JP2000283342A - 積層ゴムホース及びその製造方法 - Google Patents

積層ゴムホース及びその製造方法

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JP2000283342A
JP2000283342A JP11083898A JP8389899A JP2000283342A JP 2000283342 A JP2000283342 A JP 2000283342A JP 11083898 A JP11083898 A JP 11083898A JP 8389899 A JP8389899 A JP 8389899A JP 2000283342 A JP2000283342 A JP 2000283342A
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ethylene
rubber hose
acrylic rubber
laminated rubber
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JP11083898A
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Yasuo Yamamoto
康雄 山本
Shinobu Kanbe
忍 神戸
Hideto Osada
英仁 長田
Motohide Nishimura
元秀 西村
Hiroyoshi Mori
浩芳 森
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン・アクリル系ゴム又はアクリル系ゴ
ムを用いる積層ホースにおいて、加硫後の耐熱性を維持
したままで、大径物の中空押出しや低加圧スチーム加硫
における発泡防止を可能にする。 【解決手段】 エチレン・アクリル系ゴム又はアクリル
系ゴムに、所定量のシリカと、所定量の好ましくはアミ
ノ系シランカップリング剤とを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内層及び/又は外
層にエチレン・アクリル系ゴム層又はアクリル系ゴム層
を含んで加硫成形された積層ゴムホースと、その製造方
法に関する。本発明は自動車用のいわゆるオイル系ホー
スやエア系ホースに対して特に好ましく適用されるもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車用のオイル系ホースやエア系ホー
スにおいては、耐熱性,耐油性,耐圧性,シール性等の
各種性能が要求されることから、例えば、内側ゴム層と
外側ゴム層の間に繊維補強層を設けた積層ホース構成と
し、かつ、内/外ゴム層の少なくとも一方には耐熱性や
耐油性に優れたエチレン・アクリル系ゴムやアクリル系
ゴムが用いられる場合が多い。
【0003】ところで、エチレン・アクリル系ゴムやア
クリル系ゴムは、未加硫状態において比較的低粘度であ
ると言う特性があるため、第1に、管状に押出された未
加硫体の形状保持性が不足しがちであり(いわゆる「ヘ
タリ易い状態」)、第2に、加硫時において水蒸気や添
加物の分解ガス等に起因する発泡を生じ易かった。
【0004】このため従来は、これらの積層ホースの製
造に当たり、未加硫体の押出し成形時にはマンドレルを
用いたり、加硫時には発泡防止のために高圧下で加硫す
るか又は鉛もしくは樹脂等を溶融被覆すると言う、作業
性の面でもコスト面でも有利ではない工程を余儀無くさ
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そしてかかる不具合に
対して、例えば特開平6−49284号公報では、エチ
レン・アクリルゴムにシリカを添加すると言う提案を行
っているが、この場合、本願発明者の実験によれば、押
出された未加硫体に対する形状保持性の向上効果や加硫
時の発泡防止効果は不十分であり、更に重要なことに
は、加硫後の積層ホースに対する本来の要求である耐熱
性が悪化する傾向があった。
【0006】そこで本発明は、内層や外層にエチレン・
アクリル系ゴム層又はアクリル系ゴム層を含んで加硫成
形される積層ゴムホースについて、自動車用のオイル系
ホースやエア系ホース等の用途を念頭に置いた耐熱性等
を損なうことなく、その未加硫押出体の形状保持性を向
上させ、かつ、加硫時の発泡を防止することを、解決す
べき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、内層及び/又は外層に、エチレン・ア
クリル系ゴム層又はアクリル系ゴム層を含んで加硫成形
された積層ゴムホースであって、前記エチレン・アクリ
ル系ゴム層又はアクリル系ゴム層には10〜50phr
のシリカと、0.05〜3phrのシランカップリング
剤とが配合されている、積層ゴムホースである。
【0008】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明に係るシランカップリング剤がアミノ系シ
ランカップリング剤である、積層ゴムホースである。
【0009】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第1発明又は第2発明に係るエチレン・アクリル系
ゴム層又はアクリル系ゴム層におけるエチレン・アクリ
ルゴム又はアクリルゴムが、カルボキシル基を架橋席と
するものである、積層ゴムホースである。
【0010】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る積層ゴムホー
スの口径が20mm以上である、積層ゴムホースであ
る。
【0011】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第1発明〜第4発明のいずれかに係る積層ゴムホー
スが、前記内層と外層の間に繊維補強層を設けたもので
ある、積層ゴムホースである。
【0012】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
内層及び/又は外層に10〜50phrのシリカと0.
05〜3phrのシランカップリング剤とが配合された
エチレン・アクリルゴム層又はアクリルゴム層を含んで
加硫成形された積層ゴムホースの製造方法であって、以
下の1),2)の少なくとも一方の工程を含む、積層ゴ
ムホースの製造方法である。 1)前記積層ゴムホースの未加硫体を中空押出し成形す
る工程。 2)前記積層ゴムホースの未加硫体を低加圧下にスチー
ム加硫する工程。
【0013】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
前記第6発明に係る積層ゴムホースの製造方法が前記
1)の工程を含む場合において、積層ゴムホースの口径
が20mm以上である、積層ゴムホースの製造方法であ
る。
【0014】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)エチレ
ン・アクリル系ゴムやアクリル系ゴムに対して10ph
r以上のシリカ(ケイ酸)と0.05phr以上のシラ
ンカップリング剤とを配合すると、その未加硫状態にお
ける粘度が有効に増大し、以下のイ),ロ)の効果を得
ることができる。
【0015】イ)未加硫体の形状保持性が向上し、管状
の未加硫体を中空押出し成形(マンドレルを用いない押
出し成形)してもヘタラない。しかも、口径が20mm
以上(特に50mm以上)の大口径ものを押出し成形す
る場合でも、更にはこれを縦型押出し(下方への押出
し)でなく横型押出し(水平方向への押出し)する場合
でも、有効な形状保持性を示す。
【0016】ロ)高圧下での加硫や鉛もしくは樹脂等を
溶融被覆した状態の加硫でなく、通常の低加圧下でスチ
ーム加硫しても、発泡を有効に防止できる。
【0017】次に、エチレン・アクリル系ゴムやアクリ
ル系ゴムに対するシリカの添加量を50phr以下と
し、シランカップリング剤の添加量を3phr以下とす
ると、上記のイ),ロ)の効果を維持したもとで、加硫
後の積層ホースにおける各種性能が耐熱状態においても
劣化しない。
【0018】従って第1発明においては、内層や外層に
エチレン・アクリル系ゴム層又はアクリル系ゴム層を含
んで加硫成形される積層ゴムホースについて、自動車用
のオイル系ホースやエア系ホース等の用途を念頭に置い
た耐熱性等を損なうことなく、中空押出し成形に係る小
〜中口径や特に大口径の未加硫押出体の形状保持性を向
上させ、かつ、低加圧下での鉛もしくは樹脂等を溶融被
覆しないスチーム加硫時の発泡を防止することができ
る。
【0019】第1発明において上記作用・効果が得られ
る理由は必ずしも明確ではないが、少なくとも、シラン
カップリング剤によって、エチレン・アクリル系ゴムや
アクリル系ゴムのマトリクス中におけるシリカの分散性
と、マトリクスに対する親和性もしくは「なじみ」が著
明に改善される点が関連していると考えられる。
【0020】(第2発明の作用・効果)第2発明のよう
に、上記シランカップリング剤がアミノ系シランカップ
リング剤であると、特に第1発明の作用・効果が顕著で
ある。その理由は、アミノ系シランカップリング剤のア
ミノ基が、エチレン・アクリル系ゴム又はアクリル系ゴ
ムのカルボキシル基との結合性を示すことによって、上
記したマトリクスに対するシリカの分散性や親和性を一
層向上させるためである、と考えられる。
【0021】(第3発明の作用・効果)例えばエポキシ
基を架橋席とするエチレン・アクリルゴムやアクリルゴ
ムは、シリカの添加により、ゲル化を起こすと言う不測
の副作用を受ける可能性が懸念されるが、カルボキシル
基を架橋席とするエチレン・アクリルゴムやアクリルゴ
ムは、シリカの添加によりこのような影響を受けない。
【0022】(第4発明の作用・効果)第4発明のよう
に、積層ゴムホースの口径が20mm以上であるものに
おいて、上記各発明の作用・効果が特に好ましく発現さ
れる。
【0023】(第5発明の作用・効果)本願発明に係る
積層ゴムホースとして、内層と外層の間に繊維補強層を
設けたものが最も代表的であり、かつ実用的価値も高
い。
【0024】(第6発明の作用・効果)第6発明のの製
造方法によって、上記第1発明〜第5発明に係る積層ゴ
ムホースを有効に製造することができ、かつ、その際に
作業性の向上とコストメリットとを実現することができ
る。
【0025】(第7発明の作用・効果)上記第6発明の
製造方法が積層ゴムホース未加硫体の中空押出し成形の
工程を含む際には、その作用・効果は、第7発明のよう
にホースの口径が20mm以上である場合に特に顕著で
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第7発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第1発明〜第7発明を一括して指してい
る。
【0027】〔積層ゴムホース〕本発明にかかる積層ゴ
ムホースは、内層及び/又は外層に、エチレン・アクリ
ル系ゴム層又はアクリル系ゴム層を含んで加硫成形され
たものである。
【0028】内層と外層のいずれか一方のみにエチレン
・アクリル系ゴム層又はアクリル系ゴムを用いた場合に
おいて、他一方のゴム層を構成するゴム材の種類は限定
されず、一般的な内側ゴム層又は外側ゴム層に対する要
求を考慮して適宜な種類のゴム材を選択して使用すれば
良い。
【0029】積層ゴムホースの積層構造を構成する要素
については、上記の条件を満たす限りにおいて限定され
ないが、例えば自動車用のいわゆるオイル系ホースやエ
ア系ホース等としての用途を考えた場合、積層ゴムホー
スの内層と外層の間に繊維補強層を設けたものが好まし
い。
【0030】繊維補強層自体の構成形態や使用される補
強糸の種類は限定されないが、例えば補強糸としては安
価で汎用的なポリエステル補強糸又はナイロン補強糸、
あるいはアラミド補強糸等を用い、繊維補強層の構成形
態としてはブレード編み,スパイラル巻き,逆螺旋方向
への2層のスパイラル巻き等とすることができる。
【0031】積層ゴムホースの用途は限定されないが、
好ましい用途として、ある程度以上の耐熱性を要求され
る用途や、口径20mm以上のホースが要求されること
のある用途、例えば自動車の過給機用エアホース,パワ
ーステアリング用オイルホース,エンジンオイルクーラ
ーホース又はオートマチックトランスミッションオイル
クーラーホース等が代表的に例示される。
【0032】〔エチレン・アクリル系ゴム,アクリル系
ゴム〕本発明においてエチレン・アクリル系ゴムとは、
エチレンモノマーとアクリルモノマーとの共重合体(例
えば、アクリル酸アルキルとエチレンとのランダム共重
合体)であるエチレン・アクリルゴム、又はこれと他種
ゴムとのブレンド材を言う。上記のアクリル酸アルキル
としては、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アク
リル酸n−ブチル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸
エチル,メタクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエ
ステルや、アクリル酸2−メトキシエチル,アクリル酸
2−エトキシエチル,アクリル酸2(n−プロポキシ)
エチル,アクリル酸3−メトキシプロピル等を例示でき
る。又、アクリル系ゴムとは、アクリルゴム(AC
M)、又はACMと他種ゴムとのブレンド材を言う。
【0033】上記ブレンド材にはエチレン・アクリルゴ
ムとACMのブレンド材を含むことは勿論であるが、そ
の他の任意の種類のブレンド材も用いることができる。
例えば、エチレン・アクリルゴム又はACMと、FKM
とのブレンド材、エチレン・アクリルゴム又はACM
と、シリコーンゴムとのブレンド材等を好ましく挙げる
ことができる。これらのブレンド材において、エチレン
・アクリルゴム又はACMと、他種ゴムとのブレンド比
は必要に応じて任意に選択される。
【0034】上記各種のエチレン・アクリル系ゴム,ア
クリル系ゴムにおいて、後述のシリカを添加する関係か
ら、そのエチレン・アクリルゴム又はアクリルゴムは、
カルボキシル基を架橋席とするものが好ましい。エチレ
ン・アクリル系ゴム,アクリル系ゴムの架橋席がカルボ
キシル基であることの有利性として、耐熱性,圧縮永久
歪性に優れる事を挙げることができる。
【0035】〔シリカ〕エチレン・アクリル系ゴム層又
はアクリル系ゴム層に対するシリカの添加量は、前記し
た理由から、10〜50phrであることが好ましい。
【0036】本発明に用いるシリカ(ケイ酸)の種類は
限定されないが、好ましくは、発泡防止効果の高さを考
慮して、吸油量が200cc/100g以上の合成ケイ
酸を使用することができ、その具体例として、日本シリ
カ工業社製の「ニプシールKP」,富士デビソン社製の
「サイロイド74」,日本アエロジル社製の「アエロジ
ル130」等を挙げることができる。しかし、例えば日
本シリカ工業社製の「ニプシールVN−3」等のように
吸油量が200cc/100g未満である合成ケイ酸
も、余り遜色なく使用可能である。
【0037】〔シランカップリング剤〕本発明において
「シランカップリング剤」とは、一般式X−SiY3 で示
されるケイ素化合物を言う。ここに、「X」とはゴム分
子と反応・結合し得る官能基を言い、その代表的なもの
としてアミノ基,メルカプト基,ビニル基,エポキシ
基,メタクリル基等が挙げられ、又、「Y」とはシリカ
上のシラノール基と反応し得る加水分解性の官能基を言
い、その代表的なものとしてメトキシ基,エトキシ基,
メトキシエトキシ基,クロロ基等が挙げられる。
【0038】シランカップリング剤のうち、アミノ系シ
ランカップリング剤として、下記の「化1」〜「化3」
に示されるものが、メルカプト系シランカップリング剤
として、下記の「化4」に示されるものが、ビニル系シ
ランカップリング剤として、下記の「化5」に示される
ものが、エポキシ系シランカップリング剤として、下記
の「化6」に示されるものが、メタクリル系シランカッ
プリング剤として、下記の「化7」に示されるものが、
それぞれ例示される。「化1」〜「化7」において、R
は鎖状脂肪族基又は芳香族基を示し、R’は水素原子又
は鎖状脂肪族基を示す。
【0039】
【化1】
【0040】
【化2】
【0041】
【化3】
【0042】
【化4】
【0043】
【化5】
【0044】
【化6】
【0045】
【化7】 アミノ系シランカップリング剤の具体例として、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン,γ−フェニルアミノプロピルトリ
メトキシシラン,N−(β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、商品名と
しては、いずれも日本ユニカー社製の、「A−111
0」,「A−1100」,「Y−9669」,「A−1
120」等が代表的に例示される。
【0046】エチレン・アクリル系ゴム層又はアクリル
系ゴム層に対するシランカップリング剤の添加量は、前
記した理由から0.05〜3phr(特に、0.1〜2
phr)であることが好ましい。
【0047】〔その他の添加剤〕本発明の積層ゴムホー
スにおけるエチレン・アクリル系ゴム層又はアクリル系
ゴム層には、必要に応じてカーボンブラック等の充填
剤,マトリクスとの相溶性のある可塑剤,滑剤,老化防
止剤,加硫剤,加硫促進剤等の添加剤を適宜添加できる
ことは言うまでもない。
【0048】〔積層ゴムホースの製造方法〕本発明に係
る積層ゴムホースの製造方法は、内層及び/又は外層に
10〜50phrのシリカと0.05〜3phrのシラ
ンカップリング剤とが配合されたエチレン・アクリルゴ
ム層又はアクリルゴム層を含んで、積層ゴムホースを加
硫成形するものであるが、少なくとも、1)積層ゴムホ
ースの未加硫体を中空押出し成形する工程、2)積層ゴ
ムホースの未加硫体を低加圧下にスチーム加硫する工
程、の一方の工程を含む。
【0049】従って、例えば、積層ゴムホース(特に大
径のもの)の未加硫体を中空押出し成形した後に、高圧
下又は鉛もしくは樹脂等の溶融被覆下に加硫する方法
や、マンドレルを用いて押出し成形した積層ゴムホース
の未加硫体を低加圧下にスチーム加硫する方法も、本発
明に係る積層ゴムホースの製造方法に含まれる。
【0050】上記の1)の工程は、いわゆるマンドレル
を用いないで押出し成形する工程であるが、積層ゴムホ
ース未加硫体が小〜中口径(20mm未満)である場合
にも、20mm以上、特に50mm以上の大口径である
場合にも適用でき、特に後者の場合において形状保持性
の向上によるヘタリ防止効果が大きい。又、この中空押
出し成形が前記の横型押出しである場合に特に効果が大
きいが、前記の縦型押出しの場合であっても、押出し後
加硫前の一時的な積置き状態や巻置き状態において、積
層ゴムホース未加硫体の形状保持性の一つの発現形態と
しての、未加硫体同士の密着防止効果を期待することが
できる。
【0051】上記の2)の工程は、高いガス圧の負荷
や、鉛もしくは樹脂等の溶融被覆と言った特別な発泡防
止手段を施さない状態における、低加圧下での通常のス
チーム加硫である。ここに「低加圧下」とは、要するに
発泡防止のために特別に準備された高ガス圧負荷状態で
なければ足りる。その具体的なガス圧を一律に規定する
ことは困難であるが、敢えて一例を挙げれば、例えば4
〜6kg/cm2程度である。
【0052】積層ゴムホースが前記のように内層と外層
の間に繊維補強層を備える場合や、その他の各種の積層
体構成を備える場合を含め、本発明の積層ゴムホースの
製造方法における上記以外の工程については、必要に応
じて常用又は公知の任意の方法によって実施すれば良
い。
【0053】
【実施例】(評価用試料の配合)末尾の表1における実
施例1〜実施例9、比較例1〜比較例4の欄にそれぞれ
示す配合組成からなる、エチレン・アクリルゴム及びア
クリルゴムの未加硫組成物を調製した。配合を示す数値
は、いずれも重量部表記である。
【0054】かかる配合において、エチレン・アクリル
ゴムとしては、アクリルモノマーの架橋席がカルボキシ
ル基であるエチレン・アクリルゴムを、アクリルゴムと
しては、アクリルモノマーの架橋席がカルボキシル基で
あるアクリルゴムを、それぞれ用いた。
【0055】次に、表中の「シリカA」は吸油量が19
0cc/100gのケイ酸である日本シリカ工業社製の
商品名「ニプシールVN−3」であり、「シリカB」は
吸油量が245cc/100gのケイ酸である日本シリ
カ工業社製の商品名「ニプシールKP」である。
【0056】更に、表中の「シランカップリング剤A」
はアミノ系シランカップリング剤である日本ユニカー社
製の商品名「A−1120」であり、「シランカップリ
ング剤B」はメルカプト系シランカップリング剤である
日本ユニカー社製の商品名「A−189」である。
【0057】(押出加工性の評価 1)上記各例に係る
未加硫組成物につき、ASTM D2230に準拠し
て、その押出加工性を評価した。評価結果を表中の「押
出加工性1 ガーベイダイ評価」の項に示すが、シリカ
を過剰に配合した比較例3や、シリカを配合してもシラ
ンカップリング剤を配合しなかった比較例1の評価が劣
っていた。
【0058】(押出加工性の評価 2)上記各例に係る
未加硫組成物を、ダイス径50mm、スピンドル径45
mmの押出し機から、40rpmのスクリュー回転にて
チューブ形状に押出し、そのチューブの形状保持性を目
視評価した。
【0059】評価結果を表中の「押出加工性2」の項に
示すが、「○」の表記はチューブのヘタリがなくチュー
ブ同士が密着性(チューブの積置きや巻置きに耐えない
密着性)を示さなかったものを指し、「△」の表記はチ
ューブのヘタリがあるがチューブ同士が密着性を示さな
かったものを指し、「×」の表記はチューブのヘタリが
あると共にチューブ同士が密着性を示したものを指す。
【0060】評価結果から分かるように、シリカ及びシ
ランカップリング剤を配合しなかった比較例2は×の評
価であり、シリカ及びメルカプト系シランカップリング
剤を配合した実施例9と、シリカ及びアミノ系シランカ
ップリング剤を配合したがシランカップリング剤の配合
量が過剰であった比較例4は△の評価であった。
【0061】(常態物性の評価)上記各例に係る未加硫
組成物からなる未加硫ゴムシートをそれぞれ準備し、1
60°C×60分の条件でプレス加硫した後、更に16
0°C×4時間のオーブン加硫を行って、各例に係るシ
ート状の評価用試料の作製を行った。
【0062】上記各例に係る評価用試料につき、JIS
K6301に準拠して、常態物性と、175°C×1
68時間の耐熱老化による耐熱性とを評価した。前記常
態物性としては引張強さ(MPa),伸び(%)及び硬
さ(JIS−A)を、前記耐熱性としては耐熱の前後に
おける引張強さ変化率(%),伸び変化率(%)及び硬
さ変化(JIS−A)をそれぞれ評価した。それらの結
果を表1に示す。
【0063】表1の評価結果から、試料の常態物性に関
して、シランカップリング剤の配合量が過剰であった比
較例4の引張強さと伸びの悪さが認められる。耐熱性に
関しては、シランカップリング剤を配合していない比較
例1と、シリカを過剰に配合した比較例3との老化が目
立った。
【0064】(発泡の評価)前記「押出加工性の評価
2」に係るチューブ形状の未加硫押出し体を、160°
C×60分の条件で5kg/cm2の低加圧スチーム加
硫に供し、その後に気泡発生の有無を目視評価した。
【0065】その結果を表1に示すが、シリカ及びシラ
ンカップリング剤を配合しなかった比較例2と、シリカ
を配合したがシランカップリング剤を配合しなかった比
較例1とは、多数の気泡が発生していた。一方、シリカ
及びメルカプト系シランカップリング剤を配合した実施
例9においては若干の気泡発生を認めた。他の、シリカ
及びアミノ系シランカップリング剤を配合した各例にお
いては、気泡発生を認めなかった。
【0066】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 長田 英仁 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 西村 元秀 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 森 浩芳 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA12 BA13 BA24 BA34 CB04 CB10 CB29 CC03 EA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内層及び/又は外層に、エチレン・アク
    リル系ゴム層又はアクリル系ゴム層を含んで加硫成形さ
    れた積層ゴムホースであって、 前記エチレン・アクリル系ゴム層又はアクリル系ゴム層
    には10〜50phrのシリカと、0.05〜3phr
    のシランカップリング剤とが配合されていることを特徴
    とする積層ゴムホース。
  2. 【請求項2】 前記シランカップリング剤がアミノ系シ
    ランカップリング剤であることを特徴とする請求項1に
    記載の積層ゴムホース。
  3. 【請求項3】 前記エチレン・アクリル系ゴム層又はア
    クリル系ゴム層におけるエチレン・アクリルゴム又はア
    クリルゴムが、カルボキシル基を架橋席とするものであ
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに
    記載の積層ゴムホース。
  4. 【請求項4】 前記積層ゴムホースの口径が20mm以
    上であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    かに記載の積層ゴムホース。
  5. 【請求項5】 前記積層ゴムホースが、前記内層と外層
    の間に繊維補強層を設けたものであることを特徴とする
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載の積層ゴムホー
    ス。
  6. 【請求項6】 内層及び/又は外層に10〜50phr
    のシリカと0.05〜3phrのシランカップリング剤
    とが配合されたエチレン・アクリルゴム層又はアクリル
    ゴム層を含んで加硫成形された積層ゴムホースの製造方
    法であって、以下の1),2)の少なくとも一方の工程
    を含むことを特徴とする積層ゴムホースの製造方法。 1)前記積層ゴムホースの未加硫体を中空押出し成形す
    る工程。 2)前記積層ゴムホースの未加硫体を低加圧下にスチー
    ム加硫する工程。
  7. 【請求項7】 前記積層ゴムホースの製造方法が前記
    1)の工程を含む場合において、積層ゴムホースの口径
    が20mm以上であることを特徴とする請求項6に記載
    の積層ゴムホースの製造方法。
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