JP2004332341A - 構造部材およびその結合体 - Google Patents
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Abstract
【課 題】間伐材などの細い木材を有効利用することができる構造部材およびその結合体を提供する。
【解決手段】構造部材(1,11,41)は、金属製補強板材(3,13,43)と、この金属製補強板材(3,13,43)を挟む状態で配置された一対の木材(2,12,22)とを備えている。そして、金属製補強板材(3,13,43)および一対の木材(2,12,22)がボルト(4)でボルト締めされている。
【選択図】 図1
【解決手段】構造部材(1,11,41)は、金属製補強板材(3,13,43)と、この金属製補強板材(3,13,43)を挟む状態で配置された一対の木材(2,12,22)とを備えている。そして、金属製補強板材(3,13,43)および一対の木材(2,12,22)がボルト(4)でボルト締めされている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造建築などに用いられる構造部材およびその結合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造建築では、梁や柱などの構造部材には太い木材が用いられ、間伐材などの細い木材は強度上用いられていない。そのため、間伐材の用途は、割り箸などに限定され、消費量が少ないため、廃棄されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この様に、間伐材の消費量が少ないと、間伐材の値段が低くなり、間伐するためのコストをまかなうことができない。その結果、間伐が行われず、森林が適切に管理できずに荒れることになる。また、間伐材を廃棄する際にも、廃棄コストがかかると言う問題が生じる。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためのもので、間伐材などの細い木材を有効利用することができる構造部材およびその結合体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の構造部材(1,11,41)は、金属製補強板材(3,13,43)と、この金属製補強板材を挟む状態で配置された一対の木材(2,12,22)とを備え、前記金属製補強板材および一対の木材がボルト締めされている。
【0006】
また、金属製補強板材の端部は、前記木材の端面から突出して、連結部(6,16)が形成されていることがある。
そして、前記構造部材が梁であることがある。
さらに、前記金属製補強板材が間隔を開けて配置されていることがある。
【0007】
そして、前記金属製補強板材間の空間を詰める詰め用板材(8)が、前記一対の木材に挟まれて配置されボルト締めされていることがある。
また、金属製補強板材が全スパーンにわたって配置されていることがある。
【0008】
本発明の結合体は、一対の梁用木材が金属製補強板材を挟んだ状態でボルト締めされている梁と、一対の柱用木材を具備する柱とを結合している。そして、金属製補強板材の端部は梁用木材の端面から突出して連結部が形成され、この金属製補強板材の連結部が、一対の柱用木材の間に挿入されてボルト締めされていることを特徴とする。
【0009】
また、金属製補強板材の連結部の先端部が、柱用木材からさらに突出して第2連結部(16b)が形成され、この第2連結部に水平力を支持する支持材(31,51)が連結されていることがある。
【0010】
そして、金属製補強板材の連結部の先端部が、柱用木材からさらに突出して第2連結部が形成され、この第2連結部にパネルの枠体(33)がボルト締めされていることがある。
さらに、前記一対の柱用木材間にパネル連結具(26)の一部が挿入されて固定され、このパネル連結具の他方の部分に前記パネルの枠体が固定されていることがある。
【0011】
また、前記金属製補強板材の連結部の先端部が、柱用木材からさらに突出して第2連結部が形成され、この第2連結部に筋交いが連結されていることがある。
【0012】
本発明の別の結合体は、一対の柱用木材が金属製補強板材を挟んだ状態でボルト締めされている柱と、パネルとを結合した結合体であって、前記金属製補強板材のサイドが、前記柱用木材から突出してパネル連結部(44)が形成され、このパネル連結部に前記パネルの枠体がボルト締めされている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明における構造部材およびその結合体の実施の一形態を図1ないし図9を用いて説明する。図1は本発明にかかる構造部材の説明図で、(a)が斜視図、(b)が上から見た図、(c)が(b)の構造部材の変形例の図である。図2は結合体の要部の斜視図である。図3は結合体の要部の説明図である。図4は組み立て前の梁と柱の要部の斜視図である。図5はパネルを組み付ける前の要部の斜視図である。図6は結合体の横から見た説明図である。図7は結合体の変形例の横から見た説明図で、(a)がパネル取付後の図、(b)がパネルの取付前の図である。図8は結合体の別の変形例の要部の斜視図である。図9は図8の結合体を上から見た説明図である。なお、これらの図において、二点鎖線はボルト締めの位置を示している。
【0014】
実施の形態における構造部材1は、従来の木造建築において構造部材として用いられていなかった間伐材などの無垢の木材2を利用している。この木材2は比較的細いので、強度が低い。そのため、金属製(たとえば、鉄板など)の補強板材3で、座屈強度や曲げ強度などを向上させている。その補強構造は、図1に図示するように、金属製補強板材3の両側に、間伐材などの木材2を配置し、一体となるべくボルト4でボルト締めしている。すなわち、一対の木材2および金属製補強板材3にボルト4用の貫通孔を形成し、ボルト4の先端を木材2および金属製補強板材3の貫通孔に挿通した後に、ボルト4の先端にナットを螺合させて締めつける。この様にして、一対の木材2が金属製補強板材3を挟んだ状態でボルト締めされる。なお、この実施の形態では、金属製補強板材3の板厚は、木材2の板厚よりも小さい。
【0015】
そして、金属製補強板材3の端部は木材2の端面よりも突出しており、連結部6が形成されている。この連結部6を利用して他の構造部材(図示しない)を連結する。金属製補強板材3は、図1(a)および図1(b)に図示するように、構造部材1の全スパーンにわたって配置することも可能である。また、強度上問題がなければ、図1(c)に図示するように、金属製補強板材3を間隔を有して配置することも可能である。この場合には、金属製補強板材3間の空間を、合板などの詰め用板材8で埋めることが好ましい。
【0016】
この様な構造部材1は、木造建築の梁や柱などに用いられる。その一実施例を説明する。梁11は、構造部材1と同様にして、一対の梁用木材12が梁用金属製補強板材13を挟んだ状態でボルト締めされて構成されている。そして、梁11の補強板材13の端部が梁用木材12の端面から突出して連結部16が形成されている。連結部16は、柱21と連結される第1連結部16aおよび、パネル31と連結される第2連結部16bを具備している。第1連結部16aおよび第2連結部16bには、ボルト用の貫通孔17,18が形成されている。
【0017】
柱21は、一対の柱用木材22が間隔を有して配置されて構成されている。そして、柱用木材22間の空間には、合板などからなる詰め用板材23が配置されている。この詰め用板材23は、柱用木材22の長さ方向(図4において上下方向)に部分的に配置され、梁用金属製補強板材13の連結部16が挿入されるスリット部24および、パネル連結具26が挿入されるスリット部が形成されている。また、柱用木材22にはボルト用の貫通孔25が形成されている。
【0018】
梁11と柱21とを組み立てる際には、梁用金属製補強板材13の連結部16を、柱21のスリット部24に挿入し、第1連結部16aを柱用木材22間に位置させるとともに、第2連結部16bを柱21から突出させる。そして、ボルト4で柱21と梁11とをボルト締めする。また、パネル連結具26の一部を、柱21のパネル連結具用スリット部に挿入し、ボルト4でボルト締めし、パネル連結具26の他方の部分を柱21から突出させる。なお、パネル連結具26には、ボルト締めするために2個のボルト用貫通孔27が形成されている。
【0019】
略垂直に配置されるパネル31は、一対の間隔を有して対向する面材32、面材32の縁部に沿って面材32間に配置される枠体33および、面材32間の空間に配置される断熱材34を具備している。そして、このパネル31を梁11や柱21と組み立てる際には、まず始めに、外側の面材32および断熱材34が取り付けられる前の状態のパネル31の枠体33を、梁用金属製補強板材13の第2連結部16bおよび、パネル連結具26の突出している部分にボルト4でボルト締めする。その後、パネル31に断熱材34と外側の面材32とを取り付ける。この様にして、梁11、柱21およびパネル31が組み立てられて、結合体を構成している。なお、枠体33には、ボルト締めするためのボルト用貫通孔37が形成されている。
【0020】
柱の変形例を図7に図示する。図7に図示する柱41は、上記柱21と異なり、一対の柱用木材22の間に柱用金属製補強板材43が、スリット部24の部分を除いて配置され、ボルト4でボルト締めされている。なお、パネル連結具26および詰め用板材23は設けられていない。そして、補強板材43はサイドが柱用木材22よりも突出し、パネル連結部44が形成されている。このパネル連結部44には、パネル31の枠体33をボルト4で連結するためのボルト用貫通孔46が形成されている。この様にして、柱用金属製補強板材43は柱41を補強するとともに、パネル31を連結するための部材となる。
【0021】
また、上記パネル31は、水平力を支持するが、このパネル31に代えて、図8および図9に図示するように、筋交い51を用いることも可能である。この筋交い51の端部には、連結プレート52が設けられており、この筋交い51の連結プレート52が、梁用金属製補強板材13の第2連結部16bにボルト4でボルト締めされる。
【0022】
前述のように、この実施の形態の構造部材およびその結合体では、間伐材などの一対の木材2,12,22が金属製補強板材3,13,43を挟む状態で配置されてボルト締めされているので、木材2,12,22が細い場合でも金属製補強板材3,13,43で補強して強度を向上させることができる。その結果、間伐材などの細い木材を、梁や柱などの構造部材として有効利用することができる。
【0023】
また、金属製補強板材3,13,43は木材2,12,22から突出して連結部6,16,44が形成されており、この連結部6,16,44を用いて他の部材を連結することができる。その結果、金属製補強板材3,13,43で木材2,12,22を補強することができるとともに、組み立て作業工数や、部品点数を削減することができる。
【0024】
柱21にはスリット部24が形成され、このスリット部24に梁11の連結部16が挿入され、この連結部16の先端部が柱21からさらに突出して第2連結部16bが設けられている。したがって、梁11の連結部16に柱21だけでなく、パネル31や筋交い51などの水平力を支持する支持材を連結させることができる。
【0025】
一対の柱用木材22は、柱用金属製補強板材43で補強されるとともに、この柱用金属製補強板材43のサイドが柱用木材22から突出しパネル連結部44が形成されている。したがって、柱用金属製補強板材43により、柱用木材22が補強されるとともに、パネル31を連結させることができる。その結果、柱用木材22を補強することができるとともに、組み立て作業工数や、部品点数を削減することができる。
【0026】
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)実施の形態においては、木材は間伐材であるが、他の木材でも可能である。また、木材が無垢である必要は必ずしもない。
【0027】
(2)金属製補強板材は、鉄板であるが、他の金属板でも可能である。
(3)実施の形態においては、金属製補強板材は連結部を具備しているが、必ずしも、連結部を具備する必要はない。また、実施の形態における金属製補強板材は、連結部として、柱との連結部である第1連結部および、パネルとの連結部である第2連結部を具備しているが、連結部の個数は適宜選択可能である。たとえば、1個でも可能である。
【0028】
(4)連結部に連結される部材は適宜選択可能である。
(5)実施の形態において、水平力を支持する支持材は、パネルや筋交いであるが、他の部材でも可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、構造部材は、一対の木材が金属製補強板材を挟む状態で配置されてボルト締めされており、金属製補強板材で木材が補強される。特に、梁などの座屈強度や曲げ強度を向上させることができる。したがって、間伐材などの比較的細い木材でも、梁や柱などの構造部材として有効利用することができる。
【0030】
また、金属製補強板材の端部が木材の端面から突出して、連結部が形成されている場合には、金属製補強板材を利用して他の部材を連結することができる。その結果、金属製補強板材で木材を補強することができるとともに、組み立て作業工数や、部品点数を削減することができる。
【0031】
そして、梁の金属製補強板材の連結部の先端部が、一対の柱用木材の間に挿入され、この柱用木材からさらに突出して第2連結部が形成され、この第2連結部に水平力を支持する支持材が連結されている場合には、梁の連結部に柱だけでなく、パネルや筋交いなどの水平力を支持する支持材を連結させることができる。その結果、金属製補強板材で木材を補強することができるとともに、組み立て作業工数や、部品点数をさらに削減することができる。
【0032】
また、一対の柱用木材が金属製補強板材を挟んだ状態でボルト締めされ、この金属製補強板材のサイドが、前記柱用木材から突出してパネル連結部が形成され、このパネル連結部にパネルの枠体がボルト締めされているので、金属製補強板材で柱用木材を補強することができるとともに、この金属製補強板材を利用してパネルを連結することができる。その結果、組み立て作業工数や、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にかかる構造部材の説明図で、(a)が斜視図、(b)が上から見た図、(c)が(b)の構造部材の変形例の図である。
【図2】図2は結合体の要部の斜視図である。
【図3】図3は結合体の要部の説明図である。
【図4】図4は組み立て前の梁と柱の要部の斜視図である。
【図5】図5はパネルを組み付ける前の要部の斜視図である。
【図6】図6は結合体の横から見た説明図である。
【図7】図7は結合体の変形例の横から見た説明図で、(a)がパネル取付後の図、(b)がパネルの取付前の図である。
【図8】図8は結合体の別の変形例の要部の斜視図である。
【図9】図9は図8の結合体を上から見た説明図である。
【符号の説明】
1 構造部材
2 木材
3 補強板材
4 ボルト
6 連結部
8 詰め用板材
11 梁(構造部材)
12 梁用木材
13 補強板材
16 連結部
16a 第1連結部
16b 第2連結部
21 柱
22 柱用木材
26 パネル連結具
31 パネル(水平力を支持する支持材)
33 パネルの枠体
41 柱(構造部材)
43 補強板材
44 パネル用連結部
51 筋交い(水平力を支持する支持材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、木造建築などに用いられる構造部材およびその結合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、木造建築では、梁や柱などの構造部材には太い木材が用いられ、間伐材などの細い木材は強度上用いられていない。そのため、間伐材の用途は、割り箸などに限定され、消費量が少ないため、廃棄されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この様に、間伐材の消費量が少ないと、間伐材の値段が低くなり、間伐するためのコストをまかなうことができない。その結果、間伐が行われず、森林が適切に管理できずに荒れることになる。また、間伐材を廃棄する際にも、廃棄コストがかかると言う問題が生じる。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためのもので、間伐材などの細い木材を有効利用することができる構造部材およびその結合体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の構造部材(1,11,41)は、金属製補強板材(3,13,43)と、この金属製補強板材を挟む状態で配置された一対の木材(2,12,22)とを備え、前記金属製補強板材および一対の木材がボルト締めされている。
【0006】
また、金属製補強板材の端部は、前記木材の端面から突出して、連結部(6,16)が形成されていることがある。
そして、前記構造部材が梁であることがある。
さらに、前記金属製補強板材が間隔を開けて配置されていることがある。
【0007】
そして、前記金属製補強板材間の空間を詰める詰め用板材(8)が、前記一対の木材に挟まれて配置されボルト締めされていることがある。
また、金属製補強板材が全スパーンにわたって配置されていることがある。
【0008】
本発明の結合体は、一対の梁用木材が金属製補強板材を挟んだ状態でボルト締めされている梁と、一対の柱用木材を具備する柱とを結合している。そして、金属製補強板材の端部は梁用木材の端面から突出して連結部が形成され、この金属製補強板材の連結部が、一対の柱用木材の間に挿入されてボルト締めされていることを特徴とする。
【0009】
また、金属製補強板材の連結部の先端部が、柱用木材からさらに突出して第2連結部(16b)が形成され、この第2連結部に水平力を支持する支持材(31,51)が連結されていることがある。
【0010】
そして、金属製補強板材の連結部の先端部が、柱用木材からさらに突出して第2連結部が形成され、この第2連結部にパネルの枠体(33)がボルト締めされていることがある。
さらに、前記一対の柱用木材間にパネル連結具(26)の一部が挿入されて固定され、このパネル連結具の他方の部分に前記パネルの枠体が固定されていることがある。
【0011】
また、前記金属製補強板材の連結部の先端部が、柱用木材からさらに突出して第2連結部が形成され、この第2連結部に筋交いが連結されていることがある。
【0012】
本発明の別の結合体は、一対の柱用木材が金属製補強板材を挟んだ状態でボルト締めされている柱と、パネルとを結合した結合体であって、前記金属製補強板材のサイドが、前記柱用木材から突出してパネル連結部(44)が形成され、このパネル連結部に前記パネルの枠体がボルト締めされている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明における構造部材およびその結合体の実施の一形態を図1ないし図9を用いて説明する。図1は本発明にかかる構造部材の説明図で、(a)が斜視図、(b)が上から見た図、(c)が(b)の構造部材の変形例の図である。図2は結合体の要部の斜視図である。図3は結合体の要部の説明図である。図4は組み立て前の梁と柱の要部の斜視図である。図5はパネルを組み付ける前の要部の斜視図である。図6は結合体の横から見た説明図である。図7は結合体の変形例の横から見た説明図で、(a)がパネル取付後の図、(b)がパネルの取付前の図である。図8は結合体の別の変形例の要部の斜視図である。図9は図8の結合体を上から見た説明図である。なお、これらの図において、二点鎖線はボルト締めの位置を示している。
【0014】
実施の形態における構造部材1は、従来の木造建築において構造部材として用いられていなかった間伐材などの無垢の木材2を利用している。この木材2は比較的細いので、強度が低い。そのため、金属製(たとえば、鉄板など)の補強板材3で、座屈強度や曲げ強度などを向上させている。その補強構造は、図1に図示するように、金属製補強板材3の両側に、間伐材などの木材2を配置し、一体となるべくボルト4でボルト締めしている。すなわち、一対の木材2および金属製補強板材3にボルト4用の貫通孔を形成し、ボルト4の先端を木材2および金属製補強板材3の貫通孔に挿通した後に、ボルト4の先端にナットを螺合させて締めつける。この様にして、一対の木材2が金属製補強板材3を挟んだ状態でボルト締めされる。なお、この実施の形態では、金属製補強板材3の板厚は、木材2の板厚よりも小さい。
【0015】
そして、金属製補強板材3の端部は木材2の端面よりも突出しており、連結部6が形成されている。この連結部6を利用して他の構造部材(図示しない)を連結する。金属製補強板材3は、図1(a)および図1(b)に図示するように、構造部材1の全スパーンにわたって配置することも可能である。また、強度上問題がなければ、図1(c)に図示するように、金属製補強板材3を間隔を有して配置することも可能である。この場合には、金属製補強板材3間の空間を、合板などの詰め用板材8で埋めることが好ましい。
【0016】
この様な構造部材1は、木造建築の梁や柱などに用いられる。その一実施例を説明する。梁11は、構造部材1と同様にして、一対の梁用木材12が梁用金属製補強板材13を挟んだ状態でボルト締めされて構成されている。そして、梁11の補強板材13の端部が梁用木材12の端面から突出して連結部16が形成されている。連結部16は、柱21と連結される第1連結部16aおよび、パネル31と連結される第2連結部16bを具備している。第1連結部16aおよび第2連結部16bには、ボルト用の貫通孔17,18が形成されている。
【0017】
柱21は、一対の柱用木材22が間隔を有して配置されて構成されている。そして、柱用木材22間の空間には、合板などからなる詰め用板材23が配置されている。この詰め用板材23は、柱用木材22の長さ方向(図4において上下方向)に部分的に配置され、梁用金属製補強板材13の連結部16が挿入されるスリット部24および、パネル連結具26が挿入されるスリット部が形成されている。また、柱用木材22にはボルト用の貫通孔25が形成されている。
【0018】
梁11と柱21とを組み立てる際には、梁用金属製補強板材13の連結部16を、柱21のスリット部24に挿入し、第1連結部16aを柱用木材22間に位置させるとともに、第2連結部16bを柱21から突出させる。そして、ボルト4で柱21と梁11とをボルト締めする。また、パネル連結具26の一部を、柱21のパネル連結具用スリット部に挿入し、ボルト4でボルト締めし、パネル連結具26の他方の部分を柱21から突出させる。なお、パネル連結具26には、ボルト締めするために2個のボルト用貫通孔27が形成されている。
【0019】
略垂直に配置されるパネル31は、一対の間隔を有して対向する面材32、面材32の縁部に沿って面材32間に配置される枠体33および、面材32間の空間に配置される断熱材34を具備している。そして、このパネル31を梁11や柱21と組み立てる際には、まず始めに、外側の面材32および断熱材34が取り付けられる前の状態のパネル31の枠体33を、梁用金属製補強板材13の第2連結部16bおよび、パネル連結具26の突出している部分にボルト4でボルト締めする。その後、パネル31に断熱材34と外側の面材32とを取り付ける。この様にして、梁11、柱21およびパネル31が組み立てられて、結合体を構成している。なお、枠体33には、ボルト締めするためのボルト用貫通孔37が形成されている。
【0020】
柱の変形例を図7に図示する。図7に図示する柱41は、上記柱21と異なり、一対の柱用木材22の間に柱用金属製補強板材43が、スリット部24の部分を除いて配置され、ボルト4でボルト締めされている。なお、パネル連結具26および詰め用板材23は設けられていない。そして、補強板材43はサイドが柱用木材22よりも突出し、パネル連結部44が形成されている。このパネル連結部44には、パネル31の枠体33をボルト4で連結するためのボルト用貫通孔46が形成されている。この様にして、柱用金属製補強板材43は柱41を補強するとともに、パネル31を連結するための部材となる。
【0021】
また、上記パネル31は、水平力を支持するが、このパネル31に代えて、図8および図9に図示するように、筋交い51を用いることも可能である。この筋交い51の端部には、連結プレート52が設けられており、この筋交い51の連結プレート52が、梁用金属製補強板材13の第2連結部16bにボルト4でボルト締めされる。
【0022】
前述のように、この実施の形態の構造部材およびその結合体では、間伐材などの一対の木材2,12,22が金属製補強板材3,13,43を挟む状態で配置されてボルト締めされているので、木材2,12,22が細い場合でも金属製補強板材3,13,43で補強して強度を向上させることができる。その結果、間伐材などの細い木材を、梁や柱などの構造部材として有効利用することができる。
【0023】
また、金属製補強板材3,13,43は木材2,12,22から突出して連結部6,16,44が形成されており、この連結部6,16,44を用いて他の部材を連結することができる。その結果、金属製補強板材3,13,43で木材2,12,22を補強することができるとともに、組み立て作業工数や、部品点数を削減することができる。
【0024】
柱21にはスリット部24が形成され、このスリット部24に梁11の連結部16が挿入され、この連結部16の先端部が柱21からさらに突出して第2連結部16bが設けられている。したがって、梁11の連結部16に柱21だけでなく、パネル31や筋交い51などの水平力を支持する支持材を連結させることができる。
【0025】
一対の柱用木材22は、柱用金属製補強板材43で補強されるとともに、この柱用金属製補強板材43のサイドが柱用木材22から突出しパネル連結部44が形成されている。したがって、柱用金属製補強板材43により、柱用木材22が補強されるとともに、パネル31を連結させることができる。その結果、柱用木材22を補強することができるとともに、組み立て作業工数や、部品点数を削減することができる。
【0026】
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例を下記に例示する。
(1)実施の形態においては、木材は間伐材であるが、他の木材でも可能である。また、木材が無垢である必要は必ずしもない。
【0027】
(2)金属製補強板材は、鉄板であるが、他の金属板でも可能である。
(3)実施の形態においては、金属製補強板材は連結部を具備しているが、必ずしも、連結部を具備する必要はない。また、実施の形態における金属製補強板材は、連結部として、柱との連結部である第1連結部および、パネルとの連結部である第2連結部を具備しているが、連結部の個数は適宜選択可能である。たとえば、1個でも可能である。
【0028】
(4)連結部に連結される部材は適宜選択可能である。
(5)実施の形態において、水平力を支持する支持材は、パネルや筋交いであるが、他の部材でも可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、構造部材は、一対の木材が金属製補強板材を挟む状態で配置されてボルト締めされており、金属製補強板材で木材が補強される。特に、梁などの座屈強度や曲げ強度を向上させることができる。したがって、間伐材などの比較的細い木材でも、梁や柱などの構造部材として有効利用することができる。
【0030】
また、金属製補強板材の端部が木材の端面から突出して、連結部が形成されている場合には、金属製補強板材を利用して他の部材を連結することができる。その結果、金属製補強板材で木材を補強することができるとともに、組み立て作業工数や、部品点数を削減することができる。
【0031】
そして、梁の金属製補強板材の連結部の先端部が、一対の柱用木材の間に挿入され、この柱用木材からさらに突出して第2連結部が形成され、この第2連結部に水平力を支持する支持材が連結されている場合には、梁の連結部に柱だけでなく、パネルや筋交いなどの水平力を支持する支持材を連結させることができる。その結果、金属製補強板材で木材を補強することができるとともに、組み立て作業工数や、部品点数をさらに削減することができる。
【0032】
また、一対の柱用木材が金属製補強板材を挟んだ状態でボルト締めされ、この金属製補強板材のサイドが、前記柱用木材から突出してパネル連結部が形成され、このパネル連結部にパネルの枠体がボルト締めされているので、金属製補強板材で柱用木材を補強することができるとともに、この金属製補強板材を利用してパネルを連結することができる。その結果、組み立て作業工数や、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明にかかる構造部材の説明図で、(a)が斜視図、(b)が上から見た図、(c)が(b)の構造部材の変形例の図である。
【図2】図2は結合体の要部の斜視図である。
【図3】図3は結合体の要部の説明図である。
【図4】図4は組み立て前の梁と柱の要部の斜視図である。
【図5】図5はパネルを組み付ける前の要部の斜視図である。
【図6】図6は結合体の横から見た説明図である。
【図7】図7は結合体の変形例の横から見た説明図で、(a)がパネル取付後の図、(b)がパネルの取付前の図である。
【図8】図8は結合体の別の変形例の要部の斜視図である。
【図9】図9は図8の結合体を上から見た説明図である。
【符号の説明】
1 構造部材
2 木材
3 補強板材
4 ボルト
6 連結部
8 詰め用板材
11 梁(構造部材)
12 梁用木材
13 補強板材
16 連結部
16a 第1連結部
16b 第2連結部
21 柱
22 柱用木材
26 パネル連結具
31 パネル(水平力を支持する支持材)
33 パネルの枠体
41 柱(構造部材)
43 補強板材
44 パネル用連結部
51 筋交い(水平力を支持する支持材)
Claims (12)
- 金属製補強板材と、
この金属製補強板材を挟む状態で配置された一対の木材とを備え、
前記金属製補強板材および一対の木材がボルト締めされていることを特徴とする梁や柱などの構造部材。 - 前記金属製補強板材の端部は、前記木材の端面から突出して、連結部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の構造部材。
- 前記構造部材が梁であることを特徴とする請求項1または2記載の構造部材。
- 前記金属製補強板材が間隔を開けて配置されていることを特徴とする請求項1,2または3記載の構造部材。
- 前記金属製補強板材間の空間を詰める詰め用板材が、前記一対の木材に挟まれて配置されボルト締めされていることを特徴とする請求項4記載の構造部材。
- 前記金属製補強板材が全スパーンにわたって配置されていることを特徴とする請求項1,2または3記載の構造部材。
- 一対の梁用木材が金属製補強板材を挟んだ状態でボルト締めされている梁と、一対の柱用木材を具備する柱とを結合した結合体であって、
金属製補強板材の端部は梁用木材の端面から突出して連結部が形成され、
この金属製補強板材の連結部が、一対の柱用木材の間に挿入されてボルト締めされていることを特徴とする結合体。 - 前記金属製補強板材の連結部の先端部が、柱用木材からさらに突出して第2連結部が形成され、
この第2連結部に水平力を支持する支持材が連結されていることを特徴とする請求項7記載の結合体。 - 前記金属製補強板材の連結部の先端部が、柱用木材からさらに突出して第2連結部が形成され、
この第2連結部にパネルの枠体がボルト締めされていることを特徴とする請求項7記載の結合体。 - 前記一対の柱用木材間にパネル連結具の一部が挿入されて固定され、このパネル連結具の他方の部分に前記パネルの枠体が固定されていることを特徴とする請求項9記載の結合体。
- 前記金属製補強板材の連結部の先端部が、柱用木材からさらに突出して第2連結部が形成され、
この第2連結部に筋交いが連結されていることを特徴とする請求項7記載の結合体。 - 一対の柱用木材が金属製補強板材を挟んだ状態でボルト締めされている柱と、パネルとを結合した結合体であって、
前記金属製補強板材のサイドが、前記柱用木材から突出してパネル連結部が形成され、
このパネル連結部に前記パネルの枠体がボルト締めされていることを特徴とする結合体。
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JP2003128536A JP2004332341A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | 構造部材およびその結合体 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014227807A (ja) * | 2013-05-27 | 2014-12-08 | ミサワホーム株式会社 | 構造部材 |
JP7424343B2 (ja) | 2021-04-28 | 2024-01-30 | Jfeスチール株式会社 | 複合架設材 |
-
2003
- 2003-05-07 JP JP2003128536A patent/JP2004332341A/ja active Pending
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