JP4357625B2 - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶ディスプレイに好適なカラーフィルタおよびその製造方法に関するものであり、特に光触媒を用いたカラーフィルタおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューター発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
従来より行われているカラーフィルタの製造方法としては、例えば染色法、顔料分散法、印刷法等が挙げられる。
【0003】
これらの方法では、染色法、顔料分散法ではスピンコート等による透明基板への塗布工程における材料ロスが避けられず、また、各色の着色パターン形成ごとに現像工程と洗浄工程が必要であり、材料使用効率の向上や工程の簡略化が困難で製造コスト低減に支障を来していた。また、印刷法では高精細なパターン形成が困難であり、電着法では形成可能なパターン形状が限定されるという問題があった。
これらの問題を解決したカラーフィルタの製造方法として、インクジェット方式で着色インキを吹き付けて着色層を形成する方法が提案されている。しかしながら、インクジェット方式においては、そのパターン形状に対応した高精細なパターンニングは直接基板上に行うことは困難であり、またインキ受容層を設けた場合でもインキのにじみ等が発生し、現状性能を満たすものが得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コーティング方式、インキ吐出方式(総称してコーティングという)で画素部を形成するにあたり問題となる基板の濡れ性に関して、単一の層で濡れ性の良い部分と悪い部分を形成することが可能であり、かつこの濡れ性の良い部分と悪い部分とのパターンを少ない工程で容易に形成することができ、更にインクの吸収層が不要である、品質が良好でかつ低コストで製造することができるカラーフィルタおよびその製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は透明基板上に液体濡れ性可変層が設けられ、該液体濡れ性可変層上に、複数色の画素部を、該液体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に設けたカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層が積層されているカラーフィルタを構成要件とした。
【0006】
また、透明基板上に液体濡れ性可変層が設けられ、該液体濡れ性可変層上に、該液体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に設けた複数色の画素部と、該画素部の境界部分に設けられた遮光部とからなるカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層が積層されているカラーフィルタを構成要件とした。
【0007】
更に、透明基板上に遮光部を予め所定のパターンで設け、更に透明基板上に遮光部が設けられている側の面に液体濡れ性可変層が設けられ、該液体濡れ性可変層上に、該液体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に複数色の画素部を設けたカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層が積層されているカラーフィルタを構成要件とした。
【0008】
さらに、上記カラーフィルターにおいて、液体濡れ性可変層が少なくとも光触媒を含むことを構成要件とした。
【0009】
さらに、上記カラーフィルターにおいて液体濡れ性可変層が少なくとも光触媒とバインダーからなることを構成要件とした。
【0010】
また、本発明では、前記課題を解決するためのカラーフィルタの製造方法として、透明基板上に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上に複数色の画素部を所定のパターンに対応して設けるカラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行う方法を見い出した。
【0011】
また、カラーフィルタの製造方法として、透明基板上に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上に複数色の画素部を所定のパターンに対応して設け、更に、該画素部の境界部分に遮光部をを設けるカラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行う方法を見い出した。
【0012】
さらに、カラーフィルタの製造方法として、透明基板上に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上に遮光部をを設ける工程、複数色の画素部を所定のパターンに対応して設けるカラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行う方法を見い出した。
【0013】
さらに、カラーフィルタの製造方法として、透明基板上に遮光部を予め所定のパターンで設ける工程、透明基板上に遮光部が設けられている側の面に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上に、複数色の画素部を該液体濡れ性可変層上の所定のパターンに対応して設けるカラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行う方法を見い出した。
【0014】
【作用】
本発明のカラーフィルタおよびその製造方法を用いることにより、従来にない高精細で再現性の高いカラーフィルタが得られ、また光触媒を用いたカラーフィルタの製造方法を用いることにより、作製工程が簡易で、また高品質なカラーフィルタを得ることができた。さらに本発明の紫外線吸収層を本発明のカラーフィルタに積層することにより、経時安定性の良いきわめて品質の高いカラーフィルタを得ることが可能となった。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1、2は本発明のカラーフィルタの実施形態の一例を示す概略縦断面図である。図1において本発明のカラーフィルタaは、透明基板1、この透明基板上に形成された濡れ性変化成分層としての液体濡れ性可変層2、この液体濡れ性可変層の特定の濡れ性部位上に形成されたブラックマトリックス3と、RGB各着色層(4R、4G、4B)、これらのブラックマトリックス及び着色層を覆うように形成された紫外線吸収層5を備えている。また図3は、ブラックマトリックス3が無い場合の概略縦断面図である。
本発明の、酸化チタンに代表される光触媒による作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応あるいは酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ほすものと考えられている。
【0016】
このような光触媒の作用を用いて、油性汚れを光照射によって分解し、油性汚れを親水化して水によって洗浄可能なものとしたり、ガラス等の表面に親水性膜を形成して防曇性を付与したり、あるいはタイル等の表面に光触媒の含有層を形成して空気中の浮遊菌の数を減少させるいわゆる抗菌タイル等が提案されている本発明では、光触媒による有機物の分解等の作用を用いて、パターン形成部とパターンが形成されない部分との濡れ性を変化させることによって、パターン形成部の着色組成物との受容性及びパターンが形成されない部分との反撥性を高めることによってカラーフィルタを得たものである。
【0017】
光触媒種類
本発明のカラーフィルタに使用することができる光触媒としては、光半導体として知られている酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化すずSnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、酸化鉄(Fe23)のような金属酸化物を挙げることができるが、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタンは、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定であり、毒性もなく、入手も容易である。
【0018】
酸化チタンとしては、アナターゼ型とルチル型のいずれも使用することができるが、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。アナターゼ型チタンとしては、粒径が小さいものの方が光触媒反応が効率的に起こるので好ましい。平均粒径が50nm以下のものが好ましく、より好ましくは20nm以下のものが好ましい。例えば、アンモニア解腰型のアナターゼ型チタニアソル(多木化学、A−6、平均結晶子径8nm、石原産業、STS−11、平均結晶子径17nm)、硝酸解豚型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学、TA−15、平均結晶子径12nm)を挙げることができる。
【0019】
液体濡れ性可変層
本発明の光触媒を含有する液体濡れ性可変層は、光触媒を結着剤中に分散させて形成することができる。光触媒は、結着剤をも光励起により分解するおそれがあるため、結着剤は光触媒の光酸化作用に対する十分な対抗性を有する必要がある。そのような結着剤としては、主骨格がシロキサン結合(−Si−O−)を有するシリコーン樹脂を使用することができる。
また、シリコーン樹脂は、けい素原子に有機基が結合しており、実施例aにおいて後述するように、光触媒を光励起すればシリコーン分子のけい素原子に結合した有機基は光触媒作用により含酸素基に置換され濡れ性が向上するので、濡れ性が変化する物質としての機能も示す。
【0020】
シリコーン樹脂としては、一般式YnSiX(4−n)(n=1〜3)で表されるケイ素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物を使用することができる。Yは、アルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、あるいはエボキシ基を挙げることができ、Xはハロゲン、メトキシル基、エトキシル基、またはアセチル基を挙げることができる。
【0021】
具体的には、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソブロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n−フロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロホキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−へキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、n−へキシルトリエトキシシラン、n−へキシルトリイソブロボキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソブロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリフロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソブロボキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン、フェニルトリクロルシラン、フェニルトリプロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソブロボキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジプロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフエニルジエトキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジプロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フエニルメチルジエトキシシラン、トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロボキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン、ピニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ピニルトリメトキシシラン、ピニルトリエトキシシラン、ピニルトリイソプロボキシシラン、ピニルトリt−ブトキシシラン、Y−グリシドキシブロピルメチルジメトキシシラン、Y−グリシドキシブロピルメチルジエトキシシラン、Y−グリシドキシブロピルトリメトキシシラン、Y−グリシドキシブロピルトリエトキシシラン、Y−グリシドキシブロピルトリイソブロボキシシラン、Y−グリシドキシブロピルトリt−ブトキシシラン、Y−メタアクリロキシブロピルメチルジメトキシシラン、Y−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、Y−メタアクリロキシプロビルトリメトキシシラン、Y−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、Y−メタアクリロキシプロビルトリイソプロボキシシラン、Y−メタアクリロキシブロピルトリt−ブトキシシラン、Y−アミノプメリセーゾロピルメチルジメトキシシラン、Y−アミノブロピルメチルジエトキシシラン、Y−アミノプロピルトリメトキシシラン、Y−アミノブロピルトリエトキシシラン、Y−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、Y−アミノプロピルトリt−フトキシシラン、Y−メルカブトブロピルメチルジメトキシシラン、Y−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、Y−メルカプトプロビルトリメトキシシラン、Y−メルカプトブロピルトリエトキシシラン、Y−メルカプトブロピルトリイソブロボキシシラン、Y−メルカブトブロピルトリt−ブトキシシラン、6−(3、4−エボキシシク口へキシル)エチルトリメトキシシラン、8−(3、4−エポキシシク口へキシル)エチルトリエトキシシラン、及び、それらの部分加水分解物、及びそれらの混合物を使用することができる。
【0022】
結着剤層としてオルガノアルコキシシランからなるものを用いる場合には、その少なくとも10〜30重量%が2官能性シリコーン前駆体の例えばジアルコキシジメチルシランから構成されるものを用いることがより好ましい。オルガノアルコキシシランをゾルゲル法等に使用する場合には、3官能性シリコーン前駆体である例えばトリアルコキシメチルシランを主成分にし架橋密度を向上させるが、本発明のように濡れ性の差違を発現させる場合には、ジメチルシロキサン成分を多く含んだ方がメチルシロキサン成分よりもより撥油性を向上させることができる。
【0023】
また、シリコーン分子は、けい素原子に結合したオルガノ基としてフルオロアルキル基を含有しても良い。この場合には、未露光部の臨界表面張力が更に低下し、着色層組成物との反撥性が向上し、付着を妨げる機能を増す。また、着色層組成物の選択域が広がるのでより好ましい。
具体的には、下記のフルオロアルコキシシランの1種または2種以上を加水分解縮合物、共加水分解縮合物から形成される。また、フルオロアルキル基を含有する化合物としては、下記の化合物を挙げることができ、一般にフッ素系シランカツプリング剤として知られているものを使用しても良い。
【0024】
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF25CH2CH2Si(0CH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF24CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF26CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF28CH2CH2Si(OCH33
CF3(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF25(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF27(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF29CH2CH2SICH3(OCH32
(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF26CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF28CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(C64)C24SICH3(OCH32
CF3(CF23(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF25(C64)C24SICH3(OCH32
CF3(CF27(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF27SO2N(C25)CH2CH2CH2Si(OCH33
【0025】
更に良好な着色層組成物との反撥性を提供するためには、反応性の綿状シリコーン(好ましくはジメチルポリシロキサン)をまばらに架橋することにより得られるシリコーンが好ましい。代表的には以下に示す繰り返し単位を有するものを用いて、架橋反応させたものが好ましい。
また、結着剤としては、無定形シリ力前駆体を用いることができ、一般式SiX4で表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のボリシロキサンが好ましい。
【0026】
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリ力の前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基材に塗布し空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有膜を形成できる。シラノールの脱水縦重合を100℃以上で行えばシラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。上記結着剤は、単独或は、混合化し使用する。また、結着剤を使用せず、酸化チタン単体での成膜も可能である。この場合の好ましいやり方は、まず、基体上に無定型チタニアを形成し、次いで、焼成により結晶性チタニアに相変化させる。
【0027】
無定型チタニアは、例えば、TiCl4、Ti(SO42等の無機塩の加水分解・脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン、等の有機チタン化合物の酸存在下における加水分解・脱水縮合により得ることができる。次いで、400℃〜500℃の焼成によりアナターゼ型チタニアに、600℃〜700℃の焼成でルチル型チタニアに変換させる。
【0028】
光触媒と結着剤の量
光触媒とオルガノシロキサン及び/または無定型シリカとを含む液体濡れ性可変層における光触媒の量は、5重量%〜60重量%であることが好ましく、20重量%〜40重量%であることがより好ましい。光触媒、結着剤は、溶剤中に分散して塗布液を調製して塗布する。使用することができる溶剤としては、エタノール、イソプロバノール等のアルコール系の有機溶剤を挙げることができる。
また、チタン系、アルミニウム系、ジルコニウム系、クロム系のカップリング剤も使用することができる。
【0029】
光触媒層形成方法
光触媒を含んだ塗布液は、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコートなどの方法により基材に塗布することができる。また、結着剤として紫外線硬化型の成分を含有している場合には、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより、基材上に光触媒を含有した組成物の層を形成することができる。
【0030】
露光方法
アナターゼ型チタニアは励起波長が380nm以下にあり、このような光触媒の場合には光触媒の励起は紫外線により行う。紫外線を発するものとしては水銀ランプ、メタルハライドランブ、キセノンランプ、エキシマランプ、エキシマレーザー、YAGレーザー、その他の紫外線光源を使用することができ、照度、照射量等を変えることにより、膜表面の濡れ性を変化させることができる。
また、露光レーザー等の微細なビームで行う場合には、マスクを使用することなく直接に所望のパターンを描画することができるが、その他の光源の場合には、所望のパターンを形成したマスクを使用して光照射してパターンを形成する。パターン形成用のマスクは、蒸着用マスクのように金属板に形成されたもの、ガラス板に金属クロムで形成されたフォトマスク、或は印刷用途では、製版フィルム等を使用することができる。
【0031】
フォトマスク及び製版用フィルムを使用する場合には、液体濡れ性可変層と密着露光することにより解像度は高くなるが、感度が著しく低下するために、100μm前後のギャップを設けて露光することが好ましい。また、マスクとパターン形成体のギャップへ空気を吹き付けながら、露光することにより反応が促進される感度が向上する。また、パターン形成体へ熱を加えながら露光することによっても感度が向上する。
【0032】
基板
本発明のパターン形成用材料に使用することができる基板としては透明な材料、並びに積層物を安定に保持できるものであれば特に制限はないが、例えば、無アルカリガラス基板、アルカリガラス基板、更にはポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム等の透明フィルム基板、石英ガラス基板等が好ましく用いられる。
プライマー
また、本発明のパターン形成体は、液体濡れ性可変層組成物の塗布の前に、接着性向上、表面粗度の改善、光触媒作用による基材の劣化防止、光触媒活性低下防止等を目的とし基体上にプライマー層を形成してもよい。プライマー層としては、シロキサン構造を主成分とする樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることができる。
【0033】
紫外線吸収層
紫外線吸収層は、UV光による光触媒活性を抑える目的で使用する。すなわち、紫外線吸収層がない場合、形成されたカラーフィルタを紫外線を多く含む光エネルギーで照射し続けると、液体濡れ性可変層に含まれる光触媒がR,G,B着色層を形成するバインダー、あるいは着色材自身、あるいは遮光層等に化学作用を引き起こし、劣化、分解等が起こり使用に耐えないものとなる。
従って用いる紫外線吸収層は、少なくとも液体濡れ性可変層に含まれる光触媒が光反応を起こす波長の光を吸収する必要がある。また用いる光触媒の種類、添加量等で光触媒反応性の程度が異なるため、液体濡れ性可変層の特性に対応させて、紫外線吸収層の材料、膜厚を適宜選択して、最適化を行う。
【0034】
また、液体濡れ性可変層に含まれる光触媒が反応する紫外線は、紫外線吸収層にて100%達成されることが望ましいのは言うまでもないが、光吸収エネルギーは指数関数で作用するため、90%以上吸収されれば実用上問題は生じない。例えば、紫外線吸収層には、用いる光触媒との関係を考慮し、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等の有機系、酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤を使用できる。
上記紫外線吸収剤を用いる場合、バインダー樹脂としては、可視光領域を透過する樹脂であれば特に制限はないが、例えばポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等を1種類もしくは2種類以上を混合してもちいることができる。
【0035】
添加する量は、バインダー樹脂と相溶性の良い有機系紫外線吸収剤の場合は、バインダー樹脂に対して1〜50重量%、分散状態で用いる無機系紫外線吸収剤の場合は、基本的に得られる紫外線吸収層の透明性を考慮する必要があり、5〜40重量%添加して使用することができる。
例えば酸化亜鉛の超微粒子と適当なポリエステル系バインダーに重量10%添加して得られる複合膜によって紫外線吸収層が形成される。
また、市販の紫外線コーティング剤を使用しても良く例えば、住友セメント(株)製の透明性紫外線遮蔽コーティング液ZR−100、103、110、113、130、133、210、213、ZS−300、303などが使用できる。
【0036】
得られる紫外線吸収層は、その紫外線吸収機能以外にも、着色層、あるいは/並びに遮光層を物理的な外的衝撃から保護するための保護層としての機能も有する。従って、これらの効果を達成するために、紫外線吸収層の膜厚としては
0.1〜5μm程度とすることが好ましい。0.1μm以下では、これら紫外線吸収機能、保護層機能が低下し、5μm以上では、これらの機能は十分達成されるものの、カラーフィルタとして視覚的に障害となり好ましくない。
【0037】
遮光部の無いカラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタ製造方法について、図3に示すカラーフィルタを製造する場合を第1の実施態様として図4を参照して説明する。
【0038】
(透明基板上への液体濡れ性可変層の形成工程)
図4(A)に示すように、まず、透明基板1上に液体濡れ性可変層2を形成する。この液体濡れ性可変層2の形成は、上記光触媒とバインダーとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布した後、重縮合反応を進行ざせてバインダー中に光触媒を強固に固定することにより形成される。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系有機溶剤が好ましく、塗布はスピンナーコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。
【0039】
また、バインダーとして、無定形シリカ前駆体を用いた場合は、この、無定形シリカ前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、透明基板1上で空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより液体濡れ性可変層2を形成することができる。
さらに、光触媒単体で成膜する場合には、例えば透明バリアフィルム基板上で無定形チタニアを形成し、次いで焼成して結晶性チタニアに相変換させることにより液体濡れ性可変層を形成することができる。
【0040】
(画素部の形成工程)
次に、液体濡れ性可変層の画素部形成部位にフォトマスク10を用いて露光し、画素部用露光部9を形成する(図4(B))。この画素部用露光部9は、液体濡れ性可変層内の光触媒の作用により液体濡れ性可変層2の水の接触角を低くした部位であり、親インク性領域を形成するものである。尚、この露光は、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等によるパターン照射でも良いが、他の方法として、エキシマ、YAG等のレーザーを用いてパターン形状に描画照射する方法であっても良い。この露光に用いる波長は400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲から設定することができ、また、露光に際しての照射量は、露光部位が光触媒の作用により親インク性(水の接触角が30度以下、好ましくは20度以下)を発現するのに必要な照射量とする。
【0041】
そして、この画素部用露光部9に着色する。この着色方法は、種々の方法が可能であるが、ここではインキジェット方式を用いて着色する方法としてその工程を説明する。図9(C)に示すように、インクジェット装置11により、露光により親インク性領域となった画素部用露光部9内にインク12を噴射して、それぞれ赤、緑、青に着色する。この場合、画素部用露光部9内は上述したように露光により水との接触角の小さい親インク性領域となっているため、インクジェット装置11から噴出されたインク12は、画素部用露光部9内に均一に広がる。この場合、用いるインクジェット装置11としては、特に限定されるものではないが、帯電したインクを連続的に噴射し磁場によって制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的にインクを噴射する方法等を用いたインクジェット装置を用いることができる

【0042】
このようにして着色した画素部用露光部9内のインクを固化させることにより、画素部4(4R、4G、4B)が形成される(図4(C))。本発明においてインクの固化は用いるインクの種類により、種々の方法により行われる。例えば、水溶性のインクであれば、加熱等をすることにより水を除去して固化が行われる。
このインクの固化工程を考慮すると、本発明に用いられるインクの種類としては、インクがUV硬化性インクであることが好ましい。これは、UV硬化性インクであればUVを照射することにより、素速くインクを固化することができるので、カラーフィルタの製造時間を短縮できるからである。
上述したように、画素部用露光部9内のインクは均一に広がっているために、このようなインクを固化した場合、色抜けや色むらがない画素部4(4R、4G、4B)を形成することができる。
【0043】
(紫外線吸収層の形成工程)
そして、最後に形成された画素部4(4R、4G、4B)上に紫外線吸収層5が形成され、本発明のカラーフィルタが形成される(図4(D))。この紫外線吸収層5のコーティング方法は、用いる紫外線吸収層形成用インキの種類に合わせて、スピンナーコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。
【0044】
次に、本発明のカラーフィルタ製造方法において、図1に示すカラーフィルタを製造する場合を第2の実施形態として、図5を参照して説明する。
図5(A)に示すように、まず、透明基板1上に液体濡れ性可変層2を形成する。この液体濡れ性可変層2の形成工程は、上述した第1実施形態と同様にして行われる。
【0045】
(遮光部の形成工程)
このようにして形成された液体濡れ性可変層2の遮光部形成部位にフォトマスク等を用いて露光し、遮光部用露光部8を形成する。この遮光部用露光部8は、液体濡れ性可変層2の光触媒の影響により、液体濡れ性可変層2表面の水の接触角を低くした部位であり、親インク性領域を形成するものである。この露光方法は上述した第1実施形態と同様にして行われる。
そして、遮光部用塗料を遮光部用露光部8に付着させた後、硬化させて、遮光部3を形成する(図3(C))。遮光部用露光部8への遮光部用塗料の塗布は、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。この場合、塗布された遮光部用塗料は、遮光部用露光部8以外の液体濡れ性可変層2の、高い水との接触角を有する撥インク性領域ではじかれて除去され、水の接触角が低い親インク性領域である遮光部用露光部8のみに選択的に付着する。
【0046】
また、この遮光部用露光部8上への遮光部用塗料の塗布は、インクジェット等のノズル吐出方式で行っても良い。この場合、ノズル吐出により遮光部用露光部8内に供給された遮光部用塗料は、親インク性領域である遮光部用露光部8に均一に拡散して付着するとともに、撥インク性を示す他の液体濡れ性可変層2には拡散することはない。また、仮にノズル吐出により供給された塗料が遮光部用露光部8からはみ出しても、高い撥インク性を示す他の液体濡れ性可変層2ではじかれて遮光部用露光部8内に付着することになる。
さらに、遮光部3の形成を真空薄膜形成方法により行っても良い。すなわち、露光後の液体濡れ性可変層2上に蒸着法等により金属薄膜お形成し、遮光部用露光部8以外の液体濡れ性可変層2と遮光部用露光部8の接着力の差を利用して、粘着テープを用いた剥離、溶剤処理等によりパターン化して遮光部3を形成することができる。
【0047】
(画素部の形成工程)
次に、遮光部3が形成された液体濡れ性可変層2上を全面露光する。これにより遮光部3が形成されていない液体濡れ性可変層2の部分が、光触媒の作用により親インク性領域の画素部用露光部9となる(図3(D))。この露光は上記の遮光部3の形成工程と同様の波長で行われるが、全面に照射するという点で上記遮光部3の形成工程とは異なる。尚、この工程は特に全面露光に限定されるものではなく、必要に応じてパターン露光を行っても良い。
画素部用露光部9内は上述したように露光により水との接触角の小さい親インク性領域となっているため、インクジェット方式等で噴出された画素部形成用インキは、画素部用露光部9内に均一に広がる。この画素部4(4R、4G、4B)の材料並びに形成方法は上記実施形態1と同様の方法で行うことができる(図5(E))。
【0048】
(紫外線吸収層の形成工程)
そして、最後に形成された画素部4(4R、4G、4B)上に紫外線吸収層5が形成され、本発明のカラーフィルタが形成される(図5(F))。この紫外線吸収層5のコーティング方法は、用いる紫外線吸収層形成用インキの種類に合わせて、スピンナーコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。
【0049】
次に、本発明のカラーフィルタ製造方法において、図2に示すカラーフィルタを製造する場合を第3の実施形態として、図6を参照して説明する。
この例においては、まず従来の方法により透明基板1上に遮光部3が形成される。次いで、この遮光部3が形成された透明基板1に液体濡れ性可変層2が形成される(図6(A))。この液体濡れ性可変層2の形成方法は、上述した第1実施形態における液体濡れ性可変層の形成工程と同様に行うことができる。
次に、液体濡れ性可変層が形成された透明基板1に対して露光することにより、液体濡れ性可変層中の光触媒の作用により、液体濡れ性可変層上の露光部位を親インク性領域とした画素部用露光部9を形成する(図6(B))。
この露光は、透明基板1の遮光部4が形成されていない側から全面露光することも可能であり、またフォトマスク等を用いて液体濡れ性可変層側から行うことも可能である。透明基板1側から全面露光する場合は、遮光部3がマスクとして機能し、遮光部3が無い部分のみに露光が行われることになる。この方法によれば、画素部用のフォトマスク等を用いることなく露光を行うことができ、コスト的に有利であるといえる。
【0050】
一方、画素部用露光部9を形成するためのフォトマスク10を用いて露光を行う場合は、液体濡れ性可変層側から露光を行う。この場合は、露光により形成される画素部用露光部9の幅、即ち画素部4(4R、4G、4B)の幅が、遮光部により形成される開口部の幅よりも広くとるようにすることができ、好ましい。なぜならば、このようにすることにより、液晶パネルとして完成した後、バックライトが照射された場合に、カラーフィルタの無い部分をバックライトが透過する可能性がなくなるためである。
【0051】
このように形成された画素部用露光部9上に、上記の第1実施形態と同様の方法により着色工程、さらに紫外線吸収層5を積層工程を施すことで第3実施形態のカラーフィルタを得ることができる(図6(D))。
【0052】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
1.液体濡れ性可変層の形成
下記組成物、
・イソプロピルアルコール 30g
・フルオロアルキルシラン主成分物質
(商品名:MF−160E トーケムプロダクツ(株)製) 0.4g
・トリメトキシメチルシラン
(商品名:TSL8113東芝シリコーン(株)製) 3g
・光触媒酸化チタン水分散体
(商品名:ST−K01 石原産業(株)製) 20g
とを混合し100℃で20分間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有膜組成物とした。
上記の組成物をガラス基板上に、スピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理により、厚み0.2μmの透明な光触媒含有層を形成した。
【0053】
2.着色部の形成
次に、光触媒含有層側から着色部用マスクを介して、水銀灯(波長365nm:70mW/cm2)により50秒間パターン露光を行い着色部用露光部を親インク性領域(水の接触角に換算して10度以下)とした。
次に、インクジェット装置を用いて水、有機溶剤、アクリル樹脂及び顔料からなる熱硬化型のR、G、Bの各インクを親インク性領域に付与して200℃で30分間熱処理を行って硬化させた。
3.紫外線吸収層の形成
次に、紫外線吸収層塗布液(商品名:ZR−100 住友セメント(株)製)をスピンコートにより塗布し、80℃で10秒間乾燥し、1μmの紫外線吸収層を着色部上に積層した。
【0054】
(実施例2)
1.液体濡れ性可変層の形成
下記組成物、
・イソプロピルアルコール 30g
・フルオロアルキルシラン主成分物質
(商品名:MF−160E トーケムプロダクツ(株)製) 0.4g
・トリメトキシメチルシラン
(商品名:TSL8113東芝シリコーン(株)製) 3g
・光触媒酸化チタン水分散体
(商品名:ST−K01 石原産業(株)製) 20g
とを混合し100℃で20分間攪拌した。これをイソプロピルアルコールにより3倍に希釈し光触媒含有膜組成物とした。
上記の組成物をガラス基板上に、スピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理により、厚み0.2μmの透明な光触媒含有層を形成した。
【0055】
2.遮光層の形成
次に、光触媒含有層側から遮光部用マスクを介して、水銀灯(波長365nm:70mW/cm2)により50秒間パターン露光を行い遮光部用露光部を親インク性領域(水の接触角に換算して10度以下)とした。
次に、インクジェット装置を用いて以下の組成からなる遮光部用組成物を親インク性領域に付与して60℃で3分間熱処理後、水銀灯(波長365nm:70mW/cm2)により30秒間全面露光を行いブラックマトリックス組成物を硬化させ、さらに150℃、30分間の熱処理を施してブラックマトリックスを形成した。
(遮光部用組成物)
・カーボンブラック(商品名:#950 三菱化学(株)製) 4重量部
・ポリビニルアルコール
(商品名:ゴーセノールAH−26 日本合成化学(株)製) 0.7重量部
・イオン交換水 94.3重量部
・重クロム酸アンモニウム 1重量部
3.着色部の形成
次に、光触媒含有層側から水銀灯(波長365nm:70mW/cm2)により20秒間全面露光を行い着色部用露光部を親インク性領域(水の接触角に換算して10度以下)とした。
次に、インクジェット装置を用いて水、有機溶剤、アクリル樹脂及び顔料からなる熱硬化型のR、G、Bの各インクを親インク性領域に付与して200℃で30分間熱処理を行って硬化させた。
4.紫外線吸収層の形成
次に、紫外線吸収層塗布液(商品名:ZR−100 住友セメント(株)製)をスピンコートにより塗布し、80℃で10秒間乾燥し、1μmの紫外線吸収層を着色部上に積層した。
【0056】
(実施例3)
1.液体濡れ性可変層の形成
実施例1同様に光触媒含有膜組成物を作製した。
次に、光触媒含有組成物をスパッタリンク法によりクロムで遮光層が予め形成されたガラス基板上に、スピンコーターにより塗布し、150℃で10分間の乾燥処理により、膜厚0.2μmの透明な光触媒含有層を形成した。
2.着色部の形成
次に、光触媒含有層側から着色部用マスクを介して、水銀灯(波長365nm:70mW/cm2)により50秒間パターン露光を行い着色部用露光部を親インク性領域(水の接触角に換算して10度以下)とした。
次に、インクジェット装置を用いて水、有機溶剤、アクリル樹脂及び顔料からなる熱硬化型のR、G、Bの各インクを親インク性領域に付与して200℃で30分間熱処理を行って硬化させた。
3.紫外線吸収層の形成
次に、紫外線吸収層塗布液(商品名:ZR−100 住友セメント(株)製)をスピンコートにより塗布し、80℃で10秒間乾燥し、1μmの紫外線吸収層を着色部上に積層した。
【0057】
(比較例)
実施例1の紫外線吸収層を設けない以外は実施例1と同様の方法によりカラーフィルタを作製した。
【0058】
(評価)
耐候試験機(装置名:SLLM−U スガ試験機(株)製)により着色層の初期色度と、本装置により200時間耐候試験後の着色層の色度との色差を評価した。
【0059】
【表1】
Figure 0004357625
【0060】
表1の評価結果から明らかなように、紫外線吸収層を設けることで実施例1、2、3では200時間耐候試験後のR、G、B各着色層の色差は低く抑えられ、実使用に適合するもであった。一方、紫外線吸収層を設けない比較例では、同一の条件での耐候試験で色差が大きく、退色性、並びに着色層の物理的強度が低下し、実使用に耐えないものであった。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、透明基板上に液体濡れ性可変層が設けられ、該液体濡れ性可変層上に、複数色の画素部を、該液体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に設けたカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層が積層されていることを特徴とするカラーフィルタであり、紫外線吸収層が積層されていることにより、使用時における外光や、液晶パネルに使用する時などに用いられるバックライトの影響でカラーフィルタが品質劣化することがなくなり、経時安定性の良いきわめて品質の高いカラーフィルタを得ることが可能となった。また本発明の紫外線吸収層は保護層としての機能も有し、新たに保護層を設けることなく耐衝撃性にも優れるカラーフィルタを得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
【図2】遮光部を有する本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
【図3】遮光部を有する本発明の他のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。
【図4】(A)から(G)は、本発明の他のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
【図5】(A)から(F)は、遮光部を有する本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
【図6】(A)から(D)は、遮光部を有する本発明の他のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
【符号の説明】
a カラーフィルタ
1 透明基板
2 液体濡れ性可変層
3 遮光部
4R、4G、4B 着色部(R:赤、G:緑、B:青)
5 紫外線吸収層
8 遮光部用露光部
9 画素部用露光部
10 フォトマスク
11 インクジェット装置
12 インク

Claims (9)

  1. 透明基板上に液体濡れ性可変層が設けられ、該液体濡れ性可変層上に、複数色の画素部を、該液体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に設けたカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層が積層されていることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 透明基板上に液体濡れ性可変層が設けられ、該液体濡れ性可変層上に、該液体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に設けた複数色の画素部と、該画素部の境界部分に設けられた遮光部とからなるカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層が積層されていることを特徴とするカラーフィルタ。
  3. 透明基板上に遮光部を予め所定のパターンで設け、更に透明基板上に遮光部が設けられている側の面に液体濡れ性可変層が設けられ、該液体濡れ性可変層上に、該液体濡れ性可変に対応した所定のパターン上に複数色の画素部を設けたカラーフィルタ層が形成されたカラーフィルタにおいて、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層が積層されていることを特徴とするカラーフィルタ。
  4. 液体濡れ性可変層が少なくとも光触媒を含み、露光により水の接触角が低下することを特徴とする請求項1乃至3に記載のカラーフィルタ。
  5. 液体濡れ性可変層が少なくとも光触媒とバインダーからなることを特徴とする請求項1乃至4記載のカラーフィルタ。
  6. 透明基板上に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上に複数色の画素部を所定のパターンに対応して設けるカラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行うカラーフィルタの製造方法。
  7. 透明基板上に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上に複数色の画素部を所定のパターンに対応して設け、更に、該画素部の境界部分に遮光部をを設けるカラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行うカラーフィルタの製造方法。
  8. 透明基板上に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上に遮光部をを設ける工程、複数色の画素部を所定のパターンに対応して設けるカラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行うカラーフィルタの製造方法。
  9. 透明基板上に遮光部を予め所定のパターンで設ける工程、透明基板上に遮光部が設けられている側の面に液体濡れ性可変層を設ける工程、該液体濡れ性可変層上に所定のパターンを露光する工程、該液体濡れ性可変層上に、複数色の画素部を該液体濡れ性可変層上の所定のパターンに対応して設けるカラーフィルタ層形成工程、該カラーフィルタのカラーフィルタ層が設けられている面に、紫外線吸収層を積層する工程、とを順次行うカラーフィルタの製造方法。
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