JP2000281544A - 剃刀用プレシェーブ組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剃刀の滑りに優れると伴に、洗い流しの必要
がなく無駄毛処理を手軽に何処でも行うことが出来る剃
刀用プレシェーブ組成物を提供すること。 【解決手段】 従来食品用増粘剤として汎用されている
タマリンドの種子に由来する多糖類であるキシログルカ
ンとシリコーン油類とを組み合わせて配合することによ
り、剃刀の滑りを良くする効果に優れるとともに、なお
且つ使用後のべたつきが少なく、洗い流さずに手軽に使
用することが出来る剃刀用プレシェーブ組成物が得られ
ることを見出し、上記課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、剃刀用プレシェー
ブ組成物に関する技術分野の発明である。さらに詳細に
は、剃刀を使用する前に肌に塗布することにより、剃刀
の滑り及び剃り易さを向上させることができ、しかも、
使用後に肌にべたつきが残らない剃刀用プレシェーブ組
成物に関する発明である。

【０００２】

【従来の技術】体に生えている毛髪、例えば、髭、眉
毛、脇毛等の硬毛や、顔、手、脚等の生毛を、美容上の
理由等から、剃刀を使って処理することがある。その
際、剃刀を使用する前に、肌の上に何らかのプレシェー
ブ剤を塗布することが多い。これは、肌の上での剃刀の
滑りを良くし、剃り易くすると共に、肌への負担を少な
くする等のためである。このような目的で使われるプレ
シェーブ剤としては、専用のプレシェーブ用ジェル、ム
ース等のプレシェーブ用品がある他、通常の乳液やクリ
ームをプレシェーブ剤として使用したり、通常の石鹸や
洗顔料、ボディソープ等を泡立てて肌の上に塗布するこ
と等が一般的に行われている。

【０００３】従来のプレシェーブ用品は、多量の油分や
多価アルコール類を配合することにより、剃刀の滑りを
良くしたり、脂肪酸石鹸や界面活性剤のぬめり感を利用
して、剃刀の滑りを良くしている。

【０００４】これらの従来のプレシェーブ用品は、いず
れも、使用した後に、水かぬるま湯で洗い流すことを前
提に設計されている。これらの従来のプレシェーブ用品
を使用した後に洗い流さず、コットンやティッシュペー
パー等で拭き取るだけでは、これらが多量の油分や脂肪
酸石鹸等を含んでいるため、肌にべたつきが残ってしま
う。

【０００５】従って、これらの従来のプレシェーブ用品
を使用する場所は、洗面台の前や浴室内等、水が使用で
きる場所に限られる。そのため、特に、脇、腕又は脚の
無駄毛を、プレシェーブ用品を用いて剃刀で処理する場
合は、浴室内で行う必要が生じ、無駄毛処理を手軽にど
こでも行うことができないという欠点がある。

【０００６】このため、プレシェーブ用品を洗い流さず
に拭き取るだけでも、肌にべたつきが残らないように、
油分等の配合量を減らすと、剃刀の滑りを良くすること
ができなくなり、プレシェーブ用品としての本来の役割
を果たせない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
べき課題は、剃刀の滑りを良くし、剃り易くする効果に
優れていると共に、洗い流さずに拭き取るだけでも、肌
にべたつきが残らず、従って、水が使用できない場所で
も手軽に使用できる剃刀用プレシェーブ組成物を提供す
ることである。

【０００８】本発明者は、この課題の解決に向けて鋭意
検討を重ねた結果、キシログルカンとシリコーン油類と
を組み合わせて配合した剃刀用プレシェーブ組成物が、
剃刀の滑りを良くし、剃り易くする効果に優れていると
共に、洗い流さずに拭き取るだけでも、肌にべたつきを
残さないことを見出し、本発明を完成するに至った。

【０００９】

【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、キシ
ログルカン及びシリコーン油類を含む、剃刀用プレシェ
ーブ組成物である。

【００１０】本発明剃刀用プレシェーブ組成物におい
て、キシログルカンの含有量が０．０１〜２．０重量％
であり、シリコーン油類の含有量が０．５〜２０．０重
量％である場合に、特に、本発明の所期の効果を有効に
発揮し得る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明剃刀用プレシェーブ組成物は、キシ
ログルカンと、シリコーン油類とを組み合わせて配合す
ることにより、所期の効果を発揮する剃刀用プレシェー
ブ組成物である。

【００１２】キシログルカンについて 本発明剃刀用プレシェーブ組成物に配合されるキシログ
ルカンは、主に熱帯地方に産する豆科植物であるタマリ
ンダス・インディカ(Tamarindus indica) の種子の主成
分であり、下記式（Ｉ）で表わされる、β−１，４グル
カンからなる主鎖に、側鎖として、キシロースがα−
１，６結合し、キシロースの一部にはガラクトースが結
合した構造を有する、分子量が数十万の多糖である。

【００１３】

【化１】 〔式中、Ｇｌｃはグルコース残基を表し、Ｘｙｌはキシ
ロース残基を表し、Ｇａｌはガラクトース残基を表し、
ｎは結合数を表す〕

【００１４】本発明剃刀用プレシェーブ組成物には、市
販されているキシログルカン（商品名「グリロイド」，
大日本製薬株式会社製）を配合することができる。な
お、市販品を本発明剃刀用プレシェーブ組成物に配合す
る場合には、可能な限り精製されたものを用いるのが好
ましい。なお、ここで用いられるキシログルカンの分子
量は、特に限定されない。

【００１５】また、本発明剃刀用プレシェーブ組成物に
は、公知の方法、例えば、上記「グリロイド」の商品カ
タログに記載された方法で製造したキシログルカンを配
合することもできる。すなわち、タマリンドの種子から
異物を除去し、これを浸漬した後粉砕して、この粉砕物
から不純物を除去し、洗浄して乾燥し、最後に微粉砕す
ることによって製造したキシログルカンを配合すること
ができる。

【００１６】本発明剃刀用プレシェーブ組成物における
キシログルカンの配合量は、剤形、他の配合成分との兼
ね合い等に応じて、適宜選択され、特に限定されるもの
ではないが、好ましくは、剃刀用プレシェーブ組成物全
体に対して０．０１〜２．０重量％の範囲であり、さら
に好ましくは、同０．０５〜１．０重量％の範囲であ
る。このキシログルカンの配合量が、剃刀用プレシェー
ブ組成物全体の０．０１重量％未満であると、剃刀の滑
りを向上させる効果が弱くなる傾向にあり、一方、同
２．０重量％を超えると、組成物の粘性が高くなって、
毛の剃り易さを向上させる効果が弱くなる傾向にあり、
また、乾燥後に皮膜感が生じたり、使用後に肌にべたつ
きが残って使用感触が悪くなる傾向にある。

【００１７】シリコーン油類について 本発明剃刀用プレシェーブ組成物において、上記のキシ
ログルカンと組み合わせて配合されるシリコーン油類と
しては、例えば、メチルポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油；オクタメチル
シクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロ
キサン等の環状ジメチルシリコーン油；メチルハイドロ
ジェンポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシク
ロテトラシロキサン等のメチルハイドロジェンシリコー
ン油；ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重
合体、ポリ（オキシエチレン・オキシプロピレン）メチ
ルポリシロキサン共重合体等のポリエーテル変性シリコ
ーン油等を挙げることができる。

【００１８】本発明剃刀用プレシェーブ組成物には、こ
れらのシリコーン油類の１種を単独で又は２種以上を組
み合わせて配合することができる。本発明剃刀用プレシ
ェーブ組成物におけるシリコーン油類の配合量は、剤
形、他の配合成分との兼ね合い等に応じて、適宜選択さ
れ、特に限定されるものではないが、好ましくは、剃刀
用プレシェーブ組成物全体に対して０．５〜２０．０重
量％の範囲である。シリコーン油類の配合量が、剃刀用
プレシェーブ組成物全体の０．５重量％未満であると、
剃刀の滑り及び剃り易さを向上させる効果が弱くなる傾
向にあり、一方、同２０．０重量％を超えると、使用後
に肌にべたつきが残って使用感触が悪くなる傾向が認め
られる。

【００１９】このように、キシログルカン及びシリコー
ン油類を配合することにより、剃刀の滑りを良くし、剃
り易くする効果に優れると共に、使用後に肌にべたつき
が残らず、洗い流さずに手軽に使用することができるプ
レシェーブ組成物が提供される。

【００２０】本発明剃刀用プレシェーブ組成物の具体的
な態様 本発明において「剃刀用プレシェーブ組成物」は、外皮
に適用される化粧料等の外用組成物であり、乳化系、ゲ
ル系、軟膏系、エアゾール系、水−油２層系、水−油−
粉末３層系等、幅広い剤形を採り得るが、これらの剤形
に限定されるものではない。

【００２１】本発明剃刀用プレシェーブ組成物は、上記
の必須成分である、キシログルカンと、シリコーン油類
に加えて、通常外用組成物に用いられる各種成分を、本
発明の効果が損なわれない範囲で配合して、常法により
製造することができる。

【００２２】このような成分としては、例えば、油脂、
ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合
成エステル油等の油分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、
酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、各種薬剤、各
種ビタミン類、増粘剤、粉末成分、色剤、低級アルコー
ル、水、香料等が挙げられる。

【００２３】

【実施例】次に、本発明剃刀用プレシェーブ組成物を、
実施例によりさらに具体的に説明する。但し、本発明の
技術的範囲は、以下の実施例により限定されるものでは
ない。なお、配合量は、特に断らない限り、その成分が
配合される対象に対する重量％である。

【００２４】はじめに、本発明剃刀用プレシェーブ組成
物が所期の効果を示すか否かを試験し、判定した。試験
方法及び判定基準は次の通りであった。 〔試験方法〕女性の被験者１群２０名として、１つの試
料を前腕部に塗布し、剃刀でうぶ毛を剃り、その後、洗
い流さないでコットンで拭き取ることによって、剃刀の
滑りの良さ、毛の剃り易さ、使用後（コットンで拭き取
った後）の肌のべたつきのなさを評価した。試料として
は、第１表及び第２表に示す処方で、常法により調製し
た、実施例１〜９及び比較例１〜２の乳液状の剃刀用プ
レシェーブ組成物を使用した。

【００２５】〔判定基準〕剃刀の滑りの良さ ○：被験者のうち、剃刀の滑りが良いと評価した割合が
５０％以上の場合 △：被験者のうち、剃刀の滑りが良いと評価した割合が
３０％以上５０％未満の場合 ×：被験者のうち、剃刀の滑りが良いと評価した割合が
３０％未満の場合毛の剃り易さ ○：被験者のうち、毛を剃り易いと評価した割合が５０
％以上の場合 △：被験者のうち、毛を剃り易いと評価した割合が３０
％以上５０％未満の場合 ×：被験者のうち、毛を剃り易いと評価した割合が３０
％未満の場合使用後の肌のべたつきのなさ ○：被験者のうち、使用後に肌のべたつきがないと評価
した割合が５０％以上の場合 △：被験者のうち、使用後に肌のべたつきがないと評価
した割合が３０％以上５０％未満の場合 ×：被験者のうち、使用後に肌のべたつきがないと評価
した割合が３０％未満の場合 判定結果を、第１表及び第２表に示す。

【００２６】

【表１】

【００２７】

【表２】

【００２８】第１表及び第２表から明らかなように、キ
シログルカンとシリコーン油類のジメチルポリシロキサ
ンとを含む本発明剃刀用プレシェーブ組成物は、剃刀の
滑りを良くし、毛を剃り易くする効果に優れていると共
に、使用後、すなわち、洗い流さずにコットンで拭き取
っただけでも、肌にべたつきを残さないことが認められ
る。

【００２９】一方、キシログルカンを含まない比較例１
の剃刀用プレシェーブ組成物は、剃刀の滑りを良くする
効果に乏しく、また、シリコーン油類を含まない比較例
２の剃刀用プレシェーブ組成物は、剃刀の滑りを良くす
る効果にも毛を剃り易くする効果にも乏しく、従って、
キシログルカンとシリコーン油類とを併用することによ
って、使用後に肌にべたつきを残さず、しかも、剃刀の
滑りの良さ及び毛の剃り易さに優れる剃刀用プレシェー
ブ組成物が得られることが認められる。

【００３０】以下に本発明剃刀用プレシェーブ組成物の
他の実施例を示す。これらの組成物について、上記の試
験を行ったところ、いずれの組成物についても、剃刀の
滑りの良さ、毛の剃り易さ及び使用後の肌のべたつきの
なさの判定結果は全て「○」であった。

【００３１】 〔実施例１０〕 ジェル状剃刀用プレシェーブ組成物 配合成分 配合量（重量％） （１）キシログルカン ０．５ （２）ジメチルポリシロキサン ２．０ （３）デカメチルシクロペンタシロキサン ２．０ （４）ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 １．０ （５）ポリエチレングリコール1500 １０．０ （６）ポリオキシエチレンオレイルエーテル ０．５ （７）カルボキシビニルポリマー ０．５ （８）水酸化カリウム ０．２ （９）パラオキシ安息香酸メチル ０．２ （10）精製水 残 量 ＜製造方法＞（10）に（１）及び（７）を添加して攪拌
溶解した後、（５）、（６）及び（９）を添加して混合
し、（８）を添加して中和した後、（２）、（３）及び
（４）を添加して攪拌混合し、ジェル状剃刀用プレシェ
ーブ組成物を得た。

【００３２】 〔実施例１１〕 シート状剃刀用プレシェーブ組成物 配合成分 配合量（重量％） （１）キシログルカン ０．５ （２）ジメチルポリシロキサン ５．０ （３）アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 ０．２ （４）ジプロピレングリコール ５．０ （５）エタノール ５．０ （６）水酸化カリウム ０．１ （７）パラオキシ安息香酸メチル ０．２ （８）精製水 残 量 ＜製造方法＞（８）に（１）、（３）、（４）、（５）
及び（７）を添加して攪拌溶解した後、（６）を添加し
て中和し、（２）を添加して混合し、ローションを調製
した。このローションをコットン製の不織布に含浸さ
せ、シート状剃刀用プレシェーブ組成物を得た。

【００３３】このシート状剃刀用プレシェーブ組成物
は、剃刀を使用する前と、剃刀を使用した後の両方に使
用できるものである。すなわち、剃刀を使用する前に、
このシートで肌を拭いて肌を濡らすことにより、剃刀の
滑りを良くすることができ、また、剃刀を使用した後
に、このシートで肌を拭いて肌上に残っている剃られた
毛を拭き取ることができ、しかも、拭き取った後、肌が
べたつかないので、洗い流す必要がない。

【００３４】

【発明の効果】本発明によれば、剃刀の滑りを良くし、
毛を剃り易くする効果に優れていると共に、使用後に肌
がべたつかず、洗い流さずに手軽に使用することができ
る剃刀用プレシェーブ組成物が提供される。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キシログルカン及びシリコーン油類を含
   む、剃刀用プレシェーブ組成物。
2. 【請求項２】 キシログルカンの含有量が、組成物全体
   に対して０．０１〜２．０重量％であり、シリコーン油
   類の含有量が同０．５〜２０．０重量％である、請求項
   １記載の剃刀用プレシェーブ組成物。