JP2000255165A - パターン形成体の製造法 - Google Patents

パターン形成体の製造法

Info

Publication number
JP2000255165A
JP2000255165A JP6428299A JP6428299A JP2000255165A JP 2000255165 A JP2000255165 A JP 2000255165A JP 6428299 A JP6428299 A JP 6428299A JP 6428299 A JP6428299 A JP 6428299A JP 2000255165 A JP2000255165 A JP 2000255165A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
photocatalyst
pattern
substrate
containing layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6428299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4289522B2 (ja
Inventor
Manabu Yamamoto
学 山本
Masahito Okabe
将人 岡部
Hironori Kobayashi
弘典 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP06428299A priority Critical patent/JP4289522B2/ja
Publication of JP2000255165A publication Critical patent/JP2000255165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4289522B2 publication Critical patent/JP4289522B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターン形成体の製造に際して、高精度にパ
ターンを形成することが可能であり、露光後の後処理が
不要で、かつCAD等のデジタルデータに基づいて直接
パターンを形成することが可能であり、さらにパターン
形成に際して用いる装置が比較的安価で取り扱いやすい
装置であるパターン形成体の製造法を提供することを主
目的とするものである。 【解決手段】 本発明は、少なくとも光触媒含有層と、
この光触媒含有層中の光触媒の作用により特性が変化す
る特性変化層とを有するパターン形成体用基板の光触媒
含有層に対して光触媒反応開始エネルギーを加え、この
光触媒反応開始エネルギーが加えられた領域内に反応速
度増加エネルギーをパターン状に加えることにより、前
記特性変化層上に光触媒の作用により特性が変化した特
性変化部位からなるパターンを形成してパターン形成体
を得ることを特徴とするパターン形成体の製造法を提供
することにより上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷をはじめとし
て各種の用途に使用可能な新規なパターン形成体の製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、基材上に図案、画像、文字、
回路等の各種パターンを形成するパターン形成体の製造
方法としては、各種のものが製造されている。
【0003】例えば、印刷を例に挙げて説明すると、印
刷方法の一種である平版印刷に使用する平版印刷版は、
インクを受容する親油性部位と、印刷インクを受容しな
い部位とからなるパターンを有する平版を製造し、この
平版を用いて親油性部位に印刷すべきインクの画像を形
成し、形成した画像を紙等に転写して印刷している。こ
うした印刷では、このように印刷版原版に、文字、図形
等のパターンを形成してパターン形成体である印刷版を
製造し、印刷機に装着して使用している。代表的な平版
印刷版であるオフセット印刷用の印刷版原版の製造方法
には、数多くのものが提案されている。
【0004】オフセット印刷用の印刷版は、印刷版原版
にパターンを描いたマスクを介して露光して現像する方
法、あるいは電子写真方式によって直接に露光して印刷
版原版上に直接に製版する方法等によって作製すること
ができる。電子写真式のオフセット印刷版原版は、導電
性基材上に酸化亜鉛等の光導電性粒子および結着樹脂を
主成分とした光導電層を設け、これを感光体として電子
写真方式によって露光し、感光体表面に親油性の高い画
像を形成させ、続いて不感脂化液で処理し非画像部分を
親水化することによってオフセット原版、すなわちパタ
ーン形成体を得る方法によって作製されている。親水性
部分は水等によって浸漬して疎油性とされ、親油性の画
像部分に印刷インクが受容されて紙等に転写される。し
かしながら、パターン形成に当たっては不感脂化液での
処理等の種々の露光後の処理が必要となる。
【0005】また、レーザーの照射によって、インクに
対して受容性の高い部位と撥インク性の部位からなるパ
ターンを形成することが可能なヒートモード記録材料を
用いた平版印刷原版を作製する方法も提案されている。
ヒートモード記録材料は、現像等の工程が不要で、単に
レーザー光によって画像を形成するのみで印刷版を製造
することができるという特徴を有しているが、レーザー
の強度の調整、レーザーにより変質した固体状物質など
残留物等の処理の問題、耐刷性などに課題があった。
【0006】また、高精細なパターンを形成する方法と
して、基材上に塗布したフォトレジスト層にパターン露
光を行い、露光後、フォトレジストを現像し、さらにエ
ッチングを行ったり、フォトレジストに機能性を有する
物質を用いて、フォトレジストの露光によって目的とす
るパターンを直接形成する等のフォトリソグラフィーに
よるパターン形成体の製造方法が知られている。
【0007】フォトリソグラフィーによる高精細パター
ンの形成は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィル
ターの着色パターンの形成、マイクロレンズの形成、精
細な電気回路基板の製造、パターンの露光に使用するク
ロムマスクの製造等に用いられているが、これらの方法
によっては、フォトレジストを用いると共に、露光後に
液体現像液によって現像を行ったり、エッチングを行う
必要があるので、廃液を処理する必要が生じる等の問題
点があり、またフォトレジストとして機能性の物質を用
いた場合には、現像の際に使用されるアルカリ液等によ
って劣化する等の問題点もあった。
【0008】カラーフィルタ等の高精細なパターンを印
刷等によって形成することも行われているが、印刷で形
成されるパターンには、位置精度等の問題があり、高精
度なパターンの形成は困難であった。
【0009】一方、このような問題点を解決するため
に、光触媒の作用により濡れ性が変化する物質を用いて
パターンを形成するパターン形成体の製造方法等が本発
明者等において検討されてきた。しかしながら、これま
での光触媒の作用によるパターン形成体の製造方法は、
露光に際してフォトマスク等のマスクを用いて製造する
方法が主たるものであり、このようなマスクを用いて行
う方法は、CADデータ等のデジタルデータに基づいた
パターンを形成するためには、これらのデータに基づい
てフォトマスクを形成し、これを用いて露光する等、直
接デジタルデータに基づいてパターンを形成することが
できないという問題が生じる場合もある。
【0010】また、このような問題点から、フォトマス
クを用いずに光描画照射によりパターンを形成する提案
が発明者等によりなされている。しかしながら、今まで
に提案された光描画照射は、紫外光等の光触媒の触媒反
応を開始させるエネルギーによってパターンを形成しよ
うとするものであったため、紫外線レーザ等の高価かつ
取り扱いが困難な装置を用いる必要があるという問題点
を有するものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたもので、パターン形成体の製造に際し
て、高精度にパターンを形成することが可能であり、露
光後の後処理が不要で、かつCAD等のデジタルデータ
に基づいて直接パターンを形成することが可能であり、
さらにパターン形成に際して用いる装置が比較的安価で
取り扱いやすい装置であるパターン形成体の製造法を提
供することを主目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は請求項1において、少なくとも光触媒含有
層と、この光触媒含有層中の光触媒の作用により特性が
変化する特性変化層とを有するパターン形成体用基板の
光触媒含有層に対して光触媒反応開始エネルギーを加
え、この光触媒反応開始エネルギーが加えられた領域内
に反応速度増加エネルギーをパターン状に加えることに
より、前記特性変化層上に光触媒の作用により特性が変
化した特性変化部位からなるパターンを形成してパター
ン形成体を得ることを特徴とするパターン形成体の製造
法を提供する。
【0013】このように、本発明においては、特性変化
層の特性を変化させる光触媒が含有された光触媒含有層
に対し、光触媒反応開始エネルギーを加え、この光触媒
反応開始エネルギーが加えられた領域内に反応速度増加
エネルギーをパターン状に加えることによりパターンを
形成するものである。すなわち、いままで発明者等によ
って提案されてきた光描画照射によるパターンの形成
は、上記紫外線等の光触媒反応開始エネルギーを用いる
ものであったため、装置が高価、取り扱いが困難、さら
には連続出力ができない等の問題を有する場合があっ
た。しかしながら、本発明においては紫外線等の光触媒
反応開始エネルギーを加え、この光触媒反応開始エネル
ギーが加えられた領域に対して赤外線等の反応速度増加
エネルギーを用いてパターンを形成するようにしたもの
であるので、パターン形成に際して、赤外線レーザ等の
比較的安価で取り扱いが容易である反応速度増加エネル
ギーを用いることができ、これにより上述した問題点を
解決したものである。
【0014】さらに、本発明は、上述したような方法に
よりエネルギーをパターン状に光触媒含有層に加え、エ
ネルギーが加えられた部分に相当する特性変化層の特性
を変化させてパターンを形成するものであるので、特に
エネルギーを加えた後の後処理も必要無く、高精細なパ
ターンを有するパターン形成体を製造することができ
る。
【0015】本発明において用いられる光触媒反応開始
エネルギーは、光であることが好ましく(請求項2)、
中でも紫外光を含む光であることが特に好ましい(請求
項3)。これは、後述するように本発明においては二酸
化チタンが光触媒として好適に用いられるのであるが、
この二酸化チタンのバンドギャップの関係から光触媒反
応開始エネルギーとしては紫外光が好ましいからであ
る。
【0016】さらに、本発明においては、請求項4に記
載するように、この光触媒反応開始エネルギーは、特性
変化層上のパターンが形成される領域に相当する光触媒
含有層上の領域全面に加えられることが好ましい。この
ように、パターンが形成される領域に相当する光触媒含
有層の領域全面に光触媒反応開始エネルギーを加えて光
触媒反応を開始させ、光触媒反応が開始された領域中に
反応速度増加エネルギーを用いてパターンを描くことに
より、この反応速度増加エネルギーが加えられた部分の
み光触媒反応の反応速度が増加する。これにより、特性
変化層中の相当する部分の特性が変化して特性変化部位
となり、特性変化層上に特性変化部位からなるパターン
が形成されるのである。
【0017】また、本発明においては、請求項5に記載
するように、上記反応速度増加エネルギーが、熱エネル
ギーであることが好ましい。このような熱エネルギーを
加える方法については、赤外線レーザ(請求項6)もし
くは感熱ヘッド(請求項8)を用いることが好ましい。
このように、赤外線レーザや感熱ヘッドを用いる方法
は、比較的安価でかつ取り扱いが容易であるからであ
る。
【0018】熱エネルギーを赤外線レーザを用いて加
え、これによりパターンを形成する場合は、請求項7に
記載するように、機械式光偏向器によって赤外線レーザ
を偏向させてパターンを形成することが好ましい。機械
式光偏向器は、比較的装置が複雑でなく制御等が容易で
あるからである。
【0019】本発明においては、請求項9に記載するよ
うに、少なくとも光触媒含有層と特性変化層とを基板上
に設けて形成したパターン形成体用基板を用いることが
好ましい。これは、強度面、コスト面および機能面等を
考慮した場合、特性変化層および光触媒含有層が基板上
に薄膜として形成されることが好ましいからである。
【0020】また、本発明において反応速度増加エネル
ギーを赤外線レーザにより加える場合は、請求項10に
記載するように、少なくとも光触媒含有層と特性変化層
とが基板上に設けられ、さらに反応速度増加エネルギー
として熱エネルギーを加えるために赤外線レーザを照射
した際に光触媒含有層にこの熱エネルギーが作用するよ
うに赤外線レーザ吸収層が配置されたパターン形成体用
基板を用いることが好ましい。このような赤外線レーザ
吸収層が配置された方が、この赤外線レーザを用いてパ
ターンを形成する際に感度の面で好ましいからである。
【0021】一方、本発明において反応速度増加エネル
ギーとしての熱エネルギーを感熱ヘッドにより加える場
合は、請求項11に記載するように、少なくとも光触媒
含有層と特性変化層とが基板上に設けられ、さらに熱エ
ネルギーを加えるための感熱ヘッドが接する位置に耐熱
滑性層が配置されたパターン形成体用基板を用いること
が好ましい。このような耐熱滑性層を設けた方が、感熱
ヘッドの動きが円滑となり、また基板等に対して耐熱性
がそれほど強く求められなくなる関係から基板等の材料
選択の幅が広がるからである。
【0022】本発明においては、基板上に設けられる光
触媒含有層と特性変化層とが同一の層に形成された光触
媒含有特性変化層であってもよいし(請求項12)、基
板上に光触媒含有層が形成され、この光触媒含有層上に
特性変化層が形成されてもよい(請求項13)、さらに
基板上に特性変化層が形成され、この特性変化層上に光
触媒含有層が形成されてもよい。ただし、基板上に特性
変化層が形成され、この特性変化層上に光触媒含有層が
形成される場合は、反応速度増加エネルギーによりパタ
ーンが形成された後、上記光触媒含有層が取り除かれて
パターン形成体を得る方法である必要がある(請求項1
4)。
【0023】このように、光触媒含有層と特性変化層と
が同一の層に形成された光触媒含有特性変化層とした場
合は、光触媒と特性が変化する化合物とが同一の層に存
在するため、光触媒反応がスムースに行われるという効
果を有し、さらに基板上への一回の塗布で光触媒含有層
と特性変化層とが形成することが可能であるので、パタ
ーン形成体の製造が容易となるという効果を有する。ま
た、基板上に光触媒含有層を設け、その上に特性変化層
を設ける構成とした場合は、パターン形成体を製造後、
そのパターンに沿って機能性部を形成して機能性素子と
した場合、機能性部が直接光触媒と接触しないことか
ら、機能性部に経時的な劣化が生じにくいという利点を
有する。さらに、基板上に特性変化層を設け、その上に
光触媒含有層を形成した場合は、上述したようにパター
ン形成後光触媒含有層は除去されるため、パターン形成
体自体が光触媒を含まない構成となる。このためパター
ン形成体の経時的な劣化のおそれが少ないという利点を
有する。
【0024】この基板上に特性変化層を形成し、この特
性変化層上に光触媒含有層を形成した場合は、請求項1
5に記載するように、光触媒含有層上に透明基板が光触
媒含有層と一体に形成されており、前記反応速度増加エ
ネルギーによりパターンが形成された後、光触媒含有層
が容易に取り去ることができるように特性変化層と光触
媒含有層とが接触しているような構成としてもよい。
【0025】このような構成とすることにより、上記光
触媒含有層と透明基板とが一体に形成された部材(以
下、光触媒含有層側基板とする。)は、特性変化層にこ
の光触媒含有層側基板を接触させて上記2種類のエネル
ギーを加え、特性変化層上に光触媒の作用によりパター
ンを形成した後、この光触媒含有層側基板を取り外すこ
とにより、再度この光触媒含有層側基板を用いることが
できる。すなわち、光触媒含有層側基板をこのように構
成することにより、原則的には何度でもこの光触媒含有
層側基板を用いてパターン形成体を製造することが可能
となる。したがって、多数のパターン形成体を一度に製
造する場合に利点を有するものである。
【0026】本発明のパターン形成体の製造法において
は、請求項16に記載するように、光触媒含有層に含有
される光触媒が、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロン
チウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、
酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(Fe23
から選択される1種または2種以上の物質であることが
好ましい。中でも請求項17に記載するように、二酸化
チタン(TiO2)であることが好ましい。これは、二
酸化チタンのバンドギャップエネルギーが高いため光触
媒として有効であり、かつ化学的にも安定で毒性もな
く、入手も容易だからである。
【0027】本発明においては、請求項18に記載する
ように、本発明における特性変化層が、光触媒含有層中
の光触媒の作用により表面の濡れ性が変化する濡れ性変
化層であることが好ましい。この特性変化層の特性は種
々のものがあるが、その中でも重要なものとして濡れ性
の変化を挙げることができる。このように特性変化層を
濡れ性変化層とすることにより、光触媒の作用により濡
れ性の変化したパターンをパターン形成体に形成するこ
とが可能となり、この濡れ性の変化した部位にカラーフ
ィルタの画素部形成用の着色インク等の機能性部用組成
物を付着させることにより、後述するように種々の機能
性素子、例えばカラーフィルターやマイクロレンズ等を
形成することができるからである。
【0028】本発明においては、請求項19に記載する
ように、上記濡れ性変化層が、光触媒の作用により水の
接触角が低下するように濡れ性が変化する濡れ性変化層
であることが好ましい。このように、上記二つのエネル
ギーを加えることにより水の接触角が低下するように濡
れ性の変化する濡れ性変化層が形成されれば、エネルギ
ーを加えてパターンを形成することにより容易にこの層
の濡れ性を変化させ、水の接触角の小さい親インク性領
域のパターンを形成することができ、例えば機能性部用
組成物を付着させる部分のみ容易に親インク性領域のパ
ターンとすることが可能となる。したがって、効率的に
カラーフィルタやマイクロレンズ等の機能性素子が製造
でき、コスト的に有利となるからである。
【0029】本発明においては、濡れ性変化層上の水と
の接触角が、濡れ性の変化していない部分において90
度以上であり、濡れ性の変化した部分(特性変化部位)
において30度以下であることが好ましい(請求項2
0)。濡れ性の変化していない部分は、撥インク性が要
求される部分であることから、水の接触角が90度より
小さい場合は、撥インク性が十分でなく、インク等の機
能性部用組成物が残存する可能性が生じるため好ましく
ない。また、エネルギーを加えた部分の水の接触角を3
0度以下としたのは、30度を越える場合は、この部分
でのインク等の機能性部用組成物の広がりが劣る可能性
があり、例えば機能性部がカラーフィルタの画素部であ
る場合、色抜けが生じる等の不都合が生じる可能性があ
るからである。
【0030】また、請求項21に記載するように、この
濡れ性変化層がオルガノポリシロキサンを含有する層で
あることが好ましい。本発明において、濡れ性変化層に
要求される特性としては、エネルギーが加えられていな
い場合は撥インク性であり、エネルギーが加えられた場
合は光触媒含有層中の光触媒の作用により親インク性と
なるといった特性である。このような特性を濡れ性変化
層に付与する材料としては、まず第1にオルガノポリシ
ロキサンが挙げられるからである。
【0031】このようなオルガノポリシロキサンの中で
も、請求項22に記載するように、YnSiX(4-n)(こ
こで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル
基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、X
はアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは0〜3ま
での整数である。)で示される珪素化合物の1種または
2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物で
あるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。こ
のようなオルガノポリシロキサンが上記特性を良く満た
すものであるからである。
【0032】また、本発明においては、請求項23に記
載するように、濡れ性変化層が、光触媒の作用により分
解されにくい基材と、光触媒の作用により分解されやす
い分解除去剤とからなり、上記2種類のエネルギーを加
えることで分解除去剤が分解除去されることにより、濡
れ性変化層上の濡れ性が変化する層であってもよい。
【0033】例えば、上記基材が親インク性の材料であ
り、上記分解除去剤が撥インク性の材料である場合、上
記2種類のエネルギーが加えられていない領域は、分解
除去剤の影響で撥インク性を示し、エネルギーが加えら
れた領域は上記分解除去剤が分解除去されることによ
り、基材の影響で親インク性を示すようになる。このよ
うにして濡れ性変化層としての機能を発揮するのであ
る。
【0034】本発明においては、請求項24に記載する
ように、上記特性変化層が、光触媒含有層中の光触媒の
作用により分解除去される分解除去層であってもよい。
このように、特性変化層を光触媒含有層中の光触媒の作
用により分解除去される分解除去層とすることにより、
エネルギーが加えられた部分は光触媒の作用により分解
され除去されることになる。このようにエネルギーが加
えられた部分は、特に後処理の必要性もなく完全に分解
除去することが可能であるので、容易に凹凸のパターン
を形成することができる。
【0035】また、本発明は、請求項25に記載するよ
うに、上述したパターン形成体の製造法により得られる
パターン形成体を提供する。本発明のパターン形成体
は、上述したパターン形成体の製造法により製造される
ものであり、例えばパターン形成に際して、赤外線レー
ザ等の比較的安価で取り扱いが容易である反応速度増加
エネルギーを用いることができるので、得られるパター
ン形成体も安価であるという利点を有する。また、本発
明のパターン形成体は、上述したような方法によりエネ
ルギーをパターン状に光触媒含有層に加え、エネルギー
が加えられた部分に相当する特性変化層の特性を変化さ
せてパターンを形成するものであるので、特にエネルギ
ーを加えた後の後処理も必要無いことから製造工程が少
なくできるため、得られるパターン形成体は、高品質で
安価であるという利点を有する。
【0036】このように、得られるパターン形成体が安
価でかつ高品質であることから、このパターン形成体に
形成されたパターンに対応した部位上に機能性部が配置
された機能性素子(請求項26)も、安価かつ高品質で
あるという利点を有する。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明のパターン形成体の
製造法について詳細に説明する。本発明のパターン形成
体の製造法は、少なくとも光触媒含有層と、この光触媒
含有層中の光触媒の作用により特性が変化する特性変化
層とを有するパターン形成体用基板の光触媒含有層に対
して光触媒反応開始エネルギーを加え、この光触媒反応
開始エネルギーが加えられた領域内に反応速度増加エネ
ルギーをパターン状に加えることにより、前記特性変化
層上に光触媒の作用により特性が変化した特性変化部位
からなるパターンを形成してパターン形成体を得ること
を特徴とするものである。
【0038】特に、本発明においては、特性変化層の特
性を変化させる光触媒が含有された光触媒含有層に対
し、光触媒反応開始エネルギーを加え、この光触媒反応
開始エネルギーが加えられた領域内に反応速度増加エネ
ルギーをパターン状に加えることによりパターンを形成
するところに大きな特徴を有するものである。
【0039】本発明においては、パターンを形成する領
域に対して光触媒反応開始エネルギーを加えることによ
り、接触する、もしくは同一層である特性変化層に対す
る光触媒の触媒反応を開始させる。そして、この光触媒
開始エネルギーが加えられた領域内に、反応速度増加エ
ネルギーを加える。このように反応速度増加エネルギー
を加えることにより、既に光触媒反応開始エネルギーが
加えられ、光触媒の触媒作用により反応が開始されてい
る特性変化層内の反応が、急激に促進される。そして所
定の時間、反応速度増加エネルギーを加えることによ
り、特性変化層内の特性の変化を所望の範囲まで変化さ
せ、反応速度増加エネルギーが加えられたパターンを特
性変化部位のパターンとすることができる。
【0040】このように、いままで発明者等によって提
案されてきた光描画照射によるパターンの形成が、上記
紫外線等の光触媒反応開始エネルギーを用いるものであ
ったため、装置が高価、取り扱いが困難、さらには連続
出力ができない等の問題を有する場合があったのである
が、本発明においては上述したように赤外線等の反応速
度増加エネルギーを用いてパターンを形成するようにし
たものであるので、パターン形成に際して、赤外線レー
ザ等の比較的安価で取り扱いが容易である反応速度増加
エネルギーを用いることができ、これにより上述した問
題点を解決したものである。
【0041】さらに、本発明は、上述したような方法に
よりエネルギーをパターン状に光触媒含有層に加え、エ
ネルギーが加えられた部分に相当する特性変化層の特性
を変化させてパターンを形成するものであるので、特に
エネルギーを加えた後の後処理も必要無く、高精細なパ
ターンを有するパターン形成体を製造することができ
る。
【0042】(光触媒反応開始エネルギー)本発明に用
いられる光触媒反応開始エネルギーとは、上述したよう
に光触媒が接触するもしくは同一の層内にある特性変化
層中の化合物に対して、その特性を変化させるための触
媒反応を開始させるエネルギーをいう。
【0043】ここで加える光触媒反応開始エネルギーの
量は、特性変化層中の特性の変化を急激に生じない程度
の量である。加えられる光触媒反応開始エネルギーの量
が少ない場合は、反応速度増加エネルギーを加えてパタ
ーンを形成する際の感度が低下するため好ましくなく、
またこの量が多すぎると、光触媒反応開始エネルギーを
加えた特性変化層の特性の変化の度合いが大きくなりす
ぎて、反応速度増加エネルギーを加えた領域との差異が
不明確となってしまうため好ましくない。この加えるエ
ネルギーの量に関しては、予めエネルギーを加える量と
特性変化層中の特性の変化量とを予備実験等を行うこと
により決定される。
【0044】本発明におけるこの光触媒反応開始エネル
ギーとしては、光触媒反応を開始させることができるエ
ネルギーであれば特に限定されるものではないが、中で
も光であることが好ましい。
【0045】本発明において用いられる光触媒は、その
バンドギャップによって触媒反応を開始する光の波長が
異なる。例えば、硫化カドニウムであれば496nm、
また酸化鉄であれば539nmの可視光であり、二酸化
チタンであれば388nmの紫外光である。したがっ
て、光であれば可視光であれ紫外光であれ本発明で用い
ることができる。しかしながら、後述するようにバンド
ギャップエネルギーが高いため光触媒として有効であ
り、かつ化学的にも安定で毒性もなく、入手も容易とい
った理由から光触媒としては二酸化チタンが好適に用い
られる関係上、この二酸化チタンの触媒反応を開始させ
る紫外光を含む光であることが好ましい。具体的には、
400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範
囲の紫外光が含まれることが好ましい。
【0046】このような紫外光を含む光の光源として
は、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、エキシマランプ等の種々の紫外線光源を挙げること
ができる。
【0047】なお、二酸化チタンを用いた場合でも、例
えばクロム、白金、パラジウム等の金属イオンのドーピ
ング、蛍光物質の添加、感光性色素の添加等によって、
可視およびその他の波長に感受性を有するようにするこ
とも可能であり、この場合はその感受性を有する波長を
含む光を光触媒反応開始エネルギーとして用いることが
好ましい。このような色素としては、シアニン色素、カ
ルボシアニン色素、ジカルボシアニン色素、ヘミシアニ
ン色素等のシアニン色素を挙げることができ、他の有用
な色素としては、クリスタルバイオレット、塩基性フク
シンなどのトリフェニルメタン色素等のジフェニルメタ
ン色素、ローダミンBの様なキサンテン色素、ビクトリ
アブルー、ブリリアントグリーン、マラカイトグリー
ン、メチレンブルー、ピリリウム塩、ベンゾピリリウム
塩、トリメチンベンゾピリリウム塩、トリアリルカルボ
ニウム塩等が挙げられる。
【0048】本発明においては、この光触媒反応開始エ
ネルギーが加えられる範囲は、特性変化層の一部分であ
ってもよく、例えばこの光触媒反応エネルギーをパター
ン状に加え、さらに後述する反応速度増加エネルギーも
パターン状に加えることにより、特性変化部位のパター
ンを形成することも可能であるが、工程の簡略化、単純
化等の理由から、この光触媒反応開始エネルギーをパタ
ーンを形成する領域全面にわたって加えることが好まし
く、このように全面にわたって光触媒反応開始エネルギ
ーが加えられた領域に反応速度増加エネルギーを加える
ことにより、特性変化層上に特性変化部位のパターンを
形成することが好ましい。
【0049】(反応速度増加エネルギー)次に、本発明
に用いられる反応速度増加エネルギーについて説明す
る。本発明に用いられる反応速度増加エネルギーとは、
上記光触媒反応開始エネルギーによって開始された特性
変化層の特性を変化させる反応の反応速度を増加させる
ためのエネルギーをいう。本発明においては、このよう
な作用を有するエネルギーであればいかなるエネルギー
であっても用いることができるが、中でも熱エネルギー
を用いることが好ましい。
【0050】このような熱エネルギーをパターン状に光
触媒含有層に加える方法としては、光触媒含有層上に熱
によるパターンが形成できる方法であれば特に限定され
るものではないが、赤外線レーザによる方法や感熱ヘッ
ドによる方法等を挙げることができる。このような赤外
線レーザとしては、例えば指向性が強く、照射距離が長
いという利点を有する赤外線YAGレーザ(1064n
m)や、比較的安価であるという利点を有するダイオー
ドレーザ(LED;830nm、1064nm、110
0nm)等の他、半導体レーザ、He−Neレーザ、炭
酸ガスレーザ等を挙げることができる。
【0051】本発明においては、上述した光触媒反応開
始エネルギーを加えることにより、光触媒を活性化させ
て特性変化層内の触媒反応による特性変化を開始させ、
この特性変化が生じた部分に反応速度増加エネルギーを
加えてその部分の触媒反応を促進させることにより、反
応速度増加エネルギーが加えられた領域と、加えられな
かった領域との反応速度の差により、パターンを形成す
ることができる。
【0052】(パターン形成体の製造法の概略)以下、
本発明のパターン形成体の製造法について、図面を用い
て具体的に説明する。図1は、本発明のパターン形成体
の製造法の一例を示すものである。この例においては、
まず図1(A)に示すように、基板1上に光触媒含有層
と特性変化層とが同一の層として形成された層(光触媒
含有特性変化層2)が設けられたパターン形成体用基板
3が形成される。
【0053】次に、このパターン形成体用基板3の光触
媒含有特性変化層2に紫外光(光触媒反応開始エネルギ
ー)4が照射されると共に、赤外線レーザ発生装置5か
ら照射された赤外線レーザ(反応速度増加エネルギー)
6がレーザ偏向装置7により偏向されつつ光触媒含有特
性変化層2上に照射されて、光触媒含有特性変化層上に
特性変化部位8のパターンを形成する(図1(B))。
最終的にパターンが形成し終わると図1(C)に示すよ
うな表面に特性変化部位8のパターンが形成されたパタ
ーン形成体9が得られる。
【0054】以下、各工程毎に詳しく説明する。
【0055】(パターン形成体用基板の調製)本発明に
用いられるパターン形成体用基板は、少なくとも光触媒
含有層と特性変化層とを有するものであればよいのであ
るが、強度や得られるパターン形成体の機能等の理由か
ら基板上に光触媒含有層と特性変化層が形成されている
ことが好ましい。この場合、図1に示す例のように、光
触媒含有層と特性変化層とが同一の層(光触媒含有特性
変化層2)であってもよいし、光触媒含有層と特性変化
層とが別に形成されていてもよい。なお、本発明におけ
るパターン形成体用基板は、少なくとも上記光触媒含有
層と上記特性変化層とを有するものであればよく、必要
に応じて他の層等が形成されていてもよい。
【0056】図2は、光触媒含有層と特性変化層とが別
に形成された例を示すものである。この例では、図2
(A)に示すように基板1上に光触媒含有層10が形成
され、この光触媒含有層10上に特性変化層11が設け
られてパターン形成体用基板3が形成されている。この
ようなパターン形成体用基板3の光触媒含有層10に、
図1(B)に示す例と同様にして、光触媒反応開始エネ
ルギー(例えば紫外光4)を全面にわたって加え、そし
てこの光触媒反応開始エネルギーが加えられた部位に反
応速度増加エネルギー(例えば赤外線レーザ6)をパタ
ーン状に加えることにより、図2(B)に示すように、
特性変化層11に特性変化部位8のパターンが形成され
たパターン形成体9が形成される。
【0057】図3は、光触媒含有層と特性変化層とが別
に形成された他の例を示すものである。この例において
は、図3(A)に示すように基板1上にまず特性変化層
11が形成され、この特性変化層11上に光触媒含有層
10が設けられてパターン形成体用基板3が形成されて
いる。このパターン形成体3の光触媒含有層10に対し
て、図1(B)と同様に、紫外線(光触媒反応開始エネ
ルギー)4を加え、さらに赤外線レーザ発生装置5より
発生した赤外線(反応速度増加エネルギー)6をレーザ
偏向装置7により偏向させてパターン状に光触媒含有層
10上に加える(図3(B))。これにより、接触する
特性変化層11に特性変化部位8のパターンを形成する
(図3(C))。そして、表面の光触媒含有層10を粘
着テープ等により引き剥がすことにより、特性変化層1
1に特性変化部位8のパターンが形成されたパターン形
成体9が得られる(図3(D))。
【0058】図4は、上記図3に示す特性変化層上に光
触媒含有層が形成された例の別の態様を示すものであ
る。この例においては、まず基板1上に特性変化層11
が形成された特性変化層側基板12と、透明基板13上
に光触媒含有層10が形成された光触媒含有層側基板1
4とを別体に形成したパターン形成体用基板3を準備す
る(図4(A))。次にこの特性変化層側基板12の特
性変化層11と、光触媒含有層側基板14の光触媒含有
層10とが接触するように配置し、これに図1(B)と
同様にして2種類のエネルギーを加える(図3
(B))。この場合、紫外光(光触媒反応開始エネルギ
ー)4および赤外線レーザ(反応速度開始エネルギー)
6とは、透明基板13を透過して光触媒含有層10に照
射されることになる。そして特性変化層用基板12と光
触媒含有層側基板14とを離すことにより(図4
(C))、特性変化層11に特性変化部位8のパターン
が形成されたパターン形成体9を得ることができる(図
4(D)。
【0059】本発明におけるパターン形成体用基板は、
このように光触媒含有層と特性変化層とが同一の層で形
成されても(すなわち、光触媒含有特性変化層であって
も)光触媒含有層と特性変化層とが別に形成されていて
もよい。
【0060】光触媒含有層と特性変化層とが同一の層、
すなわち光触媒含有特性変化層とした場合(図1の例)
は、光触媒と特性が変化する化合物とが同一層に存在す
るため、光触媒反応がスムースに進むという効果を有
し、さらに基板上への一回の塗布で光触媒含有層と特性
変化層とが形成することが可能であるので、パターン形
成体の製造が容易となるという効果をも有する。また、
基板上に光触媒含有層を設け、その上に特性変化層を設
ける構成とした場合(図2の例)は、パターン形成体を
製造後、そのパターンに沿って機能性部を形成して機能
性素子とした場合、機能性部が直接光触媒と接触しない
ことから、機能性部の経時的な劣化が生じにくいという
利点を有する。さらに、基板上に特性変化層を設け、そ
の上に光触媒含有層を形成した場合(図3の例)は、パ
ターン形成後光触媒含有層は除去されるため、パターン
形成体自体が光触媒を含まない構成となる。このためパ
ターン形成体の経時的な劣化のおそれが少ないという利
点を有する。
【0061】この場合、図4に示すように、光触媒含有
層10と特性変化層11とを予め別体に形成することに
より、上記光触媒含有層10と透明基板13とが一体に
形成された光触媒含有層側基板14は、特性変化層11
にこの光触媒含有層側基板14を接触させて図4(B)
に示すように2種類のエネルギーを加え、特性変化層1
1上に光触媒の作用により特性変化部位8パターンを形
成した後、取り外すことにより、再度この光触媒含有層
側基板14を用いることができる。すなわち、光触媒含
有層側基板をこのように構成することにより、原則的に
は何度でもこの光触媒含有層側基板を用いてパターン形
成体を製造することが可能となる。したがって、多数の
パターン形成体を一度に製造する場合に利点を有するも
のである。
【0062】この際に用いられる透明基板13として
は、図4(B)に示すように紫外光4および赤外線レー
ザ6照射の際に、光触媒含有層側基板14の光触媒含有
層10が形成されていない側から照射可能なように、U
V光、赤外線レーザ等の光を透過する材質であることが
好ましい。例えば石英ガラス、パイレックスガラス、合
成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは
透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透
明なフレキシブル材等を挙げることができる。
【0063】なお、本発明におけるパターン形成体用基
板とは、いまだ特性変化層に特性変化部位によるパター
ンが形成されていない状態の基板を示し、このパターン
形成体用基板に対して2種類のエネルギーが加えられ、
特性変化層上に特性変化部位のパターンが形成されたも
のをパターン形成体とする。
【0064】(光触媒含有層)上記図1から図4に示す
ように、本発明に用いられるパターン形成体用基板3に
は少なくとも光触媒含有層10(光触媒含有特性変化層
2)が含まれる。
【0065】この光触媒含有層は、光触媒含有層中の光
触媒が接触する、もしくは同一の層として形成された特
性変化層の特性を変化させるような構成であれば、特に
限定されるものではなく、光触媒とバインダとから構成
されているものであってもよいし、光触媒単体で製膜さ
れたものであってもよい。また、その表面の濡れ性は特
に親インク性であっても撥インク性であってもよい。な
お、図2の例のように、光触媒含有層10上に特性変化
層11が形成される場合は、この特性変化層を形成する
際の加工性から、親インク性とされていることが好まし
い。
【0066】この光触媒含有層における、後述するよう
な二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ず
しも明確なものではないが、光の照射によって生成した
キャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸
素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の
化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本発明
においては、このキャリアが光触媒含有層上に接触す
る、もしくは同一の層とされている特性変化層中の化合
物に作用を及ぼすものであると思われる。
【0067】本発明で使用する光触媒としては、光半導
体として知られる例えば二酸化チタン(TiO2)、酸
化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(W
3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(F
23)を挙げることができ、これらから選択して1種
または2種以上を混合して用いることができる。
【0068】本発明においては、特に二酸化チタンが、
バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性
もなく、入手も容易であることから好適に使用される。
二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発
明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型
の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタン
は励起波長が380nm以下にある。
【0069】このようなアナターゼ型二酸化チタンとし
ては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0070】光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効
果的に起こるので好ましく、平均粒径か50nm以下が
好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好
ましい。
【0071】本発明における光触媒含有層は、上述した
ように光触媒単独で形成されたものであってもよく、ま
たバインダーと混合して形成されたものであってもよ
い。
【0072】光触媒単独で形成する場合、例えば二酸化
チタンの場合は、基板、透明基板もしくは特性変化層上
に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チ
タニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用い
られる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、
硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、
テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、
テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存
在下において加水分解、脱水縮合によって得ることがで
きる。次いで、400℃〜500℃における焼成によっ
てアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃
の焼成によってルチル型チタニアに変性することができ
る。
【0073】また、バインダを用いる場合は、バインダ
の主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないよ
うな高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例え
ばこのようなバインダとしては、後述する濡れ性変化層
の説明のところで詳しく説明するオルガノポリシロキサ
ン等を挙げることができる。
【0074】このようにオルガノポリシロキサンをバイ
ンダとして用いた場合は、上記光触媒含有層は、光触媒
とバインダであるオルガノポリシロキサンを必要に応じ
て他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製
し、この塗布液を透明基板上もしくは特性変化層上に塗
布することにより形成することができる。使用する溶剤
としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプ
レーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコ
ート等の公知の塗布方法により行うことができる。バイ
ンダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫
外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層
を形成することかできる。
【0075】また、バインダとして無定形シリカ前駆体
を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一
般式SiX4で表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エ
トキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、そ
れらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量
3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0076】具体的には、テトラエトキシシラン、テト
ライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が
挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆
体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、
透明基板上に空気中の水分により加水分解させてシラノ
ールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより
光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を
100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜
表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単
独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0077】光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜
60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定
することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.
05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0078】また、光触媒含有層には上記の光触媒、バ
インダの他に、界面活性剤を含有させることができる。
具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL B
L、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デ
ュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)
製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工
業(株)製メガファックF−141、144、ネオス
(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキ
ン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリ
ーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフ
ッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙
げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもでき
る。
【0079】さらに、光触媒含有層には上記の界面活性
剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0080】(特性変化層)図1から図4に示すよう
に、本発明に用いられるパターン形成体用基板3のもう
一つの必須の層は、特性変化層11である。本発明にお
ける特性変化層とは、光触媒の作用により特性が変化す
る層であればいかなる層であってもよく、例えば特性変
化層中にスピロピラン等のフォトクロミック材料あるい
は光触媒の作用により分解される有機色素等を特性変化
層に混合し、特性変化層を光触媒の作用により着色する
層としてもよい。
【0081】また、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィンなどのポリマー材料等を用いる
ことにより、上記二つのエネルギーを加えた部分が光触
媒の作用により極性基が導入されたり表面の状態が粗い
状態となったりすることにより種々の物質との接着性を
向上させるようにした層を特性変化層としてもよい。こ
のように特性変化層を接着性が変化する接着性変化層と
することにより、反応速度増加エネルギーをパターン状
に加えることにより接着性の良好なパターンを形成する
ことが可能となる。このような接着性の良好な部位のパ
ターンを有するパターン形成体は、例えば、このような
パターン形成体に金属成分を蒸着し、金属の薄膜を形成
し、次いで接着性の違いを利用して金属薄膜を例えば粘
着剤や薬剤等により剥離することにより、金属の薄膜の
パターンを形成することが可能となる。この方法によれ
ば、レジストのパターンを形成することなく金属薄膜の
パターンを形成することが可能となり、印刷法によるも
のよりも高精細なパターンを有するプリント基板や電子
回路素子等を形成することができる。
【0082】このように、特性変化層は光触媒の作用に
より変化する種々の特性を有する層であれば特に限定さ
れないのであるが、本発明においては中でも特性変化層
が光触媒の作用により濡れ性が変化して濡れ性によるパ
ターンが形成される濡れ性変化層である場合、および特
性変化層が光触媒の作用により分解除去され凹凸による
パターンが形成される分解除去層である場合の二つの場
合が、特に得られる機能性素子等の関係からより本発明
の有効性を引き出すものであるので好ましい。
【0083】(濡れ性変化層)本発明でいう濡れ性変化
層とは、上記二つのエネルギーを加えた際に光触媒の作
用により表面の濡れ性が変化し、濡れ性の変化した部位
によるパターンが形成できる層をいう。この濡れ性変化
層は、特に限定されるものではないが、この濡れ性変化
層が、エネルギーを加えることにより水の接触角が低下
するように濡れ性が変化する濡れ性変化層であることが
好ましい。
【0084】このように、エネルギーを加えることによ
り水の接触角が低下するように濡れ性が変化する濡れ性
変化層とすることにより、パターン状に反応速度増加エ
ネルギーを加えることにより容易に濡れ性を変化させ、
水の接触角の小さい親インク性領域のパターンを形成す
ることができる。したがって、例えばこの濡れ性変化層
上の機能性部が形成される部分のみエネルギーを加える
ことにより容易に親インク性領域とすることが可能とな
り、この部分に機能性部用組成物を付着させることによ
り、容易に機能性素子を形成することができる。したが
って、効率的に機能性素子が製造でき、コスト的に有利
となるからである。
【0085】ここで、親インク性領域とは、水の接触角
が小さい領域であり、機能性部用組成物、例えばカラー
フィルタの画素部着色用のインクやマイクロレンズ形成
用組成物等に対する濡れ性の良好な領域をいうこととす
る。また、撥インク性領域とは、水の接触角が大きい領
域であり、上記インクやマイクロレンズ形成用組成物等
に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0086】上記濡れ性変化層は、その水の接触角が、
上記二つのエネルギーが加えられていない部分において
は90度以上、好ましくは140度以上であることが好
ましい。これは、エネルギーが加えられていない部分
は、本発明においては撥インク性が要求される部分であ
ることから、水の接触角が90度より小さい場合は、撥
インク性が十分でなく、カラーフィルタの画素部着色用
のインク等の機能性部用組成物が残存する可能性が生じ
るため好ましくないからである。
【0087】また、上記濡れ性変化層は、上記二つのエ
ネルギーが加えられると水の接触角が低下して30度以
下、より好ましくは20度以下となるような層であるこ
とが好ましい。エネルギーが加えられた部分の水の接触
角を30度以下としたのは、30度を越える場合は、こ
の部分でのインク等の機能性部用組成物の広がりが劣る
可能性があり、機能性部の欠け等が生じる可能性がある
からである。
【0088】なお、ここでいう水の接触角は、マイクロ
シリンジから水滴を滴下して30秒後に接触角測定器
(協和界面科学(株)製CA一Z型)を用いて測定した
値をいう。
【0089】このような濡れ性変化層に用いられる材料
としては、上述した濡れ性変化層の特性、すなわち上記
二つのエネルギーを加えることにより、接触する光触媒
含有層中の光触媒により濡れ性が変化する材料で、かつ
光触媒の作用により劣化、分解しにくい主鎖を有するも
のであれば、特に限定されるものではないが、例えば、
(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシ
ラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオ
ルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた
反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等
のオルガノポリシロキサンを挙げることができる。
【0090】上記の(1)の場合、一般式: YnSiX(4-n) (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニ
ル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、
Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示
す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共
加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであるこ
とが好ましい。なお、ここでYで示される基の炭素数は
1〜20の範囲内であることが好ましく、また、Xで示
されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0091】具体的には、メチルトリクロルシラン、メ
チルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロ
ルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n
−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロム
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキ
シシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−
ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシ
ラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
トリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシ
シラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デ
シルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキ
シシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−
デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリ
クロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n
−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポ
キシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラ
ン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェ
ニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テ
トラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエト
キシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロ
ムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジ
ブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、
フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリク
ロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメト
キシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイ
ソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシ
ラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt
−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシ
ラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−
メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラ
ン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
t−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;お
よび、それらの部分加水分解物;および、それらの混合
物を使用することができる。
【0092】また、特にフルオロアルキル基を含有する
ポリシロキサンが好ましく用いることができ、具体的に
は、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以
上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一
般にフッ素系シランカップリング剤として知られたもの
を使用することができる。
【0093】CF3(CF23CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF25CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF27CH2CH2Si(OC
33;CF3(CF29CH2CH2Si(OC
33;(CF32CF(CF24CH2CH2Si(O
CH33;(CF32CF(CF26CH2CH2Si
(OCH33;(CF32CF(CF28CH2CH2
i(OCH33;CF3(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF25(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF27(C64)C24Si(OC
33;CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OC
32;CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH
32;CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OC
32;(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH
3(OCH32;(CF32CF(CF26CH2CH2
Si CH3(OCH32;(CF32CF(CF28
CH2CH2Si CH3(OCH32;CF3(C64
24SiCH3(OCH32;CF3(CF23(C6
4)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF25
(C64)C24SiCH3(OCH32;CF3(CF
27(C64)C24SiCH3(OCH32;CF
3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33;CF
3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33;CF3
(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33;および
CF3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si
(OCH33
【0094】上記のようなフルオロアルキル基を含有す
るポリシロキサンをバインダとして用いることにより、
濡れ性変化層の濡れ性が変化していない部分の撥インク
性が大きく向上し、カラーフィルターの画素部着色用の
インク等の機能性部用組成物の付着を妨げる機能を発現
する。
【0095】また、上記の(2)の反応性シリコーンと
しては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げ
ることができる。
【0096】
【化1】
【0097】ただし、nは2以上の整数であり、R1
2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェ
ニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメ
チル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好
ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好
ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少
なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0098】また、上記のオルガノポリシロキサンとと
もに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしな
い安定なオルガノシリコーン化合物を混合してもよい。
【0099】また、本発明においては、濡れ性変化層
が、光触媒の作用により分解されにくい基材と、光触媒
の作用により分解されやすい分解除去剤とからなり、上
記2種類のエネルギーを加えることで分解除去剤が分解
除去されることにより、濡れ性変化層上の濡れ性が変化
する層であってもよい。
【0100】この場合、光触媒の作用により分解されに
くい基材が親インク性で、光触媒の作用により分解され
やすい分解除去剤分が撥インク性であっても、またその
逆であってもよい。
【0101】上記基材としては、光触媒の作用により分
解しにくい材料であれば特に限定されるものではない
が、上述したオルガノポリシロキサン等のポリシロキサ
ンが好適に用いられる。また、分解除去剤としては、後
述する分解除去層に用いられる材料を用いることが可能
である。
【0102】基材として上述したオルガノポリシロキサ
ンを用い、分解除去剤として撥インク性の化合物を用い
た場合、光触媒の作用から上記2種類のエネルギーが加
えられた部分は、基材が親インク性に変化し、分解除去
剤は分解される。したがって、エネルギーが加えられた
部分は親インク性領域となる。一方、エネルギーが加え
られなかった部分は、上記分解除去剤が撥インク性を示
すと共に、基材自体も撥インク性を示すため、より強い
撥インク性領域となる。よって、濡れ性の大幅に異なる
パターンを形成することができる。
【0103】このような濡れ性変化層は、上述した成分
を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗
布液を調製し、この塗布液を基板や光触媒含有層上に塗
布することにより形成することができる。使用する溶剤
としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプ
レーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコ
ート等の公知の塗布方法により行うことができる。ま
た、紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を
照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成
することができる。
【0104】本発明において、この濡れ性変化層の厚み
は、光触媒による濡れ性の変化速度等の関係より、0.
001μmから1μmであることが好ましく、特に好ま
しくは0.01〜0.1μmの範囲内である。
【0105】本発明において上述した成分の濡れ性変化
層を用いることにより、接触する、もしくは同一の層で
ある光触媒含有層中の光触媒の作用により、上記成分の
一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用い
て、エネルギーを加えた部分の濡れ性を変化させて親イ
ンク性とし、他の部分との濡れ性に大きな差を生じさせ
ることができる。よって、機能性部用組成物、例えばカ
ラーフィルタの画素部着色用のインク等との受容性(親
インク性)および反撥性(撥インク性)を高めることに
よって、品質が良好でかつコスト的にも有利なカラーフ
ィルタ等の機能性素子を得ることができる。
【0106】(分解除去層)次に分解除去層について説
明する。この分解除去層は、上記2種類のエネルギーが
加えられた際に光触媒含有層中の光触媒の作用により、
層を形成する物質が酸化等されて劣化・分解し、最終的
に除去される層である。
【0107】このように分解除去層は、エネルギーが加
えられた部分が光触媒の作用により分解除去されること
から、現像工程や洗浄工程を行うことなく分解除去層の
ある部分と無い部分からなるパターン、すなわち凹凸を
有するパターンを形成することができる。したがって各
種印刷版原版等の凹凸のパターンを必要とする部材は、
この方法により容易に形成することができる。
【0108】なお、この分解除去層は、エネルギーを加
えることによる光触媒の作用により酸化分解され、気化
等されることから、現像・洗浄工程等の特別な後処理な
しに除去されるものであるが、分解除去層の材質によっ
ては、洗浄工程等を行ってもよい。
【0109】また、この分解除去層を用いた場合は、凹
凸を形成するのみならず、分解除去されて露出する露出
部材と分解除去層との特性の相違によりパターンを形成
することも可能である。このような特性としては、接着
性、発色性等種々のものを挙げることができるが、本発
明においては中でも濡れ性を挙げることができ、この濡
れ性の相違によりパターンを形成することが、最終的に
素子を形成した場合の有効性の点で好ましい。
【0110】すなわち、本発明においては、分解除去層
とこの分解除去層が分解除去されて露出する露出部材と
の水の接触角が異なるように構成されていることが好ま
しく、特に露出部材の水の接触角より分解除去層上の水
の接触角が大きいことが好ましく、特に好ましくは分解
除去層の水との接触角が60度以上であることである。
【0111】これは、本発明において上記二つのエネル
ギーが加えられていない部分は分解除去層が残存する部
分すなわち凸部となることから、この凸部に機能性部用
組成物を付着させるよりは分解除去層が除去され露出部
材が露出した凹部に機能性部用組成物を付着させること
が好ましい。このため、分解除去層は機能性部用組成物
が付着しにくいように撥インク性を示す方が好ましく、
露出部材の水の接触角より分解除去層上の水の接触角が
大きいことが好ましくなるのである。分解除去層上の水
の接触角が60度より小さい場合は、撥インク性が十分
でなく、例えばカラーフィルタの画素部着色用のインク
等の機能性部用組成物が残存する可能性が生じるため好
ましくない。
【0112】このような分解除去層に用いられる材料と
しては、上述した分解除去層の特性、すなわち上記二つ
のエネルギーを加えることにより接触する光触媒含有層
中の光触媒の作用により分解除去される材料で、かつ好
ましくは水との接触角が60度以上となる材料である。
【0113】このような材料としては、例えば炭化水素
系、フッ素系またはシリコーン系の非イオン界面活性剤
を挙げることができ、具体的には、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付
加物、もしくはパーフルオロアルキルアミンオキシド等
を挙げることができる。
【0114】このような材料は、炭化水素系の非イオン
系界面活性剤であれば、NIKKOL BL、BC、B
O、BBの各シリーズ(商品名、日本サーファクタント
工業社製)、フッ素系あるいはシリコン系の非イオン系
界面活性剤であれば、ZONYL FSN、FSO(商
品名、デュポン社製)、サーフロンS−141、145
(商品名、旭硝子社製)、メガファックF−141、1
44(商品名、大日本インキ社製)、フタージェント
F200、F251(商品名、ネオス社製)、ユニダイ
ンDS−401、402(商品名、ダイキン工業社
製)、フロラードFC−170、176(商品名、スリ
ーエム社製)として入手することができる。
【0115】この分解除去層の材料としては他にもカチ
オン系、アニオン系、両性界面活性剤を用いることが可
能であり、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフ
ルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベ
タイン等を挙げることができる。
【0116】さらに、分解除去層の材料としては、界面
活性剤以外にも種々ポリマーもしくはオリゴマーを用い
ることができる。このようなポリマーもしくはオリゴマ
ーとしては、例えばポリビニルアルコール、不飽和ポリ
エステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタ
レート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリ
イミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、
ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリブタジエン、
ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピ
クロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等
を挙げることができる。本発明においては、中でもポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル等の水との接触角の高い撥インク性のポリマーを用
いることが好ましい。
【0117】このような分解除去層は、上述した成分を
必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布
液を調製し、この塗布液を基板、光触媒含有層もしくは
露出部材(基板および露出部材、もしくは光触媒含有層
および露出部材が共通しても良い。)上に塗布すること
により形成することができる。塗布はスピンコート、ス
プレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビード
コート等の公知の塗布方法により行うことができる。
【0118】本発明において、この分解除去層の厚みは
光触媒による分解速度等の関係より、0.001μmか
ら1μmであることが好ましく、特に好ましくは0.0
1〜0.1μmの範囲内である。
【0119】(光触媒含有特性変化層)本発明において
は、上述したように光触媒含有層と特性変化層とが同一
の層として形成されてもよい。このように光触媒含有層
と特性変化層とが同一の層として形成された層を、本発
明におていは光触媒含有特性変化層とする。したがっ
て、本発明において、光触媒含有特性変化層は、光触媒
含有層および特性変化層のいずれにも該当する層として
取り扱う。
【0120】本発明における光触媒含有特性変化層は、
例えば特性変化層が濡れ性変化層である場合は、上記濡
れ性変化層形成用の塗布液等の組成物に光触媒、例えば
二酸化チタンを分散させて基板上に塗布することにより
形成することができる。また、同様に特性変化層が分解
除去層である場合は、上記分解除去層形成用の塗布液等
の組成物に光触媒を分散させて形成することができる。
【0121】このように、光触媒含有層と特性変化層と
が同一の層として光触媒含有特性変化層として形成され
た場合は、上述した2種類のエネルギーが、この光触媒
含有特性変化層に加えられ、このエネルギーを加えたこ
とにより生じる特性の変化、すなわち特性変化部位の形
成も、光触媒含有特性変化層においてなされる。例え
ば、特性の変化が濡れ性の変化の場合は、光触媒含有特
性変化層の表面の濡れ性が変化するのであり、特性の変
化が分解除去による凹凸の形成であるのであれば、この
光触媒含有特性変化層において凹凸が形成されるのであ
る。
【0122】(基板)本発明のパターン形成体の製造法
において、特性変化層および光触媒含有層、もしくは光
触媒含有特性変化層は強度との関係や最終的な機能性素
子との関係から、図1から図4に示すように基板1上に
形成されることが好ましい。このような基板としては、
パターン形成体もしくはパターン形成体により形成され
た機能性素子の用途に応じて、ガラス、アルミニウム、
およびその合金等の金属、プラスチック、織物、不織布
等を挙げることができる。
【0123】また、紫外光や赤外線レーザを用いる場合
であって、この基板を透過して光触媒含有層に照射する
必要がある場合や、さらに後述する赤外線レーザ吸収層
がパターン形成体用基板に形成された場合であって、赤
外線レーザがこの基板を透過して赤外線レーザ吸収層に
到達するような構成である場合は、この基板は赤外線レ
ーザや紫外光を透過し、減衰させない材料で形成されて
いることが好ましい。
【0124】また、上述したように特性変化層が分解除
去層である場合は、基板と分解除去層との間に露出部材
を設けてもよい。この露出部材は、上述したように分解
除去層に上述した2種類のエネルギーが加えられること
による光触媒の作用により分解除去された際に露出する
部材であり、分解除去層とその特性が異なるもので形成
されていることが好ましい。特に、上述したように、上
記特性が濡れ性である場合は、水との接触角が30度以
下のものであることが好ましい。具体的にはガラスセラ
ミックス等の無機材料や、表面をプラズマやカップリン
グ剤により親水化処理したポリマー材料等を挙げること
ができる。
【0125】なお、本発明においては、上記基板もしく
は光触媒含有層がこの露出部材としての機能を有する場
合は、別に露出部材を設ける必要はない。
【0126】(赤外線レーザ吸収層)本発明において
は、上述したように光触媒含有層に対して、光触媒反応
開始エネルギーおよび反応速度増加エネルギーを加える
ことにより、特性変化層上に特性変化部位によるパター
ンを形成するところに特徴を有するのであり、上述した
ようにこの反応速度増加エネルギーとしては熱エネルギ
ーが好適である。
【0127】このように、熱エネルギーを光触媒含有層
に加える好ましい方法のひとつとして、赤外線レーザを
用いる方法がある。このように赤外線レーザを用いて熱
エネルギーを光触媒含有層に加え、かつ微細なパターン
の書込み(形成)が必要な場合は、この赤外線レーザを
効率的に吸収して発熱させる赤外線レーザ吸収層をパタ
ーン形成体用基板に形成することが好ましい。これは、
赤外線レーザ吸収層を設けることにより、照射された赤
外線レーザが効率的に吸収されて発熱するので、微細な
パターンを有するパターン形成体を得るためには特に有
効だからである。
【0128】この赤外線レーザ吸収層は、赤外線レーザ
が光触媒含有層に照射された際に、この光触媒含有層に
赤外線レーザによる熱エネルギーが効率よく作用する位
置であれば、どのような位置に配置されてもよいが、例
えば図5(A)に示すように、紫外光4および赤外線レ
ーザ6とが光触媒含有特性変化層2側から照射される場
合は、光触媒含有特性変化層2と基板1の間に赤外線レ
ーザ吸収層15を形成してもよいし、図5(B)に示す
ように基板1の光触媒含有特性変化層2が形成されてい
ない面に設けてもよい。さらに、図5(C)に示すよう
に、基板1上に光触媒含有層10が形成され、さらにそ
の上に特性変化層11が形成されてる場合は、光触媒含
有層10と基板1との間に形成してもよい。この赤外線
レーザ吸収層はその機能のため、赤外光レーザや紫外光
等を透過しない層である場合が多いので、これらのレー
ザ等の照射を妨げない位置に配置される必要がある。
【0129】このような赤外線レーザ吸収層15を形成
するための材料としては、赤外線レーザを吸収して効率
良く発熱する材料であれば特に限定されるものではない
が、例えば、分散されたカーボンブラック粒子を有する
ニトロセルロース、ポリエステル、ポリイミド、ポリカ
ーボネート等の樹脂を挙げることができ、樹脂の硬化を
開始するための添加剤としては、メラミン−ホルムアル
デヒド架橋剤、またはこれに匹敵する溶媒抵抗および付
着特性を付与するブロック化されたイソシアネート官能
性化合物またはその他の各種イソシアネート官能性化合
物の何れかを挙げることができる。
【0130】上記赤外線レーザ吸収層は、上述した材料
および添加剤を所定の溶媒中で撹拌し、得られた溶液を
ブレードコータ等による塗工によって、基板等の上に塗
布・乾燥して形成される。形成される赤外線レーザ吸収
層の厚さは、通常0.1〜10μmである。
【0131】(耐熱滑性層)一方、上記熱エネルギーを
光触媒含有層に加える方法として、感熱ヘッドを用いた
場合は、パターン形成体に耐熱滑性層が形成されること
が好ましい。この耐熱滑性層は、感熱ヘッドでパターン
を書き込む際に、感熱ヘッドの滑性を高めると共に、加
えられた熱によるパターン形成体に対する影響を少なく
することができるためである。
【0132】このような耐熱活性層は、感熱ヘッドが接
触する面上に形成されるものであり、例えば図6に示す
ように、基板1上に光触媒含有層10が形成され、その
上に特性変化層11が形成されたパターン形成体におい
ては、基板1の光触媒含有層10が形成されていない側
の面に耐熱滑性層16を形成することができる。この場
合、光触媒反応開始エネルギーである紫外光4は光触媒
含有層側から照射され、反応速度増加エネルギーである
熱は、感熱ヘッド17により耐熱滑性層16側から加え
られることになる。
【0133】このような耐熱滑性層を形成する材料とし
ては、シリカ等の無機系材料の微粒子を、エポキシ系、
ウレタン系等の紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂に分散させ
たものを用いることが好ましい。この耐熱滑性層は、上
述した材料を所定の溶媒中で撹拌等して得られる溶液を
ブレードコータ等による塗工によって上述した基板等に
塗布、露光等することにより形成される。本発明におけ
る耐熱滑性層の厚みは、通常0.1〜10μmの範囲内
である。
【0134】(光触媒反応開始エネルギーおよび反応速
度増加エネルギーの加え方)上述したようなパターン形
成体用基板を準備した後、光触媒反応開始エネルギーお
よび反応速度増加エネルギーを加える。このエネルギー
を加える方法について図7を用いて説明する。
【0135】まず、光触媒反応開始エネルギー、例えば
紫外光であるが、このエネルギーはパターン形成体用基
板3の光触媒含有特性変化層2(もしくは光触媒含有
層)のパターンが形成される部分全面に通常加えられる
ものであり、これによりパターンを形成する必要はな
い。したがって、特に細かく照射方向等を制御する必要
が無いことから複雑な偏向装置等は必要なく、例えば水
銀ランプ17より照射された紫外光4は、UV反射鏡1
8等により反射されて光触媒含有特性変化層2(もしく
は光触媒含有層)に照射される。
【0136】この光触媒反応開始エネルギーを加える方
向は、図7に示すように光触媒含有特性変化層2(光触
媒含有層)が露出している側からに限定されるものでは
なく、例えば基板1を介して光触媒含有特性変化層2
(光触媒含有層)にエネルギーを加えても良い。ただ
し、基板1等を介してエネルギーを加えた場合は、エネ
ルギーが減衰する場合が多いので、図7に示すように直
接加えることが可能な方向からエネルギーを加えること
が好ましい。
【0137】一方、反応速度増加エネルギーは、上記光
触媒反応開始エネルギーが加えられた領域にパターン上
に加えることにより、特性変化層上に特性の変化した特
性変化部位によるパターンを形成するものであるので、
エネルギーを加える位置を正確に制御する必要がある。
図7は回転多面鏡を用いて赤外線レーザを偏向してパタ
ーンを形成する例を示すものである。赤外線レーザ発生
装置5で発生した赤外線レーザは、光変調器19、反射
鏡20、コリメータレンズ21を介して、レーザ偏向装
置である回転多面鏡22に達する。この回転多面鏡は図
示略の制御装置により制御されており、その回転角度を
変化させることにより、この回転多面鏡で反射された赤
外線レーザ6は、fθレンズ23を経て、光触媒含有特
性変化層2(光触媒含有層)上に所望のパターンを形成
するように照射される。
【0138】このように、反応速度増加エネルギーが熱
エネルギーであり、これを赤外線レーザを用いて光触媒
含有層に加える場合は、機械式光偏向器、電気光学光偏
向器、および音響光学光偏向器等の種々の光偏向器を用
いることが可能であり、なかでも装置の取り扱いが容易
である等の理由から機械式光偏向器が好適に用いられ
る。この機械式光偏向器としては、例えばガルバノメー
タ、回転多面鏡、ホログラムスキャナ等を挙げることが
できる。
【0139】このように赤外線レーザを用いた場合も、
この赤外線レーザを照射する方向は、光触媒含有層に直
接照射することができる方向から照射することが好まし
いが、基板等が赤外線レーザをあまり減衰させることな
く透過可能なものである場合は、これらを介して照射し
てもよい。
【0140】また、反応速度増加エネルギーを加える方
法としては、感熱ヘッドを用いる方法も挙げられる。こ
の場合は、図6に示すように感熱ヘッド17を例えば耐
熱滑性層16に直接接しながら動かすことにより、耐熱
滑性層16および基板1を介して光触媒含有層10に熱
エネルギーをパターン状に加えることができる。上述し
たように、本発明においては、この耐熱滑性層の有無や
配置は特に限定されるものでなく、感熱ヘッドからの熱
が効率よくかつ正確に光触媒含有層に到達するのであれ
ば特に限定されるものではない。
【0141】本発明においては、上記光触媒反応開始エ
ネルギーと反応速度増加エネルギーとを光触媒含有層に
加える順は特に限定されるものでなく、光触媒反応開始
エネルギーを加えた後に反応速度増加エネルギーを加え
てもよいし、またその逆でもよいが、感度等の点で通常
同時に加えられることが好ましい。
【0142】以上説明したように、パターン形成体用基
板の光触媒含有層に対し、光触媒反応開始エネルギーを
加え、この光触媒反応開始エネルギーを加えた領域に反
応速度増加エネルギーをパターン状に加えることによ
り、特性変化層上に光触媒の作用により特性が変化した
特性変化部位からなるパターンを有するパターン形成体
を得ることができる。
【0143】(パターン形成体)このようにして得られ
たパターン形成体は、上述したように特性変化層上に特
性変化部位のパターンが形成されたものである。したが
って、特性変化層の特性が濡れ性である場合は、濡れ性
が変化した部位は、印刷インクの受容性が変化している
ので、印刷板として使用することができる。そして、上
述した方法により得られた本発明のパターン形成体を印
刷版原版とした場合には、精細なパターンをCAD等の
デジタルデータから直接パターン形成した印刷版を、湿
式現像等の必要がなく、上記二つのエネルギーを加える
と同時に得ることができるという効果を有するものであ
る。
【0144】また、特性変化層が分解除去層であった場
合は、上記二つのエネルギーを加えた部分が光触媒の作
用により分解除去されることから、パターン形成体は凹
凸を有するパターンとなる。したがって、この凹凸を有
するパターン形成体は各種印刷版原版等として用いるこ
とができる。
【0145】(機能性素子)さらに、このパターン形成
体の形成されたパターンに対応した部位上に機能性部を
配置することにより種々の機能性素子を得ることができ
る。
【0146】ここで機能性とは、光学的(光選択吸収、
反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あ
るいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性
等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、
電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電
性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イ
オン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロク
ロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱
性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合
性、抗血栓性等)な各種の機能を意味するものである。
【0147】このような機能性部のパターン形成体のパ
ターンに対応した部位への配置は、特性変化層の特性に
よって種々の方法がある。例えば、特性変化層が接着性
を変化させる接着性変化層であった場合は、パターン形
成体に接着性が変化したパターンが形成されていること
から、特性変化層上に全面にわたって金属等の機能性部
用組成物を蒸着させ、その後粘着剤等により引き剥がす
ことにより、接着性が良好な部分にのみ機能性部として
の金属のパターンが形成される。これにより容易に回路
等を形成することができる。
【0148】また、特性変化層が分解除去層であった場
合は、凹凸が変化したパターンが形成される。したがっ
て、凹部に機能性部用組成物を挿入・付着させることに
よって、容易にパターンに対応した部位に機能性部を配
置することができる。この場合、凹部と凸部との間の濡
れ性に相違がある場合、ずなわち凹部が濡れ性の良好な
親インク性領域であり、凸部が濡れ性の悪い撥インク性
領域であると、さらにこの機能性部用組成物の挿入・付
着が容易となる。
【0149】また、特性変化層が濡れ性変化層である場
合は、濡れ性が変化したパターンが形成されていること
から、機能性部用組成物をパターン形成体上に塗布する
ことにより、濡れ性の良好な親インク性領域のみ機能性
部用組成物が付着することになり、容易にパターン形成
体のパターンに対応した部位に機能性部を配置すること
ができる。この場合には、パターン形成体の上記二つの
エネルギーが加えられていない部分は、臨界表面張力が
50mN/m以下、好ましくは30mN/m以下である
ことが望ましい。
【0150】本発明に用いられる機能性部用組成物とし
ては、上述したように機能性素子の機能、機能性素子の
形成方法等によって大きく異なるものであり、例えば接
着性の相違により金属のパターンを形成するような場合
は、この機能性部用組成物は金属となり、また濡れ性が
相違するパターン形成体や凹凸が相違するパターン形成
体を用いる場合は、紫外線硬化型モノマー等に代表され
る溶剤で希釈されていない組成物や、溶剤で希釈した液
体状の組成物等を用いることができる。溶剤で希釈した
液体状組成物の場合は、溶剤が水、エチレングリコール
等の高表面張力を示すものであることが好ましい。ま
た、機能性部用組成物としては粘度が低いほど短時間に
パターンが形成できることから、特性変化層が濡れ性変
化層である場合に特に好ましい。ただし、溶剤で希釈し
た液体状組成物の場合には、パターン形成時に溶剤の揮
発による粘度の上昇、表面張力の変化が起こるため、溶
剤が低揮発性であることが望ましい。
【0151】本発明に用いられる機能性部用組成物とし
ては、パターン形成体に付着等させて配置されることに
より機能性部となるものであってもよく、またパターン
形成体上に配置された後、薬剤により処理され、もしく
は紫外線、熱等により処理された後に機能性部となるも
のであってもよい。この場合、機能性部用組成物の結着
剤として、紫外線、熱、電子線等で効果する成分を含有
している場合には、硬化処理を行うことにより素早く機
能性部が形成できることから好ましい。
【0152】このような機能性素子の形成方法を具体的
に説明すると、例えば特性変化層が濡れ性変化層である
場合、機能性部用組成物はディップコート、ロールコー
ト、ブレードコート、スピンコート等の塗布手段、イン
クジェット等を含むノズル吐出手段等の手段を用いてパ
ターン形成体上に形成された親インク性領域のパターン
上に機能性部を形成する。例えば、図8に示すように、
上述した方法によりパターン状に形成された特性変化部
位(親インク性領域)8を有するパターン形成体9の光
触媒含有特性変化層2に、上述した方法によりブレード
コータ24を用いて機能性部用組成物25を塗布する方
法、もしくは、図9に示すように同様なパターン形成体
9上に機能性部用組成物25を滴下し、スピンコータ2
6により塗布する方法等を挙げることができる。このよ
うにして機能性部用組成物25を塗布することにより、
図10に示すように濡れ性が変化して親インク性領域と
なった特性変化部位8上にのみ機能性部用組成物が付着
する。この機能性部用組成物を硬化させて機能性部27
とすることにより、機能性素子を形成することができ
る。
【0153】さらに、無電解めっきによる金属膜形成方
法に本発明のパターン形成体を用いることにより、機能
性部として金属膜のパターンを有する機能性素子を得る
ことができる。これも特性変化層が濡れ性変化層であっ
た場合に有効な方法であり、濡れ性が変化したパターン
を有するパターン形成体の親インク性領域にのみ化学め
っきの前処理液によって処理を行い、次いで処理したパ
ターン形成体を化学めっき液に浸漬することにより、所
望の金属パターンを特性変化層上に有する機能性素子を
得ることができる。この方法によれば、レジストパター
ンを形成することなく、金属のパターンを形成すること
ができるので、機能性素子として、プリント基板や電子
回路素子を製造することができる。
【0154】また、上述したように全面に機能性部用組
成物を配置した後、上記二つのエネルギーを加えた部分
と加えなかった部分との特性の差異を利用して不要な部
分を取り除くことにより、パターンに沿って機能性部を
形成するようにしてもよい。これは特性変化層が接着性
変化層であった場合に特に有効な方法であり、例えば、
粘着テープを密着した後、この粘着テープを引き剥がす
ことによる剥離、空気の吹き付け、溶剤による処理等の
後処理により不要部分を除去して機能性部のパターンを
得ることができる。このような全面に機能性部を配置す
る方法としては、例えばPVD、CVD等の真空製膜手
段を挙げることができる。すなわち、図11(A)に示
すようなCVD等の真空を利用した成膜手段28を用い
ることにより、特性変化部位8のパターンを有する光触
媒含有特性変化層2が基板1上に設けられたパターン形
成体9上に、機能性部用組成物25を全面にわたって形
成する。このように全面に形成された機能性部用組成物
25の不要部分を取り除く方法としては、図11(B)
に示すように、粘着テープ29の粘着面を密着した後に
引き剥がすことにより、二つのエネルギーが加えられな
かった部分上の機能性部用組成物25を除去して、機能
性部27を形成する方法、あるいは図11(C)に示す
ように空気噴射ノズル30から空気を噴射することによ
り、不要部分の機能性部用組成物25を除去して、機能
性部27を形成する方法等を挙げることができる。
【0155】さらに、図12は特性変化層が接着性変化
層もしくは濡れ性変化層であった場合に特に有効な機能
性素子の形成方法であり、まず図12(A)に示すよう
に特性変化部位8のパターンを有する光触媒含有特性変
化層2が基板1上に設けられたパターン形成体9上に、
シート31の片面に熱溶融性組成物層32が積層された
熱転写体33を、熱溶融性組成物層32が光触媒含有特
性変化層2に接触するように密着させる。次いで図12
(B)に示すように熱転写体33のシート31側から加
熱板34を押し当てて加熱する。そして図12(C)に
示すように、冷却後熱転写体33を引き剥がすことによ
り、光触媒含有特性変化層2上に形成された特性変化部
位8のパターンに沿うように機能性部27が形成された
機能性素子を得ることができる(図12(D))。
【0156】このようにして得られる機能性素子として
具体的には、カラーフィルター、マイクロレンズ等を挙
げることができる。
【0157】上記カラーフィルターは、液晶表示装置等
に用いられるものであり、赤、緑、青等の複数の画素部
がガラス基板等上に高精細なパターンで形成されたもの
である。本発明のパターン形成体をこのカラーフィルタ
の製造に用いることにより、低コストで高精細なカラー
フィルタとすることができる。すなわち、例えば特性変
化層を濡れ性変化層とし、この濡れ性変化層にパターン
状にエネルギーを加えることにより、濡れ性の変化した
パターンが形成されたパターン形成体を得る。次いで、
この濡れ性の変化した部位(二つのエネルギーを加える
ことにより親インク性領域となった部位)に、例えばイ
ンクジェット装置等によりインク(機能性部用組成物)
を付着・硬化させることにより、容易に画素部(機能性
部)を形成することができ、これにより少ない工程数で
高精細なカラーフィルタを得ることができる。
【0158】また、機能性素子がマイクロレンズである
場合は、濡れ性変化層上に濡れ性が変化した円形のパタ
ーンを有するパターン形成体を製造する。次いで、濡れ
性が変化した部位上にレンズ形成用組成物(機能性部用
組成物)を滴下すると、濡れ性が変化した親インク性領
域のみに広がり、さらに滴下することにより液滴の接触
角を変化させることができる。このレンズ形成用組成物
を硬化させることにより種々の形状あるいは焦点距離の
ものを得ることが可能となり、高精細なマイクロレンズ
を得ることができる。このようなマイクロレンズの製造
方法について図13を用いて説明すると、光触媒含有特
性変化層(濡れ性変化層)2上に特性変化部位(親イン
ク性領域)8の円形のパターンが形成されたパターン形
成体9を調製し、次いで、この円形の特性変化部位(親
インク性領域)8のパターンに向けて機能性部用組成物
(紫外線硬化性樹脂組成物)を吐出装置35により吐出
する(図13(A))。この機能性部用組成物(紫外線
硬化性樹脂組成物)25は、特性変化部位8である親イ
ンク性領域と特性変化していない領域の撥インク性領域
との間の濡れ性の相違により盛り上がる(図13
(B))。これに樹脂硬化用紫外線36を用いて硬化さ
せることによりマイクロレンズ37が形成される(図1
3(C))。
【0159】
【実施例】以下、本発明について、実施例を通じてさら
に詳述する。
【0160】[実施例1] (紫外線照射および加熱による表面エネルギーの変化)
イソプロピルアルコール3g、トリメトキシシラン(東
芝シリコーン社製、商品名;TSL8113)0.3
g、フルオロアルコキシシラン(トーケムプロダクツ社
製、商品名;MF−160E、N−[3−(トリメトキ
シシリル)プロピル]−N−エチルパーフルオロオクタ
ンスルホンアミドのイソプロピルエーテル50wt%溶
液)0.45g、酸化チタン(石原産業社製、酸化チタ
ン塗布溶液、商品名;ST−K01、固形分濃度10w
t%)2gを混合した。
【0161】得られた分散液を20分間、100℃に保
ちながら撹拌した。この分散液をスピンコーティング法
により厚さ0.3mmのアルミ基材上に塗布した。これ
を150℃の温度で10分間乾燥させることにより加水
分解、重縮合反応を進行させ、光触媒がオルガノシロキ
サン中に強固に固定化された、厚さ0.5μmの光触媒
含有特性変化層を形成した。
【0162】得られたパターン形成体用基板の光触媒含
有特性変化層全面に、超高圧水銀灯(ウシオ電機社製;
商品名UXM−3500、ML−40D型ランプハウ
ス)から熱線を取り除いて241nm〜271nmの紫
外光のみを、13mW/cm2の強度で30秒間照射し
ながら、パターン形成体用基板を加熱した。
【0163】このときのパターン形成体用基板表面(す
なわち、光触媒含有特性変化層表面)の水に対する接触
角を接触角測定器(協和界面科学社製;商品名CA−Z
型)により測定した結果を表1にまとめる。なお、測定
時の光触媒含有特性変化層表面の温度は25℃であっ
た。
【0164】
【表1】 水に対する接触角 未照射・25℃(室温) 115度 照射・25℃(室温) 107度 照射・50℃ 78度 照射・100℃ 5度以下
【0165】表から明らかなように、加熱することによ
り光触媒反応が促進されている。
【0166】[実施例2] (紫外線照射および加熱による表面エネルギーの変化:
反応速度)実施例1と同様の方法にて、厚さ0.3mm
のアルミ基材上に光触媒がオルガノシロキサン中に強固
に固定化された厚さ0.5μmの光触媒含有特性変化層
を形成してパターン形成体用基板とした。得られたパタ
ーン形成体用基板全面に、超高圧水銀灯(ウシオ電機社
製;商品名UXM−3500、ML−40D型ランプハ
ウス)から熱線を取り除いて241nm〜271nmの
紫外光のみを、13mW/cm2の強度で照射しなが
ら、パターン形成体用基板を加熱した。
【0167】このときのパターン形成体用基板表面(す
なわち、光触媒含有特性変化層表面)の水に対する接触
角を接触角測定器(協和界面科学社製;商品名CA−Z
型)により測定した。接触角が5度以下となるまでの照
射時間を表2に示す。なお、測定時の光触媒含有特性変
化層表面の温度は25℃であった。
【0168】
【表2】
【0169】表2から、加熱により光触媒反応速度が増
加することが明らかとなった。
【0170】[実施例3] (パターン形体体の製造)イソプロピルアルコール3
g、トリメトキシシラン(東芝シリコーン社製;商品名
TSL8113)0.4g、フルオロアルコキシシラン
(トーケムプロダクツ社製;商品名MF−160E)
0.3g、光触媒無機コーティング剤(石原産業社製、
酸化チタン塗布溶液、商品名;ST−K01、固形分濃
度10wt%)2gを混合した。
【0171】この溶液をスピンコーティング法により、
石英ガラス透明支持体上に塗布した。これを150℃の
温度で10分間乾燥させることにより加水分解、重縮合
反応を進行させ、光触媒がオルガノシロキサン中に強固
に固定化された、厚さ0.1μmの透明な光触媒含有特
性変化層を形成した。水に対する接触角を接触角測定器
(協和界面科学社製;商品名CA−Z型)により測定し
た結果、142度であった。
【0172】上記光触媒含有特性変化層を、高圧水銀ラ
ンプにて25mW/cm2(365nm)の照度にて4
0秒間照射し、これを照射したまま照射波長830nm
の半導体レーザにてパターン状に照射した。半導体レー
ザのパターン照射は、マイクロレンズアレイ形成用CA
Dデータに基づき、ガルバノメータを用いて行われた。
このとき、半導体レーザ照射表面の表面温度は50℃で
あった。照射表面の水に対する接触角を上記接触角測定
器にて測定したところ、10度以下であった。
【0173】この方法によるパターン照射の結果、石英
ガラス透明支持体上の光触媒含有特性変化層上に、マイ
クロレンズアレイ成形用CADデータに基づいた濡れ性
の異なるパターンが形成された。
【0174】[実施例4] (機能性素子の製造)紫外線モノマー(2官能アクリレ
ートモノマー;日本化薬社製;商品名KAYARADP
EG400DA)1000g、硬化開始剤(チバスペシ
ャリティケミカルズ社製;ダロキュア1173)50g
を混合し、3分間撹拌した。得られた混合液をインクジ
ェット装置にて、実施例3にて形成したパターン形成体
(石英ガラス透明支持体)の光触媒含有特性変化層上の
親インク性領域に吐出したところ、親インク性領域のみ
に濡れ広がり、撥インク性領域には広がることはなかっ
た。濡れ広がった混合液は、レンズ形状となった。
【0175】上記機能性素子を30mW/cm2の照度
で10秒間紫外線で露光したところ、CADデータにて
設定された直径30〜50μmの種々の円形底面形状を
有する、マイクロレンズアレイが形成された。
【0176】[比較例]実施例1に記載したパターン形
成体用基板に、紫外光を照射せずに100秒間加熱し
た。このときのパターン形成体用基板(光触媒含有特性
変化層)表面の水に対する接触角を接触角測定器(協和
界面科学社製;商品名CA−Z型)により測定した結果
を表3にまとめる。なお、測定時の光触媒含有特性変化
層表面の温度は25℃であった。
【0177】
【表3】 水に対する接触角 25℃(室温) 115度 50℃ 115度 100℃ 115度
【0178】表3の結果から、加熱したのみでは光触媒
反応による表面の濡れ性の変化は生じないことが明らか
となった。
【0179】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0180】例えば、上記説明においては、機能性素子
は全てパターン形成体上に設けられる例を用いて説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわ
ち、例えば図14に示すように、まず上記説明と同様の
方法により基板1上に光触媒含有特性変化層2を形成
し、この光触媒含有特性変化層2の特性変化部位のパタ
ーンに沿って機能性部27を形成する(図13
(A))。次に、この機能性部27に接するように素子
形成用基材38を密着する(図9(B))。そして、こ
の素子形成用基材38に機能性部27を転写して機能性
素子とする方法等である。このように、機能性素子は、
パターン形成体上に形成されることに限定されるもので
はない。
【0181】
【発明の効果】本発明は、少なくとも光触媒含有層と、
この光触媒含有層中の光触媒の作用により特性が変化す
る特性変化層とを有するパターン形成体用基板の光触媒
含有層に対して光触媒反応開始エネルギーを加え、この
光触媒反応開始エネルギーが加えられた領域内に反応速
度増加エネルギーをパターン状に加えることにより、前
記特性変化層上に光触媒の作用により特性が変化した特
性変化部位からなるパターンを形成してパターン形成体
を得ることを特徴とするパターン形成体の製造法であ
る。
【0182】このように、本発明においては、光触媒が
含有された光触媒含有層に対し、光触媒反応開始エネル
ギーを加え、次いでこの光触媒反応開始エネルギーが加
えられた領域内に反応速度増加エネルギーをパターン状
に加えることによりパターンを形成するものである。し
たがって、パターン形成に際して、赤外線レーザ等の比
較的安価で取り扱いが容易である反応速度増加エネルギ
ーを用いることができるといった効果を有する。さら
に、本発明は、上述したような方法によりエネルギーを
パターン状に光触媒含有層に加え、エネルギーが加えら
れた部分に相当する特性変化層の特性を変化させてパタ
ーンを形成するものであるので、特にエネルギーを加え
た後の後処理も必要無く、高精細なパターンを有するパ
ターン形成体を製造することができるという効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(C)は、本発明のパターン形成体の
製造法の一例を示す概略断面図である。
【図2】(A)はパターン形成体用基板の一例を示す概
略断面図であり、(B)はそれを用いて本発明のパター
ン形成体の製造法により得られたパターン形成体を示す
概略断面図である。
【図3】(A)〜(D)は、本発明のパターン形成体の
製造法の他の例を示す概略断面図である。
【図4】(A)〜(D)は、本発明のパターン形成体の
製造法の他の例を示す概略断面図である。
【図5】(A)〜(C)は、赤外線レーザ吸収層の配置
例を示す概略断面図である。
【図6】耐熱滑性層の配置例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の製造法における2種類のエネルギーの
照射方法の例を示す説明図である。
【図8】本発明における機能性素子の製造法を説明する
ための概略断面図である。
【図9】本発明における機能性素子の製造法を説明する
ための概略断面図である。
【図10】本発明における機能性素子の例を示す概略断
面図である。
【図11】(A)から(C)は、本発明の機能性素子の
製造方法を説明するための概略断面図である。
【図12】(A)から(D)は、本発明の機能性素子の
製造方法を説明するための概略断面図である。
【図13】(A)から(C)は、本発明によるマイクロ
レンズの製造方法の一例を示す概略断面図である。
【図14】(A)から(C)は、本発明に含まれる機能
性素子の製造方法を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1…基板、 2…光触媒含有特性変化層、 3…パター
ン形成体用基板、4…紫外光(光触媒反応開始エネルギ
ー)、 5…赤外線レーザ発生装置、6…赤外線レーザ
(反応速度増加エネルギー)、 7…レーザ偏向装置、
8…特性変化部位、 9…パターン形成体、 10…光
触媒含有層、11…特性変化層、 12…特性変化層側
基板、 13…透明基板、14…光触媒含有層側基板、
15…赤外線レーザ吸収層、16…耐熱滑性層、 1
7…水銀ランプ、 18…UV反射鏡、19…光変調
器、 20…反射鏡、 21…コリメータレンズ、22
…回転多面鏡、 23…fθレンズ、 24…ブレード
コータ、25…機能性部用組成物、 26…スピンコー
タ、 27…機能性部、28…成膜手段、 29…粘着
テープ、 30…空気噴射ノズル、31…シート、 3
2…熱溶融性組成物層、 33…熱転写体、34…加熱
板、 35…吐出装置、 36…樹脂硬化用紫外線、3
7…マイクロレンズ、 38…素子形成用基材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 弘典 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AA02 AB01 AB02 AB03 AB13 AB15 AB17 AB20 AC08 AD01 AD03 BH03 DA03 DA08 DA40 FA01 FA06 FA10 FA28 2H111 HA14 HA18 HA22 HA23 HA32 HA35

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光触媒含有層と、この光触媒
    含有層中の光触媒の作用により特性が変化する特性変化
    層とを有するパターン形成体用基板の光触媒含有層に対
    して光触媒反応開始エネルギーを加え、この光触媒反応
    開始エネルギーが加えられた領域内に反応速度増加エネ
    ルギーをパターン状に加えることにより、前記特性変化
    層上に光触媒の作用により特性が変化した特性変化部位
    からなるパターンを形成してパターン形成体を得ること
    を特徴とするパターン形成体の製造法。
  2. 【請求項2】 前記光触媒反応開始エネルギーが、光で
    あることを特徴とする請求項1記載のパターン形成体の
    製造法。
  3. 【請求項3】 前記光が、紫外光を含む光であることを
    特徴とする請求項2記載のパターン形成体の製造法。
  4. 【請求項4】 前記光触媒反応開始エネルギーが、特性
    変化層上のパターンが形成される領域に相当する光触媒
    含有層上の領域全面に加えられることを特徴とする請求
    項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のパタ
    ーン形成体の製造法。
  5. 【請求項5】 前記反応速度増加エネルギーが、熱エネ
    ルギーであることを特徴とする請求項1から請求項4ま
    でのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造
    法。
  6. 【請求項6】 前記熱エネルギーが赤外線レーザにより
    加えられることを特徴とする請求項5記載のパターン形
    成体の製造法。
  7. 【請求項7】 前記赤外線レーザが、機械式光偏向器に
    よって偏向されてパターン状に加えられることを特徴と
    する請求項6記載のパターン形成体の製造法。
  8. 【請求項8】 前記熱エネルギーが感熱ヘッドにより加
    えられることを特徴とする請求項5記載のパターン形成
    体の製造法。
  9. 【請求項9】 少なくとも前記光触媒含有層と前記特性
    変化層とを基板上に設けて形成したパターン形成体用基
    板を用いることを特徴とする請求項1から請求項8まで
    のいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造法。
  10. 【請求項10】 少なくとも前記光触媒含有層と前記特
    性変化層とが基板上に設けられ、さらに反応速度増加エ
    ネルギーとして熱エネルギーを加えるために赤外線レー
    ザを照射した際に光触媒含有層にこの熱エネルギーが作
    用するように赤外線レーザ吸収層が配置されたパターン
    形成体用基板を用いることを特徴とする請求項6および
    7記載のパターン形成体の製造法。
  11. 【請求項11】 少なくとも前記光触媒含有層と前記特
    性変化層とが基板上に設けられ、さらに反応速度増加エ
    ネルギーとして熱エネルギーを加えるための感熱ヘッド
    が接する位置に耐熱滑性層が配置されたパターン形成体
    用基板を用いることを特徴とする請求項8記載のパター
    ン形成体の製造法。
  12. 【請求項12】 前記光触媒含有層と前記特性変化層と
    が同一の層に形成された光触媒含有特性変化層を基板上
    に有するパターン形成体用基板を用いることを特徴とす
    る請求項9から請求項11のいずれかの請求項に記載の
    パターン形成体の製造法。
  13. 【請求項13】 基板上に光触媒含有層が形成され、こ
    の光触媒含有層上に特性変化層が形成されたパターン形
    成体用基板を用いることを特徴とする請求項9から請求
    項11のいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製
    造法。
  14. 【請求項14】 基板上に前記特性変化層が形成され、
    この特性変化層上に前記光触媒含有層が形成されたパタ
    ーン形成体用基板を用い、前記反応速度増加エネルギー
    によりパターンが形成された後、前記光触媒含有層が取
    り除かれてパターン形成体を得ることを特徴とする請求
    項9から請求項11のいずれかの請求項に記載のパター
    ン形成体の製造法。
  15. 【請求項15】 前記光触媒含有層上に透明基板が光触
    媒含有層と一体に形成されており、前記反応速度増加エ
    ネルギーによりパターンが形成された後、光触媒含有層
    が容易に取り去ることができるように特性変化層と光触
    媒含有層とが接触していることを特徴とする請求項14
    記載のパターン形成体の製造法。
  16. 【請求項16】 前記光触媒含有層に含有される光触媒
    が、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、
    酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(Sr
    TiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス
    (Bi23)、および酸化鉄(Fe23)から選択され
    る1種または2種以上の物質であることを特徴とする請
    求項1から請求項15までのいずれかの請求項に記載の
    パターン形成体の製造法。
  17. 【請求項17】 前記光触媒が二酸化チタン(Ti
    2)であることを特徴とする請求項16記載のパター
    ン形成体の製造法。
  18. 【請求項18】 前記特性変化層が、前記光触媒含有層
    中の光触媒の作用により表面の濡れ性が変化する濡れ性
    変化層であることを特徴とする請求項1から請求項17
    までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造
    法。
  19. 【請求項19】 前記濡れ性変化層が、光触媒含有層中
    の光触媒の作用により、前記二つのエネルギーが加えら
    れた際に水の接触角が低下するように濡れ性が変化する
    濡れ性変化層であることを特徴とする請求項18記載の
    パターン形成体の製造法。
  20. 【請求項20】 前記濡れ性変化層上の水の接触角が、
    前記二つのエネルギーが加えられていない部分において
    90度以上であり、加えられた部分において30度以下
    であることを特徴とする請求項19記載のパターン形成
    体の製造法。
  21. 【請求項21】 前記濡れ性変化層が、オルガノポリシ
    ロキサンを含有する層であることを特徴とする請求項1
    9または請求項20に記載のパターン形成体の製造法。
  22. 【請求項22】 前記オルガノポリシロキサンが、Yn
    SiX(4-n)(ここで、Yはアルキル基、フルオロアル
    キル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキ
    シ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示
    す。nは0〜3までの整数である。)で示される珪素化
    合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共
    加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであるこ
    とを特徴とする請求項21記載のパターン形成体の製造
    法。
  23. 【請求項23】 前記濡れ性変化層が、光触媒の作用に
    より分解されにくい基材と、光触媒の作用により分解さ
    れやすい分解除去剤とからなり、前記2種類のエネルギ
    ーを加えることにより分解除去剤が分解除去されて濡れ
    性変化層上の濡れ性が変化する濡れ性変化層であること
    を特徴とする請求項18から請求項20までのいずれか
    の請求項に記載のパターン形成体の製造法。
  24. 【請求項24】 前記特性変化層が、光触媒含有層中の
    光触媒の作用により分解除去される分解除去層であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項17までのいずれか
    の請求項に記載のパターン形成体の製造法。
  25. 【請求項25】 請求項1から請求項24までのいずれ
    かの請求項に記載のパターン形成体の製造法により製造
    されたことを特徴とするパターン形成体。
  26. 【請求項26】 請求項25に記載のパターン形成体に
    形成されたパターンに対応した部位上に機能性部が配置
    されたことを特徴とする機能性素子。
JP06428299A 1999-03-11 1999-03-11 パターン形成体の製造法 Expired - Fee Related JP4289522B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06428299A JP4289522B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 パターン形成体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06428299A JP4289522B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 パターン形成体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000255165A true JP2000255165A (ja) 2000-09-19
JP4289522B2 JP4289522B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=13253733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06428299A Expired - Fee Related JP4289522B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 パターン形成体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4289522B2 (ja)

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003076004A (ja) * 2001-09-04 2003-03-14 Fuji Photo Film Co Ltd パターン形成方法
JP2003139975A (ja) * 2001-11-07 2003-05-14 Dainippon Printing Co Ltd 光導波路およびその製造方法
JP2004061634A (ja) * 2002-07-25 2004-02-26 Dainippon Printing Co Ltd 機能性素子の製造方法
JP2004061629A (ja) * 2002-07-25 2004-02-26 Dainippon Printing Co Ltd 機能性素子の製造方法
JP2004140078A (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Dainippon Printing Co Ltd 多層配線基板
JP2004138811A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタの製造方法
JP2004151330A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Dainippon Printing Co Ltd 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法
US6831604B2 (en) 2001-06-25 2004-12-14 Communications Research Laboratory Independent Administrative Institution Optical control electromagnetic wave circuit
JP2005310962A (ja) * 2003-06-02 2005-11-04 Ricoh Co Ltd 積層構造体、積層構造体を用いた電子素子、これらの製造方法、電子素子アレイ及び表示装置
JP2005311325A (ja) * 2004-03-24 2005-11-04 Semiconductor Energy Lab Co Ltd パターン形成方法、薄膜トランジスタ、表示装置及びそれらの作製方法、並びにテレビジョン装置
JP2007043113A (ja) * 2005-06-30 2007-02-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置、半導体装置の作製方法
JP2008170999A (ja) * 2001-10-16 2008-07-24 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体の製造方法
US7488570B2 (en) 2003-12-16 2009-02-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of forming metal pattern having low resistivity
US7504199B2 (en) 2003-12-16 2009-03-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of forming metal pattern having low resistivity
JP2009081464A (ja) * 2008-12-25 2009-04-16 Dainippon Printing Co Ltd 多層配線基板
JP2010153883A (ja) * 2003-06-02 2010-07-08 Ricoh Co Ltd 積層構造体、電子素子及び電子素子アレイ
JP2011173429A (ja) * 2011-05-23 2011-09-08 Ricoh Co Ltd 積層構造体
US8222636B2 (en) 2004-03-24 2012-07-17 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for forming pattern, thin film transistor, display device, method for manufacturing thereof, and television apparatus
KR20170121374A (ko) * 2016-04-22 2017-11-02 포항공과대학교 산학협력단 금속 패턴이 형성된 유연 필름의 제조방법

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6831604B2 (en) 2001-06-25 2004-12-14 Communications Research Laboratory Independent Administrative Institution Optical control electromagnetic wave circuit
JP2003076004A (ja) * 2001-09-04 2003-03-14 Fuji Photo Film Co Ltd パターン形成方法
JP2008170999A (ja) * 2001-10-16 2008-07-24 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体の製造方法
JP2003139975A (ja) * 2001-11-07 2003-05-14 Dainippon Printing Co Ltd 光導波路およびその製造方法
JP2004061634A (ja) * 2002-07-25 2004-02-26 Dainippon Printing Co Ltd 機能性素子の製造方法
JP2004061629A (ja) * 2002-07-25 2004-02-26 Dainippon Printing Co Ltd 機能性素子の製造方法
JP2004140078A (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Dainippon Printing Co Ltd 多層配線基板
JP2004138811A (ja) * 2002-10-17 2004-05-13 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタの製造方法
JP4515699B2 (ja) * 2002-10-17 2010-08-04 大日本印刷株式会社 カラーフィルタの製造方法
JP4632339B2 (ja) * 2002-10-30 2011-02-16 大日本印刷株式会社 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法
JP2004151330A (ja) * 2002-10-30 2004-05-27 Dainippon Printing Co Ltd 半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法
US7902680B2 (en) 2003-06-02 2011-03-08 Ricoh Company, Ltd. Layered structure, electron device, and an electron device array having a variable wettability layer and semiconductor layer formed thereon
JP2010153883A (ja) * 2003-06-02 2010-07-08 Ricoh Co Ltd 積層構造体、電子素子及び電子素子アレイ
JP2005310962A (ja) * 2003-06-02 2005-11-04 Ricoh Co Ltd 積層構造体、積層構造体を用いた電子素子、これらの製造方法、電子素子アレイ及び表示装置
JP4629997B2 (ja) * 2003-06-02 2011-02-09 株式会社リコー 薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタアレイ
US7488570B2 (en) 2003-12-16 2009-02-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of forming metal pattern having low resistivity
US7504199B2 (en) 2003-12-16 2009-03-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of forming metal pattern having low resistivity
JP2005311325A (ja) * 2004-03-24 2005-11-04 Semiconductor Energy Lab Co Ltd パターン形成方法、薄膜トランジスタ、表示装置及びそれらの作製方法、並びにテレビジョン装置
US8222636B2 (en) 2004-03-24 2012-07-17 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for forming pattern, thin film transistor, display device, method for manufacturing thereof, and television apparatus
JP2007043113A (ja) * 2005-06-30 2007-02-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置、半導体装置の作製方法
JP2009081464A (ja) * 2008-12-25 2009-04-16 Dainippon Printing Co Ltd 多層配線基板
JP2011173429A (ja) * 2011-05-23 2011-09-08 Ricoh Co Ltd 積層構造体
KR20170121374A (ko) * 2016-04-22 2017-11-02 포항공과대학교 산학협력단 금속 패턴이 형성된 유연 필름의 제조방법
KR102481176B1 (ko) * 2016-04-22 2022-12-26 포항공과대학교 산학협력단 금속 패턴이 형성된 유연 필름의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP4289522B2 (ja) 2009-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3679943B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP3384544B2 (ja) パターン形成体およびパターン形成方法
JP4236081B2 (ja) パターン形成体の製造方法
EP0932081B1 (en) Pattern forming body, pattern forming method, and their applications
JP4289522B2 (ja) パターン形成体の製造法
JP3343811B2 (ja) カラーフィルタの製造方法
US20080044745A1 (en) Process for production of pattern-forming body
JP2002274077A (ja) パターン形成体およびパターン形成方法
JP4495777B2 (ja) パターン形成体およびパターン形成方法
JP2002040231A (ja) カラーフィルタおよびその製造方法
JP4413035B2 (ja) パターン形成体およびパターン形成方法
JP2000098103A (ja) 面状光学素子の製造方法
JP3881138B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP2001270024A (ja) パターン形成体
JP4844568B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP4236099B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP4461696B2 (ja) パターニング方法
JP2001228624A (ja) パターン形成体の製造方法
JP2004191995A (ja) パターン形成体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090324

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees