JP2000285357A - マルチターンエンコーダ及びコントローラ並びにマルチターンエンコーダ出力信号伝送システム - Google Patents

マルチターンエンコーダ及びコントローラ並びにマルチターンエンコーダ出力信号伝送システム

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JP2000285357A
JP2000285357A JP11087620A JP8762099A JP2000285357A JP 2000285357 A JP2000285357 A JP 2000285357A JP 11087620 A JP11087620 A JP 11087620A JP 8762099 A JP8762099 A JP 8762099A JP 2000285357 A JP2000285357 A JP 2000285357A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチターンエンコーダからコントローラへ
の位置データの通信時間を短縮し、高速な位置制御を実
現すること。 【解決手段】 発光素子3と、該発光素子に対して固定
スリット板及び回転スリット板を介して対応配置され、
受光したときに出力信号を出力する受光素子4と、該受
光素子の出力信号からパルス信号としての1回転内デー
タを生成して出力する1回転内データ波形整形回路5
と、1回転内データ波形整形回路からの1回転内データ
に基づいて回転計数データを作成して出力する回転計数
データ作成回路6と、電源投入のイニシャライズ時或い
は要求指令時から所定時間後に回転計数データ作成回路
からの回転計数データを保持して出力し、それから所定
時間後に前記1回転内データ波形整形回路からの1回転
内データを保持して出力し、シリアル伝送するように切
り替え、その後は該1回転内データ波形整形回路からの
1回転内データを随時出力するようにした信号切替回路
18とを備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマルチターンエンコ
ーダ及びコントローラ並びにマルチターンエンコーダ出
力信号伝送システム、特にマルチターンエンコーダから
コントローラへの位置データ受け渡しの通信時間を短縮
し、高速な位置制御を実現するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】マルチターンエンコーダの位置データ
は、例えば1回転内データ11bit、多回転計数データ
±11bit=12bitの計23bitのデータで構成されて
いる。マルチターンエンコーダの全位置データである2
3bitのデータはコントローラに対してパラレルで出力
するのが一番良いようにも考えられるが、下記の問題が
あり採用しがたい。 1.全位置データをパラレル出力すると、信号線だけで
23本必要となるために手間とコストがかかるという問
題がある。 2.多回転計数データのカウントUP/DOWN時にカ
ウントが終了し、データが安定した後の値と1回転内デ
ータとのタイミングがコントロール側で取りにくく、約
1回転分の位置の読み取りミスが発生してしまうという
問題がある。そこで、マルチターンエンコーダからコン
トローラに対してデータを伝送する場合に、省線化のた
め、全位置データである23bitのデータはシリアル伝
送されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなマルチターンエンコーダからコントローラに対し
て全位置データをシリアル伝送した場合には、コントロ
ーラが位置データを受け取る時間はデータの長さと伝送
速度に左右されるため、コントローラが位置データを受
け取る時間、即ち通信時間が長くなるという問題があっ
た。そこで、通信時間を短くして高速制御を考えた場
合、エンコーダ、コントローラ間の距離が離れた設備や
ノイズ環境が劣悪な設備での使用を考慮すると、伝送速
度を速くするには限界があり、データの長さを短くする
ことが通信時間の短縮に有効と考えられるに至った。
【0004】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、マルチターンエンコーダから
コントローラへの位置データの通信時間を短縮し、高速
位置制御を実現することができるマルチターンエンコー
ダ及びコントローラ並びにマルチターンエンコーダ出力
信号伝送システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
マルチターンエンコーダは、発光素子と、発光素子に対
して固定スリット板及び回転スリット板を介して対応配
置され、受光したときに出力信号を出力する受光素子
と、受光素子の出力信号からパルス信号としての1回転
内データを生成して出力する1回転内データ波形整形回
路と、少なくとも許容最高回転速度による半回転所要時
間よりも短い時間間隔のタイミングで前記1回転内デー
タ波形整形回路からの1回転内データを最初にラッチ
し、そのラッチしたタイミングから所定時間遅れたタイ
ミングで前記1回転内データを次にラッチするように
し、最初のラッチした1回転内データとその1回転内デ
ータをラッチしたタイミングでは前回における所定時間
遅れたタイミングでラッチされた次の1回転内データと
を対比し、その対比結果に応じて減算処理又は加算処理
して回転計数データを作成して出力する回転計数データ
作成回路と、電源投入のイニシャライズ時或いは要求指
令時から所定時間後に前記回転計数データ作成回路から
の回転計数データを保持して出力し、それから所定時間
後に前記1回転内データ波形整形回路からの1回転内デ
ータを保持して出力すりょうにしてシリアル伝送し、そ
の後は前記1回転内データ波形整形回路からの1回転内
データを随時出力するようにした信号切替回路とを備え
たものである。
【0006】本発明の請求項2に係るコントローラは、
マルチターンエンコーダの信号切替回路からのデータを
受け取り、シリアル伝送された回転計数データを初期値
として出力し、シリアル伝送された1回転内データを出
力し、その後は随時1回転内データを出力するようにし
た信号切替回路と、信号切替回路からのシリアル伝送さ
れた回転計数データを初期値として取り込み、少なくと
も許容最高回転速度による半回転所要時間よりも短い時
間間隔のタイミングで前記信号切替回路からの1回転内
データを最初にラッチし、そのラッチしたタイミングか
ら所定時間遅れたタイミングで前記1回転内データを次
にラッチするようにし、最初のラッチした1回転内デー
タとその1回転内データをラッチしたタイミングでは前
回における所定時間遅れたタイミングでラッチされた次
の1回転内データとを対比し、その対比結果に応じて前
記初期値の回転計数データに対して減算処理又は加算処
理して回転計数データを作成して出力する回転計数デー
タ作成回路と、前記信号切替回路からの1回転内データ
と前記回転計数データからの回転計数データとを受け入
れる内部制御回路とを備えたものである。
【0007】本発明の請求項3に係るマルチターンエン
コーダの出力信号伝送システムは、マルチターンエンコ
ーダから出力された1回転内データと回転計数データを
コントローラに伝送するようにしたマルチターンエンコ
ーダ出力信号伝送システムであって、前記請求項1のマ
ルチターンエンコーダ及び前記請求項2のコントローラ
を具備してなるものである。
【0008】本発明の請求項1のマルチターンエンコー
ダにおいては、信号切替回路が電源投入のイニシャライ
ズ時或いは要求指令時から所定時間後に、まず1回転内
データ波形整形回路からの受光素子の出力信号からパル
ス信号を生成して出力した1回転内データに基づいて回
転計数データ作成回路が作成して出力した回転計数デー
タを保持して出力し、次にそれから所定時間後に前記1
回転内データ波形整形回路からの1回転内データを保持
して出力するようにしてシリアル伝送し、その後は1回
転内データ波形整形回路からの1回転内データを随時出
力するようにしたから、エンコーダはコントローラに必
要な1回転内データと回転計数データとの送信する位置
データの量を減らして伝送するため、データ伝送の通信
時間を短縮することができる。
【0009】本発明の請求項2のコントローラにおいて
は、その信号切替回路がマルチターンエンコーダの信号
切替回路からのデータを受け取り、シリアル伝送された
回転計数データを初期値として回転計数データ作成回路
に出力し、シリアル伝送された1回転内データとその後
の随時伝送された1回転内データを回転計数データ作成
回路と内部制御回路とに出力し、回転計数データ作成回
路では信号切替回路からのシリアル伝送された回転計数
データを初期値として取り込み、その後はシリアル伝送
された1回転内データと随時伝送されてくる1回転内デ
ータとに基づいて回転計数データを作成して内部制御回
路に出力するようにしたから、エンコーダから電源投入
のイニシャライズ時又は要求指令時にシリアル伝送され
た全位置データを受け取り、その後はエンコーダからの
1回転内データのみを受け取っても1回転内データ多回
転計数データを得て現在位置を求めることができるた
め、全位置データをその都度エンコーダから受け取るよ
りも通信時間を短縮して高速な位置制御を行うことがで
きることとなった。
【0010】本発明の請求項3のマルチターンエンコー
ダ出力信号伝送システムにおいては、上記エンコーダと
上記コントローラとを組み合わせて使用することによ
り、コントローラが全位置データをその都度エンコーダ
から受け取るよりも通信時間を短縮して高速な位置制御
を可能にするマルチターンエンコーダ出力信号伝送シス
テムを得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態に係るマ
ルチターンエンコーダの機能ブロック図、図2は本発明
の実施形態に係るコントローラの機能ブロック図、図3
は同マルチターンエンコーダの信号切替回路の電源投入
時の出力動作及び信号切替タイミングを示すタイミング
チャート、図4は同マルチターンエンコーダの信号切替
回路の要求入力印加時の出力動作及び信号切替タイミン
グを示すタイミングチャート、図5は同マルチターンエ
ンコーダの制御信号発生回路の各制御信号の発生タイミ
ングを示すタイミングチャートである。図1はマルチタ
ーンエンコーダ出力信号伝送システムにおけるマルチタ
ーンエンコーダ(以下、「エンコーダ」と称す)Aを示
し、固定スリット1及び回転スリット2を介して発光素
子3と11bit の三角波の出力信号を出力する受光素子
4とが対向して配置される。5は受光素子4からの各bi
t の出力信号を取り込み、一定レベルとの信号を重畳さ
せてパルス信号としての1回転内データを生成して出力
する1回転内データ波形整形回路である。6は1回転内
データ波形整形回路5からの1回転内データに基づいて
回転計数データを作成して出力する回転計数データ作成
回路である。
【0012】10は常用電源が印加されているときは、
後述のタイミング信号発生回路1を有効にし、常用電源
が遮断されているときは、タイミング信号発生回路2を
有効にする信号を出力する停電検出回路、11はエンコ
ーダAが最高許容回転数で回転したときに1 digitを通
過するまでの時間よりも短い周期でタイミング信号を出
力するタイミング信号発生回路1、12はエンコーダA
が最高許容回転数で回転したときに半回転するまでの時
間よりも短い周期でタイミング信号を出力するタイミン
グ信号発生回路2、13はタイミング信号発生回路11
又はタイミング信号発生回路12のタイミング信号のタ
イミングで出力するラッチ信号1と2、比較開始信号、
計数開始信号を発生して出力する制御信号発生回路であ
る。この制御信号発生回路13は図5に示すようにラッ
チ信号1、比較開始信号、計数開始信号及びラッチ信号
2をその順序に従って発生する。
【0013】なお、タイミング信号発生回路11が出力
するタイミング信号の周期をエンコーダが最高許容回転
数で回転したときにに1digitを通過するまでの時間よ
り短い周期としたのは常用電源が印加されているときに
1回転の分解能毎にリアルタイムでラッチし、正確な位
置制御をするためである。また、タイミング信号発生回
路12が出力するタイミング信号の周期をエンコーダが
最高許容回転数で回転したときに半回転するまでの時間
よりも短い周期としたのは停電時には最大限に回転が+
方向によるものか、−方向によるものかを判別すること
ができる時間間隔だからである。
【0014】14は制御信号発生回路13からラッチ信
号1が供給されたタイミングで受光回路14の出力を取
り込んでラッチして現在の値(最新のエンコーダ位置)
を出力するラッチ回路1、15は制御信号発生回路13
からラッチ信号2が供給されたタイミングで、ラッチ回
路14の前回の値(前回のエンコーダ位置)をラッチし
て出力するするラッチ回路2である。16は比較回路
で、制御信号発生回路13から比較開始信号が供給され
たタイミングで、ラッチ回路14の出力とラッチ回路1
5の出力とを比較し、現在の値と前回の値の差を求め、
エンコーダの原点を通過したか、通過した場合にどの回
転方向から通過したかを判断し、加算指令又は減算指令
を出力する。この実施の形態では、回転計数データ作成
回路6は停電検出回路10〜回転計数カウンタ16で構
成されている。
【0015】17は制御信号発生回路13から計数開始
信号が入力されたタイミングで比較回路16からの加算
指令又は減算指令に基づいて、「−1」又は「+1」の
計数処理をし、現時点における例えばn回転等の回転計
数を出力する回転計数カウンタである。18は電源投入
時又は要求入力時に図3又は図4に示すタイミングで出
力動作・信号切替を行う信号切替回路、19はbit0〜b
it11までの出力インターフェイスである出力回路、2
0は出力回路19に接続されたbit0〜bit11までの出
力端子である。
【0016】図2はマルチターンエンコーダ出力信号伝
送システムにおけるコントローラを示し、21はエンコ
ーダの出力端子20と接続線(図示省略)を介して接続
されたコントローラのbit0〜bit11の入力端子、22
は電源が投入され、エンコーダAからbit0〜bit11ま
でのデータ信号が入力されたことを検出し、後述の信号
切替回路に出力する検出回路、23は入力端子21と接
続された信号切替回路で、検出回路21からの出力信号
を受けてから1.2ms後にエンコーダ入力信号を回転
計数データとして受け、回転計数カウンタ27へカウン
ト初期値として出力し、検出回路20からの出力信号を
受けてから2.4ms後にエンコーダ入力の信号を1回
転内データとして受け、ラッチ回路1内に1回転内デー
タを出力し、その後は随時ラッチ回路1に1回転内デー
タを出力する信号切替回路である。
【0017】24はコントローラBの信号切替回路23
からの1回転内データに基づいて回転計数データを作成
して出力する回転計数データ作成回路、25はコントロ
ーラBのエンコーダが最高許容回転数で回転したときに
1digitを通過するまでの時間よりも短い周期でタイミ
ング信号を出力するタイミング信号発生回路、26はタ
イミング信号発生回路24の出力信号を基にラッチ信号
1と2、比較開始信号、計数開始信号を発生させる制御
信号発生回路、27はラッチ回路1で、エンコーダAの
ラッチ回路14と同様の機能を有する。28はラッチ回
路2で、エンコーダAのラッチ回路15と同様の機能を
有する。29は比較回路で、エンコーダAの比較回路1
6と同様の機能を有する。
【0018】30は回転計数カウンタで、電源投入時に
エンコーダAから得た回転計数データをカウンタの初期
値として取り込む以外は、エンコーダAの回転計数カウ
ンタ17と同様の機能を有する。31は信号切替回路2
3から1回転内データが入力され、回転計数カウンタ3
0からの回転計数データを受け入れ、これらのデータに
基づいて種々の位置制御を行う内部制御回路である。こ
のコントローラBにおける回転計数データ作成回路24
はタイミング信号発生回路25〜回転計数カウンタ30
で構成されている。なお、コントローラBで、エンコー
ダAが最高許容回転数で回転したときに1digitを通過
するまでの時間よりも短い周期でタイミング信号を出力
するタイミング信号発生回路24だけが設けられている
のは、停電時にはコントローラBが動作する必要がない
からである。
【0019】次に、図1のエンコーダ出力信号伝送シス
テムにおけるエンコーダAの動作を説明する。図3に示
すようにエンコーダAへ電源が投入されると、信号切替
回路18はそれに内蔵する300msのタイマ(図示省
略)が働き、タイムアップするまではエンコーダA内の
各回路の動作をオフして1回転内データと回転計数デー
タの全出力をオフする。それから1.2msの間はエン
コーダA内の各回路の動作をオンさせる。このとき、発
光素子3は発光し、受光素子4は発光素子3からの光を
固定スリット1及び回転スリット2を介して受光する。
受光素子4は三角波の出力信号を下位のbit0から上位
のbit10毎に各bitの1回転内データ波形整形回路5に
出力する。1回転内データ波形整形回路5は三角波の出
力信号に一定レベルの信号を重畳させてパルス信号とし
ての1回転内データを生成し、ラッチ回路14と信号切
替回路18に出力する。
【0020】停電検出回路10が停電を検出しない場合
はタイミング信号発生回路11のタイミング信号に基づ
いて、又停電検出回路10が停電を検出した場合はタイ
ミング信号発生回路12のタイミング信号に基づいて、
制御信号発生回路13がラッチ回路14にラッチ信号1
を出力する。ラッチ回路14はこのラッチ信号1が入力
されると、受光素子4の1回転内データ波形整形回路5
によって整形された1回転内データであるパルス信号の
出力を現在値として取り込んで記憶し、その値を比較回
路16に出力する。このとき、ラッチ回路15はそれ以
前のタイミングでラッチ回路14の出力を取り込んで記
憶し出力しており、ラッチ回路14が現在値を出力して
いるタイミングにおいては、ラッチ回路14の前回のラ
ッチ出力、即ち前回の値を出力している。
【0021】さらに、制御信号発生回路13は比較開始
信号を比較回路16に出力する。比較回路16はこの比
較開始信号が入力されると、ラッチ回路14からの現在
値、ラッチ回路15からの前回の値及び原点の関係を比
較する。正回転のときは、前回の値と現在値との間に原
点がある場合及び現在値が原点に一致する場合には、回
転計数カウンタ17を「+1」とするための加算指令を
回転計数カウンタ17に出力し、逆回転のときは、前回
の値と現在値との間に原点がある場合及び前回の値が原
点に一致する場合には、回転計数カウンタ17を「−
1」とするための減算指令を回転計数カウンタ17に出
力する。また、前回の値と現在値との間に原点がない場
合は何もしない。
【0022】次に、制御信号発生回路17は計数開始信
号を回転計数カウンタ17に出力する。回転計数カウン
タ17では計数開始信号が入力されると、そのタイミン
グで比較回路16から加算指令が出力されている場合は
その計数値を「+1」し、減算指令が出力されている場
合にはその計数値「−1」して現在の bit0〜 bit11
の回転計数データを信号切替回路18に出力する。な
お、制御信号発生回路13はラッチ回路15にラッチ信
号2を出力し、ラッチ回路15ではそのラッチ信号2が
入力されると、そのタイミングで、ラッチ回路14の出
力を前回の値として取り込んで記憶し、その値を比較回
路24に出力する。これは、次にラッチ回路14が現在
値をラッチするタイミングにおいては、前回の値として
出力されることになる。
【0023】このようにして全出力オンの1.2msの
間に1回転内データ波形整形回路5からの bit0〜 bit
10の1回転内データが信号切替回路18に出力される
と共に回転計数カウンタ17からの bit0〜 bit11の
回転計数データが信号切替回路18に出力される。次
に、それから1.2msの間、信号切替回路18はまず
回転計数カウンタ17の bit0〜 bit11の回転計数デ
ータを保持し、出力回路19を介して出力端子20より
コントローラBに回転計数データを伝送する。その後、
1.2msの間、信号切替回路18は今度は1回転内デ
ータ波形整形回路5の bit0〜 bit10の1回転内デー
タを保持し、出力回路19を介して出力端子20よりコ
ントローラBに1回転内データを伝送する。
【0024】それからは、エンコーダAの1回転内デー
タ波形整形回路5の1回転内データが随時コントローラ
Bに伝送される。こうして、エンコーダAからコントロ
ーラBにまず保持された bit0〜bit11の回転計数デ
ータと bit0〜bit10の1回転内データがシリアルに
伝送され、その後はbit0〜bit10の1回転内データが
随時伝送されるから、エンコーダAの出力端子20及び
信号線を介して接続されるコントローラBの入力端子2
1は13あれば足りることとなる。
【0025】次に、図2のエンコーダ出力信号伝送シス
テムにおけるコントローラBの動作を説明する。また、
エンコーダAから伝送された回転計数データと1回転内
データを受け取ったコントローラBでは、まず検出回路
22がこれらのデータが入力されたことを検出し、検出
したことを示す出力信号を信号切替回路23に出力す
る。信号切替回路23では検出回路22からの出力信号
を受けてから、1.2ms後に、エンコーダAから伝送
された回転計数データを回転計数カウンタ29にカウン
ト初期値として出力する。さらに、信号切替回路23は
検出回路22からの出力信号を受けてから、2.4ms
後に、エンコーダAから伝送された1回転内データをラ
ッチ回路26に出力し、その後は随時1回転内データを
ラッチ回路26に出力する。なお、電源投入後、上記動
作によってラッチ回路26に1回転内データが取り込ま
れ、ラッチ信号2によってラッチ回路27に取り込まれ
たこの1回転内データが、ラッチ回路27に取り込まれ
るまでの間は、信号切替回路23は制御信号発生回路2
5に対して、比較開始信号及び計数開始信号の出力を禁
止するよう信号を出力する。
【0026】このコントローラBにおいては、回転計数
カウンタ29に電源投入時にエンコーダAから得た回転
計数データをカウンタの初期として取り込み、その後に
信号切替回路23から出力された1回転内データがラッ
チ回路26に随時入力される状態は、エンコーダAのラ
ッチ回路14に1回転内データが入力されるのと同じ状
態であり、制御信号発生回路25から回転計数カウンタ
29までの動作は同じであるので、その説明は省略す
る。こうしてコントローラBにおいて、信号切替回路2
3から出力された1回転内データが内部制御回路30に
出力される共に回転計数カウンタ29から電源投入時に
おける初期値としての回転計数データに次々と加算、減
算されて書き替えられた回転計数データが内部制御回路
30に出力される。
【0027】このことは、電源投入のイニシャライズ時
にのみエンコーダAから1回転内データ(11bit)と
回転計数データ(12bit)とをコントローラBにシリ
アル伝送して全位置データ(23bit)を出力し、その
後は1回転内データ(11bit)のみを随時出力する。
従って、エンコーダAは11bitでコントローラBに必
要な1回転内データと回転計数データの送信する位置デ
ータの量が減り、通信時間を短縮して伝送することがで
きる。また、コントローラBでは、イニシャライズ時に
のみエンコーダAから全位置データ(23bit)を受け
取り、回転計数データを初期値として取り込み、その後
送られてくるエンコーダAからの1回転内データのみか
ら回転計数データを初期値に対して加算、減算して現在
の回転計数データを演算し、1回転内データと現在の多
回転計数データとにより現在位置を求め、全位置データ
をその都度エンコーダAから受け取るよりも高速な位置
制御を行うことができることとなった。また、このこと
は回転計数データの生成に関してゲートアレイ等を使用
することで、シリアル伝送するよりもはるかに速く行え
るものである。
【0028】以上の説明は、電源投入のイニシャライズ
時にのみエンコーダAから1回転内データ(11bit)
と回転計数データ(12bit)とをコントローラBにシ
リアル伝送して全位置データ(23bit)を出力し、そ
の後は1回転内データ(11bit)のみを随時出力して
いる場合であるが、その1回転内データ(11bit)の
みを随時出力中に、図4に示すようにコントローラBの
内部制御回路30が全位置データ(23bit)の0.2
sの出力要求をしたときは、その要求指令はエンコーダ
Aの信号切替回路18に送られる。
【0029】そうすると、信号切替回路18では、電源
投入のイニシャライズ時と同様に、0.2sの出力要求
の終了後から1.2msの間はエンコーダ内の各回路の
動作をオンさせ、電源投入時と同様に、全出力オンの
1.2msの間に1回転内データ波形整形回路5からの
bit0〜 bit10の1回転内データが信号切替回路18
に出力されると共に回転計数カウンタ17からの bit0
〜 bit11の回転計数データが信号切替回路18に出力
される。次に、それから1.2msの間、信号切替回路
18はまず回転計数カウンタ17の bit0〜 bit11の
回転計数データを保持し、出力回路19を介して出力端
子20よりコントローラBに回転計数データを伝送す
る。その後、1.2msの間、信号切替回路18は今度
は1回転内データ波形整形回路5の bit0〜 bit10の
1回転内データを保持し、出力回路19を介して出力端
子20よりコントローラBに1回転内データを伝送す
る。それからは、エンコーダAの1回転内データ波形整
形回路5の1回転内データが随時コントローラBに伝送
され、電源投入時と同様の動作をすることとなる。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1のエンコ
ーダによれば、信号切替回路が電源投入のイニシャライ
ズ時或いは要求指令時から所定時間後に、まず1回転内
データ波形整形回路からの受光素子の出力信号からパル
ス信号を生成して出力した1回転内データに基づいて回
転計数データ作成回路が作成して出力した回転計数デー
タを保持して出力し、次にそれから所定時間後に前記1
回転内データ波形整形回路からの1回転内データを保持
して出力するようにしてシリアル伝送し、その後は1回
転内データ波形整形回路からの1回転内データを随時出
力するようにしたから、エンコーダはコントローラに必
要な1回転内データと回転計数データとの送信する位置
データの量を減らして伝送するため、データ伝送の通信
時間を短縮することができるという効果がある。
【0031】本発明の請求項2のコントローラによれ
ば、その信号切替回路がマルチターンエンコーダの信号
切替回路からのデータを受け取り、シリアル伝送された
回転計数データを初期値として回転計数データ作成回路
に出力し、シリアル伝送された1回転内データとその後
の随時伝送された1回転内データを回転計数データ作成
回路と内部制御回路とに出力し、回転計数データ作成回
路では信号切替回路からのシリアル伝送された回転計数
データを初期値として取り込み、その後はシリアル伝送
された1回転内データと随時伝送されてくる1回転内デ
ータとに基づいて回転計数データを作成して内部制御回
路に出力するようにしたから、エンコーダから電源投入
のイニシャライズ時又は要求指令時にシリアル伝送され
た全位置データを受け取り、その後はエンコーダからの
1回転内データのみを受け取っても1回転内データ多回
転計数データを得て現在位置を求めることができるた
め、全位置データをその都度エンコーダから受け取るよ
りも通信時間を短縮して高速な位置制御を行うことがで
きるという効果がある。
【0032】本発明の請求項3のエンコーダ出力信号伝
送システムによれば、前記エンコーダと前記コントロー
ラとを組み合わせて使用することにより、コントローラ
が全位置データをその都度エンコーダから受け取るより
も通信時間を短縮して高速な位置制御を可能にするマル
チターンエンコーダ出力信号伝送システムを得ることが
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るマルチターンエンコー
ダの機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコントローラの機能ブ
ロック図である。
【図3】同マルチターンエンコーダの信号切替回路の電
源投入時の出力動作及び信号切替タイミングを示すタイ
ミングチャートである。
【図4】同マルチターンエンコーダの信号切替回路の要
求入力印加時の出力動作及び信号切替タイミングを示す
タイミングチャートである。
【図5】同マルチターンエンコーダの制御信号発生回路
の各制御信号の発生タイミングを示すタイミングチャー
トである。
【符号の説明】
3 発光素子 4 受光素子 5 1回転内データ波形整形回路 6 回転計数データ作成回路 18 信号切替回路 A エンコーダ B コントローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光素子と、 発光素子に対して固定スリット板及び回転スリット板を
    介して対応配置され、受光したときに出力信号を出力す
    る受光素子と、 受光素子の出力信号からパルス信号としての1回転内デ
    ータを生成して出力する1回転内データ波形整形回路
    と、 少なくとも許容最高回転速度による半回転所要時間より
    も短い時間間隔のタイミングで前記1回転内データ波形
    整形回路からの1回転内データを最初にラッチし、その
    ラッチしたタイミングから所定時間遅れたタイミングで
    前記1回転内データを次にラッチするようにし、最初の
    ラッチした1回転内データとその1回転内データをラッ
    チしたタイミングでは前回における所定時間遅れたタイ
    ミングでラッチされた次の1回転内データとを対比し、
    その対比結果に応じて減算処理又は加算処理して回転計
    数データを作成して出力する回転計数データ作成回路
    と、 電源投入のイニシャライズ時或いは要求指令時から所定
    時間後に前記回転計数データ作成回路からの回転計数デ
    ータを保持して出力し、それから所定時間後に前記1回
    転内データ波形整形回路からの1回転内データを保持し
    て出力するようにしてシリアル伝送し、その後は前記1
    回転内データ波形整形回路からの1回転内データを随時
    出力するようにした信号切替回路とを備えたことを特徴
    とするマルチターンエンコーダ。
  2. 【請求項2】 マルチターンエンコーダの信号切替回路
    からのデータを受け取り、シリアル伝送された回転計数
    データを初期値として出力し、シリアル伝送された1回
    転内データを出力し、その後は随時1回転内データを出
    力するようにした信号切替回路と、 信号切替回路からのシリアル伝送された回転計数データ
    を初期値として取り込み、少なくとも許容最高回転速度
    による半回転所要時間よりも短い時間間隔のタイミング
    で前記信号切替回路からの1回転内データを最初にラッ
    チし、そのラッチしたタイミングから所定時間遅れたタ
    イミングで前記1回転内データを次にラッチするように
    し、最初のラッチした1回転内データとその1回転内デ
    ータをラッチしたタイミングでは前回における所定時間
    遅れたタイミングでラッチされた次の1回転内データと
    を対比し、その対比結果に応じて前記初期値の回転計数
    データに対して減算処理又は加算処理して回転計数デー
    タを作成して出力する回転計数データ作成回路と、 前記信号切替回路からの1回転内データと前記回転計数
    データからの回転計数データとを受け入れる内部制御回
    路とを備えたことを特徴とするコントローラ。
  3. 【請求項3】 マルチターンエンコーダから出力された
    1回転内データと回転計数データをコントローラに伝送
    するようにしたマルチターンエンコーダ出力信号伝送シ
    ステムであって、マルチターンエンコーダ及びコントロ
    ーラを具備し、 前記マルチターンエエンコーダは発光素子と、発光素子
    に対して固定スリット板及び回転スリット板を介して対
    応配置され、受光したときに出力信号を出力する受光素
    子と、受光素子の出力信号からパルス信号を生成して出
    力する1回転内データ波形整形回路と、少なくとも許容
    最高回転速度による半回転所要時間よりも短い時間間隔
    のタイミングで前記1回転内データ波形整形回路からの
    1回転内データを最初にラッチし、そのラッチしたタイ
    ミングから所定時間遅れたタイミングで前記1回転内デ
    ータを次にラッチするようにし、最初のラッチした1回
    転内データとその1回転内データをラッチしたタイミン
    グでは前回における所定時間遅れたタイミングでラッチ
    された次の1回転内データとを対比し、その対比結果に
    応じて減算処理又は加算処理して回転計数データを作成
    して出力する回転計数データ作成回路と、電源投入のイ
    ニシャライズ時或いは要求指令時から所定時間後に前記
    回転計数データ作成回路からの回転計数データを保持し
    て出力し、それから所定時間後に前記1回転内データ波
    形整形回路からの1回転内データを保持して出力するよ
    うにしてシリアル伝送し、その後は前記1回転内データ
    波形整形回路からの1回転内データを随時出力するよう
    にした信号切替回路とを備え、 前記コントローラはエンコーダの信号切替回路からのデ
    ータを受け取り、シリアル伝送された回転計数データを
    初期値として出力し、シリアル伝送された1回転内デー
    タを出力し、その後は随時1回転内データを出力するよ
    うにした信号切替回路と、信号切替回路からのシリアル
    伝送された回転計数データを初期値として取り込み、少
    なくとも許容最高回転速度による半回転所要時間よりも
    短い時間間隔のタイミングで前記信号切替回路からの1
    回転内データを最初にラッチし、そのラッチしたタイミ
    ングから所定時間遅れたタイミングで前記1回転内デー
    タを次にラッチするようにし、最初のラッチした1回転
    内データとその1回転内データをラッチしたタイミング
    では前回における所定時間遅れたタイミングでラッチさ
    れた次の1回転内データとを対比し、その対比結果に応
    じて前記初期値の回転計数データに対して減算処理又は
    加算処理して回転計数データを作成して出力する回転計
    数データ作成回路と、前記信号切替回路からの1回転内
    データと前記回転計数データからの回転計数データとを
    上受けいれる内部制御回路とを備えたことを特徴とする
    マルチターンエンコーダ出力信号伝送システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012505390A (ja) * 2008-10-09 2012-03-01 ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング マルチターン回転エンコーダー
JP2019035641A (ja) * 2017-08-14 2019-03-07 Dmg森精機株式会社 位置検出器及び位置検出器を備えた検出システム

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