JP2000284112A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

カラーフィルタおよびその製造方法

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JP2000284112A JP8864799A JP8864799A JP2000284112A JP 2000284112 A JP2000284112 A JP 2000284112A JP 8864799 A JP8864799 A JP 8864799A JP 8864799 A JP8864799 A JP 8864799A JP 2000284112 A JP2000284112 A JP 2000284112A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー液晶ディスプレイに好適なカラー
フィルタおよびその製造方法に関するものであり、特に
光触媒を用いたカラーフィルタおよびその製造方法に関
し、高品質、低コストで製造することができ、且つ経時
安定性に優れるカラーフィルタおよびその製造方法を提
供する。 【解決手段】 透明基板上に液体濡れ性可変層が設けら
れ、該液体濡れ性可変層上に、複数色の画素部を、該液
体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に設けたカラ
ーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該
カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面
に、紫外線吸収層を積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶ディス
プレイに好適なカラーフィルタおよびその製造方法に関
するものであり、特に光触媒を用いたカラーフィルタお
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの発
達、特に携帯用パーソナルコンピューター発達に伴い、
液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの
需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー
液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウン
の要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラ
ーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。従来よ
り行われているカラーフィルタの製造方法としては、例
えば染色法、顔料分散法、印刷法等が挙げられる。
【0003】これらの方法では、染色法、顔料分散法で
はスピンコート等による透明基板への塗布工程における
材料ロスが避けられず、また、各色の着色パターン形成
ごとに現像工程と洗浄工程が必要であり、材料使用効率
の向上や工程の簡略化が困難で製造コスト低減に支障を
来していた。また、印刷法では高精細なパターン形成が
困難であり、電着法では形成可能なパターン形状が限定
されるという問題があった。これらの問題を解決したカ
ラーフィルタの製造方法として、インクジェット方式で
着色インキを吹き付けて着色層を形成する方法が提案さ
れている。しかしながら、インクジェット方式において
は、そのパターン形状に対応した高精細なパターンニン
グは直接基板上に行うことは困難であり、またインキ受
容層を設けた場合でもインキのにじみ等が発生し、現状
性能を満たすものが得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コーティン
グ方式、インキ吐出方式(総称してコーティングとい
う)で画素部を形成するにあたり問題となる基板の濡れ
性に関して、単一の層で濡れ性の良い部分と悪い部分を
形成することが可能であり、かつこの濡れ性の良い部分
と悪い部分とのパターンを少ない工程で容易に形成する
ことができ、更にインクの吸収層が不要である、品質が
良好でかつ低コストで製造することができるカラーフィ
ルタおよびその製造方法を提供することを主目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は透明基板上に液体濡れ性可変層が設けら
れ、該液体濡れ性可変層上に、複数色の画素部を、該液
体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に設けたカラ
ーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該
カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面
に、紫外線吸収層が積層されているカラーフィルタを構
成要件とした。
【0006】また、透明基板上に液体濡れ性可変層が設
けられ、該液体濡れ性可変層上に、該液体濡れ性可変に
対応した所定のパターン上に設けた複数色の画素部と、
該画素部の境界部分に設けられた遮光部とからなるカラ
ーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該
カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面
に、紫外線吸収層が積層されているカラーフィルタを構
成要件とした。
【0007】更に、透明基板上に遮光部を予め所定のパ
ターンで設け、更に透明基板上に遮光部が設けられてい
る側の面に液体濡れ性可変層が設けられ、該液体濡れ性
可変層上に、該液体濡れ性可変に対応した所定のパター
ン上に複数色の画素部を設けたカラーフィルタ層が形成
されたカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタのカ
ラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層が
積層されているカラーフィルタを構成要件とした。
【0008】さらに、上記カラーフィルターにおいて、
液体濡れ性可変層が少なくとも光触媒を含むことを構成
要件とした。
【0009】さらに、上記カラーフィルターにおいて液
体濡れ性可変層が少なくとも光触媒とバインダーからな
ることを構成要件とした。
【0010】また、本発明では、前記課題を解決するた
めのカラーフィルタの製造方法として、透明基板上に液
体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に
所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上
に複数色の画素部を所定のパターンに対応して設けるカ
ラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフ
ィルタ層が設けられている面に紫外線吸収層を積層する
工程、とを順次行う方法を見い出した。
【0011】また、カラーフィルタの製造方法として、
透明基板上に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡
れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体
濡れ性可変層上に複数色の画素部を所定のパターンに対
応して設け、更に、該画素部の境界部分に遮光部をを設
けるカラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカ
ラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層を
積層する工程、とを順次行う方法を見い出した。
【0012】さらに、カラーフィルタの製造方法とし
て、透明基板上に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液
体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該
液体濡れ性可変層上に遮光部をを設ける工程、複数色の
画素部を所定のパターンに対応して設けるカラーフィル
タ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が
設けられている面に、紫外線吸収層を積層する工程、と
を順次行う方法を見い出した。
【0013】さらに、カラーフィルタの製造方法とし
て、透明基板上に遮光部を予め所定のパターンで設ける
工程、透明基板上に遮光部が設けられている側の面に液
体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に
所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上
に、複数色の画素部を該液体濡れ性可変層上の所定のパ
ターンに対応して設けるカラーフィルタ層形成工程、該
カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面
に、紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行う方法を
見い出した。
【0014】
【作用】本発明のカラーフィルタおよびその製造方法を
用いることにより、従来にない高精細で再現性の高いカ
ラーフィルタが得られ、また光触媒を用いたカラーフィ
ルタの製造方法を用いることにより、作製工程が簡易
で、また高品質なカラーフィルタを得ることができた。
さらに本発明の紫外線吸収層を本発明のカラーフィルタ
に積層することにより、経時安定性の良いきわめて品質
の高いカラーフィルタを得ることが可能となった。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1、2は本発明のカラーフ
ィルタの実施形態の一例を示す概略縦断面図である。図
1において本発明のカラーフィルタaは、透明基板1、
この透明基板上に形成された濡れ性変化成分層としての
液体濡れ性可変層2、この液体濡れ性可変層の特定の濡
れ性部位上に形成されたブラックマトリックス3と、R
GB各着色層(4R、4G、4B)、これらのブラック
マトリックス及び着色層を覆うように形成された紫外線
吸収層5を備えている。また図3は、ブラックマトリッ
クス3が無い場合の概略縦断面図である。本発明の、酸
化チタンに代表される光触媒による作用機構は、必ずし
も明確なものではないが、光の照射によって生成したキ
ャリアが、近傍の化合物との直接反応あるいは酸素、水
の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構
造に変化を及ほすものと考えられている。
【0016】このような光触媒の作用を用いて、油性汚
れを光照射によって分解し、油性汚れを親水化して水に
よって洗浄可能なものとしたり、ガラス等の表面に親水
性膜を形成して防曇性を付与したり、あるいはタイル等
の表面に光触媒の含有層を形成して空気中の浮遊菌の数
を減少させるいわゆる抗菌タイル等が提案されている本
発明では、光触媒による有機物の分解等の作用を用い
て、パターン形成部とパターンが形成されない部分との
濡れ性を変化させることによって、パターン形成部の着
色組成物との受容性及びパターンが形成されない部分と
の反撥性を高めることによってカラーフィルタを得たも
のである。
【0017】光触媒種類 本発明のカラーフィルタに使用することができる光触媒
としては、光半導体として知られている酸化チタン(T
iO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化すずSnO2)、チ
タン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングス
テン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化鉄
(Fe23)のような金属酸化物を挙げることができる
が、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタンは、バンド
ギャップエネルギーが高く、化学的に安定であり、毒性
もなく、入手も容易である。
【0018】酸化チタンとしては、アナターゼ型とルチ
ル型のいずれも使用することができるが、アナターゼ型
酸化チタンが好ましい。アナターゼ型チタンとしては、
粒径が小さいものの方が光触媒反応が効率的に起こるの
で好ましい。平均粒径が50nm以下のものが好まし
く、より好ましくは20nm以下のものが好ましい。例
えば、アンモニア解腰型のアナターゼ型チタニアソル
(多木化学、A−6、平均結晶子径8nm、石原産業、
STS−11、平均結晶子径17nm)、硝酸解豚型の
アナターゼ型チタニアゾル(日産化学、TA−15、平
均結晶子径12nm)を挙げることができる。
【0019】液体濡れ性可変層 本発明の光触媒を含有する液体濡れ性可変層は、光触媒
を結着剤中に分散させて形成することができる。光触媒
は、結着剤をも光励起により分解するおそれがあるた
め、結着剤は光触媒の光酸化作用に対する十分な対抗性
を有する必要がある。そのような結着剤としては、主骨
格がシロキサン結合(−Si−O−)を有するシリコー
ン樹脂を使用することができる。また、シリコーン樹脂
は、けい素原子に有機基が結合しており、実施例aにお
いて後述するように、光触媒を光励起すればシリコーン
分子のけい素原子に結合した有機基は光触媒作用により
含酸素基に置換され濡れ性が向上するので、濡れ性が変
化する物質としての機能も示す。
【0020】シリコーン樹脂としては、一般式YnSi
X(4−n)(n=1〜3)で表されるケイ素化合物の
1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合
物を使用することができる。Yは、アルキル基、フルオ
ロアルキル基、ビニル基、アミノ基、あるいはエボキシ
基を挙げることができ、Xはハロゲン、メトキシル基、
エトキシル基、またはアセチル基を挙げることができ
る。
【0021】具体的には、メチルトリクロルシラン、メ
チルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソブロポキシシ
ラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリクロ
ルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n
−フロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロム
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロホキ
シシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−
へキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシ
ラン、n−へキシルトリメトキシシラン、n−へキシル
トリエトキシシラン、n−へキシルトリイソブロボキシ
シラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−デ
シルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキ
シシラン、n−デシルトリイソブロポキシシラン、n−
デシルトリt−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリ
クロルシラン、n−オクタデシルトリフロムシラン、n
−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソブロボ
キシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラ
ン、フェニルトリクロルシラン、フェニルトリプロムシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリイソブロボキシシラン、フェ
ニルトリt−ブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシ
ラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジプロム
シラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフエニルジエ
トキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニ
ルメチルジプロムシラン、フェニルメチルジメトキシシ
ラン、フエニルメチルジエトキシシラン、トリクロルヒ
ドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒ
ドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロ
ボキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン、
ピニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ピ
ニルトリメトキシシラン、ピニルトリエトキシシラン、
ピニルトリイソプロボキシシラン、ピニルトリt−ブト
キシシラン、Y−グリシドキシブロピルメチルジメトキ
シシラン、Y−グリシドキシブロピルメチルジエトキシ
シラン、Y−グリシドキシブロピルトリメトキシシラ
ン、Y−グリシドキシブロピルトリエトキシシラン、Y
−グリシドキシブロピルトリイソブロボキシシラン、Y
−グリシドキシブロピルトリt−ブトキシシラン、Y−
メタアクリロキシブロピルメチルジメトキシシラン、Y
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
Y−メタアクリロキシプロビルトリメトキシシラン、Y
−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、Y−
メタアクリロキシプロビルトリイソプロボキシシラン、
Y−メタアクリロキシブロピルトリt−ブトキシシラ
ン、Y−アミノプメリセーゾロピルメチルジメトキシシ
ラン、Y−アミノブロピルメチルジエトキシシラン、Y
−アミノプロピルトリメトキシシラン、Y−アミノブロ
ピルトリエトキシシラン、Y−アミノプロピルトリイソ
プロポキシシラン、Y−アミノプロピルトリt−フトキ
シシラン、Y−メルカブトブロピルメチルジメトキシシ
ラン、Y−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラ
ン、Y−メルカプトプロビルトリメトキシシラン、Y−
メルカプトブロピルトリエトキシシラン、Y−メルカプ
トブロピルトリイソブロボキシシラン、Y−メルカブト
ブロピルトリt−ブトキシシラン、6−(3、4−エボ
キシシク口へキシル)エチルトリメトキシシラン、8−
(3、4−エポキシシク口へキシル)エチルトリエトキ
シシラン、及び、それらの部分加水分解物、及びそれら
の混合物を使用することができる。
【0022】結着剤層としてオルガノアルコキシシラン
からなるものを用いる場合には、その少なくとも10〜
30重量%が2官能性シリコーン前駆体の例えばジアル
コキシジメチルシランから構成されるものを用いること
がより好ましい。オルガノアルコキシシランをゾルゲル
法等に使用する場合には、3官能性シリコーン前駆体で
ある例えばトリアルコキシメチルシランを主成分にし架
橋密度を向上させるが、本発明のように濡れ性の差違を
発現させる場合には、ジメチルシロキサン成分を多く含
んだ方がメチルシロキサン成分よりもより撥油性を向上
させることができる。
【0023】また、シリコーン分子は、けい素原子に結
合したオルガノ基としてフルオロアルキル基を含有して
も良い。この場合には、未露光部の臨界表面張力が更に
低下し、着色層組成物との反撥性が向上し、付着を妨げ
る機能を増す。また、着色層組成物の選択域が広がるの
でより好ましい。具体的には、下記のフルオロアルコキ
シシランの1種または2種以上を加水分解縮合物、共加
水分解縮合物から形成される。また、フルオロアルキル
基を含有する化合物としては、下記の化合物を挙げるこ
とができ、一般にフッ素系シランカツプリング剤として
知られているものを使用しても良い。
【0024】 CF3(CF23CH2CH2Si(OCH33 CF3(CF25CH2CH2Si(0CH33 CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33 CF3(CF29CH2CH2Si(OCH33 (CF32CF(CF24CH2CH2Si(OCH33 (CF32CF(CF26CH2CH2Si(OCH33 (CF32CF(CF28CH2CH2Si(OCH33 CF3(C64)C24Si(OCH33 CF3(CF23(C64)C24Si(OCH33 CF3(CF25(C64)C24Si(OCH33 CF3(CF27(C64)C24Si(OCH33 CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH32 CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OCH32 CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH32 CF3(CF29CH2CH2SICH3(OCH32 (CF32CF(CF24CH2CH2SiCH3(OCH32 (CF32CF(CF26CH2CH2SiCH3(OCH32 (CF32CF(CF28CH2CH2SiCH3(OCH32 CF3(C64)C24SICH3(OCH32 CF3(CF23(C64)C24SiCH3(OCH32 CF3(CF25(C64)C24SICH3(OCH32 CF3(CF27(C64)C24SiCH3(OCH32 CF3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33 CF3(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33 CF3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33 CF3(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33 CF3(CF27SO2N(C25)CH2CH2CH2Si(OCH33
【0025】更に良好な着色層組成物との反撥性を提供
するためには、反応性の綿状シリコーン(好ましくはジ
メチルポリシロキサン)をまばらに架橋することにより
得られるシリコーンが好ましい。代表的には以下に示す
繰り返し単位を有するものを用いて、架橋反応させたも
のが好ましい。また、結着剤としては、無定形シリ力前
駆体を用いることができ、一般式SiX4で表され、X
はハロゲン、メトキシ基、エトキシ基またはアセチル基
等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラ
ノール、または平均分子量3000以下のボリシロキサ
ンが好ましい。
【0026】具体的には、テトラエトキシシラン、テト
ライソプロポキシシラン、テトラ-n−プロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が
挙げられる。また、この場合には、無定形シリ力の前駆
体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、
基材に塗布し空気中の水分により加水分解させてシラノ
ールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより
光触媒含有膜を形成できる。シラノールの脱水縦重合を
100℃以上で行えばシラノールの重合度が増し、膜表
面の強度を向上できる。上記結着剤は、単独或は、混合
化し使用する。また、結着剤を使用せず、酸化チタン単
体での成膜も可能である。この場合の好ましいやり方
は、まず、基体上に無定型チタニアを形成し、次いで、
焼成により結晶性チタニアに相変化させる。
【0027】無定型チタニアは、例えば、TiCl4、Ti
(SO42等の無機塩の加水分解・脱水縮合、テトラエ
トキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn
−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメ
トキシチタン、等の有機チタン化合物の酸存在下におけ
る加水分解・脱水縮合により得ることができる。次い
で、400℃〜500℃の焼成によりアナターゼ型チタ
ニアに、600℃〜700℃の焼成でルチル型チタニア
に変換させる。
【0028】光触媒と結着剤の量 光触媒とオルガノシロキサン及び/または無定型シリカ
とを含む液体濡れ性可変層における光触媒の量は、5重
量%〜60重量%であることが好ましく、20重量%〜
40重量%であることがより好ましい。光触媒、結着剤
は、溶剤中に分散して塗布液を調製して塗布する。使用
することができる溶剤としては、エタノール、イソプロ
バノール等のアルコール系の有機溶剤を挙げることがで
きる。また、チタン系、アルミニウム系、ジルコニウム
系、クロム系のカップリング剤も使用することができ
る。
【0029】光触媒層形成方法 光触媒を含んだ塗布液は、スプレーコート、ディップコ
ート、ロールコート、ビードコートなどの方法により基
材に塗布することができる。また、結着剤として紫外線
硬化型の成分を含有している場合には、紫外線を照射し
て硬化処理を行うことにより、基材上に光触媒を含有し
た組成物の層を形成することができる。
【0030】露光方法 アナターゼ型チタニアは励起波長が380nm以下にあ
り、このような光触媒の場合には光触媒の励起は紫外線
により行う。紫外線を発するものとしては水銀ランプ、
メタルハライドランブ、キセノンランプ、エキシマラン
プ、エキシマレーザー、YAGレーザー、その他の紫外
線光源を使用することができ、照度、照射量等を変える
ことにより、膜表面の濡れ性を変化させることができ
る。また、露光レーザー等の微細なビームで行う場合に
は、マスクを使用することなく直接に所望のパターンを
描画することができるが、その他の光源の場合には、所
望のパターンを形成したマスクを使用して光照射してパ
ターンを形成する。パターン形成用のマスクは、蒸着用
マスクのように金属板に形成されたもの、ガラス板に金
属クロムで形成されたフォトマスク、或は印刷用途で
は、製版フィルム等を使用することができる。
【0031】フォトマスク及び製版用フィルムを使用す
る場合には、液体濡れ性可変層と密着露光することによ
り解像度は高くなるが、感度が著しく低下するために、
100μm前後のギャップを設けて露光することが好ま
しい。また、マスクとパターン形成体のギャップへ空気
を吹き付けながら、露光することにより反応が促進され
る感度が向上する。また、パターン形成体へ熱を加えな
がら露光することによっても感度が向上する。
【0032】基板 本発明のパターン形成用材料に使用することができる基
板としては透明な材料、並びに積層物を安定に保持でき
るものであれば特に制限はないが、例えば、無アルカリ
ガラス基板、アルカリガラス基板、更にはポリエステル
フィルム、ポリカーボネートフィルム等の透明フィルム
基板、石英ガラス基板等が好ましく用いられる。プライマー また、本発明のパターン形成体は、液体濡れ性可変層組
成物の塗布の前に、接着性向上、表面粗度の改善、光触
媒作用による基材の劣化防止、光触媒活性低下防止等を
目的とし基体上にプライマー層を形成してもよい。プラ
イマー層としては、シロキサン構造を主成分とする樹
脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等
を用いることができる。
【0033】紫外線吸収層 紫外線吸収層は、UV光による光触媒活性を抑える目的
で使用する。すなわち、紫外線吸収層がない場合、形成
されたカラーフィルタを紫外線を多く含む光エネルギー
で照射し続けると、液体濡れ性可変層に含まれる光触媒
がR,G,B着色層を形成するバインダー、あるいは着
色材自身、あるいは遮光層等に化学作用を引き起こし、
劣化、分解等が起こり使用に耐えないものとなる。従っ
て用いる紫外線吸収層は、少なくとも液体濡れ性可変層
に含まれる光触媒が光反応を起こす波長の光を吸収する
必要がある。また用いる光触媒の種類、添加量等で光触
媒反応性の程度が異なるため、液体濡れ性可変層の特性
に対応させて、紫外線吸収層の材料、膜厚を適宜選択し
て、最適化を行う。
【0034】また、液体濡れ性可変層に含まれる光触媒
が反応する紫外線は、紫外線吸収層にて100%達成さ
れることが望ましいのは言うまでもないが、光吸収エネ
ルギーは指数関数で作用するため、90%以上吸収され
れば実用上問題は生じない。例えば、紫外線吸収層に
は、用いる光触媒との関係を考慮し、ベンゾフェノン、
ベンゾトリアゾール等の有機系、酸化亜鉛等の無機系紫
外線吸収剤を使用できる。上記紫外線吸収剤を用いる場
合、バインダー樹脂としては、可視光領域を透過する樹
脂であれば特に制限はないが、例えばポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
スチレン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等を1種類もしく
は2種類以上を混合してもちいることができる。
【0035】添加する量は、バインダー樹脂と相溶性の
良い有機系紫外線吸収剤の場合は、バインダー樹脂に対
して1〜50重量%、分散状態で用いる無機系紫外線吸
収剤の場合は、基本的に得られる紫外線吸収層の透明性
を考慮する必要があり、5〜40重量%添加して使用す
ることができる。例えば酸化亜鉛の超微粒子と適当なポ
リエステル系バインダーに重量10%添加して得られる
複合膜によって紫外線吸収層が形成される。また、市販
の紫外線コーティング剤を使用しても良く例えば、住友
セメント(株)製の透明性紫外線遮蔽コーティング液Z
R−100、103、110、113、130、13
3、210、213、ZS−300、303などが使用
できる。
【0036】得られる紫外線吸収層は、その紫外線吸収
機能以外にも、着色層、あるいは/並びに遮光層を物理
的な外的衝撃から保護するための保護層としての機能も
有する。従って、これらの効果を達成するために、紫外
線吸収層の膜厚としては0.1〜5μm程度とすること
が好ましい。0.1μm以下では、これら紫外線吸収機
能、保護層機能が低下し、5μm以上では、これらの機
能は十分達成されるものの、カラーフィルタとして視覚
的に障害となり好ましくない。
【0037】遮光部の無いカラーフィルタの製造方法 次に、本発明のカラーフィルタ製造方法について、図3
に示すカラーフィルタを製造する場合を第1の実施態様
として図4を参照して説明する。
【0038】(透明基板上への液体濡れ性可変層の形成
工程)図4(A)に示すように、まず、透明基板1上に
液体濡れ性可変層2を形成する。この液体濡れ性可変層
2の形成は、上記光触媒とバインダーとを必要に応じて
他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、
この塗布液を塗布した後、重縮合反応を進行ざせてバイ
ンダー中に光触媒を強固に固定することにより形成され
る。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノ
ール等のアルコール系有機溶剤が好ましく、塗布はスピ
ンナーコート、スプレーコート、ディップコート、ロー
ルコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行う
ことができる。
【0039】また、バインダーとして、無定形シリカ前
駆体を用いた場合は、この、無定形シリカ前駆体と光触
媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、透明基板
1上で空気中の水分により加水分解させてシラノールを
形成させた後、常温で脱水縮重合することにより液体濡
れ性可変層2を形成することができる。さらに、光触媒
単体で成膜する場合には、例えば透明バリアフィルム基
板上で無定形チタニアを形成し、次いで焼成して結晶性
チタニアに相変換させることにより液体濡れ性可変層を
形成することができる。
【0040】(画素部の形成工程)次に、液体濡れ性可
変層の画素部形成部位にフォトマスク10を用いて露光
し、画素部用露光部9を形成する(図4(B))。この
画素部用露光部9は、液体濡れ性可変層内の光触媒の作
用により液体濡れ性可変層2の水の接触角を低くした部
位であり、親インク性領域を形成するものである。尚、
この露光は、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセ
ノンランプ等によるパターン照射でも良いが、他の方法
として、エキシマ、YAG等のレーザーを用いてパター
ン形状に描画照射する方法であっても良い。この露光に
用いる波長は400nm以下の範囲、好ましくは380
nm以下の範囲から設定することができ、また、露光に
際しての照射量は、露光部位が光触媒の作用により親イ
ンク性(水の接触角が30度以下、好ましくは20度以
下)を発現するのに必要な照射量とする。
【0041】そして、この画素部用露光部9に着色す
る。この着色方法は、種々の方法が可能であるが、ここ
ではインキジェット方式を用いて着色する方法としてそ
の工程を説明する。図9(C)に示すように、インクジ
ェット装置11により、露光により親インク性領域とな
った画素部用露光部9内にインク12を噴射して、それ
ぞれ赤、緑、青に着色する。この場合、画素部用露光部
9内は上述したように露光により水との接触角の小さい
親インク性領域となっているため、インクジェット装置
11から噴出されたインク12は、画素部用露光部9内
に均一に広がる。この場合、用いるインクジェット装置
11としては、特に限定されるものではないが、帯電し
たインクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、
圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、イン
クを加熱しその発泡を利用して間欠的にインクを噴射す
る方法等を用いたインクジェット装置を用いることがで
きる。
【0042】このようにして着色した画素部用露光部9
内のインクを固化させることにより、画素部4(4R、
4G、4B)が形成される(図4(C))。本発明にお
いてインクの固化は用いるインクの種類により、種々の
方法により行われる。例えば、水溶性のインクであれ
ば、加熱等をすることにより水を除去して固化が行われ
る。このインクの固化工程を考慮すると、本発明に用い
られるインクの種類としては、インクがUV硬化性イン
クであることが好ましい。これは、UV硬化性インクで
あればUVを照射することにより、素速くインクを固化
することができるので、カラーフィルタの製造時間を短
縮できるからである。上述したように、画素部用露光部
9内のインクは均一に広がっているために、このような
インクを固化した場合、色抜けや色むらがない画素部4
(4R、4G、4B)を形成することができる。
【0043】(紫外線吸収層の形成工程)そして、最後
に形成された画素部4(4R、4G、4B)上に紫外線
吸収層5が形成され、本発明のカラーフィルタが形成さ
れる(図4(D))。この紫外線吸収層5のコーティン
グ方法は、用いる紫外線吸収層形成用インキの種類に合
わせて、スピンナーコート、スプレーコート、ディップ
コート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方
法により行うことができる。
【0044】次に、本発明のカラーフィルタ製造方法に
おいて、図1に示すカラーフィルタを製造する場合を第
2の実施形態として、図5を参照して説明する。図5
(A)に示すように、まず、透明基板1上に液体濡れ性
可変層2を形成する。この液体濡れ性可変層2の形成工
程は、上述した第1実施形態と同様にして行われる。
【0045】(遮光部の形成工程)このようにして形成
された液体濡れ性可変層2の遮光部形成部位にフォトマ
スク等を用いて露光し、遮光部用露光部8を形成する。
この遮光部用露光部8は、液体濡れ性可変層2の光触媒
の影響により、液体濡れ性可変層2表面の水の接触角を
低くした部位であり、親インク性領域を形成するもので
ある。この露光方法は上述した第1実施形態と同様にし
て行われる。そして、遮光部用塗料を遮光部用露光部8
に付着させた後、硬化させて、遮光部3を形成する(図
3(C))。遮光部用露光部8への遮光部用塗料の塗布
は、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、
ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができ
る。この場合、塗布された遮光部用塗料は、遮光部用露
光部8以外の液体濡れ性可変層2の、高い水との接触角
を有する撥インク性領域ではじかれて除去され、水の接
触角が低い親インク性領域である遮光部用露光部8のみ
に選択的に付着する。
【0046】また、この遮光部用露光部8上への遮光部
用塗料の塗布は、インクジェット等のノズル吐出方式で
行っても良い。この場合、ノズル吐出により遮光部用露
光部8内に供給された遮光部用塗料は、親インク性領域
である遮光部用露光部8に均一に拡散して付着するとと
もに、撥インク性を示す他の液体濡れ性可変層2には拡
散することはない。また、仮にノズル吐出により供給さ
れた塗料が遮光部用露光部8からはみ出しても、高い撥
インク性を示す他の液体濡れ性可変層2ではじかれて遮
光部用露光部8内に付着することになる。さらに、遮光
部3の形成を真空薄膜形成方法により行っても良い。す
なわち、露光後の液体濡れ性可変層2上に蒸着法等によ
り金属薄膜お形成し、遮光部用露光部8以外の液体濡れ
性可変層2と遮光部用露光部8の接着力の差を利用し
て、粘着テープを用いた剥離、溶剤処理等によりパター
ン化して遮光部3を形成することができる。
【0047】(画素部の形成工程)次に、遮光部3が形
成された液体濡れ性可変層2上を全面露光する。これに
より遮光部3が形成されていない液体濡れ性可変層2の
部分が、光触媒の作用により親インク性領域の画素部用
露光部9となる(図3(D))。この露光は上記の遮光
部3の形成工程と同様の波長で行われるが、全面に照射
するという点で上記遮光部3の形成工程とは異なる。
尚、この工程は特に全面露光に限定されるものではな
く、必要に応じてパターン露光を行っても良い。画素部
用露光部9内は上述したように露光により水との接触角
の小さい親インク性領域となっているため、インクジェ
ット方式等で噴出された画素部形成用インキは、画素部
用露光部9内に均一に広がる。この画素部4(4R、4
G、4B)の材料並びに形成方法は上記実施形態1と同
様の方法で行うことができる(図5(E))。
【0048】(紫外線吸収層の形成工程)そして、最後
に形成された画素部4(4R、4G、4B)上に紫外線
吸収層5が形成され、本発明のカラーフィルタが形成さ
れる(図5(F))。この紫外線吸収層5のコーティン
グ方法は、用いる紫外線吸収層形成用インキの種類に合
わせて、スピンナーコート、スプレーコート、ディップ
コート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方
法により行うことができる。
【0049】次に、本発明のカラーフィルタ製造方法に
おいて、図2に示すカラーフィルタを製造する場合を第
3の実施形態として、図6を参照して説明する。この例
においては、まず従来の方法により透明基板1上に遮光
部3が形成される。次いで、この遮光部3が形成された
透明基板1に液体濡れ性可変層2が形成される(図6
(A))。この液体濡れ性可変層2の形成方法は、上述
した第1実施形態における液体濡れ性可変層の形成工程
と同様に行うことができる。次に、液体濡れ性可変層が
形成された透明基板1に対して露光することにより、液
体濡れ性可変層中の光触媒の作用により、液体濡れ性可
変層上の露光部位を親インク性領域とした画素部用露光
部9を形成する(図6(B))。この露光は、透明基板
1の遮光部4が形成されていない側から全面露光するこ
とも可能であり、またフォトマスク等を用いて液体濡れ
性可変層側から行うことも可能である。透明基板1側か
ら全面露光する場合は、遮光部3がマスクとして機能
し、遮光部3が無い部分のみに露光が行われることにな
る。この方法によれば、画素部用のフォトマスク等を用
いることなく露光を行うことができ、コスト的に有利で
あるといえる。
【0050】一方、画素部用露光部9を形成するための
フォトマスク10を用いて露光を行う場合は、液体濡れ
性可変層側から露光を行う。この場合は、露光により形
成される画素部用露光部9の幅、即ち画素部4(4R、
4G、4B)の幅が、遮光部により形成される開口部の
幅よりも広くとるようにすることができ、好ましい。な
ぜならば、このようにすることにより、液晶パネルとし
て完成した後、バックライトが照射された場合に、カラ
ーフィルタの無い部分をバックライトが透過する可能性
がなくなるためである。
【0051】このように形成された画素部用露光部9上
に、上記の第1実施形態と同様の方法により着色工程、
さらに紫外線吸収層5を積層工程を施すことで第3実施
形態のカラーフィルタを得ることができる(図6
(D))。
【0052】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1) 1.液体濡れ性可変層の形成 下記組成物、 ・イソプロピルアルコール 30g ・フルオロアルキルシラン主成分物質 (商品名:MF−160E トーケムプロダクツ(株)製) 0.4g ・トリメトキシメチルシラン (商品名:TSL8113東芝シリコーン(株)製) 3g ・光触媒酸化チタン水分散体 (商品名:ST−K01 石原産業(株)製) 20g とを混合し100℃で20分間攪拌した。これをイソプ
ロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有膜組成
物とした。上記の組成物をガラス基板上に、スピンコー
ターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理によ
り、厚み0.2μmの透明な光触媒含有層を形成した。
【0053】2.着色部の形成 次に、光触媒含有層側から着色部用マスクを介して、水
銀灯(波長365nm:70mW/cm2)により50
秒間パターン露光を行い着色部用露光部を親インク性領
域(水の接触角に換算して10度以下)とした。次に、
インクジェット装置を用いて水、有機溶剤、アクリル樹
脂及び顔料からなる熱硬化型のR、G、Bの各インクを
親インク性領域に付与して200℃で30分間熱処理を
行って硬化させた。 3.紫外線吸収層の形成 次に、紫外線吸収層塗布液(商品名:ZR−100 住
友セメント(株)製)をスピンコートにより塗布し、8
0℃で10秒間乾燥し、1μmの紫外線吸収層を着色部
上に積層した。
【0054】 (実施例2) 1.液体濡れ性可変層の形成 下記組成物、 ・イソプロピルアルコール 30g ・フルオロアルキルシラン主成分物質 (商品名:MF−160E トーケムプロダクツ(株)製) 0.4g ・トリメトキシメチルシラン (商品名:TSL8113東芝シリコーン(株)製) 3g ・光触媒酸化チタン水分散体 (商品名:ST−K01 石原産業(株)製) 20g とを混合し100℃で20分間攪拌した。これをイソプ
ロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有膜組成
物とした。上記の組成物をガラス基板上に、スピンコー
ターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理によ
り、厚み0.2μmの透明な光触媒含有層を形成した。
【0055】2.遮光層の形成 次に、光触媒含有層側から遮光部用マスクを介して、水
銀灯(波長365nm:70mW/cm2)により50
秒間パターン露光を行い遮光部用露光部を親インク性領
域(水の接触角に換算して10度以下)とした。次に、
インクジェット装置を用いて以下の組成からなる遮光部
用組成物を親インク性領域に付与して60℃で3分間熱
処理後、水銀灯(波長365nm:70mW/cm2
により30秒間全面露光を行いブラックマトリックス組
成物を硬化させ、さらに150℃、30分間の熱処理を
施してブラックマトリックスを形成した。 (遮光部用組成物) ・カーボンブラック(商品名:#950 三菱化学(株)製) 4重量部 ・ポリビニルアルコール (商品名:ゴーセノールAH−26 日本合成化学(株)製) 0.7重量部 ・イオン交換水 94.3重量部 ・重クロム酸アンモニウム 1重量部 3.着色部の形成 次に、光触媒含有層側から水銀灯(波長365nm:7
0mW/cm2)により20秒間全面露光を行い着色部
用露光部を親インク性領域(水の接触角に換算して10
度以下)とした。次に、インクジェット装置を用いて
水、有機溶剤、アクリル樹脂及び顔料からなる熱硬化型
のR、G、Bの各インクを親インク性領域に付与して2
00℃で30分間熱処理を行って硬化させた。 4.紫外線吸収層の形成 次に、紫外線吸収層塗布液(商品名:ZR−100 住
友セメント(株)製)をスピンコートにより塗布し、8
0℃で10秒間乾燥し、1μmの紫外線吸収層を着色部
上に積層した。
【0056】(実施例3) 1.液体濡れ性可変層の形成 実施例1同様に光触媒含有膜組成物を作製した。次に、
光触媒含有組成物をスパッタリンク法によりクロムで遮
光層が予め形成されたガラス基板上に、スピンコーター
により塗布し、150℃で10分間の乾燥処理により、
膜厚0.2μmの透明な光触媒含有層を形成した。 2.着色部の形成 次に、光触媒含有層側から着色部用マスクを介して、水
銀灯(波長365nm:70mW/cm2)により50
秒間パターン露光を行い着色部用露光部を親インク性領
域(水の接触角に換算して10度以下)とした。次に、イ
ンクジェット装置を用いて水、有機溶剤、アクリル樹脂
及び顔料からなる熱硬化型のR、G、Bの各インクを親
インク性領域に付与して200℃で30分間熱処理を行
って硬化させた。 3.紫外線吸収層の形成 次に、紫外線吸収層塗布液(商品名:ZR−100 住
友セメント(株)製)をスピンコートにより塗布し、8
0℃で10秒間乾燥し、1μmの紫外線吸収層を着色部
上に積層した。
【0057】(比較例)実施例1の紫外線吸収層を設け
ない以外は実施例1と同様の方法によりカラーフィルタ
を作製した。
【0058】(評価)耐候試験機(装置名:SLLM−
U スガ試験機(株)製)により着色層の初期色度と、
本装置により200時間耐候試験後の着色層の色度との
色差を評価した。
【0059】
【表1】
【0060】表1の評価結果から明らかなように、紫外
線吸収層を設けることで実施例1、2、3では200時
間耐候試験後のR、G、B各着色層の色差は低く抑えら
れ、実使用に適合するもであった。一方、紫外線吸収層
を設けない比較例では、同一の条件での耐候試験で色差
が大きく、退色性、並びに着色層の物理的強度が低下
し、実使用に耐えないものであった。
【0061】
【発明の効果】本発明は、透明基板上に液体濡れ性可変
層が設けられ、該液体濡れ性可変層上に、複数色の画素
部を、該液体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に
設けたカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタに
おいて、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けら
れている面に、紫外線吸収層が積層されていることを特
徴とするカラーフィルタであり、紫外線吸収層が積層さ
れていることにより、使用時における外光や、液晶パネ
ルに使用する時などに用いられるバックライトの影響で
カラーフィルタが品質劣化することがなくなり、経時安
定性の良いきわめて品質の高いカラーフィルタを得るこ
とが可能となった。また本発明の紫外線吸収層は保護層
としての機能も有し、新たに保護層を設けることなく耐
衝撃性にも優れるカラーフィルタを得ることが可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面
図である。
【図2】遮光部を有する本発明のカラーフィルタの一例
を示す概略断面図である。
【図3】遮光部を有する本発明の他のカラーフィルタの
一例を示す概略断面図である。
【図4】(A)から(G)は、本発明の他のカラーフィ
ルタの製造方法の一例を示す工程図である。
【図5】(A)から(F)は、遮光部を有する本発明の
カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
【図6】(A)から(D)は、遮光部を有する本発明の
他のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
a カラーフィルタ 1 透明基板 2 液体濡れ性可変層 3 遮光部 4R、4G、4B 着色部(R:赤、G:緑、B:青) 5 紫外線吸収層 8 遮光部用露光部 9 画素部用露光部 10 フォトマスク 11 インクジェット装置 12 インク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡部将人 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA11 AB13 AC01 AD01 BB00 BH03 CB32 DA19 FA37 FA39 2H048 BA02 BA11 BA16 BA17 BA43 BA57 BA60 BB02 BB14 BB15 BB33 BB42

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に液体濡れ性可変層が設け
    られ、該液体濡れ性可変層上に、複数色の画素部を、該
    液体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に設けたカ
    ラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、
    該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている
    面に、紫外線吸収層が積層されていることを特徴とする
    カラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 透明基板上に液体濡れ性可変層が設け
    られ、該液体濡れ性可変層上に、該液体濡れ性可変に対
    応した所定のパターン上に設けた複数色の画素部と、該
    画素部の境界部分に設けられた遮光部とからなるカラー
    フィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該カ
    ラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面
    に、紫外線吸収層が積層されていることを特徴とするカ
    ラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 透明基板上に遮光部を予め所定のパタ
    ーンで設け、更に透明基板上に遮光部が設けられている
    側の面に液体濡れ性可変層が設けられ、該液体濡れ性可
    変層上に、該液体濡れ性可変に対応した所定のパターン
    上に複数色の画素部を設けたカラーフィルタ層が形成さ
    れたカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタのカラ
    ーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層が積
    層されていることを特徴とするカラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 液体濡れ性可変層が少なくとも光触媒
    を含み、露光により水の接触角が低下することを特徴と
    する請求項1乃至3に記載のカラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 液体濡れ性可変層が少なくとも光触媒
    とバインダーからなることを特徴とする請求項1乃至4
    記載のカラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 透明基板上に液体濡れ性可変層を設け
    る工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光
    する工程、該液体濡れ性可変層上に複数色の画素部を所
    定のパターンに対応して設けるカラーフィルタ層形成工
    程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられて
    いる面に紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行うカ
    ラーフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 透明基板上に液体濡れ性可変層を設け
    る工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光
    する工程、該液体濡れ性可変層上に複数色の画素部を所
    定のパターンに対応して設け、更に、該画素部の境界部
    分に遮光部をを設けるカラーフィルタ層形成工程、該カ
    ラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面
    に、紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行うカラー
    フィルタの製造方法。
  8. 【請求項8】 透明基板上に液体濡れ性可変層を設け
    る工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光
    する工程、該液体濡れ性可変層上に遮光部をを設ける工
    程、複数色の画素部を所定のパターンに対応して設ける
    カラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラー
    フィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層を積層
    する工程、とを順次行うカラーフィルタの製造方法。
  9. 【請求項9】 透明基板上に遮光部を予め所定のパタ
    ーンで設ける工程、透明基板上に遮光部が設けられてい
    る側の面に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ
    性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体濡
    れ性可変層上に、複数色の画素部を該液体濡れ性可変層
    上の所定のパターンに対応して設けるカラーフィルタ層
    形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設け
    られている面に、紫外線吸収層を積層する工程、とを順
    次行うカラーフィルタの製造方法。
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