JP2000285920A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池Info
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Abstract
密度の非水電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 充放電可能な正極、充放電可能な負極、
および非水電解質を具備し、前記負極が、式LiκMX
α(Xはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群
より選ばれた少なくとも一種の元素、MはSn、Si、
Ge、Pb、Bi、P、B、Ga、In、Al、As、
Sb、Zn、Ir、Mg、Ca、Sr、およびBaから
なる群より選ばれた少なくとも一種の元素、0≦κ<1
0、2<α<12)で表される化合物を含有する非水電
解質二次電池。
Description
池の構成要素である負極の改良に関する。さらに詳しく
は、高エネルギー密度で、かつデンドライトが原因とな
る電池の内部短絡のない非水電解質二次電池に関する。
する非水電解質二次電池は、高い放電電圧を持ち、高エ
ネルギー密度が期待されるため、多くの研究が行われて
いる。これまで提案された非水電解質二次電池の正極活
物質として、LiMn2O4、LiCoO2、LiNi
O2、V2O5、Cr2O5、MnO2、TiS2、MoS2な
どの遷移金属の酸化物およびカルコゲン化合物が知られ
ている。これらの化合物は、層状もしくはトンネル構造
を有し、リチウムイオンが出入りできる結晶構造を持っ
ている。一方、負極活物質としては、金属リチウムが多
く検討されてきた。しかしながら、金属リチウムを電池
の負極活物質として用いると、充電時に金属リチウムの
表面に樹枝状のリチウムが析出するから、充放電効率が
低下したり、正極と接して内部短絡を生じたりするとい
う問題を有していた。このような問題を解決する手段と
して、リチウムの樹枝状成長を抑制し、リチウムを吸蔵
・放出することできるリチウム−アルミニウムなどのリ
チウム合金を電池の負極に用いる検討がなされている。
しかし、このようなリチウム合金を負極活物質として用
いた場合、深い充放電を繰り返すと電極材料の微細化が
生じ、充放電サイクルの進行とともに、放電容量が低下
するという問題があった。
どのリチウム合金に、さらに他の元素を添加したものを
電極として用いることで、電極の微細化を抑制する提案
がなされている(特開昭62−119856号、特開平
4−109562号)。しかしながら、以上の取り組み
にもかかわらず、合金系の負極活物質を用いたリチウム
イオン二次電池は、実用上、要求される特性を得るには
至っていない。そこで、リチウムイオン二次電池用の負
極活物質として、上記の合金系に替わり、炭素材料を用
いたリチウムイオン二次電池が、現在実用化されてい
る。炭素材料は、合金系の負極活物質よりも容量は小さ
いが、リチウムを可逆的に吸蔵・放出することができる
ため、充放電サイクル性に優れる。また、充電時に負極
活物質表面に、樹枝状のリチウムが析出しにくいのい
で、電池の安全性の確保が比較的容易であるという長所
を持っている。
化を目的として、負極に酸化物を用いたリチウムイオン
二次電池が提案されている。例えば結晶質のSnO、S
nO2が、従来のWO2などに比べて高い容量をもつ負極
材料として提案されている(特開平7−122274
号、特開平7−235293号)。また、SnSiO3
あるいはSnSi1-xPxO3などの非晶質酸化物を負極
に用いることでサイクル特性を改善する提案もなされて
いる(特開平7−288123号)。また、本発明者ら
は、硝酸、硫酸、硫酸水素、チオシアン酸、シアン、シ
アン酸、炭酸、炭酸水素、ホウ酸水素、リン酸水素、セ
レン酸、セレン酸水素、テルル酸、テルル酸水素、タン
グステン酸、モリブデン酸、チタン酸、クロム酸、ジル
コン酸、ニオブ酸、タンタル酸、マンガン酸、バナジン
酸の群から選択される少なくとも一つを含む金属塩ある
いは半金属塩が、非水二次電池として高い容量を有し、
サイクル寿命に優れた負極材料であることを提案してい
る。
Pb、Bi、P、B、Ga、In、Al、As、Sb、
Zn、Ir、Mg、Ca、Sr、Baから選択される2
種以上の元素と酸素、硫黄、セレン、テルルの群から選
択される少なくとも1種の元素とを含む結晶質化合物
が、高容量でサイクル寿命に優れた負極材料であること
も提案している。以上の負極材料を用いると、これまで
提案された非水電解質二次電池に比べ、サイクル特性が
格段に向上するが確認された。しかし、携帯用機器のい
っそうの高機能化や、電気自動車を始めとする大型電池
化の動きが、現在さらに活発化しており、駆動用電源と
しての電池に対するいっそうの長寿命化の要求が強まっ
ている。このような要望に対して、上記の負極材料は、
未だ充分なサイクル特性を得るまでには至ってはいない
のが現状である。
要望に鑑み、さらに高い容量を持ち、充放電に際しても
リチウムのデンドライトが発生することなく、かつサイ
クル寿命が格段に向上した非水電解質二次電池を提供す
ることを目的とする。
正極、充放電可能な負極、および非水電解質を具備し、
前記負極が、式LiκMXα(Xはフッ素、塩素、臭
素、およびヨウ素からなる群より選ばれた少なくとも一
種の元素、MはSn、Si、Ge、Pb、Bi、P、
B、Ga、In、Al、As、Sb、Zn、Ir、M
g、Ca、Sr、およびBaからなる群より選ばれた少
なくとも一種の元素、0≦κ<10、2<α<12)で
表される化合物を含有する非水電解質二次電池を提供す
る。
が好ましい。前記式で表される化合物は非晶質であるの
が好ましい。前記式で表される化合物の一次粒子の平均
粒子径は0.01μmから1μmの範囲であるのが好ま
しい。
は、式LiκSnXα(Xは塩素、フッ素、臭素、およ
びヨウ素からなる群より選ばれた少なくとも一種の元
素、0≦κ<10、2<α<12)で表される化合物を
含有する。前記の式において、Xは、臭素およびヨウ素
の少なくとも一方であることが好ましい。
可能な負極、および非水電解質を具備し、前記負極が、
LiκMXα(Xはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素
からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、MはS
i、Ge、Pb、Bi、P、B、Ga、In、Al、A
s、Sb、Zn、Ir、Mg、Ca、Sr、およびBa
からなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、0≦κ
<10、1<α≦2)で表される化合物を含有する非水
電解質二次電池にも関する。
な負極、および非水電解質を具備し、前記負極が、Li
κSnXα(Xは臭素、およびヨウ素からなる群より選
ばれた少なくとも一種の元素、0≦κ<10、1<α≦
2)で表される化合物を含有する非水電解質二次電池を
も提供する。
池に用いる負極活物質を鋭意検討した結果、従来報告さ
れている金属酸化物や金属塩あるいは炭素材料は、電池
充放電の際のリチウムの出入りに伴う膨張収縮に対し
て、構造がもろいのに比べて、上記の特定のハロゲン化
合物は、充放電に対して安定であることを見出した。現
在のところ、本発明の負極活物質ハロゲン化合物の、結
晶構造的なリチウム収納サイトの詳細は不明である。し
かし、このハロゲン化合物は、電池充放電の際、多量の
Liが出入りしたときに起こる膨張収縮によっても対し
て、安定な理由は、次のように考えられる。本発明のハ
ロゲン化合物の代表例としてSnXα(X=臭素、ヨウ
素の群から選ばれる少なくとも一つ、1<α<12)で
表される化合物について説明する。この化合物は、αの
値によってサイクル特性が異なることがわかった。すな
わち、表5に示したとおり、2<α<10の範囲におい
てサイクル特性に優れ、特に、3<α<8の範囲で極め
てサイクル特性に優れる。
れる。SnFαを例にとると、SnFαは、初期の充電
(Li挿入)過程で、まず、 SnFα+4Li→Sn+4LiF の反応式に従って4価イオン状態のスズが0価(金属状
態)Snまで還元され、同時にLiFが生成する。この
時、化合物LiFのマトリクス中に金属状態の微細な、
もしくは非晶質的なSnが存在している状態と推定され
る。さらに、その後の充電反応では Sn+xLi-→LixSn に従って合金化反応が進むと考えられる。放電(Li脱
離)反応では、上記とは逆の反応が進む。このような0
価スズとLiとの合金化反応は、従来では合金反応過程
での体積変化に由来する合金粉の微細化、電気化学的に
不活性な合金相の発生や蓄積等の悪影響で非常にサイク
ル寿命が劣る状態となる。これに対して、本発明のLi
Fのような化合物マトリクス中もしくはマトリクスとと
もに存在する金属状態のスズは、充放電時の合金化反応
であっても、このマトリクスの効果により、上記の微粉
化や不活性相の発生が抑制され、サイクル特性に優れた
状態が得られるものと考えられる。したがって、α値に
よってサイクル特性が異なったものとなるのは、このマ
トリクスの状態や存在量に関係していると考えられる。
すなわち、上記のようなサイクル特性を向上させるに
は、金属状態のスズに対して一定量以上のマトリクスが
必要であり、しかもこのマトリクスが平均して存在する
ことが大切である。このような環境を得るには、αは2
<α<10の範囲にあることが重要であり、α≦2とい
うようにアニオンの少ない、すなわち、結果としてLi
Fなどのマトリクス量の乏しい状態では、可逆的な充放
電反応の進行には、マトリクス量が不足で、充放電反応
時の体積変化などを抑制するには十分な状態とは言えな
いと思われる。一方、α≧10であると、マトリクス量
は十分であるが、残念ながら、その伝導性が小さいため
に、金属状態のスズとリチウムとの充放電反応を阻害
し、結果としてサイクル特性が劣ると考えられる。さら
に、これらと同様のメカニズムで、特に、3<α<8の
範囲が極めてサイクル特性に優れ、充放電を円滑に進行
できる化合物状態が得られると考えられる。
体的に説明するが、実施例で示した特定の化学組成に限
定されるものではなく、本発明で示した構成元素を含有
する化合物であれば同様な効果が得られる。
検討した。各種フッ素化合物の負極活物質としての電極
特性を評価するのに用いた試験セルの構造を図1に示
す。フッ素化合物の粉末6gに、導電剤としての黒鉛粉
末3g、および結着剤としてのポリエチレン粉末1gを
混合して合剤とした。この合剤0.1gを直径17.5
mmの円盤に加圧成型して電極1を作製した。この電極を
ケース2の中央に配置し、その上に微孔性ポリプロピレ
ンからなるセパレータ3を置いた。1モル/lの過塩素
酸リチウムを溶解した、エチレンカーボネートとジメト
キシエタン(体積比で1:1)の混合溶液を非水電解液
としてセパレータ3上に注液した。次に、内側に直径1
7.5mmの円盤状金属リチウムシート4を張り付け、外
周部にポリプロピレン製ガスケット5を付けた封口板6
を前記ケース2に組み合わせて封口し、試験セルとし
た。
て、2mAの定電流で、電極1がリチウム対極4に対して
0Vになるまでカソード分極(活物質電極を負極として
見る場合には充電に相当する)し、次に電極1が1.5
Vになるまでアノード分極(放電に相当する)した。こ
のカソード分極とアノード分極を100サイクル繰り返
して電極特性を評価した。比較例の活物質にはSnO2
を用いた。表1に2サイクル目の活物質1g当たりの放
電容量、および100サイクル目の放電容量維持率を示
した。放電容量維持率は、2サイクル目の容量を基準に
した。また、100サイクル目のカソード分極が終了し
た後、試験セルを分解したところ、いずれも金属リチウ
ムの析出は認められなかった。
活物質は、比較例と比べて高い容量を持ち、さらに、こ
れを用いて構成した非水電解質二次電池は、極めて高い
容量維持率を持つことがわかる。
例では、活物質以外、即ち、電極構成、試験セルの作製
方法、および充放電条件は、実施例1と同じである。表
2に、2サイクル目の活物質1g当たりの放電容量、お
よび100サイクル目の放電容量維持率を示した。ま
た、100サイクル目のカソード分極が終了した後、試
験セルを分解したところ、いずれも金属リチウムの析出
は認められなかった。
活物質は、比較例と比べて高い容量を持ち、さらに、こ
れを用いて構成した非水二次電池は、極めて高い容量維
持率を持つことがわかる。
特性を評価した。また、100サイクル目のカソード分
極が終了した後、試験セルを分解したところ、いずれも
金属リチウムの析出は認められなかった。表3に、2サ
イクル目の活物質1g当たりの放電容量、および100
サイクル目の放電容量維持率を示した。
活物質は、比較例と比べて高い容量を持ち、さらに、こ
れを用いて構成した非水二次電池は、極めて高い容量維
持率を持つことがわかる。
の特性を評価した。100サイクル目のカソード分極が
終了した後、試験セルを分解したところ、いずれも金属
リチウムの析出は認められなかった。表4に、2サイク
ル目の活物質1g当たりの放電容量、および100サイ
クル目の放電容量維持率を示した。
活物質は、比較例と比べて高い容量を持ち、さらに、こ
れを用いて構成した非水二次電池は、極めて高い容量維
持率を持つことがわかる。
化物の特性を評価した。100サイクル目のカソード分
極が終了した後、試験セルを分解したところ、いずれも
金属リチウムの析出は認められなかった。表5に、2サ
イクル目の活物質1g当たりの放電容量、および100
サイクル目の放電容量維持率を示した。
活物質は、比較例と比べて高い容量を持ち、さらに、こ
れを用いて構成した非水二次電池は、極めて高い容量維
持率を持つことがわかる。
ばれる少なくとも一つ、1<α<12)で表される化合
物は、αの値によってサイクル特性が異なることがわか
った。すなわち、表5に示したとおり、2<α<10の
範囲でサイクル特性に優れ、特に、3<α<8の範囲で
極めてサイクル特性に優れている。前記の範囲を外れた
化合物では、充放電反応にともなう様々な状態変化に充
分には対応できないため、サイクルの進行に伴い容量低
下が大きくなると考えられる。
その評価に用いた試験セルの構造を図2に示す。電池は
以下の手順により作製した。正極活物質であるLiMn
1.8Co0.2O4 はLi2CO3とMn3O4とCoCO 3と
を所定のモル比で混合し、900℃で加熱することによ
って合成した。これを100メッシュ以下に分級したも
のを正極活物質とした。正極活物質100gに、導電剤
としての炭素粉末を10g、結着剤としてのポリ4フッ
化エチレンの水性ディスパージョンを固形分で8g、お
よび純水を加えて、ペースト状にし、チタンの芯材に塗
布し、乾燥、圧延して正極を得た。
しての黒鉛粉末、および結着剤としてのポリ4フッ化エ
チレンを重量比で60:30:10の割合で混合し、石
油系溶剤を用いてペ−スト状としたものを銅の芯材に塗
布後、100℃で乾燥し、負極板を得た。セパレ−タに
は微孔性ポリプロピレンを用いた。スポット溶接により
取り付けた、芯材と同材質の正極リード14を有する正
極板11と、同じくスポット溶接により取り付けた、芯
材と同材質の負極リード15を有する負極板12、およ
び両極板間に介在させた、両極板より幅の広い帯状の多
孔性ポリプロピレン製セパレータ13を渦巻状に捲回し
て電極群を構成した。この電極群の上下それぞれにポリ
プロピレン製の絶縁板16、17を配して電槽18に挿
入し、電槽18の上部に段部を形成させた後、非水電解
質として、1モル/lの過塩素酸リチウムを溶解したエ
チレンカーボネートとジメトキシエタンの等体積混合溶
液を注入し、正極端子20を有する封口板19で密閉し
て電池とした。
て、充放電電流1mA/cm2、充放電電圧範囲4.3
V〜2.6Vで充放電サイクル試験をした。この試験に
おいて、2サイクル目の放電容量に対する、100サイ
クル目の放電容量維持率を表6に示した。比較例には、
これまでの実施例と同じくSnO2を負極活物質として
用いたものを使用した。
化合物を負極活物質に用いた電池は、比較例の電池に比
べて、サイクル特性が大きく向上している。
価した。
合物を負極活物質に用いた電池は、比較例の電池に比べ
て、サイクル特性が大きく向上している。
材料を用いた電池の特性を評価した。導電剤には、表8
に示すように、天然黒鉛、人造黒鉛、低結晶炭素、カー
ボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラッ
ク、炭素繊維、銅粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉
末、銀粉末、ニッケル金属繊維、およびポリフェニレン
誘導体を用いた。負極活物質には、表8に示したとお
り、SnF4、SnBr4、およびSnI4を用いた。負
極合剤は、活物質粉末6gに、導電剤を3g、および結
着剤としてのポリエチレン粉末1gを混合して調製し
た。試験セルの作製方法や、試験方法は、実施例1と同
じである。また、100サイクル目のカソード分極が終
了した後、試験セルを分解したところ、いずれも金属リ
チウムの析出は認められなかった。2サイクル目の活物
質1g当たりの放電容量、および100サイクル目の放
電容量維持率を表8及び表9に示した。その結果、本実
施例で構成した電池は、充放電サイクルによる容量維持
率が高いことが判明した。
に所定量のリチウムを含有させた化合物の電極特性を評
価した。まず、これらの各活物質を用いて電極を調製
し、実施例1と同様の試験セルを作製した。なお、リチ
ウム含有量は、上記化合物をICP分光分析で定量する
ことにより、それらの組成を確認した。以上の結果を表
10及び表11に示す。
κSnXα(X=臭素、およびヨウ素からなる群より選
ばれた少なくとも一種の元素、1<α<12)で表す
と、リチウムの含量を表すκが、0≦κ<10の範囲で
良好な電極特性を示すことがわかった。すなわち、κが
上記の範囲において、金属リチウムの析出がなく、良好
な可逆性を示すとともに、高い放電容量とサイクル維持
率を示す。また、10≦κの場合には、いずれもサイク
ル性の悪化が確認された。挿入されているリチウム量が
多量なため、不活性なリチウムが生成しやすく、このた
め、サイクル性が悪化するものと考えられる。
SnF4、SnBr4、SnCl4に所定量のリチウム含
有した化合物について説明したが、負極活物質が、Li
κMXα(0≦κ<10、X=フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素の群から選ばれる少なくとも一つ、1<α<12、
M=Si、Ge、Pb、Bi、P、B、Ga、In、A
l、As、Sb、Zn、Ir、Mg、Ca、Sr、Ba
の群から選ばれる1種以上の元素)で表される化合物に
おいても、同様の結果が得られる。
F4、SnBr4、およびSnCl4が非晶質材料である
場合と結晶質材料である場合について、それらの電極特
性を評価した。まず、前記の各活物質を用いて電極を調
製し、実施例1と同様の試験セルを作製した。以上の結
果を表12に示す。
場合には、高容量でサイクル特性に優れていた。一方、
結晶質材料の場合には、容量が小さく、サイクル劣化も
大きいものであった。非晶質材料が優れた特性を示すの
は、結晶質材料に比べて、充放電反応時により良好な充
放電可逆状態を維持しやすいためと考えられる。
SnBr4、およびSnCl4の1次粒子の平均粒子径に
ついて詳しく検討した。前記負極活物質の一次粒子の平
均粒子径が0.005μmから5μmの範囲でそれらの
電極特性を評価した。まず、前記の各活物質を用いて電
極を調製し、実施例1と同様の試験セルを作製して特性
を評価した。以上の結果を表13に示す。
0.01μmから1μmの範囲で良好な電極特性を示す
ことがわかった。すなわち、金属リチウムの析出がな
く、良好な可逆性を示すとともに、高い放電容量とサイ
クル維持率を示す。一次粒子の平均粒子径が0.01μ
m以下の場合には、非常に細かな1次粒子の集合とな
り、その結果、集電性の確保が困難となり、低容量でサ
イクル劣化の大きい状態となったと推定される。また、
1μmより大きな粒子径の場合には、充放電反応にとも
なう体積変化などの状態の変化に追従しにくい電極状態
となり、そのため、低容量で、サイクル劣化の大きい結
果となったと考えられる。
上記の実施例に示したもの以外、電池性能に悪影響を与
えない電子導電性材料であれば、特に限定されるもので
はない。たとえば、黒鉛や低結晶性炭素のような炭素材
料の他、炭素の一部にB、P、N、S、H、Fなど他元
素が含まれる材料も用いることができる。さらには、金
属や半金族を含む炭化物であっても良い。例を挙げる
と、Al4C3、Al2C6、Na2C2、K2C2、Cu
2C2、Ag2C2、MgC2、Mg2C3、CaC2、ZnC
2、VC2、SiC、B12C3、Cr3C2、Cr7C3、C
r4C、TiC、VC、V4C3、V5C、MoC、Mo2
C、WC、W2C、Mn3C、Mn 23C6、Mn7C3、F
e3C、Fe2C、FeC、Co3C、Co2C、Co
C2、Ni3Cを用いることができる。なお、導電材料は
上記の単体に限らず、電池性能に応じてこれらを混合し
て用いることも可能である。
n1.8Co0.2O4について説明したが、LiMn2O4な
どのリチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、例
えばLiNiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、
LiCoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、リチ
ウム含有コバルトニッケル複合酸化物、リチウム含有コ
バルトマンガン複合酸化物、リチウム含有バナジウム酸
化物などをはじめとするリチウム含有遷移金属酸化物
や、カルコゲン化合物、例えば二硫化チタン、二硫化モ
リブデンなどをはじめとする遷移金属からなるカルコゲ
ン化合物なども、充放電に対して可逆性を有する正極を
用いた場合にも同様の効果があることはいうまでもな
い。なかでもリチウム含有遷移金属酸化物が特に好まし
い。正極の結着剤としては、ポリアクリル酸、カルボキ
シメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、ポリビニルアルコール、澱
粉、ジアセチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、SBR、EPDM、スル
ホン化EPDM、フッ素ゴム、ポリブタジエン、ポリエ
チレンオキシドであり、好ましきはポリフッ化ビニリデ
ン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル
酸、カルボキシメチルセルロース、SBRを用いること
ができる。これらは負極の構成においても同様である。
正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、
ニッケル、チタン、またはこれらの合金を用いることが
できる。形態としては箔、エキスパンドメタル、パンチ
ングメタル、金網が好ましく、特にアルミニウム箔が有
用である。負極を構成する集電体としては、銅、ステン
レス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金を用い
ることができる。形態としては箔、エキスパンドメタ
ル、パンチングメタル、金網がこのましく、特に銅箔が
有用である。
カーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエ
タン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−
メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、
ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、
ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、アセトニトリ
ル、蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、燐
酸トリメチル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導
体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、
プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘
導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンの
1種、または2種以上を混合したものを用いることがで
きる。特に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネートの1種または両方が含まれているものが好まし
い。電解質を構成する溶質は、リチウム含有塩、ナトリ
ウム含有塩、マグネシウム含有塩、アルミニウム含有
塩、カリウム含有塩、ルビジウム含有塩、カルシウム含
有塩などを用いることができる。中でも好ましくはリチ
ウム含有塩であり、更に、LiClO4、LiBF4、L
iPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAs
F6、LiSbF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボ
ン酸リチウム、LiAlCl4、LiCl、LiBr、
LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチ
ウムが有用である。
二次電池は、高い放電容量を持ち、充放電に際してもリ
チウムのデンドライトが発生することなく、かつサイク
ル寿命が大幅に向上する。
の試験セルの断面概略図である。
である。
Claims (9)
- 【請求項1】 充放電可能な正極、充放電可能な負極、
および非水電解質を具備し、前記負極が、式LiκMX
α(Xはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群
より選ばれた少なくとも一種の元素、MはSn、Si、
Ge、Pb、Bi、P、B、Ga、In、Al、As、
Sb、Zn、Ir、Mg、Ca、Sr、およびBaから
なる群より選ばれた少なくとも一種の元素、0≦κ<1
0、2<α<12)で表される化合物を含有する非水電
解質二次電池。 - 【請求項2】 前記式において、αが4<α<8である
請求項1記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項3】 前記負極が、さらに導電剤、および結着
剤を含有する請求項1記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項4】 前記式で表される化合物が非晶質である
請求項1記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項5】 前記式で表される化合物の一次粒子の平
均粒子径が0.01μmから1μmの範囲である請求項
1記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項6】 充放電可能な正極、充放電可能な負極、
および非水電解質を具備し、前記負極が、LiκSnX
α(Xは塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素からなる群
より選ばれた少なくとも一種の元素、0≦κ<10、2
<α<12)で表される化合物を含有する非水電解質二
次電池。 - 【請求項7】 前記式において、αが4<α<8である
請求項6記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項8】 充放電可能な正極、充放電可能な負極、
および非水電解質を具備し、前記負極が、LiκMXα
(Xはフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群よ
り選ばれた少なくとも一種の元素、MはSi、Ge、P
b、Bi、P、B、Ga、In、Al、As、Sb、Z
n、Ir、Mg、Ca、Sr、およびBaからなる群よ
り選ばれた少なくとも一種の元素、0≦κ<10、1<
α≦2)で表される化合物を含有する非水電解質二次電
池。 - 【請求項9】 充放電可能な正極、充放電可能な負極、
および非水電解質を具備し、前記負極が、LiκSnX
α(Xは臭素、およびヨウ素からなる群より選ばれた少
なくとも一種の元素、0≦κ<10、1<α≦2)で表
される化合物を含有する非水電解質二次電池。
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