JP2000282985A - 車両用吸気ダクト - Google Patents

車両用吸気ダクト

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ダクト本体及びダクト壁にそれぞれ形成したフ
ランジにおいてダクト壁をダクト本体に振動溶着する場
合には、接合のためのフランジが吸気ダクトの搭載性を
損ねる。また、ダクト本体の表面に形成した開口又は多
数の小孔を覆うように筒状の被覆材または吸音材を取り
付ける場合には、経年変化により被覆部材又は吸音材が
位置ずれを生じて吸音効果が変動する。 【解決手段】車両においてエアークリーナに空気を供給
する吸気ダクトを、非孔質材から成り表面に多数の小孔
が形成された取り付け部を有する筒状のダクト本体と、
多孔質材料から成って熱収縮性繊維を含みダクト本体の
取り付け部に取り付けられて多数の小孔を覆っている筒
状のダクト壁と、で形成した。ダクト壁は、熱収縮性繊
維の加熱に基づく熱収縮によりダクト本体の取り付け部
に取り付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両においてエア
ークリーナに外気を供給するためにエンジンルーム内に
配置される吸気ダクトに関する。
【0002】
【従来の技術】車両のエンジンには吸気ダクトを通して
導入されエアークリーナで清浄化された空気が供給され
る。ここで、吸気ダクトの一端部(空気吸い込み端部)
は直接外気に開口しているのに対して、他端部は吸気ダ
クトに比べて遙かに断面積が大きなエアークリーナに連
結されている。そのため、吸気時に発生した騒音が吸気
ダクトの壁を通して周辺に透過する問題がある。この吸
気騒音に対して従来から種々の対策が講じられており、
吸気ダクトの一部を通気性のある通気部材で形成するこ
とは代表例である。
【0003】具体的には、図5(a)乃至(c)に示す
ように、吸気ダクト90を通気性のない非孔質(後えば
ポリエチレン樹脂)のダクト本体92と、通気性のある
多孔質(例えばポリエチレンテレフテレートの不織布の
成形体)のダクト壁94とで形成する。ダクト壁94の
ダクト本体92への取り付けのために、ダクト本体92
には長手方向中間部の下面にくりぬき孔92a及びその
周辺のフランジ92bが形成され、ダクト壁94の周辺
にもフランジ94aが形成されている。そして、ダクト
壁94のフランジ94aをダクト本体92のフランジ9
2bにあてがい、振動溶着により双方のフランジ92
b,94aを相互に接合する。
【0004】このようにダクト本体92の一部を通気性
のあるダクト壁94で形成すれば、吸気ダクト90全体
を通気性のない材料で形成した場合に比べて騒音の大き
さが低下する。また、吸気ダクト90の一部をダクト本
体92とは別のダクト壁94で形成する場合は、取り付
け部92b,94aにおいて気密性(シール性)が維持
されていることも必要であるが、上記振動溶着によれば
おおむね所望の気密性を維持することができる。しか
し、ダクト本体92及びダクト壁94に形成したフラン
ジ92b及び94aが吸気ダクト90の長手方向の相当
長さに亘って半径方向外向きに出っ張り(出張り量は5
から10mmに達する)、その分吸気ダクト90の外形
寸法が増大して、エンジンルーム内への搭載性を損ねて
いた。また、ダクト本体92及びダクト壁94のフラン
ジ92b,94aの形状に合わせた溶着治具を準備しな
ければならず、製造コストが上昇する。
【0005】これに対して、特開昭63−285257
号公報では、図6に示すように、ダクト本体102に開
口104を形成し、多孔質繊維材料から成る中空筒状の
被覆部材106をダクト本体102の内周面または外周
面に接合して開口104を覆っている。また、実公平5
−15568号公報では、図7に示すように、ダクト本
体112の一部に共鳴防止用の多数の小孔114を形成
し、この小孔114を覆うように吸音材116をダクト
本体112に被せ、収縮性のあるカバーネット118で
固定している。
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかし、特開昭63−285
257号公報の従来例では、被覆部材106はダクト本
体102に接着剤で貼り付けられているのみなので、接
着剤の経年変化により貼り付け性が損なわれて、ダクト
本体102上での位置がずれる場合がある。これでは所
望の吸音効果は得られない。また、実公平5−1556
8号公報の従来例では、吸音材116はカバーネット1
18の収縮力でダクト本体112の表面に保持されてい
るのみなので、ダクト本体112の形状(外径が長手方
向において変化している場合)やカバーネット118の
経年変化によって吸音材116が長手方向にずれること
がある。その結果、ダクト本体112上の小孔114の
一部が露出して通気性が変化し、共鳴周波数がばらつく
ことになる。
【0007】本発明は上記事情を背景にして成されたも
ので、第1の従来例(図5)における、ダクト壁94の
ダクト本体92への接合のために形成したフランジ92
b,94aが吸気ダクト90の搭載性を損ねるという不
具合、及び第2の従来例(図6)または第3の従来例
(図7)における、被覆部材106又は吸音材116が
ダクト本体102、112上で位置ずれを生じて吸音効
果が変動するという不具合を同時に解決することを目的
とする。即ち、ダクト壁をダクト本体に取り付け、保持
する部分が吸気ダクトから出っ張らず搭載性に優れ、一
旦ダクト本体に取り付けられたダクト壁の位置ずれが防
止されて所望の吸音効果が長期間に亘って維持できる、
車両用吸気ダクトを提供することが本発明の目的であ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、車両においてエアークリーナに
空気を供給する吸気ダクトを、非孔質材から成り表面に
多数の小孔が形成された取り付け部を有する筒状のダク
ト本体と、多孔質材料から成って熱収縮性繊維を含み前
記ダクト本体の取り付け部に取り付けられて前記多数の
小孔を覆っている筒状のダクト壁と、で構成した。ここ
で、ダクト壁は、熱収縮性繊維の加熱に基づく熱収縮に
よりダクト本体の取り付け部に取り付けられている。
【0009】このように、本発明によれば、ダクト壁の
ダクト本体への取り付けにダクト壁の熱収縮性を利用し
たので、ダクト壁には取り付けのためのフランジ、リブ
など一切設ける必要がない。一方、ダクト本体には取り
付け部、保持部を設けることが必要であるが、これらは
一体成形によりダクト本体上に容易に形成できるし、保
持部の半径方向の出っ張り量はダクト壁の移動防止が目
的であるので、わずかですむ。その結果、ダクト壁をダ
クト本体上で保持する保持部がダクト本体から殆ど出っ
張らないので吸気ダクトの搭載性が向上し、しかもダク
ト壁のダクト本体上での位置ずれが防止されているので
所望の吸音効果が長期間に亘って維持できる効果が奏さ
れる。
【0010】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添付図面
を基に説明する。図1(a)及び(b)に示す第1の実
施の形態では、吸気ダクト25は、非孔質材から成り多
数の小孔12が形成された取り付け部14を有する筒状
のダクト本体10と、多孔質材料から成って熱収縮性繊
維を含み、取り付け部14に取り付けられた筒状のダク
ト壁20と、から成る。詳述すると、図1(b)に示す
ように筒状のダクト本体(ダクト基材)10は、ポリプ
ロピレン系又はポリエチレン系の樹脂材料をブロー成形
又は射出成形して得た成形体で、左端部16が外気吸い
込み側、右端部18がエアークリーナ連結側となってい
る。ダクト本体10の軸方向中間部の取り付け部14に
は多数の小孔(例えば直径6から8mmで、間隔5mm
程度)12が取り付け部14を貫通して形成されてい
る。一方、筒状のダクト壁20は横糸(軸方向)繊維体
と縦糸(円周方向)繊維体とを編み込んだ多孔質構造を
有し、少なくとも縦糸繊維体は熱が加わると一定の収縮
率で収縮するポリエチレン系の繊維体を含む。このダク
ト壁20は、加熱前は図1(b)に示すように、ダクト
本体10の取り付け部14を覆う長さを有し、内径は取
り付け部14の外径よりも遙かに大きい。なお、ダクト
壁20の縦糸繊維体及び横糸繊維体には、50パーセン
ト以上の撥水機能を有するコーテイングを施しておくこ
とが望ましい。
【0011】ダクト壁20のダクト本体10への取り付
けに際しては、ダクト本体10にダクト壁20を挿通し
て取り付け部14上に位置決めし、この状態でダクト壁
20を加熱する。すると、ダクト壁20は縦糸繊維体が
円周方向において収縮し、その内径が小さくなって収縮
力によりダクト本体10の取り付け部14上に密着して
小孔12を覆い、その状態に保持される。
【0012】こうして完成した吸気ダクト25の通気性
は、ダクト本体10の取り付け部14上の小孔12の大
きさ及び個数で決まる開口率と、ダクト壁20を構成す
る縦糸繊維体及び横糸繊維体の太さ及び本数で決まる密
度とで決定される。よって、これら開口率と密度とを適
宜組み合わせて最適の通気性を選択することにより、騒
音に対する所望の吸音効果及び空気の漏れに対する気密
性が得られる。しかも、ダクト壁20はその熱収縮性に
よりダクト本体10の取り付け部14上に保持されてい
るので、軸方向に移動することが防止され、上記吸音効
果が長期間に亘って安定して維持される。尚、ダクト本
体10の取り付け部14に、軸方向中間部が小径又は大
径で両側が大径又は小径となるテーパを付ければ、ダク
ト壁20の位置ずれを防止する上でさらに望ましい。
【0013】つきに、第2乃至第4の実施の形態を説明
する。まず、図2(a)及び(b)に示す第2の実施の
形態に係る吸気ダクト40では、ダクト本体30の多数
の小孔32が形成された取り付け部34の軸方向両側
に、ダクト壁20の保持部として一対の環状の突条36
が形成されている。図2(b)において、環状の突条3
6の出っ張り量(高さ)及び幅は、ダクト壁20を取り
付け部34上に保持して軸方向の移動を防止できる程度
である。また、双方の環状の突条36の軸方向間隔はダ
クト壁20の長さよりも少し短く、換言すればダクト壁
20の長さは環状の突条36の間隔よりも少し長くされ
ている。
【0014】その結果、ダクト壁20をダクト本体30
に挿通した状態で加熱すれば、図2(a)に示すよう
に、ダクト壁20は熱収縮してその両側縁22が環状の
突条36の上に密着し、内周側から保持される。これに
より、ダクト本体30上でのダクト壁20の軸方向移動
がより確実に防止できる。
【0015】尚、保持部として上記環状の突条36に代
えて環状の凹所を形成することもできる。この場合、ダ
クト壁20の両端部22は加熱に基づく熱収縮により環
状の凹所内に嵌入されることになる。また、環状の突条
36または凹所は取り付け部34の中央付近に一本のみ
形成しても良い。さらにダクト本体30とダクト壁20
との間の気密性を上げるために、ダクト本体30の一本
または二本の突条36とダクト壁20の両端部22との
間にシール部材を介在させることも可能である。
【0016】図3(a)乃至(c)に示された第3の形
態に係る吸気ダクト60では、ダクト本体50の保持部
が、小孔52を有する取り付け部54の両側に形成され
た一対の環状の突条56と、この突条56に貼り付けら
れた弾性部材58とから成る。弾性部材58はスポンジ
やゴムから成り、その幅は環状の突条56の幅より大き
く設定することが望ましい。ダクト壁20のダクト本体
50への取り付け時には、図3(b)に示すように、環
状の突条56に弾性部材58を貼り付け、図3(c)に
示すようにダクト壁20をダクト本体50に挿通した後
ダクト壁20を加熱する。すると、図3(a)に示すよ
うにダクト壁20が熱収縮して取り付け部54を覆うと
ともに、両側縁22が環状の突条56に嵌合された弾性
部材58に密着して内周側から保持される。この第3の
実施の形態によれば、保持部56,58の出っ張り量が
第2の実施の形態の保持部36よりも大きいので、その
分ダクト壁20の保持力が強くなる。
【0017】図4(a)及び(b)に示した第4の実施
の形態に係る吸気ダクト80では、ダクト本体70の小
孔72を有する取り付け部74の両側に取り付けられた
熱収縮性の一対の管状部材76が保持部を形成してい
る。この管状部材76は図4(b)に示すように、ある
程度の幅を有し、その内径は自然状態ではダクト壁 2
0の外径よりもわずかに大きくされている。ダクト壁2
0のダクト本体70への取り付け時には、図4(b)に
示すように、管状部材76及びダクト壁20をダクト本
体70に挿通し、管状部材76はダクト壁20の両側縁
22と重なるように設置する。この状態でダクト壁20
及び管状部材76を加熱すると、ダクト壁20が熱収縮
してダクト本体70の取り付け部74に取り付けられる
とともに、管状部材76も熱収縮してダクト壁20の両
側縁22を外周側から保持してその位置ずれを防止す
る。この第4の実施の形態によれば、ダクト本体70に
は環状の突条を形成することが不要となるので、その分
製造が容易になる。
【0018】なお、上記第4の実施の形態の管状部材7
6に代えて、ダクト本体70の取り付け部74の両側部
とダクト壁20の側縁22との間に、汎用のホットメル
ト接着剤を施しておくこともできる。そうすれば、ダク
ト本体70やダクト壁20に環状の突条などを形成した
り、別の保持部材を使用することなく、ダクト壁20の
加熱時にこのホットメルト接着剤が溶けて、極めて簡単
にダクト壁20をダクト本体70上に保持することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、(a)は吸気ダクト
の正面図、(b)はその製造工程を説明する説明図であ
る。
【図2】第2の実施の形態を示し、(a)は吸気ダクト
の正面図、(b)はその製造工程を説明する説明図であ
る。
【図3】第3の実施の形態を示し、(a)は吸気ダクト
の正面図、(b)及び(c)はその製造工程を説明する
説明図である。
【図4】第4の実施の形態を示し、(a)は吸気ダクト
の正面図、(b)はその製造工程を説明する説明図であ
る。
【図5】第1の従来例を示し、(a)は吸気ダクトの正
面図、(b)は(a)における5−5断面図、(c)は
その製造工程を示す説明図である。
【図6】第2の従来例を示す断面図である。
【図7】第3の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
10:ダクト本体 12:小孔 14:取り付け部 20:ダクト壁 25:吸気ダクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 秀俊 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 古森 敬博 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 広瀬 吉一 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 神永 晃一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両においてエアークリーナに空気を供給
    する吸気ダクトであって、 非孔質材から成り、多数の小孔が形成された取り付け部
    を有する筒状のダクト本体と、 多孔質材料から成って熱収縮性繊維を含み、前記ダクト
    本体の取り付け部に取り付けられて前記多数の小孔を覆
    っている筒状のダクト壁と、から成り、 前記ダクト壁は、前記熱収縮性繊維の加熱に基づく熱収
    縮により前記ダクト本体の取り付け部に取り付けられて
    いることを特徴とする車両用吸気ダクト。
  2. 【請求項2】前記ダクト本体には、前記取り付け部に取
    り付けられた前記ダクト壁を保持する保持部が形成され
    ている請求項1記載の車両用吸気ダクト。
  3. 【請求項3】前記保持部は、前記ダクト本体の取り付け
    部の軸方向両側に前記ダクト本体と一体的に形成され前
    記ダクト壁の側縁を内周側から保持している環状の突条
    又は凹所である請求項2記載の車両用吸気ダクト。
  4. 【請求項4】前記保持部は、前記ダクト本体の取り付け
    部の軸方向両側に前記ダクト本体と一体的に形成された
    環状の突条及び該突条に嵌合された弾性部材から成り、
    該弾性部材が前記ダクト壁の側縁を内周側から保持して
    いる請求項2記載の車両用吸気ダクト。
  5. 【請求項5】前記保持部は、前記ダクト本体の取り付け
    部の軸方向両側に嵌合された熱収縮性の管状部材であ
    り、該管状部材が前記ダクト壁の側縁を外周側から保持
    している請求項2記載の車両用吸気ダクト。
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