JP4550234B2

JP4550234B2 - 皮膚洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP4550234B2
Application number: JP2000214840A
Authority: JP
Inventors: 雅幸林; 里美浅井
Original assignee: Shimizu Chemical Corp; Nippon Zettoc Co Ltd
Current assignee: Shimizu Chemical Corp; Nippon Zettoc Co Ltd
Priority date: 2000-07-14
Filing date: 2000-07-14
Publication date: 2010-09-22
Anticipated expiration: 2020-07-14
Also published as: JP2002029963A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は皮膚洗浄剤組成物に関し、詳しくは洗浄性及び安全性に優れ、皮膚及び毛髪に対してしっとりなめらかに仕上げる毛髪用洗浄剤、洗顔料、身体用洗浄剤として有用な皮膚洗浄剤組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、皮膚洗浄剤において物理的な洗浄効果を高める目的でスクラブ剤を配合することが知られている。通常スクラブ剤としては、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、クルミの殻、アンズやモモの種子等の粉砕物などが多く使用されてきた。
しかしながら、ポリエチレンパウダー及びポリスチレンパウダーをスクラブ剤に使用すると、合成系であることから、人体及び環境に対してのイメージが悪いとの欠点があった。一方、クルミの殻、アンズやモモの種子等の粉砕物については、天然物ではあるが、非常に高価であり、その構造から皮膚表面に損傷を与えたる危険性があった。更に上記スクラブ剤を用いたゲル状洗浄剤において、製品中のスクラブ剤が沈降又は凝集してしまい、製剤を安定に保つことが難しくなる。このため製剤の粘性を高めざるを得なくなり、毛髪及び皮膚に対して延びが悪い、糸引き性を生じる、水への分散性が悪い等の欠点を生むこととなった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた洗浄効果を有するとともに、安全で使用感が良好で、安定性の良い皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、天然物である非水溶性グルコマンナンを皮膚洗浄剤組成物に含ませることによって、洗浄力及び安全性に優れ、さらに、所定の組成とすることによって、長期間にわたって非水溶性グルコマンナンの沈降を防ぎ、しかも心地よい使用感を得ることができることを見出し、本発明に至った。
従って本発明は、非水溶性グルコマンナンを含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物に関する。
本発明はさらに、非水溶性グルコマンナン、非イオン性界面活性剤、カルボキシビニルポリマー及び／又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー及びアルカリ剤を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物に関する。
本発明はまた、非水溶性グルコマンナン、非イオン性界面活性剤、カルボキシビニルポリマー及び／又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー、アルカリ剤及び多価アルコールを含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物に関する。
【０００５】
【発明の実施の形態】
本明細書中でいう皮膚洗浄剤組成物とは、シャンプー、リンスなどの毛髪用洗浄剤、及び洗顔料、ボディーシャンプー、ハンドソープ、フットソープ、シュエービング剤などの身体用洗浄剤などを包含する。
本発明の皮膚洗浄剤組成物はクリーム状、ゲル状のいずれの形状にも調製することができる。
【０００６】
グルコマンナンは、こんにゃく属の植物の球茎や根から抽出される非イオン性の天然高分子で、その主成分は主にＤ−マンノースとＤ−グルコースからなる多糖類である。本発明に用いられる非水溶性グルコマンナンは、エタノールを抽出溶媒として用い、水に不溶なゲルとし、乾燥させ粉末としたものである。本品の元となるグルコマンナンの分子量は原料に用いるこんにゃく芋の種類、産地、収穫の時期によって異なるが、一般に１００万〜２００万の範囲内である。
このようなグルコマンナンは食品や化粧品をはじめ、医薬品、農芸用品、餅類、インキ工業、プラスチック工業など広く一般的に使用されるものであり、本発明においては、「非水溶性グルコマンナン」としての市販品を用いることができる。市販品の例としては、「プロポールＩＳＬＢ」（清水化学（株）製）がある。
【０００７】
本発明の皮膚洗浄剤組成物における非水溶性グルコマンナンの含有量は、組成物全体に対して０．５〜３０質量％が適当であり、好ましくは１〜１０質量％である。この量が０．５質量％未満であると、期待されるスクラブ効果が発揮されず、一方３０質量％を越えると、含有量に見合った効果が得られず使用感を損ねる場合がある。
【０００８】
本発明の皮膚洗浄剤組成物の好ましい実施態様として、さらに、非イオン性界面活性剤、カルボキシビニルポリマー及び／又はアルキル変性カルボキシポリマー及びアルカリ剤を含有させる。
本発明の皮膚洗浄剤組成物に用いられる非イオン性界面活性剤としては、具体的にはポリオキシアルキレン付加型、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン付加型、アミンオキサイド系、モノ又はジエタノールアミド系、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド系等が挙げられる。本発明に用いられる非イオン性界面活性剤は、上記具体例に限定されるものではないことはもちろんであり、１種単独で又は２種以上を併用して用いることができる
本発明においては、特に、起泡性も有するアルキルグルコシド系非イオン性界面活性剤が好ましい。
【０００９】
本発明の皮膚洗浄剤組成物における非イオン性界面活性剤の含有量は、組成物全体に対して１〜３０質量％が適当であり、好ましくは３〜２０質量％である。
この量が１質量％未満であると、期待される洗浄力効果が発揮されず、一方３０質量％を越えると、脱脂力が増し、皮膚上の保湿成分までも洗い流してしまう恐れがある。
【００１０】
本発明の皮膚洗浄剤組成物に用いられるカルボキシビニルポリマー及び／又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、当技術分野で通常使用されているものを使用することができる。
市販品の例としては、カーボポール９４０、カーボポール９４１、カーボポール１３４２、カーボポール Ultrez-10、ペミュレンＴＲ−１、ペミュレンＴＲ−２（以上、グッドリッチ社製）等が挙げられる。本発明に用いられるカルボキシビニルポリマー及び／又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、上記具体例に限定されるものではないことはもちろんであり、１種単独で又は２種以上を併用して用いることができる。本発明においては、組成物において分散し易い点でカーボポールUltrez-10が特に好ましい。
【００１１】
本発明の皮膚洗浄剤組成物におけるカルボキシビニルポリマー／又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーの含有量は、組成物全体に対して０．０５〜３質量％が適当であり、好ましくは０．１〜２質量％である。この量が０．０５質量％未満であると、非水溶性グルコマンナンの沈降を生じ、一方３質量％を越えると皮膚に対する延びが悪く使用感を損ねる恐れがある。
【００１２】
本発明の皮膚洗浄剤組成物に用いられるアルカリ剤は、カルボキシビニルポリマー及び／又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーの中和剤として用いるものであり、皮膚洗浄剤組成物に通常使用可能なアルカリ剤であれば特に限定されるものではない。具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール等の有機アルカリ剤、L−アルギニン、L−リジン等の塩基性アミノ酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ剤等が挙げられる。特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく使用される。アルカリ剤は上記具体例に限定されるものではなく、また、１種単独で又は２種以上を組み合わせて用いることができる。
【００１３】
本発明に用いられるアルカリ剤は、皮膚洗浄剤組成物において通常採用される系のｐＨ３〜１０、好ましくはｐＨ４〜８の間の所望のｐＨに調整可能な量を適宜配合することができる。この範囲を越えると皮膚に対して刺激を与える恐れがあるため、好ましくない。アルカリ剤の使用量は、組成物に使用する他の成分によって変動するが、一般的に組成物全体に対して０．０５〜５質量％である。例えば水酸化ナトリウムを使用する場合、０．１〜０．３質量％程度である。
【００１４】
本発明の皮膚洗浄剤組成物の実施態様においては、組成物中で非水溶性グルコマンナンの形態を良好に保持するために、さらに多価アルコールを含有させることが好ましい。
本発明に用いられる多価アルコールとして、具体的にグリセリン、１，３−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、ソルビトールなどが挙げられる。本発明に用いられる多価アルコールは、上記具体例に限定されるものではなく、また、１種単独で又は２種以上を併用して用いることができる。本発明においては、特にグリセリン、１，３−ブチレングリコールが好ましく使用される。
【００１５】
本発明の皮膚洗浄剤組成物における多価アルコールの含有量は、組成物全体に対して５〜７０質量％が適当であり、好ましくは１０〜４０質量％である。この量が５質量％未満であると、なめらかなゲルが得られず、また、グルコマンナンが膨潤し易くなるため、期待するスクラブ感が得られない。一方７０質量％を越えると、べたつき感が増し使用感を損ねる恐れがある。
【００１６】
本発明の皮膚洗浄剤組成物には、上記成分に加え、組成物の種類や使用目的に応じて適宜他の成分を配合することができる。特に使用感の向上等を目的として、カルボキシビニルポリマー及び／又はアルキル変性カルボキシビニルポリマー以外の各種水溶性高分子化合物を併用することもできる。水溶性高分子化合物としては、グアガム、キサンタンガム、カラギーナン、寒天、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化グアガム、水溶性グルコマンナン等が挙げられる。
【００１７】
本発明の皮膚洗浄剤組成物には、更に、その他の任意成分として、皮膚洗浄剤組成物に通常使用される洗浄剤成分を配合することができる。例えば、保湿剤、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、色素、香料等の１種又は２種以上を選択して用いることができる。
【００１８】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、クリーム状、ゲル状などの形態で調製することが可能であり、上記に挙げた成分を常法により混合することで製造することができる。こうして得られる本発明の皮膚洗浄剤組成物はマッサージを行った後、水や湯で洗い流すことによって用いられるものである。
【００１９】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
下記表１及び表２（実施例１〜８及び比較例１〜８）に示す組成（単位：質量％、精製水で全体１００とする）及び下記製法にて各皮膚洗浄剤組成物（ゲル状のボディーシャンプー）を調製し、次の試験を行った。試験手順及び評価方法は以下の通りである。また、結果を表１及び表２に併記する。
【００２０】
（製法）
Ａ．成分（１）〜（３）及び（９）を均一に溶解する。
Ｂ．成分（４）〜（７）を均一に溶解する。
Ｃ．Ａを撹拌しながらＢに添加し、可溶化する。
Ｄ．Ｃに（８）を添加し、均一に撹拌混合して、洗浄剤組成物を得る。
【００２１】
［皮膚刺激性測定方法及び評価基準］
男女各５名に対し、上記各皮膚洗浄剤組成物を１％に調整し４０℃に加温した水溶液を用いて、この液に手首より先端部を完全に浸したまま５分間放置し、その後ぬるま湯ですすぎ、軽くタオル等で水分を除去した。この操作を５回繰り返し（３０分に１回）、５回目終了後３０分間放置した後に判定を行った。皮膚に全く変化が見られない場合を３点、皮膚がややカサついている場合を２点、皮膚がかなりカサついている場合を１点として１０名の平均値を求めて次の３段階で判定した。
◎：皮膚刺激性弱い（平均値：２．５以上）
○：皮膚刺激性が中程度（平均値：１．５以上２．５未満）
×：皮膚刺激性が強い（平均値：１．５未満）
【００２２】
［使用感の評価方法及び評価基準］
各洗浄剤組成物について男女各５名に対し、身体の洗浄をさせ、その際の官能評価を行った。評価項目及び評価は以下の通りで、それぞれ１０名の平均値を求めて４段階で判定した。
（１）洗浄力５点：非常に良く落ちる４点：良く落ちる３点：落ちる２点：やや落ちにくい１点：水洗いと同等
（２）すすぎ後のぬめり感５点：ぬめり感が少ない４点：ぬめり感がやや少ない３点：ふつう２点：ぬめり感がやや多い１点：ぬめり感が多い
（３）乾燥後のしっとり感５点：しっとりする４点：ややしっとりする３点：ふつう２点：ややしっとりしない１点：しっとりしない
◎：非常に良好（平均値：４．５以上）
○：良好（平均値：３．５以上４．５未満）
△：ふつう（平均値：２．５以上３．５未満）
×：不良（平均値：２．５未満）
【００２３】
［分散安定性］
５０ml容透明ガラス容器に試料４５mlを入れて密栓した後、直後及び５０℃、５℃で１ヶ月後の分散状態をそれぞれ目視判定して安定性の指標とした。判定基準は以下の通りである。
○：グルコマンナンの沈降及び凝集が何れも全く認められない。
△：グルコマンナンの沈降及び凝集が僅かに認められる。
×：グルコマンナンの沈降及び凝集が明らかに認められる。
【００２４】
【表１】

^*1 NIKKOL カーボポール Ultrez-10(日光ケミカルズ（株）製)
^*2 マイドール１２（花王（株）製）
^*3 プロポール ISLB (清水化学（株）製)
【００２５】
【表２】

^*1 NIKKOL カーボポール Ultrez-10(日光ケミカルズ（株）製)
^*2 マイドール１２（花王（株）製）
^*3 プロポール ISLB (清水化学（株）製)
【００２６】
表１及び表２の結果から明らかなように、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、低刺激性であり、かつ使用感に優れるものであった。
【００２７】
【実施例９】
下記に示す配合処方によりボディーシャワーゲルを常法に従い調製した。
＜組成＞（質量％）
カルボキシビニルポリマー１
水酸化ナトリウム０．２
アルキルグルコシド１２
グリセリン脂肪酸エステル０．５
グリセリン２５
１，３−ブチレングリコール１０
フェノキシエタノール０．５
香料０．２
非水溶性グルコマンナン３
精製水残量（全量１００とする）
このボディーシャワーゲルは適度なスクラブ感があり、泡立ち、泡切れも良く、洗いあがりがさっぱりとして、しっとり感のあるものであった。
【００２８】
【実施例１０】
下記に示す配合処方により洗顔料を常法に従い調製した。
＜組成＞（重量％）
カルボキシビニルポリマー０．５
水酸化ナトリウム０．１
キサンタンガム０．２
ショ糖脂肪酸エステル１０
ＰＯＥ（９）ラウリルエーテル５
プロピレングリコール５
グリセリン１０
エデト酸二ナトリウム０．１
パラベン０．３
香料０．２
非水溶性グルコマンナン２
精製水残量（全量１００とする）
この洗顔料は適度なスクラブ感があり、すすぎ時のきしみ感もなく、洗い上がりはべとつかずしっとりしたものであった。
【００２９】
【発明の効果】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗浄性及び安全性に優れ、皮膚及び毛髪に対してしっとりなめらかに仕上げる効果を有する。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は安定性がよく非水溶性グルコマンナンが良好に分散されている。

Claims

非水溶性グルコマンナンを０．５〜３０質量％、非イオン性界面活性剤を１〜３０質量％、カルボキシビニルポリマー及び／又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを０．０５〜３質量％、多価アルコールを５〜７０質量％、及びアルカリ剤を含有することを特徴とする皮膚洗浄剤組成物。
非水溶性グルコマンナンを１〜１０質量％、非イオン性界面活性剤を３〜２０質量％、カルボキシビニルポリマー及び／又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを０．１〜２質量％、多価アルコールを１０〜４０質量％、及びアルカリ剤を含有する、請求項１記載の皮膚洗浄剤組成物。
該非イオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレン付加型、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン付加型、アミンオキサイド系、モノ又はジエタノールアミド系、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、及びアルキルグルコシド系非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも１種である、請求項１又は２記載の皮膚洗浄剤組成物。