JP2000282589A - 木部材接合金具及び木部材接合部の構造 - Google Patents

木部材接合金具及び木部材接合部の構造

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JP2000282589A
JP2000282589A JP11090710A JP9071099A JP2000282589A JP 2000282589 A JP2000282589 A JP 2000282589A JP 11090710 A JP11090710 A JP 11090710A JP 9071099 A JP9071099 A JP 9071099A JP 2000282589 A JP2000282589 A JP 2000282589A
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Hiroyuki Nagao
弘行 永尾
Kaoru Kimura
薫 木村
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Sumitomo Forestry Co Ltd
Tanaka Ltd
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Sumitomo Forestry Co Ltd
Tanaka Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物等において二つの木部材を接合すると
きに用いる金具であって、使用材料に無駄がなく、この
金具を使用した部位でも面材を容易に固着することがで
きる木部材接合金具、及び変位の拘束性に優れた木部材
接合部の構造を提供する。 【解決手段】 木部材接合金具1は、ステンレス鋼板の
長手方向両端部に複数の張り出し部2,3とその間の入
り込み部A,Bとを備え、一方の端部の張り出し部が他
方の端部の入り込み部と対応するように形成されてい
る。張り出し部2,3の表面には凹部が形成され、その
中央部にビスを挿通する貫通孔を有する固着部4を備え
ている。ステンレス鋼板の中央部には開口5が形成され
ており、その開口5に仮固定用の爪6が設けられてい
る。固着部4の貫通孔にビス15を挿通し、これを梁1
1,12に貫入することによって、接合金具1は二つの
木部材に強固に固着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願に係る発明は、木造の建
築物において、二つの木部材を接合するために用いられ
る木部材接合金具、及び木部材接合金具を用いて木部材
と強固に連結する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木造の建築物における構造部材を連結又
は接合する構造としては、それぞれの部材にほぞ及びほ
ぞ穴を形成して、これらを嵌め合わせる構造、突起及び
欠き込みを設けて、これらを嵌め合わせる構造等が知ら
れている。しかし、このような木部材の加工のみでは、
二つの木部材を引き離そうとする力に対して充分な抵抗
力が得にくい場合もあり、金具を用いる構造が広く採用
されている。
【0003】図10は、桁を突き合わせるように連結す
る構造の一例を示す概略斜視図である。この連結構造
は、一方の桁部材111に突起111aを設けるととも
に、他方の桁部材112には欠き込みを設け、これらを
嵌め合わせて連結する。そして、これとともに桁の両側
面に短冊状の金具101a,101bを当接し、これら
をボルト103,105とナット104,106とを用
いて締め付けている。これにより、二つの桁部材11
1,112の間に引き離そうとする方向の力が作用して
も固着された短冊状の金具101a,101bが抵抗
し、二つの部材は強固に連結された状態を維持するよう
になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような金具を用いた構造には、次のような問題点があ
る。上記連結構造では、短冊状の金具を固着するのにボ
ルトとナットとを用いており、木部材の側面より金具が
その厚さ分だけ突出するとともに、さらにボルトの頭部
又はナットが螺合されたボルトの先端部が突き出すこと
になる。このため、このように金具又はボルトが構造部
材から突出していると、構造部材である二つの木部材に
面材(例えば壁を構成する合板、石膏ボード)等を直接
打ち付けることができない。つまり、木造の軸組構造物
の耐震性等を向上させるために、二以上の構造部材に面
材を固定し、これらの構造部材の相対変位を拘束するこ
とが考えられるが、面材を構造部材に直接に固着するこ
とができなくなる。また、短冊状の金具が当接される部
分に欠き込みを設けることも考えられるが、欠き込みを
形成するのに多くの作業を要するとともに、構造部材の
強度が低下することになり、望ましくない。
【0005】一方、上記のような連結構造に用いられる
短冊状の金具には、大きなボルト挿通孔が設けられてお
り、この部分で金具自体の強度が決まってしまい、全体
としては材料の無駄が多い。金具を軟鋼等廉価な材料で
形成する場合には、さほど問題となるものではないが、
ステンレススチールのように高価な材料を用いる場合に
は、材料の無駄をできるだけ低減することが望ましい。
【0006】また、材料の低減を図るためには短冊状の
金具の長さを小さくすればよいが、ボルト又はビス等を
木部材に貫入する位置が木部材の端に近くなり、木部材
に割裂が生ずるおそれがある。
【0007】本願に係る発明は上記のような事情に鑑み
てなされたものであり、その目的は、使用材料に無駄の
ない金具であって、この金具を使用した部位でも構造部
材に面材を容易に固着することができる木部材接合金具
を提供すること、及び面材が構造部材に固着され、変位
の拘束性に優れた木部材接合部の構造を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような問題点を解
決するために、請求項1に記載の発明は、 木造建築物
の二つの木部材が接合される部分に用いられ、該二つの
木部材の双方にまたがって固着されるほぼ短冊状の金属
板であって、 該金属板の長手方向の両端部に、長手方
向に突き出した複数の張り出し部と、これらの張り出し
部の間に入り込み部とを有し、 前記張り出し部にビス
又は釘を挿通する貫通孔が設けられ、一方の端部に設け
られた張り出し部の短辺方向の位置は、他方の端部に設
けられた入り込み部の位置と対応していることを特徴と
する木部材接合金具を提供する。
【0009】このような木部材接合金具では、張り出し
部に設けられた貫通孔にビス又は釘を挿通し、接合され
る木部材に貫入させることにより、これらの木部材に固
着され、二つの接合される木部材間に作用する力、主に
引き離そうとする力に抵抗することが可能となる。
【0010】そして、ビス又は釘が挿通される貫通孔が
張り出し部に設けられているので、金属板の不必要な部
分をなくして面積を小さくし、材料を節減するととも
に、木部材の接合端から離れた位置にビス又は釘を貫入
することができる。したがって木部材の割裂が生じる可
能性を低減することができる。また、この木部材接合金
具を製造する際に、大きな金属板材から所定の形状に金
属板を切り取ったときに、張り出し部間の入り込み部
は、他の金属板の張り出し部となり、材料となる金属板
材を無駄なく利用することができる。
【0011】さらに、接合する木部材の両側面に、この
木部材接合金具を取り付ける場合には、張り出し部の短
辺方向の位置が、他方の端部に設けられた入り込み部の
位置と対応しているので、同じ形状のものを逆方向にし
て木部材の両側面に当接すると、両側から貫入されるビ
ス又は釘の位置が交互にずれることになる。このため、
木部材に割裂が生じる可能性を低減することができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の木部材接合金具において、 前記金属板は、厚さが
0.3mm以上で0.8mm以下となっており、 前記
貫通孔の周囲には該金属板の面と段差を有する凹部が形
成されているものとする。
【0013】このような木部材接合金具では、金属板の
厚さが薄いので、貫通孔の周囲に凹部を設けることによ
って背面側には凸部が生じているが、貫通孔にビス又は
釘を挿通して木部材に強く貫入することにより、上記凸
部は木部材に押し込まれ、金属板の背面は木部材と密着
する。また、ビス又は釘の頭部は上記凹部内に収まり、
金属板の表面よりほとんど突出しない。
【0014】そして、金属板が0.3mm〜0.8mm
と薄いので、この上から壁等を構成する板状部材を当接
して固定しても、板状部材に大きな変形を生じることな
く、柱、梁等の接合される構造部材に強固に固着するこ
とができる。また、貫通孔の周囲に凹部を形成してお
り、貫通孔の周辺が補強される。つまり、凹部を形成す
ることにより、貫通孔の周辺部の剛性が高くなり、貫通
孔に挿通した釘又はビスから力が伝達されたときに貫通
孔の周囲に亀裂が生じるのを防止することができる。し
たがって、別途補強が不要となり、材料の有効利用を図
ることができる。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の木部材接合金具において、 前記金属板のほぼ中央部
には、 該金属板上に他の板状部材を当接し、この板状
部材の上から見当をつけて貫入された釘又はビスが貫通
される開口を有するものとする。
【0016】このような木部材接合金具では、上記金属
板の上に他の板状部材を重ね、この板状部材を接合され
る木部材に固定しようとするときに、金属板の取り付け
られた部分にも釘又はビスを木部材に貫入させることが
できる。したがって、板状部材は木部材に強固に固定さ
れ、接合される二つの木部材の相対変位を拘束する部材
とする等、補強部材として機能させることも可能とな
る。なお、上記開口は、この木部材接合金具の弱点とな
らないように大きさ又は形状を定めるのが望ましい。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の木部材接合金具において、 前記開口の周囲から開口
部分に突き出し、少なくとも一部が前記金属板の面とほ
ぼ直角方向に折り曲げられた仮固定用の爪を有するもの
とする。
【0018】このような木部材接合金具では、木部材の
接合位置に取り付けようとするときに、この木部材接合
金具を木部材に当接させ、仮固定用の爪を金づち等によ
って木部材に打ち込むことによって簡単に仮固定され
る。したがって、この木部材接合金具を手で支持しなが
ら釘を打つ等の作業でなくなり、一人でも木部材接合金
具を所定位置に容易に取り付けることが可能となる。
【0019】請求項5に記載の発明は、 木造建築物の
二つの木部材の接合部に、中央部に開口を有する短冊状
の金属板が、前記二つの木部材にまたがって双方に固着
され、 該金属板を上から覆うように板状部材が前記二
つの木部材に当接され、 該板状部材は前記二つの木部
材の双方にわたって釘又はビスによって固着されるとと
もに、前記二つの木部材の接合部では、前記板状部材の
上から打ち込まれた釘又はビスが前記金属板の開口を貫
通して、前記木部材に貫入されていることを特徴とする
木部材接合部の構造を提供するものである。
【0020】このような木部材接合部の構造では、二つ
の木部材が短冊状の金属板によって連結され、この金属
板によって主に双方の部材を引き離そうとする力に抵抗
する。また、この金属板の上から取り付けられる板状部
材は、金属板がある部分でも開口部を貫通する釘又はビ
スによって木部材に固着され、接合される双方の木部材
に強固に固着することができる。これにより、上記板状
部材を二つの木部材の相対変位を拘束する部材として機
能させることも可能となり、接合部を強固な構造とする
ことができる。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の木部材接合部の構造において、前記金属板は、厚さが
0.3mm以上で0.8mm以下となっており、 前記
貫通孔の周囲には該金属板の面と段差を有する凹部が形
成されているものとする。
【0022】このような構造では、金属板が薄く、これ
を固定するための釘又はビス等の頭部も突出しないの
で、この上に板状部材を取り付けたときに、板状部材に
大きな変形が生じることがなく、この板状部材を接合さ
れる木部材に強固に固着することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、請求項1、請求項
2、請求項3又は請求項4に記載の発明の一実施形態で
ある木部材接合金具を示す図であり、図1(a)は平面
図、図1(b)は正面図、図1(c)は側面図である。
図2はこの木部材接合金具を示す概略斜視図である。
【0024】この木部材接合金具1は、ほぼ短冊状のス
テンレス鋼板でできており、該鋼板の長手方向の両端部
に、長手方向に突き出した複数の張り出し部2,3と、
これらの張り出し部の間の入り込み部A,Bとを有して
いる。一方の端部に設けられた張り出し部2の短辺方向
の位置は、他方の端部の入り込み部Bの位置と対応して
おり、他方の端部に設けられた張り出し部3の短辺方向
の位置は、反対側の端部の入り込み部Aの位置と対応し
ている。張り出し部2,3には、ステンレス鋼板の表面
と段差を有する凹部が形成され、この部分は背面側に突
出している。そして、この凹部の中央部にビスを挿通す
る貫通孔が設けられており、釘又はビス等でこの金属板
を木部材の取り付ける固着部4aを有している。さらに
ステンレス鋼板の中央部側には、張り出し部2,3の間
すなわち入り込み部A,Bに対応した位置にも、貫通孔
を有する固着部4bが設けられている。
【0025】上記ステンレス鋼板の中央部には、長形状
の開口5を有しており、さらに図1(a)及び図2に示
すように、該開口5の周囲から開口部分にL字状に突き
出した仮固定用の爪6を備えている。上記開口5は、短
辺方向の断面の欠損量が、貫通孔による断面欠損量より
も小さくなるように最大寸法を設定するのが望ましい。
すなわち、貫通孔が短辺方向に配列された部分における
貫通孔の径の和より、開口5の短辺方向の最大寸法を小
さくする。これにより、開口5を設けることにともなう
接合金具の強度低下を回避することができる。
【0026】上記木部材接合金具1の厚さ(固着部4の
突出部分を除く厚さ)は0.5mmとなっている。この
厚さは、特に0.3mm〜0.8mmの範囲であること
が好ましい。この厚さが0.3mm未満であると、接合
金具に要求される強度を確保することが困難となり、上
記厚さが0.8mmを超えると、構造部材に固定した接
合金具上に直接板状部材などを取り付けることが事実上
困難となり、上述の従来技術の接合金具にように該板状
部材に欠き込みを設ける等の面倒な処理が必要となる。
【0027】上記固着部4には、ステンレス鋼板の表面
側に凹部が形成され、その中央部に貫通孔が設けられて
おり、この凹部側からビスが貫入される。このような固
着部4は、ステンレス鋼板に加圧プレス加工を施すこと
によって形成される。
【0028】このような木部材接合金具1は、図3に示
すように、大きなステンレス鋼板又はステンレスの帯状
材から両端縁を連続的に切り出して製造される。このと
き、一方の端部の張り出し部2間に存する入り込み部
が、長手方向に隣接する他の木部材接合金具1’の張り
出し部3’を形成し、他方の端部の張り出し部3間に存
する入り込み部が、隣接する木部材接合金具1”の張り
出し部2”を形成するように切り出される。また、上記
のように切断する前又は切断後に開口5や固着部4が製
作される。このように製作することにより、材料となる
金属板材をほぼ無駄なく利用することができる。また、
ビスが挿通される貫通孔を張り出し部2,3に設けるこ
とにより、ステンレス鋼板の不必要な部分をなくして面
積を小さくし、材料を節減することが可能となる。
【0029】図4は、木造建築物における梁11と梁1
2とを突き合わせて接合する部分に、上記木部材接合金
具1を使用した例を示す概略斜視図である。梁11は柱
13上に支持されており、この梁11に突き合わして梁
12を連結する。梁11には欠き込み部11aが切削さ
れており、梁12に形成された突起12aをこの欠き込
み部11aに嵌入する。この突起12aと欠き込み部1
1aとはぴったりと嵌め合わされ、上下方向のせん断力
と部材の軸線方向の力を伝達することができる形状とな
っている。
【0030】この梁11と梁12との側面には、双方に
またがるように木部材接合金具1aを当接させ、仮固定
用の爪6を金づち16で打ち込むことによって木部材接
合金具1aを仮固定する。そして、固着部4の貫通孔に
それぞれビス15を挿通し、梁11,12に貫入するこ
とにより、木部材接合金具1aが二つの梁にまたがるよ
うに固着される。このとき、ビス15を梁11,12に
強く貫入することにより、固着部4は木部材内に押し込
まれ、木部材接合金具1aの背面が梁11,12の表面
と密着する。そして、ビス15の頭部も固着部4の凹部
内に納まり、金属板の表面からほとんど突出しない。
【0031】一方、梁11,12の反対側面には、向き
を逆にして木部材接合金具1bを当接させ、同様に仮固
定用の爪6を打ち込んで仮固定する。そして、ビス15
を固着部4の貫通孔から貫入し、木部材接合金具1bを
固着させる。
【0032】このような木部材接合金具では、取り付け
時に、仮固定用の爪6を打ち込むことによって簡単に仮
固定できるので、木部材接合金具を作業者が支持しなが
らビス留めする作業が必要でなくなり、一人でも所定の
位置に容易に取り付けることができる。そして、二つの
木部材接合金具1a,1bを梁11,12の両側面に固
着することにより、二つの梁の間に作用する力、主に引
き離そうとする力に抵抗することが可能となる。
【0033】さらに、二つの木部材接合金具1a,1b
を逆方向としたので、一方の木部材接合金具1aの張り
出し部が他方の木部材接合金具1bの入り込み部の位置
と対応し、図5に示すように、両側から貫入されるビス
の位置が交互にずれることになる。このため、接合する
梁11,12に割裂が生じるのを防止することができ
る。
【0034】図6は、請求項5又は請求項6に記載の発
明の一実施形態である木部材接合部の構造を示す概略斜
視図である。上記のように木部材接合金具1a,1bを
二つの梁11,12に固着した後、合板などの板状部材
20を木部材接合金具1aの上から当接する。そして、
木部材接合金具1aの開口5の位置の見当をつけて板状
部材20の上からビス留めする。これにより、ビス15
が開口5を貫通して二つの梁11,12のいずれかに貫
入される。
【0035】このような木部材接合部の構造では、上記
木部材接合金具1aは厚さが薄く、また、この金具1a
を梁に固着するためのビス15の頭部が突出していない
ので、この上から板状部材20を当接して固定しても、
板状部材に大きな変形を生じることがなく、梁11,1
2に強固に固着させることができる。これにより板状部
材20は、接合される二つの梁の相対位置を拘束する補
強部材として機能し、構造物の耐震性等を向上すること
ができる。
【0036】図7は、図1及び図2に示す木部材接合金
具の他の使用例を示す概略斜視図である。図7(a)に
示すように、柱22と桁23とを連結する部位に、上記
と同様の方法で木部材接合金具21を固着することで、
両部材を強固に接合することができる。また図7(b)
に示すように、土台32の上に柱33を接合する場合に
も、同様に木部材接合金具31を固着し、両部材を強固
に接合することができる。また、このような接合部にお
いても、図6に示す構造と同様にして、双方の部材にわ
たって合板等の面材を取り付けることができる。
【0037】図8は、請求項1又は請求項3に記載の発
明の他の実施形態である木部材接合金具を示す概略構成
図である。板状部材を上から取り付けない場合には、図
8(a)に示すように開口を設けない木部材接合金具4
1を用いてよい。また、図8(b)に示すように長手方
向に二つの開口45を併設した木部材接合金具42、図
8(c)に示すように短辺方向に二つの長形状の開口4
6を並設した木部材接合金具43、又は図8(d)に示
すように三つの開口46を交互に設けた木部材接合金具
44などを用いてもよい。このような木部材接合金具4
2,43,44でも図6と同様に板状部材を上から取り
付けることができ、接合部を補強することができる。ま
た、開口の形状は上記に限定されるものではなく、例え
ば円形、三角形、正方形などであってもよい。また開口
の配置も上記構成に限定されるものではなく、任意の配
置とすることができる。但し、開口の形状は、鋭角部等
があると応力の集中が生じ、金属板が破断し易いので、
テーパーをつけたり、円弧状に加工するのが好ましい。
【0038】また、木部材接合金具の張り出し部及び入
り込み部の形状を変化させてもよい。例えば、図9
(a)に示すように滑らかな曲線状の張り出し部54を
有する木部材接合金具51、図9(b)に示すように四
角形状の張り出し部55を有する木部材接合金具52、
図9(c)に示すように三角形状の張り出し部56を有
する木部材接合金具53などであってもよく、適宜な形
状に設定することができる。
【0039】なお、上記実施形態では、木部材接合金具
を構成する部材としてステンレス鋼板を用いたが、これ
に限定されるものではなく、鋼、銅など他の金属を用い
てもよい。また、木部材接合金具を取り付ける部材とし
てビスを用いたが、釘を用いても同様に固定することが
できる。また、木部材接合金具を用いて接合する二つの
木部材に関しても、上記実施形態に限定されるものでは
なく、梁と柱など、ほぼ直角に接合される二つの木部
材、又は胴差し、桁、大引など、水平方向に突き合わせ
て連結する二つの木部材などを接合する際にも用いるこ
とができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る木
部材接合金具では、貫通孔にビス又は釘を挿通し、木部
材にこれを貫入することにより、上記金具を木部材の接
合部に強固に固定し、木部材を連結することができる。
このとき、木部材の接合端から離れた位置にビス又は釘
を貫入するとともに、木部材の両側面から貫入されるビ
ス又は釘の位置をずらして、木部材に割裂が生じるのを
低減することができる。また、上記木部材接合金具で
は、一方の端部の張り出し部と他方の端部の入り込み部
との位置を対応させているので、大きな金属板材から所
定の大きさの金属板を切り取って製造するときに、材料
を無駄なく使用することができる。
【0041】また、金属板の厚さを小さくし、ビス又は
釘が挿通される貫通孔の周面に凹部を形成することによ
って、この木部材接合金具を取り付けられた上から面材
を当接し、接合される木部材に上記面材を固着すること
が容易となる。さらに、木部材接合金具に開口を設ける
ことにより、この金具がある位置でもビス又は釘を用い
て上記面材を木部材に固着することができる。また、上
記開口に突き出すように仮固定用の爪を設けることによ
ってこの木部材接合金具を所定の位置に容易に取り付け
ることが可能となる。一方、このような仮固定用の爪は
開口部に設けられてるので、このような爪を設けても製
造時に板材の使用量が増加することもない。
【0042】請求項5又は請求項6に記載の発明に係る
木部材接合部の構造では、木部材接合金具の上から覆う
ように板状部材を当接させ、開口に挿通させるようにビ
ス又は釘を貫入することにより、強固に板状部材を取り
付けることができる。このため、二つの木部材の接合部
を板状部材によって補強し、強固な構造とすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に
記載の発明の一実施形態である木部材接合金具を示す正
面図、平面図及び側面図である。
【図2】図1に示す木部材接合金具の概略斜視図であ
る。
【図3】図1に示す木部材接合金具の製作方法を示す図
である。
【図4】図1に示す木部材接合金具の使用例を示す概略
斜視図である。
【図5】図1に示す木部材接合金具を固定した状態を示
す概略断面図である。
【図6】上記木部材接合金具の上から覆うように板状部
材を取り付けた状態を示す概略斜視図である。
【図7】木部材接合金具の他の使用例を示す概略斜視図
である。
【図8】木部材接合金具の他の例を示す概略図である。
【図9】木部材接合金具の他の例を示す概略図である。
【図10】従来の木部材接合部の構造を示す概略斜視図
である。
【符号の説明】
1、21、31 木部材接合金具 2、3 張り出し部 4 固着部 5 開口 6 仮固定用の爪 11、12 梁 13、14 柱 15 ビス 16 金づち 20 板状部材 22、33 柱 23 桁 32 土台 41、42、43、44 木部材接合金具 45、46、47 開口 51、52、53 木部材接合金具 54、55、56 張り出し部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 薫 茨城県新治郡新治村下坂田2030番地の6 株式会社タナカ内 Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AB12 AC23 AG03 AG04 AG21 AG24 AG26 AG38 AG56 BB02 BB22 BB29 BB37 BC03 BD01 BE02 CA02 EA01 EA12 EA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造建築物の二つの木部材が接合され
    る部分に用いられ、該二つの木部材の双方にまたがって
    固着されるほぼ短冊状の金属板であって、 該金属板の長手方向の両端部に、長手方向に突き出した
    複数の張り出し部と、これらの張り出し部の間に入り込
    み部とを有し、 前記張り出し部にビス又は釘を挿通する貫通孔が設けら
    れ、 一方の端部に設けられた張り出し部の短辺方向の位置
    は、他方の端部に設けられた入り込み部の位置と対応し
    ていることを特徴とする木部材接合金具。
  2. 【請求項2】 前記金属板は、厚さが0.3mm以上
    で0.8mm以下となっており、 前記貫通孔の周囲には該金属板の面と段差を有する凹部
    が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の木
    部材接合金具。
  3. 【請求項3】 前記金属板のほぼ中央部には、 該
    金属板上に他の板状部材を当接し、この板状部材の上か
    ら見当をつけて貫入された釘又はビスが貫通される開口
    を有することを特徴とする請求項1に記載の木部材接合
    金具。
  4. 【請求項4】 前記開口の周囲から開口部分に突き出
    し、少なくとも一部が前記金属板の面とほぼ直角方向に
    折り曲げられた仮固定用の爪を有することを特徴とする
    請求項3に記載の木部材接合金具。
  5. 【請求項5】 木造建築物の二つの木部材の接合部
    に、中央部に開口を有する短冊状の金属板が、前記二つ
    の木部材にまたがって双方に固着され、 該金属板を上から覆うように板状部材が前記二つの木部
    材に当接され、 該板状部材は前記二つの木部材の双方にわたって釘又は
    ビスによって固着されるとともに、前記二つの木部材の
    接合部では、前記板状部材の上から打ち込まれた釘又は
    ビスが前記金属板の開口を貫通して、前記木部材に貫入
    されていることを特徴とする木部材接合部の構造。
  6. 【請求項6】 前記金属板は、厚さが0.3mm以上
    で0.8mm以下となっており、 前記貫通孔の周囲には該金属板の面と段差を有する凹部
    が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の木
    部材接合部の構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101168238B1 (ko) 2009-11-26 2012-07-30 권기병 조립식 부재용 접합철물
KR101216825B1 (ko) 2012-07-05 2012-12-28 한국전통문화학교산학협력단 전통 목조 건축 부재 접합 구조

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