すための図。
【図4】図1のインピーダンス調整機構に用いた絶縁部
材の厚さと容量との関係を示す図。
【図5】本発明のプラズマ処理装置の等価回路を示す回
路図。
【図6】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置
の要部を示す断面図。
【図7】従来のプラズマ処理装置を示す断面図。
【符号の説明】
1……チャンバー 2……下部電極 4……支持台 6……ベローズ 7……ベローズカバー 8……給電棒 9……接地パイプ 10……整合器 11……高周波電源 26……スライドコンタクト 30……インピーダンス調整機構 31……絶縁部材 32……コンデンサー 40……可変コンデンサー 41……検出窓 42……光検出器 43……制御装置 W……半導体ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05H 1/46 H05H 1/46 M R (72)発明者 川端 淳史 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 戸澤 茂樹 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 石川 拓 山梨県韮崎市藤井町北下条2381番地の1 東京エレクトロン山梨株式会社内 (72)発明者 西部 晴仁 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292 株式会 社半導体先端テクノロジーズ内 Fターム(参考) 4K030 FA03 KA39 KA41 KA49 4K057 DA16 DA20 DD01 DM01 DM02 DM03 DM06 DM08 DM31 DM33 DM37 DM39 DN01 DN02 5F004 BB13 BB22 BB25 BB28 BC08 5F045 AA08 AA19 BB20 DP01 DP02 DP03 EF05 EH04 EH05 EH13 EH14 EH19 EJ01 EJ02 EJ03 EJ05 EM05 EM10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が真空状態に保持可能なチャンバ
    ーと、 前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、 前記チャンバー内に処理ガスを導入するガス導入機構
    と、 被処理体を支持するとともに、高周波が印加される下部
    電極と、 前記下部電極に対向して設けられた上部電極と、 前記チャンバー外に設けられ、前記下部電極に高周波を
    印加して、上部電極および下部電極の間に処理ガスのプ
    ラズマを形成する高周波電源と、 前記高周波電源から前記下部電極に給電するための給電
    部材と、 プラズマから少なくともチャンバー内壁を通って高周波
    電源へ戻るリターン電流回路のインピーダンスを調整す
    るインピーダンス調整手段とを具備することを特徴とす
    るプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記インピーダンス調整手段は、その容
    量が可変のコンデンサーであることを特徴とする請求項
    1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 さらに、プラズマ処理装置が正常状態に
    あるときにはプラズマ発光が実質的に観察されないチャ
    ンバー内領域におけるプラズマ発光を検出する検出器
    と、 この検出器の出力に応じて前記コンデンサの容量を調整
    する制御手段とを具備することを特徴とする請求項2に
    記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 内部が真空状態に保持可能なチャンバー
    と、 前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、 前記チャンバー内に処理ガスを導入するガス導入機構
    と、 被処理体を支持するとともに、上下に移動可能に設けら
    れ、高周波が印加される下部電極と、 前記下部電極に対向して設けられた上部電極と、 前記チャンバー外に設けられ、前記下部電極に高周波を
    印加して、上部電極および下部電極の間に処理ガスのプ
    ラズマを形成する高周波電源と、 前記高周波電源から前記下部電極に給電するための給電
    部材と、 前記給電部材の周囲に設けられ、リターン電流を高周波
    電源に戻す接地パイプと、 前記下部電極から前記チャンバーの底壁の間にチャンバ
    ー内と駆動部とを離隔するように設けられた導電性のベ
    ローズと、 前記接地パイプと前記チャンバーの底壁とを導通させる
    スライドコンタクトと、 プラズマから高周波電源に戻るリターン電流を、チャン
    バー内壁から前記ベローズと前記接地パイプとに分流さ
    せて、リターン電流回路のインピーダンスを調整するイ
    ンピーダンス調整手段とを具備することを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記インピーダンス調整手段は、前記チ
    ャンバーの底壁と前記ベローズとの間に設けられたコン
    デンサーを有することを特徴とする請求項4に記載のプ
    ラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 前記インピーダンス調整手段は、前記チ
    ャンバーの底壁と前記ベローズとの間に介在された絶縁
    部材を有し、前記絶縁部材は、ポリエーテルエーテルケ
    トンまたはポリイミドであることを特徴とする請求項5
    に記載のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 前記コンデンサーは容量が可変であるこ
    とを特徴とする請求項5または請求項6に記載のプラズ
    マ処理装置。
  8. 【請求項8】 内部が真空状態に保持可能なチャンバー
    と、前記チャンバー内を真空排気する排気機構と、前記
    チャンバー内に処理ガスを導入するガス導入機構と、被
    処理体にプラズマ処理を施すために処理ガスをプラズマ
    化するプラズマ生成手段とを具備するプラズマ処理装置
    であって、 さらに、プラズマ処理装置が正常状態にあるときにはプ
    ラズマ発光が実質的に観察されないチャンバー内領域に
    おけるプラズマ発光を検出する検出器を具備することを
    特徴とするプラズマ処理装置。
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